JP3595796B2 - 半導体集積回路装置の寿命推定方法及びその管理方法 - Google Patents

半導体集積回路装置の寿命推定方法及びその管理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3595796B2
JP3595796B2 JP2001502158A JP2001502158A JP3595796B2 JP 3595796 B2 JP3595796 B2 JP 3595796B2 JP 2001502158 A JP2001502158 A JP 2001502158A JP 2001502158 A JP2001502158 A JP 2001502158A JP 3595796 B2 JP3595796 B2 JP 3595796B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
integrated circuit
semiconductor integrated
circuit device
mos
life
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001502158A
Other languages
English (en)
Inventor
健治 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP3595796B2 publication Critical patent/JP3595796B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/28Testing of electronic circuits, e.g. by signal tracer
    • G01R31/2851Testing of integrated circuits [IC]
    • G01R31/2855Environmental, reliability or burn-in testing
    • G01R31/286External aspects, e.g. related to chambers, contacting devices or handlers
    • G01R31/2868Complete testing stations; systems; procedures; software aspects
    • G01R31/287Procedures; Software aspects
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L22/00Testing or measuring during manufacture or treatment; Reliability measurements, i.e. testing of parts without further processing to modify the parts as such; Structural arrangements therefor

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Testing Of Individual Semiconductor Devices (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Description

