JP3599482B2 - Atm交換機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、広帯域ISDN(Broadband Integrated Service Digital Network)で用いられるATM交換機に関連するもので、特に、同報機能を実現する構成に関連するものである。
【0002】
【従来の技術】
広帯域ISDNのATM交換機には、特開平2−90834号公報『ATM通話路装置及び回線終端装置』に示される図13の構成を有するものが多くある。図13で、入力回線で送られたセルは、入力回線対応部1の入力ヘッダ変換部3により、セル内の論理チャネル番号(VPI(Virtual Path Identifier)/VCI(Virtual Channel Identifier)など)を変換され、スイッチ部60により対応する出力回線対応部2に転送されて出力回線に送出される。入力ヘッダ変換部3は、予め設定のなされた変換テーブルの設定内容に応じて、論理チャネル番号の変換と転送先の出力回線対応部2を決定する。
【0003】
一方、ATM交換機において同一内容のセルを複数の着信先に転送する(同報する)ための構成が知られている。特許公告平5−63059号公報『パケット同報通信方式』では、図14に示す構成により同報通信を実現する。図14で、同報スイッチ部61は、入力されたセルを内部のメモリに一旦格納し、同報するセルについては複数回読み出して、それぞれ対応する複数の出力回線対応部8に転送する。転送されたセルは、出力回線対応部8の出力ヘッダ変換部4によりセル内の論理チャネル番号を変換された後、出力回線に送出される。出力ヘッダ変換部4は、入力ヘッダ変換部3と同様に変換テーブルを有し、それを用いて論理チャネル番号の変換を行う。
【0004】
特開平5−136814号公報『ATM網におけるセルコピー装置』では、図15に示すセルコピー装置5により同報通信を実現する。セルコピー装置5は、入力回線対応部7に入力されたセルを複数複製し、複製した各セルの論理チャネル番号の変換などを行って、スイッチ部60に出力する。スイッチ部60は、入力された各セルを対応する出力回線対応部2に転送する。
【0005】
なお、図14および図15の交換機では、同報されるセルを、互いに異なる論理チャネル番号の設定された複数のセルとして、同一出力回線に送出することはできない。このため、図16に示す交換網を構成して、セル560を端末73〜76に同報する場合、まず、交換機77が出力回線L0’,Lm’にそれぞれセル561,562を同報し、セル561に応じて交換機78が端末73,74に、セル562に応じて交換機79が端末75,76にそれぞれ同報するという動作が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
既存のATM交換機には、同報機能を持たない図13の構成の交換機が多く含まれるため、既存の交換機のハードウェア資産を有効に活用して、同報機能の追加を行えるようにすることが望まれている。特に、入力回線対応部と出力回線対応部は、それぞれ交換機の回線数分(図13ではn個)必要であり、ハードウェア量が膨大となる。しかし、既存の交換機を用いて図14の従来例を実現するには、既存のスイッチ部60を同報スイッチ部61に置き換える他、既存の出力回線対応部2を、ヘッダ変化部4を備えた出力回線対応部8に全て置き換えければならない。図15の従来例の実現でも、既存の入力回線対応部1を、セルコピー装置5を備えた入力回線対応部7に全て置き換える必要がある。入力回線対応部と出力回線対応部は、同一基板に搭載されるのが一般的であり、入力回線対応部と出力回線対応部の片方だけの交換ができない場合が多い。この事を考慮すると、上記従来例の同報機能を実現する場合には、既存の交換機のハードウェアの大部分を置き換える(または、交換機そのものを置き換える)必要があり、ハードウェア資産を有効に活用することはできない。
【0007】
また、図14および図15の従来例では、同報されるセルを、互いに異なる論理チャネル番号の設定された複数のセルとして、同一の出力回線に送出することができないため、交換網に含まれる全交換機に同報機能が必要となる。これは、同報機能を持たない交換機が存在する交換網の同報サービスを大きく制限する。
【0008】
そこで、本発明は、同報機能を持たない既存の交換機のハードウェアを有効に活用して、ATM交換機の同報機能を実現することを目的とする。さらに、同報されるセルを、互いに異なる論理チャネル番号の設定された複数のセルとして、出力回線に送出することにより同報を行うことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明のATM交換機は、複数の入力回線および複数の出力回線に接続される、同報通信の可能なATM交換機であって、入力ポートに送られたセルに設定された装置内ヘッダに基づいて、前記セルを出力ポートより送出し、同報されるセルについては、前記セルを複数の出力ポートより送出するスイッチ部と、送られたセルに設定された論理チャネル情報に対応する内部の変換テーブルの設定内容に従って、前記セルに対し、論理チャネル情報の変換と、装置内ヘッダの付加を行い、変換および付加を行ったセルを、1対1に対応付けられた前記スイッチ部の入力ポートに送るM個以上の入力回線対応部と、1対1に対応付けられた前記スイッチ部の出力ポートより送られたセルに対して、前記装置内ヘッダの除去を含む所定の送信処理を施すM個以上の出力回線対応部とを備え、N個(Nは、2≦N<Mを満たす整数)の前記出力回線対応部は、1対1に対応付けられたN個の前記入力回線対応部に前記送信処理を施したセルを送り、他の出力回線対応部は、前記送信処理を施したセルを前記出力回線に送り、他の入力回線対応部には、前記入力回線よりセルが送られることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、例えば同報機能を持たないATM交換機において、入力回線対応部と出力回線対応部をそのまま流用し、入力回線対応部と出力回線対応部の追加と、スイッチ部の置き換えを行うことで、同報機能を実現することが可能となる。すなわち、同報機能を持たない既存のATM交換機のハードウェアを有効に活用して、同報機能を実現することができる。
