JP3598526B2 - 動きベクトル検出方法及び画像データの符号化方法 - Google Patents

動きベクトル検出方法及び画像データの符号化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、画像の動きに応じて画像データの圧縮符号化処理を行う、例えば動画像圧縮処理装置(MPEG装置)等に用いて好適な動きベクトル検出方法及び画像データの符号化方法に関し、特に、最初は大きく、徐々に範囲を狭めながら画像の動きベクトルの検出を多段階に亘って行うマルチステップサーチにおける動きベクトルの検出精度の向上等を図った動きベクトル検出方法、及び、この動きベクトル検出方法を用いて画像データの圧縮符号化を行うことにより、圧縮符号化効率及び圧縮符号化精度の向上等を図った画像データの符号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日において、動画の高能率圧縮符号化の国際標準方式としてMPEG(Moving Picture Coding Transform )方式が知られている。このMPEG方式は、画像データに直交変換処理を施す、例えばDCT(Discrete Cosine Transform )変換と、動き補償とを組み合わせた画像の高能率圧縮技術である。
【0003】
このMPEG方式は、例えば前フレームの画像と現在フレームの画像との相関性を利用して画像データを圧縮符号化する、図7に示すような画像データの符号化装置に適用することができる。
【0004】
上記図7に示す画像データの符号化装置は、入力端子201を介して現在フレームの画像データが供給される。この現在フレームの画像データは、動きベクトル検出回路202及び減算器203に供給される。
【0005】
上記動きベクトル検出回路202には、上記現在フレームの画像データの他、以下に説明するフレームメモリ205からの前フレームの画像データが供給されている。上記動きベクトル検出回路202は、上記現在フレームの画像データ及び前フレームの画像データに基づいて画像の動きを検出することにより動きベクトルを形成し、これを動き補償回路204に供給する。
【0006】
上記動き補償回路204には、フレームメモリ205から前フレームの画像データが供給されている。上記動き補償回路204は、上記動きベクトル検出回路202からの動きベクトルに基づいて、上記前フレームの画像データに動き補償処理を施し、これを上記減算器203及び加算器206に供給する。
【0007】
上記減算器203は、上記現在フレームの画像データと、上記動き補償処理の施された前フレームの画像データとを減算処理することにより、現在フレームの画像データと前フレームの画像データとの差分を示す差分データを形成し、これをDCT回路207に供給する。
【0008】
上記DCT回路207は、上記差分データを所定画素数のブロック毎に周波数軸上に変換してDCTブロックを形成し、これを量子化回路208に供給する。上記量子化回路208は、上記DCTブロックのレベルに応じて量子化ステップ可変し、この量子化ステップにより上記DCTブロックに量子化処理を施すことにより圧縮画像データを形成し、これを出力端子209を介して例えばディスク記録装置等の外部機器に供給するとともに、逆量子化回路210に供給する。
【0009】
上記逆量子化回路210は、上記量子化回路208で選択された量子化ステップで、上記圧縮画像データに逆量子化処理を施すことにより、量子化処理される前のDCTブロックを再生し、これを逆DCT回路211に供給する。上記逆DCT回路211は、上記再生されたDCTブロックに逆DCT処理を施すことにより、DCTブロック化される前の差分データを形成し、これを上記加算器206に供給する。
【0010】
上記加算器206には、上記動き補償回路204からの動き補償された前フレームの画像データが別に供給されている。上記加算器206は、上記動き補償された前フレームの画像データと、上記逆DCT回路211からの差分データとを加算処理することにより、現在フレームの画像データを再生し、これをフレームメモリ205に供給する。
【0011】
上記フレームメモリ205に供給された現在フレームの画像データは、1フレーム分の遅延が施され読み出される。これにより、上記現在フレームの画像データは、読み出しの段階で前フレームの画像データとされ、上記動き補償回路204及び動きベクトル検出回路202に供給される。
上述のように、上記動き補償回路204は、上記動きベクトル検出回路202からの動きベクトルに応じて上記前フレームの画像データに動き補償処理を施し、これを上記減算器203及び加算器206に供給する。以後、各回路において、上述の動作が繰り返される。
【0012】
このように、上記画像データの符号化装置は、動きベクトルに基づいて動きベクトル補償された前フレームの画像データと、現在フレームの画像データとの差分を符号化して出力する。これにより、画像データの高能率圧縮を行うことができる。
【0013】
ここで、上記動きベクトル検出回路202は、図8に示すように現在フレーム221に複数設定された複数画素(N画素×Mライン)から形成される基準ブロック223が、前フレーム222内を移動する複数画素(N画素×Mライン)から形成される検査ブロックのうち、どの検査ブロック224と一致するかを検出するブロックマッチングにより動きベクトルを検出している。
【0014】
すなわち、上記動きベクトル検出回路202は、前フレーム222の検査ブロック224を所定の移動範囲内において移動し、該移動する毎に検査ブロック224と上記現在フレーム221の基準ブロック223とを比較する。そして、上記基準ブロック223に最も合致する検査ブロック224をマッチングブロックとして検出し、このマッチングブロックに基づいて動きベクトルの検出を行う。
【0015】
このようなブロックマッチング法としては、フルサーチと呼ばれるブロックマッチング法と、マルチステップサーチと呼ばれるブロックマッチング法とが知られている。
【0016】
上記フルサーチのブロックマッチング法が適用された動きベクトル検出回路は、例えば図9に示すような構成を有している。
この図9において、現フレームメモリ231には入力端子233を介して現在フレームの画像データが供給され、前フレームメモリ232には入力端子234を介して前フレームの画像データが供給される。上記各フレームメモリ231,232に供給された各画像データは、それぞれコントローラ235の書き込み制御により、該各フレームメモリ231,232内に一旦書き込まれる。
【0017】
このように上記各フレームメモリ231,232内に各画像データが書き込まれると、上記コントローラ235は、上記図8に示した現在フレーム221の基準ブロックの画像データを読み出すように上記現フレームメモリ231を読み出し制御するとともに、前フレーム222の検査ブロック224の画像データを読み出すようにアドレス移動回路236を介して前フレームメモリ232を読み出し制御する。また、上記コントローラ235は、上記検査ブロック224が、図10に示すように1画素毎に所定の移動範囲SV内を移動するように、1画素ずつ上記前フレームメモリ232の読み出しアドレスをアドレス移動回路236を介して可変制御する。
【0018】
これにより、上記現フレームメモリ231から上記基準ブロック223の画像データが差分検出回路237に供給されるとともに、上記前フレームメモリ232から上記移動範囲SV内において1画素ずつ移動された検査位置の検査ブロック224の画像データが上記差分検出回路237に供給される。
【0019】
上記差分検出回路237は、上記基準ブロック223の画像データと、上記検査ブロック224の画像データとを1画素毎に減算処理して差分データを形成し、これを絶対値和検出回路238に供給する。
【0020】
上記絶対値和検出回路238は、1回のブロックの比較により形成された差分データの絶対値を検出し、この絶対値を全て加算処理することにより絶対値和データを形成し、これを判断回路239に供給する。
【0021】
上記判断回路239は、例えば上記移動範囲SV内を上記検査ブロック224を1画素ずつ移動してブロックマッチングを行う1回のブロックマッチング処理により形成される全ての絶対値和データを記憶できるメモリを有している。上記判断回路239は、上記絶対値和検出回路238から供給される絶対値和データを、その絶対値和データが形成された上記移動範囲SVの検査位置に対応するアドレスに一旦記憶する。そして、上記メモリの全てのアドレスに上記絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から値が最小のものが記憶されているアドレスを検出し、このアドレスに基づいて動きベクトルを検出する。そして、この動きベクトルを出力端子240を介して、上記図7に示した動き補償回路204に供給する。
【0022】
上記値が最小の絶対値和データは、前フレームの検査ブロック224の画像データと現在フレームの基準ブロック223の画像データとの差分が最小であること、すなわち、その検査ブロック224の画像データと基準ブロック223の画像データとの相関性が高いことを示している。また、上述のように上記絶対値和データは、ブロックマッチングを行った位置に対応した上記メモリ上のアドレスに記憶される。
【0023】
従って、上記値が最小の絶対値和データが記憶されている上記メモリ上のアドレスを検出することにより、上記値が最小の絶対値和データが形成された検査ブロック224に対する上記基準ブロック223の動き分(動きベクトル)を検出することができる。
【0024】
なお、このように1回のブロックマッチングで動きベクトルの検出がなされると、上記判断回路259は、コントローラ235に該動きベクトルの検出がなされたことを示すデータを供給する。上記コントローラ235は、上記動きベクトルの検出がなされたことを示すデータが供給されると、新たな現在フレームの画像データ及び前フレームの画像データが上記各フレームメモリ231,232に書き込まれるように該各フレームメモリ231,232を書き込み制御する。これにより、新たに上述のブロックマッチング処理が行われる。
【0025】
しかし、このようなフルサーチを行うと、上記検査ブロック224を、上記移動範囲SVにおいて1画素毎に移動させながら動きベクトルの検出を行う必要があるため、演算量が膨大なものとなり画像データの高速処理に支障をきたす。このため、現在では、最初は大きな移動範囲で動きベクトルの検出を行い、この検出結果に応じて徐々に移動範囲を小さくするように、多段階に亘ってブロックマッチング処理を行うことにより、演算量の軽減を図るマルチステップサーチが多く行われている。
【0026】
上記マルチステップサーチとしては、3段階に亘って動きベクトルの検出を行う3ステップサーチ、2段階に分けて動きベクトルの検出を行う2ステップサーチ等が知られている。
【0027】
まず、上記3ステップサーチが適用される動きベクトル検出回路は、例えば図11に示すような構成を有している。
この図11において、現フレームメモリ251には入力端子253を介して現在フレームの画像データが供給され、前フレームメモリ252には入力端子254を介して前フレームの画像データが供給される。上記各フレームメモリ251,252に供給された各画像データは、それぞれコントローラ255の書き込み制御により、該各フレームメモリ251,252内に一旦書き込まれる。
【0028】
このように上記各フレームメモリ251,252内に各画像データが書き込まれると、上記コントローラ255は、例えば上記現フレームメモリ251に設定された基準ブロックの画像データが読み出されるように上記現フレームメモリ251を読み出し制御する。この基準ブロックの画像データは、差分検出回路257に供給される。
【0029】
また、上記コントローラ255は、これとともに、まず、第1ステップとして図12に示すように上記前フレームメモリ252に記憶された画像データのうち、例えば上記基準ブロックの中心のアドレスに対応するアドレスの画像データを原点の画像データ270とし、この原点の画像データ270に対して左斜め上方向に4画素分ずれた画像データ271を中心とする上記基準ブロックの画像データと同数の画像データを有する検査ブロックの画像データが読み出されるようにi画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0030】
また、上記コントローラ255は、これに続いて、上記画像データ271から右方向に4画素分離れた画像データ272を中心とする検査ブロック,上記画像データ272から右方向に4画素分離れた画像データ273を中心とする検査ブロック,上記原点の画像データ270から左方向に4画素分離れた画像データ274を中心とする検査ブロック,上記原点の画像データ270を中心とする検査ブロック,上記原点の画像データ270から右方向に4画素分離れた画像データ275を中心とする検査ブロック,上記原点の画像データ270から左斜め下方向に4画素分離れた画像データ276を中心とする検査ブロック,上記画像データ276から右方向に4画素分離れた画像データ277を中心とする検査ブロック,上記画像データ277から右方向に4画素分離れた画像データ278を中心とする検査ブロックの各画像データが順に読み出されるように上記i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0031】
この前フレームメモリ252から読み出された各検査ブロックの画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0032】