【0001】
[技術分野]
本発明は、MOS型トランジスタ等のMOS型素子を有する半導体集積回路装置の寿命測定方法及びその管理方法に関する。
【0002】
[背景技術]
半導体集積回路装置は色々な種類の回路素子により構成されている。これらの回路素子の1つであるMOS型トランジスタの寿命は、半導体集積回路装置の信頼性に大きな影響を与える。
【0003】
近年、半導体集積回路装置の集積度が向上するに伴って、MOS型トランジスタに用いられるゲート絶縁膜の厚さが極めて薄くなってきているため、ゲート絶縁膜の劣化がMOS型トランジスタの寿命を規定し、ひいては半導体集積回路装置自体の寿命を強く左右する。
【0004】
従来、半導体集積回路装置の信頼性を評価するために、半導体集積回路装置に含まれる複数の小さなMOS型トランジスタに代えて、比較的面積の大きいゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型キャパシタを作製して、該キャパシタのゲート絶縁膜の寿命を推定していた。すなわち、従来は、比較的面積の大きいゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタと、複数の小さなMOS型トランジスタとが等価であるという前提の下で、半導体集積回路装置の信頼性を評価していた。
【0005】
例えば、面積1μm の100個のMOS型トランジスタにより構成されてる半導体集積回路装置の寿命は、面積100μm のMOS型キャパシタの寿命と等価であると考えられていた。言い換えると、面積1μm の100個のMOS型トランジスタにより構成されている半導体集積回路装置の寿命は、100個のMOS型トランジスタのうち最初の1個のMOS型トランジスタが絶縁破壊(リーク電流が規定値を越えること)するまでの時間であって、その時間は、面積100μm のMOS型キャパシタの寿命、つまり該MOS型キャパシタが絶縁破壊するまでの時間と等しいと考えられていた。
【0006】
具体的には、膜厚が4nm程度を超えるゲート絶縁膜(以下、厚いゲート絶縁膜と称する)を有するMOS型トランジスタにおいては、ストレスの印加による急峻なリーク電流の増大、つまりハードブレークダウン(hard−breakdown:HBD)の発生を確認することができる。この場合、テスト用MOS型キャパシタを用いることにより、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型トランジスタのうちの1つにHBDが発生するまでの時間を推定して、推定された時間を半導体集積回路装置の寿命として求めることができる。
【0007】
しかしながら、膜厚が4nm程度以下のゲート絶縁膜、つまり直接トンネル電流が支配的になるようなゲート絶縁膜(以下、薄いゲート絶縁膜と称する)を有するMOS型トランジスタにおいては、HBDの発生を確認することは困難である。
【0008】
すなわち、MOS型トランジスタのゲート絶縁膜の薄膜化に伴って、従来のように明白な絶縁破壊を観察できなくなり、その結果、半導体集積回路装置の寿命を正確に推定できないという問題が生じてきた。
【0009】
[発明の開示]
前記に鑑み、本発明は、薄いゲート絶縁膜がMOS型素子に用いられている場合にも、半導体集積回路装置の寿命を正確に推定できるようにすることを目的とする。
【0010】
前記の目的を達成するため、本件発明者は、半導体集積回路装置の寿命について種々の検討を行なった結果、次のような知見を得た。
【0011】
膜厚が6nm程度以下のゲート絶縁膜を有するMOS型トランジスタにおいては、ストレスを印加し続けた場合にソフトブレークダウン(soft−breakdown:SBD)の発生を確認することができる。SBDは、従来の基準によれば「絶縁破壊したとは言えない段階」にあるが、SBDの状態にあるゲート絶縁膜には僅かなリーク電流が流れる。具体的には、本願明細書において、SBDとは、ゲート絶縁膜の局所領域を流れるリーク電流の電流密度が、ストレス印加前に比べて100倍程度以上増加すると共に局所領域以外の他の領域を流れるリーク電流の電流密度よりも大きくなる現象を意味している。尚、膜厚が6nm程度を超えるゲート絶縁膜を有するMOS型トランジスタにおいては、SBDの発生条件が満たされると、SBDの発生と同時にHBDが発生する確率が高くなるため、HBDと区別してSBDの発生を確認することは困難である。
【0012】
以下、SBDについて図1を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、膜厚2.4nm、面積0.01mm のゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタに定電圧ストレスを繰り返し印加したときに得られるゲート電流−ゲート電圧(I −V )特性の変化を示す図である。
【0014】
図1に示すように、ストレス電圧が印加されると、I−V特性は直接トンネル電流が支配的な初期(initial )状態から、SBDの発生に起因するBモードストレス誘起リーク電流(以下、B−SILC電流と称する)がゲート絶縁膜の局所領域を流れるB−SILC状態に変化する。
【0015】
また、ストレス印加時間の経過に伴ってB−SILC電流が増大するので、図1に示すように、B−SILC状態におけるI−V特性は曲線a→曲線b→曲線c→曲線dのように順次変化する。
【0016】
E.Wuらは、MOS型トランジスタにおけるゲート電極とソース領域又はドレイン領域とのオーバーラップ領域にSBDが発生した場合、MOS型トランジスタが動作不能になることを報告している(E. Wu et al., IEDM (1998) 187.)。すなわち、E.Wuらは、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型トランジスタのうちの1つにSBDが発生するまでの時間が半導体集積回路装置の寿命であると考えている(第1の寿命推定の考え方)。
【0017】
以下、本件発明者が「第1の寿命推定の考え方」を検討した結果について説明する。
【0018】
図2は、同一の半導体基板上に形成された2つのMOS型キャパシタ(以下、サンプルA及びサンプルBと称する)に対して−4.3V(「−」はゲート電極側が低電位であることを意味する)の定電圧ストレス印加(CVS)を行なった場合におけるリーク電流(I )とストレス印加時間との関係を示している。尚、サンプルA及びBは同一構成(膜厚2.4nm、面積0.01mm )のゲート絶縁膜を有している。また、サンプルA及びBに対するストレスの印加方法は互いに異なっている。具体的には、サンプルAについては、SBDの発生を確認した後も連続的にストレス印加を行なっており、サンプルBについては、SBDの発生を確認した時点でストレス印加をいったん中断し、その後再度ストレス印加を行なっている。図2において、サンプルB(1)のグラフは、ストレス印加の中断前におけるリーク電流とストレス印加時間との関係を示しており、サンプルB(2)のグラフは、ストレス印加の再開後におけるリーク電流とストレス印加時間との関係を示している。
【0019】
図2に示すように、サンプルAのリーク電流I はSBDの発生と同時に急激に増大し、その後、ゆるやかに増大している。それに対して、ストレス印加を再開した後のサンプルBのリーク電流I (サンプルB(2)のグラフ参照)はゆるやかに増大している一方、サンプルAのリーク電流I よりも小さい値になっている。
【0020】
すなわち、SBDの発生前後においてストレス印加を連続させるか否かによって、SBD発生後のリーク電流I のレベルには大きな差異が生じる。従って、SBD発生後のB−SILC電流の大きさは、SBDの発生までにゲート絶縁膜中で生じた劣化(膜中欠陥の形成等)によって決定されるのではなく、SBD発生後にゲート絶縁膜中で生じた劣化(以下、絶縁膜劣化と称する)によって決定されていることがわかる。
【0021】
ところで、SBD発生後に絶縁膜劣化が進行する原因は次のように考えられている。すなわち、ストレス印加によりMOS型キャパシタに蓄えられた電荷がSBDパス(ゲート絶縁膜におけるSBDの原因となる導電性パス)の形成時に該SBDパスを流れると、それに伴うジュール熱の発生によりSBDパスが広がってしまい、それによって、絶縁膜劣化が進行する(T. Sakura et al., IEDM (1998) 183.)。このとき、MOS型キャパシタに蓄えられている電荷の量は、ゲート絶縁膜の面積若しくは膜厚又はストレス電圧に依存して変化するので、SBD発生後における絶縁膜劣化の程度も、ゲート絶縁膜の面積若しくは膜厚又はストレス電圧に大きく依存する。
【0022】
前述のように、図2に示すデータは、面積0.01mm のゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタに対して、4.3V(絶対値)のストレス電圧を印加することにより得られたものである。それに対して、寿命推定の対象となる半導体集積回路装置(以下、実デバイスと称する)が有する各MOS型トランジスタのゲート絶縁膜の面積は例えば1μm 程度であり、また、各MOS型トランジスタに実使用条件下で印加されるゲート電圧は例えば1.5V程度である。このため、図2に示すデータを測定するための実験においては、実デバイスに比べて約3万倍大きい電荷量に相当するリーク電流がSBDパスを流れたことになる。但し、SBDパスの形成時におけるSBDパスのサイズは絶縁膜の面積には依存しない。従って、実デバイスに含まれる1つのMOS型トランジスタにおいてSBDが発生しても、ゲート絶縁膜を流れるB−SILC電流量はトランジスタの動作上問題のない低いレベルになると考えられる。
【0023】
ここで、定電流ストレス印加(CCS)を用いたB−SILC電流の測定方法について、図3のフロー図を参照しながら説明しておく。
【0024】
ステップS1において、MOS型トランジスタ等の試料に対して印加するストレス電流の大きさをIstress[A]に設定し、SBD発生の判定を行なう時間間隔をt[s]に設定し、SBD発生の判定の基準となる電圧変動のしきい値(以下、変動しきい値と称する)をr[%]に設定する。
【0025】
ステップS2において試料に対してIstress[A]のストレス電流の印加を開始すると共に、ステップS3においてIstress[A]のストレス電流の印加に必要なストレス電圧の大きさ(第1の電圧値V )を測定した後、ステップS4においてIstress[A]のストレス電流の印加をt秒間保持し、その後、ステップS5においてIstress[A]のストレス電流の印加に必要なストレス電圧の大きさ(第2の電圧値V )を測定する。
【0026】
ステップS6において、第2の電圧値V と第1の電圧値V との間の電圧変動V−Vの絶対値の、第1の電圧値V に対する割合がr%以上になっているかどうかを判定する。
【0027】
電圧変動V−Vの絶対値の第1の電圧値V に対する割合がr%未満である場合(SBDが発生していない場合)、ステップS7において、第1の電圧値V を第2の電圧値V により更新した後、ステップS4に戻る。
【0028】
電圧変動V−Vの絶対値の第1の電圧値V に対する割合がr%以上である場合(SBDが発生している場合)、ステップS8において、ストレス印加を中止した後、ステップS9において、ストレス印加を開始してから経過したストレス印加時間の合計をSBD発生時間(ストレス印加開始からSBD発生までの時間)TSBとして求める。その後、ステップS10において、試料に対して所定の大きさのゲート電圧を印加したときのリーク電流量、つまりB−SILC電流量IBSILC を測定する。
【0029】
尚、図3に示すB−SILC電流量の測定方法において、時間間隔t[s]を短く設定することにより、SBDの発生とほぼ同時にストレス印加を中断できるので、前述したように、SBD発生後の絶縁膜劣化をある程度抑制できる。
