JP3595814B1 - ルーズリーフ綴じ具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 操作板の直線運動を軸のカム作用により回転に変換して綴じ環を開閉する形式の綴具は、綴環の閉鎖力が充分でなくルースリーフの噛み込みを生じる問題がある。
【解決手段】 操作板の直線運動を軸のカム作用により回転に変換して綴じ環を開閉する形式の綴じ具において、可動側綴じ環を支持した軸(2)に長手方向に沿った少なくとも1箇所に操作板(5)に向けて突出する係止板(9)を設け、操作板(5)は前記係止板(9)に対応した移動範囲に少なくとも1つの切り欠き(10)と底面側の係止部(14)を有し、操作板(5)が押し込み位置にあるときには係止板(9)は操作板(5)の係止部(14)に係止し、係止板(9)が押し込み位置以外の所に移動したときに切り欠き(10)が係止板(9)の位置に整列して係止板(9)を自由にするように構成されている綴じ具。
【選択図】 図11

Description

本発明はルーズリーフ綴じ具に関し、特に、綴じ環を操作板の指掛けを引いたり押したりして開閉する形式のルーズリーフ綴じ具に関する。
綴じ環を操作板の指掛けを引いたり押したりして開閉する形式のルースリーフ綴じ具には種々の形式のものが提案されているが、本発明はそのうち、一方の綴じ環が固定基板に固定されており、他方の綴じ環が回動自在の軸に固定されている形式の綴じ具に関するものである。
図1(a)、(b)、(c)は従来のこの型のルーズリーフ綴じ具の要部を示すものであり、この綴じ具は複数の第1の綴じ環3を所定間隔で起立した細長い固定側の基板1と、第1の綴じ環3に衝合しうる複数の第2の綴じ環4を起立しかつ基板1の一方の側辺部に枢着された回動自在の軸2と、基板1の底面に軸2に沿って配置され基板1の長手方向に移動自在の操作板5の3部材から成り、操作板5は前端に指掛け8を有していて指掛けを前後に操作することにより操作板5を綴じ具の長手方向にスライドさせることにより、軸2を回転させて可動側の綴じ環4を固定側の綴じ環3に向けて閉鎖したりそこから離間させたりする。
操作板5の直線運動を軸の回転運動に変換するために、軸と操作板の対向面にはカム機構が形成されている。すなわち軸には操作板5の方へ突出するカム突起6が設けられ、操作板5にはカム突起6が嵌合するカム溝7が設けられている(逆に操作板にカム突起が、軸にカム溝の例もある)。カム溝7の形状は、操作板5が押し込み位置に押されるときカム突起6を介して軸2を回転させて第2の綴じ環4を第1の綴じ環3に衝合させ、前記操作板5が引き出し位置に引かれるときカム突起6を介して軸2を逆方向に回転させて第2の綴じ環4を第1の綴じ環3から離間させるように構成されている。
この従来例は操作板5の長手方向の運動が軸2の回転運動にスムーズに変換されるので操作に抵抗感がなく、またカム溝の両端部が長手方向に延びているためにカム突起6がそこにあるとき可動側の綴じ環4が閉鎖位置と開放位置において安定的に固定される利点がある。
しかしながら、綴じ環が閉鎖位置にあるときに、カム突起とカム溝の位置関係を、綴じ環がきつめに衝合するように設計しても、綴じ環同士の衝合が十分でない部分が生じ、ルーズリーフの一部が自重や衝撃等の外力で綴じ環の間に噛み込まれる問題が生じたので、このような問題のない綴じ具が望まれている。
本発明は、可動側の綴じ環を支持する軸を綴じ環の閉鎖方向に賦勢する係止板ないし弾性板を設け、これを綴じ環の閉鎖時のみに作用させることを可能にする機構により、上記の課題を解決することができた。