【0011】
また、本発明のATM交換機は、前記入力回線より前記入力回線対応部に送られた、所定の論理チャネル情報の設定されたセルが、前記変換テーブルの設定に応じて、前記N個の出力回線対応部に送られた後、前記N個の入力回線対応部により、互いに異なる論理チャネル情報を設定された複数のセルとなって前記出力回線に送られることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下で、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るATM交換機の構成を示す図である。図1において、本ATM交換機は、受信処理部4および入力ヘッダ変換部3を有する複数の入力回線対応部1(10〜1n)と、同報スイッチ部61と、送信処理部21を有する複数の出回線対応部2(20〜2n)と、以上の各部を制御する制御装置を備える。入回線対応部1n−1と出回線対応部2n−1、入力回線対応部1nと出力回線対応部2nは、別途回線によりそれぞれ折り返し接続され、同報処理用回線対応部6を構成する。他の入回線対応部10〜1mの入力には、それぞれ加入者/中継網の入力回線L0〜Lmが接続され、他の出回線対応部20〜2mの出力には、それぞれ加入者/中継網の出力回線L0’〜Lm’が接続される。同報処理用回線対応部6は、1つの基板上に搭載された回路により実現され、同報スイッチ部61も別の基板上の回路で実現される。これらの基板は、交換機本体に抜き差し可能に搭載されている。なお、同報処理用回線対応部6において折り返し接続する回線は、同報処理用回線対応部6の回路内部の配線や基板上の配線により実現してもよい。
【0014】
図2に、本ATM交換機が入力回線と出力回線で入出力するセルの構成を示し、図3に、本ATM交換機の内部で使用されるセルの構成を示す。ATM交換機が入出力する各セルは、着信先や通信経路を示す論理チャネル番号(VPI/VCIなど)91と、通信内容を示すデータ92からなる。ATM交換機の内部で使用される各セルは、変換後の論理チャネル番号91’とデータ92に、同報スイッチ部61の切り換え情報である装置内ヘッダ90を付加した構成を有する。
【0015】
入力回線対応部1の入力ヘッダ変換部3は、ヘッダ処理部31と変換テーブル32を有し、入力回線もしくは内部回線で送られる図2に示す構成のセルを取り込む。ヘッダ処理部31は、取り込んだセルの論理チャネル番号91を元に、変換テーブル32の設定内容を調べ、新たな論理チャネル番号91’と、装置内ヘッダ90を決定する。そして、決定した論理チャネル番号91’と装置内ヘッダ90を用いて、図3に示す構成のセルを生成し送出する。
【0016】
図4に、入力回線対応部10の変換テーブル32の設定内容の一例を示す。図4に示すように、変換テーブル32には、入力セルの論理チャネル番号と、変換後の論理チャネル番号と、転送先ポートを示す装置内ヘッダとが予め格納されている。図5に、入力回線対応部1n−1の変換テーブル32の設定内容の一例を示し、図6に、入力回線対応部1nの変換テーブル32の設定内容の一例を示す。
【0017】
同報スイッチ部61は、各入力回線対応部1に1対1に接続される入力ポートと、出力回線対応部2に1対1に接続される出力ポートと、セルが格納されるメモリ62と、ポート選択回路63と、制御部64を有する。制御部64は、入力ポートを介してメモリ62に格納されたセルを、そのセルの装置内ヘッダ90に応じて、対応する1つ以上の出力ポートから送出する。複数の出力ポートから送出する場合、制御部64は、メモリ62から同じセルを繰り返し読み出し、読み出しの都度ポート選択回路63を制御して出力ポートの切り換えを行う。
【0018】
ところで、上記の入力回線対応部1と出力回線対応部2は共に、同報機能を持たない既存のATM交換機のものと同等の機能を有する。このため、同報機能を持たない既存のATM交換機の入力回線対応部1と出力回線対応部2をそのまま利用し、同報処理用回線対応部6(入力回線対応部1n−1,1nと出力回線対応部2n−1,2n)の増設と、スイッチ部の置き換えを行うだけで、本ATM交換機が実現される。なお、一般的なATM交換機では、入力回線および出力回線間の交換処理に利用するポートの他に、特殊ポートや空きポートを設けている場合が多い。この特殊ポートや空きポートに同報処理用回線対応部6を割り当てることで、交換機の回線数を減らすことなく同報機能を追加することが可能になる。また、同報処理用回線対応部6も、従来の回線対応部1,2により構成されるため、実現が容易である。
【0019】
次に、図7を用いて、2つの出力回線で各1セルの同報を行う場合の本ATM交換機の動作を説明する。
【0020】
入力回線L0より入力回線対応部10に送られた論理チャネル番号=010のセル520は、受信処理部4で所定の受信処理を施された後、入力ヘッダ変換部3に送られる。入力ヘッダ変換部3のヘッダ処理部31は、送られたセルの論理チャネル番号=010で変換テーブル32(図4)を調べ、新たな論理チャネル番号=110と、装置内ヘッダ=n−1,nを得る。そして、それら情報からセル521を生成して同報スイッチ部61に送る。このセル521は同報スイッチ部61のメモリ62に一旦格納され、装置内ヘッダ=n−1,nに応じて、出力回線対応部2n−1,2nに送られる。
【0021】
