JP3599577B2 - 曲り樋継手 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家屋の軒先の隅部に設けられる曲り樋継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
軒先の出隅部に設けられる従来の曲り樋継手としては、例えば、実公昭61−41886号公報に記載されているようなものがある。
【0003】
この曲り樋継手は、略L字の平面形状に形成され、軒樋を嵌合可能な軒樋嵌合部が両端に設けられている継手本体を備え、その継手本体の入隅部が、家屋の軒先にある隅木の先端を納めることができる方形状に切り欠かれていると共に、その切り欠き部の周縁に立設され、継手本体の出隅部側に膨らんだ円弧状の壁で形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の曲り樋継手Maにあっては、図4に示すように、継手本体1aの入隅部12aの両側に、角部14aが設けられているために、軒樋嵌合部11aに嵌合させた軒樋が夏冬の温度差によって熱伸縮した時、継手本体1aにも応力がかかり継手本体1aが変形する。特に、継手本体1aが両方向から引っ張られると、継手本体1aの入隅部12aが拡げられ、この時、曲り樋継手Maが変形したり、又、曲り樋継手Maに接続された軒樋4が変形したりして、継手本体1aの軒樋嵌合部11aの近傍で、継手本体1aの入隅部12aの両側の角部14a、特にその下端部が鼻隠し板5に当たり、継手本体1aが破損したり、鼻隠し板5に傷を付けたりする問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記のような問題に着目し、曲り樋継手が、温度変化の原因で、鼻隠し板に傷を付けず、又、曲り樋継手が破損したりするこがない曲り樋継手を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の曲り樋継手では、略L字の平面形状に形成され、軒樋を嵌合可能な軒樋嵌合部が両端に設けられている継手本体を備え、その継手本体の入隅部が、継手本体の出隅部側に膨らんだ壁で、この壁の軒樋嵌合部の近傍に角部が形成されている曲り樋継手において、継手本体の軒樋嵌合部に近い入隅部の角部の両側下端部が、平面視で傾斜状に面取りされた壁で形成されているものである。
【0007】
本発明において、曲り樋継手の材質は、合成樹脂、金属が使用されるが、軽量、防錆の点で合成樹脂がよく、合成樹脂の中でも、軒樋と同じ材質で、硬質塩化ビニル樹脂が好ましい。
【0008】
本発明において、継手本体の軒樋嵌合部に近い入隅部の角部の両側下端部が、平面視で傾斜状に面取りされた壁となされているが、この面取の大きさは、軒樋が夏冬の温度差によって熱伸縮した時、継手本体が両方向から引っ張られ、曲り樋継手が変形したり、又、曲り樋継手に接続された軒樋が変形したりしても、継手本体の軒樋嵌合部の近傍で、継手本体の入隅部の両側のほぼ直角に近い角度の角部が鼻隠し板に当たらない程度にしておくとよい。
【0009】
(作用)
本発明の曲り樋継手では、継手本体の軒樋嵌合部に近い入隅部の角部の両側下端部が、平面視で傾斜状に面取りされた壁で形成されているから、軒樋が夏冬の温度差によって熱伸縮して、継手本体が両方向から引っ張られ、曲り樋継手が変形したり、又、曲り樋継手に接続された軒樋が変形したりしても、継手本体の入隅部の両側の下端部の角部が鼻隠し板に当たらず、曲り樋継手が鼻隠し板に傷を付けず、又、曲り樋継手が破損したりするこがない。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、図1〜図3に基づいて、一実施例の曲り樋継手の構成を説明する。
図1は本発明の曲り樋継手の一実施例を示すもので、(イ)は斜視図、(ロ)は底面図、図2は図1の曲り樋継手の使用状態を示す説明図、図3は図2において、軒樋の収縮に起因する曲り樋継手の変形状態を示す模式説明図である。
【0011】
図1に示すように、曲り樋継手Mは、略L字の平面形状であり、かつ、略溝形の断面形状に形成され、軒樋を嵌合可能な軒樋嵌合部11が両端に設けられた継手本体1と、軒樋嵌合部11の内面に設けられた軒樋係止片2と、両端部の軒樋嵌合部11の上端に相対して内側に向けて設けられた軒樋押え片3と、を備えている。なお、前記継手本体1と軒樋係止片2と軒樋押え片3とは一体に成形されている。