すなわち、本発明は複数の第1の綴じ環を所定間隔で起立した細長い基板と、前記第1の綴じ環に衝合しうる複数の第2の綴じ環を起立しかつ前記基板の一方の側辺部に枢着された軸と、前記基板の底面に前記軸に沿って配置され前記基板の長手方向に移動自在の操作板であって前端に指掛けを有する操作板とよりなり、前記軸には少なくとも1箇所に前記操作板の方へ突出するカム突起が設けられ、前記操作板にはカム突起に作用して前記軸回転させるカム溝が設けられ、前記カム溝の形状は、前記操作板が押し込み位置に押されるとき前記カム突起を介して前記軸を回転させて前記第2の綴じ環を前記第1の綴じ環に衝合させ、前記操作板が引き出し位置に引かれるとき前記カム突起を介して前記軸を逆方向に回転させて第2の綴じ環を第1の綴じ環から離間させるように定められている綴じ具において、前記軸は前記長手方向に沿った少なくとも1箇所に前記操作板に向けて突出する係止板を有し、前記操作板には前記係止板に対応した移動範囲に少なくとも1つの切り欠きと底面側の係止部を有し、前記操作板が前記押し込み位置にあるときには前記係止板は前記操作板の係止部に係止し、前記係止板が前記押し込み位置以外の所に移動したときに前記切り欠きが前記係止板の位置に整列して前記係止板を自由にするように構成されている綴じ具である。
この構成によると、操作板が押し込み位置にあるときに、係止板は操作板の底面係止部により閉鎖方向にさらに押圧されるため、軸はさらに回転して可動側の綴じ環を固定側の綴じ環へ強く衝合させる作用が得られる。
本発明の好ましい形態では、前記切り欠きに隣接した部分で操作板底面の前記係止部は傾斜面を有するので、操作板を押し込み位置へスライドさせるにつれて、係止板はこの傾斜面に案内されて次第に増大する反力を受けながら前記係止部へと移行し、軸を介して次第に増大する力を綴じ環に加えることができる。
本発明の好ましい形態では、前記切り欠きは前記係止板側が開放した矩形をなしており、係止板が軸を中心に回転するためのスペースを与えている。
本発明の好ましい形態では、前記カム溝は、その両端側が操作板の長手に沿って延びる直線路から構成され、中間部がそれらを接続する傾斜路から構成されている。これにより、ルーズリーフの交換・補充時にかかる外力に対して綴じ環の開きを維持する作用が得られる。
本発明によれば、綴じ環を支持する軸をスライド式操作板により回転させる型の綴じ具において、綴じ環の閉鎖を確実にし、ルーズリーフの綴じ環への挟み込みや、脱落を防止することが可能となる。
図2〜図18を参照して本発明の実施例を詳しく説明する。
本発明の綴じ具は基板1、軸2、及び操作板5の3部材から構成される。これらはいずれもポリプロピレン、ABS等の強靭な合成樹脂から製作することができる。
本発明の実施例による綴じ具の全体を示す図2〜4において、図2は綴じ具の平面図、図3は正面図、図4は底面図であり、綴じ具は複数の第1の綴じ環3を所定間隔で起立した細長い固定側の基板1と、第1の綴じ環3に衝合しうる複数の第2の綴じ環4を一体に起立しかつ基板1の一方の側辺部に枢着された回動自在の軸2と、基板1の底面に軸2に沿って配置され前記基板1の長手方向に移動自在の操作板5であって前端に指掛け8を有する操作板5とから構成される。第2の綴じ環4の基部は基板の片側縁部に所定間隔で形成された開口18を貫通している。
図5〜7に示すように、軸2にはその全長の少なくとも1箇所(図2〜5に図示の例では4箇所)に操作板5の方へ突出するカム突起6が設けられ、操作板5の側面にはカム突起6に作用して前記軸2を回転させるカム溝7が設けられ、操作板5を指掛け8により綴じ具の長手方向に引いたり押したりすることによりカム突起6をカム溝7に沿って相対移動させて軸2を回転させ、それにより第2の綴じ環4を第1の綴じ環3に対して開閉させる。カム溝7の形状は操作板5が押し込み位置へ押されるときに第2の綴じ環4を第1の綴じ環3に衝合させ、操作板5が引き出し位置に引かれる時に軸2を逆方向に回転させて第2の綴じ環4を第1の綴じ環3から離間させるように定められている。