【0030】
図4は、図3に示すB−SILC電流の測定方法により得られたB−SILC電流量IBSILC と、ストレス電流量Istressとの相関関係を示す図である。言い換えると、図4はB−SILC電流のストレス条件依存性を示している。尚、図4に示すB−SILC電流量IBSILC は、膜厚2.4nm、面積0.01mm のゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタに対して種々の大きさのストレス電流を印加してSBDを発生させた後に−1.5Vのゲート電圧V を印加することにより得られたものである。また、図4においては、SBDの発生後に−1.5Vのゲート電圧V の印加を100秒間保持し続けた場合におけるB−SILC電流量IBSILC のばらつきも示している。
【0031】
図4に示すように、B−SILC電流量IBSILC とストレス電流量Istressとの間には相関関係(破線参照)が存在している。すなわち、B−SILC電流量IBSILC はストレス電流量Istressにわずかに依存しており、ストレス電流量Istressが小さくなるとB−SILC電流量IBSILC も小さくなる。但し、図4に示すように、ストレス電流量Istressがある程度以上大きくなると、破線で示す相関関係に比べて、より大きなB−SILC電流量IBSILC (−1μA〜−10μA)が流れる。
【0032】
図5は、図3に示すB−SILC電流の測定方法をストレス電流量(Istress)を変化させながら用いることにより得られたI−V特性の変化を示す図である。尚、図5に示すI−V特性は、膜厚2.4nm、面積0.01mm のゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタに対して種々の大きさのストレス電流を印加してSBDを発生させた後に種々の大きさのゲート電圧V を印加することにより得られたものである。また、図5において、図4に示す相関関係(破線)が満たされる領域で得られたI−V特性、つまりゲート電圧V が−1.5VのときのB−SILC電流量IBSILC が1μA(絶対値)よりも小さくなる領域で得られたI−V特性を曲線aで示しており、図4に示す相関関係が満たされない領域で得られたI−V特性、つまり電圧V が−1.5VのときのB−SILC電流量IBSILC が1μA(絶対値)以上になる領域で得られたI−V特性を曲線b又はcで示しており、ストレス印加前のI−V特性を曲線initial で示している。
【0033】
図5の曲線aに示すI−V特性の場合、ゲート電流量つまりリーク電流量はトランジスタの動作上問題のないレベルである。一方、図5の曲線b又はcに示すI−V特性の場合、リーク電流量はトランジスタが動作不能になるレベルに達している。しかし、前述したように、B−SILC電流量はストレス条件(ストレス電流又はストレス電圧等)に対する依存性を有しているので、実デバイスに含まれるMOS型トランジスタにおいては、図5の曲線b又はcに示すようなリーク電流のレベルに達することはないと考えられる。
【0034】
以上に説明したように、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型トランジスタのうちの1つにSBDが発生しても半導体集積回路装置自体の動作には支障がないと考えられる。このため、「第1の寿命推定の考え方」に基づき半導体集積回路装置の寿命を推定した場合には、推定された寿命が実状よりも短くなる可能性がある。従って、「第1の寿命推定の考え方」を用いて推定された寿命が所望値(例えば10年)に等しくなるように、MOS型トランジスタのゲート絶縁膜の膜厚又はゲート電圧等を設定した場合には、ゲート絶縁膜の膜厚が不必要に厚くなったり、又はゲート電圧が不必要に低くなったりする可能性がある。その結果、MOS型トランジスタの動作速度が低下して、半導体集積回路装置の性能が大幅に低下してしまう。
【0035】
「背景技術」で説明したように、薄いゲート絶縁膜が用いられたMOS型トランジスタにおいては、HBDの発生を明確に確認することは困難である。
【0036】
そこで、本件発明者は「HBDの発生」を新たに定義して、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型トランジスタのうちの1つに新たに定義されたHBD(以下、再定義HBD)が発生するまでの時間が半導体集積回路装置の寿命であると考えてみた(第2の寿命推定の考え方)。
【0037】
以下、本件発明者が「第2の寿命推定の考え方」を検討した結果について説明する。
【0038】
MOS型トランジスタにSBDが発生している場合においても、例えば図1の曲線dに示すようにリーク電流量つまりゲート電流量は十分小さいため、ゲート絶縁膜の真下にキャリアのチャネルとなる反転層を形成することができる。
【0039】
しかしながら、MOS型トランジスタのドレイン電流−ゲート電圧(I−V)特性を考慮すると、MOS型トランジスタのオン状態とオフ状態とを区別するためには、例えば1.5V(絶対値)の動作電圧におけるゲート電流の大きさを数μA〜10μA程度のしきい値以下に抑えることが求められる。
【0040】
そこで、ゲート電流の大きさが前述のしきい値を超えた時を再定義HBDの発生時とする。
【0041】
図6は、膜厚2.4nm、面積0.01mm のゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタに対してSBD発生後に−3.25Vの定電圧ストレス印加(CVS)を行なった場合におけるリーク電流(I )とSBD発生後のストレス印加時間との関係を示している。尚、図6に示すリーク電流は、ストレス印加後にMOS型キャパシタに対して−1.5V及び−0.5Vのゲート電圧V をそれぞれ印加することにより得られたものである。また、SBD発生の確認には、例えば図3に示すB−SILC電流の測定方法を用いる。
【0042】
図6に示すように、リーク電流I の大きさは、電圧V が−1.5Vでも−0.5Vでも、破線で示す時点まではほぼ一定となる一方、破線で示す時点を過ぎると増大していく。また、ゲート電圧V が−1.5Vのときのリーク電流I は、図6の破線で示す時点の前後においてほぼ連続的に変化している一方、ゲート電圧V が−0.5Vのときのリーク電流I は、図6の破線で示す時点において突然増大している。
【0043】
再定義HBDの発生を確認するためには、ゲート電圧V が−1.5Vのときのリーク電流I が前述のしきい値(数μA〜10μA程度)を超える時を確認する必要がある。しかし、図6に示すように、しきい値のレベルはリーク電流I が連続的に増大していく領域に存在しているので、再定義HBDの発生時を厳密に求めることは困難である。そこで、ゲート電圧V が−0.5Vのときのリーク電流I が急峻な変化を生じる図6の破線で示す時点を、再定義HBDの発生時とみなして、SBD発生から再定義HBD発生までの時間(以下、HBD発生時間THBと称する)を求める。このようにして求められたHBD発生時間THBのストレス電圧Vstressに対する依存性(以下、ストレス電圧依存性と称する)を図7に示す。尚、図7に示すデータは、ストレス電圧Vstressを25℃の温度下で印加することにより得られたものである。また、図7において、例えば図3に示すB−SILC電流の測定方法により得られたSBD発生時間TSBのストレス電圧依存性を参考のために示している。
【0044】
図7に示すように、HBD発生時間THBのストレス電圧依存性とSBD発生時間TSBのストレス電圧依存性とは明らかに異なっており、ストレス電圧Vstressが実使用電圧(例えば−1.5V)程度である場合、HBD発生時間THBの方がSBD発生時間TSBよりも5桁程度以上も大きい。従って、MOS型キャパシタに再定義HBDが発生するまでの時間TBDは、厳密にはSBD発生時間TSBとHBD発生時間THBとの和で表されるが、実質的にはHBD発生時間THBで表すことができる。
【0045】
以上に説明したように、「第2の寿命推定の考え方」に基づき半導体集積回路装置の寿命を推定した場合には、半導体集積回路装置の寿命は実質的にHBD発生時間THBと等しくなる。
【0046】
ところで、ストレス印加時間が長くなるに従って、SBDの発生に起因するB−SILC電流が増大して消費電力量が増大するので、半導体集積回路装置の寿命に対する新たな制限要因として、B−SILC電流による消費電力量を考慮する必要が生じる。言い換えると、B−SILC電流による消費電力量が許容量を超えるかどうかという観点から半導体集積回路装置の寿命について考える必要がある。
【0047】
そこで、本件発明者は、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型トランジスタのそれぞれに流れるBモードストレス誘起リーク電流の合計量が所定の基準値(例えば半導体集積回路装置全体の消費電力規格に基づき決定される)に達するまでに要する時間が半導体集積回路装置の寿命であると考えてみた(第3の寿命推定の考え方)。
【0048】
以下、本件発明者が「第3の寿命推定の考え方」を検討した結果について説明する。
【0049】
第3の寿命推定の考え方においては、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型トランジスタのそれぞれの挙動を考慮する。すなわち、複数のMOS型トランジスタにおけるSBDの発生箇所であるSBDスポットの数に応じて半導体集積回路装置全体の劣化の程度が変化すると考える。以下、説明を簡単にするために、SBDスポットの数を、1個のSBDスポットが発生しているトランジスタ(以下、SBDトランジスタと称する)の数として表現する。実際には、一つのトランジスタにおいても複数個のSBDスポットが生じるが、統計的には、例えば1個のトランジスタに100個のSBDスポットが生じることは、100個のトランジスタに1個ずつSBDスポットが生じることと等価である。
【0050】
今、一つの半導体チップとして形成されている半導体集積回路装置にN(Nは自然数)個のMOS型トランジスタが含まれていると仮定する。N個のMOS型トランジスタのうちSBDトランジスタの個数が増加するに伴って、半導体集積回路装置を流れるBモードストレス誘起リーク電流の合計量(以下、総リーク電流と称する)が増大する。このとき、1個のSBDスポットつまり1個のSBDトランジスタに流れるBモードストレス誘起リーク電流の大きさは、消費電力規格等に基づき半導体集積回路装置に要求される基準リーク電流量(以下、基準値と称する)と比べて小さいと考えられる。このため、SBDトランジスタの個数が少ない間は、半導体集積回路装置の総リーク電流は基準値よりも小さいと考えられる。
【0051】
以上に説明したように、「第3の寿命推定の考え方」においては、SBDトランジスタの個数の増加に伴って増大する総リーク電流が基準値を越えたときに半導体集積回路装置全体の寿命が尽きると考える。従って、総リーク電流が基準値を越える時点でのSBDトランジスタの個数をM個とすると、半導体集積回路装置の寿命は、ストレス印加の開始時点からSBDトランジスタの個数がM個になるまでの時間として求めることができる。
【0052】
本発明は、前記の知見、特に「第3の寿命推定の考え方」に基づきなされたものであって、具体的には、本発明に係る第1の半導体集積回路装置の寿命推定方法は、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型素子のそれぞれに流れるBモードストレス誘起リーク電流の合計量が所定の基準値に達するまでに要する時間を半導体集積回路装置の寿命として推定する。
【0053】
