JP3599423B2 - 現在位置算出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両等の移動体に搭載され、走行距離や進行方位等を測定して、これらより当該車両の現在位置を算出する現在位置算出装置に関するものであり、特に、走行距離の測定誤差を補正する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の現在位置は、ジャイロ等の方位センサにより測定した車両の進行方向と、車速センサまたは距離センサにより測定した車両の走行距離に基づいて算出することが行われている。
【0003】
また、車両の走行距離は、一般的には、トランスミッションの出力軸、または、タイヤの回転数を計測して、その回転数に、タイヤ1回転あたりに車両が進む距離である距離係数を乗ずることにより求められている。
【0004】
また、このように車両の進行方向と走行距離から求めた現在位置の誤差を補正するために、特公平6−13972号記載の技術のように、道路データに整合するように、求められた車両の現在位置を修正する、いわゆる、マップマッチングの技術が知られている。このマップマッチングの技術によれば、位置算出の精度を高めることができる。
【0005】
ところで、走行時には、タイヤの磨耗や、温度変化による膨張等により、タイヤの直径、すなわち、距離係数が時事刻々と変化する。このため、走行距離の算出において誤差が発生し、現在位置の算出が高精度に行えなくなる。たとえば、タイヤ1回転あたりの走行距離係数に、1%の誤差が存在すると、100km走行した場合、1kmの誤差が発生してしまう。
【0006】
このような走行距離の測定誤差は、通常の道路を走行している場合は、前述したマップマッチングの技術により、ある程度修正できる。しかし、高速道路等の道路を走行する際には、マップマッチングで利用できるカーブや交差点等の特徴が道路にないため、充分に誤差を修正することができなくなる。
【0007】
さらに、一旦、測定した現在位置と真の現在位置との間に1km程度の誤差が発生してしまうと、マップマッチングの技術によっては、正しい位置に補正することが困難になる。
【0008】
そこで、走行距離の測定の誤差を無くすために、従来は、(1)交差点を曲がった時(始点)から、次の交差点を曲がる(終点)までの道路データと、計測した回転数より得られる走行距離とを比較することにより、タイヤ1回転あたりの距離係数を補正することが行われていた。また、(2)特公平6−27652号公報に記載のように、2つのビーコンの間の地図上の距離と、走行して計測した距離を比較することにより、前述した距離係数を補正する技術も知られている。また、(3)特開平2−107958号公報記載のように、GPS衛星よりの信号を用いて現在位置を算出するGPS受信装置を利用して車速を求め、それと検出されたタイヤの回転数とを比較して前述した距離係数を補正する技術も知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した(1)の技術では、交差点間の道路が少しでも曲がっていたり、車両が蛇行運転したりすると、正確な補正を行うことができなくなる。また、前述した始終点を正確に特定するのが難しいという問題もある。たとえば、交差点内に複数車線がある場合、どちらの車線を通って曲がるかによって始終点は異なってくるが、このような車線まで特定することは容易ではない。
【0010】
また、前述した(2)の技術でも、道路が直線でないと正確な補正を行うことができないし、また、車両が利用できるビーコン設備を設けなければならないという問題点がある。
【0011】
また、前述した(3)の技術では、車両の速度が低い場合に、正確な速度情報を得ることができない場合があり、また、車両の速度変化が大きい場合には処理に時間がかかり、算出した速度に誤差が生じる。このため、正確な補正を行えない場合があるという問題がある。また、車両に利用できるGPS受信装置やGPSアンテナを設ける必要がある。また、車両がトンネルや高架下、建物の影等GPS信号が受信できない走行状態の場合には、GPS衛星を利用できないため補正を行うことができなくなるという問題もある。
【0012】
そこで、本出願人は、先に特願平7−97197号において、走行する道路の特徴の多少や、車両の走行速度にかかわらず、また、格別の設備を必要することなしに正確に距離係数を補正し、高精度に車両位置を求めることができる現在位置算出装置を提案している。
【0013】
この先行技術においては、道路地図の道路形状、特に道路方位を車両方位と比較することにより、走行距離の誤差を求め、これから距離係数の補正情報を求めている。
【0014】
しかし、車両方位には、車両の着磁等に起因する方位誤差が存在する場合があり、道路方位にも、道路地図の道路を近似する線分の近似誤差による方位誤差が存在しうる。このような理由に起因して、道路がカーブしていないような場所においても累積した道路車両方位差が有為な値を示す可能性があった。このような道路車両方位差に基づいて得られた補正情報で距離係数を補正すると却って距離係数の誤差を増大させてしまうことになる。
【0015】
したがって、本発明は、誤った道路車両方位差に基づく距離係数の誤補正を防止することができる現在位置算出装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的達成のために、本発明は、車輪の回転に伴い移動する車両に搭載され、当該車両の現在位置を算出する現在位置算出装置であって、
道路地図を表す地図データを記憶する手段と、
車両の進行方位を検出する進行方位検出手段と、
車輪の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
該回転速度検出手段により検出された車輪の回転速度と、設定された距離係数とに応じて車両の走行距離を算出する走行距離算出手段と、
