JP3598046B2 - 車体の傾斜角度検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
自動車の旋回時や加減速時の加速度を検出したり、車体の傾斜角を検出したりすることがおこなわれている。本発明は、このような技術分野に属している。
【0002】
【従来の技術】
自動車の旋回特性や乗心地を改善するために、走行中の加減速の度合いやロール角、ピッチ角等のデータをマイクロコンピュータで処理して、最適のサスペンション特性や動力性能を求め、より優れた操縦安定性等を実現することがおこなわれている。その中には、ロール角やピッチ角に代表される車体の傾斜角度を求めることが含まれている。車体の傾斜角を測定する方法としては、種々な方法が知られているが、バネ上部材に加速度センサーを取付け、これによって測定された加速度値からロール角を推定するものがある。なお、加速度センサーをバネ上部材に取り付けること自体は、特開平62−2166号公報に開示されている。しかし、ここに開示されていることは、横加速度の検出であって、ロール角を求めるものではない。また、ロール角を求めるものとして、ジャイロ式センサーを応用したものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来技術においては、次のような問題がある。すなわち、バネ上部材に加速度センサーを設置したものは、乗車人数や荷物等の積載量が変化すると、ロールイナーシャが変化して、同一の旋回半径や車速であってもロール角がばらつくことになる。このような状況下で推定的に求められたロール角を、制御因子に含めることは、種々な制御の精度を適正化することにとって、好ましくないこととなる。さらに、後者のジャイロ式センサーは高価であるとともに、構造が複雑であるから、原価低減や耐久性の面で不適当である。
【0004】
【課題を解決するための手段とその作用】
本発明は、上述の問題点に注目して発案されたもので、請求項1の発明は、自動車のバネ下部材に取り付けた加速度センサーで走行中のバネ下加速度を求め、他方、バネ上部材に取り付けた加速度センサーで走行中の車体傾斜角度に応じたバネ上加速度を求め、バネ下加速度を基準値として車体の傾斜角を算出することを特徴としている。
【0005】
リジッドアクスルのようなバネ下部材は、本来、旋回時や加減速時において、前後左右に角変化をしないか、したとしても極めてわずかである。したがって、ここで検出される加速度は角度変化の影響を受けない真の値と見做すことができる。一方、バネ上加速度は車体傾斜角の影響を受けた値であり、この値と前記真の値から車体傾斜角を算出するのである。すなわち、バネ下加速度を基準値にして、それとの相対性で傾斜角に応答したバネ上加速度値を対応させることによって、車体傾斜角を求めるのである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1において、バネ上加速度およびバネ下加速度はいずれも走行中の横加速度に応答したものとされ、これによって車体のロール角を算出することを特徴としている。これは、上述のような原理を横加速度の方向に特定したもので、旋回時のロール角を算出する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1において、バネ上加速度およびバネ下加速度はいずれも走行中の前後方向加速度に応答したものとされ、これによって車体のピッチ角を算出することを特徴としている。これは、上述のような原理を前後方向加速度の方向に特定したもので、走行時のピッチ角を算出する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施形態にしたがって、本発明をくわしく説明する。図1は、自動車を前から見た簡略的な模式図であり、横加速度からロール角を求める場合である。バネ下部材であるリジッドアクスル1の両側に車輪2、2が取り付けられ、同アクスル1に結合したサスペンションスプリング3、3で車体4が支持されている。
【0009】
アクスル1は、旋回時において、左右に角変化をしないか、タイヤの変形によって角変化をしたとしても極めてわずかである。すなわち、路面5に対して実質的に傾斜しない性格の部材である。バネ下加速度を求めるために、加速度センサー6がアクスル1に取り付けられている。このセンサー6によって検出される加速度は、符号Gycで示されており、後述のロール角の変化には関係なく、車速や旋回半径に応じて大小の変化をする。
【0010】
