JP3599091B2 - 射出成形用シリコーンゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チキソ性を有する射出成形用シリコーンゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ゴム材料は一般に金属、プラスチック等に比べ衝撃吸収力が優れているが、中でもシリコーンゴムはその耐熱性、耐候性、電気絶縁性などの良さから多方面への利用が可能である。しかしながら、ゴム材料は粘弾性による歪みで主として衝撃エネルギーを吸収するため、衝撃力方向の材料の厚みが必要となり、重量が必要となってしまうが、近年、輸送機、OA機器、家電などの各種の分野において軽量化が進む流れの中で、軽量で十分な弾性を有し、多量の成形品の製造が可能な材料が望まれていた。
【0003】
ゴム材料を軽量化するためにシリコーンゴムに微小中空フィラーを混入することが有効であり、これによりゴムの軽量化は向上するが、ゴム組成物に中空フィラーのように非常に軽いものを混入すると、その比重差から短時間でフィラーが浮き上がり、分離現象が発生してしまう。特に射出成形のように材料をセットした後、連続的に成形を行うシステムでは、経時による中空フィラーの分離現象のため、成形されたサンプルの比重が異なり、硬化したゴムの重量に差が出てしまう。
【0004】
従って、微小中空フィラーを配合しても分離し難く、安定性の優れた射出成形用シリコーンゴム組成物が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記要望に応えるため鋭意検討を行った結果、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び付加反応触媒を含む付加反応硬化型のシリコーンゴム組成物に、微小中空フィラー(マイクロバルーン)を配合すると共に、チキソ性付与剤を配合し、チキソ性を持たせること、特にボーイング・フロー・ジグ試験による1分後の垂れが1.2インチ以下であるようにチキソ性を持たせることにより、微小中空フィラーの浮き上がり、分離が抑制され、安定性に優れた中空フィラー含有射出成形用シリコーンゴム組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0006】
即ち、本発明は、
(A)下記平均組成式(1)
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。また、aは1.5〜2.8の範囲の正数である。)
で示される1分子中に少なくとも平均2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン 100重量部
(B)下記平均組成式(2)
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示される、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜50重量部
(C)室温(25℃)において液状である少なくとも1種のチキソ性付与剤と、少なくとも1種の固体状チキソ性付与剤 0.01〜30重量部
(D)付加反応触媒 触媒量
(E)比重が0.01〜0.40で平均粒径が300μm以下の微小中空フィラー 0.5〜30重量部
を含有してなることを特徴とするチキソ性を有する射出成形用シリコーンゴム組成物を提供する。
【0007】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
(A)成分の1分子中に少なくとも平均2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとしては下記平均組成式(1)で示されるものを用いる。
【0008】
R1 aSiO(4−a)/2 (1)
式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、更に好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。ここで、上記R1で示されるケイ素原子に結合した置換又は非置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。
【0009】
この場合、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6である)であることが必要である。なお、アルケニル基の含有量は、前記有機基R1中0.005〜10モル%、特に0.01〜5モル%とすることが好ましい。このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、組成物の硬化速度、硬化物の物性等の点から、本発明で用いるオルガノポリシロキサンは、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和結合を含んだものであることが好ましい。
【0010】
このオルガノポリシロキサンの構造は基本的には直鎖状構造を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。分子量については、特に限定はなく、粘度の低い液状のものから、粘度の高い生ゴム状のものまで使用できるが、硬化してゴム状弾性体になるためには、25℃での粘度が100センチポイズ以上であり、通常100〜1,000,000、特に500〜100,000であることが好ましい。
【0011】
(B)成分は、下記平均組成式(2)
R2 bHcSiO(4−b−c)/2 (2)
(式中、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数であり、好ましくはbは1.0〜2.0、cは0.01〜1.0、b+cは1.0〜2.5を満足する正数である。)
で示される、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
【0012】
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは1分子中に少なくとも2個、好ましくは2〜200個、より好ましくは3〜50個のケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH基)を有することが必要であり、R2としては前記R1で例示したものと同じものを挙げることができるが、アルケニル基等の脂肪族不飽和結合を含有しないものが好ましい。
【0013】
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、メチルハイドロジェン環状ポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられ、その分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状(樹脂状)などいずれのものでもよく、また1分子中のケイ素原子数(重合度)は2〜200、好ましくは4〜100程度であればよい。
【0014】
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対して0.1〜50重量部、特に0.3〜30重量部とすることが好ましい。
【0015】
また、この配合量は(A)成分中のアルケニル基1モルに対して(B)成分中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)の量が0.5〜10モル、好ましくは0.8〜5モル、更に好ましくは0.8〜2.5モル程度になるように配合してもよい。
【0016】
(C)成分のチキソ(チキソトロピック)性付与剤は、材料の流れ性を抑え組成物にチキソ性を付与するものであればいかなるものでも構わないが、一般的には、室温(例えば25℃)で固体のチキソ性付与剤として、ヒュームドシリカ、ヒュームド酸化チタン、カーボンなどが例示され、これらは通常、平均粒径(例えばレーザー光回折法などによる)が0.005〜200μm、好ましくは0.01〜100μm程度であるか、或いは比表面積(BET法などによる)が50m2/g以上、好ましくは50〜400m2/g程度の微粉末状であることが望ましく、これらはそのままでもヘキサメチルシラザン、トリメチルクロロシラン、ポリメチルシロキサンのようなオルガノシラザン、オルガノシラン、オルガノシロキサンなどの有機ケイ素化合物で表面処理したものでもよい。また、室温(例えば25℃)において液状であるチキソ性付与剤としては、本組成物に対し非相溶なものであればいかなるものでもよく、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテル化合物、或いはそれらとシロキサン化合物とのブロックポリマー、ジメチルシロキサンとジフェニルシロキサンとの共重合体などが主として用いられる。なお、チキソトロピック性を十分安定的に発現するためには、少なくとも1種の液状チキソ性付与剤と少なくとも1種の固体状チキソ性付与剤とを併用して配合する。チキソ性付与剤の配合量は、(A)成分100重量部に対し、0.01〜30重量部、好ましくは0.03〜20重量部で、1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。配合量が少ないと十分なチキソ性が得られず、多いと成形性、ゴム物性などに悪影響を与えてしまう。
【0017】
(D)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテートなどの白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などが挙げられる。
【0018】
なお、(D)成分の付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常(A)、(B)成分の合計重量に対して白金原子量で1〜1,000ppm、好ましくは5〜200ppm程度とすることができる。
【0019】
(E)成分の中空フィラー(マイクロバルーン)は、硬化物内に気体部分を持つことでスポンジゴムのように軽量化を可能にするもので、このような材料としては、ガラスバルーン、シリカバルーン、カーボンバルーン、フェノール樹脂バルーン、塩化ビニリデン樹脂バルーン、塩化ビニリデンと(メタ)アクリロニトリルとの共重合体からなる樹脂バルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、シラスバルーンなどいかなるものでも構わない。また中空フィラーの強度を持たせるため等の理由で表面に無機フィラー等を付着させたものでもよい。但し、シリコーンゴム組成物内で十分な軽量化を行うには、中空フィラーの真比重が0.01〜0.40、好ましくは0.02〜0.30で、0.01より小さいと配合、取り扱いが難しいばかりか、中空フィラーの耐圧強度が不十分で成形時に破壊してしまい、軽量化ができなくなってしまう。また中空フィラーの粒径は、300μm以下、通常1〜300μm、好ましくは5〜200μm、更に好ましくは10〜100μm程度で、粒径が大きすぎると成形時の射出圧力により中空フィラーが破壊されてしまい軽量化が不十分となってしまう。
