JP3596146B2 - チェックライタ - Google Patents

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克也 箱崎
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字した数字が改竄されないように文字体に重合して被印字紙を加工するチェックライタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のチェックライタでは印字した数字が改竄されないように、スリットの入った数字が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スリットのパターンが同じであるために、似た数字同士や数字の一部に手を加えることにより数字の改竄を行うことが可能であった。
【0004】
本発明は上記問題点を解消し、印字した文字体に重合して同じ数字以外は互換性のない加工を被印刷物に施し、改竄防止に有効なチェックライタを提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、第一の発明に係るチェックライタは、金額を入力する入力手段と、入力された金額を小切手等の被印字紙に印字する印字手段とを有するチェックライタであって、
上記印字手段が印字した文字体に重合して上記被印字紙に数字ごとに互換性のないパターンの刻みを形成する刻み形成手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
第二の発明に係るチェックライタは、金額を入力する入力手段と、入力された金額を小切手等の用紙の裏面側に膨出させてエンボス表示させるエンボス形成手段と、上記用紙の表面にインクを塗布するインク塗布手段とを備え、このインク塗布手段を、上記用紙の裏側に配置された送りローラと上記用紙の表側に配置されたインクローラとから構成し、送りローラの周面には、上記送りローラとインクローラとの間に上記用紙を送るときに上記用紙の裏側に突出したエンボスに当たるのを避ける溝を形成したことを特徴とする。
【0007】
第三の発明に係るチェックライタは、金額を入力する入力手段と、入力された数字を小切手等の被印字紙に金額として印字する印字手段とを有するチェックライタであって、
上記印字手段には印字した文字体に重合して上記被印字紙に数字ごとに予め設定された位置に孔部を形成する穿孔手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面によって本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
図1はチェックライタを示し、このチェックライタは金額を入力する数字キー2及び発行、累計等の操作キー3とからなる入力手段であるキーボード部1と、入力したデータを表示する液晶表示装置からなる表示部4と、入力したデータを小切手等の被印字紙10に印字する印字手段5と、該印字手段5が印字した印字体に刻みを入れる刻み形成手段Aと、上記キーボード部1、表示部4及び印字手段5を制御する制御部6とを有し、このチェックライタはキーボード部1から入力した数字を表示部4に表示するとともに発行の操作キー3を操作することにより印字台7上に載せた小切手等の被印字紙10に印字手段5が金額として記号(¥、,及び※)とともに自動的に文字体を印字(例えば12345と入力した場合は¥12,345※と印字)し、この印字体に重合して上記被印字紙10に刻みを形成するように設けられている。
【0010】
ところで、上記印字手段5は図2に示すように、横方向に少なくとも15個並設された活字輪51と、活字輪51に接して活字51aにインクを塗布するインクローラ52とで構成され、上記活字輪51には0〜9の数字、カンマ(,)、金額マーク(¥)及びエンドマーク(※)が刻まれた活字51aが周方向に所定のピッチで形成されている。
【0011】
上記刻み形成手段Aは上記活字輪51に周面が対向して配置された金属の円板状のプラテン53で構成され、このプラテン53は活字輪51と同数並設され、各プラテン53の周面には上記活字51aに対応して周方向に所定のピッチで印台53aが活字51aと同数形成され、印字輪51に同期して回転するように設けられている。
【0012】
印台53aの表面には図3に示すように断面ジグザグ状で表面視は縞模様のパターンaが形成され、このパターンaは印台53aごとに全て異なったパターンで構成され、パターン間では互いに互換性がないように縞模様の角度θが印台53aごとに変えられている。
