JP3598379B2 - 画像生体診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体を表示した画像によって生体診断を行う画像生体診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療現場や日常において、人の体調を「顔色」等の体表面の色から診断評価することはよく行われている。例えば、顔色が赤ければその者が発熱していると診断したり、顔色の血色が悪ければ貧血かもしれないと判断するようなことである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような診断においては、その診断される者の日焼けの状態、体調による要因、体温による要因が交錯し、さらに女性の場合には化粧による要因が加わって、「顔色」が何に起因しているかを決定することは困難であった。そして、このような問題は、顔色のみならず顔面以外の部位の外表面の色からのみの診断や判別に関しても同様であった。
【0004】
ところで、近年、身体から放射される遠赤外線を利用して生体の温度の分布や温度変化を2次元画像である生体温度画像として表示するサーモグラフィーなどのような装置やシステムが開発され、身体の状態や機能を示す1つのパラメータである生体温度によっても被験者の体調や機能を判別することがなされている。
【0005】
さらに、最近、近赤外線領域の光を利用して生体の働きを示す生体機能画像を表示可能な装置が開発され注目を集めている。このような装置は、例えば皮膚組織及び骨組織は透過し且つ血液中のオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンに吸収される特定波長の赤外線を利用して光学的に所定部位における前記オキシヘモグロビン濃度、デオキシヘモグロビン濃度及び総ヘモグロビン濃度を測定し、これらの経時的な濃度変化から導き出される脳内を流れる血流量の変化によって脳活動を計測するようになっている。
【0006】
そこで、発明者はこれらの技術に着目して、顔面すなわち肌の色、顔面近傍の血行、体温、内部すなわち脳における生体機能を略同時に計測した画像を合わせて表示して、患者の体調を決定付けている真の原因を探るべく総合的な診断を一の装置によって可能にする画像生体診断装置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、被験者の身体における頭部に設定される診断領域からの所定波長の光による画像によって当該被験者を診断する画像生体診断装置であって、可視領域のほぼ全域に亘る波長の可視光線と、前記診断領域の内部である脳機能に寄与する所定のパラメータ物質に吸収される所定波長の近赤外線とを少なくとも含む照射光を照射する照射部と、この照射部によって前記照射光を照射され前記診断領域における頭部の外表面近傍で反射された所定波長の可視光線を検出しこの可視光線強度を示す可視光線検出信号を出力する可視光線検出部と、前記照射部によって前記照射光を照射され被験者の診断領域内部である脳へ透過して所定部位で反射された前記特定波長の近赤外線を検出してこの特定波長の近赤外線強度を示す近赤外線検出信号を出力する近赤外線検出部と、顔面を含む頭部の前記外表面近傍から放射される所定波長の遠赤外線強度を検出しこの所定波長の遠赤外線強度を示す遠赤外線検出信号を出力する遠赤外線検出部とを備えた撮像部とを具備してなり、前記可視光線検出部と近赤外線検出部と遠赤外線検出部とを略同時に作動するように制御信号を発信する撮像部制御手段と、前記可視光線検出部から出力された可視光線検出信号を演算処理して前記診断領域における顔面を含む頭部の外表面を示す外表面画像データを加工生成する外表面画像データ生成手段と、前記近赤外線検出部から出力された近赤外線検出信号を演算処理して前記パラメータ物質の分布や濃度変化を計測領域内部の脳機能を示す生体機能画像データとして加工生成する内部生体機能画像データ生成手段と、前記遠赤外線検出部から出力された遠赤外線検出信号を演算処理して前記診断領域における顔面を含む頭部の外表面の温度若しくは温度変化を示す生体温度画像データを加工生成する生体温度画像データ生成手段と、これら外表面画像データ、内部生体機能画像データ及び生体温度画像データを組み合わせて表示する表示手段とを備えている画像生体診断装置である。
【0008】