前記走行距離算出手段により算出された車両の走行距離と前記進行方位検出手段により検出された車両の進行方位と前記道路地図を表す地図データとに応じて、車両が存在する道路と当該道路上の車両の存在する位置を推定する手段と、
該推定された位置における道路方位と車両の進行方位との間の道路車両方位差を所定走行距離毎に求め、該道路車両方位差がほぼ継続して所定の値以上である期間中、その道路車両方位差を累積する手段と、
所定走行距離毎に前記推定された位置における道路方位の変化量である道路方位差を求め、前記道路車両方位差がほぼ継続して所定の値以上である期間中、その道路方位差を累積する手段と、
前記道路車両方位差がほぼ継続して所定の値以上である状態でなくなったとき、前記累積された道路車両方位差に応じて前記距離係数を補正する手段と、
前記所定走行距離より長い予め定めた距離にわたりほぼ継続して道路車両方位差が前記所定の値以上であった場合に、前記累積された道路方位差が予め定めた値以下であれば、前記累積された道路車両方位差および累積された道路方位差から、当該予め定めた距離を走行する間に累積された値分だけ減算する手段、
を備えたことを特徴とする現在位置算出装置を提供する。
【0017】
この現在位置算出装置において、前記距離係数を補正する手段は、好ましくは、前記累積された道路車両方位差に基づいて、前記距離係数を短期的に補正するための短期補正変数を生成する第1の距離係数補正手段と、前記距離係数の補正による走行距離への寄与分に基づいて、前記距離係数を長期的に補正するための長期補正変数を生成する第2の距離係数補正手段とを備える。
【0018】
さらに、第1の距離係数補正手段は、前記累積された道路車両方位差の符号と累積された道路方位差の符号とに基づいて前記短期補正変数の符号を決定すると共に、前記累積された道路車両方位差の絶対値に基づいて前記短期補正変数の絶対値を決定することができる。
【0019】
前記第1の距離係数補正手段は、好ましくは、前記短期補正変数の設定時にその絶対値を適正と思われる値よりも大きく設定し、該設定後に所定の距離走行した時点で当該短期補正変数の設定値を前記適正と思われる値に変更する。
【0020】
前記第2の距離係数補正手段は、例えば、予め定めた比較的長い距離毎に、その間の前記長期補正変数および短期補正変数が走行距離の補正に寄与した補正距離を累積し、この累積した補正距離と前記予め定めた比較的長い距離との比に基づいて、前記長期補正変数を生成する。
【0021】
【作用】
距離係数に誤差があるとき、それにより求められる走行距離にも誤差が生じる。その結果、道路地図上で求められた現在位置と実際の現在位置との間にずれが生じる。そのため、車両が実際の道路のカーブに未だ達していないのに地図上の現在位置の道路方位が曲がり始めている、あるいは、車両が実際の道路のカーブに既に達して車両方位が曲がり始めているのに道路地図上の現在位置は未だ直線道路上にある、というような状況が生じる。このような場合には、道路方位と車両方位との間に継続的な不一致が生じる。
【0022】
本発明では、このような道路車両方位差の累積値を求め、さらにこれから距離係数の誤差に応じた誤差情報を求め、この誤差情報に基づいて距離係数を補正する。すなわち、推定された位置における道路方位と車両の進行方位との間の道路車両方位差を所定走行距離毎に求め、該道路車両方位差がほぼ継続して所定の値以上である期間中、その道路車両方位差を累積する。また、所定走行距離毎に前記推定された位置における道路方位の変化量である道路方位差を求め、前記道路車両方位差がほぼ継続して所定の値以上である期間中、その道路方位差を累積する。前記道路車両方位差がほぼ継続して所定の値以上である状態でなくなったとき、当該累積された道路車両方位差に応じて前記距離係数を補正する。
【0023】
但し、前記所定距離より長い予め定めた距離にわたりほぼ継続して道路車両方位差が所定の値以上であった場合に、前記累積された道路方位差が予め定めた値以下であったとき、すなわち、道路の実質的なカーブがなかったと判明したときには、前記累積された道路車両方位差および道路方位差から、当該予め定めた距離を走行する間に累積された値分だけ減算する。
【0024】
これにより、誤った道路車両方位差に基づく距離係数の誤補正を防止することができ、ひいては、現在位置算出装置の現在位置算出精度を向上させることができる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明に係る現在位置算出装置の一実施例について説明する。
【0026】
図1に本実施例に係る現在位置算出装置の構成について説明する。
【0027】
すなわち、本実施例に係る現在位置算出装置は、車両のヨーレイトを検出することで進行方位変化を検出する角速度センサ201と、地磁気を検出することで車両の進行方位を検出する地磁気センサ等の方位センサ202と、車両のトランスミッションの出力軸の回転速度に比例した時間間隔でパルスを出力する車速センサ203を備えている。
【0028】
また、現在位置周辺の地図や現在位置を示すマーク等を表示するディスプレイ207と、ディスプレイ207に表示する地図の縮尺切り替えの指令をユーザに(運転者)から受け付けるスイッチ204と、デジタル地図データを記憶しておくCD−ROM205と、そのCD−ROM205から地図データを読みだすためのドライバ206とを備えている。また、以上に示した各周辺装置の動作の制御を行うコントローラ208を備えている。本実施例において、上述したディジタル地図データには、複数の線分の端部を示す座標から構成される道路データ、或いは、該道路の道幅を示す道路幅データ、道路が高速道路或いは一般道路であるかを示す高速道路フラグなどが含まれる。
【0029】
次に、コントローラ208は、角速度センサ201の信号(アナログ)をデジタル信号に変換するA/D変換器209と、方位センサ202の信号(アナログ)をデジタル信号に変換するA/D変換器210と、車速センサ203から出力されるパルス数を0.1秒毎にカウントするカウンタ216と、スイッチ204の押圧の有無を入力するパラレルI/O211と、CD−ROM205から読みだされた地図データを転送するDMA(Direct Memory Access)コントローラ212と、ディスプレイ207に地図画像を表示する表示プロセッサ213とを有する。