すなわち、この第1ステップでは、上記図12に示す各画像データ271〜278をそれぞれ中心として4画素毎に検査ブロックを移動することにより、同図中太線で示す第1の移動範囲SV1でブロックマッチング処理が行われることとなる。
【0033】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロックの画像データと、上記各検査ブロックの画像データとを比較してその差分を検出し、この差分データを絶対値和検出回路258に供給する。上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のブロック同士の比較により検出される差分データを全て加算して絶対値和データを形成する。これにより、上記検査ブロックの移動を行った分である計9個の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0034】
上記判断回路259は、例えば上記第1の移動範囲SV1内を上記検査ブロックを4画素ずつ移動してブロックマッチングを行う1回のブロックマッチング処理により形成される全ての絶対値和データを記憶できるメモリを有している。上記判断回路259は、上記絶対値和検出回路258から供給される絶対値和データを、その絶対値和データが形成された上記第1の移動範囲SV1の検査位置に対応するアドレスに一旦記憶する。そして、上記メモリの全てのアドレスに上記絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から値が最小のものを検出し、この値が最小の絶対値和データを上記コントローラ255に供給する。
【0035】
上記絶対値和データの値が最小であるということは、前フレームにおける検査ブロックと現在フレームにおける基準ブロックとの相関性が高いことを示している。このため、上記コントローラ255は、上記絶対値和データに基づいて、その絶対値和データが検出された検査ブロックの中心に位置する、上記前フレームメモリ252上のアドレスの画像データを検出する。そして、第2のステップとして、上記画像データを中心として移動範囲を狭めてブロックマッチング処理を行う。
【0036】
すなわち、上記値が最小の絶対値和データが検出された検査ブロックの中心の画像データが図12に×点で示す画像データ276であったとすると、上記コントローラ255は、第2ステップとして図13(a)に示すように、上記画像データ276から左斜め上に2画素分離れた画像データ281を中心とする検査ブロック,上記画像データ281から右方向に2画素分離れた画像データ282を中心とする検査ブロック,上記画像データ282から右方向に2画素分離れた画像データ283を中心とする検査ブロック,上記画像データ276から左方向に2画素分離れた画像データ284を中心とする検査ブロック,上記画像データ276を中心とする検査ブロック,上記画像データ276から右方向に2画素分離れた画像データ285を中心とする検査ブロック,上記画像データ276から左斜め下方向に2画素分離れた画像データ286を中心とする検査ブロック,上記画像データ286から右方向に2画素分離れた画像データ287を中心とする検査ブロック,上記画像データ287から2画素分離れた画像データ288を中心とする検査ブロックの各画像データが順に読み出されるように上記i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0037】
この前フレームメモリ252から読み出された各検査ブロックの画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0038】
すなわち、この第2ステップでは、上記図13(a)に示す各画像データ281〜288及び画像データ276をそれぞれ中心として2画素毎に検査ブロックを移動することにより、同図(a)中太線で示す第2の移動範囲SV2でブロックマッチング処理が行われることとなる。
【0039】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロックの画像データと、上記各検査ブロックの画像データとを比較してその差分を検出し、この差分データを絶対値和検出回路258に供給する。上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のブロック同士の比較により検出される差分データを全て加算して絶対値和データを形成する。これにより、上記検査ブロックの移動を行った分である計9個の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0040】
上記判断回路259は、上記絶対値和検出回路258から供給される上記9つの絶対値和データを、その絶対値和データが形成された上記第2の移動範囲SV2の検査位置に対応するアドレスに一旦記憶する。そして、上記メモリの全てのアドレスに上記絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から値が最小のものを検出し、この値が最小の絶対値和データを上記コントローラ255に供給する。
【0041】
上述のように、上記絶対値和データの値が最小であるということは、前フレームにおける検査ブロックと現在フレームにおける基準ブロックとの相関性が高いことを示している。このため、上記コントローラ255は、上記絶対値和データに基づいて、その絶対値和データが検出された検査ブロックの中心に位置する、上記前フレームメモリ252上のアドレスの画像データを検出する。そして、第3のステップとして、上記画像データを中心として移動範囲をさらに狭めてブロックマッチング処理を行う。
【0042】
すなわち、上記値が最小の絶対値和データが検出された検査ブロックの中心の画像データが図13(a)に△点で示す画像データ283であったとすると、上記コントローラ255は、第3ステップとして図13(b)に示すように、上記画像データ283から左斜め上に1画素分離れた画像データ291を中心とする検査ブロック,上記画像データ291から右方向に1画素分離れた画像データ292を中心とする検査ブロック,上記画像データ292から右方向に1画素分離れた画像データ293を中心とする検査ブロック,上記画像データ283から左方向に1画素分離れた画像データ294を中心とする検査ブロック,上記画像データ283を中心とする検査ブロック,上記画像データ283から右方向に1画素分離れた画像データ295を中心とする検査ブロック,上記画像データ283から左斜め下方向に1画素分離れた画像データ296を中心とする検査ブロック,上記画像データ296から右方向に1画素分離れた画像データ297を中心とする検査ブロック,上記画像データ297から1画素分離れた画像データ298を中心とする検査ブロックの各画像データが順に読み出されるように1画素ステップアドレス移動回路256Bを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0043】
この前フレームメモリ252から読み出された各検査ブロックの画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0044】
すなわち、この第3ステップでは、上記図13(b)に示す各画像データ291〜298及び画像データ283をそれぞれ中心として1画素毎に検査ブロックを移動することにより、同図(b)中太線で示す第3の移動範囲SV3でブロックマッチング処理が行われることとなる。
【0045】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロックの画像データと、上記各検査ブロックの画像データとを比較してその差分を検出し、この差分データを絶対値和検出回路258に供給する。上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のブロックどおしの比較により検出される差分データを全て加算して絶対値和データを形成する。これにより、上記検査ブロックの移動を行った分である計9個の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0046】
上記判断回路259は、上記絶対値和検出回路258から供給される上記9つの絶対値和データを、その絶対値和データが形成された上記第3の移動範囲SV3の検査位置に対応するアドレスに一旦記憶する。そして、上記メモリの全てのアドレスに上記絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から値が最小のものを検出し、この値が最小の絶対値和データを上記コントローラ255に供給する。
【0047】
上記コントローラ255は、上記値が最小の絶対値和データが形成された検査ブロックを検出し、この検査ブロックの中心に位置する画像データを検出する。具体的には、例えば上記値が最小の絶対値和データが形成された検査ブロックの中心に位置する画像データが図13(b)に斜線で示す画像データ296であったとすると、上記コントローラ255は、上記画像データ296の前フレームメモリ252上のアドレスを検出する。そして、この検査ブロックの中心の画像データの前フレームメモリ252上のアドレスと、上記現在フレームメモリ251上の基準ブロックの中心の画像データのアドレスとの差分を検出することにより、上記値が最小の絶対値和データが形成された検査ブロックに対する上記基準ブロックの動き分(動きベクトル)を検出し、この動きベクトルを出力端子260を介して上記図7に示した動き補償回路204に供給する。
【0048】
これにより、上記図7に示した画像データの符号化装置において、上述のように画像データの圧縮符号化処理を行うことができる。
【0049】
次に、2ステップサーチが適用される動きベクトル検出回路は、構成的には上記図11に示した回路と同じであるが、この場合、上記コントローラ255は、第1ステップで2画素毎に検査ブロックを移動させるように上記i画素ステップアドレス移動回路256を制御し、第2ステップで1画素毎に検査ブロックを移動させるように上記1画素ステップアドレス移動回路を制御するようになっている。
【0050】
すなわち、上記図11において、上記現フレームメモリ251に現在フレームの画像データが記憶され、前フレームメモリ252に前フレームの画像データが記憶されると、上記コントローラ255は、例えば上記現フレームメモリ251に設定された基準ブロックの画像データが読み出されるように上記現フレームメモリ251を読み出し制御する。この基準ブロックの画像データは、差分検出回路257に供給される。
【0051】
また、上記コントローラ255は、これとともに、まず、第1ステップとして図14(a)に示すように上記前フレームメモリ252に記憶された画像データのうち、例えば上記現フレームメモリ251から読み出した基準ブロックの中心のアドレスに対応するアドレスの画像データを原点の画像データ300とし、同図(a)中太線で示すように上記原点の画像データ300を中心とする第1の移動範囲SV1内を2画素毎に検査ブロックが移動するように上記i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。この各検査ブロックの画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0052】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロックの画像データと、上記各検査ブロックの画像データとを比較してその差分を検出し、この差分データを絶対値和検出回路258に供給する。上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のブロック同士の比較により検出される差分データを全て加算して絶対値和データを形成する。例えば、図14(a)の○点及び●点に示すように49回に亘って、上記検査ブロックの移動が行われたとすると、計49個の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0053】
上記判断回路259は、例えば上記第1の移動範囲SV1内を上記検査ブロックを2画素ずつ移動してブロックマッチングを行う1回のブロックマッチング処理により形成される全ての絶対値和データを記憶できるメモリを有している。上記判断回路259は、上記絶対値和検出回路258から供給される絶対値和データを、その絶対値和データが形成された上記第1の移動範囲SV1の検査位置に対応するアドレスに一旦記憶する。そして、上記メモリの全てのアドレスに上記絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から値が最小のものを検出し、この値が最小の絶対値和データを上記コントローラ255に供給する。
【0054】
上記絶対値和データの値が最小であるということは、前フレームにおける検査ブロックと現在フレームにおける基準ブロックとの相関性が高いことを示している。このため、上記コントローラ255は、上記絶対値和データに基づいて、その絶対値和データが検出された検査ブロックの中心に位置する、上記前フレームメモリ252上のアドレスの画像データを検出する。そして、第2のステップとして、上記画像データを中心として移動範囲を狭めてブロックマッチング処理を行う。
【0055】