なお、ここで「略同時に作動する」とは、全く同じタイミングである必要はなく、計測領域内の検出がほぼ同時期に行われるのであれば、可視光線検出部と、近赤外線検出部と、遠赤外線検出部それぞれが順次検出を行うもののように若干の時間差があっても構わない。
【0009】
このようなものであれば、この装置のみによって被験者の頭部における診断領域に関して、可視光線による頭部の外表面画像、診断領域の内部である脳における内部生態機能画像、診断領域の顔面を含む頭部の外表面近傍における生体温度画像をほぼ同じタイミングで得て、これらを組み合わせて表示するよって様々な観点からの診断ができるようになる。すなわち、例えば体調の悪くなっている患者を被験者としてその症状の外表面からだけでは判別が困難である真の原因を探ることができるようになり、さらに、「見た目」からでは判別できない被験者が患っている病気などを発見することも期待できる。なお、このような装置として、画像表示するディスプレイを備え、このディスプレイに画像表示するものであっても、別のディスプレイに対して表示するようなものであっても構わない。
【0010】
このような装置の撮像部として、可視光線検出部、遠赤外線検出部、近赤外線検出部をそれぞれ別々に設けたものであってもよいが、部品を共通化させた好適な具体的態様としては、撮像部を、被験者の診断領域からの光から、前記所定波長の可視光線、特定波長の近赤外線、所定波長の遠赤外線を選択的に分光する波長分離機構と、この波長分離機構によって分光された各波長の光を受光して各波長の光を電気信号に変換して出力可能な受光部とを備えて構成して、撮像部制御手段の制御信号によって波長分離機構を切り替えて当該波長分離機構と受光部とが可視光線検出部、近赤外線検出部、遠赤外線検出部として機能するようにしたものが挙げられる。
【0011】
内部生体機能画像データの具体的態様としては、診断領域内部における生体機能として脳の血行動態変化を示す画像データであるものが挙げられる。その他、糖やチトクローム等をパラメータ物質として、これら糖やチトクローム等に吸収される近赤外線の検出信号から生成される「物質の代謝」を生体機能として示すものであってもよい。
【0012】
そして、このように内部生体機能画像データを、血行動態変化を示す画像データとして生成することを実現化する具体的態様としては、パラメータ物質をオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンに設定して、照射部で、特定波長の近赤外線としてパラメータ物質たるオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンに吸収されそれぞれの分子吸光係数が異なる少なくとも2つ以上の波長の近赤外線を含んだ照射光を照射するようにして、内部生体機能画像データ生成手段が、その特定波長の近赤外線検出信号を演算処理して診断領域内部におけるオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンの分布や濃度変化を前記血行動態変化を示す画像データとして加工する機能を有するに構成するようにしたものが挙げられる。なお、血行動態を、オキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビン以外のパラメータ物質によって観察するようにしたものであってもよい。
【0013】
また、可視光線検出部をより有効に機能させるためには、この可視光線検出部を、カラー画像を構成し得る波長の光すなわち色の3原色を構成する所定波長の可視光線を検出して3原色可視光線検出信号を出力する第1可視光線検出部と、生体機能に寄与する第2のパラメータ物質に吸収される特定波長の第2可視光線を検出して第2可視光線出力信号を出力する第2可視光線検出部とを備えて構成し、外表面画像データ生成手段が、前記第1可視光線検出部で検出されて出力された第1の可視光画像信号を演算処理して外表面画像データたる外表面カラー画像データに生成する外表面カラー画像データ生成手段と、前記第2可視光線検出部で検出され出力された第2可視光線検出信号を演算処理して外表面近傍の生体機能を示す外表面画像データたる外表面生体機能画像データ生成手段としての機能を備えるようにするのが望ましい。
【0014】
このような外表面生体機能画像データとして好ましい具体的態様としては、頭部の外表面近傍の生体機能として血行動態変化を示す画像データであるものが挙げられる。顔面等の頭部の外表面の色を決定付けるのは、血行による要因が大きいからである。