【0013】
そして、このプラテン53は活字輪51が回転すると中間歯車(図示せず)を介して活字輪51と同期をとって活字51aと印台53aとの組み合わせが常に同じになるように回転し、印字台7の開口部7aから露出した印台53aには、該印台53aに対応した活字51aが常に対向するように設けられている。
【0014】
上記制御部6は上記活字輪51を駆動してキーボード部1から入力された数字に対応して活字51aを選択し、すべての活字51aが選択されると選択された活字輪51は被印字紙10上に同時に打ち下ろされて一斉に金額を印字するように設けられている。
【0015】
上記構成のチェックライタによれば、キーボード部1から金額を入力した後、発行の操作キー3を押すと、制御部6は入力した桁数及び記号(¥、,及び※)の印字輪51、51、・・を選択するとともに、選択した印字輪51をそれぞれ回転させて入力した数字と記号との活字51aを選択し、入力した全ての数字に対応した活字51aを選択すると印字輪51を印台53a上の被印刷物10に打ちつけて文字体を印字する。
【0016】
この時、プラテン53は印字輪51に同期して回転し、活字51aに対応した印台53aが印字台7の開口部7aから露出する位置にセットされるので、被印字紙10には図4(a)に示すように、文字体aに重合して該文字体aと対のパターン(縞模様)pで刻みを形成することができる。
【0017】
上述のように被印字紙上には印字手段で文字体を印字するとともにこの印字体に重合して刻み形成手段が文字体と対のパターンを刻むので、数字を修正することはできても刻まれたパターンを修正することはできないので、改竄防止に有効なチェックライタを提供することができる。
【0018】
なお、図4(b)に示すようにパターンpの間隔Tと角度θとを組み合わせて数字ごとにパターンpを変えて文字体aが印字されるように印台を形成してもかまわない。
【0019】
さらに、印台に形成されるパターンは縞模様に限定されることなく格子模様でもかまわない。
【0020】
また、活字51aを図5(a)に示すように縞模様に形成し、図3に示す印台53aと組み合わせて印字するようにしてもよい。このことにより、図5(b)に示すように文字体aと刻まれたパターンpとが複雑に組み合わさって、改竄をさらに難しくすることができる。
【0021】
次に、エンボス形成手段を備えたチェックライタについて説明する。
【0022】
図6はエンボス形成手段B及びインク塗布手段Cの要部の側面図を示し、このエンボス形成手段Bは活字受け60とドットソレノイドピン61とで構成され、図1に示す入力手段(キーボード部1)を介して入力された数字は制御部6でドットパターンに変換されドットソレノイドピン61を数字のドットパターンに対応して駆動しながら被印字紙10を搬送ローラ62で送ることにより被印字紙10を裏面10b側に膨出させて金額をエンボス65で表示するように設けられている(図7参照)。
【0023】
インク塗布手段Cは上記エンボス形成手段Bの後方の行程に配置され、送りローラ63とインクローラ64とで構成されている。送りローラ63は図7に示すように被印字紙10の裏面10b側(上側)に配置され略中央周面の周方向にはエンボス65の深さと等しい溝63aが形成され、一旦形成されたエンボス65をつぶすことなく送り出すように設けられ、インクローラ64は被印字紙10の表面(10a)側(下側)に帯状にインク66を塗布するように設けられている(図8参照)。
【0024】
上記構成のチェックライタによればキーボード部から入力された金額は発行の操作キーを押すことにより制御部が搬送ローラ62を駆動しながらドットソレノイドピン61を作動させて被印字紙10上に金額をエンボス形成する。エンボス65が形成された被印字紙10は搬送ローラ62で更に搬送され、インクローラ64で表面10aに帯状にインク66が塗布される。この時被印字紙10には、エンボス65が形成されているのでエンボス65部分にはインク66が塗布されず、図9に示すように金額が白抜きで表示される。
【0025】
なお、被印字紙10の表面10aを下側にしてインクを塗布するのでエンボス65内にインクが流れ込むことはなく金額を鮮明に表示することができる。
【0026】
上述のように印字された金額はエンボスで表示されるとともに、該エンボス部分にはインクが塗布されていないので、改竄する場合はエンボスの修正とインク塗布部分の修正をしなければならず、数字の修正は極めて難しくなり改竄防止に有効なチェックライタを実現することができる。
