JP3600076B2 - 照明用光学系 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ライトバルブ上の映像を拡大投写する投写映像表示装置においてロッドインテグレータを備えた照明用光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
投写型映像表示装置においてライトバルブに液晶表示素子を用いる際、光源から出射される光を液晶パネルに均一に照射する手段として、ロッドインテグレータを用いた方式がある。ロッドインテグレータは矩形のガラスロッドに光束を集光させ、ロッド側面での反射の繰り返しにより均一で且つ平行度の高い照明光を得ることができ、例えば、特開平5−72628号に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、液晶表示素子はその光軸方向両側にはそれぞれ偏光板が配置され、ガラス基板上に形成されている透明電極に選択的に電圧を印加することにより各個所の液晶の光学特性が変化し、前述の偏光板の偏光軸方向の組み合わせによって透光性または遮光性を持つ。光源からの光は無偏光であるため前述の偏光板は不要な偏光方向の光を50%吸収し、実際の光源から出射される光束のうち画像の明るさに寄与する光束は十分に得られないという問題点を有する。
【0004】
また、これらの解決手段として偏光変換素子を単独の別のユニットとして用いる方法があるが、この方法によると照明系の巨大化を招く。
【0005】
本発明は、これらの問題点を解決するものでその目的とするところは、ロッドインテグレータにより均一でかつ平行度の高い照明光を得ることを維持しつつ、光源からの出射光束を偏光変換により有効利用し、かつ照明光学系を軽量小型化するところにある。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
本発明は、以下の構成とすることにより前述の課題を解決している。
【0007】
ランプ等の発光源から出射された照明光束を集光させ、前記発光源からの出射光束が入射する入射面と、この入射面からの光束をS偏光とP偏光に分離する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタからのP偏光光束及びS偏光光束が出射される2つの出射面と、前記出射面のうち一方に設置された位相板とを備えるロッドインテグレータ及び、前記2つの出射面からの光束を液晶パネルに照射する照射手段とからなる構成。
【0008】
上記の構成により、光源からの出射光をより均一で平行度の高い光に変換し、かつ不要とされる50%の光を偏光変換により原理上略2倍の光量に変換することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図1を用いて説明する。
【0010】
図1はこの実施の形態の照明用光学系を示した説明図である。1はランプ等の発光光源である。2はロッドインテグレータで、光源1からの発光光束の入射面3a及び2つの出射面3b、3cからなる。4は偏光ビームスプリッタでロッドインテグレータ2に内蔵され、光源1からの出射光束をP偏光光束とS偏光光束に分離する。5は全反射ミラーでロッドインテグレータ2の側面に配置され、S偏光光束の光路を90°回転させる。6は位相板でロッドインテグレータ2の出射面3cに配置され、S偏光光束の偏光面を回転させP偏光光束に変換する。7はロッドインテグレータ2からの出射光を液晶パネル8に照射するためのレンズ群である。
【0011】
光源1より出射された光はロッドインテグレータ2の入射面3aに入射し、ロッドインテグレータ2よって均一かつ平行度の高い光束となる。このとき光束は無偏光光束である。次にこの光束をロッドインテグレータ2に内蔵されている偏光ビームスプリッター4により反射光をS偏光に、透過光をP偏光に分離する。P偏光光束はそのままロッドインテグレータ2内部を反射しながら出射面3bから出射する。一方分離されたS偏光光束は再び全反射ミラー5により90°反射され、ロッドインテグレータ2の内部を反射しながら出射面3cを出射する。このとき光の偏光面を回転させる位相板6により上記S偏光光束はP偏光光束に変換される。その結果同一のP偏光光束のみがロッドインテグレータ2から出射され、レンズ群7を用いて液晶パネル8に照射することにより略2倍の光量を得ることができる。またロッド出射面3b、3cの形状を液晶パネル8と相似形状にすることにより無駄なく液晶パネル8に照射することができる。
【0012】
しかし、図1の実施例では偏光ビームスプリッタ4にて分離された位置から各出射面3b、3cまでのP偏光光束とS偏光光束との光路長差により反射及び透過ロスによる照明光の不均一さが生じ、液晶パネル8での上下部における照度むらが発生する。
【0013】
図2は、上記欠点を補った例であり、本発明の第2の実施の形態の照明用光学系での説明図である。ロッドインテグレータ2の構成は図1と同一であるが、ロッドインテグレータ2の入射面3a及び出射面3b、3c以外の全側面がミラーコートされている。ロッドインテグレータ2からの出射光を集光する手段としてくさび型のレンズ27を用いることにより出射面3b、3cからの各光束を液晶パネル全体に照射することができ、前述の図1の実施例における液晶パネル8での照度むらを解消できる。
【0014】
図3は、本発明の第3の実施の形態の照明用光学系を示した説明図である。偏光ビームスプリッター4にて分離されたP偏光光束は全反射ミラー45にて光路を90°回転し出射面3bから出射する。その後前記P偏光光束は液晶パネル8の対面に配置された全反射ミラー55により液晶パネル8に照射される。同様に偏光ビームスプリッタ4にて分離されたS偏光光束は全反射ミラー35にて光路を90°回転し出射面3cから出射する。このとき位相板6により前記図1と同様P偏光光束に変換され、液晶パネル8の対面に配置された全反射ミラー65により液晶パネル8に照射される。この実施例により偏光ビームスプリッタ4にて分離されたP偏光光束とS偏光光束の分離された位置から液晶パネル8までの光路長が等しくなるため、前述図1の実施例における液晶パネル8での照度むらを解消できる。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたとおり本発明によれば、ロッドインテグレータ内部に偏光ビームスプリッタを組み込むことにより照明系の小型軽量化を実現することができると共に、光利用効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の照明用光学系の説明図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の照明用光学系の説明図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の照明用光学系の説明図である。
【符号の説明】
1 光源
2 ロッドインテグレータ
3a ロッドインテグレータ入射面
3b、3c ロッドインテグレータ出射面
4 偏光ビームスプリッタ
5,35,45,55,65 全反射ミラー
6 位相板
7 レンズ群
27 くさび型レンズ
8 液晶パネル

Claims (3)

  1. 投写型映像表示装置の偏光照明用光学系において、ランプ等の発光源から出射された照明光束を集光させ、前記発光源からの出射光束が入射する入射面と、この入射面からの光束をS偏光とP偏光に分離する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタからのP偏光光束及びS偏光光束が出射される2つの出射面と、前記出射面のうち一方に設置された位相板とを備えるロッドインテグレータ及び、前記2つの出射面からの光束を液晶パネルに照射する照射手段とからなることを特徴とする照明用光学系。
  2. 前記ロッドインテグレータは前記入射面及び出射面以外の全側面をミラーコートされたことを特徴とする請求項1記載の照明用光学系。
  3. 前記ロッドインテグレータは偏光ビームスプリッタによる分離位置から前記出射面までのS偏光光路長とP偏光光路長が等しくなることを特徴とする請求項1記載の照明用光学系。
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