すなわち、上記値が最小の絶対値和データが検出された検査ブロックの中心の画像データが図14(a)に斜線で示す画像データ301であったとすると、上記コントローラ255は、第2ステップとして同図(b)中太線で示すように、上記画像データ301を中心とする第2の移動範囲SV2内を1画素毎に検査ブロックが移動するように上記1画素ステップアドレス移動回路256Bを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。この各検査ブロックの画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0056】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロックの画像データと、上記各検査ブロックの画像データとを比較してその差分を検出し、この差分データを絶対値和検出回路258に供給する。上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のブロックどおしの比較により検出される差分データを全て加算して絶対値和データを形成する。これにより、図14(b)に示すように上記検査ブロックの移動を行った分の計9個の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0057】
上記判断回路259は、上記絶対値和検出回路258から供給される上記9つの絶対値和データを、その絶対値和データが形成された上記第2の移動範囲SV2の検査位置に対応するアドレスに一旦記憶する。そして、上記メモリの全てのアドレスに上記絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から値が最小のものを検出し、この値が最小の絶対値和データを上記コントローラ255に供給する。
【0058】
上記コントローラ255は、上記値が最小の絶対値和データが形成された検査ブロックが上記基準ブロックと一致しているとし、その絶対値和データが形成された検査ブロックの例えば中心の画像データのアドレスを検出する。そして、この検査ブロックの中心の画像データのアドレスと、上記基準ブロックの中心の画像データのアドレスとの差分を検出することにより、上記値が最小の絶対値和データが形成された検査ブロックに対する上記基準ブロックの動き分(動きベクトル)を検出し、この動きベクトルを出力端子260を介して上記図7に示した動き補償回路204に供給する。
【0059】
このように、マルチステップサーチでは、第1ステップ〜第3ステップの計3段階に分けて、或いは、第1ステップ及び第2ステップの計2段階に分けて動きベクトルの検出を行うようにしているため、最初は粗く徐々に細かく動きベクトルの検出を行うことができ、上述のフルサーチよりも演算量を削減することができ、画像データの高速処理化を図ることができる。
【0060】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の3ステップサーチ及び2ステップサーチ等のマルチステップサーチにおいて、各ステップで選択される絶対値和データは、最小値の絶対値和データ1点のみであるが、この最小値の絶対値和データは、最終的に正確な動きベクトルを検出できるものであるとは限らない。
【0061】
各ステップでの、上記検査ブロックを移動させる画素間隔と、正確な動きベクトルを検出することができる確率(正解率)とは比例関係にあり、上記検査ブロックを移動させる画素間隔を狭めれば上記正解率は向上するが、該検査ブロックを移動させる画素間隔を狭めると、マッチングの回数を増やすこととなるため、計算量が増大して動きベクトルの検出速度が遅くなってしまう問題が生ずる。
【0062】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、多段階に亘ってマッチング処理を行うことにより動きベクトルの検出を行うマルチステップサーチにおいて、計算量の増大及び検出速度の遅延化を極力抑制して動きベクトルの検出精度の向上を図ることができるような動きベクトル検出方法、及び、この動きベクトル検出方法で形成された正確な動きベクトルを用いることにより、画像データに応じた正確な圧縮符号化及び符号化効率の向上を図ることができるような画像データの符号化方法の提供を目的とする。
【0063】
【課題を解決するための手段】
本発明は、時間的に前後する現在画像或いは前画像に所定画素からなる基準ブロックを設定し、上記基準ブロックと同じ画素数からなる検査ブロックを、上記基準ブロックが設定された画像以外の画像の所定の移動範囲内で移動し、該検査ブロックを移動する毎に、検査ブロックと基準ブロックとの相関を示す評価関数値を検出し、上記検査ブロックの移動に対応して得られた各評価関数値の中から値が最小の評価関数値を検出し、この値が最小の評価関数値が形成された移動範囲内の所定位置の画素に基づいて上記検査ブロックの次の移動範囲を所定分狭め、再度、上記値が最小の評価関数値を検出する動作を、上記検査ブロックの最小限度の移動範囲となるまで繰り返し行い、この最小限度の移動範囲で検出された、値が最小の評価関数値に基づいて動きベクトルを検出する動きベクトル検出方法において、上記検査ブロックを、最小限度の移動範囲以外の移動範囲で移動した際に得られた評価関数値のうち、値が最小の評価関数値から順に値が小さい評価関数値を複数検出し、この複数検出された評価関数値どうしの差分と閾値とを比較し、上記複数の評価関数値どうしの差分が閾値よりも小さかった場合には、上記複数検出された評価関数値が形成された各移動範囲内の所定位置の画素に基づいて、上記検査ブロックの次の移動範囲を所定分狭めてそれぞれ設定し、上記複数の評価関数値どうしの差分が閾値よりも大きかった場合には、最小値の評価関数値が形成された移動範囲内の所定位置の画素に基づいて、上記検査ブロックの次の移動範囲を、上記最小限度の移動範囲、或いは、上記所定分以上狭めて設定し、この狭めて設定された各移動範囲で上記検査ブロックの移動をそれぞれ行って評価関数値を検出する動作を、上記検査ブロックの最小限度の移動範囲となるまで繰り返し行い、上記最小限度の移動範囲で検査ブロックを移動した際に得られた、値が最小の評価関数値に基づいて動きベクトルを検出することを特徴とする。
【0064】
また、本発明に係る動きベクトル検出方法は、上記最小限度の移動範囲以外の移動範囲で検査ブロックを移動することにより得られた評価関数値のうち、値が最小の評価関数値及び2番目に値が小さな評価関数値を検出し、上記値が最小の評価関数値及び2番目に値が小さな評価関数値が検出された各移動範囲内の所定位置の各画素に基づいて、上記検査ブロックの次の移動範囲を所定分狭めてそれぞれ設定することを特徴として上述の課題を解決する。
【0065】
また、本発明に係る動きベクトル検出方法は、複数回設定される上記検査ブロックの移動範囲のうち、所定の移動範囲で上記複数の評価関数値の検出を行うことを特徴として上述の課題を解決する。
【0067】
さらに、本発明は、時間的に前後する現在画像或いは前画像に所定画素からなる基準ブロックを設定し、上記基準ブロックと同じ画素数からなる検査ブロックを、上記基準ブロックが設定された画像以外の画像の所定の移動範囲内で移動し、該検査ブロックを移動する毎に、検査ブロックと基準ブロックとの相関を示す評価関数値を検出し、上記検査ブロックの移動に対応して得られた各評価関数値の中から値が最小の評価関数値を検出し、この値が最小の評価関数値が形成された移動範囲内の所定位置の画素に基づいて上記検査ブロックの次の移動範囲を所定分狭め、再度、上記値が最小の評価関数値を検出する動作を、上記検査ブロックの最小限度の移動範囲となるまで繰り返し行い、この最小限度の移動範囲で検出された、値が最小の評価関数値に基づいて動きベクトルを検出し、この動きベクトルに応じて前画像の動き補償を行い、上記現在画像と動き補償を行った前画像との差分を直交変換処理し量子化することにより、圧縮符号化した画像データを形成する画像データの符号化方法であって、上記動きベクトルを検出する際に、上記検査ブロックを、最小限度の移動範囲以外の移動範囲で移動した際に得られた評価関数値のうち、値が最小の評価関数値から順に値が小さい評価関数値を複数検出し、この複数検出された評価関数値どうしの差分と閾値とを比較し、上記複数の評価関数値どうしの差分が閾値よりも小さかった場合には、上記複数検出された評価関数値が形成された各移動範囲内の所定位置の画素に基づいて、上記検査ブロックの次の移動範囲を所定分狭めてそれぞれ設定し、上記複数の評価関数値どうしの差分が閾値よりも大きかった場合には、最小値の評価関数値が形成された移動範囲内の所定位置の画素に基づいて、上記検査ブロックの次の移動範囲を、上記最小限度の移動範囲、或いは、上記所定分以上狭めて設定し、この狭めて設定された各移動範囲で上記検査ブロックの移動をそれぞれ行って評価関数値を検出する動作を、上記検査ブロックの最小限度の移動範囲となるまで繰り返し行い、上記最小限度の移動範囲で検査ブロックを移動した際に得られた、値が最小の評価関数値に基づいて動きベクトルを検出することを特徴とする。
【0068】
【作用】
本発明に係る動きベクトル検出方法は、まず、時間的に前後する現在画像或いは前画像に所定画素からなる基準ブロックを設定し、上記基準ブロックと同じ画素数からなる検査ブロックを、上記基準ブロックが設定された画像以外の画像に設定する。
【0069】
具体的には、例えば上記現在画像として現在フレームの画像を、また、前画像として前フレームの画像を用い、上記現在フレームの画像に複数の上記基準ブロックを設定し、上記前フレームの画像の所定位置に上記検査ブロックを設定する。当該検出方法は、以下に説明するように、前フレームの所定の移動範囲内において上記検査ブロックを移動し、この検査ブロックの移動を行う毎に、該検査ブロックの画像と上記基準ブロックの画像とを比較して、該基準ブロックの画像に一致する画像の検査ブロックを検出する(マッチング処理)。そして、この検査ブロックに対して上記基準ブロックがどれだけ移動しているかを検出することにより、動きベクトルの検出を行うものである。
【0070】
すなわち、上記基準ブロック及び検査ブロックが設定されると、上記検査ブロックを大きな移動範囲内で移動し、この検査ブロックの移動を行う毎に該検査ブロックと基準ブロックとの相関を示す評価関数値を検出する。上記評価関数値としては、例えば該検査ブロックの各画素と上記基準ブロックの各画素との差分の絶対値和や、該絶対値和の二乗等がある。
【0071】
当該検出方法において、上記評価関数値として例えば上記絶対値和を用いるとすると、まず、上記検査ブロックの移動を行う毎に、検査ブロックの各画素と基準ブロックの各画素の差分の絶対値和を検出する。これにより、上記検査ブロックの移動回数分の絶対値和が検出されることとなる。
【0072】
次に、上記各絶対値和のうち、値が最小の絶対値和から順に複数の絶対値和を検出する。これは、例えば、値が最小の絶対値和,2番目に値が小さい絶対値和の2つを検出するようにしてもよいし、値が最小の絶対値和,2番目に値が小さい絶対値和,3番目に値が小さい絶対値和の3つを検出するようにしてもよく、その選択は自由である。
【0073】
次に、例えば上記値が最小の絶対値和及び2番目に値が小さい絶対値和の2つが選択されたとすると、上記値が最小の絶対値和が検出された検査ブロックの例えば中央に位置する画素を中心として上記最初の移動範囲以下の移動範囲の第1の移動範囲を設定するとともに、上記2番目に値が小さい絶対値和が検出された検査ブロックの例えば中央に位置する画素を中心として、上記第1の移動範囲と同範囲の第2の移動範囲を設定する。
【0074】
次に、上記第1の移動範囲内において上記検査ブロックを移動させ上記絶対値和の検出を行うとともに、上記第2の移動範囲内において上記検査ブロックを移動させ上記絶対値和の検出を行い、上記第1の移動範囲内で上記検査ブロックを移動させることにより検出された各絶対値和、及び、上記第2の移動範囲内で上記検査ブロックを移動させることにより検出された各絶対値和の中から、値が最小の絶対値和及び2番目に値が小さい絶対値和を検出する。
【0075】
上記絶対値和の値が小さいということは、その絶対値和が検出された位置の検査ブロックの画像と、上記基準ブロックとの画像との相関性が高いことを示している。このため、当該検出方法では、値が小さいものから順に複数の絶対値和を検出し、この各絶対値和に基づいて次の移動範囲を決定するようにしている。
【0076】
当該検出方法は、このように設定された移動範囲内で検査ブロックを移動させることにより検出された複数の絶対値和の中から、値が小さい順に複数の絶対値和を検出し、この複数の絶対値和に基づいて検査ブロックの移動範囲を徐々に狭めながら該絶対値和の検出を行う動作を、上記検査ブロックの最小限度の移動範囲となるまで繰り返し行う。
【0077】
そして、上記最小限度の移動範囲で検出された、複数の絶対値和のうち、値が最小の絶対値和に基づいて動きベクトルの検出を行う。
【0078】
設定された移動範囲内で上記検査ブロックを移動させることにより検出された複数の絶対値和のうち、値が最小の絶対値和のみに基づいて、上記検査ブロックの次の移動範囲を設定すると、上記値が最小の絶対値和が、最終的に正確な動きベクトルを検出できるものとは限らないため、該動きベクトルの誤検出を生ずる虞れがある。
【0079】
しかし、上記検査ブロックを、設定された移動範囲内で移動させることで検出された絶対値和のうち、値が小さいものから順に複数の絶対値和を検出し、この各絶対値和に基づいて次の移動範囲を設定することにより、上記検出した複数の絶対値和の数分だけ動きベクトルの検出範囲を広げることができる。従って、最終的に正確な動きベクトルを検出できる確率(動きベクトルの検出精度)を向上させることができる。
【0080】
このようなことから、検査ブロックの移動により得られた絶対値和の中から選択する絶対値和の数を多くすればするほど動きベクトルの検出精度を向上させることができるが、該選択する絶対値和の数を多くするとこれに伴い計算量が増大する。このため、上記各絶対値和の中からいくつ絶対値和を選択するかは、得たい精度に応じて設定することとなる。