第1の半導体集積回路装置の寿命推定方法によると、MOS型素子におけるハードブレークダウン(HBD)の発生を確認することなく半導体集積回路装置の寿命を推定できるので、HBDの発生を確認できない薄いゲート絶縁膜がMOS型素子に用いられている場合にも、半導体集積回路装置の寿命を正確に推定することができる。
【0054】
また、第1の半導体集積回路装置の寿命推定方法によると、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型素子のうちの1つにSBDが発生するまでの時間を半導体集積回路装置の寿命として推定した場合(比較例)と比べて、より実状にあった半導体集積回路装置の寿命を推定することができる。従って、第1の半導体集積回路装置の寿命推定方法により推定された半導体集積回路装置の寿命が所望値に等しくなるようにMOS型素子のゲート絶縁膜の膜厚又はゲート電圧等を設定した場合には、ゲート絶縁膜の膜厚が不必要に厚くなったり、又はゲート電圧が不必要に低くなったりする事態を防止できる。その結果、半導体集積回路装置を微細化することができると共に、MOS型素子の動作速度を増大させて半導体集積回路装置の性能を向上させることができる。
【0055】
本発明に係る第2の半導体集積回路装置の寿命推定方法は、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型素子におけるソフトブレークダウンの発生箇所であるSBDスポット1個当たりに流れるBモードストレス誘起リーク電流の大きさを単位リーク電流量として求める第1の工程と、単位リーク電流量に基づき、複数のMOS型素子のそれぞれに流れるBモードストレス誘起リーク電流の合計量が所定の基準値を超えるのに必要なSBDスポットの最低数である限界スポット数を求める第2の工程と、複数のMOS型素子におけるSBDスポットの数が限界スポット数に達するまでに要する時間を半導体集積回路装置の寿命として推定する第3の工程とを備えている。
【0056】
第2の半導体集積回路装置の寿命推定方法によると、第1の半導体集積回路装置の寿命推定方法を確実に実現できるので、第1の半導体集積回路装置の寿命推定方法と同等の効果が確実に得られる。
【0057】
第2の半導体集積回路装置の寿命推定方法において、第3の工程は、面積S のゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型素子がソフトブレークダウンを起こすまでの時間T を求める工程と、
BSILC = T ×((M×S )/Schip1/m
(但し、TBSILC は半導体集積回路装置の寿命であり、Mは限界スポット数であり、Schipは複数のMOS型素子におけるゲート絶縁膜の総面積であり、mは時間T のワイブル分布における形状パラメータである)
を用いて半導体集積回路装置の寿命を求める工程とを含むことが好ましい。
【0058】
このようにすると、半導体集積回路装置の寿命を正確に求めることができる。
【0059】
第2の半導体集積回路装置の寿命推定方法において、半導体集積回路装置は面積STrのゲート絶縁膜を有するN(Nは自然数)個のMOS型素子により実質的に構成されており、第3の工程は、面積STrのゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型素子がソフトブレークダウンを起こすまでの時間TSB(Tr)を求める工程と、
BSILC = TSB(Tr)×(M/N)1/m
(但し、TBSILC は半導体集積回路装置の寿命であり、Mは限界スポット数であり、mは時間TSB(Tr)のワイブル分布における形状パラメータである)
を用いて半導体集積回路装置の寿命を求める工程とを含むことが好ましい。
【0060】
このようにすると、半導体集積回路装置の寿命を正確に求めることができる。
【0061】
第2の半導体集積回路装置の寿命推定方法において、半導体集積回路装置は面積STrのゲート絶縁膜を有するN(Nは自然数)個のMOS型素子により実質的に構成されており、第3の工程は、面積STrのゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型素子がソフトブレークダウンを起こすまでの時間TSB(Tr)を求める工程と、
BSILC =TSB(Tr)×((M×STr)/Schip1/m
(但し、TBSILC は半導体集積回路装置の寿命であり、Mは限界スポット数であり、Schipは複数のMOS型素子におけるゲート絶縁膜の総面積であり、mは時間TSB(Tr)のワイブル分布における形状パラメータである)
を用いて半導体集積回路装置の寿命を求める工程とを含むことが好ましい。
【0062】
このようにすると、半導体集積回路装置の寿命を正確に求めることができる。
【0063】
第2の半導体集積回路装置の寿命推定方法において、第3の工程は、テスト用MOS型素子がソフトブレークダウンを起こすまでの時間に関するワイブル関数を求める工程と、前記ワイブル関数のワイブルプロットを用いて、半導体集積回路装置の寿命を求める工程とを含むことが好ましい。
【0064】
このようにすると、半導体集積回路装置の寿命を正確に求めることができる。
【0065】
本発明に係る半導体集積回路装置の管理方法は、半導体集積回路装置の実使用電圧が印加されている場合における、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型素子のそれぞれに流れるBモードストレス誘起リーク電流の合計量が所定の基準値に達するまでに要する第1の時間を推定する第1の工程と、第1の時間に基づき、実使用電圧よりも高い試験電圧が印加されている場合におけるテスト用MOS型素子がソフトブレークダウンを起こすまでの第2の時間を推定した後、該第2の時間に基づき、テスト用MOS型素子における予め定められた管理項目と対応する管理基準を決定する第2の工程と、試験電圧が印加された場合におけるテスト用MOS型素子の管理項目を測定した後、該測定の結果が管理基準を満たしているかどうかを判定する第3の工程とを備えている。
【0066】
本発明の半導体集積回路装置の管理方法によると、実使用電圧下で複数のMOS型素子のそれぞれに流れるBモードストレス誘起リーク電流の合計量が所定の基準値に達するまでに要する第1の時間、つまり第1の半導体集積回路装置の寿命推定方法により得られた実使用電圧下での半導体集積回路装置の寿命に基づいて、半導体集積回路装置の管理を行なうことができる。このため、HBDの発生を確認できない薄いゲート絶縁膜がMOS型素子に用いられている場合にも、半導体集積回路装置の管理を確実に行なうことができる。
【0067】
[発明を実施するための最良の形態]
まず、本発明の半導体集積回路装置の寿命推定方法の基本原理について、1つの半導体チップとして形成されている半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型トランジスタにおいてSBDに起因するB−SILC電流が増大している場合を例として説明する。
【0068】
尚、本発明の半導体集積回路装置の寿命推定方法は、「第3の寿命推定の考え方」(「発明の開示」参照)に基づきなされたものである。
【0069】
以下の説明においては、半導体集積回路装置中に含まれるMOS型トランジスタの個数をN(Nは自然数)個とし、実動作電圧下で1個のSBDスポットが発生した1個のMOS型トランジスタ、つまり1個のSBDトランジスタに流れるB−SILC電流の大きさである単位電流量をIBSILC とし、半導体集積回路装置全体の消費電力規格に基づき決定される最大オフリーク電流量つまり基準値をIoffspec とする。
【0070】
半導体集積回路装置全体を流れるオフリーク電流量をIoff 、SBDトランジスタの個数をM0とすると、
off = M0 × IBSILC ……(式1)
が成り立つ。
【0071】
今、N個のMOS型トランジスタの中でSBDトランジスタの個数がM個になったとき、オフリーク電流量Ioff が最大オフリーク電流量Ioffspec に達したとすると、(式1)より、
M = Ioffspec / IBSILC ……(式2)
が成り立つ。尚、以下の説明において、Mは自然数に限定されない。
【0072】
本発明においては、N個のMOS型トランジスタの中でSBDトランジスタの個数がM個に達するまでに要する時間が半導体集積回路装置の寿命TBSILC であると考える。
【0073】
以下、SBD発生時間TSB(「発明の開示」参照)に基づき寿命TBSILC を算出する方法を説明する。尚、SBD発生時間TSBは、例えば図3に示すB−SILC電流の測定方法により求めることができる。
【0074】
図8は、SBD発生時間TSBに基づき寿命TBSILC を算出する方法において用いられるワイブルプロットである。ワイブルプロットは、通常、絶縁膜不良(絶縁破壊又は規格外リーク電流等)の発生を統計的に処理するために用いられる。図8において、横軸はlogスケールでのストレス印加時間(以下、単に時間と称する)を示しており、縦軸はワイブル関数Wの値を示している。
【0075】
一般的に、ワイブル関数Wは累積不良率をFとすると、
W = ln{−ln(1−F)}……(式3)
のように表すことができる。
【0076】
また、累積不良率Fは「測定したサンプルの総数」に対する「ブレークダウンしたサンプルの数」の割合であり、累積不良率Fの時間(t)に対する依存性は、
F(t)= 1 − exp{−(t/T) }……(式4)
のように表すことができる。(式4)においてmは形状パラメータ(ワイブルスロープ)であり、Tは尺度パラメータ((式3)に示すワイブル関数Wの値が0になるときの時間)である。
【0077】
面積S のゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタの尺度パラメータがT であるとき、任意の面積Sのゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタの尺度パラメータをTとすると、
T(S) = T × (S /S)1/m ……(式5)
が成り立つ(T. Nigam et al.,IRPS (1998) 62. )。すなわち、(式5)は尺度パラメータTの面積依存性を表しており、面積S のゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタの尺度パラメータT が分かっている場合には、任意の面積Sのゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタの尺度パラメータT、つまり(式3)に示すワイブル関数Wの値が0になるときの時間を(式5)により求めることができる。
【0078】
図8において、WSB(Tr)は、半導体集積回路装置に含まれる1個のMOS型トランジスタのゲート絶縁膜と同じ面積のゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型キャパシタでSBDが発生するまでの時間に関するワイブル関数を示している。すなわち、WSB(Tr)は、半導体集積回路装置に含まれる1個のMOS型トランジスタでSBDが発生するまでの時間に関するワイブル関数である。また、WSB(chip)は、半導体集積回路装置に含まれる全てのMOS型トランジスタのゲート絶縁膜の総面積と同じ面積のゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型キャパシタでSBDが発生するまでの時間に関するワイブル関数を示している。すなわち、WSB(chip)は、半導体集積回路装置に含まれるN個のMOS型トランジスタのうちの1個のトランジスタでSBDが発生するまでの時間に関するワイブル関数である。
【0079】
また、図8において、WSB(Tr)=0となる時間TSB(Tr)は累積不良率Fが0.63となる時間(サンプル総数の63%に「SBDが発生する」するまでの時間である。
【0080】