【0030】
また、コントローラ208は、さらに、マイクロプロセッサ214と、メモリ215とを有する。マイクロプロセッサ214は、A/D変換器209を介して得た角速度センサ201の信号、A/D変換器210を介して得た方位センサ202の信号、カウンタ216がカウントした車速センサ203の出力パルス数、パラレルI/O211を介して入力するスイッチ204の押圧の有無、DMAコントローラ212を介して得たCD−ROM205からの地図データを受け入れて、それら信号に基づいて処理を行い、車両の現在位置を算出して、それを表示プロセッサ213を介してディスプレイ207に表示させる。この車両位置の表示は、図2に示すように、すでにディスプレイ207に表示している地図上に矢印マーク等を重畳して表示することにより行う。これにより、ユーザは、地図上で車両の現在位置を知ることができる。メモリ215は、このような動作を実現するための処理(後述)の内容を規定するプログラムや、後述する各種テーブル等を格納したROMと、マイクロプロセッサ214が処理を行う場合にワークエリアとして使用するRAMとを含んでいる。
【0031】
以下、本実施例に係る現在位置算出装置の動作について説明する。
【0032】
まず、車両の進行方位及び走行距離を算出する処理、算出された進行方位及び距離から車両の現在位置を決定する処理、得られた車両位置および方位を表示する処理の三つの処理について説明する。
【0033】
図3に、車両の進行方位及び走行距離を算出する処理の流れを説明する。
【0034】
この処理は、一定周期、たとえば100mS毎に起動され実行されるマイクロプロセッサ214のルーチンである。
【0035】
このルーチンでは、最初、A/D変換器209から角速度センサ201の出力値を読み込む(ステップ401)。この角速度センサ201の出力値には、方位変化が出力されるので、車両の進行方向の相対的な値しか検出できない。このため、次に、A/D変換器210から方位センサ202の出力値を読み込み(ステップ402)、この方位センサ202の出力値により算出された絶対方位と角速度センサ201から出力される方位変化(角速度出力)とを用いて、車両の推定方位を決定する(ステップ403)。
【0036】
この方位の決定は、たとえば、長い時間、車速が低い時には、角速度センサ201の誤差が大きいので、一定時間以上車速が低い場合には、方位センサ202の出力する方位のみを利用するという方法により行う。
【0037】
次に、車速センサ203の出力するパルス数を、0.1秒毎に、カウンタ216で計数して、その計数値を読み込む(ステップ404)。この読み込んだ値に、距離係数Rを乗算することで、0.1秒間に進んだ距離を求める(ステップ405)。この距離係数Rの求め方については後述する。
【0038】
次に、このようにして求められた0.1秒間あたりの走行距離値を、前回得られた値に積算して、車両の走行距離が20mとなったかどうかを調べ(ステップ406)、20mに満たない場合(ステップ406でNo)、今回の処理を終了して、新たな処理を開始する。
【0039】
走行距離算出処理の結果、積算された走行距離が一定距離、例えば20mとなった場合(ステップ406でYes)、その時点での進行方向と走行距離(20m)とを出力する(ステップ407)。ステップ407では、さらに、積算距離を初期化して、新たに走行距離の積算を開始する。
【0040】
次に、算出された進行方位および走行距離に基づいて、車両の現在位置を求める処理について説明する。
【0041】
図4に、この処理の流れを示す。
【0042】
本処理は、図3からの進行方位および走行距離が出力されるのを受けて起動され、実行されるマイクロプロセッサ214のルーチンである。すなわち、本処理は、車両が20m進む毎に起動される。
【0043】
さて、この処理では、まず、ステップ407で出力された進行方位と走行距離とを読み込む(ステップ501)。
【0044】
次に、これらのデータに基づいて、車両の移動量を緯度経度方向、別々に、それぞれ求める。さらに、これらの各方向における移動量を、前回の処理で求められた車両の現在位置に加算して、現在位置(A)を求める(ステップ502)。もし、装置の始動直後など、前回求められた位置がない場合には、別途設定された位置を前回求められた位置として用いて現在位置(A)を求める。
【0045】
次に、求めた現在位置(A)の周辺の地図を、CD−ROM205から、ドライバ206およびDMAコントローラ213を介して、読み出し、現在位置(A)を中心とする予め設定された距離D内にある道路データ(線分)を抜き出す(ステップ503)。
【0046】
なお、道路データとしては、たとえば、図13に示すように、2点間を結ぶ複数の線分81〜86で近似し、それら線分を、その始点と終点の座標によって表したもの等を用いることができる。たとえば、線分83は、その始点(x3、y3)と終点(x4、y4)によって表現するようにする。
【0047】
次に、ステップ503で抜き出された線分の中から、その線分の方位が、求められている進行方向と、所定値以内にある線分だけを抜き出す(ステップ504)。さらに、抜き出されたすべての線分に対し、現在位置(A)から垂線をおろし、その垂線の長さを求める(ステップ505)。
【0048】
次に、それら垂線の長さを用いて、ステップ504で抜き出されたすべての線分に対して、以下に定義されるエラーコスト値を算出する。
【0049】
エラーコスト=α×|進行方向−線分方位|+β×|垂線の長さ|
ここで、α、βは、重み係数である。これら係数の値は、進行方向と道路の方位のずれと現在位置と道路のずれのどちらを、現在位置が属する道路を選択する上で重視するかによって変化させてよい。たとえば、進行方向と方位が近い道路を重視する場合は、αを大きくするようにする。