出力回線対応部2n−1,2nは、送られたセル521に送信処理部21で所定の送信処理を施した後、内部回線を介してそれぞれ入力回線対応部1n−1,1nに送る。入力回線対応部1n−1は、セルの論理チャネル番号=110で変換テーブル32(図5)を調べ、新たな論理チャネル番号=207と、装置内ヘッダ=0を得る。そして、それら情報からセル523を生成し送出する。同様に、入力回線対応部1nは、セルの論理チャネル番号=110で変換テーブル32(図6)を調べ、変換後の論理チャネル番号=208と、装置内ヘッダ=mを得る。そして、それら情報からセル524を生成し送出する。これらセル523,524は、同報スイッチ部61によりそれぞれ出力回線対応部20,2mに送られる。そして、所定の送信処理によりセル513,512となってそれぞれ出力回線L0’,Lm’に送出される。以上のようにして、セル520は2つの出力回線で同報される。
【0022】
次に、図8を用いて、1つの出力回線で2つのセルの同報を行う場合の動作を説明する。
【0023】
入力回線L0より入力回線対応部10に送られた論理チャネル番号=011のセル550は、所定の受信処理を施された後、入力ヘッダ変換部3に送られる。入力ヘッダ変換部30のヘッダ処理部31は、論理チャネル番号=011で変換テーブル32(図4)を調べ、新たな論理チャネル番号=111と、装置内ヘッダ=n−1,nを得る。そして、それら情報からセル551を生成して、同報スイッチ部61に送る。このセル551は同報スイッチ部61により、出力回線対応部2n−1,2nに送られる。
【0024】
出力回線対応部2n−1,2nは、送られたセルに所定の送信処理を施した後、内部回線を介してそれぞれ入力回線対応部1n−1,nに送る。入力回線対応部1n−1は、セルの論理チャネル番号=111で変換テーブル32(図5)を調べ、変換後の論理チャネル番号=207と、装置内ヘッダ=0を得る。そして、それら情報からセル523を生成し送出する。同様に、入力回線対応部1nは、セルの論理チャネル番号=111で変換テーブル32(図6)を調べ、変換後の論理チャネル番号=209と、装置内ヘッダ=0を得る。そして、それら情報からセル554を生成し送出する。これらセル523,554は共に、同報スイッチ部61により出力回線対応部20に送られる。そして、所定の送信処理によりセル513,555となって出力回線L0’に送出される。以上のようにして、セル550は1つの出力回線で同報される。
【0025】
次に、図9〜図11を用いて、2つの出力回線で各2つのセルの同報を行う場合の動作を説明する。
【0026】
図9で、入力回線L0より入力回線対応部10に送られた論理チャネル番号=015のセル530は、所定の受信処理を施された後、入力ヘッダ変換部30に送られる。入力ヘッダ変換部30のヘッダ処理部31は、論理チャネル番号=015で変換テーブル32(図4)を調べ、変換後の論理チャネル番号=115と、装置内ヘッダ=n−1,nを得る。そして、得た情報からセル531を生成して、同報スイッチ部61に送る。このセル531は同報スイッチ部61により、出力回線対応部2n−1,2nに送られる。
【0027】
出力回線対応部2n−1,2nは、送られたセルに所定の送信処理を施した後、内部回線を介してそれぞれ入力回線対応部1n−1,nに送る。入力回線対応部1n−1は、送られたセル532の論理チャネル番号=115で変換テーブル32(図5)を調べ、変換後の論理チャネル番号=120と、装置内ヘッダ=n,n−1を得る。そして、得た情報からセル533を生成し送出する。同様に、入力回線対応部1nは、変換テーブル32(図6)を調べ、変換後の論理チャネル番号=121と、装置内ヘッダ=n,n−1を得る。そして、得た情報からセル535を生成し送出する。
【0028】
図10で、入力回線対応部1n−1から送出されたセル533は、同報スイッチ部61により出力回線対応部2n−1,2nに送られ、内部回線を介して再度入力回線対応部1n−1,1nに送られる。入力回線対応部1n−1は、送られたセルの論理チャネル番号=120で変換テーブル32(図5)を調べ、変換後の論理チャネル番号=207と、装置内ヘッダ=0を得る。そして、得た情報からセル523を生成し送出する。同様に、入力回線対応部1nは、送られたセルの論理チャネル番号=120で変換テーブル32(図6)を調べ、変換後の論理チャネル番号=208と、装置内ヘッダ=mを得る。そして、得た情報からセル524を生成し送出する。入力回線対応部1n−1,1nより送出されたセル523,524は、同報スイッチ部61によりそれぞれ出力回線対応部20,2mに送られ、所定の送信処理によりセル513,512となって出力回線L0’,Lm’に送出される。
【0029】
同様に、図11で、入力回線対応部1nから送出されたセル535も、同報スイッチ部61により出力回線対応部2n−1,2nに送られ、内部回線を介して再度入力回線対応部1n−1,1nに送られる。入力回線対応部1n−1は、送られたセルの論理チャネル番号=121で変換テーブル32(図5)を調べ、変換後の論理チャネル番号=225と、装置内ヘッダ=0を得る。そして、得た情報からセル537を生成し送出する。同様に、入力回線対応部1nは、送られたセルの論理チャネル番号=121で変換テーブル32(図6)を調べ、変換後の論理チャネル番号=226と、装置内ヘッダ=mを得る。そして、得た情報からセル538を生成し送出する。これらセル537,538は、同報スイッチ部61によりそれぞれ出力回線対応部20,2mに送られ、所定の送信処理によりセル539,540となって出力回線L0’,Lm’に送出される。以上のようにして、セル530は、2つの出力回線で各2つ同報される。
【0030】
以上の動作により本ATM交換機は、同報先の端末との間に、同報機能を持たない交換機が存在する場合にも同報を行うことができる。このことを、図12に示すATM交換網の構成例を用いて説明する。
【0031】
図12で、上記のATM交換機である交換機70は、同報機能を持たない交換機である交換機71,72を介して端末73,74,75,76と接続されている。端末73〜76へ同報される上記のセル530を受信した交換機70は、図9〜図11の動作により、出力回線L0’にセル513,539を送出し、出力回線Lm’にセル512,540を送出する。出力回線L0’と接続された交換機71は、送られたセル513の論理チャネル番号の変換を行って端末73の回線に送出する。セル539は論理チャネル番号を変換した後、端末74の回線に送出する。出力回線Lm’と接続された交換機72も、送られたセル512,540の論理チャネル番号を変換してそれぞれ端末75,76に転送する。このようにして、セル530は、同報機能を持たない交換機71,72を介して端末73〜76に同報される。