【0081】
ここで、上記検査ブロックの移動範囲を設定する毎に上記複数の絶対値和の検出を行うようにすると検出精度は向上するが計算量が増大する。このため、本発明に係る動きベクトル検出方法では、上記複数回設定される検査ブロックの移動範囲のうち、所定の移動範囲でのみ、上記複数の絶対値和を検出するようにした。
【0082】
すなわち、動きベクトルの検出精度は、第1回目に設定された移動範囲で正確な動きベクトルを検出することができる絶対値和を誤検出してしまうと、最終的に不正確な動きベクトルが検出されてしまう等のように、第1回目に設定された移動範囲で検出される絶対値和に依存する。
【0083】
このため、例えば第1回目に設定された移動範囲でのみ、上記絶対値和の選択数を増やすようにする。これにより、上記第1回目に設定された移動範囲で、上記正確な動きベクトルを検出することができる絶対値和を選択することができる。従って、計算量の増大を極力抑えて正確な動きベクトルを検出することができる。
【0084】
なお、第1回目に設定された移動範囲でのみ上記絶対値和の選択数を増やす以外に、第2回目に設定された移動範囲でのみ絶対値和の選択数を増やしたり、第3回目に設定された移動範囲でのみ絶対値和の選択数を増やす等のように、1回の移動範囲でのみ絶対値和の選択数を増やしてもよいし、或いは、第1回目及び第3回目に設定された移動範囲で上記絶対値和の選択数を増やす等のように、複数の移動範囲を選択して上記絶対値和の選択数を増やすようにしてもよい。
【0085】
この場合、複数の絶対値和を選択する移動範囲を省略した分だけ計算量の増大を抑制することができる。
【0086】
次に、本発明に係る動きベクトル検出方法は、上記最小限度の移動範囲以外の移動範囲で検査ブロックを移動することにより得られた複数の絶対値和の差分を検出し、この複数の絶対値和どうしの差分と閾値とを比較する。
【0087】
上記閾値は、例えば絶対値和が、正確な動きベクトルを検出できる値に設定されており、この閾値と上記複数の絶対値和の差分とを比較することにより、該複数の絶対値和により正確な動きベクトルを検出できるか否かを検出することができる。
【0088】
上記複数の絶対値和の差分が閾値よりも小さかった場合には、上述のように上記複数検出された絶対値和が形成された各移動範囲内の所定位置の画素に基づいて、上記検査ブロックの次の移動範囲を所定分狭めてそれぞれ設定して動きベクトルの検出を行う。これにより、検査ブロックの移動範囲を設定する毎に値の小さな複数の絶対値和を検出し、該複数の絶対値和に基づいて動きベクトルの検出を行うことができるため、上述の動きベクトル検出方法と計算量としては変わらないが、動きベクトルの検出精度を向上させることができる。
【0089】
一方、上記複数の絶対値和の差分が閾値よりも大きかった場合には、各絶対値和の差が大きく、この絶対値和のうち最小の値を有する絶対値和が正確な動きベクトルを検出することができる絶対値和であることを示している。
【0090】
このため、当該検出方法では、上記複数の絶対値和の差分が閾値よりも大きかった場合には、該複数の絶対値和のうち、値が最小の絶対値和が形成された移動範囲内の所定位置の画素に基づいて、上記検査ブロックの次の移動範囲を、上記最小限度の移動範囲、或いは、上記所定分以上狭めてそれぞれ設定して動きベクトルの検出を行う。
【0091】
具体的には、例えば第1回目に設定された移動範囲で検査ブロックの移動を行うことにより検出された各絶対値和の差分が上記閾値よりも大きかった場合には、次に検査ブロックを移動する範囲を上記各絶対値和に基づいて最小限度の移動範囲まで狭めて動きベクトルの検出を行う。或いは、次の移動範囲以下の移動範囲となるように、上記各絶対値和に基づいて移動範囲を狭めて動きベクトルの検出を行う。
【0092】
これにより、第1回目に設定された移動範囲から上記最小限度の移動範囲までの中間の移動範囲まで、或いは、次の移動範囲以下の移動範囲に狭めた分の演算を省略することができ、検出精度を維持しながら動きベクトルの検出に必要な計算量の増大を極力抑制することができる。
【0093】
次に、本発明に係る画像データの符号化方法は、動きベクトルに応じて画像データの圧縮符号化を行う画像データの符号化方法であって、上記動きベクトルの検出に、上述のように、設定された移動範囲内で検査ブロックを移動させることにより検出された複数の絶対値和の中から、値が小さい順に複数の絶対値和を検出し、この複数の絶対値和に基づいて検査ブロックの移動範囲を徐々に狭めながら該絶対値和の検出を行う動作を、上記検査ブロックの最小限度の移動範囲となるまで繰り返し行い、上記最小限度の移動範囲で検出された、複数の絶対値和のうち、値が最小の絶対値和に基づいて動きベクトルの検出を行う方法を用いる。
【0094】
これにより、画像データの圧縮符号化に正確な動きベクトルを用いることができるため、画像の動きに応じて正確に画像データを圧縮符号化することができるうえ、圧縮する画像データのデータ数を削減することができ、圧縮符号化効率の向上を図ることができる。
【0095】
なお、上記現在画像として現在フレームの画像を、また、前画像として前フレームの画像を用いることとしたが、これは、上記現在画像として現在フレームの画像を、また、前画像として2フレーム前の画像,3フレーム前の画像・・・を用いるようにしてもよい。同じく、上記現在画像として現在フィールドの画像を、また、前画像として前フィールドの画像、或いは、2フィールド前の画像,3フィールド前の画像・・・を用いるようにしてもよい。
【0096】
また、上記基準ブロックを現在画像内に設定し、上記検査ブロックを前画像内に設定することとしたが、これは、逆に、前画像内に基準ブロックを設定し、現在画像内に検査ブロックを設定して、該現在画像内において検査ブロックを移動させて動きベクトルの検出を行うようにしてもよい。
【0097】
【実施例】
以下、本発明に係る動きベクトル検出方法及び画像データの符号化方法の好ましい実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。本発明に係る動きベクトル検出方法は、現在画像中に所定画素数からなる基準ブロックを複数設定し、該基準ブロックと同画素の検査ブロックを、最初のステップでは大きく移動させて基準ブロックと検査ブロックとの相関性を検出し(マッチング処理)、続くステップでは検出された相関性に応じて移動範囲の位置を設定するとともに、該移動範囲を徐々に狭めながら相関性を検出し、最終的なステップで検出された検査ブロックの位置に対する上記基準ブロックの位置に基づいて動きベクトルの検出を行うマルチステップサーチ法である。
【0098】
上記マルチステップサーチとしては、上記検査ブロックの移動範囲を2段階に分けて徐々に狭めていく2ステップサーチ、及び、上記検査ブロックの移動範囲を3段階に分けて徐々に狭めていく3ステップサーチ等がある。
【0099】
本発明の第1の実施例に係る動きベクトル検出方法は、上記2ステップサーチに適用したものであり、図1(a)に示すように第1ステップとして、前フレームの中心に位置する画素(図中●=原点)1を中心とする第1の移動範囲SV1を設定し、この第1の移動範囲SV1内において上記マッチング処理を行って相関性の高い順に3つの検査ブロックを検出する。そして、同図(b)に示すように、第2ステップにおいて、上記相関性の高い順に選択された3つの検査ブロックに基づいて、移動範囲の狭められた第1〜第3の3つの移動範囲SV21〜SV23を設定してそれぞれマッチング処理を行い、該第2ステップでの相関性の一番高い検査ブロックに基づいて動きベクトルの検出を行うものである。
【0100】
すなわち、当該第1の実施例に係る動きベクトル検出方法は、図7に示す画像データの符号化装置の動きベクトル検出回路202に適用することができる。
【0101】
上記図7に示す画像データの符号化装置は、入力端子201を介して現在フレームの画像データが供給される。この現在フレームの画像データは、動きベクトル検出回路202及び減算器203に供給される。
【0102】
上記動きベクトル検出回路202には、上記現在フレームの画像データの他、以下に説明するフレームメモリ205からの前フレームの画像データが供給されている。上記動きベクトル検出回路202は、上記現在フレームの画像データ及び前フレームの画像データに基づいて画像の動きを検出することにより動きベクトルを形成し、これを動き補償回路204に供給する。
【0103】
上記動き補償回路204には、フレームメモリ205から前フレームの画像データが供給されている。上記動き補償回路204は、上記動きベクトル検出回路202からの動きベクトルに基づいて、上記前フレームの画像データに動き補償処理を施し、これを上記減算器203及び加算器206に供給する。
【0104】
上記減算器203は、上記現在フレームの画像データと、上記動き補償処理の施された前フレームの画像データとを減算処理することにより、現在フレームの画像データと前フレームの画像データとの差分を示す差分データを形成し、これを直交変換回路(DCT:Discrete Cosine Transform 回路)207に供給する。
【0105】
上記DCT回路207は、上記差分データを所定画素数のブロック毎に周波数軸上に変換してDCTブロックを形成し、これを量子化回路208に供給する。上記量子化回路208は、上記DCTブロックのレベルに応じて量子化ステップ可変し、この量子化ステップにより上記DCTブロックに量子化処理を施すことにより圧縮画像データを形成し、これを出力端子209を介して例えばディスク記録装置等の外部機器に供給するとともに、逆量子化回路210に供給する。
【0106】
上記逆量子化回路210は、上記量子化回路208で選択された量子化ステップとは逆の量子化ステップで、上記圧縮画像データに逆量子化処理を施すことにより、量子化処理される前のDCTブロックを再生し、これを逆DCT回路211に供給する。上記逆DCT回路211は、上記再生されたDCTブロックに逆DCT処理を施すことにより、DCTブロック化される前の差分データを形成し、これを上記加算器206に供給する。
【0107】
上記加算器206には、上記動き補償回路204からの動き補償された前フレームの画像データが別に供給されている。上記加算器206は、上記動き補償された前フレームの画像データと、上記逆DCT回路211からの差分データとを加算処理することにより、現在フレームの画像データを再生し、これをフレームメモリ205に供給する。
【0108】
上記フレームメモリ205に供給された現在フレームの画像データは、1フレーム分の遅延が施され読み出される。これにより、上記現在フレームの画像データは、読み出しの段階で前フレームの画像データとされ、上記動き補償回路204及び動きベクトル検出回路202に供給される。
上述のように、上記動き補償回路204は、上記動きベクトル検出回路202からの動きベクトルに応じて上記前フレームの画像データに動き補償処理を施し、これを上記減算器203及び加算器206に供給する。以後、各回路において、上述の動作が繰り返される。
【0109】
このように、上記画像データの符号化装置は、動きベクトルに基づいて動きベクトル補償された前フレームの画像データと、現在フレームの画像データとの差分を符号化して出力する。これにより、画像データの高能率圧縮を行うことができる。
【0110】
ここで、上記動きベクトル検出回路202は、図11に示すような構成を有しており、上記図7に示す入力端子201からの現在フレームの画像データが入力端子253を介して現フレームメモリ251に供給されて記憶され、上記図7に示すフレームメモリ205からの前フレームの画像データが入力端子254を介して前フレームメモリ252に供給されて記憶される。
【0111】
コントローラ255は、図8に示すように上記現フレームメモリ251に記憶された現在フレームの画像221の中央部分の画像データ(N画素×Mライン)からなる基準ブロック223の画像データを読み出すように該現フレームメモリ251を読み出し制御する。この現フレームメモリ251から読み出された基準ブロック223は、差分検出回路257に供給される。
【0112】
また、上記コントローラ255は、これとともに、上記前フレームメモリ252に記憶された上記図8に示す前フレームの画像データ222のうち、第1ステップとして図1(a)に示すように上記基準ブロック223の中心画素に対応する図中●で示す該前フレームの画像データ222の中心画素(原点)1を検出するとともに、図中太線で示す上記原点1を中心とした略々正方形状の第1の移動範囲SV1を設定する。
【0113】
上記第1の移動範囲SV1は、図1(a)に示すように4つの角部に画素2〜画素5が位置するようになっている。また、1ラインおきに設定された計7ラインからなっており、上記1ラインには、1画素おきに設定された計7点の画素(検索点)を有している。すなわち、上記第1の移動範囲SV1は、計49点の検索点で構成されている。
【0114】
このような第1の移動範囲SV1が設定されると、上記コントローラ255は、例えば上記検索点2を中心に有する、上記図8に示す上記基準ブロック223と同画素の検査ブロック224を設定し、この検査ブロック224の画像データが読み出されるように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0115】
また、上記コントローラ255は、これに続いて、上記49点の各検索点を中心とする検査ブロック224を次々と設定し、該設定した検査ブロック224の画像データが読み出されるように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0116】