【0050】
そして、各線分のエラーコストが算出されたならば、エラーコストが算出された線分のうち、エラーコスト値が最も小さい線分を選び(ステップ506)、その選択された線分と垂線との交差する点(線分の垂線のあし)を、修正された現在位置(B)とする(ステップ507)。
【0051】
ところで、前述したステップ503では、現在位置(A)を中心とする予め設定された距離D内にある道路データ(線分)を抜き出したが、この距離Dは、前回行ったステップ506で選択した道路のエラーコストの値に基づいて決定する値でもよい。
【0052】
ここで、エラーコストに基づいて、検索範囲を求める理由は、エラーコストが大きい場合は、前回求めた現在位置(B)の精度に対する信憑性が低いと考えられるので、より広い範囲を検索して道路を探す方が、正しい現在位置を求める上で適当であるからである。
【0053】
このようにして求められた現在位置(B)を出力する。これが、前述した表示画面上で現在位置として表示される。
【0054】
最後に、本実施例における距離係数補正処理を行う(ステップ509)。この処理の詳細については後述する。
【0055】
次に、得られた車両位置および方位を表示する処理について説明する。
【0056】
図9に、この処理の流れを示す。
【0057】
本処理は、1秒毎に起動され実行されるマイクロプロセッサ214のルーチンである。
【0058】
最初、スイッチ204が押圧により地図の縮尺の変更を指示されているかを、パラレルI/O211の内容を見て判断する(ステップ601)。もし、押されていれば(ステップ601でYes)、それに対応して、所定の縮尺フラグを設定する(ステップ602)。
【0059】
次に、図4の処理で求められた現在位置(B)を読み出し(ステップ603)、ステップ602で切り替えられた縮尺フラグの内容に応じた縮尺の地図をディスプレイ207に、例えば、図2に示すような状態で表示する(ステップ604)。
【0060】
そして、地図に重畳して、車両の現在位置(B)と車両の進行方位を、たとえば、先に示した図2のように、矢印記号“↑”を用いて表示する(ステップ605)。そして最後に、これらに重畳して、北を示す北マークと、縮尺に対応した距離マークとを、図2のように表示する(ステップ606)。
【0061】
なお、本実施例においては、上記のように矢印記号を用いて車両位置および方向を示したが、車両位置および方向の表示形態は、位置および進行方向が、表示状態が明確に示されるものであれば、その形態は任意でよい。また、北マーク等も同様である。
【0062】
次に、図3の処理ステップ405において距離の算出に用いた距離係数Rの求め方について説明する。
【0063】
前述したように車両の走行距離は、車速センサ203の出力するパルス数に距離係数Rを乗じて求める。しかし、タイヤの摩耗等によりタイヤ1回転あたりの車両の走行距離は変化するので、距離係数Rを固定値とすると、走行に伴い距離が正確に求まらなくなってくる。そこで本実施例では、逐次、図4の処理で得られた現在位置(B)(ステップ507)と、CD−ROM205からドライバ206を介して読みだした地図データから求まる道路方位と、図3の処理で得られた車両方位(ステップ403)とを比較することにより、現在位置(B)が、実際の位置に対して進んでいるか遅れているかを判断し、距離係数Rを動的に修正する。
【0064】
このような距離係数Rの修正は、たとえば、次のようにして行うことができる。
【0065】
すなわち、短期的に距離係数Rを補正するための補正変数Rshと長期的に距離係数Rを補正するための補正変数Raを導入する。そして、距離係数R=R0×(1+Ra+Rsh)に従い、動的に距離係数Rを修正する。なお、ここでR0は、予め定めた距離係数Rの初期値を示している。
【0066】
そして、マイクロプロセッサ214が、補正変数Rsh、補正変数Raを、図5〜図8に示した処理により逐次変更する。以下では、まず、これらの各処理の内容について個別に説明し、その後に、実際の車両の走行において、これらの処理によって、どのように変数Rsh、変数Raが変更されていくかを説明する。
【0067】
装置の始動時に、以下に説明する処理で用いる各種変数やフラグ(f1、f2、Σθ、Σ20θ、Σφ、D、Rsh、Ra、ΣA、F1〜F10、L、Σθl、Σ20θl、Σφl)を全て0に初期化しておく。
【0068】
図5に示した処理は、図4の距離係数補正処理509の詳細な処理手順を示す。
【0069】
この処理では、まず、フラグf2が0か否かを判定し(ステップ701)、0でなければ(ここでは1であれば)、図7のステップ801へ進む。一方、フラグf2が0であれば、図4のステップ508で出力された現在位置(B)と、CD−ROM205からドライバ206に読み出された地図データより求まる、現在位置(B)が位置する道路方位と、図3のステップ407で出力された車両方位(推定方位)とを読み込む(ステップ702、703、704)。
【0070】
次に、それらの値に基づいて、現在位置(B)が位置する道路方位と車両方位の差である道路車両方位差θと、前回の処理のステップ703で求めた道路方位と今回の処理のステップ703で求めた道路方位との差である道路方位差φを求める(ステップ705)。ここで、道路方位差φの値の正負は、今回求めた道路方位が前回の道路方位を基準として左側にある場合を正とし、右側にある場合を負とする。また、道路車両方位差θの値の正負は、たとえば、道路方位を基準として、車両方位が、左側にある場合を正とし、右側にある場合を負とする。
【0071】