【0032】
なお、本ATM交換機は、変換テーブル32の設定により、上記の動作例の同報以外にも、1つの出力回線で3つ以上のセルを同報したり、3つ以上の出力回線で同報を行うような多様な同報サービスを提供できる。また、以上では、入力回線対応部1と出力回線対応部2を2組用いて同報処理用回線対応部6を構成しているが、入力回線対応部1と出力回線対応部2を3組以上としてもよい。この入力回線対応部1と出力回線対応部2の組を増やすことで、上記のATM交換機は、より高速に複数のセルの生成と同報を行えるようになる。
【0033】
以上で説明したように、本実施形態のATM交換機は、既存の同報機能を持たない交換機の入力回線対応部1と出力回線対応部2をそのまま利用でき、入力回線対応部1と出力回線対応部2の増設とスイッチ部の置き換えだけで同報機能を実現できるため、既存(または既設)の交換機のハードウェア資産を有効に活用することができる。
【0034】
さらに、本実施形態のATM交換機は、同報されるセルを、互いに異なる論理チャネル番号の設定された複数のセルとして、出力回線に送出することができる。これにより、同報機能を持たない交換機が通信途中に存在する場合にも、任意の着信先に同報を行うことができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、同報機能を持たない既存の交換機のハードウェアを有効に活用して、ATM交換機の同報機能を実現することが可能となる。さらに、同報されるセルを、互いに異なる論理チャネル番号の設定された複数のセルとして、出力回線に送出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るATM交換機の構成を示す図である。
【図2】本ATM交換機に入出力するセルの構成を示す図である。
【図3】本ATM交換機の内部で使用されるセルの構成を示す図である。
【図4】入力回線対応部10の変換テーブルの設定例を示す図である。
【図5】入力回線対応部1n−1の変換テーブルの設定例を示す図である。
【図6】入力回線対応部1nの変換テーブルの設定例を示す図である。
【図7】2回線に各1セルの同報を行う場合のセルの流れを示す図である。
【図8】1回線に、異なるチャネル番号を有する2セルの同報を行う場合のセルの流れを示す図である。
【図9】2回線に、異なるチャネル番号を有する各2セルの同報を行う場合のセルの流れ(前半)を示す図である。
【図10】図9のセル533によるセルの流れ(後半)を示す図である。
【図11】図9のセル535によるセルの流れ(後半)を示す図である。
【図12】本ATM交換機が、同報機能を持たない交換機を介して同報を行えることを示すシステム図である。
【図13】同報機能を持たない従来のATM交換機の構成例を示す図。
【図14】出力回線対応部とスイッチ部において同報機能を実現した従来例を示す図。
【図15】入力回線対応部において同報機能を実現した従来例を示す図。
【図16】複数の交換機を介して同報が行われる場合の従来例を示す図。
【符号の説明】
L0〜Lm,Ln−1,Ln・・・入力回線
L0’〜Lm’,Ln−1’,Ln’・・・出力回線
10〜1m,1n−1,1n・・・入力回線対応部
20〜2m,2n−1,2n・・・出力回線対応部
3・・・入力ヘッダ変換部
32・・・変換テーブル
4・・・受信処理部
61・・・同報スイッチ部
21・・・送信処理部
70・・・本実施形態のATM交換機
71,72・・・同報機能を持たないATM交換機
73,74,75,76・・・端末
90・・・装置内ヘッダ
91,91’・・・論理チャネル番号
92・・・データ
600,610,620・・・変換テーブル32の設定情報
【発明の属する技術分野】
本発明は、広帯域ISDN(Broadband Integrated Service Digital Network)で用いられるATM交換機に関連するもので、特に、同報機能を実現する構成に関連するものである。
【0002】
【従来の技術】
広帯域ISDNのATM交換機には、特開平2−90834号公報『ATM通話路装置及び回線終端装置』に示される図13の構成を有するものが多くある。図13で、入力回線で送られたセルは、入力回線対応部1の入力ヘッダ変換部3により、セル内の論理チャネル番号(VPI(Virtual Path Identifier)/VCI(Virtual Channel Identifier)など)を変換され、スイッチ部60により対応する出力回線対応部2に転送されて出力回線に送出される。入力ヘッダ変換部3は、予め設定のなされた変換テーブルの設定内容に応じて、論理チャネル番号の変換と転送先の出力回線対応部2を決定する。
【0003】
一方、ATM交換機において同一内容のセルを複数の着信先に転送する(同報する)ための構成が知られている。特許公告平5−63059号公報『パケット同報通信方式』では、図14に示す構成により同報通信を実現する。図14で、同報スイッチ部61は、入力されたセルを内部のメモリに一旦格納し、同報するセルについては複数回読み出して、それぞれ対応する複数の出力回線対応部8に転送する。転送されたセルは、出力回線対応部8の出力ヘッダ変換部4によりセル内の論理チャネル番号を変換された後、出力回線に送出される。出力ヘッダ変換部4は、入力ヘッダ変換部3と同様に変換テーブルを有し、それを用いて論理チャネル番号の変換を行う。
【0004】
特開平5−136814号公報『ATM網におけるセルコピー装置』では、図15に示すセルコピー装置5により同報通信を実現する。セルコピー装置5は、入力回線対応部7に入力されたセルを複数複製し、複製した各セルの論理チャネル番号の変換などを行って、スイッチ部60に出力する。スイッチ部60は、入力された各セルを対応する出力回線対応部2に転送する。