【0015】
そして、このように外表面生体機能画像データを血行動態変化を示す画像データとする場合には、前記第2のパラメータ物質をオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンとして、第2可視光線検出部が、これらオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンに吸収されそれぞれの分子吸光係数が異なる少なくとも2つ以上の波長の可視光線を検出するように構成するとともに、前記外表面生体機能画像データ生成手段が第2可視光線検出信号を演算処理し前記診断領域の外表面近傍のオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンの分布や濃度変化を前記血行動態変化を示す画像データとして加工する機能を有するように構成すると望ましい。
【0016】
本発明の画像生体診断装置の効果を特に有効に得るためには、診断領域が被験者の頭部前方側であるものが挙げられる。顔色は、化粧や日焼けなどのために特に見た目では真の状態を判断しにくいものであるが、顔色を決定付けている要因を頭部の内部すなわち脳の機能、頭部における生体温度を総合的に判断して病気の真の原因を明らかにすることができるからである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
図1に示した画像生体診断装置Aは、被験者Pの身体たる頭部前方側の所定領域である診断領域からの光を撮像した画像によって当該被験者Pを診断するためのものであって、撮像装置1と、この撮像装置1と有線或いは無線で接続された制御装置2と、この制御装置2と有線で接続された表示装置たるディスプレイ3とを主たる構成としている。また、図示例のものでは、後述する照射部11による照射光の眩しさのために被験者Pの頭部が動くのを防止する頭部固定手段として機能するアイマスク4を被験者Pに取り付けるようにしている。
【0019】
撮像装置1は、筐体内に、図2に示すように照射部11と撮像部12とを備えたものである。なお、この撮像装置1は、図示例のものでは、載置台に載置して使用するものとしているが、自立するものであっても、ハンディタイプのものであってもよい。
【0020】
照射部11は、可視領域のほぼ全域に亘る波長の可視光線と、診断領域の内部における生体機能に寄与する所定のパラメータ物質に吸収され得る特定波長の近赤外線とを少なくとも含む照射光を照射するものである。本実施形態においては、この生体機能を血行動態によって観察するものとし、この血行動態に寄与するパラメータ物質の一例としてオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンを設定している。そして、前記特定波長の近赤外線としてこのオキシヘモグロビンデオキシヘモグロビンに吸収されそれぞれの分子吸光係数が異なる例えば780nm及び830nmの2種類の近赤外線としている。すなわち、当該照射部11は、この780nm及び830nmの近赤外線と可視領域のほぼ全域に亘る波長の可視光線とを照射可能な光源111と、この光源111の診断領域における照射位置を調整する照射位置調整機構112備えて構成されている。この光源111としては、これら特定波長の光を照射し得る、例えばハロゲンランプやタングステンランプを使用する。また、図3の符号Lで示すように、前記照射位置調整機構112によって、この光源111の光を診断領域の所定ポイントに対して順次照射して該計測領域内を面走査するように構成している。なお、前記特定波長の近赤外線は、780nm及び830nmには限られず、3種類以上の波長の近赤外線を用いたものでも構わない。
【0021】
撮像部12は、波長分離機構121と、受光部122とを備えてなるもので、さらに、図示しない集光レンズ、走査ミラー、この走査ミラーを位置調整するための走査ミラー位置調整機構、絞り、リレーレンズ、アンプ、A/D変換器などを備えて構成されたものである。波長分離機構121は、前記集光レンズに対応した位置に設けられ複数の波長を分光する光学フィルタまたはグレーティングを環状に並べた回転式の分光フィルタを備えて構成され、適宜の切替機構を備えて回転して切り替えてられるようなものである。また、受光部122は、CCD(電荷結合素子;Charge Coupled device)素子などの受光素子を備えて構成されるものである。そして、このCCD素子に受光され電気信号に変換された信号が、さらにアンプによって増幅され、A/D変換器によってデジタル信号である可視光線検出信号、近赤外線検出信号、遠赤外線検出信号に変換されて制御装置2に対して出力されることになる。