次に、ステップ705より得られた道路車両方位差の絶対値が、3deg未満かどうかを調べ(ステップ706)、3deg以上の場合(ステップ706でNoの場合)、前回の処理で求めた道路車両方位差積分値Σθに道路車両方位差θを加算した値を新たなΣθの値とし、前回の処理で求めた走行距離重み付け道路車両方位差積分値Σ20θに道路車両方位差θに前回の処理から今回の処理までの間の走行距離20mを乗じた値を加算した値を新たなΣ20θの値とし、前回の処理で求めた道路方位差積分値Σφに今回求めた道路方位差φを加算した値を新たなΣφ値とするとともに、同様に、修正用の変数Σθl、Σ20θl、Σφlの値を求める(ステップ712)。続いて距離誤差チェック処理を行い(ステップ713)、ステップ801へ進む。距離誤差チェック処理の詳細については後述する。
【0072】
一方、道路車両方位差θが、3deg未満の場合(ステップ706でYesの場合)、現在の道路車両方位差積分値Σθの絶対値が5deg以上かどうかを調べ(ステップ707)、5deg未満であった場合(ステップ707でNoの場合)は、道路車両方位差積分値Σθ、走行距離重み付け道路車両方位差積分値Σ20θ、道路方位差積分値Σφ、並びに距離誤差チェック用距離L、フラグf1および修正用の変数Σθl、Σ20θl、Σφlを全て0に初期化した後、ステップ801へ進む。
【0073】
ここで、ステップ706でYesとなる場合は、3degを超える道路車両方位差θの2回以上の連続が途絶えた場合である。
【0074】
一方、道路車両方位差積分値が5deg以上であった場合(ステップ707でYesの場合)には、ステップ708、709、710で、補正変数Rshを変更するための処理を行う。
【0075】
ステップ708では、その時点のΣAの値に、Ra+Rshに距離変数Dを乗じた値を加算した値を新たなΣAとし、距離変数Dを0に初期化する。ΣAは、各Ra+Rshの値に、当該Ra+Rshの値で走行した距離を重み付けした値、すなわち、距離係数の補正による走行距離への寄与分となる。距離変数Dは、常に、距離変数Dが0に初期化された後に車両が走行した距離を表す。この距離は、やはり車速センサ203の出力するパルス数に距離係数Rを乗じて求める。また、ステップ708では、その時点のRshを旧値Rshpとして保存する。
【0076】
つぎに、ステップ709において、道路方位差積分値Σφから、3degを超える道路車両方位差θが連続していた間の走行道路が右折であったか左折であったかを判定する。この判定は、道路方位差積分値Σφが正である場合は左折、負である場合は右折と判定する。
【0077】
次に、ステップ710において、走行距離重み付け道路車両方位差積分値Σ20θと、ステップ709で判定した右左折に応じて補正変数Rshを修正する。
この修正の方法について説明する。
【0078】
図10は、3degを超える道路車両方位差θが連続していた間の走行道路が左折である場合と、右折である場合にそれぞれについて、走行距離重み付け道路車両方位差積分値Σ20θが正となる場合と、負となる場合の、道路と現在位置(B)と道路車両方位差θを表したものである。
【0079】
ここで、図10の状態1は、左折で、走行距離重み付け道路車両方位差積分値Σ20θが正の場合すなわち道路車両方位差積分値Σθが正の場合を示しており、この場合には、現在位置(B)は、実際の位置より遅れている。なぜならば、現在位置(B)が左折の位置に達する前に、実際には車両が左折しているからである。また、状態2は、左折で、走行距離重み付け道路車両方位差積分値Σ20θが負である場合を示しており、この場合には、現在位置(B)は、実際の位置より進んでいる。なぜならば、現在位置(B)が左折の位置に達しているのに、実際には車両が左折していないからである。
【0080】
右折の場合も同様に考えることができ、状態3の走行距離重み付け道路車両方位差積分値Σ20θが負であるときは、現在位置(B)は、実際の位置より遅れている。また、状態4の走行距離重み付け道路車両方位差積分値Σ20θが正の場合は、現在位置(B)は、実際の位置より進んでいる。
【0081】
そこで、走行距離重み付け道路車両方位差積分値Σ20θの正負と、ステップ709で判定した右左折に応じて、図11に示すように、補正変数Rshを修正するための変数Taの正負を定める。そして、走行距離重み付け道路車両方位差積分値Σ20θの絶対値の大きさに応じて変数Taの絶対値の大きさを定める。変数Taの絶対値の大きさは、予め用意しておいたテーブルAに従い定める。テーブルAは、走行距離重み付け道路車両方位差積分値Σ20θの絶対値の大きさと、変数Taの絶対値の大きさとの対応を記述したテーブルである。ステップ710では、このようにして求めた変数Taの絶対値の大きさと変数Taの正負より、変数Taの値を決定する。そして、ステップ708で保存しておいたRshp、すなわち今までの補正変数Rshに変数Taの値を加算したものを新たなRshとする。また、Rshを修正したならば、フラグf2を1に設定する。
【0082】
ステップ710が終了したならば、ステップ711において、道路車両方位差積分値Σθ、走行距離重み付け道路車両方位差積分値Σ20θ、道路方位差積分値Σφ、並びに距離誤差チェック用距離L、フラグf1および修正用の変数Σθl、Σ20θl、Σφlを全て0に初期化する。
【0083】
次に、図8に示す処理に移るが、その前に、図5の距離誤差チェック処理713について図6のフローチャートにより説明する。
【0084】
まず、距離誤差チェック距離Lを更新する(ステップ7131)。この距離Lは、装置始動後、およびステップ711、ステップ7135(図6)における距離Lのリセット後の走行距離を表す。
【0085】
次に、この距離Lが300m以上になったか否かを調べる(ステップ7132)。300m未満であれば、この処理を終了する。
【0086】
300m以上であれば、変数Σφlが3deg以下か否かを調べる(ステップ7133)。3degを越えていれば、道路が確かにカーブしていたものと判断して、修正用の変数Σθl、Σ20θl、Σφlおよび距離Lを0に初期化する(ステップ7135)。
【0087】