【0005】
なお、図14および図15の交換機では、同報されるセルを、互いに異なる論理チャネル番号の設定された複数のセルとして、同一出力回線に送出することはできない。このため、図16に示す交換網を構成して、セル560を端末73〜76に同報する場合、まず、交換機77が出力回線L0’,Lm’にそれぞれセル561,562を同報し、セル561に応じて交換機78が端末73,74に、セル562に応じて交換機79が端末75,76にそれぞれ同報するという動作が必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
既存のATM交換機には、同報機能を持たない図13の構成の交換機が多く含まれるため、既存の交換機のハードウェア資産を有効に活用して、同報機能の追加を行えるようにすることが望まれている。特に、入力回線対応部と出力回線対応部は、それぞれ交換機の回線数分(図13ではn個)必要であり、ハードウェア量が膨大となる。しかし、既存の交換機を用いて図14の従来例を実現するには、既存のスイッチ部60を同報スイッチ部61に置き換える他、既存の出力回線対応部2を、ヘッダ変化部4を備えた出力回線対応部8に全て置き換えければならない。図15の従来例の実現でも、既存の入力回線対応部1を、セルコピー装置5を備えた入力回線対応部7に全て置き換える必要がある。入力回線対応部と出力回線対応部は、同一基板に搭載されるのが一般的であり、入力回線対応部と出力回線対応部の片方だけの交換ができない場合が多い。この事を考慮すると、上記従来例の同報機能を実現する場合には、既存の交換機のハードウェアの大部分を置き換える(または、交換機そのものを置き換える)必要があり、ハードウェア資産を有効に活用することはできない。
【0007】
また、図14および図15の従来例では、同報されるセルを、互いに異なる論理チャネル番号の設定された複数のセルとして、同一の出力回線に送出することができないため、交換網に含まれる全交換機に同報機能が必要となる。これは、同報機能を持たない交換機が存在する交換網の同報サービスを大きく制限する。
【0008】
そこで、本発明は、同報機能を持たない既存の交換機のハードウェアを有効に活用して、ATM交換機の同報機能を実現することを目的とする。さらに、同報されるセルを、互いに異なる論理チャネル番号の設定された複数のセルとして、出力回線に送出することにより同報を行うことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明のATM交換機は、複数の入力回線および複数の出力回線に接続される、同報通信の可能なATM交換機であって、入力ポートに送られたセルに設定された装置内ヘッダに基づいて、前記セルを出力ポートより送出し、同報されるセルについては、前記セルを複数の出力ポートより送出するスイッチ部と、送られたセルに設定された論理チャネル情報に対応する内部の変換テーブルの設定内容に従って、前記セルに対し、論理チャネル情報の変換と、装置内ヘッダの付加を行い、変換および付加を行ったセルを、1対1に対応付けられた前記スイッチ部の入力ポートに送るM個以上の入力回線対応部と、1対1に対応付けられた前記スイッチ部の出力ポートより送られたセルに対して、前記装置内ヘッダの除去を含む所定の送信処理を施すM個以上の出力回線対応部とを備え、N個(Nは、2≦N<Mを満たす整数)の前記出力回線対応部は、1対1に対応付けられたN個の前記入力回線対応部に前記送信処理を施したセルを送り、他の出力回線対応部は、前記送信処理を施したセルを前記出力回線に送り、他の入力回線対応部には、前記入力回線よりセルが送られることを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、例えば同報機能を持たないATM交換機において、入力回線対応部と出力回線対応部をそのまま流用し、入力回線対応部と出力回線対応部の追加と、スイッチ部の置き換えを行うことで、同報機能を実現することが可能となる。すなわち、同報機能を持たない既存のATM交換機のハードウェアを有効に活用して、同報機能を実現することができる。
【0011】
また、本発明のATM交換機は、前記入力回線より前記入力回線対応部に送られた、所定の論理チャネル情報の設定されたセルが、前記変換テーブルの設定に応じて、前記N個の出力回線対応部に送られた後、前記N個の入力回線対応部により、互いに異なる論理チャネル情報を設定された複数のセルとなって前記出力回線に送られることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下で、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るATM交換機の構成を示す図である。図1において、本ATM交換機は、受信処理部4および入力ヘッダ変換部3を有する複数の入力回線対応部1(10〜1n)と、同報スイッチ部61と、送信処理部21を有する複数の出回線対応部2(20〜2n)と、以上の各部を制御する制御装置を備える。入回線対応部1n−1と出回線対応部2n−1、入力回線対応部1nと出力回線対応部2nは、別途回線によりそれぞれ折り返し接続され、同報処理用回線対応部6を構成する。他の入回線対応部10〜1mの入力には、それぞれ加入者/中継網の入力回線L0〜Lmが接続され、他の出回線対応部20〜2mの出力には、それぞれ加入者/中継網の出力回線L0’〜Lm’が接続される。同報処理用回線対応部6は、1つの基板上に搭載された回路により実現され、同報スイッチ部61も別の基板上の回路で実現される。これらの基板は、交換機本体に抜き差し可能に搭載されている。なお、同報処理用回線対応部6において折り返し接続する回線は、同報処理用回線対応部6の回路内部の配線や基板上の配線により実現してもよい。
【0014】