ところで、ワイブル関数WSB(Tr)とワイブル関数WSB(chip)との間の差異は、対応するテスト用MOS型キャパシタのゲート絶縁膜の面積の違いに起因している。一般に、面積Sのゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタのワイブル関数W(S)と、面積S のゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタのワイブル関数W(S )との間には、
W(S)− W(S ) = −ln(S /S)……(式6)
が成り立つ(T. Nigam et al.,IRPS (1998) 62. )。
【0081】
ところで、半導体集積回路装置に含まれる各MOS型トランジスタのゲート絶縁膜の面積が互いに異なっていても、MOS型トランジスタの数が非常に多い場合には、各MOS型トランジスタのゲート絶縁膜の面積を、全てのMOS型トランジスタのゲート絶縁膜の面積の平均値又は中心値STr(例えば1μm )で定義して、半導体集積回路装置が面積STrのゲート絶縁膜を有するN個のMOS型トランジスタにより実質的に構成されているものとみなすことができる。
【0082】
このとき、(式6)より、
Figure 0003595796
が得られる。
【0083】
(式7)を用いることによって、1個のMOS型トランジスタでSBDが発生するまでの時間の分布を表すWSB(Tr)に基づき、N個のMOS型トランジスタのうちの1個のトランジスタでSBDが発生するまでの時間の分布を表すWSB(chip)を求めることが可能になる。
【0084】
同様に、N個のMOS型トランジスタのうちのM個のトランジスタでSBDが発生するまでの時間の分布をWBSILC とすると、
Figure 0003595796
が得られるので、(式8)を用いてWBSILC を求めることができる。
【0085】
従って、半導体集積回路装置に含まれる1個のMOS型トランジスタでSBDが発生するまでの時間に関するワイブル関数WSB(Tr)がわかっていると、半導体集積回路装置に含まれるN個のMOS型トランジスタのうちのM個のトランジスタでSBDが発生するまでの時間、つまり本発明における半導体集積回路装置の寿命TBSILC を任意の累積不良率Fについて求めることができる。同様に、ワイブル関数WSB(Tr)を用いることにより、半導体集積回路装置に含まれるN個のMOS型トランジスタのうちの1個のトランジスタでSBDが発生するまでの時間TSB(chip)を任意の累積不良率Fについて求めることができる。
【0086】
尚、ワイブル関数WSB(Tr)は、例えば図3に示すB−SILC電流の測定方法等を用いて、半導体集積回路装置に含まれる1個のMOS型トランジスタのゲート絶縁膜と同じ面積のゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型キャパシタについてSBD発生時間TSBを測定すること等によっても得られる。
【0087】
以下、図8に示すワイブル関数WSB(Tr)のワイブルプロットを用いて、例えば累積不良率Fが0.63(ワイブル関数が0)のときのTBSILC 及びTSB(chip)を作図的に求める方法(以下、作図的方法と称する)について説明する。
【0088】
まず、(式7)に基づき、WSB(Tr)=ln(1/N)となる時間においてワイブル関数Wの値が0となり且つWSB(Tr)に対して平行な直線を引くことによって、WSB(chip)を決定する。
【0089】
同様に、(式8)に基づき、WSB(Tr)=ln(M/N)となる時間においてワイブル関数Wの値が0となり且つWSB(Tr)に対して平行な直線を引くことによって、WBSILC を決定する。
【0090】
次に、WSB(chip)とW=0の直線との交点から横軸に垂線を降ろすことによりTSB(chip)を求める。
【0091】
同様に、WBSILC とW=0の直線との交点から横軸に垂線を降ろすことによりTBSILC を求める。
【0092】
以下、例えばワイブル関数WSB(Tr)から得られた時間TSB(Tr)(半導体集積回路装置に含まれる1個のMOS型トランジスタでSBDが発生するまでの時間)を用いて、計算によりTBSILC 及びTSB(chip)を求める方法について説明する。
【0093】
(式5)を変形したT(S)/T =(S /S)1/m と、(式7)及び(式8)を用いることにより、
Figure 0003595796
が得られる。
【0094】
また、(式9)及び(式10)より、
Figure 0003595796
が得られる。
【0095】
従って、例えばワイブル関数WSB(Tr)に基づきTSB(Tr)を求めた後、TSB(Tr)と(式10)とを用いることにより、TBSILC を算出することができる。あるいは、例えばワイブル関数WSB(chip)に基づきTSB(chip)を求めた後、TSB(chip)と(式11)を用いることにより、TBSILC を算出することができる。
【0096】
以上の説明においては、半導体集積回路装置が面積STrのゲート絶縁膜を有するN個のMOS型トランジスタにより実質的に構成されている場合について、1個のMOS型トランジスタと対応するテスト用MOS型キャパシタにSBDが発生するまでの時間を測定した後、該測定された時間に基づき、半導体集積回路装置の寿命TBSILC つまりN個のMOS型トランジスタのうちのM個のトランジスタでSBDが発生するまでの時間を求めてきた。
【0097】
ところで、(式7)若しくは(式8)又は図8に示すように、MOS型トランジスタにおけるSBD発生の可能性はゲート絶縁膜の面積により決定されている。また、前述したように(「第3の寿命推定の考え方」参照)、本発明においては、1つのSBDスポットと1つのSBDトランジスタとは等価に扱うことができる。
【0098】
従って、半導体集積回路装置に含まれる各MOS型トランジスタのゲート絶縁膜の面積が互いに異なっている場合でも、半導体集積回路装置に含まれる全てのMOS型トランジスタのゲート絶縁膜の総面積Schipがわかっていれば、任意の面積S のゲート絶縁膜を有するテスト用のMOS型キャパシタにSBDが発生するまでの時間T を求めた後、該時間T と次の(式12)とに基づき、半導体集積回路装置の寿命TBSILC (この場合は半導体集積回路装置にM個のSBDスポットが発生するまでの時間)を求めることができる。
【0099】
BSILC = T ×((M×S )/Schip1/m ……(式12)
但し、(式12)は、(式11)を変形したTBSILC =TSB(chip)×M1/m と、(式5)にT(S)=TSB(chip)、S=Schipを代入したTSB(chip)=T ×(S /Schip1/m とに基づき導かれている。
【0100】
同様に、前述の作図的方法においても、半導体集積回路装置に含まれる全てのMOS型トランジスタのゲート絶縁膜の総面積Schipがわかっていれば、任意の面積S のゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型キャパシタにSBDが発生するまでの時間に関するワイブル関数W を求めた後、該ワイブル関数W のワイブルプロットを用いて、半導体集積回路装置の寿命TBSILC を求めることができる。
【0101】
〈第1の実施形態〉
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の寿命推定方法について、例えば1000万個のMOS型トランジスタを有する半導体集積回路装置の場合を例として説明する。
【0102】
まず、例えば図3に示すB−SILC電流の測定方法を、任意の面積のゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型キャパシタに対して用いることにより、半導体集積回路装置におけるSBDスポット1個当たりに流れるBモードストレス誘起リーク電流の大きさを単位リーク電流量IBSILC として求める。
【0103】
次に、単位リーク電流量IBSILC に基づき、1000万個のMOS型トランジスタのそれぞれに流れるBモードストレス誘起リーク電流の合計量である総リーク電流が所定の基準値を超えるのに必要なSBDスポットの最低数である限界スポット数Mを求める。尚、第1の実施形態においては所定の基準値として、半導体集積回路装置全体の消費電力規格に基づき決定される最大オフリーク電流量Ioffspec を用いる。
【0104】
例えば単位リーク電流量IBSILC が1μA、最大オフリーク電流量Ioffspec が1mAであるとすると、(式2)より、限界スポット数M=Ioffspec /IBSILC =1mA/1μA=1000(個)が得られる。この場合、例えば1000個のMOS型トランジスタに1個ずつSBDスポットが発生すると、半導体集積回路装置の総リーク電流が最大オフリーク電流量Ioffspec を超える。
【0105】
そこで、第1の実施形態においては、半導体集積回路装置つまり1000万個のMOS型トランジスタにおけるSBDスポットの数が限界スポット数(例えば1000個)に達するまでに要する時間を半導体集積回路装置の寿命TBSILC として推定する。
【0106】
具体的には、任意の面積S のゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型キャパシタがSBDを起こすまでの時間T を求めた後、例えば(式12)つまりTBSILC = T ×((M×S )/Schip1/m (但し、Mは1000であり、Schipは1000万個のMOS型トランジスタにおけるゲート絶縁膜の総面積であり、mは時間T のワイブル分布における形状パラメータである)を用いて半導体集積回路装置の寿命TBSILC を推定する。
【0107】
あるいは、任意の面積S のゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型キャパシタがSBDを起こすまでの時間に関するワイブル関数W を求めた後、該ワイブル関数W のワイブルプロットを用いて、半導体集積回路装置の寿命TBSILC を求めてもよい(前述の作図的方法参照)。
【0108】
また、半導体集積回路装置が面積STrのゲート絶縁膜を有するN個のMOS型トランジスタにより実質的に構成されている場合、面積STrのゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型キャパシタがSBDを起こすまでの時間TSB(Tr)を求めた後、例えば(式10)を変形したTBSILC =TSB(Tr)×(M/N)1/m 、又は(式12)にT =TSB(Tr)、S =STrを代入したTBSILC =TSB(Tr)×((M×STr)/Schip1/m の関係式(但し、Mは1000であり、Nは1000万であり、mは時間TSB(Tr)のワイブル分布における形状パラメータであり、Schipは1000万個のMOS型トランジスタにおけるゲート絶縁膜の総面積である)を用いることにより、半導体集積回路装置の寿命TBSILC を推定することができる。
【0109】
あるいは、面積STrのゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型キャパシタがSBDを起こすまでの時間に関するワイブル関数WSB(Tr)を求めた後、該ワイブル関数WSB(Tr)のワイブルプロットを用いて、半導体集積回路装置の寿命TBSILC を求めてもよい(前述の作図的方法参照)。
【0110】