一方、変数Σφlが3deg以下であれば(ステップ7133でYes)、道路がカーブしていなかったものと判断して、フラグf1を1にするとともに、先にステップ712で算出した道路車両方位差積分値Σθから修正用変数Σθlを減算する。また、走行距離重み付け道路車両方位差積分値Σ20θからも対応する修正用変数Σ20θlを減算する。同様に、道路方位差積分値ΣφからΣφlを減算する(ステップ7134)。これらの減算処理は、300m以上の距離にわたって累積された道路方位が3deg以内であった、すなわち、カーブしていなかったにも拘わらず何らかの原因で蓄積された道路車両方位差θ等のデータをその間の累積分だけ相殺するものであり、これによって、距離係数の誤補正を防止することができる。
【0088】
さて、図7の処理では、まず、ステップ801で、距離変数Dが300m以上であって、かつ、フラグf2が1であるかを判定する。距離変数Dは、図5のステップ708でDが0に初期化された後車両が300m以上走行した場合に、300mを超えることになる。300m未満またはフラグf2が0であればステップ805へ飛ぶ。一方、300m以上かつフラグf2=1であった場合(すなわち、図5のステップ708〜710の処理の後、初めて距離Dが300m以上となった場合)は、その時点のΣAの値に、Ra+Rshに距離変数Dを乗じた値を加算した値を新たなΣAとする(ステップ802)。次に、Rshを、あらかじめ用意したテーブルBを用いて修正する(ステップ803)。すなわち、変数Tbの絶対値を、テーブルBに従い求め、変数Taの正負と変数Tbの正負が一致するように変数Tbの正負を定める。テーブルBには、変数Taの絶対値と変数Tbの絶対値の対応が記述されている。この対応は、変数Taの絶対値の大きさが所定の割合で小さくなった値が変数Tbの絶対値となるように定めている。具体的には、変数Taは対応する変数Tbより一桁程度大きい値とする。そして、図7のステップ708で保存しておいたRshp、すなわちステップ710でRshが修正される前の補正変数Rshに変数Tbの値を加算したものを新たなRshとする。そして、フラグf2と距離変数Dを0に初期化する(ステップ804)。
【0089】
その後、距離Dが10km以上となったかを調べる(ステップ805)。10km未満であれば処理を終了し、以上であれば補正変数Raを更新する(ステップ806)。このRaの更新処理の詳細については図8により以下に説明する。
【0090】
図8の処理は、車両が10km進む毎に起動され実行されるマイクロプロセッサ214のルーチンである。この10kmは、車速センサ203の出力するパルス数に距離係数Rを乗じて求める。
【0091】
この処理では、まず、その時点のΣAの値に、Ra+Rshに距離変数Dを乗じた値を加算した値を新たなΣAとする(ステップ901)。そして、10km毎のΣAを格納する9つの変数F1からF9を、一つずつずらし、変数F2からF10とし(ステップ902)、変数F1を、以下の式に従い求める(ステップ903)。
【0092】
F1={(ΣA+10km)/10km}−1
そして、ステップ904で、変数F1からF10の値の平均をとり、この値を以降の補正変数Raとする。
【0093】
そして、最後に各変数ΣA、Σ20θ、Σφ、Rsh、Σθ、D、フラグf2を全て0に初期化し処理を終了する(ステップ905)。
【0094】
以上、補正変数Rsh、補正変数Raを変更するための処理の内容について説明した。以下では、実際の車両の走行において、これらの処理によって、どのように変数Rsh、変数Raが変更されていくかを説明する。
【0095】
いま、図12に示すような道路上を車両が走行するものとする。
【0096】
図中のaの地点において、図8の処理が実行され、補正変数Raが変更され、各変数ΣA、Σ20θ、Σφ、Rsh、Σθ、D、フラグf2の全てが0に初期化されたものとする。また、フラグf1は0とする。その後、aからbの地点までは、20m毎に起動される図5の処理のステップ705で算出される道路車両方位差θが3deg未満であるとする。そうすると、aからbの地点までは、図5のステップ706で道路車両方位差θが3deg未満であると判定され、かつ、ステップ707によってΣθが5deg未満であると判定されるので、変数ΣA、Σ20θ、Σφ、Rsh、Σθ、フラグf2はステップ711で再度0に初期化される。したがって、これらの変数は何ら変更されない。一方、距離変数Dは、この間も走行距離に応じて増加する。次にbからcの地点までの20mの区間において道路車両方位差θが4degとなり、cからdの地点までの20mの区間は道路車両方位差θが3deg未満となったものとする。この場合、bから20m走行したcの地点で実行される図5の処理のステップ706において道路車両方位差θが3deg以上と判定され、ステップ712において、変数Σ20θ、Σφ、Σθが、その20m区間の道路車両方位差θ、道路方位差φに応じて更新される。しかし、その後20m走行したdの地点で実行される図7の処理において、道路車両方位差θが3deg未満、道路車両方位差積分値Σθが5deg以下と判定されるので、変数ΣA、Σ20θ、Σφ、Rsh、Σθ、フラグf2はステップ711で再度0に初期化される。
【0097】
このように、図5の処理では、道路車両方位差θが3deg未満で道路車両方位差積分値Σθが5deg未満の場合には、単に変数ΣA、Σ20θ、Σφ、Rsh、Σθ、フラグf2を初期化する。これは、3deg未満の道路車両方位差θや、連続せずに一度だけ3deg以上5deg未満となった道路車両方位差θは、距離係数Rの誤り以外の要因による誤差である可能性があると考え、これらの道路車両方位差が、後の処理で行われる補正変数Rsh、Raの修正に関して無視されるようにするためである。
【0098】
次に、dからeの地点まで、2回以上連続して道路車両方位差θが3deg以上となったものとする。この場合は、この地点間で実行される図5の処理のステップ712において、順次、変数Σ20θ、Σφ、Σθが更新される。その結果、eの地点では、Σφはdからeの地点間で求められた道路方位差φの積分値を表し、Σθはdからeの地点間で求められた各道路車両方位差θの積分値を表し、Σ20θはdからeの地点間で求められた各道路車両方位差θに走行距離を重み付けした値の積分値を表していることになる。