図2に、本ATM交換機が入力回線と出力回線で入出力するセルの構成を示し、図3に、本ATM交換機の内部で使用されるセルの構成を示す。ATM交換機が入出力する各セルは、着信先や通信経路を示す論理チャネル番号(VPI/VCIなど)91と、通信内容を示すデータ92からなる。ATM交換機の内部で使用される各セルは、変換後の論理チャネル番号91’とデータ92に、同報スイッチ部61の切り換え情報である装置内ヘッダ90を付加した構成を有する。
【0015】
入力回線対応部1の入力ヘッダ変換部3は、ヘッダ処理部31と変換テーブル32を有し、入力回線もしくは内部回線で送られる図2に示す構成のセルを取り込む。ヘッダ処理部31は、取り込んだセルの論理チャネル番号91を元に、変換テーブル32の設定内容を調べ、新たな論理チャネル番号91’と、装置内ヘッダ90を決定する。そして、決定した論理チャネル番号91’と装置内ヘッダ90を用いて、図3に示す構成のセルを生成し送出する。
【0016】
図4に、入力回線対応部10の変換テーブル32の設定内容の一例を示す。図4に示すように、変換テーブル32には、入力セルの論理チャネル番号と、変換後の論理チャネル番号と、転送先ポートを示す装置内ヘッダとが予め格納されている。図5に、入力回線対応部1n−1の変換テーブル32の設定内容の一例を示し、図6に、入力回線対応部1nの変換テーブル32の設定内容の一例を示す。
【0017】
同報スイッチ部61は、各入力回線対応部1に1対1に接続される入力ポートと、出力回線対応部2に1対1に接続される出力ポートと、セルが格納されるメモリ62と、ポート選択回路63と、制御部64を有する。制御部64は、入力ポートを介してメモリ62に格納されたセルを、そのセルの装置内ヘッダ90に応じて、対応する1つ以上の出力ポートから送出する。複数の出力ポートから送出する場合、制御部64は、メモリ62から同じセルを繰り返し読み出し、読み出しの都度ポート選択回路63を制御して出力ポートの切り換えを行う。
【0018】
ところで、上記の入力回線対応部1と出力回線対応部2は共に、同報機能を持たない既存のATM交換機のものと同等の機能を有する。このため、同報機能を持たない既存のATM交換機の入力回線対応部1と出力回線対応部2をそのまま利用し、同報処理用回線対応部6(入力回線対応部1n−1,1nと出力回線対応部2n−1,2n)の増設と、スイッチ部の置き換えを行うだけで、本ATM交換機が実現される。なお、一般的なATM交換機では、入力回線および出力回線間の交換処理に利用するポートの他に、特殊ポートや空きポートを設けている場合が多い。この特殊ポートや空きポートに同報処理用回線対応部6を割り当てることで、交換機の回線数を減らすことなく同報機能を追加することが可能になる。また、同報処理用回線対応部6も、従来の回線対応部1,2により構成されるため、実現が容易である。
【0019】
次に、図7を用いて、2つの出力回線で各1セルの同報を行う場合の本ATM交換機の動作を説明する。
【0020】
入力回線L0より入力回線対応部10に送られた論理チャネル番号=010のセル520は、受信処理部4で所定の受信処理を施された後、入力ヘッダ変換部3に送られる。入力ヘッダ変換部3のヘッダ処理部31は、送られたセルの論理チャネル番号=010で変換テーブル32(図4)を調べ、新たな論理チャネル番号=110と、装置内ヘッダ=n−1,nを得る。そして、それら情報からセル521を生成して同報スイッチ部61に送る。このセル521は同報スイッチ部61のメモリ62に一旦格納され、装置内ヘッダ=n−1,nに応じて、出力回線対応部2n−1,2nに送られる。
【0021】
出力回線対応部2n−1,2nは、送られたセル521に送信処理部21で所定の送信処理を施した後、内部回線を介してそれぞれ入力回線対応部1n−1,1nに送る。入力回線対応部1n−1は、セルの論理チャネル番号=110で変換テーブル32(図5)を調べ、新たな論理チャネル番号=207と、装置内ヘッダ=0を得る。そして、それら情報からセル523を生成し送出する。同様に、入力回線対応部1nは、セルの論理チャネル番号=110で変換テーブル32(図6)を調べ、変換後の論理チャネル番号=208と、装置内ヘッダ=mを得る。そして、それら情報からセル524を生成し送出する。これらセル523,524は、同報スイッチ部61によりそれぞれ出力回線対応部20,2mに送られる。そして、所定の送信処理によりセル513,512となってそれぞれ出力回線L0’,Lm’に送出される。以上のようにして、セル520は2つの出力回線で同報される。
【0022】
次に、図8を用いて、1つの出力回線で2つのセルの同報を行う場合の動作を説明する。
【0023】
入力回線L0より入力回線対応部10に送られた論理チャネル番号=011のセル550は、所定の受信処理を施された後、入力ヘッダ変換部3に送られる。入力ヘッダ変換部30のヘッダ処理部31は、論理チャネル番号=011で変換テーブル32(図4)を調べ、新たな論理チャネル番号=111と、装置内ヘッダ=n−1,nを得る。そして、それら情報からセル551を生成して、同報スイッチ部61に送る。このセル551は同報スイッチ部61により、出力回線対応部2n−1,2nに送られる。
【0024】
出力回線対応部2n−1,2nは、送られたセルに所定の送信処理を施した後、内部回線を介してそれぞれ入力回線対応部1n−1,nに送る。入力回線対応部1n−1は、セルの論理チャネル番号=111で変換テーブル32(図5)を調べ、変換後の論理チャネル番号=207と、装置内ヘッダ=0を得る。そして、それら情報からセル523を生成し送出する。同様に、入力回線対応部1nは、セルの論理チャネル番号=111で変換テーブル32(図6)を調べ、変換後の論理チャネル番号=209と、装置内ヘッダ=0を得る。そして、それら情報からセル554を生成し送出する。これらセル523,554は共に、同報スイッチ部61により出力回線対応部20に送られる。そして、所定の送信処理によりセル513,555となって出力回線L0’に送出される。以上のようにして、セル550は1つの出力回線で同報される。
【0025】