すなわち、上記コントローラ255は、上記第1の移動範囲SV1内において、2画素間隔で(1画素おきに)検査ブロック224を移動しながら該検査ブロック224の画像データの読み出しを行うように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
上記各検査ブロック224の画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0117】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロック223の画像データと、上記各検査ブロック224の画像データとを同位置の画素毎に比較してその差分を検出し、この各差分データを絶対値和検出回路258に供給する。
【0118】
上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のブロックどおしの比較(マッチング処理)により検出される差分データの絶対値を全て加算して絶対値和データを形成する。これにより、上記検査ブロック224の移動を行った分である計49個の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0119】
上記判断回路259は、例えば上記第1の移動範囲SV1内を上記検査ブロック224を2画素間隔で移動して得られた49個の絶対値和データを、その絶対値和データが検出された検査ブロック224の位置(検索点)に対応して記憶できるメモリを有している。上記コントローラ255は、上記絶対値和検出回路258から判断回路259に供給される絶対値和データを、その絶対値和データが形成された上記検査ブロック224の位置に対応して記憶されるように、上記メモリを書き込み制御する。
【0120】
上記コントローラ255は、上記判断回路259のメモリに上記49個の絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から最小値の絶対値和データ,2番目に値が小さい絶対値和データ、及び、3番目に値が小さい絶対値和データを検出する。
【0121】
上記値が最小の絶対値和データは、上記検査ブロック224と基準ブロック223との間の各画像の相関性が高いことを示しているが、必ずしも上記値が最小の絶対値和データが検出された検査ブロック224と基準ブロック223との各画像が一致しているとは限らない。また、この第1ステップにおいて正確な動きベクトルを検出できる絶対値和データを検出しなければ、後に続く第2ステップではこの第1ステップで検出された絶対値和データに基づいて動きベクトルの検出を行うため、該第2ステップにおいて誤った動きベクトルが検出される可能性が高くなる。このため、上記コントローラ255は、この第1ステップでの絶対値和データの検出を慎重化すべく、値が小さいものから順に3つの絶対値和データを検出する。
【0122】
上記コントローラ255は、上記3つの絶対値和データを検出すると、図1(a)に示すように上記最小値の絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心の検索点6(図中×で示す)、2番目に値が小さい絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心の検索点7(図中△で示す)、及び、3番目に値が小さい絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心の検索点8(図中◇で示す)を検出する。
【0123】
そして、図1(b)に示すように第2ステップとして、上記検索点6を中心とした略々正方形状の第1の移動範囲SV21,上記検索点7を中心とした略々正方形状の第2の移動範囲SV22、及び、上記検索点8を中心とした略々正方形状の第3の移動範囲SV23を設定する。
【0124】
上記各移動範囲SV21,SV22,SV23は、それぞれ4つの角部に検索点10〜13,検索点15〜18,検索点20〜23を有している。また、上記各移動範囲SV21,SV22,SV23は、それぞれ1ライン毎に設定された計3ラインからなっており、上記1ラインには、1画素毎に設定された計3点の画素(検索点)を有している。すなわち、上記各移動範囲SV21,SV22,SV23は、それぞれ計9点の検索点で構成されている。
【0125】
このような各移動範囲SV21,SV22,SV23が設定されると、上記コントローラ255は、該各移動範囲SV21,SV22,SV23に沿って検査ブロック224を移動し、該移動する毎にその検査ブロック224の画像データを読み出すように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0126】
なお、この第2ステップでは、上記各移動範囲SV21,SV22,SV23の中心となる各検索点6〜8に係る絶対値和データは、それぞれ上記第1ステップにおいて既に検出済であるため、上記コントローラ255は、上記各移動範囲SV21,SV22,SV23において、上記各検索点6〜8をぬかして検査ブロック224を移動するように、上記i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0127】
この検査ブロック224の移動により読み出された画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0128】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロック223の画像データと、上記各検査ブロック224の画像データとを比較してその差分を検出し、この差分データを絶対値和検出回路258に供給する。上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のブロックどおしの比較により検出される差分データを全て加算して絶対値和データを形成する。
【0129】
これにより、上記各移動範囲SV21,SV22,SV23に沿って検査ブロック224の移動を行った分である計27個(上記各検索点6〜8における3つの絶対値和データも含む。)の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0130】
上記判断回路259は、上記絶対値和検出回路258から供給される上記27個の絶対値和データを、その絶対値和データが形成された各移動範囲SV21,SV22,SV23に対応するメモリ上のアドレスに一旦記憶する。そして、上記全ての絶対値和データが上記メモリ上に記憶されると、この絶対値和データの中から最小値の絶対値和データを検出し、この最小値の絶対値和データを上記コントローラ255に供給する。
【0131】
上記絶対値和データの値が最小であるということは、上記検査ブロック224と基準ブロック223との間の各画像の相関性が高いことを示している。従って、上記基準ブロック223に対して、上記最小値の絶対値和データが検出された検査ブロック224がどれだけ離れているかを検出することにより、画像の動きベクトルを検出することができる。
【0132】
このため、上記コントローラ255は、上記最小値の絶対値和データに基づいて、その絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心に位置する、上記前フレームメモリ252上の検索点のアドレスを検出する。そして、この検索点のアドレスと、上記基準ブロック223の現フレームメモリ251上の中心画素のアドレスとの差分を検出することにより、上記最小値の絶対値和データが検出された検査ブロック224に対する上記基準ブロック223の動き分(動きベクトル)を検出し、この動きベクトルを出力端子260を介して上記図7に示す動き補償回路204に供給する。
【0133】
これにより、上記図7に示した画像データの符号化装置において、画像データの圧縮符号化処理を行うことができる。
【0134】
上述のように、この第1の実施例に係る動きベクトル検出方法では、2ステップサーチにおける第1ステップにおいて、値が小さいものから順に3つの絶対値和データを検出するようにしている。通常の2ステップサーチでは、上記検索点の数が第1ステップにおいて49点、第2ステップにおいて8点の計57点であるが、当該動きベクトル検出方法では、第1ステップにおいて49点、第2ステップにおいて24点の計73点であり、従来と比較して16点の検索点の増加となり、多少、計算量が増加するが、第1ステップにおいて正確な動きベクトルを検出できる絶対値和データの検出確率を高めることができる。従って、計算量の増加を極力抑制して動きベクトルの検出精度の向上を図ることができる。
【0135】
なお、この第1の実施例に係る動きベクトル検出方法の説明では、本発明に係る動きベクトル検出方法を2ステップサーチに適用することとしたが、これは、3ステップサーチ等にも適用することができる。また、第1ステップにおいて、値が小さいものから順に3つの絶対値和データを検出することとしたが、これは、値が小さいものから順に2つ選択するようにしてもよい。この場合、第1ステップにおいて検出される絶対値和データの数が1つ減るため、上記値が小さいものから順に3つの絶対値和データを検出するときよりも動きベクトルの検出精度は多少落ちる虞れがあるが、第2ステップにおける検索点の数を16点とすることができるため、従来の2ステップサーチと比較して8点の検索点の増加に止めることができ、従来と比較して動きベクトルの検出精度の向上を図ることができるうえ、計算量の相加を抑制することができる。
【0136】
ここで、上記絶対値和データの検出点数を値の小さいものから順に4点あるいは5点等のように多くすればするほど、上記動きベクトルの検出精度の向上を図ることができるが、該絶対値和データの検出点数の増加にともない計算量が増大する。また、上記検査ブロック224の移動範囲を設定する毎に上記複数の絶対値和データの検出を行うようにすると検出精度は向上するが計算量が増大する。このため、本発明の第2の実施例に係る動きベクトル検出方法では、複数回設定される検査ブロック224の移動範囲のうち、所定の移動範囲でのみ、上記複数の絶対値和を検出するようにした。
【0137】
すなわち、第1ステップにおける移動範囲で正確な動きベクトルを検出することができる絶対値和データを検出できないと、最終的に不正確な動きベクトルが検出されてしまう。このため、第1ステップにおいて、どれだけ確率よく、正確な動きベクトルを検出することができる絶対値和データを検出することができるかにより、上記動きベクトルの検出精度は左右される。
【0138】
このため、当該第2の実施例に係る動きベクトル検出方法では、例えば3ステップサーチにおける第1ステップにおいてのみ最初値の絶対値和データ及び2番目に値が小さい絶対値和データの計2点の絶対値和データを選択するようにした。
【0139】
この第2の実施例に係る動きベクトル検出方法は、上述の第1の実施例に係る動きベクトル検出方法と同様に、図11に示す動きベクトル検出回路202に適用することができる。
【0140】
すなわち、上記コントローラ255は、図2(a)に示すように3ステップサーチの第1ステップとなると、上記前フレームメモリ252に同図(a)中太線で示す略々正方形状の第1の移動範囲SV1を設定する。
【0141】
上記第1の移動範囲SV1は、図2(a)中●で示すように、上記基準ブロック223の中心画素に対応する該前フレームの画像データ222の中心画素(原点)1を中心として形成されており、その4つの角部に検索点31〜34を有している。各検索点の間は、それぞれ4画素間隔となっており、この第1の移動範囲全体で計9点の検索点を有している。
【0142】
このような第1の移動範囲SV1が設定されると、上記コントローラ255は、例えば上記検索点31を中心に有する、上記検査ブロック224を設定し、この検査ブロック224の画像データが読み出されるように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0143】
また、上記コントローラ255は、これに続いて、上記9点の各検索点を中心とする検査ブロック224を次々と設定し、該設定した検査ブロック224の画像データが読み出されるように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0144】
すなわち、上記コントローラ255は、上記第1の移動範囲SV1内において、4画素間隔で検査ブロック224を移動しながら該検査ブロック224の画像データの読み出しを行うように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
上記各検査ブロック224の画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0145】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロック223の画像データと、上記各検査ブロック224の画像データとを同位置の画素毎に比較してその差分を検出し、この各差分データを絶対値和検出回路258に供給する。
【0146】
上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のマッチング処理で検出された差分データの絶対値を全て加算して絶対値和データを形成する。これにより、上記検査ブロック224の移動を行った分である計9個の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0147】
上記判断回路259は、例えば上記第1の移動範囲SV1内を上記検査ブロック224を4画素間隔で移動して得られた9個の絶対値和データを、その絶対値和データが検出された検査ブロック224の位置(検索点)に対応してメモリ上に記憶する。