【0099】
次に、eの地点からfの地点までの20mの区間における道路車両方位差θが3deg以下であったものとする。
【0100】
この場合は、eの地点から20m走行したfの地点で実行される図5の処理のステップ706において道路車両方位差θが3deg以下と判定され、ステップ707において道路車両方位差積分値Σθが5deg以上と判定されるので、ステップ709、710において前述したようにΣ20θ、Σφに応じてRshが更新される。また、ステップ708において距離変数Dが初期化されたaの地点からfの地点までの距離を、この時点において表している距離変数Dに、この間用いられた補正変数RaとRshの和(Ra+Rsh)を乗じた値をΣA(この時点では0)に加算する。このΣAは、後に図8の処理でRaを求めるために用いられる。その後、距離変数Dを0に初期化する。また、フラグf2をステップ710において1に設定する。この結果、この後300m走行したgの時点で図7の処理が実行されフラグf2が0に解除されるまで、図5の処理がステップ701の判定に従い実質的にスキップされることになる。そして、ステップ709、710でRshを求めるために求めておいたΣ20θ、Σθ、Σφをステップ711で0に初期化する。
【0101】
次に、fの地点で距離変数Dが0に初期化されてから300m走行したgの地点では、図7のステップ801において、距離変数Dが300m以上と判定される。そして、fの地点でRshが変更されてから、現在まで用いられた補正変数RaとRshの和(Ra+Rsh)を距離変数Dに乗じた値をΣAに加算し、ステップ803において前述したようにRshを修正する。この結果、fの地点からgの地点までの300mは、fの地点で求めたRshを用いて走行距離が求められ、gの地点以降はfの地点で求めたRshより小さな値が新たなRshとして用いられることになる。
【0102】
これによって、始めの300mは補正変数Rshの絶対値を適当と思われる値より大きくすることにより、意図的に距離係数Rをその補正する方向に向けて正しいと思われる値を越えて修正し、cからdの間に蓄積された現在位置(B)のずれを、この300mを進む間に少しずつ修正し、その後に、補正変数Rshの絶対値を小さくして距離係数Rを正しいと思われる値に設定し直すことができる。300mかけて現在位置のずれを少しずつ修正するのは、現在位置の表示位置がジャンプ等すること無くスムーズに移動するようにするためである。また、この300mの間、図5の処理が実質的に実行されなくするのは、正しいと思われる値より意図的にずらした距離係数Rで走行している間は、図5の処理は適当なRshを求めるように動作しないからである。
【0103】
この後、図7の処理ではステップ804で、フラグf2と距離変数Dを0に初期化する。フラグf2が0に初期化されることにより、図5の処理は再度aからの区間と同様に道路車両方位差θに従って動作できるようになる。
【0104】
この後、ステップ805で、aの地点から10km走行したhの地点に達すると図9の処理が実行される。この処理では、まず、現在まで用いられた補正変数RaとRshの和(Ra+Rsh)を距離変数D(最後にステップ708または802でΣAを求めてからの距離を表す)に乗じた値をΣAに加算する(ステップ901)。その結果、ΣAはaからfまでの10kmの間に用いられた各(Ra+Rsh)に、その(Ra+Rsh)が有効であった走行距離を重み付けした値の積算値となる。
【0105】
次に、初期値としてF(1)からF(10)までの全ての要素データが0である配列データFの要素データF(9)をF(10)に、F(8)をF(9)に、...、F(1)をF(2)にといったようにF(n)を一つずつずらす(ステップ902)。そして、ステップ903で、{(ΣA+10km)/10km)−1をF(1)とする。ここで、{(ΣA+10k)/10k}−1は、aからfまでに測定した10km中に含まれる、RaおよびRshの影響によって補正された距離の割合に、近似的に比例した値となる。したがい、ステップ904で求める、F(10)からF(1)の値の平均は、過去100km中に含まれる、RaおよびRshの影響によって補正された距離の割合に、近似的に比例した値となる。そこで、この平均をとった値を新たなRaとする。または、この平均をとった値に適当な定数を乗じた値を新たなRaとし、各変数ΣA、Σ20θ、Σφ、Rsh、Σθ、D、フラグf2を全て0に初期化する。
【0106】
以下、aの地点からの処理と同じように処理が繰り返されることになる。
【0107】
以上の原則的な動作に加えて、図5のステップ706において、道路車両方位差θが3deg以上である状態が継続したとする(ステップ706でNo)。それによって、Σθ、Σ20θ、Σφと同様に、Σθl、Σ20θl、Σφlも更新される。その都度、距離誤差チェック処理713が実行され、図6のステップ7132で距離誤差チェック距離Lが300m以上となったときに、修正用道路方位差Σφlが3deg以下であった場合には、ステップ7134でΣθ、Σ20θ、ΣφがそれぞれΣθl、Σ20θl、Σφlの値分だけ減算される。これにより、後の図5のステップ707に達したときに行われるΣθの絶対値の判定の結果、誤ってステップ710へ進み、誤った情報(Σ20θ)に基づいて補正変数Rshを補正してしまう、という事態を回避することができる。
【0108】
以上、説明してきたように、本実施例によれば、誤った道路車両方位差に基づく距離係数の誤補正を防止することができる。
【0109】