次に、図9〜図11を用いて、2つの出力回線で各2つのセルの同報を行う場合の動作を説明する。
【0026】
図9で、入力回線L0より入力回線対応部10に送られた論理チャネル番号=015のセル530は、所定の受信処理を施された後、入力ヘッダ変換部30に送られる。入力ヘッダ変換部30のヘッダ処理部31は、論理チャネル番号=015で変換テーブル32(図4)を調べ、変換後の論理チャネル番号=115と、装置内ヘッダ=n−1,nを得る。そして、得た情報からセル531を生成して、同報スイッチ部61に送る。このセル531は同報スイッチ部61により、出力回線対応部2n−1,2nに送られる。
【0027】
出力回線対応部2n−1,2nは、送られたセルに所定の送信処理を施した後、内部回線を介してそれぞれ入力回線対応部1n−1,nに送る。入力回線対応部1n−1は、送られたセル532の論理チャネル番号=115で変換テーブル32(図5)を調べ、変換後の論理チャネル番号=120と、装置内ヘッダ=n,n−1を得る。そして、得た情報からセル533を生成し送出する。同様に、入力回線対応部1nは、変換テーブル32(図6)を調べ、変換後の論理チャネル番号=121と、装置内ヘッダ=n,n−1を得る。そして、得た情報からセル535を生成し送出する。
【0028】
図10で、入力回線対応部1n−1から送出されたセル533は、同報スイッチ部61により出力回線対応部2n−1,2nに送られ、内部回線を介して再度入力回線対応部1n−1,1nに送られる。入力回線対応部1n−1は、送られたセルの論理チャネル番号=120で変換テーブル32(図5)を調べ、変換後の論理チャネル番号=207と、装置内ヘッダ=0を得る。そして、得た情報からセル523を生成し送出する。同様に、入力回線対応部1nは、送られたセルの論理チャネル番号=120で変換テーブル32(図6)を調べ、変換後の論理チャネル番号=208と、装置内ヘッダ=mを得る。そして、得た情報からセル524を生成し送出する。入力回線対応部1n−1,1nより送出されたセル523,524は、同報スイッチ部61によりそれぞれ出力回線対応部20,2mに送られ、所定の送信処理によりセル513,512となって出力回線L0’,Lm’に送出される。
【0029】
同様に、図11で、入力回線対応部1nから送出されたセル535も、同報スイッチ部61により出力回線対応部2n−1,2nに送られ、内部回線を介して再度入力回線対応部1n−1,1nに送られる。入力回線対応部1n−1は、送られたセルの論理チャネル番号=121で変換テーブル32(図5)を調べ、変換後の論理チャネル番号=225と、装置内ヘッダ=0を得る。そして、得た情報からセル537を生成し送出する。同様に、入力回線対応部1nは、送られたセルの論理チャネル番号=121で変換テーブル32(図6)を調べ、変換後の論理チャネル番号=226と、装置内ヘッダ=mを得る。そして、得た情報からセル538を生成し送出する。これらセル537,538は、同報スイッチ部61によりそれぞれ出力回線対応部20,2mに送られ、所定の送信処理によりセル539,540となって出力回線L0’,Lm’に送出される。以上のようにして、セル530は、2つの出力回線で各2つ同報される。
【0030】
以上の動作により本ATM交換機は、同報先の端末との間に、同報機能を持たない交換機が存在する場合にも同報を行うことができる。このことを、図12に示すATM交換網の構成例を用いて説明する。
【0031】
図12で、上記のATM交換機である交換機70は、同報機能を持たない交換機である交換機71,72を介して端末73,74,75,76と接続されている。端末73〜76へ同報される上記のセル530を受信した交換機70は、図9〜図11の動作により、出力回線L0’にセル513,539を送出し、出力回線Lm’にセル512,540を送出する。出力回線L0’と接続された交換機71は、送られたセル513の論理チャネル番号の変換を行って端末73の回線に送出する。セル539は論理チャネル番号を変換した後、端末74の回線に送出する。出力回線Lm’と接続された交換機72も、送られたセル512,540の論理チャネル番号を変換してそれぞれ端末75,76に転送する。このようにして、セル530は、同報機能を持たない交換機71,72を介して端末73〜76に同報される。
【0032】
なお、本ATM交換機は、変換テーブル32の設定により、上記の動作例の同報以外にも、1つの出力回線で3つ以上のセルを同報したり、3つ以上の出力回線で同報を行うような多様な同報サービスを提供できる。また、以上では、入力回線対応部1と出力回線対応部2を2組用いて同報処理用回線対応部6を構成しているが、入力回線対応部1と出力回線対応部2を3組以上としてもよい。この入力回線対応部1と出力回線対応部2の組を増やすことで、上記のATM交換機は、より高速に複数のセルの生成と同報を行えるようになる。
【0033】
以上で説明したように、本実施形態のATM交換機は、既存の同報機能を持たない交換機の入力回線対応部1と出力回線対応部2をそのまま利用でき、入力回線対応部1と出力回線対応部2の増設とスイッチ部の置き換えだけで同報機能を実現できるため、既存(または既設)の交換機のハードウェア資産を有効に活用することができる。
【0034】
さらに、本実施形態のATM交換機は、同報されるセルを、互いに異なる論理チャネル番号の設定された複数のセルとして、出力回線に送出することができる。これにより、同報機能を持たない交換機が通信途中に存在する場合にも、任意の着信先に同報を行うことができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、同報機能を持たない既存の交換機のハードウェアを有効に活用して、ATM交換機の同報機能を実現することが可能となる。さらに、同報されるセルを、互いに異なる論理チャネル番号の設定された複数のセルとして、出力回線に送出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るATM交換機の構成を示す図である。