図19はカム機構の運動を図解したものであり、操作板5が矢印のように押されて滑動するにつれて、軸2から突出するカム突起6はカム溝7の上側壁面が作用する力の回転方向の分力を受けて開環位置であるA位置からB位置に回転して綴じ環4を固定側の綴じ環3に対して閉鎖する。操作板5が逆に矢印とは反対の方向に引かれると、カム突起6はカム溝7の下側壁面が作用する力の逆回転方向の分力を受けて閉環位置であるB位置からA位置に移動して閉じ環を開放する。
なお図4及び図8に示したようにストッパ13が基板1から操作板5の楕円形孔16の中へ延びていて、楕円形孔16の長手方向端面と協同して操作板5の長手方向の押し込み位置と引き出し位置を定めている。さらにストッパ13には貫通孔が形成されていて表紙への取り付け具のための取り付け孔として役立つ。図8〜9のように操作5の軸側縁部には軸2を支持するための長手方向の軸受け溝17が形成されている。軸受け溝17は基板1の裏面の弧状面と協同して軸受けを構成し、軸2を回転自在に支持している。第2の綴じ環4は基板に一定間隔で設けた開口18から突出している。
次に図14〜16を参照して本発明の特徴部分を詳しく説明する。
軸2はその長手方向に沿った2箇所(一般に綴じ具の長さに応じて少なくとも1箇所)に操作板5に向けて突出する係止板9を一体的に有し、操作板5には係止板9に対応した移動範囲に矩形の切り欠き10と操作板底面の係止部14とが設けられている。係止板9は軸2に片持ち支持されているので弾性作用を有する。係止部14は操作板5の底面そのものでもよいし、本例のように係止板9の厚みを収容する程度に凹入した面でもよい。
係止板9と切り欠き10及び係止部14の位置関係は次の通りである。操作板5が押し込み位置にあるときには、係止板9は操作板5の底面の係止部14に整列して係止部に強く係合する。このため係止板9は係止部14からの反力により軸2を綴じ環の閉鎖方向に回転させ、さらに綴じ環の閉鎖後も閉鎖力を維持する。係止板9が押し込み位置以外の所に移動したときには切り欠き10が係止板9の位置に整列して係止板9を自由にする。これにより軸2は操作板5の長手方向の運動によりカム溝7とカム突起6を介して回転することができる。
係止板9が切り欠き10と係止部14と切り欠き10の間をスムーズに移行できるように、切り欠き10に隣接した部分で係止部14に傾斜面15を設けることが好ましい。
次に本発明の綴じ具の動作を説明する。図2〜4の状態は操作板5が押し込み位置にあって綴じ環3、4が衝合状態にある。基板1に対して指掛け8を引くと、操作板5のカム溝7が軸2に対して相対的に移動するが最初はカム突起6は指掛け側の低位置の直線路内にあるので(図6参照)カム突起6は移動しないが、操作板5がさらに引かれるとカム突起6は直線路から傾斜路に移り、軸2がカム突起6とともに回転し、ついでカム突起6は傾斜路から高位置の直線路に入り綴じ環4が完全な開放する(図9参照)。
逆に綴じ環を閉鎖したい場合にはこの引き出し位置から操作板5を基板1に押し込むと逆の運動が生じて軸2が逆回転し綴じ環が完全に閉じる。
この状態からさらに引き手を押し込むと、係止板9が切り欠き10から傾斜面15(図17〜18参照)に接触して案内されついに係止部14に係合する。これにより係止板9は係止部14から反力を受けて軸2をさらに綴じ環4を閉鎖方向に付勢し、綴じ環3、4を閉鎖状態に維持する。