【0022】
そして、本実施形態における撮像部12は、制御装置2に備えられた撮像部制御手段22からの制御信号によって、前記波長分離機構121の波長切替を行ない、受光部122に所定波長の可視光線、近赤外線、遠赤外線を選択的に受光させることで、可視光線検出部12a、近赤外線検出部12b、遠赤外線検出部12cとして機能させるようにして構成されている。さらに、本実施形態の撮像部12は、前記走査ミラーと走査ミラー位置調整機構によって、図3の矢印に示すように各波長毎の光を、計測領域内を面走査するように複数の所定ポイントに対し自動的にフォーカスして順次検出していくように構成されている。
【0023】
本実施形態においては、可視光線検出部12aは、第1可視光線検出部12a1と第2可視光線検出部12a2とからなり、これら第1可視光線検出部12a1と第2可視光線検出部12a2も、撮像部制御手段22からの制御信号によって、前記波長分離機構121の波長切替によってそれぞれの機能を有するようになっている。第1可視光線検出部12a1は、色の3原色を構成する所定波長の可視光線である第1可視光線を検出してこの第1可視光線強度を示す検出信号を出力するものである。この色の3原色を構成する所定波長の可視光線は、例えば原色カラーであるRGB(RED GREEN BLUE)それぞれの波長に相当する可視光線であってもよいし、補色カラーであるSMY(SIAN MAZENTA YELLOW)であってもよい。さらにこの補色カラーにBLACKを加えたものでもよい。第2可視光線検出部12a2は、診断領域の外表面近傍の生体機能に寄与する第2のパラメータ物質に吸収される特定波長の第2可視光線強度を検出してこの第2可視光線強度を示す検出信号を出力するものである。本実施形態においては、診断領域の外表面近傍の生体機能を血行動態で観察するものとして、この血行動態に寄与する第2のパラメータ物質を、前記パラメータ物質と同じオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンを選択しており、第2可視光線を、これらオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンに吸収されそれぞれの分子吸光係数が異なる例えば540nm及び576nm等の波長の可視光線としている。なお、この特定波長の第2可視光線は、この波長に限らず、また3種類以上の波長のものでも構わない。
【0024】
近赤外線検出部12bは、照射部11によって照射光を照射され被験者の診断領域内部へ透過して所定部位で反射された前記特定波長の近赤外線である780nm及び830nmの近赤外線を検出してこの近赤外線強度を示す近赤外線検出信号を出力するものである。なお、この特定波長の近赤外線は、この波長に限らず、3種類以上の波長のものでも構わない。
【0025】
遠赤外線検出部12cは、被験者Pの診断領域における外表面近傍から放射される所定波長の遠赤外線強度を検出しこの遠赤外線強度を示す遠赤外線検出信号を出力するものである。この所定波長の遠赤外線とは、公知の遠赤外線サーモグラフィー装置において検出に使用されている波長の遠赤外線とする。
【0026】
そして、前記可視光線検出部12aで出力された第1可視光線検出信号及び第2可視光線検出信号、前記近赤外線検出部12bで出力された近赤外線検出信号、遠赤外線検出部12cで検出され出力された遠赤外線検出信号は、制御装置2に対して出力される。この際、少なくとも一時的にこの制御装置2に設けられた検出信号記憶手段で記憶されるようにしてもよい。
【0027】
制御装置2は、汎用のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を適用し、その機器構成である内部メモリやHDDなど外部記憶装置に記憶されたプログラムに従って、CPUや通信インタフェース、その他制御装置2の各構成及び撮像装置1の各構成を作動することによって照射部制御手段21、撮像部制御手段22と、外表面画像データ生成手段23、内部生体機能画像データ生成手段24、生体温度画像データ生成手段25、画像データ蓄積手段26、表示手段27としての機能を少なくとも有するように構成したものである。