【0148】
上記コントローラ255は、上記判断回路259のメモリに上記9個の絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から最小値の絶対値和データ、及び、2番目に値が小さい絶対値和データを検出するとともに、上記最小値の絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心の検索点33(図中×で示す)、2番目に値が小さい絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心の検索点35(図中△で示す)を検出する。
【0149】
そして、図2(b)に示すように第2ステップとして、上記検索点33を中心とした略々正方形状の第1の移動範囲SV21、及び、上記検索点35を中心とした略々正方形状の第2の移動範囲SV22を設定する。
【0150】
上記各移動範囲SV21,SV22は、それぞれ4つの角部に検索点40〜43,検索点45〜48を有している。また、上記各移動範囲SV21,SV22は、1画素おきに設定された計3点の検索点を有するラインを、1ラインおきに計3ライン設定することにより形成されている。すなわち、上記各移動範囲SV21,SV22は、それぞれ計9点の検索点で構成されている。
【0151】
このような各移動範囲SV21,SV22が設定されると、上記コントローラ255は、該各移動範囲SV21,SV22に沿って検査ブロック224が移動し、該移動する毎にその検査ブロック224の画像データが読み出されるように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0152】
なお、この第2ステップでは、上記各移動範囲SV21,SV22の中心となる各検索点33,35に係る絶対値和データは、それぞれ上記第1ステップにおいて既に検出済であるため、上記コントローラ255は、上記各移動範囲SV21,SV22において、上記各検索点33,35をぬかして検査ブロック224を移動するように、上記i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0153】
この検査ブロック224の移動により読み出された画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0154】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロック223の画像データと、上記各検査ブロック224の画像データとを比較してその差分を検出し、この差分データを絶対値和検出回路258に供給する。上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のブロックどおしの比較により検出される差分データを全て加算して絶対値和データを形成する。
【0155】
これにより、上記各移動範囲SV21,SV22に沿って検査ブロック224の移動を行った分である計18個(上記各検索点33,35における2つの絶対値和データも含む。)の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0156】
上記判断回路259は、上記絶対値和検出回路258から供給される上記18個の絶対値和データを、その絶対値和データが形成された各移動範囲SV21,SV22に対応するアドレスに一旦記憶する。そして、上記メモリに全ての絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から最小値の絶対値和データを検出し、この最小値の絶対値和データを上記コントローラ255に供給するとともに、この最小値の絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心の検索点46(図中◇で示す)を検出する。
【0157】
次に、上記コントローラ255は、図2(c)に示すように第3ステップとして、上記検索点46を中心とした略々正方形状の移動範囲SV3を設定する。
【0158】
上記移動範囲SV3は、4つの角部に検索点50〜53を有しており、1画素毎に設定された計3点の検索点を有するラインを、順に計3ライン設定することにより形成されている。すなわち、上記移動範囲SV3は、計9点の検索点で構成されている。
【0159】
このような移動範囲SV3が設定されると、上記コントローラ255は、上記移動範囲SV3に沿って検査ブロック224を移動し、該移動する毎にその検査ブロック224の画像データを読み出すように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0160】
なお、この第3ステップでは、上記移動範囲SV3の中心となる検索点46に係る絶対値和データは、上記第2ステップにおいて既に検出済であるため、上記コントローラ255は、上記移動範囲SV3において、上記検索点46をぬかして検査ブロック224を移動するように、上記i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0161】
この検査ブロック224の移動により読み出された画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0162】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロック223の画像データと、上記検査ブロック224の画像データとを比較してその差分を検出し、この差分データを絶対値和検出回路258に供給する。上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のブロックどおしの比較により検出される差分データを全て加算して絶対値和データを形成する。
【0163】
これにより、上記移動範囲SV3に沿って検査ブロック224の移動を行った分である計9個(上記各検索点46における1つの絶対値和データも含む。)の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0164】
上記判断回路259は、上記絶対値和検出回路258から供給される上記9個の絶対値和データを、その絶対値和データが形成された移動範囲SV3に対応するメモリ上のアドレスに一旦記憶する。そして、上記メモリに全ての絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から最小値の絶対値和データを検出し、この最小値の絶対値和データを上記コントローラ255に供給する。
【0165】
上記コントローラ255は、上記第3ステップで検出された最小値の絶対値和データに基づいて、その絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心に位置する、上記前フレームメモリ252上の検索点のアドレスを検出する。そして、この検索点のアドレスと、上記基準ブロック223の現フレームメモリ251上の中心画素のアドレスとの差分を検出することにより、上記最小値の絶対値和データが検出された検査ブロック224に対する上記基準ブロック223の動き分(動きベクトル)を検出し、この動きベクトルを出力端子260を介して上記図7に示す動き補償回路204に供給する。
【0166】
これにより、上記図7に示した画像データの符号化装置において、画像データの圧縮符号化処理を行うことができる。
【0167】
この第2の実施例に係る動きベクトル検出方法では、3ステップサーチにおける第1ステップにおいてのみ複数の絶対値和データ、例えば最小値の絶対値和データ及び2番目に値の小さい絶対値和データを検出するようにしている。通常の3ステップサーチでは、上記検索点の数が第1ステップにおいて9点、第2ステップにおいて8点,第3ステップにおいて8点の計25点であるが、当該動きベクトル検出方法では、第1ステップにおいて9点、第2ステップにおいて16点、第3ステップにおいて8点の計33点であり、従来と比較して8点の検索点の増加となり、多少、計算量が増加するが、第1ステップにおいて正確な動きベクトルを検出できる絶対値和データの検出確率を高めることができる。
【0168】
上述のように、動きベクトルの検出精度は、第1ステップにおいて、どれだけ確率よく、正確な動きベクトルを検出することができる絶対値和データを検出することができるかで左右されるが、上記第1ステップにおける、正確な動きベクトルを検出できる絶対値和データの検出確率を高めることができるため、動きベクトルの検出精度の向上を図ることができる。しかも、上記複数の絶対値和データの検出を第1ステップでのみ適用しているため、計算量の増加を最低限に抑えることができる。
【0169】
なお、この第2の実施例に係る動きベクトル検出方法の説明では、本発明に係る動きベクトル検出方法を3ステップサーチに適用することとしたが、これは、2ステップサーチ等にも適用することができる。また、第1ステップにおいて、値が小さいものから順に2つの絶対値和データを検出することとしたが、これは、値が小さいものから順に3つ,4つ或いは5つ選択するようにしてもよい。この場合、第1ステップにおいて検出される絶対値和データの数が増えた分計算量が増加するが、その分、正確な動きベクトルを検出できる絶対値和データの検出確率を高めることができ、動きベクトルの検出精度をさらに向上させることができる。
【0170】
また、第1ステップのみ複数の絶対値和データを検出するようにしたが、これは、第2ステップのみ複数の絶対値和データを検出するようにしてもよい。
【0171】
次に、本発明の第3の実施例に係る動きベクトル検出方法の説明をする。上述の第2の実施例に係る動きベクトル検出方法では、所望のステップにおいてのみ複数の絶対値和データを検出することにより計算量の削減を図ったが、この第3の実施例に係る動きベクトル検出方法では、所望のステップにおいてのみ複数の絶対値和データを検出するとともに、この検出した絶対値和データの差分を閾値と比較し、この比較結果に応じて後のステップの移動範囲を決定することにより、さらなる計算量の削減を図った。
【0172】
すなわち、この第3実施例に係る動きベクトル検出方法は、図3に示すような動きベクトル検出回路に適用することができる。なお、この図3に示す動きベクトル検出回路は、3ステップサーチにより動きベクトルの検出を行うものとする。また、上記図3に示す動きベクトル検出回路において、上記図11に示した動きベクトル検出回路202と同じ動作を示す箇所には同符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0173】
上記図3において、上記コントローラ255は3ステップサーチの第1ステップとなると前フレームメモリ252に、図4中太線で示すような略々正方形状の第1の移動範囲SV1を設定する。
【0174】
上記第1の移動範囲SV1は、図4中●で示す中心画素(原点)1を中心として形成されており、その4つの角部に検索点71〜74を有している。この第1の移動範囲SV1全体では計9点の検索点を有しており、各検索点の間はそれぞれ4画素間隔となっている。
【0175】
このような第1の移動範囲SV1が設定されると、上記コントローラ255は、例えば上記検索点71を中心に有する検査ブロック224を設定し、この検査ブロック224の画像データが読み出されるように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0176】
また、上記コントローラ255は、これに続いて、上記9点の各検索点を中心とする検査ブロック224を次々と設定し、該設定した検査ブロック224の画像データが読み出されるように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0177】
すなわち、上記コントローラ255は、上記第1の移動範囲SV1内において、4画素間隔で検査ブロック224を移動しながら該検査ブロック224の画像データの読み出しを行うように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
上記各検査ブロック224の画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0178】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロック223の画像データと、上記各検査ブロック224の画像データとを同位置の画素毎に比較してその差分を検出し、この各差分データを絶対値和検出回路258に供給する。
【0179】
上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のマッチング処理で検出された差分データの絶対値を全て加算して絶対値和データを形成する。これにより、上記検査ブロック224の移動を行った分である計9個の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0180】
上記判断回路259は、例えば上記第1の移動範囲SV1に沿って、上記検査ブロック224を4画素間隔で移動して得られた9個の絶対値和データを、その絶対値和データが検出された検査ブロック224の位置(検索点)に対応してメモリ上に記憶する。
【0181】
上記コントローラ255は、上記判断回路259のメモリに上記9個の絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から最小値の絶対値和データ、及び、2番目に値が小さい絶対値和データを検出するとともに、該最小値の絶対値和データ、及び、2番目に値が小さい絶対値和データの差分を検出する。