なお、前述したように変数Taは対応する変数Tbより一桁程度大きい値としているので、ステップ710で求められる変数Taは、それまでのRshに比べ一桁程度大きい値となる。したがって、ステップ710では変数Ta自体を新たなRshとして処理するようにしてもよい。また、300m,20m,1km、3deg,5deg等の数値は、例示であり、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0110】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、誤った道路車両方位差に基づく距離係数の誤補正を防止できる現在位置算出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る現在位置算出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例において行う地図および現在位置の表示例を示す図である。
【図3】本発明の一実施例において行う進行方位および走行距離の算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例において行う現在位置の算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図4の1ステップとして示した距離係数補正処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図5の1ステップとして示した距離誤差チェック処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図5の処理に続く距離係数補正処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図6の1ステップとして示したRaの更新処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施例において行う表示処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施例において判定する道路車両方位差を示す図である。
【図11】本発明の一実施例において算出する変数Taの正負の定め方を示した図である。
【図12】本発明の一実施例の説明において距離係数を補正する処理を適用した道路を表す図である。
【図13】本発明の一実施例において用いる地図データにおける道路の表現形式を示す図である。
【符号の説明】
201 角速度センサ
202 方位センサ
203 車速センサ
204 スイッチ
205 CD−ROM
206 CD−ROMドライバ
207 ディスプレイ
208 コントローラ

Claims (5)

  1. 車輪の回転に伴い移動する車両に搭載され、当該車両の現在位置を算出する現在位置算出装置であって、
    道路地図を表す地図データを記憶する手段と、
    車両の進行方位を検出する進行方位検出手段と、
    車輪の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    該回転速度検出手段により検出された車輪の回転速度と、設定された距離係数とに応じて車両の走行距離を算出する走行距離算出手段と、
    前記走行距離算出手段により算出された車両の走行距離と前記進行方位検出手段により検出された車両の進行方位と前記道路地図を表す地図データとに応じて、車両が存在する道路と当該道路上の車両の存在する位置を推定する手段と、
    該推定された位置における道路方位と車両の進行方位との間の道路車両方位差を所定走行距離毎に求め、該道路車両方位差がほぼ継続して所定の値以上である期間中、その道路車両方位差を累積する手段と、
    所定走行距離毎に前記推定された位置における道路方位の変化量である道路方位差を求め、前記道路車両方位差がほぼ継続して所定の値以上である期間中、その道路方位差を累積する手段と、
    前記道路車両方位差がほぼ継続して所定の値以上である状態でなくなったとき、前記累積された道路車両方位差に応じて前記距離係数を補正する手段と、
    前記所定走行距離より長い予め定めた第1の走行距離にわたりほぼ継続して道路車両方位差が前記所定の値以上であった場合に、前記累積された道路方位差が予め定めた値以下であれば、前記累積された道路車両方位差および累積された道路方位差から、当該予め定めた距離を走行する間に累積された値分だけ減算する手段、を備えたことを特徴とする現在位置算出装置。
  2. 請求項1記載の現在位置算出装置であって、
    前記距離係数を補正する手段は、前記累積された道路車両方位差に基づいて、前記距離係数を短期的に補正するための短期補正変数を生成する第1の距離係数補正手段と、
    前記距離係数の補正による走行距離への寄与分に基づいて、前記距離係数を長期的に補正するための長期補正変数を生成する第2の距離係数補正手段とを備えることを特徴とする現在位置算出装置。
  3. 請求項2記載の現在位置算出装置であって、
    前記第1の距離係数補正手段は、前記累積された道路車両方位差の符号と累積された道路方位差の符号とに基づいて前記短期補正変数の符号を決定すると共に、前記累積された道路車両方位差の絶対値に基づいて前記短期補正変数の絶対値を決定する現在位置算出装置。
  4. 請求項2または3記載の現在位置算出装置であって、
    前記第1の距離係数補正手段は、前記短期補正変数の設定時にその絶対値を適正と思われる値よりも大きく設定し、該設定後に所定の距離走行した時点で当該短期補正変数の設定値を前記適正と思われる値に変更することを特徴とする現在位置算出装置。
  5. 請求項2から4のいずれか一項に記載の現在位置算出装置であって、
    前記第2の距離係数補正手段は、前記第1の走行距離より長い第2の走行距離毎に、その間の前記長期補正変数および短期補正変数が走行距離の補正に寄与した補正距離を累積し、この累積した補正距離と前記予め定めた比較的長い距離との比に基づいて、前記長期補正変数を生成することを特徴とする現在位置算出装置。
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