【0020】
(E)成分の中空フィラーの配合量は(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対し0.5〜30重量部、好ましくは1.0〜20重量部で、少なすぎると材料の軽量化が不十分で、多すぎると配合が困難でかつゴム強度も不十分なものとなってしまう。また、この中空フィラーの配合量は、上記と同様の理由から、ゴム材料(即ち、中空フィラー含有オルガノポリシロキサン組成物全体)に対して体積比率で10〜80容量%、特に15〜75容量%であることが好ましい。
【0021】
これら(A)〜(E)成分に、成形品の機械的強度を向上させるため、耐熱性を向上させるため、難燃性を向上させるためなどの理由で本発明の効果を損なわない範囲で充填剤を配合してもよい。このような充填剤としては、沈殿シリカ、粉砕石英、アスベスト、アルミノケイ酸、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化セリウムのような非補強性充填剤が例示され、そのままでもヘキサメチルシラザン、トリメチルクロロシラン、ポリメチルシロキサンのような有機ケイ素化合物で表面処理したものでもよい。
【0022】
本発明のシリコーンゴム組成物は、上記(A)〜(E)成分を主成分とするが、これはチキソ性(チキソトロピック性)を有することが必要である。ここで有するチキソ性とは、下記に示されるボーイング・フロー・ジグ試験により、1分後の材料の垂れが、1.2インチ以下、即ち、0〜1.2インチ、好ましくは0〜1インチのものを言い、1.2インチを超えると中空フィラーが浮上し易く経時で分離してしまい、硬化物が比重の異なるゴムとなってしまう。
〔ボーイング・フロー・ジグ試験〕
試験組成物の垂れ落ち抑制の量を定めるためのテストで、組成物をボーイング・フロー・ジグのボウル部分に入れ、次いで水平試験ジグをとり、これを一端を下にして立てて、組成物がスケール上のボウルから鉛直下方に流れるようにする。重力の作用により下に流れる量を60秒後に流れの長さ(インチ)として測定する(通常35秒後であるが、本材料ではその差を明確にするため60秒後とした)。
【0023】
更に、本発明の組成物は、一定の粘度範囲にあることが好ましく、例えば、 BH型粘度計ローター7番・20回転で500ポイズ以上であり、BS型粘度計ローター7番・5回転で24,000ポイズ以下が好ましく、より好ましくはBH型粘度計ローター7番・20回転で800ポイズ以上であり、BS型粘度計ローター7番・5回転で20,000ポイズ以下である。500ポイズ未満では、中空フィラーが分離し易く、24,000ポイズを超えると、材料の製造が困難であるばかりでなく、射出成形時の圧力により中空フィラーが破壊してしまうという問題が生じる場合がある。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、中空フィラーの浮き、分離が抑えられ、安定性の高いものである。
【0025】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例で部は重量部を示す。また、MeはCH3を示す。
【0026】
〔実施例1〕
25℃での粘度が5,000csである分子鎖両末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン100部、25℃での粘度が5,000csの側鎖ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(ビニル価0.0007mol/g)20部、チキソ性付与剤として比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製、R−972)8部、比重0.04、塩化ビニリデンとアクリロニトリルを主成分とするコポリマー樹脂からなる平均粒径40μmの中空フィラー(エクスパンセル社製、ExpancelDE)4部(組成物全体に対して43容量%)をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、更に下記式(a)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン5.7部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、液状チキソ性付与剤としてポリエチレングリコール1部を添加し、15分撹拌を続け、シリコーンゴム組成物(1)を得た。この組成物の粘度及びチキソ性を測定すると、BS型粘度計ローター7番・10rpmで3,600ポイズ、5rpmで4,200ポイズ、ボーイング・フロー・ジグ試験によるチキソ性は0.65インチであった。この組成物132部に塩化白金酸の1%イソプロピルアルコール溶液を0.1部添加し、撹拌・脱泡後、2mmのシート状にし、150℃のオーブンで15分キュアさせ、冷却後の比重を測定すると0.55であった。一方、同じシリコーンゴム組成物(1)を直径110mm、高さ140mmの金属製丸缶に500g充填し、25℃で1週間放置後缶上部の材料132gを取り出し、同じ塩化白金酸の1%イソプロピルアルコール溶液を0.1g添加し、撹拌・脱泡後、2mmのシート状にし、150℃のオーブンで15分キュアさせ、冷却後の比重を測定すると0.54であった。