【0182】
上記判断回路259には、閾値発生回路261からの、例えば正確な動きベクトルを検出できる上記最小値の絶対値和データ及び2番目に値が小さい絶対値和データの差分値の限界値が閾値データとして供給されている。上記判断回路259は、この閾値データと、上記最小値の絶対値和データ及び2番目に値が小さい絶対値和データの差分値とを比較し、この比較データを上記コントローラ255に供給する。
【0183】
上記閾値データは、上記正確な動きベクトルを検出できる差分値の限界値となっている。このため、上記最小値の絶対値和データと2番目に値が小さい絶対値和データとの差分と上記閾値データとを比較することにより、その絶対値和データにより正確な動きベクトルを検出できるか否かを検出することができる。
【0184】
このため、上記コントローラ255は、上記閾値データよりも上記差分値の方が小さかった場合、さらなる詳細な検出が必要あるとして、図5(a)に示すように第2ステップに移行する。
【0185】
上記コントローラ255は、上記第2ステップとなると、上記最小値の絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心の検索点73(図中×で示す)、2番目に値が小さい絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心の検索点75(図中△で示す)を検出する。
【0186】
そして、図5(a)に示すように第2ステップとして、上記検索点73を中心とした略々正方形状の第1の移動範囲SV21、及び、上記検索点75を中心とした略々正方形状の第2の移動範囲SV22を設定する。
【0187】
上記各移動範囲SV21,SV22は、それぞれ4つの角部に検索点77〜80,検索点81〜84を有している。また、上記各移動範囲SV21,SV22は、1画素おきに設定された計3点の検索点を有するラインを、1ラインおきに計3ライン設定することにより形成されている。すなわち、上記各移動範囲SV21,SV22は、それぞれ計9点の検索点で構成されている。
【0188】
このような各移動範囲SV21,SV22が設定されると、上記コントローラ255は、該各移動範囲SV21,SV22に沿って検査ブロック224が移動し、該移動する毎にその検査ブロック224の画像データが読み出されるように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0189】
なお、この第2ステップでは、上記各移動範囲SV21,SV22の中心となる各検索点33,35に係る絶対値和データは、それぞれ上記第1ステップにおいて既に検出済であるため、上記コントローラ255は、上記各移動範囲SV21,SV22において、上記各検索点33,35をぬかして検査ブロック224を移動するように、上記i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0190】
この検査ブロック224の移動により読み出された画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0191】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロック223の画像データと、上記各検査ブロック224の画像データとを比較してその差分を検出し、この差分データを絶対値和検出回路258に供給する。上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のブロックどおしの比較により検出される差分データを全て加算して絶対値和データを形成する。
【0192】
これにより、上記各移動範囲SV21,SV22に沿って検査ブロック224の移動を行った分である計18個(上記各検索点73,75における2つの絶対値和データも含む。)の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0193】
上記判断回路259は、上記絶対値和検出回路258から供給される上記18個の絶対値和データを、その絶対値和データが形成された各移動範囲SV21,SV22に対応するアドレスに一旦記憶する。そして、上記メモリに全ての絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から最小値の絶対値和データを検出し、この最小値の絶対値和データを上記コントローラ255に供給するとともに、この最小値の絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心の検索点82(図中◇で示す)を検出する。
【0194】
次に、上記コントローラ255は、図5(b)に示すように第3ステップとして、上記検索点82を中心とした略々正方形状の移動範囲SV3を設定する。
【0195】
上記移動範囲SV3は、4つの角部に検索点86〜89を有しており、1画素毎に設定された計3点の検索点を有するラインを、順に計3ライン設定することにより形成されている。すなわち、上記移動範囲SV3は、計9点の検索点で構成されている。
【0196】
このような移動範囲SV3が設定されると、上記コントローラ255は、上記移動範囲SV3に沿って検査ブロック224を移動し、該移動する毎にその検査ブロック224の画像データを読み出すように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0197】
なお、この第3ステップでは、上記移動範囲SV3の中心となる検索点82に係る絶対値和データは、上記第2ステップにおいて既に検出済であるため、上記コントローラ255は、上記移動範囲SV3において、上記検索点82をぬかして検査ブロック224を移動するように、上記i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0198】
この検査ブロック224の移動により読み出された画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0199】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロック223の画像データと、上記検査ブロック224の画像データとを比較してその差分を検出し、この差分データを絶対値和検出回路258に供給する。上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のブロックどおしの比較により検出される差分データを全て加算して絶対値和データを形成する。
【0200】
これにより、上記移動範囲SV3に沿って検査ブロック224の移動を行った分である計9個(上記各検索点82における1つの絶対値和データも含む。)の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0201】
上記判断回路259は、上記絶対値和検出回路258から供給される上記9個の絶対値和データを、その絶対値和データが形成された移動範囲SV3に対応するメモリ上のアドレスに一旦記憶する。そして、上記メモリに全ての絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から最小値の絶対値和データを検出し、この最小値の絶対値和データを上記コントローラ255に供給する。
【0202】
上記コントローラ255は、上記第3ステップで検出された最小値の絶対値和データに基づいて、その絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心に位置する、上記前フレームメモリ252上の検索点のアドレスを検出する。そして、この検索点のアドレスと、上記基準ブロック223の現フレームメモリ251上の中心画素のアドレスとの差分を検出することにより、上記最小値の絶対値和データが検出された検査ブロック224に対する上記基準ブロック223の動き分(動きベクトル)を検出し、この動きベクトルを出力端子260を介して上記図7に示す動き補償回路204に供給する。
【0203】
これにより、上記図7に示した画像データの符号化装置において、画像データの圧縮符号化処理を行うことができる。
【0204】
次に、上記閾値データよりも、上記最小値の絶対値和データと2番目に値の小さい絶対値和データとの差分値の方が大きかった場合、該差分値が大きいということは、上記最小値の絶対値和データを用いて正確な動きベクトルの検出が行えることを示している。このため、上記コントローラ255は、上記最小値の絶対値和データに基づいて動きベクトルを検出すべく、上述の第2ステップをぬかして第3ステップに移行する。
【0205】
すなわち、上記コントローラ255は、上記最小値の絶対値和データと2番目に値の小さい絶対値和データとの差分値の方が大きかった場合、上記最小値の絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心の検索点73(図中×で示す)を検出するとともに、図6に示すように上記検索点73を中心とした略々正方形状の第3ステップの移動範囲SV3を設定する。
【0206】
上記図6において、移動範囲SV3は、4つの角部に検索点90〜93を有しており、1画素毎に設定された計3点の検索点を有するラインを、順に計3ライン設定することにより形成されている。すなわち、上記移動範囲SV3は、計9点の検索点で構成されている。
【0207】
このような移動範囲SV3が設定されると、上記コントローラ255は、上記移動範囲SV3に沿って検査ブロック224を移動し、該移動する毎にその検査ブロック224の画像データを読み出すように、i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0208】
なお、この第3ステップでは、上記移動範囲SV3の中心となる検索点73に係る絶対値和データは、上記第1ステップにおいて既に検出済であるため、上記コントローラ255は、上記移動範囲SV3において、上記検索点73をぬかして検査ブロック224を移動するように、上記i画素ステップアドレス移動回路256Aを介して上記前フレームメモリ252を読み出し制御する。
【0209】
この検査ブロック224の移動により読み出された画像データは、それぞれ上記差分検出回路257に供給される。
【0210】
上記差分検出回路257は、上記基準ブロック223の画像データと、上記検査ブロック224の画像データとを比較してその差分を検出し、この差分データを絶対値和検出回路258に供給する。上記絶対値和検出回路258は、上記差分データの絶対値を検出し、1回のマッチング処理により検出される差分データを全て加算して絶対値和データを形成する。
【0211】
これにより、上記移動範囲SV3に沿って検査ブロック224の移動を行った分である計9個(上記各検索点73における1つの絶対値和データも含む。)の絶対値和データが形成されることとなる。この絶対値和データは、それぞれ判断回路259に供給される。
【0212】
上記判断回路259は、上記絶対値和検出回路258から供給される上記9個の絶対値和データを、その絶対値和データが形成された移動範囲SV3に対応するメモリ上のアドレスに一旦記憶する。そして、上記メモリに全ての絶対値和データが記憶されると、この絶対値和データの中から最小値の絶対値和データを検出し、この最小値の絶対値和データを上記コントローラ255に供給する。
【0213】
上記コントローラ255は、上記第3ステップで検出された最小値の絶対値和データに基づいて、その絶対値和データが検出された検査ブロック224の中心に位置する、上記前フレームメモリ252上の検索点のアドレスを検出する。そして、この検索点のアドレスと、上記基準ブロック223の現フレームメモリ251上の中心画素のアドレスとの差分を検出することにより、上記最小値の絶対値和データが検出された検査ブロック224に対する上記基準ブロック223の動き分(動きベクトル)を検出し、この動きベクトルを出力端子260を介して上記図7に示す動き補償回路204に供給する。
【0214】
これにより、上記図7に示した画像データの符号化装置において、画像データの圧縮符号化処理を行うことができる。
【0215】
この第3の実施例に係る動きベクトル検出方法では、第1ステップでのみ複数の絶対値和データを検出し、この各絶対値和データの差分値と閾値とを比較し、この比較結果に応じて次の移動範囲を制御することにより、上記差分値が閾値よりも小さかった場合はさらに詳細に動きベクトルの検出を行って動きベクトルの検出精度を維持することができ、また、上記差分値が閾値よりも大きかった場合には、途中のステップを省略して計算量を削減して動きベクトルの検出を行うことができる。すなわち、上記第2の実施例に係る動きベクトル検出方法で述べた動きベクトルの検出精度を維持したまま、計算量の削減を図ることができる。
【0216】
なお、上述の第3の実施例に係る動きベクトル検出方法の説明では、第1ステップにおいて、最小値の絶対値和データ及び2番目に値の小さい絶対値和データを検出することとしたが、これは、値の小さいものから順に3つ,4つ,5つ・・・の絶対値和データを検出するようにしてもよい。
【0217】
また、3ステップサーチの第1ステップで複数の絶対値和データを検出することとしたが、これは、4段階にわけて動きベクトルの検出を行う4ステップサーチの第2ステップにおいて複数の絶対値和データの差分を検出して上記閾値と比較し、この比較結果に応じて後のステップを移動範囲を設定するようにしてもよいし、5段階に分けて動きベクトルの検出を行う5ステップサーチの第2ステップ或いは第3ステップにおいて複数の絶対値和データの差分を検出して上記閾値と比較し、この比較結果に応じて後のステップを移動範囲を設定するようにしてもよい。