【0027】
なお、上述のエンボス形成手段ではドットソレノイドピンを使用してエンボスを形成したが、このエンボス形成手段は周方向に所定のピッチで活字を配列した活字輪(図示せず)で構成してもかまわない。
【0028】
次に、文字体に重合して孔部を形成する穿孔手段を備えたチェックライタについて説明する。
【0029】
図10はチェックライタの印字部9の構成を示し、この印字部9は周方向に所定のピッチで活字を配列した活字輪91と、活字輪91に接して活字にインクを塗布するインクローラ92と、活字輪91に対向して配置された印台93とからなり、上記活字輪は横方向に少なくとも15個並設され、図1に示す入力手段(キーボード部1)を介して入力された数字は制御部6により活字輪91がキーボード部1から入力された数字に対応して選択され、すべての活字91aが選択されると選択された活字輪91は被印字紙10上に同時に打ち下ろされて一斉に金額を印字するように設けられている。
【0030】
ところで、上記活字輪91には穿孔手段Dが設けられている。この穿孔手段Dは図11に示すように、活字91aの表面に突出して形成された複数の凸部94で構成され、印字した時に文字体aに重合して被印字紙10に孔95を穿孔するように設けられている(図12参照)。上記凸部94は数字ごとに決められた位置に同じ数(例えば3個)形成され、これらの凸部94は各数字の特徴的な位置に形成されている。
【0031】
上記構成のチェックライタによればキーボード部から入力された金額は発行の操作キーを押すことにより、制御部により入力された数字に対応した活字91aが選択され、活字91aが選択された活字輪91が印台93に打ち込まれると被印字紙10に文字体aが印字されるとともに、この印字体aに重合して穿孔手段D(凸部94)により孔95が穿孔される。
【0032】
上述のように、活字91aで被印字紙10上に印字された文字体aには数字ごとに異なる位置に孔95が開いているので、印字部分を修正しても孔95の位置は修正することができないので改竄防止に最適なチェックライタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチェックライタの使用状態を示す斜視図
【図2】印字部の構成の要部を示す側面図
【図3】印台のパターンの一例を示す斜視図
【図4】(a)(b)は文字体の印字状態図
【図5】(a)(b)は活字の他の例を示す斜視図及び印字状態図
【図6】チェックライタの他の例の構成の要部を示す側面図
【図7】上記他の例のチェックライタのインク塗布手段を示す斜視図
【図8】上記他の例のチェックライタによる被印字紙の状態を説明する縦断面図
【図9】上記他の例のチェックライタによる印字状態図
【図10】更に他の例の印字部の構成の要部を示す側面図
【図11】上記印字部の活字を示す斜視図
【図12】上記印字部による文字体の印字状態図
【符号の説明】
1 キーボード部(入力手段)
2 数字キー
3 操作キー
4 表示部
5 印字手段
6 制御部
10 被印字紙
51 印字輪
51a 活字
53 プラテン
53a イン台
A 刻み形成手段
B エンボス形成手段
C インク塗布手段
D 穿孔手段

Claims (3)

  1. 金額を入力する入力手段と、入力された金額を小切手等の被印字紙に印字する印字手段とを有するチェックライタであって、
    上記印字手段が印字した文字体に重合して上記被印字紙に数字ごとに互換性のないパターンの刻みを形成する刻み形成手段を備えたことを特徴とするチェックライタ。
  2. 金額を入力する入力手段と、入力された金額を小切手等の用紙の裏面側に膨出させてエンボス表示させるエンボス形成手段と、上記用紙の表面にインクを塗布するインク塗布手段とを備え、このインク塗布手段を、上記用紙の裏側に配置された送りローラと上記用紙の表側に配置されたインクローラとから構成し、送りローラの周面には、上記送りローラとインクローラとの間に上記用紙を送るときに上記用紙の裏側に突出したエンボスに当たるのを避ける溝を形成したことを特徴とするチェックライタ。
  3. 金額を入力する入力手段と、入力された金額を小切手等の被印字紙に印字する印字手段とを有するチェックライタであって、
    上記印字手段には印字した文字体に重合して上記被印字紙に数字ごとに予め設定された位置に孔部を形成する穿孔手段を備えたことを特徴とするチェックライタ。
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