【0027】
【化1】
【0028】
〔実施例2〕
25℃での粘度が5,000csである分子鎖両末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン100部、25℃での粘度が5,000csの側鎖ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(ビニル価0.0007mol/g)20部、チキソ性付与剤として比表面積が200m2/gであるヒュームドシリカ(日本エアロジル社製、エアロジル200)5部、比重0.04、平均粒径40μmの実施例1と同様の中空フィラー(エクスパンセル社製、ExpancelDE)2部(組成物全体に対して28容量%)をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、上記式(a)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン5.7部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、液状チキソ性付与剤として下記式(b)で示されるジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体3部を添加し、15分撹拌を続け、シリコーンゴム組成物(2)を得た。この組成物の粘度及びチキソ性を測定すると、BH型粘度計ローター7番・10rpmで2,100ポイズ、20rpmで1,700ポイズ、チキソ性は0.81インチであった。実施例1と同様にして得た1週間保存前後での硬化物の比重を測定すると、保存前0.67、保存後0.66であった。
【0029】
【化2】
【0030】
〔実施例3〕
25℃での粘度が5,000csである分子鎖両末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン100部、25℃での粘度が5,000csの側鎖ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(ビニル価0.0007mol/g)20部、チキソ性付与剤として比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製、エアロジル200)7部、比重0.13、平均粒径100μmの炭酸カルシウムにより表面をコーティングされた、ポリアクリロニトリル樹脂を主成分とする中空フィラー(松本油脂製薬社製、マイクロスフィアーMFL−100CA)12部(組成物全体に対して42容量%)をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、上記式(a)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン5.7部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、液状チキソ性付与剤としてポリエチレングリコール1部を添加し、15分撹拌を続け、シリコーンゴム組成物(3)を得た。この組成物の粘度及びチキソ性を測定すると、BH型粘度計ローター7番・10rpmで3,200ポイズ、BS型粘度計ローター7番・5rpmで3,500ポイズ、チキソ性は0.75インチであった。実施例1と同様にして得た1週間保存前後での硬化物の比重を測定すると、保存前0.58、保存後0.55であった。
【0031】
〔比較例1〕
25℃での粘度が5,000csである分子鎖両末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン100部、25℃での粘度が5,000csの側鎖ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(ビニル価0.0007mol/g)20部、比重0.04、実施例1と同様の平均粒径40μmの中空フィラー(エクスパンセル社製、ExpancelDE)4部(組成物全体に対して44容量%)をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、上記式(a)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン5.7部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続け、シリコーンゴム組成物(4)を得た。この組成物の粘度及びチキソ性を測定すると、BH型粘度計ローター7番・10rpmで1,900ポイズ、20rpmで1,600ポイズ、チキソ性は1.48インチであった。実施例1と同様にして得た1週間保存前後での硬化物の比重を測定すると、保存前0.51、保存後0.29であった。
【0032】
〔比較例2〕
25℃での粘度が5,000csである両末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン100部、25℃での粘度が5,000csの側鎖ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(ビニル価0.0007mol/g)20部、実施例3と同様の比重0.13、平均粒径100μmの炭酸カルシウムにより表面をコーティングされた中空フィラー(松本油脂製薬社製、マイクロスフィアーMFL−100CA)12部(組成物全体に対して42容量%)をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、上記式(a)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン5.7部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続け、シリコーンゴム組成物(5)を得た。この組成物の粘度及びチキソ性を測定すると、BH型粘度計ローター7番・20rpmで900ポイズ、10rpmで1,000ポイズ、チキソ性は1.72インチであった。実施例1と同様にして得た1週間保存前後での硬化物の比重を測定すると、保存前0.65、保存後0.41であった。