【0218】
また、上記各実施例に係る動きベクトル検出方法は、上述のように正確な動きベクトルを検出することができる。このため、上記図7に示したような画像データの符号化装置において、圧縮符号化する画像データを削減することができ、圧縮符号化効率の向上を図ることができる。
【0219】
最後に、上述の各実施例の説明では、上記現在画像として現在フレームの画像を、また、前画像として前フレームの画像を用いることとしたが、これは、上記現在画像として現在フレームの画像を、また、前画像として2フレーム前の画像,3フレーム前の画像・・・を用いるようにしてもよい。同じく、上記現在画像として現在フィールドの画像を、また、前画像として前フィールドの画像、或いは、2フィールド前の画像,3フィールド前の画像・・・を用いるようにしてもよい。
【0220】
また、上記基準ブロックを現在画像内に設定し、上記検査ブロックを前画像内に設定することとしたが、これは、逆に、前画像内に基準ブロックを設定し、現在画像内に検査ブロックを設定して、該現在画像内において検査ブロックを移動させて動きベクトルの検出を行うようにしてもよい。
【0221】
また、本発明に係る動きベクトル検出方法及び画像データの符号化方法を、直交変換回路として上記DCT回路207を用いた画像データの圧縮符号化装置に適用することとしたが、これは、いわゆるフーリエ変換,アダマール変換,K−L変換等の他の直交変換手段を用いるようにしてもよい。
【0222】
また、本発明に係る動きベクトル検出方法及び画像データの符号化方法を、2ステップサーチ及び3ステップサーチに適用した場合について説明したが、これは、検査ブロックの移動範囲を4段階に分けて徐々に狭めていく4ステップサーチや、該検査ブロックの移動範囲を5段階に分けて徐々に狭めていく5ステップサーチ等、多段階に分けて検査ブロックの移動範囲を狭めながら動きベクトルの検出を行う方法であれば何にでも適用可能である。
【0223】
また、上述の各実施例の説明では、検査ブロックと基準ブロックとの相関を示す評価関数値として上記絶対値和を用いることとしたが、これは、例えば上記差分の二乗和等、検査ブロックと基準ブロックとの相関を示す情報であれば何でもよく、その他、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば種々の変更が可能であることは勿論である。
【0224】
【発明の効果】
本発明に係る動きベクトル検出方法は、多段階に亘ってマッチング処理を行うことにより動きベクトルの検出を行うマルチステップサーチにおける、計算量の増大及び検出速度の遅延化を極力抑制して動きベクトルの検出精度の向上を図ることができる。
【0225】
また、本発明に係る画像データの符号化方法は、動きベクトル検出手段における計算量の増大及び検出速度の遅延化を極力抑制して正確な動きベクトルを検出することができるため、画像データに応じた正確な圧縮符号化を行うことができる。また、圧縮符号化する画像データを削減して圧縮符号化効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る動きベクトル検出方法を説明するための図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る動きベクトル検出方法を説明するための図である。
【図3】本発明の第3の実施例に係る動きベクトル検出方法を適用した動きベクトル検出装置のブロック図である。
【図4】上記第3の実施例に係る動きベクトル検出方法を適用した動きベクトル検出装置の第1ステップでの動作を説明するための図である。
【図5】上記第3の実施例に係る動きベクトル検出方法を適用した動きベクトル検出装置における、上記第1ステップで検出された絶対値和の差分が閾値以上の場合の動作を説明するための図である。
【図6】上記第3の実施例に係る動きベクトル検出方法を適用した動きベクトル検出装置における、上記第1ステップで検出された絶対値和の差分が閾値以下の場合の動作を説明するための図である。
【図7】画像の動きベクトルを検出して画像データの圧縮符号化処理を行う画像データの圧縮符号化装置のブロック図である。
【図8】上記画像データの圧縮符号化装置に設けられている動きベクトル検出回路で行われるブロックマッチング処理を説明するための図である。
【図9】フルサーチにより動きベクトル検出を行う動きベクトル検出回路のブロック図である。
【図10】上記フルサーチによる動きベクトルの検出の仕方を説明するための図である。
【図11】2ステップサーチ或いは3ステップサーチにより動きベクトルの検出を行う動きベクトル検出回路のブロック図である。
【図12】従来の3ステップサーチの第1ステップによる動きベクトルの検出の仕方を説明するための図である。
【図13】従来の3ステップサーチの第2,第3ステップによる動きベクトルの検出の仕方を説明するための図である。
【図14】従来の2ステップサーチによる動きベクトルの検出の仕方を説明するための図である。
【符号の説明】
SV1・・・・・第1ステップの検査ブロックの移動範囲
1・・・・・・・第1ステップの移動範囲の中心に位置する画素(原点)
2〜5・・・・・第1ステップの移動範囲の角部に位置する画素
6・・・・・・・第1ステップの絶対値和の最小値に係る画素
7・・・・・・・第1ステップの2番目に値の小さい絶対値和に係る画素
8・・・・・・・第1ステップの3番目に値の小さい絶対値和に係る画素
SV21・・・・最小値の絶対値和による第2ステップでの第1の移動範囲
10〜13・・・第1の移動範囲の角部に位置する画素
SV22・・・・2番目に値の小さい絶対値和による第2ステップでの第2の移動範囲
15〜18・・・第2の移動範囲の角部に位置する画素
SV23・・・・3番目に値の小さい絶対値和による第2ステップでの第3の移動範囲
20〜23・・・第3の移動範囲の角部に位置する画素
SV1・・・・・第1ステップの検査ブロックの移動範囲
30・・・・・・第1ステップの移動範囲の中心に位置する画素(原点)
31〜34・・・第1ステップの移動範囲の角部に位置する画素
33・・・・・・第1ステップの絶対値和の最小値に係る画素
35・・・・・・第1ステップの2番目に値の小さい絶対値和に係る画素
SV21・・・・最小値の絶対値和による第2ステップでの第1の移動範囲
40〜43・・・第1の移動範囲の角部に位置する画素
SV22・・・・2番目に値の小さい絶対値和による第2ステップでの第2の移動範囲
45〜48・・・第2の移動範囲の角部に位置する画素
46・・・・・・第2ステップの絶対値和の最小値に係る画素
49・・・・・・第2ステップの2番目に値の小さい絶対値和に係る画素
SV3・・・・・絶対値和の最初値による第3ステップでの第3の移動範囲
50〜53・・・第3の移動範囲の角部に位置する画素
251・・・・・現フレームメモリ
252・・・・・前フレームメモリ
253・・・・・現フレームの画像データの入力端子
254・・・・・前フレームの画像データの入力端子
255・・・・・コントローラ
256A・・・・i画素ステップアドレス移動回路
256B・・・・1画素ステップアドレス移動回路
257・・・・・差分検出回路
258・・・・・絶対値和検出回路
259・・・・・判断回路
260・・・・・動きベクトルの出力端子
261・・・・・閾値発生回路
SV1・・・・・第1ステップの検査ブロックの移動範囲
70・・・・・・第1ステップの移動範囲の中心に位置する画素(原点)
71〜74・・・第1ステップの移動範囲の角部に位置する画素
73・・・・・・第1ステップの絶対値和の最小値に係る画素
75・・・・・・第1ステップの2番目に値の小さい絶対値和に係る画素
SV21・・・・最小値の絶対値和による第2ステップでの第1の移動範囲
77〜80・・・第1の移動範囲の角部に位置する画素
SV22・・・・2番目に値の小さい絶対値和による第2ステップでの第2の移動範囲
81〜84・・・第2の移動範囲の角部に位置する画素
82・・・・・・第2ステップの絶対値和の最小値に係る画素
85・・・・・・第2ステップの2番目に値の小さい絶対値和に係る画素
SV3・・・・・絶対値和の最初値による第3ステップでの第3の移動範囲
86〜89・・・第3の移動範囲の角部に位置する画素
90〜93・・・第3の移動範囲の角部に位置する画素
201・・・・・画像データの入力端子
202・・・・・動きベクトル検出回路
203・・・・・減算器
204・・・・・動き補償回路
205・・・・・フレームメモリ
206・・・・・加算器
207・・・・・直交変換回路
208・・・・・量子化器
209・・・・・圧縮符号化された画像データの出力端子
210・・・・・逆量子化器
211・・・・・逆直交変換回路

Claims (4)

  1. 時間的に前後する現在画像或いは前画像に所定画素からなる基準ブロックを設定し、上記基準ブロックと同じ画素数からなる検査ブロックを、上記基準ブロックが設定された画像以外の画像の所定の移動範囲内で移動し、該検査ブロックを移動する毎に、検査ブロックと基準ブロックとの相関を示す評価関数値を検出し、上記検査ブロックの移動に対応して得られた各評価関数値の中から値が最小の評価関数値を検出し、この値が最小の評価関数値が形成された移動範囲内の所定位置の画素に基づいて上記検査ブロックの次の移動範囲を所定分狭め、再度、上記値が最小の評価関数値を検出する動作を、上記検査ブロックの最小限度の移動範囲となるまで繰り返し行い、この最小限度の移動範囲で検出された、値が最小の評価関数値に基づいて動きベクトルを検出する動きベクトル検出方法において、
    上記検査ブロックを、最小限度の移動範囲以外の移動範囲で移動した際に得られた評価関数値のうち、値が最小の評価関数値から順に値が小さい評価関数値を複数検出し、
    この複数検出された評価関数値どうしの差分と閾値とを比較し、
    上記複数の評価関数値どうしの差分が閾値よりも小さかった場合には、上記複数検出された評価関数値が形成された各移動範囲内の所定位置の画素に基づいて、上記検査ブロックの次の移動範囲を所定分狭めてそれぞれ設定し、
    上記複数の評価関数値どうしの差分が閾値よりも大きかった場合には、最小値の評価関数値が形成された移動範囲内の所定位置の画素に基づいて、上記検査ブロックの次の移動範囲を、上記最小限度の移動範囲、或いは、上記所定分以上狭めて設定し、
    この狭めて設定された各移動範囲で上記検査ブロックの移動をそれぞれ行って評価関数値を検出する動作を、上記検査ブロックの最小限度の移動範囲となるまで繰り返し行い、
    上記最小限度の移動範囲で検査ブロックを移動した際に得られた、値が最小の評価関数値に基づいて動きベクトルを検出することを特徴とする動きベクトル検出方法。
  2. 上記最小限度の移動範囲以外の移動範囲で検査ブロックを移動することにより得られた評価関数値のうち、値が最小の評価関数値及び2番目に値が小さな評価関数値を検出し、上記値が最小の評価関数値及び2番目に値が小さな評価関数値が検出された各移動範囲内の所定位置の各画素に基づいて、上記検査ブロックの次の移動範囲を所定分狭めてそれぞれ設定することを特徴とする請求項1記載の動きベクトル検出方法。
  3. 複数回設定される上記検査ブロックの移動範囲のうち、所定の移動範囲で上記複数の評価関数値の検出を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の動きベクトル検出方法。
  4. 時間的に前後する現在画像或いは前画像に所定画素からなる基準ブロックを設定し、上記基準ブロックと同じ画素数からなる検査ブロックを、上記基準ブロックが設定された画像以外の画像の所定の移動範囲内で移動し、該検査ブロックを移動する毎に、検査ブロックと基準ブロックとの相関を示す評価関数値を検出し、上記検査ブロックの移動に対応して得られた各評価関数値の中から値が最小の評価関数値を検出し、この値が最小の評価関数値が形成された移動範囲内の所定位置の画素に基づいて上記検査ブロックの次の移動範囲を所定分狭め、再度、上記値が最小の評価関数値を検出する動作を、上記検査ブロックの最小限度の移動範囲となるまで繰り返し行い、この最小限度の移動範囲で検出された、値が最小の評価関数値に基づいて動きベクトルを検出し、この動きベクトルに応じて前画像の動き補償を行い、上記現在画像と動き補償を行った前画像との差分を直交変換処理し量子化することにより、圧縮符号化した画像データを形成する画像データの符号化方法であって、
    上記動きベクトルを検出する際に、上記検査ブロックを、最小限度の移動範囲以外の移動範囲で移動した際に得られた評価関数値のうち、値が最小の評価関数値から順に値が小さい評価関数値を複数検出し、この複数検出された評価関数値どうしの差分と閾値とを比較し、上記複数の評価関数値どうしの差分が閾値よりも小さかった場合には、上記複数検出された評価関数値が形成された各移動範囲内の所定位置の画素に基づいて、上記検査ブロックの次の移動範囲を所定分狭めてそれぞれ設定し、上記複数の評価関数値どうしの差分が閾値よりも大きかった場合には、最小値の評価関数値が形成された移動範囲内の所定位置の画素に基づいて、上記検査ブロックの次の移動範囲を、上記最小限度の移動範囲、或いは、上記所定分以上狭めて設定し、この狭めて設定された各移動範囲で上記検査ブロックの移動をそれぞれ行って評価関数値を検出する動作を、上記検査ブロックの最小限度の移動範囲となるまで繰り返し行い、上記最小限度の移動範囲で検査ブロックを移動した際に得られた、値が最小の評価関数値に基づいて動きベクトルを検出することを特徴とする画像データの符号化方法。
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