以上に説明したように、第1の実施形態によると、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型トランジスタにおけるSBDスポット1個当たりに流れるBモードストレス誘起リーク電流の大きさを単位リーク電流量として求めた後、単位リーク電流量に基づき、複数のMOS型トランジスタのそれぞれに流れるBモードストレス誘起リーク電流の合計量である総リーク電流が所定の基準値を超えるのに必要なSBDスポットの最低数である限界スポット数を求め、その後、複数のMOS型素子におけるSBDスポットの数が限界スポット数に達するまでに要する時間を半導体集積回路装置の寿命として推定する。すなわち、第1の実施形態によると、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型トランジスタのそれぞれに流れるBモードストレス誘起リーク電流の合計量である総リーク電流が所定の基準値に達するまでに要する時間を半導体集積回路装置の寿命として推定することができる。このため、MOS型トランジスタにおけるハードブレークダウン(HBD)の発生を確認することなく半導体集積回路装置の寿命を推定できるので、HBDの発生を確認できない薄いゲート絶縁膜がMOS型トランジスタに用いられている場合にも、半導体集積回路装置の寿命を正確に推定することができる。
【0111】
また、第1の実施形態によると、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型トランジスタのうちの1つにSBDが発生するまでの時間を半導体集積回路装置の寿命として推定した場合(比較例)と比べて、より実状にあった半導体集積回路装置の寿命を推定することができる。具体的には、半導体集積回路装置が1000万個のMOS型トランジスタにより構成されている場合、比較例により推定された半導体集積回路装置の寿命が1000秒程度であるのに対して、第1の実施形態により推定された半導体集積回路装置の寿命は10 秒程度になる。従って、第1の実施形態により推定された半導体集積回路装置の寿命が所望値(例えば10年)と等しくなるようにMOS型トランジスタのゲート絶縁膜の膜厚又はゲート電圧等を設定した場合には、ゲート絶縁膜の膜厚が不必要に厚くなったり、又はゲート電圧が不必要に低くなったりする事態を防止できる。その結果、半導体集積回路装置を微細化することができると共に、MOS型トランジスタの動作速度を増大させて半導体集積回路装置の性能を向上させることができる。
【0112】
尚、第1の実施形態において、半導体集積回路装置に含まれるMOS型素子として1000万個のMOS型トランジスタを用いたが、半導体集積回路装置に含まれるMOS型素子の種類及び数は特に限定されるものではない。
【0113】
また、第1の実施形態において、テスト用MOS型素子としてテスト用MOS型キャパシタを用いたが、テスト用MOS型素子の種類は特に限定されるものではない。
【0114】
また、第1の実施形態において、所定の基準値として、半導体集積回路装置全体の消費電力規格に基づき決定される最大オフリーク電流量を用いたが、これに代えて、半導体集積回路装置の動作性能規格等に基づき決定される最大オフリーク電流量等を用いてもよい。
【0115】
〈第2の実施形態〉
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の管理方法について説明する。具体的には、第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の管理方法は、MOS型トランジスタ等のMOS型素子を複数個有する半導体集積回路装置の管理方法であって、第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の寿命推定方法により得られた半導体集積回路装置の寿命に基づく半導体集積回路装置の管理方法である。
【0116】
今、半導体集積回路装置を動作させるための電圧つまり実使用電圧下での半導体集積回路装置の寿命TBSILC は、第1の実施形態と同様に、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型素子のそれぞれに流れるBモードストレス誘起リーク電流の合計量である総リーク電流が所定の基準値に達するまでに要する時間として規定されているものとする。また、半導体集積回路装置の寿命TBSILC が所望値(例えば10年)と等しくなるように、半導体集積回路装置のデザイン又は製造プロセスが決定され、それに基づき実際に半導体集積回路装置が量産されているものとする。
【0117】
ところで、一般に、半導体集積回路装置の開発段階においては厳密な寿命評価(寿命推定)が行なわれている一方、半導体集積回路装置の生産段階においては簡便な管理指標(スペック)を用いて半導体集積回路装置の日常管理又は異常検出が行なわれている。
【0118】
半導体集積回路装置の日常管理においては、製品となる半導体集積回路装置の製造と同時に又は別個に製造されたサンプル(試料)となる半導体集積回路装置中に含まれるテスト用MOS型素子(MOS型キャパシタ又はMOS型トランジスタ等)が用いられる。
【0119】
また、前述のスペックとして用いられるパラメータ(以下、管理項目と称する)としては、例えば、テスト用MOS型素子のゲート絶縁膜に定電流ストレス又は定電圧ストレスが印加された場合における、絶縁破壊が起きるまでの時間(以下、絶縁破壊時間と称する)TBD又は絶縁破壊が起きるまでにゲート絶縁膜に注入された電子の総量(以下、絶縁破壊電荷量)QBD等が用いられる。
【0120】
以下、第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の管理方法について、量産された半導体集積回路装置が寿命TBSILC を持つように実際に製造されているか否かを管理(日常管理)する場合を例として詳しく説明する。但し、第2の実施形態において管理項目として用いられる絶縁破壊時間TBDは、テスト用MOS型素子のゲート絶縁膜に定電流ストレス又は定電圧ストレスが印加された場合におけるSBDが起きるまでの時間(以下、SBD発生時間と称する)TSBである。また、第2の実施形態において管理項目として用いられる絶縁破壊電荷量QBDは、テスト用MOS型素子のゲート絶縁膜に定電流ストレス又は定電圧ストレスが印加された場合におけるSBDが起きるまでにゲート絶縁膜に注入された電子の総量(以下、SBD発生電荷量と称する)QSBである。
【0121】
まず、実使用電圧が印加されている場合における、半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型素子のそれぞれに流れるBモードストレス誘起リーク電流の合計量である総リーク電流が所定の基準値に達するまでに要する第1の時間T1(つまり実使用電圧下での半導体集積回路装置の寿命TBSILC )を求める。
【0122】
次に、第1の時間T1に基づき、実使用電圧よりも高い試験電圧(以下、評価電圧と称する)が印加された場合におけるテスト用MOS型素子がソフトブレークダウンを起こすまでの第2の時間T2(つまり評価電圧下でのSBD発生時間TSB)を推定した後、該第2の時間T2に基づき、テスト用MOS型素子における予め定められた管理項目と対応する管理基準を決定する。
【0123】
管理項目としてSBD発生時間TSBが用いられる場合、例えば図9に示すような寿命TBSILC 及びSBD発生時間TSBのストレス電圧依存性を用いて、SBD発生時間TSBと対応する管理基準Tspecを決定することができる。
【0124】
具体的には、図9に示すように、実使用電圧下での半導体集積回路装置の寿命TBSILC つまり第1の時間T1が例えば10年となるポイントと対応するSBD発生時間TSBを求めた後、SBD発生時間TSBのストレス電圧依存性に基づいて、評価電圧下でのSBD発生時間TSBつまり第2の時間T2を求め、該第2の時間T2を管理基準Tspec(例えば1000秒)として決定する。
【0125】
尚、実使用電圧(例えば−1.5V)と比べて高い評価電圧がテスト用MOS型素子に印加されると、評価電圧下でのSBD発生時間TSBの時点でHBD又は再定義HBD(「発明の開示」参照)が起きる場合がある。この場合も、本実施形態においては、評価電圧の印加開始からHBD又は再定義HBDが起きるまでの時間をSBD発生時間TSBとして扱う。
【0126】
また、管理項目としてSBD発生電荷量QSBが用いられている場合には、第2の時間T2に基づき、SBD発生電荷量QSBと対応する管理基準Qspec(例えば1C/cm)を決定することができる。
【0127】
次に、評価電圧が印加された場合におけるテスト用MOS型素子の管理項目(SBD発生時間TSB又はSBD発生電荷量QSB)を実際に測定した後、該測定の結果が管理基準Tspec又はQspecを満たしているかどうかを判定する。これにより、半導体集積回路装置の日常管理を行なうことができる。また、テスト用MOS型素子の管理項目の測定を、実使用電圧よりも高い評価電圧下で行なっているため、図9に示すように、管理対象の半導体集積回路装置の寿命が、推定された寿命TBSILC と比較して長いか短いかを短時間で判定することができる。
【0128】
以上に説明したように、第2の実施形態によると、第1の時間T1、つまり第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の寿命推定方法により得られた実使用電圧下での半導体集積回路装置の寿命TBSILC に基づいて、半導体集積回路装置の管理を行なうことができる。このため、HBDの発生を確認できない薄いゲート絶縁膜がMOS型素子に用いられている場合にも、半導体集積回路装置の管理を確実に行なうことができる。
【0129】
尚、第2の実施形態においては、第1の実施形態に係る半導体集積回路装置の寿命推定方法により得られた実使用電圧下での半導体集積回路装置の寿命TBSILC (第1の時間T1)に基づき、管理基準を決定したが、これに代えて、テスト用MOS型素子の形状、寸法又は管理項目の測定条件(温度、電圧若しくは電流等)等を考慮して、或いは、実際に製造された半導体集積回路装置又はテスト用デバイスにおける管理項目の実測値に基づき、一の管理基準を決定した後、第1の時間T1に基づき他の管理基準を決定し、その後、他の管理基準を用いて一の管理基準の妥当性を評価してもよい。
【0130】
また、第2の実施形態において、半導体集積回路装置に含まれるMOS型素子の種類及び数は特に限定されるものではない。
【0131】
また、第2の実施形態において、管理項目は特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】膜厚2.4nm、面積0.01mm のゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタに定電圧ストレスを繰り返し印加した場合におけるゲート電流−ゲート電圧特性の変化を示す図である。
【図2】2つのMOS型キャパシタに対して定電圧ストレスを印加した場合におけるリーク電流とストレス印加時間との関係を示す図である。
【図3】定電流ストレス印加を用いたB−SILC電流の測定方法のフロー図である。
【図4】図3に示すB−SILC電流の測定方法により得られたB−SILC電流量とストレス電流量との相関関係を示す図である。
【図5】図3に示すB−SILC電流の測定方法により得られたゲート電流−ゲート電圧特性の変化を示す図である。
【図6】膜厚2.4nm、面積0.01mm のゲート絶縁膜を有するMOS型キャパシタに対してSBD発生後に−3.25Vの定電圧ストレスを印加した場合におけるリーク電流とSBD発生後のストレス印加時間との関係を示す図である。
【図7】HBD発生時間THB及びSBD発生時間TSBのストレス電圧依存性を示す図である。
【図8】本発明の半導体集積回路装置の寿命推定方法において用いられるワイブルプロットを示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る半導体集積回路装置の管理方法において用いられる寿命TBSILC 及びSBD発生時間TSBのストレス電圧依存性を示す図である。