従来の綴じ環を支持する軸をスライド式操作板により回転させる型の綴じ具を示す図である。 本発明の綴じ具の平面図である。 本発明の綴じ具の正面図である。 本発明の綴じ具の底面図である。 図3、4のB-B拡大断面図で本発明の綴じ具のカム機構を示す。 本発明の綴じ具のカム機構を示す拡大正面図である。 本発明の綴じ具のカム機構を示す拡大平面図である。 図3、4のC−C拡大断面図で綴じ環が閉じた状態を示す。 同断面において可動側の綴じ環が開放した状態を示す拡大平面図である。 図3、4のD−D拡大断面図である。 図3、4のA−A拡大断面図で本発明の係止板と係止部の構造を示す図である。 本発明の綴じ具の係止板と係止部の構造を示す拡大正面図である。 本発明の綴じ具の係止板と係止部の構造を示す拡大底面図である。 図1のA−A拡大断面図のうち、可動側の綴じ環を支持した軸と係止板を示す断面図である。 本発明の綴じ具の操作板を示す正面図である。 同操作板の底面図である。 同操作板の切り欠き及び係止部を示す部分拡大正面図である。 同操作板の切り欠き及び係止部を示す部分拡大底面図である。 綴じ環を開閉するためのカム機構の作用を示す図で、(a)は回転軸の断面図、(b)は回転軸の正面図である。
符号の説明
1 基板
2 軸
3 第1の綴じ環
4 第2の綴じ環
5 操作板
6 カム突起
7 カム溝
8 指掛け
9 係止板
10 切り欠き
13 ストッパ
14 係止部
15 傾斜面
16 楕円形孔
17 軸受け溝
18 開口

Claims (5)

  1. 複数の第1の綴じ環(3)を所定間隔で起立した細長い基板(1)と、前記第1の綴じ環(3)に衝合しうる複数の第2の綴じ環(4)を起立しかつ前記基板(1)の一方の側辺部に枢着された軸(2)と、前記基板(1)の底面に前記軸(2)に沿って配置され前記基板(1)の長手方向に移動自在の操作板(5)であって前端に指掛け(8)を有する操作板(5)とよりなり、前記軸(2)には少なくとも1箇所に前記操作板(5)の方へ突出するカム突起(6)が設けられ、前記操作板(5)にはカム突起(6)に作用して前記軸(2)回転させるカム溝(7)が設けられ、前記カム溝(7)の形状は、前記操作板(5)が押し込み位置に押されるとき前記カム突起(6)を介して軸(2)を回転させて前記第2の綴じ環(4)を前記第1の綴じ環(3)に衝合させ、前記操作板(5)が引き出し位置に引かれるとき前記カム突起(6)を介して軸(2)を逆方向に回転させて第2の綴じ環(4)を第1の綴じ環(3)から離間させるように定められている綴じ具において、
    前記軸(2)は前記長手方向に沿った少なくとも1箇所に前記操作板(5)に向けて突出する係止板(9)を有し、前記操作板(5)は前記係止板(9)に対応した移動範囲に少なくとも1つの切り欠き(10)と底面側の係止部(14)を有し、前記操作板(5)が前記押し込み位置にあるときには前記係止板(9)は前記操作板(5)の係止部(14)に係止し、前記係止板(9)が前記押し込み位置以外の所に移動したときに前記切り欠き(10)が前記係止板(9)の位置に整列して前記係止板(9)を自由にするように構成されている綴じ具。
  2. 前記切り欠き(10)に隣接した部分で前記係止部(14)は前記係止板(9)を案内する傾斜面(15)を有する請求項1の綴じ具。
  3. 前記切り欠き(10)は前記係止板(9)側が開放した矩形をなしている請求項1又は2の綴じ具。
  4. 前記カム溝(7)は、その両端側が操作板(5)の長手に沿って延びる直線路から構成され、中間部がそれらを接続する傾斜路から構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の綴じ具。
  5. 前記係止板(9)は弾性板である請求項1〜4のいずれかに記載の綴じ具。
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