【0012】
継手本体1は、入隅部12が継手本体1の出隅部13側に膨らんだ壁で形成されていると共に、その入隅部12の両端部の軒樋嵌合部11の近傍に角部14が形成され、入隅部12と軒樋嵌合部11とが連続している。
【0013】
この両端部の角部14の下端部は、下方に行くにつれて幅広になるように面取部15が形成されている。
両端部の面取部15の軒樋嵌合部11側の下端は、軒樋嵌合部11の奥より内側に位置するようになされている。
【0014】
次に、図2及び図3に基づいて、使用方法と作用を説明する。
先ず、軒先の出隅部で、鼻隠し板5取り付けられた軒樋4の一端部の側壁面と底面とに接着剤(図示省略)を塗布して、曲り樋継手Mの一方の軒樋嵌合部11に嵌め込み、一方の軒樋係止片2と軒樋嵌合部11との間に軒樋4の一端部を差し込み、一方の軒樋係止片2と軒樋押え片3とで軒樋4の一端部を押え、曲り樋継手Mの一方の軒樋嵌合部11と軒樋4を接続する。
【0015】
次に、別の軒樋4の一端部の側壁面と底面とに接着剤(図示省略)を塗布して、曲り樋継手Mの他方の軒樋嵌合部11に嵌め込み、他方の軒樋係止片2と軒樋嵌合部11との間に他方の軒樋4の一端部を差し込み、他方の軒樋係止片2と軒樋押え片3とで別の軒樋4の他端部を押え、曲り樋継手Mの他方の軒樋嵌合部11と別の軒樋4を接続し、別の軒樋4を別の鼻隠し板5に取り付ける。
【0016】
このようにすると、本発明の曲り樋継手Mでは、継手本体1の軒樋嵌合部11に近い入隅部12の角部14の両側下端部が、平面視で傾斜状になされた面取部15になされているから、軒樋4が夏冬の温度差によって熱収縮して、継手本体1が両方向から引っ張られ(図3参照)、曲り樋継手Mが変形したり、又、曲り樋継手Mに接続された軒樋4が変形したりして、継手本体1の下部が軒先側に動いても、継手本体1の入隅部12の両側の下端部の角部14の面取部15が鼻隠し板5に当たらず、曲り樋継手Mが鼻隠し板5に傷を付けず、又、曲り樋継手Mが破損したりすることがない。
【0017】
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、一実施例では、出隅部での軒樋の収縮に起因する曲り樋継手の変形を上げたが、入隅部でも軒樋の伸びに起因する曲り樋継手の変形についても同様の考えが適用される。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の曲り樋継手にあっては、継手本体の軒樋嵌合部に近い入隅部の角部の両側下端部が、平面視で傾斜状に面取りされた壁で形成されているから、軒樋が夏冬の温度差によって熱伸縮して、継手本体が両方向から引っ張られ、曲り樋継手が変形したり、又、曲り樋継手に接続された軒樋が変形したりしても、継手本体の入隅部の両側の下端部の角部が鼻隠し板に当たらず、曲り樋継手が鼻隠し板に傷を付けず、又、曲り樋継手が破損したりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の曲り樋継手の一実施例を示すもので、(イ)は斜視図、(ロ)は底面図である。
【図2】図1の曲り樋継手の使用状態を示す説明図である。
【図3】図2において、軒樋の収縮に起因する曲り樋継手の変形状態を示す模式説明図である。
【図4】従来の曲り樋継手が両方から引っ張られ、継手本体の入隅部の両側の下端部の角部が鼻隠し板に当たっている状態を示した説明図である。
【符号の説明】
M 曲り樋継手
1 継手本体
11 軒樋嵌合部
12 入隅部
13 出隅部
14 角部
15 面取部
2 軒樋係止部
3 軒樋押え片
4 軒樋
5 鼻隠し板

Claims (1)

  1. 略L字の平面形状に形成され、軒樋を嵌合可能な軒樋嵌合部が両端に設けられている継手本体を備え、その継手本体の入隅部が、継手本体の出隅部側に膨らんだ壁で、この壁の軒樋嵌合部の近傍に角部が形成されている曲り樋継手において、
    前記継手本体の軒樋嵌合部に近い入隅部の角部の両側下端部が、平面視で傾斜状に面取りされた壁で形成されていることを特徴とする曲り樋継手。
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