【0028】
照射部制御手段21は、照射部11を制御する制御信号を発信するものである。具体的には、光源111が照射する位置、タイミング、強度などを調整するための制御信号等を発信するものである。
【0029】
撮像部制御手段22は、撮像部12を制御する制御信号を発信して少なくとも可視光線検出部12aと、近赤外線検出部12bと、遠赤外線検出部12cとが略同時に作動するように制御する機能を有するものである。具体的には、前記波長分離機構121の波長切替を順次行ない、被験者の診断領域からの各波長の光のほぼ同時期における検出を行なえるように制御するものである。さらに、走査ミラーの角度調整やレンズ位置などを制御する制御信号、検出のタイミングを制御する制御信号などを発信するものである。
【0030】
外表面画像データ生成手段23は、可視光線検出部12aから出力された可視光線検出信号を演算処理して診断領域たる頭部前方の外表面すなわち顔面を示す外表面画像データを生成するもので、外表面カラー画像データ生成手段231と、外表面生体機能画像データ生成手段232とからなる。外表面カラー画像データ生成手段231は、前記第1可視光線検出部12a1で出力された3原色可視光線検出信号を外表面画像データたる外表面カラー画像データに加工生成するものである。外表面生体機能画像データ生成手段232は、前記第2可視光線検出部12a2で出力された第2可視光線検出信号を演算処理して外表面近傍のヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンの分布や温度変化を外表面近傍の生体機能を示す外表面画像データたる外表面生体機能画像データとして生成するとからなるものである。
【0031】
内部生体機能画像データ生成手段24は、前記近赤外線検出部12bから出力された近赤外線検出信号を演算処理して計測領域内部の脳の所定部位に存在するオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンの分布や濃度変化よって生体機能たる脳の血行動態を示す生体機能画像データを生成するものである。
【0032】
生体温度画像データ生成手段25は、前記遠赤外線検出部から出力された遠赤外線検出信号を演算処理して前記診断領域における外表面の温度若しくは温度変化を示す生体温度画像データを生成するものである。
【0033】
画像データ蓄積手段26は、外表面画像データ生成手段23で生成された外表面カラー画像データ及び外表面生体機能画像データ、内部生体機能画像データ生成手段24で生成された内部生体機能画像データ、生体温度画像データ生成手段25で生成された生体温度画像データ、さらにこれら各画像データが後述する演算処理手段271で演算処理された画像データをも蓄積するものである。そして、これらの画像データを例えばTIFF形式やGIF形式など、汎用の画像データ形式で蓄積する機能をも備えたものである。
【0034】
表示手段27は、本実施形態では演算処理手段271と画像データ出力手段272としての機能を具備して構成している。演算処理手段271は、外表面画像データ生成手段23で生成された外表面カラー画像データ及び外表面生体機能画像データ、内部生体機能画像データ生成手段24で生成された内部生体機能画像データ、生体温度画像データ生成手段で生成された生体温度画像データの各画像データを、組み合わせ、抽出し、又変換するなどの演算処理を行うものである。画像データ出力手段272は、この演算処理手段271で演算処理された画像データを、ディスプレイ3に対して出力するものである。
【0035】
しかして、本実施形態の画像生体診断装置Aを使用する際には、図1に示すように例えば椅子に被験者Pを座らせた状態で、この被験者Pに対して所定距離離間した位置から当該被験者Pとは非接触な状態で撮像装置1を、計測者P2が制御装置2を操作することで作動させて、ディスプレイ3に診断領域からの上述した各波長の光による各画像を単独で或いは組み合わせて表示させて被験者Pの診断を行なう。
【0036】
以上説明した画像生体診断装置Aによれば、この装置のみで被験者Pの診断領域である頭部前方側からの光に基づいて得られた外表面カラー画像、外表面生体機能画像、内部生体機能画像、生体温度画像を得ることができ、被験者Pの体調を種々の観点から総合的に判別することができる。
【0037】