【0033】
〔実施例4〕
信越化学工業製付加硬化型液状シリコーンゴム材料KE1218A液(主剤)/B液(硬化剤)各50部に、チキソ性付与剤として比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製、エアロジル200)7部、比重0.04、平均粒径40μmの実施例1と同様の中空フィラー(エクスパンセル社製、ExpancelDE)3.5部(組成物全体に対して53容量%)、液状チキソ性付与剤としてポリエチレングリコール1部を添加し、15分撹拌を続け、シリコーンゴム組成物(6)を得た。この組成物の粘度及びチキソ性を測定すると、BH型粘度計ローター7番・20rpmで1,500ポイズ、10rpmで1,800ポイズ、チキソ性は0.83インチであった。実施例1と同様に混合直後の比重、及び直径110mm、高さ140mmの金属製丸缶に同組成物500gを充填し、25℃で1週間放置後缶上部の材料を硬化させたゴムの比重を測定すると、保存前0.63、保存後0.61であった。
【0034】
〔比較例3〕
信越化学工業製付加硬化型液状シリコーンゴム材料KE1218A液(主剤)/B液(硬化剤)各50部に、比重0.04、平均粒径40μmの実施例1と同様の中空フィラー(エクスパンセル社製、ExpancelDE)3.5部(組成物全体に対して55容量%)を添加し、15分撹拌を続け、シリコーンゴム組成物(7)を得た。この組成物の粘度及びチキソ性を測定すると、BH型粘度計ローター7番・20rpmで800ポイズ、10rpmで900ポイズ、チキソ性は1.96インチであった。実施例1と同様に混合直後の比重、及び直径110mm、高さ140mmの金属製丸缶に同組成物500gを充填し、25℃で1週間放置後缶上部の材料を硬化させたゴムの比重を測定すると、保存前0.58、保存後0.34であった。
【0035】
〔実施例5〕
25℃での粘度が5,000csである両末端ビニル基含有ジメチルポリシロキサン100部、25℃での粘度が5,000csの側鎖ビニル基含有ジメチルポリシロキサン(ビニル価0.0007mol/g)20部、チキソ性付与剤として比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本エアロジル社製、R−972)7部、比重0.30、平均粒径60μmのガラス中空フィラー(ガラスバルーン;東海工業社製、セルスター)30部(組成物全体に対して44容量%)をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌を続けた後、実施例1の式(a)で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン5.7部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、液状チキソ性付与剤としてポリエチレングリコール1部を添加し、15分撹拌を続け、シリコーンゴム組成物(8)を得た。この組成物の粘度及びチキソ性を測定すると、BH型粘度計ローター7番・10rpmで4,500ポイズ、チキソ性は0.52インチであった。実施例1と同様にして得た1週間保存前後での硬化物の比重を測定すると、保存前0.79、保存後0.77であった。
Claims (3)
- (A)下記平均組成式(1)
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。また、aは1.5〜2.8の範囲の正数である。)
で示される1分子中に少なくとも平均2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン 100重量部
(B)下記平均組成式(2)
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示される、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜50重量部
(C)室温(25℃)において液状である少なくとも1種のチキソ性付与剤と、少なくとも1種の固体状チキソ性付与剤 0.01〜30重量部
(D)付加反応触媒 触媒量
(E)比重が0.01〜0.40で平均粒径が300μm以下の微小中空フィラー 0.5〜30重量部
を含有してなることを特徴とするチキソ性を有する射出成形用シリコーンゴム組成物。 - 回転粘度計による測定値が、BH型粘度計ローター7番・20回転で500ポイズ以上であり、BS型粘度計ローター7番・5回転で24,000ポイズ以下である請求項1記載の射出成形用シリコーンゴム組成物。
- ボーイング・フロー・ジグ試験による1分後の垂れが1.2インチ以下のチキソ性を有する請求項1又は2記載の射出成形用シリコーンゴム組成物。
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