【図2】本ATM交換機に入出力するセルの構成を示す図である。
【図3】本ATM交換機の内部で使用されるセルの構成を示す図である。
【図4】入力回線対応部10の変換テーブルの設定例を示す図である。
【図5】入力回線対応部1n−1の変換テーブルの設定例を示す図である。
【図6】入力回線対応部1nの変換テーブルの設定例を示す図である。
【図7】2回線に各1セルの同報を行う場合のセルの流れを示す図である。
【図8】1回線に、異なるチャネル番号を有する2セルの同報を行う場合のセルの流れを示す図である。
【図9】2回線に、異なるチャネル番号を有する各2セルの同報を行う場合のセルの流れ(前半)を示す図である。
【図10】図9のセル533によるセルの流れ(後半)を示す図である。
【図11】図9のセル535によるセルの流れ(後半)を示す図である。
【図12】本ATM交換機が、同報機能を持たない交換機を介して同報を行えることを示すシステム図である。
【図13】同報機能を持たない従来のATM交換機の構成例を示す図。
【図14】出力回線対応部とスイッチ部において同報機能を実現した従来例を示す図。
【図15】入力回線対応部において同報機能を実現した従来例を示す図。
【図16】複数の交換機を介して同報が行われる場合の従来例を示す図。
【符号の説明】
L0〜Lm,Ln−1,Ln・・・入力回線
L0’〜Lm’,Ln−1’,Ln’・・・出力回線
10〜1m,1n−1,1n・・・入力回線対応部
20〜2m,2n−1,2n・・・出力回線対応部
3・・・入力ヘッダ変換部
32・・・変換テーブル
4・・・受信処理部
61・・・同報スイッチ部
21・・・送信処理部
70・・・本実施形態のATM交換機
71,72・・・同報機能を持たないATM交換機
73,74,75,76・・・端末
90・・・装置内ヘッダ
91,91’・・・論理チャネル番号
92・・・データ
600,610,620・・・変換テーブル32の設定情報
Claims (7)
- 複数の入力回線および複数の出力回線に接続される、同報通信の可能なATM交換機であって、
複数の入力ポートおよび複数の出力ポートを有し、前記入力ポートに送られたセルに設定された装置内ヘッダに基づいて、前記セルを前記出力ポートより送出し、同報されるセルについては、前記セルを複数の前記出力ポートより送出するスイッチ部と、
変換テーブルを有し、送られたセルに設定された論理チャネル情報に対応する前記変換テーブルの設定内容に従って、前記セルに対し、論理チャネル情報の変換と、装置内ヘッダの付加を行い、変換および付加を行ったセルを、1対1に対応付けられた前記スイッチ部の入力ポートに送るM個以上の入力回線対応部と、
1対1に対応付けられた前記スイッチ部の出力ポートより送られたセルに対して、前記装置内ヘッダの除去を含む所定の送信処理を施すM個以上の出力回線対応部とを備え、
N個(Nは、2≦N<Mを満たす整数)の前記出力回線対応部は、1対1に対応付けられたN個の前記入力回線対応部に前記送信処理を施したセルを送り、
他の出力回線対応部は、前記送信処理を施したセルを前記出力回線に送り、
他の入力回線対応部には、前記入力回線よりセルが送られることを特徴とするATM交換機。 - 請求項1記載のATM交換機であって、
前記入力回線より前記入力回線対応部に送られた、所定の論理チャネル情報の設定されたセルは、前記変換テーブルの設定に応じて、前記N個の出力回線対応部に送られた後、前記N個の入力回線対応部により、互いに異なる論理チャネル情報を設定された複数のセルとなって前記出力回線に送られることを特徴とするATM交換機。 - 請求項2記載のATM交換機であって、
前記変換テーブルの設定に応じて、前記N個の入力回線対応部により互いに異なる論理チャネル情報を設定された複数のセルの各々が、再び前記N個の出力回線対応部に送られることで、前記所定の論理チャネル情報の設定されたセルは、互いに異なる論理チャネル情報を設定された、より多数のセルとなって前記出力回線に送られることを特徴とするATM交換機。 - 請求項1、2または3記載のATM交換機であって、
前記N個の出力回線対応部が送出するセルは、ATM交換機の出力側から入力側に折り返された配線により、前記N個の入力回線対応部に伝送されることを特徴とするATM交換機。 - 請求項1、2または3記載のATM交換機であって、
前記N個の入力回線対応部とN個の出力回線対応部は、1つの基板上に配置された回路により実現され、
前記N個の出力回線対応部が送出するセルは、前記基板上の配線もしくは前記回路内部の配線により、前記N個の入力回線対応部に伝送されることを特徴とするATM交換機。 - 複数の入力ポートおよび複数の出力ポートを有し、前記入力ポートに送られたセルに設定された装置内ヘッダに基づいて、前記セルを前記出力ポートより送出し、同報されるセルについては、前記セルを複数の前記出力ポートより送出するスイッチ部を備えた同報通信可能なATM交換機に、設けられる同報処理用回線対応部において、
変換テーブルを有し、送られたセルに設定された論理チャネル情報に対応する前記変換テーブルの設定内容に従って、前記セルに対し、論理チャネル情報の変換と、装置内ヘッダの付加を行い、変換および付加を行ったセルを前記スイッチ部の入力ポートに送出するN個(Nは2以上の整数)の入力回線対応部と、
前記スイッチ部の出力ポートより送られたセルに対して、前記装置内ヘッダの除去を含む所定の送信処理を施し、送信処理を施したセルを、1対1に対応付けられた前記入力回線対応部に送るN個の出力回線対応部とを備えることを特徴とする同報処理用回線対応部。 - 請求項6記載の同報処理用回線対応部であって、
前記N個の入力回線対応部とN個の出力回線対応部は、1つの基板上に配置された回路により実現され、
前記N個の出力回線対応部が送出するセルは、前記基板上の配線もしくは前記回路内部の配線により、前記N個の入力回線対応部に伝送されることを特徴とする同報処理用回線対応部。
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