また、外表面生体機能画像が、顔の外表面近傍の血行動態を示すものであり、さらに顔の内部に存在する脳の血行動態をも観察することができるので、顔色からだけでは判断できない被験者の体調を決定付ける真の原因を探ることができる。特に、女性の場合は化粧をしているため顔色の判断も困難な場合があるため特に有効な効果を奏する。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態に限られない。
【0039】
例えば、照射部としては、本実施形態における照射部1のように照射光を診断領域内の複数の所定ポイントを順次照射するもの以外に、照射光を診断領域のほぼ全域を同時に照射するように構成したもの、照射光を診断領域内における一の所定ポイントを照射するように構成したものであってもよい。
【0040】
また、撮像部としては、本実施形態の撮像部12のように、診断領域からの光を診断領域内の所定ポイント毎に順次検出するように構成したもの以外に、診断領域からの光を診断領域のほぼ全域について同時に検出するように構成されたものであってもよい。また、第1可視光線検出部、第2可視光線検出部、近赤外線検出部、遠赤外線検出部の一部のみの検出態様を変えたようなものであってもよい。そして、このような撮像部の検出態様と、前記照射部の照射態様とそれぞれ組み合わせることも可能である。
【0041】
また、前記実施形態における撮像装置1と制御装置2とを一体に構成したような装置であってもよい。さらに、表示装置たるディスプレイを一体に構成したようなものであってもよい。
【0042】
また、照射部制御手段や撮像部制御手段を、専用の制御回路によって設けたものであってもよい。
【0043】
また、照射部は、撮像装置に一体に設けられたものでなく、別体に備えられたようなものであってもよい。
【0044】
また、遠赤外線検出部に、基準黒体温度源等を備えて絶対温度を検出可能なものに構成してもよい。
【0045】
波長分離機構を液晶チューナブフィルタによって構成したものであってもよい。また、波長分離機構を、診断領域からの同一の光束を4分割させるミラーを備え、それぞれに分けられた光束に対して、それぞれ第1可視光線、第2可視光線、所定波長の近赤外線、遠赤外線に分光する分光フィルタによって分光させるように構成したものであってもよい。この場合は、表示手段で、表示装置たるディスプレイの分割画面において各波長の画像データを一度に表示するようにする。
【0046】
また、顔面の凹凸を計測する外表面形状計測部を設けて、この外表面形状計測部によって得られた顔面の3次元画像データをさらに組み合わせて表示可能なものとしてもよい。
【0047】
また、被験者の手や足を診断するように構成したものであってもよい。このようなものであれば、末梢循環不全等の診断にも役立てることができる。
【0048】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0050】
すなわち、本発明によれば、被験者の生体における頭部に設定される診断領域に関して、可視光線による頭部の外表面画像、診断領域の内部である脳における内部生態機能画像、診断領域の顔面を含む頭部の外表面近傍における生体温度画像をほぼ同じタイミングで得て、これらを組み合わせて表示するよって様々な観点からの診断が可能である。すなわち、体調の悪くなっている患者を被験者としてその症状の外表面からだけでは判別が困難な真の原因を探ることができ、さらに、「見た目」からでは判別できない被験者が患っている病気などを発見することも期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示した全体図。
【図2】同実施形態における機器及び機能構成図。
【図3】同実施形態における照射部と撮像部の説明図。
【符号の説明】
11・・・照射部
12・・・撮像部
121・・・波長分離機構
122・・・受光部
12a1・・・第1可視光線検出部
12a2・・・第2可視光線検出部
12b・・・近赤外線検出部
12c・・・遠赤外線検出部
22・・・撮像部制御手段
23・・・外表面画像データ生成手段
24・・・内部生体機能画像データ
25・・・生体温度画像データ生成手段
27・・・表示手段
A・・・画像生体診断装置
P・・・被験者
Claims (8)
- 被験者の身体における頭部に設定される診断領域からの所定波長の光による画像によって当該被験者を診断する画像生体診断装置であって、
可視領域のほぼ全域に亘る波長の可視光線と、前記診断領域の内部である脳機能に寄与する所定のパラメータ物質に吸収される所定波長の近赤外線とを少なくとも含む照射光を照射する照射部と、