Claims (10)

  1. 複数のMOS型素子を含む半導体集積回路装置に流れる、前記複数のMOS型素子のリーク電流の合計量が所定の基準値に達するまでに要する時間を前記半導体集積回路装置の寿命として推定することを特徴とする半導体集積回路装置の寿命推定方法。
  2. 複数のMOS型素子を含む半導体集積回路装置に流れる、前記複数のMOS型素子のBモードストレス誘起リーク電流の合計量が所定の基準値に達するまでに要する時間を前記半導体集積回路装置の寿命として推定することを特徴とする半導体集積回路装置の寿命推定方法。
  3. 前記所定の基準値は、前記半導体集積回路装置全体の基準リーク電流量に基づいて設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体集積回路装置の寿命推定方法。
  4. 前記所定の基準値は、前記複数のMOS型素子のうちの少なくとも1つが動作不能になるリーク電流量とは無関係に設定されることを特徴とする請求項3に記載の半導体集積回路装置の寿命推定方法。
  5. 半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型素子におけるソフトブレークダウンの発生箇所であるSBDスポット1個当たりに流れるBモードストレス誘起リーク電流の大きさを単位リーク電流量として求める第1の工程と、
    前記単位リーク電流量に基づき、前記複数のMOS型素子のそれぞれに流れるBモードストレス誘起リーク電流の合計量が所定の基準値を超えるのに必要な前記SBDスポットの最低数である限界スポット数を求める第2の工程と、
    前記複数のMOS型素子における前記SBDスポットの数が前記限界スポット数に達するまでに要する時間を前記半導体集積回路装置の寿命として推定する第3の工程とを備えていることを特徴とする半導体集積回路装置の寿命推定方法。
  6. 請求項5に記載の半導体集積回路装置の寿命推定方法において、
    前記第3の工程は、
    面積S0 のゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型素子がソフトブレークダウンを起こすまでの時間T0 を求める工程と、
    BSILC = T0 ×((M×S0 )/Schip1/m
    (但し、TBSILC は前記半導体集積回路装置の寿命であり、Mは前記限界スポット数であり、Schipは前記複数のMOS型素子におけるゲート絶縁膜の総面積であり、mは前記時間T0 のワイブル分布における形状パラメータである)
    を用いて前記半導体集積回路装置の寿命を求める工程とを含むことを特徴とする半導体集積回路装置の寿命推定方法。
  7. 請求項5に記載の半導体集積回路装置の寿命推定方法において、
    前記半導体集積回路装置は面積STrのゲート絶縁膜を有するN(Nは自然数)個のMOS型素子により実質的に構成されており、
    前記第3の工程は、
    面積STrのゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型素子がソフトブレークダウンを起こすまでの時間TSB(Tr)を求める工程と、
    BSILC = TSB(Tr)×(M/N)1/m
    (但し、TBSILC は前記半導体集積回路装置の寿命であり、Mは前記限界スポット数であり、mは前記時間TSB(Tr)のワイブル分布における形状パラメータである)
    を用いて前記半導体集積回路装置の寿命を求める工程とを含むことを特徴とする半導体集積回路装置の寿命推定方法。
  8. 請求項5に記載の半導体集積回路装置の寿命推定方法において、
    前記半導体集積回路装置は面積STrのゲート絶縁膜を有するN(Nは自然数)個のMOS型素子により実質的に構成されており、
    前記第3の工程は、
    面積STrのゲート絶縁膜を有するテスト用MOS型素子がソフトブレークダウンを起こすまでの時間TSB(Tr)を求める工程と、
    BSILC =TSB(Tr)×((M×STr)/Schip1/m
    (但し、TBSILC は前記半導体集積回路装置の寿命であり、Mは前記限界スポット数であり、Schipは前記複数のMOS型素子におけるゲート絶縁膜の総面積であり、mは前記時間TSB(Tr)のワイブル分布における形状パラメータである)
    を用いて前記半導体集積回路装置の寿命を求める工程とを含むことを特徴とする半導体集積回路装置の寿命推定方法。
  9. 請求項5に記載の半導体集積回路装置の寿命推定方法において、
    前記第3の工程は、
    テスト用MOS型素子がソフトブレークダウンを起こすまでの時間に関するワイブル関数を求める工程と、
    前記ワイブル関数のワイブルプロットを用いて、前記半導体集積回路装置の寿命を求める工程とを含むことを特徴とする半導体集積回路装置の寿命推定方法。
  10. 半導体集積回路装置の実使用電圧が印加されている場合における、前記半導体集積回路装置に含まれる複数のMOS型素子のそれぞれに流れるBモードストレス誘起リーク電流の合計量が所定の基準値に達するまでに要する第1の時間を推定する第1の工程と、
    前記第1の時間に基づき、前記実使用電圧よりも高い試験電圧が印加されている場合におけるテスト用MOS型素子がソフトブレークダウンを起こすまでの第2の時間を推定した後、該第2の時間に基づき、前記テスト用MOS型素子における予め定められた管理項目と対応する管理基準を決定する第2の工程と、
    前記試験電圧が印加された場合における前記テスト用MOS型素子の前記管理項目を測定した後、該測定の結果が前記管理基準を満たしているかどうかを判定する第3の工程とを備えていることを特徴とする半導体集積回路装置の管理方法。
JP2001502158A 1999-06-02 2000-06-02 半導体集積回路装置の寿命推定方法及びその管理方法 Expired - Fee Related JP3595796B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15510199 1999-06-02
PCT/JP2000/003573 WO2000075980A1 (fr) 1999-06-02 2000-06-02 Procede d'estimation de la duree de vie d'un dispositif a circuit integre a semi-conducteur et son procede de commande