車体4には、バネ上加速度を求めるために、加速度センサー7が取り付けられている。このセンサー7によって検出される加速度は、符号Gybで示されている。この加速度Gybは、車体4のロール角に応じて変化するので、ロール角ψはψ=acos(Gyc/Gyb)で算出される。これは、図2に示した両加速度からロール角を求めていることになる。ここで、aはアークコサインを意味している。このような算出は、前述したように、バネ下加速度を基準値にして、それとの相対性で傾斜角に応答したバネ上加速度値を対応させることによって、車体傾斜角を求めることになるのである。
【0011】
図3の実施形態について説明する。この図は、自動車の後部を横から見た簡略的な模式図であり、ピッチ角を求める場合である。ここでは、自動車が右方へ加速走行をしている状態であり、左方が下がった状態になっている。リジッドアクスル1と車体4にはそれぞれ加速度センサー8、9が取り付けられ、これらのセンサーは自動車の前後方向の加速度を測定する。加速度センサー8によって検出される加速度は、符号Gycで示されており、後述のピッチ角の変化には関係なく、加減速に応じて大小の変化をする。また、加速度センサー9よって検出される加速度は、符号Gybで示されている。
【0012】
この加速度Gybは、車体4のピッチ角に応じて変化するので、ピッチ角ψは先の計算式と同様にψ=acos(Gyc/Gyb)で算出される。ここで、aはアークコサインを意味している。このような算出は、前述したように、バネ下加速度を基準値にして、それとの相対性で傾斜角に応答したバネ上加速度値を対応させることによって、車体傾斜角を求めることになるのである。
【0013】
上述の方法で求められた車体の傾斜角度は、それがロール角である場合には、ロール角復元機構や横滑り防止機構への作動信号として制御コンピュータに入力させたり、横加速度が限界値であることを運転者に警告することに応用される。また、それがピッチ角である場合には、車体姿勢制御機構等への作動信号として利用される。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、自動車のバネ下部材に取り付けた加速度センサーで走行中のバネ下加速度を求め、他方、バネ上部材に取り付けた加速度センサーで走行中の車体傾斜角度に応じたバネ上加速度を求め、バネ下加速度を基準値として車体の傾斜角を算出している。
【0015】
リジッドアクスルのようなバネ下部材は、本来、旋回時や加減速時において、前後左右に角変化をしないか、したとしても極めてわずかである。したがって、ここで検出される加速度は角度変化の影響を受けない真の値と見做すことができる。一方、バネ上加速度は車体傾斜角の影響を受けた値であり、この値と前記真の値から車体傾斜角を算出するのである。すなわち、バネ下加速度を基準値にして、それとの相対性で傾斜角に応答したバネ上加速度値を対応させることによって、車体傾斜角を求めるのである。よって、乗車人数や荷物の積載量に左右されることのない条件下で車体傾斜角が求められる。
【0016】
また、車体傾斜角は、ψ=acos(Gyc/Gyb)なる式で算出されるから、算出の変動因子は二つだけである。したがって、簡素化された計算過程であり、算出値は高い精度で求められる。このような原則に基づいているので、用いる加速度センサーも簡単なタイプのものでよく、原価的にも耐久性の面でも有利である。
【0017】
車体傾斜角を求める原理が上述のようなものであるから、測定加速度の方向を選定することによって、ロール角やピッチ角等、必要に応じて自由に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車を前から見た簡略的な模式図である。
【図2】両加速度センサーの加速度値の関係を示す線図である。
【図3】自動車の後部を横から見た側面図である。
【符号の説明】
1 バネ下部材
6、8 加速度センサー
4 バネ上部材
7、9 加速度センサー
Claims (3)
- 自動車のバネ下部材に取り付けた加速度センサーで走行中のバネ下加速度を求め、他方、バネ上部材に取り付けた加速度センサーで走行中の車体傾斜角度に応じたバネ上加速度を求め、バネ下加速度を基準値として車体の傾斜角を算出することを特徴とする車体の傾斜角度検出方法。
- 請求項1において、バネ上加速度およびバネ下加速度はいずれも走行中の横加速度に応答したものとされ、これによって車体のロール角を算出することを特徴とする車体の傾斜角度検出方法。
- 請求項1において、バネ上加速度およびバネ下加速度はいずれも走行中の前後方向加速度に応答したものとされ、これによって車体のピッチ角を算出することを特徴とする車体の傾斜角度検出方法。
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