この照射部によって前記照射光を照射され前記診断領域における頭部の外表面近傍で反射された所定波長の可視光線を検出しこの可視光線強度を示す可視光線検出信号を出力する可視光線検出部と、前記照射部によって前記照射光を照射され被験者の診断領域内部である脳へ透過して所定部位で反射された前記特定波長の近赤外線を検出してこの特定波長の近赤外線強度を示す近赤外線検出信号を出力する近赤外線検出部と、顔面を含む頭部の前記外表面近傍から放射される所定波長の遠赤外線強度を検出しこの所定波長の遠赤外線強度を示す遠赤外線検出信号を出力する遠赤外線検出部とを備えた撮像部とを具備してなり、
前記可視光線検出部と近赤外線検出部と遠赤外線検出部とを略同時に作動するように制御信号を発信する撮像部制御手段と、前記可視光線検出部から出力された可視光線検出信号を演算処理して前記診断領域における頭部の外表面を示す外表面画像データを加工生成する外表面画像データ生成手段と、前記近赤外線検出部から出力された近赤外線検出信号を演算処理して前記パラメータ物質の分布や濃度変化を計測領域内部の脳機能を示す生体機能画像データとして加工生成する内部生体機能画像データ生成手段と、前記遠赤外線検出部から出力された遠赤外線検出信号を演算処理して前記診断領域における顔面を含む頭部の外表面の温度若しくは温度変化を示す生体温度画像データを加工生成する生体温度画像データ生成手段と、これら外表面画像データ、内部生体機能画像データ及び生体温度画像データを組み合わせて表示する表示手段とを備えている画像生体診断装置。 - 撮像部が、前記診断領域からの光から、前記所定波長の可視光線、特定波長の近赤外線及び所定波長の遠赤外線を選択的に分光する波長分離機構と、この波長分離機構によって分光された各波長の光を受光して各波長の光を電気信号に変換して出力する受光部とを具備してなるものであり、
前記検出部制御手段によって前記波長分離機構の波長切替動作を制御して当該波長分離機構と前記受光部とがそれぞれ可視光線検出部、近赤外線検出部、遠赤外線検出部として機能するように構成している請求項1記載の画像生体診断装置。 - 前記内部生体機能画像データが、診断領域内部における生体機能たる脳の血行動態変化を示す画像データである請求項1又は2記載何れかに記載の生体活動計測装置。
- 前記パラメータ物質が、オキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンであり、前記特定波長の近赤外線が、オキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンに吸収されそれぞれの分子吸光係数が異なる少なくとも2つ以上の波長の近赤外線である請求項3記載の画像生体診断装置。
- 可視光線検出部が、色の3原色を構成する波長の可視光線を検出して3原色可視光線検出信号を出力する第1可視光線検出部と、診断領域の外表面近傍の生体機能に寄与する第2のパラメータ物質に吸収される特定波長の第2可視光線を検出して第2可視光線出力信号を出力する第2可視光線検出部とを備えてなり、
外表面画像データ生成手段が、前記第1可視光線検出部で出力された3原色可視光線出力信号を演算処理して外表面画像データたる外表面カラー画像データに生成する外表面カラー画像データ生成手段と、前記第2可視光線検出部で出力された第2可視光線検出信号を演算処理して前記第2パラメータ物質の分布や濃度変化を外表面近傍の生体機能を示す外表面生体機能画像データとして加工生成する生成手段とからなる請求項1乃至4何れかに記載の画像生体診断装置。 - 前記外表面生体機能画像データが、診断領域の外表面近傍における生体機能たる血行動態変化を示す画像データである請求項5記載の画像生体診断装置。
- 前記第2のパラメータ物質が、オキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンであり、第2可視光線検出部で検出される特定波長の可視光線が、これらオキシヘモグロビン及びデオキシヘモグロビンに吸収されそれぞれの分子吸光係数が異なる少なくとも2つ以上の波長の可視光線である請求項6記載の画像生体診断装置。
- 前記診断領域が被験者の頭部前方側である請求項1乃至7何れかに記載の画像生体診断装置。
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