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3595796B2 true JP3595796B2 (ja) 2004-12-02

Family

ID=15598654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001502158A Expired - Fee Related JP3595796B2 (ja) 1999-06-02 2000-06-02 半導体集積回路装置の寿命推定方法及びその管理方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6633177B1 (ja)
JP (1) JP3595796B2 (ja)
WO (1) WO2000075980A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220029352A (ko) * 2020-09-01 2022-03-08 건국대학교 산학협력단 반도체 소자의 초기 불량 검출 방법 및 장치

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1388937A (zh) * 2000-06-29 2003-01-01 松下电器产业株式会社 物品的重复利用方法
JP4841737B2 (ja) * 2000-08-21 2011-12-21 東京エレクトロン株式会社 検査方法及び検査装置
US6858448B2 (en) * 2001-06-07 2005-02-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method for evaluating and manufacturing a semiconductor device
US6700151B2 (en) * 2001-10-17 2004-03-02 Kilopass Technologies, Inc. Reprogrammable non-volatile memory using a breakdown phenomena in an ultra-thin dielectric
US6825684B1 (en) * 2002-06-10 2004-11-30 Advanced Micro Devices, Inc. Hot carrier oxide qualification method
US6856160B1 (en) * 2002-06-10 2005-02-15 Advanced Micro Devices, Inc. Maximum VCC calculation method for hot carrier qualification
US6806696B1 (en) * 2003-06-16 2004-10-19 Advanced Micro Devices, Inc. Method for determining a Weibull slope having a bias voltage variation adjustment
US6831451B1 (en) * 2003-06-16 2004-12-14 Advanced Micro Devices, Inc. Method for adjusting a Weibull slope for variations in temperature and bias voltage
TWI220079B (en) * 2003-07-29 2004-08-01 Macronix Int Co Ltd Adjustable frequency AC drive control circuit
US6927454B2 (en) * 2003-10-07 2005-08-09 International Business Machines Corporation Split poly-SiGe/poly-Si alloy gate stack
US7010463B1 (en) * 2003-10-14 2006-03-07 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Method of determining whether an improved item has a better mean lifetime than an existing item
US7230812B2 (en) * 2003-11-21 2007-06-12 Agere Systems Inc Predictive applications for devices with thin dielectric regions
JP4421364B2 (ja) * 2004-04-16 2010-02-24 株式会社東芝 半導体装置
US7106087B2 (en) * 2004-08-31 2006-09-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method and apparatus for evaluating semiconductor device
US7106088B2 (en) * 2005-01-10 2006-09-12 Taiwan Semiconductor Manufacturing Company, Ltd. Method of predicting high-k semiconductor device lifetime
US20060267621A1 (en) * 2005-05-27 2006-11-30 Harris Edward B On-chip apparatus and method for determining integrated circuit stress conditions
JP2011040541A (ja) * 2009-08-10 2011-02-24 Sony Corp ゲート絶縁膜の絶縁破壊寿命の評価方法、ゲート絶縁膜の絶縁破壊寿命の評価装置、ゲート絶縁膜の絶縁破壊寿命の評価用のプログラム
US8907686B2 (en) 2012-02-02 2014-12-09 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Army Method and apparatus for accelerating device degradation and diagnosing the physical changes of the device during the degradation process
US8775994B2 (en) * 2012-10-03 2014-07-08 Lsi Corporation Using entire area of chip in TDDB checking
CN109444609B (zh) * 2018-12-18 2024-03-01 北京交通大学 牵引变流器使用寿命预测方法及装置
TWI706144B (zh) * 2019-01-02 2020-10-01 世界先進積體電路股份有限公司 可靠度判斷方法以及儲存裝置
US10996262B2 (en) 2019-04-30 2021-05-04 Vanguard International Semiconductor Corporation Reliability determination method
KR102596748B1 (ko) * 2021-11-03 2023-11-01 아주대학교산학협력단 트랜지스터 수명 예측 방법

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2921270B2 (ja) * 1992-07-16 1999-07-19 三菱電機株式会社 経時絶縁膜破壊評価方法および経時絶縁膜破壊評価装置
US5650336A (en) 1994-09-19 1997-07-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method of presuming life time of semiconductor device
JPH10261681A (ja) 1997-03-19 1998-09-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 絶縁膜の寿命推定方法及びその寿命推定装置
JP3859357B2 (ja) 1998-06-01 2006-12-20 松下電器産業株式会社 絶縁膜評価方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220029352A (ko) * 2020-09-01 2022-03-08 건국대학교 산학협력단 반도체 소자의 초기 불량 검출 방법 및 장치
KR102636299B1 (ko) 2020-09-01 2024-02-15 건국대학교 산학협력단 반도체 소자의 초기 불량 검출 방법 및 장치

Also Published As

Publication number Publication date
US6633177B1 (en) 2003-10-14
WO2000075980A1 (fr) 2000-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3595796B2 (ja) 半導体集積回路装置の寿命推定方法及びその管理方法
Stathis Reliability limits for the gate insulator in CMOS technology
US7820457B2 (en) Method of NBTI prediction
Degraeve et al. Relation between breakdown mode and breakdown location in short channel NMOSFETs and its impact on reliability specifications
US6049213A (en) Method and system for testing the reliability of gate dielectric films
Degraeve et al. A new model for the field dependence of intrinsic and extrinsic time-dependent dielectric breakdown
Degraeve et al. Reliability: A possible showstopper for oxide thickness scaling?
US20110031981A1 (en) Valuation method of dielectric breakdown lifetime of gate insulating film, valuation device of dielectric breakdown lifetime of gate insulating film and program for evaluating dielectric breakdown lifetime of gate insulating film
US20080038851A1 (en) Pattern for evaluating electric characteristics, method for evaluating electric characteristics, method for manufacturing semiconductor device and method for providing reliability assurance
Martin Review on the reliability characterization of plasma-induced damage
US7587298B2 (en) Diagnostic method for root-cause analysis of FET performance variation
KR100640637B1 (ko) 회로에 설계된 모스 트랜지스터의 시간 의존형 유전체 브렉다운 특성 불량 검출 방법
Besnard et al. Reliability of ultra-thin buried oxides for multi-VT FDSOI technology
Cellere et al. Micro breakdown in small-area ultrathin gate oxides
US6043102A (en) Assessing plasma induced gate dielectric degradation with stress induced leakage current measurements
JP3681683B2 (ja) 絶縁膜の寿命推定方法及び半導体装置の管理方法
JP2007258488A (ja) 絶縁膜の絶縁破壊寿命推定方法
US7230812B2 (en) Predictive applications for devices with thin dielectric regions
US6005409A (en) Detection of process-induced damage on transistors in real time
US6731130B1 (en) Method of determining gate oxide thickness of an operational MOSFET
US7106087B2 (en) Method and apparatus for evaluating semiconductor device
JP4040446B2 (ja) Mis型半導体層装置の評価方法
Martin New approach for the assessment of the effect of plasma induced damage on MOS devices and subsequent design manual rules
JP2000323709A (ja) ホットキャリア劣化シミュレーション方法、半導体装置の製造方法、およびコンピュータ可読記録媒体
JP2002299400A (ja) 半導体集積回路装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040302

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040824

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080910

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080910

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090910

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090910

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100910

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110910

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees