JP3595795B2 - ファクシミリ装置、ファクシミリ装置の制御方法、およびファクシミリ装置の制御プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両面画情報を送信機および受信機間で送受信する両面通信を行なうファクシミリ装置、その制御方法、およびその制御プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のファクシミリ装置は、片面情報の原稿を送信して、片面に記録する動作が基本となっていた。旧来のITU−T勧告T4、あるいはT30などではこの片面通信のみが記述されていた。
【0003】
一方で、最近は省資源化に関する意識が高まっており、プリンタや複写機などにおいては、1枚の紙の表面と裏面に記録を行なういわゆる両面記録方式を有するものが増えつつある。これに伴ない、両面ファクシミリ通信に関する規格が2000年の2月にITU−Tで勧告化された。
【0004】
新しいITU−T勧告T.30(あるいはその試案)では、両面画情報の伝送方式として原稿表面の画像、裏面の画像を各ページについて交互に送信する両面交互伝送(交互モード)、あるいは原稿表面の画像全部を送信し、続いて裏面の画像全部を送信する両面連続伝送(連続モード)などが定義されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
新しいITU−T勧告T.30(あるいはその試案)における両面通信は、原稿が両面原稿である、つまり、原稿の両面に必ず有意な画像が含まれていることを前提としており、両面原稿と片面原稿(たとえば裏面が全白情報である)が混在している場合でも、必ず片面原稿の裏面情報を送信するフェーズ(中間手順および全白画像の送信手順)を実行しなければならない。
【0006】
そこで、通信効率を改善するため、何らかの方法で、片面原稿の裏面情報を送信するための中間手順および全白画像の送信手順を省略することも考えられるが、通信の互換性を低下させたり、また、予期しない通信エラーを生じる恐れがある。
【0007】
たとえば、勧告T.30の両面通信では、送信側から画像データに続いて送信されるQ信号(MPS、EOP、PPS−MPS、PPS−EOPなど)を用いてページ番号(Page Number:1枚目の表が1、1枚目の裏が2…のように原稿表裏の画像に順次付与される)と面情報(Side:PPS−Qに対応した画像データが表:0の画像か裏:1の画像かを示す)の情報が送信される。
【0008】
したがって、送信側で全白面など任意の面の画像を送信しないような仕様を採用しても、受信側ではページ番号と面情報を用いて画像を記録すべきページ位置や記録面を決定できそうに思われる。しかし、このように送信側で全白面などの画像を送信しないようスキップする事、あるいは、ページ番号に不連続性があっても受信側はそれを許容すべきである事などは、勧告T.30には明示的に定義されておらず、実際の通信で全ての受信機が正常に動作できるとは限らない。
【0009】
一方、従来より発信元情報を受信側で記録させる技術が知られている。この発信元情報は、通信日時、発信局の識別番号(電話番号、メールアドレスなど)、発信局の名称(あるいはユーザ定義の任意の文字列など)、ページ番号などをキャラクタジェネレータなどを用いて画像として生成し(多くは発信側でこの画像データ生成を行なう)、記録紙の先頭部分などに記録するもので、その記録位置からヘッダ情報などと呼ばれることもある。
【0010】
この発信元情報の記録と、片面原稿でも形式上は全白面であっても送信を行なわなければならない上記のITU−T勧告T.30の仕様を考えあわせると、全白面においても記録紙に発信元情報を記録するような仕様となる。しかし、仕様上は自然であっても、白紙の面にも発信元情報が記録されていると受信側ユーザに奇異な印象を与える、という問題がある。
【0011】
本発明の課題は、確実に片面/両面混在の原稿画像を送受信できるようにし、また、片面/両面混在の原稿画像であっても、受信側ユーザに奇異な印象を与えることのない自然な発信元情報を記録できるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明によれば、両面画情報を送信機および受信機間で送受信する両面通信を行なうファクシミリ装置、その制御方法、およびその制御プログラムにおいて、送受信すべき原稿表面または裏面の画情報がほぼ全白の全白画情報であるか、あるいはそれ以外の有効画情報であるかを検出し、全白画情報を検出している場合当該原稿面の画像データの送受信を省略する両面片面混在モードを用いて原稿画像の送受信を行ない、その場合、受信機から送信機に対して、両面情報の受信機能の有無、および前記両面片面混在モードによる片面、両面情報の混在情報の受信機能の有無を通知する通知手段(あるいは通知ステップ)と、送信機から受信機に対して、両面情報を送信する事、および前記両面片面混在モードにより片面、両面情報の混在情報を送信する事を指定する指定手段(あるいは指定ステップ)と、送信機から受信機に対して、中間手順信号により、ページナンバー、面情報、および送受信する有効画情報のみをカウントした通しページ番号を通知する中間手順実行手段(あるいは中間手順実行ステップ)を含み、前記通知手段および指定手段を介した送受信機間の交渉により前記両面片面混在モードが選択された場合、前記中間手順実行手段を介して送受信する有効画情報のみを通しページ番号としてカウントし、カウントした通しページ番号を中間手順により送受信し、受信機側で該通しページ番号の連続性を監視する事により通信エラーの有無を検出する構成を採用した。
【0015】
あるいはさらに、前記両面片面混在モードにおいて、送受信する有効画情報のみをカウントしたページ番号を含む発信元情報を前記有効画情報の一部として送受信する構成を採用した。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明を採用したファクシミリ装置のハードウェア構成を示している。図1において符号2は、NCU(網制御装置)で、電話網をデータ通信等に使用するためにその回線の端末に接続し、電話交換網の接続制御を行なったり、データ通信路への切り替えを行なったり、ループの保持を行なったりするものである。NCU2は、バス26からの制御に応じて電話回線2aを電話機4側に接続する(CMLオフ)か、電話回線2aをファクシミリ装置側に接続する(CMLオン)。通常状態では、電話回線2aは電話機4側に接続されている。
【0018】
符号6はハイブリッド回路で、送信系の信号と受信系の信号とを分離し、加算回路12からの送信信号をNCU2経由で電話回線2aに送出し、相手側からの信号をNCU2経由で受け取り、信号線6a経由で変復調器8に送るものである。
【0019】
符号8は変復調器であり、ITU−T勧告V.8、V.21、V.27ter、V.29、V.17、V.34に基づいた変調及び復調を行なう。変復調器8は、バス26からの送信信号を入力し、変調データを信号線8aに出力し、信号線6aに出力されている受信信号を入力し、復調データをバス26に出力する。その際用いられる上記の各伝送モードはバス26を介して指定される。
【0020】
符号10は、発呼回路であり、バス26からの制御に応じて、電話番号情報を入力し、信号線10aにDTMF形式の選択信号を出力する。
【0021】
符号12は、加算回路であり、信号線8aの情報と信号線10aの情報を入力し、加算した結果を信号線12aに出力する。
【0022】
符号14は、原稿の両面から画情報を読み取ることができる読取回路であり、光学読取素子および原稿搬送系から構成され、読み取りデータをバス26に出力する。本実施形態では、読取回路14の原稿搬送系は、原稿の表、裏を反転しつつ1枚目の表、裏、2枚目の表、裏…の順で原稿両面から読み取りを行なう構成を前提とする。
【0023】
符号16は、両面情報を記録可能な記録回路であり、バス26に出力されている情報を順次1ライン毎に記録する。記録回路16は、レーザビームプリンタなどの記録機構を有し、記録紙反転機構(不図示)などを用いて記録紙両面に画像記録を行なえるよう構成される。
【0024】
符号18は、メモリ回路であり、RAM(あるいはハードディスクドライブなどのような読み書き可能なメモリ)を含み、後述のCPU22のワーク領域として用いられる。読み取った、あるいは受信した画像データを生データ、あるいは符号化データの形式で格納する他、他の制御データも格納される。メモリ回路18へのアクセスはバス26を介して行なわれる。
【0025】
符号20は、操作部であり、ワンタッチダイヤル、短縮ダイヤル、テンキー、*キー、#キー、スタートキー、ストップキー、セットキー、両面送信選択キー、その他のファンクションキーがあり、これらのキーの操作情報はバス26に出力される。操作部20には、LCDなどの表示素子から成る表示部が設けられており、装置の動作状態をモニタしたり、各種の設定を行なうユーザーインターフェースに用いられる。操作部20のアクセスはバス26を介して行なわれる。
【0026】
符号22は、CPU(中央処理装置)であり、ファクシミリ全体の動作を制御するとともに、ファクシミリ伝送制御手順を実行するが、その制御プログラムは、ROM24に格納される。符号26はCPU22のバスで、アドレスバス、データバスから構成される。
【0027】
まず、本実施形態の両面通信の概要につき説明する。
【0028】
本実施形態では、原稿表面の画像、裏面の画像を各ページについて交互に送信する両面交互伝送(交互モード)、あるいは原稿表面の画像全部を送信し、続いて裏面の画像全部を送信する両面連続伝送(連続モード)の双方をサポートし、そのいずれにおいても、任意の面(表、裏)の画像の送受信をスキップできるようにする。この機能は、たとえば全白面などの画情報伝送をスキップすることにより伝送効率を向上させるために利用できるもので、以下では「両面片面混在モード」のように表現する。
【0029】
本実施形態の両面片面混在モードにおいては、Q信号で送信すべきページナンバー(Page Number)と面情報(Page Informationとして送信されるSide、すなわち表:0、裏:1の情報)は、スキップした面においてもそれぞれ歩進させる。
【0030】
送信側はスキップした面についてはQ信号を送信しないので、結果としてページナンバーおよび面情報には不連続性が生じるが、下記の両面片面混在モードの宣言と、「通しページナンバー」(通し番号)と合せてQ信号のページナンバーおよび面情報の情報を利用することにより、受信側では記録すべきページ位置、および記録面を正しく決定することができる。
【0031】
また、本実施形態の両面片面混在モードは、送受信機がDIS/DTC/DCSのような手順信号において明示的に宣言しあう(後述のYおよびY+1ビットによる)ものとし、この宣言が無い場合は実行しない。このような明示的な宣言なしにQ信号により不連続性を有するページナンバーおよび面情報を送信すると上述したように意図しない通信エラーを生じる可能性を否定できないからである。
【0032】
さらに、本実施形態では、スキップせずに有効画像として送信する画像データに対応して順次歩進して「1、2、3…」のように不連続性なしに付与される(表か裏かは問わない)。通しページナンバー(通し番号)をQ信号に含める。本実施形態の両面片面混在モードが宣言された場合、受信側では、この通しページナンバーの状態を監視することにより、ページナンバーおよび面情報の不連続性があっても、エラーにより画像データやQ信号に抜けが生じたものではない事を確認することができる。
【0033】
本実施形態で用いられる手順信号フォーマットおよび通信シーケンスを図2、図3、図4〜図7に示す。
【0034】
図2はDIS(デジタル識別:画像受信局から送信される)、DTC(デジタル送信命令:画像送信局から送信される)、およびDCS(デジタル命令:画像送信局から送信される)の各信号のFIF(ファクシミリ情報フィールド)における両面伝送を指定する情報の構成を表形式で示したものである。
【0035】
図2に示すように、DIS/DTC信号では、FIFのXビット(図中ではビット数は「X」により示されているが実際には113)目により、交互モードでの両面記録機能の有無を表し、FIFのX+1(同114)ビット目により、連続モードでの両面記録機能の有無を表す。また、DCS信号においては、FIFのX(同113)ビット目により、交互モードでの両面送信を指定し、FIFのX+1(同114)ビット目により、連続モードでの両面送信を指定する(X+1ビットを1とする時はXビットも1にする必要がある)。
【0036】
上のXおよびX+1ビットは勧告T.30に既に記載されたものであるが、本実施形態では、さらに上記のDIS/DTC/DCSのXおよびX+1ビットにそれぞれ対応して、本実施形態の両面片面混在モードを宣言するためYおよびY+1ビット(ビット位置は任意)を設ける。DIS/DTC/DCSにおいてYビットは交互モードにおける両面片面混在モードを、また、Y+1ビットは連続性モードにおける両面片面混在モードをそれぞれ宣言する(XおよびX+1ビットと同様、Y+1ビットを1とする時はYビットも1にするものとする)。
【0037】
図3は、ノーマルG3伝送でのQ信号(具体的にはEOP(ページ終了)あるいは、MPS(マルチページ)、あるいはEOM(メッセージ終了)信号など)、また、ECM(エラー訂正モード)伝送でのPPS−Q信号(具体的にはPPS−EOP、あるいは、PPS−MPS、あるいはPPS−EOM、あるいはPPS−NULLなどのポストメッセージ信号)のフレーム構成を示している。
【0038】
図3のように、これらのポストメッセージ信号では、Flag(フラグ)、Address(アドレス)、Control(制御データ)、FCF(ファクシミリ制御フィールド)に続き、ファクシミリ情報が送信される。ファクシミリ情報の先頭では、ECMの場合のみPC(ページカウンタ)、BC(ブロックカウンタ)、FC(フレームカウンタ)の3つのフィールドが送信され、その後に両面伝送関係のファクシミリ情報が続く。両面伝送関係のファクシミリ情報は、Length(続くPage number(2オクテット)とPage information(現在は1オクテット)の合計オクテット数)、Page number(ページナンバー:2オクテット)、Page information(ページ情報)が続く。
【0039】
以上は、勧告T.30に既に記載されたものであるが、本実施形態では、上記の通しページナンバー(以下では「通しPN」とも表記する)のフィールドが続き、さらにその後にFCS(フレームチェックシーケンス)、Flag(フラグ)が続く。通しページナンバーのフィールドは1〜2オクテットの適当な幅とする。
【0040】
上記のうち、Page number(ページナンバー:PNとも表記する)は、規約上、両面原稿をページ順に表面、裏面と送信する際、表、裏の各面ごとに「1」から1ページずつ加算される。また、Page information(ページ情報)は、データ幅1オクテットで、その面の画情報が表であるか裏であるかを示し、bit0により表面(0)か裏面(1)を表現する(Side:面情報)。当面、ビット1〜6は予約ビットで機能は定義されておらず、ビット7は拡張ビットとして常時0にセットされる。
【0041】
また、通しページナンバーは、上述のようにスキップせずに有効画像として送信する画像データに対応して順次歩進して「1、2、3…」のように不連続性なしに付与する。
【0042】
なお、ノーマルG3通信にて使用するQ信号には、PC、BC、FCは含まれず、ECM通信にて使用するPPS−Q信号でのみ使用される。
【0043】
図23は、本実施形態による両面伝送の様子を示したものである。図23は、3枚の原稿を送信する際、1枚目の裏と2枚目の表(全白であるものとする)の2面の画信号の送信をスキップする時の様子を示している。1枚目の裏と2枚目の表以外は全白ではなく、有効画像としてQ信号とともに送信される。
【0044】
図23の各有効画像の下に(1,0,1)のように示されているのは、交互モードにおいてその面の画像について送信される(ページナンバー,面情報,通しページナンバー)に相当する。また、<1,0,1>のように示されているのは、連続モードにおいてその面の画像について送信される<ページナンバー,面情報,通しページナンバー>に相当する。
【0045】
また、図23の各有効画像の右肩には1/4〜4/4の表示があるが、これらは交互モードの伝送において上述の通しページナンバーを利用して受信側で生成され発信元情報の一部としてプリントされるヘッダ情報である。1/4〜4/4の分子は上述の通しページナンバー、分母は受信した総ページ数(最後の通しページナンバーに一致)である。また、<3/4>のように示されているのは、同様にして連続モードの伝送において生成され発信元情報の一部としてプリントされるヘッダ情報である。これらヘッダ情報の数字の順序が交互モードのものと異なっているのは、後述のように連続モードでは交互モードと原稿面の画像の送信順序が異なるためである。
【0046】
図4〜図7に本実施形態の両面片面混在モードの通信の様子を示す。図4〜図7では、図23の3枚の原稿を1枚目の裏と2枚目の表をスキップして送信する場合の信号シーケンスを示し、図4は、ノーマルG3モードにおける交互モードでの両面片面混在モードによる伝送の様子を、図5はECM通信モードにおける交互モードでの両面片面混在モードによる伝送の様子を、図6はノーマルG3モードにおける連続モードでの両面片面混在モードによる伝送の様子を、図7はECM通信モードにおける連続モードでの両面片面混在モードによる伝送の様子をそれぞれ示している。
【0047】
図4〜図7のように、DIS信号のXおよびX+1ビットにより受信機の両面伝送機能(交互および連続のいずれも可)が示され、DCS信号のXおよびX+1ビットにより、送信機がこれから実行しようとする両面伝送モードが宣言される。図6、図7の連続モードでは、DCS信号のX+1ビットを1とすることにより連続モードでの送信を行なうことが宣言されている。さらに、本実施形態では、交互ないし連続モードのそれぞれにおいて両面片面混在モードを指定するために、YおよびY+1ビットがXおよびX+1ビットと同じ状態にそれぞれセットされる(YおよびY+1ビットの状態はXおよびX+1ビットと同一なので図4〜図7では図示を省略してある)。
【0048】
また、図4、図6に示すように、ノーマルモードの場合はポストメッセージ信号としてMPS信号が、また、図5、図7に示すように、ECMの場合はポストメッセージ信号としてPPS−MPS信号が用いられる。
【0049】
ここでは3枚の両面原稿が送信されており、各図中の「PN」は上記のPage Numberを示している。
【0050】
たとえば、図4(交互モード)に符号41で示したMPS信号は、「MPS(PN=1,0(front side))」と図示されているが、これは、ページ番号1(PN=1)、表面(0(front side))の画情報を送信したことを示している(図4以降のMPSあるいはPPS−MPS信号の表記は上記と同趣である)。
【0051】
すなわち、図4および図5の交互モードでは、1枚目(PN=1)の表(0)、2枚目(PN=4)の裏(1)、3枚目(PN=5)の表(0)、3枚目(PN=6)の裏(1)の順で原稿の画情報が送信されている。
【0052】
また、図6および図7の連続モードでは、1枚目(PN=1)の表(0)、3枚目(PN=5)の表(0)、2枚目(PN=4)の裏(1)、3枚目(PN=6)の裏(1)の順で原稿の画情報が送信されている。
【0053】
また、図4〜図7のいずれにおいても、通しページナンバー(通しPN)は、送信した順に1、2、3…と歩進している。
【0054】
次に、本実施形態のファクシミリ通信を行なうためにCPU22で実行すべき通信制御を図8〜図20、および図21、図22に示す。図8〜図22は本実施形態の通信制御を実現するためのCPU22の処理の流れをフローチャート図として示したもので、図8〜図22の同一番号の個所はそれぞれの位置で連続しているものとする。図8〜図22の制御手順はCPU22のプログラムとしてROM24に格納しておく。
【0055】
図21および図22は、図8〜図20に詳細に示した制御手順の全体の流れを概略的に示したものである。まず、図21および図22により、制御手順の全体の流れを説明する。以下の図21および図22の説明の文章に括弧書きで付したステップ番号は後述の図8〜図20のステップ番号である。
【0056】
図21において、ステップS300は、所定のリセット操作などにより開始される処理の始めを示している。
【0057】
処理開始後、ステップS302で、メモリ回路18、および装置各部のイニシャライズを行なう(ステップS2からステップS4)。さらに、ステップS304では、NCU2のCMLをオフする(図8ステップS6)。
【0058】
ステップS306、S308ではファクシミリ送信/受信のいずれが選択されたかを判定する。送信の際はステップS314へ、受信の場合はステップS310へ、送受信以外の処理の場合はステップS312に移行する(図8ステップS8、S10)。
【0059】
ファクシミリ受信の場合はステップS310でファクシミリ受信制御を行なう(図19ステップS186〜S206)。送信/受信以外の場合はステップS312でその他の処理(原稿画像のコピーなど)を実行する(図8ステップS12)。これらの処理の後ステップS304に復帰する。
【0060】
送信の場合は、ステップS314で両面送信モードで送信するか、あるいはステップS318で片面情報を両面片面混在モードを用いて送信を行なうか否かをそれぞれ判断する(図8ステップS14、S16)。図21においてステップS314、ステップS318はユーザの明示的な指定操作による指定を判断することを考えているが、実際には以下の処理では共通の制御フローにより両面送信モード、ないし両面片面混在モードを取り扱うようになっている。
【0061】
両面送信を行なう場合、ステップS316で読取回路14による両面原稿情報の読み取り、符号化、メモリ回路18への格納を行ない(図8ステップS20〜図9ステップS42)、ステップS322で相手局を発呼しファクシミリ前手順を実行する(図9ステップS44〜S48)。
【0062】
両面片面混在モードの送信の場合はステップS320で読取回路14による片面情報の読み取り、符号化、メモリ回路18への格納を行ない(図8ステップS18、図8ステップS22〜図9ステップS42)、ステップS322の発呼に向かう。
【0063】
片面送信の場合はステップS324において片面情報の送信(ステップS138)を実行し(図8ステップS16)、ステップS304に復帰する。
【0064】
ステップS326では、原稿の表面、あるいは裏面に全白情報があるか否かを判断する。全白情報がある場合は図22のステップS328に進み、ない場合は図22のステップS334に進む(図9ステップS50)。
【0065】
原稿のいずれかの面に全白情報がある場合は図22のステップS328において交互モード送信が選択されたか否かを判断する。同ステップが肯定された場合にはステップS330に進み、同ステップが否定された場合にはステップS340に進む(図10ステップS52)。
【0066】
ステップS330では、受信側から得たDIS信号のFIFのYビットは1であるか否か、すなわち本発明の両面片面混在モードを受信側がサポートしているか否かを判断する(図10ステップS54)。同ステップが肯定された場合にはステップS332に進み、交互モードでの片面、両面混在送信を実行(図11ステップS68、図14ステップS130)し、ステップS304に復帰する。ステップS330が否定された場合にはステップS334に進む。
【0067】
受信側から得たDIS信号のFIFのYビットが1ではない、つまり、本発明の両面片面混在モードを受信側がサポートしていない場合にはステップS334において、DIS信号のFIFのXビットは1であるか否か(標準の両面通信をサポートしているか否か)を判断(図14ステップS132)する。ステップS334が肯定された場合にはステップS336に進み、標準の方式により両面通信を実行(図14ステップS134)し、ステップS304に復帰する。ステップS334が否定された場合にはステップS338において有効画情報を片面通信モードにより送信(図14ステップS136)し、ステップS304に復帰する。
【0068】
ステップS328で連続モードが選択されている場合にはステップS340で受信側から得たDIS信号のFIFのY+1ビットは1であるか否かを判断する(図10ステップS56)。
【0069】
ステップS340が肯定された場合にはステップS342に進み、連続モードを使って両面片面混在モードの送信を実行(図10ステップS58〜図19ステップS184)し、同ステップが否定された場合には上記のステップS330に進む。
【0070】
続いて、上記の処理を図8〜図20を用いて詳細に説明する。
【0071】
図8において、ステップS0は、所定のリセット操作などにより開始される処理の始めを示している。
【0072】
ステップS2では、バス26を介してメモリ回路18をイニシャライズし、ステップS4では、バス26を介して、操作部20の表示部をイニシャライズ(クリア)する。
【0073】
ステップS6では、バス26を介してNCU2のCMLをオフとし、回線2aを電話機4側に接続する。
【0074】
ステップS8では、バス26を介して操作部20の操作情報を入力し、ファクシミリ送信が選択されたか否かを判断し、ファクシミリ送信が選択されている場合にはステップS14に進み、ファクシミリ送信が選択されていなければステップS10に進む。
【0075】
ステップS10では、ファクシミリ受信が選択されたか否かを判断し、ファクシミリ受信が選択されている場合は図19のステップS186に進み、ステップS10が否定された場合にはステップS12に進み、その他の処理(原稿画像のコピーなど)を実行する。
【0076】
送信の場合、まずステップS14においてバス26を介して操作部20の情報を入力し、両面原稿の送信が選択されたか否かを判断する。ステップS14が肯定された場合には、ステップS20に進み、否定された場合にはステップS16に進む。
【0077】
ステップS14が否定された場合、ステップS16で片面情報を両面片面混在モードで送信することが選択されているか否かを判断する。ステップS16が肯定された場合にはステップS18に進む。
【0078】
ステップS16が否定された場合にはステップS138(図14)に進み、公知の片面手順により画像データを送信し、ステップS6に復帰する。この片面送信では、画信号のあるページ情報のみを送信するようにしてもよい。
【0079】
ステップS18では片面フラグ(図中では片面FLGと表記)に1をセットする。この片面フラグは、片面情報を両面片面混在モードで送信する場合1に、両面送信を行なう場合は0にセットする。片面フラグの記憶領域はメモリ回路18などを用いて割り当てられる(以下のフラグやカウンタも同様である)。
【0080】
一方、ステップS14が肯定された場合、ステップS20において片面フラグに0をセットする。
【0081】
ステップS22では、(読取枚数カウンタK、面フラグ)の組合せに(1、表)をセットする。
【0082】
ステップS26では、読取回路14により、読取枚数カウンタK、および面フラグの示す原稿面の画情報を読み取り、メモリ回路18の画像メモリ領域に格納する。
【0083】
図9のステップS28では、ステップS26で読み取った原稿画像がほぼ全白(有効画情報ではない)であるか否かを判定する。これは、たとえば黒ドット数が占めるパーセンテージが0.1%(この基準値は当業者で任意に定めればよい)以下であるか否かを判断することなどにより行なう。ステップS28が肯定された場合にはステップS30に進み、否定された場合にはステップS32に進む。
【0084】
ステップS30では、読取枚数カウンタK、面フラグに対応し、その面の状態(全白か否か)を記憶するための所定の記憶領域にその面が全白情報である旨の情報を記憶させる。
【0085】
ステップS32では、面フラグの値が「裏」か否かを判定する。面フラグの値が「裏」であればステップS38に、面フラグの値が「裏」でなければステップS34に移行する。
【0086】
ステップS34では、片面フラグが0であるか否かを判断し、片面フラグが0であればステップS36に進み、片面フラグが0でなければステップS38に進む。
【0087】
ステップS36では面フラグに裏をセットし、その裏面の読み取りのため、図8のステップS26にループする。
【0088】
ステップS34で片面フラグが1の場合、ステップS38で、次ページがあるか否かを判断し、同ステップが肯定された場合にはステップS40に進み、同ステップが否定された場合にはステップS44に進む。
【0089】
ステップS40では面フラグに表をセットし、ステップS42では、読取枚数カウンタKの値を1つインクリメントする。
【0090】
ステップS44では、バス26を介して、NCU2のCMLをオンとし、回線2aをファクシミリ装置側(ハイブリッド回路6側)に接続する。
【0091】
ステップS46では、バス26を介して発呼回路10を制御し、指定された宛先へ発呼する。宛先は操作部20のテンキーやワンタッチキーなどにより指定されるものとする。
【0092】
ステップS48ではファクシミリ前手順を実行する。
【0093】
ステップS50では、ステップS30で格納した全白情報を調べ、送信すべき画像データの表面、あるいは、裏面に全白情報があるか否かを判断する。ステップS50が肯定された場合にはステップS52(図10)に進み、ステップS50が否定された場合にはステップS132(図14)に進む。
【0094】
図10のステップS52では、操作部20の操作状態(あるいはそれを記憶するレジスタ)を調べ、交互モード送信が選択されたか否かを判断する。交互モード送信が選択されている場合はステップS54に進み、交互モード送信が選択されていない場合にはステップS56に進む。
【0095】
ステップS54、S56では、本発明の両面片面混在モードに関する受信側から取得したDIS信号のFIFのY/Y+1ビットを判定する。
【0096】
まずステップS54では、ステップS48のファクシミリ前手順で受信側から取得したDIS信号のFIFのYビットが1であるか否かを判断する。ステップS54が肯定された場合にはステップS68(図11)に進み、同ステップが否定された場合にはステップS132(図14)に進む。
【0097】
ステップS56では、DIS信号のFIFのY+1ビットは1であるか否かを判断する。ステップS56が肯定された場合にはステップS58に進み、否定された場合にはステップS54に進む。ステップS58〜S66については図15のフローとともに後述する。
【0098】
一方、ステップS54が肯定された場合、すなわち、交互モードにおいてDISのビットYが1の場合は、本発明の両面片面混在モード(連続モード)を用いる。この場合は図11のステップS68において残りのファクシミリ前手順を実行し、ここでDCS信号のFIFのYビットを1とする(Y+1ビットは0)。
【0099】
ステップS70では、(送信枚数カウンタL、面フラグ)の組み合せに(1、表)をセットする。
【0100】
ステップS72では、総ページ数のレジスタに(2L−全白のページ数)をセットする。
【0101】
ステップS74では、ページカウンタ(発信元情報に付加するページ数をカウントするカウンタ)に1をセットする。
【0102】
ステップS76では、Q信号(あるいはPPS−Q信号)で使用する通しぺージナンバーに1をセットする。
【0103】
ステップS78では、ページナンバー(Q信号あるいはPPS−Q信号で使用するPN)に1をセットする。
【0104】
ステップS82では、(送信枚数カウンタL、面フラグ)が示す画情報は全白であるか否かを判断する。ステップS82が肯定された場合にはステップS88(図12)に進み、同ステップが否定された場合にはステップS84に進む。
【0105】
ステップS84では、(送信枚数カウンタL、面フラグ)が示す画情報を受信側に送信する。この際、発信元情報としては、「ページカウンタの値のページ数/総ページ数」のヘッダ(図23参照)を生成して送信する。
【0106】
ステップS86では、面フラグが表であるか否かを判断する。面フラグが表である場合はステップS100(図13)に進み、裏である場合にはステップS112(図13)に進む。
【0107】
ステップS82で全白面が検出されている場合は、図12のステップS88において面フラグが表であるか否かを判断する。面フラグが表である場合はステップS90に進み、面フラグが裏である場合はステップS94に進む。
【0108】
ステップS90では、面フラグに裏をセットし、ステップS92では、ページナンバーの値を1つインクリメントし、ステップS82(図11)にループする。
【0109】
ステップS88で面フラグが裏である場合は、ステップS94で処理すべき次ページがあるか否かを判断し、次ページがあればステップS96に進み、次ページがなければステップS114(図13)に進む。
【0110】
ステップS96では、面フラグに表をセットし、ステップS98では、Lの値を1つインクリメントし、さらに上記ステップS92でページナンバーの値を1つインクリメントしてから、ステップS82(図11)にループする。
【0111】
ステップS86で面フラグが表であった場合には図13のステップS100において(PPS−)MPS信号を送信する。ここでは、図3のフォーマットによりページナンバー(PN)、面情報(Side)、および本発明の通しページナンバーを通知する。ステップS102では残りの中間手順を行なう。
【0112】
ステップS104、S106、S108ではページカウンタ、ページナンバ、および通しページナンバーをそれぞれ1づつインクリメントし、ステップS110では面フラグに裏をセットし、ステップS82(図11)にループする。
【0113】
ステップS112では、送信枚数カウンタLは読取枚数カウンタK(既に確定済み)以上であるか否かを判定する。つまり、読み取った枚数分の原稿画像を送信したか否かを判定する。ステップS112が肯定された場合にはステップS114に進み、同ステップが否定された場合にはステップS118に進む。
【0114】
送信画像が残っていない場合は、ステップS114でQ信号として(PPS−)EOP信号の送信を実行する。ここでは、ページナンバー、面情報、および本発明の通しページナンバーを通知する。ステップS116では、残りのファクシミリ後手順を実行し、ステップS6に復帰する。
【0115】
一方、送信画像が残っている場合は、ステップS118でQ信号として(PPS−)MPS信号を送信する。ここでは、図3のフォーマットによりページナンバー、面情報、本発明の通しページナンバーを通知する。ステップS120では、残りの中間手順を実行する。
【0116】
ステップS122、ステップS124、図14のステップS126では、ページカウンタ、通しページナンバー、およびページナンバをインクリメントする。ステップS128では、面フラグに表をセットし、ステップS130では、送信枚数カウンタLをインクリメントし、ステップS82(図11)にループし、上記の送信処理を繰り返す。
【0117】
一方、ステップS54において受信側から取得したDIS信号のFIFのYビットが1ではなかった場合は、図14のステップS132以降において表示の両面、あるいは片面伝送を行なう。
【0118】
まずステップS132では、受信側から取得したDIS信号のFIFのXビットが1であるか否かを判断する。ステップS132が肯定された場合にはステップS134に進み、否定された場合にはステップS136に進む。
【0119】
ステップS134では表示の両面通信プロトコルに基づき両面情報の送信を実行し(交互モード)、ステップS136では画像データを片面情報として送信する。この片面送信では、画信号のあるページ情報のみを送信するのが良い。ステップS138については既に説明済みである。
【0120】
一方、図10のステップS56において受信側から取得したDIS信号のFIFのY+1ビットが1であった場合は、ステップS58(図10)〜S66およびステップS140(図15)以降において連続モードを用いて本発明の両面片面混在モードによる送信を行なう。ここでは、まず表面の有効画像を送信し、続いて裏面の有効画像を送信する。
【0121】
図10のステップS56が肯定された、つまり、本発明の両面片面混在モード(連続モード)が可能であると判定されると、ステップS58で残りのファクシミリ前手順を実行する。ここでは、本発明の両面片面混在モード(連続モード)による送信を宣言するため、DCS信号のFIFのY+1ビットを1として送信する(このとき図2の規約によりYビットも1とする)。
【0122】
さらに、ステップS60では、(送信枚数カウンタL、面フラグ)の組み合せに(1、表)をセットする。
【0123】
ステップS62では、総ページ数のレジスタに(2K−全白のページ数)をセットする。
【0124】
ステップS64では、ページカウンタ(発信元情報に付加するページ数をカウントするカウンタ)に1をセットする。
【0125】
ステップS66では、Q信号(あるいはECMにおけるPPS−Q信号)で使用する通しぺージナンバーに1をセットする。この通しぺージナンバーの連続性により受信側では画信号のページ抜けを検出することができる。
【0126】
さらに図15のステップS140ではページナンバ(Q信号で用いるもの)のカウンタに1をセットする。
【0127】
ステップS144では、(読取枚数カウンタL、面フラグ)が示す画情報は全白であるか否かを判断する。ステップS144が肯定された場合にはステップS146に進み、同ステップが否定された場合にはステップS162(図16)に進む。
【0128】
ステップS146では面フラグが表であるか否かを判断する。ステップS146が肯定された場合にはステップS148に進み、同ステップが否定された場合にはステップS160に進む。
【0129】
ステップS148では、表面で未送信の有効画情報はあるか否かを判断する。ステップS148が肯定された場合にはステップS150に進み、同ステップが否定された場合にはステップS154に進む。
【0130】
また、ステップS160では、裏面で未送信の有効画情報はあるか否かを判断する。ステップS160が肯定された場合にはステップS150に進む。ステップS160が否定された場合、裏面の(有効)画像を全て送信し、送信すべき画像が残っていないのでステップS114(図13)の(PPS−)EOP信号の送信に進む。
【0131】
ステップS148またはS160で未送信の画像が残っている場合、ステップS150においてページナンバの値を2だけインクリメントする。これは連続モードでは表面または裏面の送信が連続するためである(図23参照)。一方、ステップS152では、送信枚数カウンタLの値を1だけインクリメントする。
【0132】
一方、ステップS148で表面で未送信の有効画情報が残っていない場合には裏面の送信に移るため、ステップS154において面フラグに裏をセットする。さらにステップS156ではページナンバに2をセットする(裏面のページナンバは常に2から始まる)。
【0133】
また、ステップS158では送信枚数カウンタLに1をセットする。すなわち、裏面の画像データ群は1から数え直すようにするが、連続モードによる両面片面混在モードでは、上記のステップS148、S160で表面のおよび裏面の画像データ群の最後を検出するようにしているので必ずしも送信枚数カウンタLは処理に用いなくてもよい。
【0134】
ステップS152またはS158が終了するとステップS144にループする。
【0135】
一方、ステップS144で(読取枚数カウンタL、面フラグ)が示す画情報は全白ではなかった場合、つまりその面が有効画像であった場合には、図16のステップS162において(送信枚数カウンタL、面フラグ)が示す画像データを送信する。ここでは、発信元情報として「ページカウンタの値のページ数/総ページ数」のヘッダ(図23参照)を生成して送信する。
【0136】
ステップS164では、未送信の有効画像があるか否かを判断する。ステップS164が肯定された場合にはステップS166に進み、同ステップが否定された場合にはステップS114(図13)の(PPS−)EOP信号の送信に進む。
【0137】
ステップS166では、面フラグが表であるか否かを判断し、面フラグが表であれば図17のステップS168に進み、面フラグが裏であれば図18のステップS182に進む。
【0138】
図17のステップS168では、Q信号として図3のフォーマットにより(PPS−)MPS信号を送信する。ここでは、ページナンバー、面情報、本発明の通しページナンバーを通知する。ステップS170では、残りの中間手順を実行する。
【0139】
ステップS172では、表面で未送信の有効画情報があるか否かを判断する。ステップS172が肯定された場合にはステップS174に進み、同ステップが否定された場合にはステップS178に進む。
【0140】
ステップS174、ステップS176では、それぞれ、ページカウンタ、および通しページナンバーの値を1だけインクリメントする。ステップS176の後、処理はステップS150に進む。
【0141】
また、ステップS178、S180では、それぞれ、ページカウンタ、および通しページナンバーの値を1だけインクリメントする。ステップS180の後、処理はステップS154に進む。
【0142】
図16のステップS166で面フラグが裏の場合は、図18のステップS182において、Q信号として(PPS−)MPS信号の送信を実行する。ここでは、図3のフォーマットによりページナンバー、面情報、本発明の通しページナンバーを通知する。
【0143】
ステップS184では残りの中間手順を実行し、図17のステップS172に進む。
【0144】
図8のステップS10でファクシミリ受信が選択されている場合は図19および図20の受信処理を行なう。
【0145】
受信処理においては、まず図19のステップS186において、バス26を介して、NCU2のCMLをオンとし、回線2aをファクシミリ装置側(ハイブリッド回路6側)に接続する。
【0146】
ステップS188では、ファクシミリ前手順を実行する。ここで、DIS信号のFIFのX、Y、X+1、Y+1ビットは1とする。ここでは、全ての両面モードおよび本発明の両面片面混在モードをサポートするように宣言しているが、もちろん実際の製品では必要なモードのみサポートするよう宣言するX、Y、X+1、Y+1ビットのビットパターンを調整するようにしてもよい。
【0147】
続くステップS190、S194、図20のステップS198、S200では、送信側から受信したDCS信号のFIFのX、Y、X+1、Y+1ビットが形成するビットパターンを判定する。
【0148】
すなわち、ステップS190では、X=1、X+1=0、Y=0であるか否かを、ステップS194ではX=1、X+1=0、Y=1、Y+1=0であるか否かを、ステップS198ではX=1、X+1=1、Y=0であるか否かを、ステップS20ではX=1、X+1=1、Y=1、Y+1=1であるか否かを順次判定する。
【0149】
ステップS190、S194、S198、S200のいずれかが肯定されると、それぞれのステップからステップS192(標準の交互モード)、ステップS196(交互モードによる両面片面混在モード)、ステップS202(標準の連続モード)、ステップS204(連続モードによる両面片面混在モード)に移行する。
【0150】
ステップS192では、標準の交互モードにより画像データを受信し、記録する。
【0151】
ステップS196では、本発明の両面片面混在モード(交互モード)により、画像データを受信する。この時、(PPS−)Q信号の通しページナンバーの連続性を監視することにより、画像データに抜けが生じていないかを確認しながら画像データを受信する。
【0152】
ステップS202では、標準の連続モードにより画像データを受信し、記録する。
【0153】
ステップS204では、本発明の両面片面混在モード(連続モード)により、画像データを受信する。この時、(PPS−)Q信号の通しページナンバーの連続性を監視することにより、画像データに抜けが生じていないかを確認しながら画像データを受信する。
【0154】
図24に、ステップS196、S204の両面片面混在モードにおいてQ信号で受信した通しページナンバーを利用して行なう通信エラーの有無の検出処理の一例を示す。図24はステップS196、S204の両面片面混在モードによる受信処理のおよその流れを示している。
【0155】
図24のステップS210では、受信ページカウンタRを0にリセットする。ステップS212では、1ページぶんの画情報およびQ信号を受信する(図4〜図7参照)。
【0156】
ステップS214では、受信ページカウンタRを1だけインクリメントする。そして、ステップS216でQ信号で受信した通しページナンバーと受信ページカウンタRの値が一致しているかどうかを判定する。ここで通しページナンバーと受信ページカウンタRの値が一致していればステップS212にループして画情報の受信を続行し、通しページナンバーと受信ページカウンタRの値が不一致の場合はステップS218でエラー終了する。
【0157】
また、ステップS196、S204では、送信側が上述のようにしてページカウンタに基づき生成したページ番号を含む発信元情報がヘッダ画情報として送信されるので、記録回路16によりこの発信元情報が図23に示すように記録される。受信画像データの記録ページ位置、および記録面はQ信号で送信されたページナンバー(PN)と、ページ情報(Side)に基づき従来通り決定することができる。
【0158】
なお、上記構成では、発信元情報として用いるページ番号は独立した通しページナンバーのカウンタと同時に歩進するページカウンタに基づき生成するようにしているが、ページカウンタの値は通しページナンバーと一致しているので、通しページナンバーのカウンタの値を用いて生成するようにしてもよい。
【0159】
以上のようにして、両面片面混在モードにおいて、全白面の送信を省略し、従来必要であったページ間手順を減らすことができ、通信時間を短縮し、通信コストを低減することができる。
【0160】
しかも、本実施形態の両面片面混在モードは、DIS/DTC/DCS信号にYおよびY+1を新設して送受信間で明示的に宣言しあい、双方が同機能を有している場合のみ実行するようにしているので、通信の互換性を低下させることがない。
【0161】
さらに、通しページナンバーを(PPS−)MPS、(PPS−)EOPなどのQ信号に送信し、受信側ではこの通しページナンバーの連続性を監視することにより、画像データの抜けなどのエラーが生じていないかを確認しつつ確実に両面片面混在の原稿画像を伝送することができる。
【0162】
また、ページカウンタを有効画像情報の送信ごとにインクリメントし(送信を省略する全白面ではインクリメントさせない)、有効画像情報とともに送信し、受信側で記録するようにしているので、従来のように全白ページにもヘッダ情報が付き、しかもそのヘッダ情報のページ番号が全白ページもカウントした値となることがなく、受信側ユーザに奇異な印象を与えることのない自然な発信元情報を記録することができる。
【0163】
以上では、ファクシミリ専用機の構成を示したが、本発明はファクシミリ専用機のみならず、他の形態のファクシミリ装置に実施できるのはいうまでもない。たとえば、本発明は、パーソナルコンピュータのような汎用の端末にFAXモデムなどを外付け/内蔵し、ソフトウェア制御によりファクシミリ通信を行なう構成においても実施することができる。その場合、本発明の制御プログラムは、前述のROM24のみならず、ハードディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスクやメモリカードなどのあらゆるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して供給することができる。また、本発明が画像形成装置にFAX通信インターフェースやネットワークインターフェースを装着したいわゆるデジタル複合機においても実施できるのはもちろんである。
【0164】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、両面画情報を送信機および受信機間で送受信する両面通信を行なうファクシミリ装置、その制御方法、およびその制御プログラムにおいて、送受信すべき原稿表面または裏面の画情報がほぼ全白の全白画情報であるか、あるいはそれ以外の有効画情報であるかを検出し、全白画情報を検出している場合当該原稿面の画像データの送受信を省略する両面片面混在モードを用いて原稿画像の送受信を行ない、その場合、受信機から送信機に対して、両面情報の受信機能の有無、および前記両面片面混在モードによる片面、両面情報の混在情報の受信機能の有無を通知する通知手段(あるいは通知ステップ)と、送信機から受信機に対して、両面情報を送信する事、および前記両面片面混在モードにより片面、両面情報の混在情報を送信する事を指定する指定手段(あるいは指定ステップ)と、送信機から受信機に対して、中間手順信号により、ページナンバー、面情報、および送受信する有効画情報のみをカウントした通しページ番号を通知する中間手順実行手段(あるいは中間手順実行ステップ)を含み、前記通知手段および指定手段を介した送受信機間の交渉により前記両面片面混在モードが選択された場合、前記中間手順実行手段を介して送受信する有効画情報のみを通しページ番号としてカウントし、カウントした通しページ番号を中間手順により送受信し、受信機側で該通しページ番号の連続性を監視する事により通信エラーの有無を検出する構成を採用しているので、全白面の送信を省略し、従来必要であったページ間手順を減らすことができ、通信時間を短縮し、通信コストを低減することができる。
特に、前記通知手段および指定手段を介して前記両面片面混在モードを用いるか否かをファクシミリ手順信号により送受信機間で交渉し、送受信機が双方とも同モードを有する場合のみ同モードによる原稿画像の送受信を行なう構成を採用することにより、通信の互換性を損なうことなく前記両面片面混在モードを利用して効率の良い通信を行なうことができる。
また、前記両面片面混在モードにおいて、前記中間手順実行手段を介して送受信する有効画情報のみを通しページ番号としてカウントし、カウントした通しページ番号を中間手順により送受信し、受信側では送信された通しページ番号の連続性を監視することにより通信エラーの有無を検出する構成を採用することにより、確実に両面片面混在の原稿画像を伝送することができる。
あるいはさらに、前記両面片面混在モードにおいて、送受信する有効画情報のみをカウントした通しページ番号を含む発信元情報を前記有効画情報の一部として送受信する構成を採用すれば、従来のように全白ページにもヘッダ情報が付き、しかもそのヘッダ情報のページ番号が全白ページもカウントした値となることがなく、受信側ユーザに奇異な印象を与えることのない自然な発信元情報を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用したファクシミリ装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の両面伝送で用いられるDIS/DTCおよびDCS信号のFIFを示した表図である。
【図3】本発明の両面伝送で用いられるポストメッセージ信号のフォーマットを示した説明図である。
【図4】本発明の非ECM通信モードにおける交互モードでの両面通信の様子を示した説明図である。
【図5】本発明のECM通信モードにおける交互モードでの両面通信の様子を示した説明図である。
【図6】本発明の非ECM通信モードにおける連続モードでの両面通信の様子を示した説明図である。
【図7】本発明のECM通信モードにおける連続モードでの両面通信の様子を示した説明図である。
【図8】図1のCPU22による送信制御を示したフローチャート図である。
【図9】図1のCPU22による送信制御を示したフローチャート図である。
【図10】図1のCPU22による送信制御を示したフローチャート図である。
【図11】図1のCPU22の送信制御を示したフローチャート図である。
【図12】図1のCPU22による送信制御を示したフローチャート図である。
【図13】図1のCPU22による送信制御を示したフローチャート図である。
【図14】図1のCPU22による送信制御を示したフローチャート図である。
【図15】図1のCPU22による送信制御を示したフローチャート図である。
【図16】図1のCPU22による送信制御を示したフローチャート図である。
【図17】図1のCPU22による送信制御を示したフローチャート図である。
【図18】図1のCPU22による送信制御を示したフローチャート図である。
【図19】図1のCPU22による受信制御を示したフローチャート図である。
【図20】図1のCPU22による受信制御を示したフローチャート図である。
【図21】図1のCPU22による通信制御の全体の流れを示したフローチャート図である。
【図22】図1のCPU22による通信制御の全体の流れを示したフローチャート図である。
【図23】本発明により送信される原稿画像の構成を示した説明図である。
【図24】図1のCPU22による受信時の通信制御の一例を示したフローチャート図である。
【符号の説明】
2 NCU
4 電話機
6 ハイブリッド回路
8 変復調器
10 発呼回路
12 加算回路
14 読取回路
16 記録回路
18 メモリ回路
20 操作部
22 CPU
24 ROM
26 バス
Claims (6)
- 両面画情報を送信機および受信機間で送受信する両面通信を行なうファクシミリ装置において、
送受信すべき原稿表面または裏面の画情報がほぼ全白の全白画情報であるか、あるいはそれ以外の有効画情報であるかを検出する検出手段と、
前記検出手段が全白画情報を検出している場合当該原稿面の画像データの送受信を省略する両面片面混在モードを用いて原稿画像の送受信を行なう制御手段と、
受信機から送信機に対して、両面情報の受信機能の有無、および前記両面片面混在モードによる片面、両面情報の混在情報の受信機能の有無を通知する通知手段と、
送信機から受信機に対して、両面情報を送信する事、および前記両面片面混在モードにより片面、両面情報の混在情報を送信する事を指定する指定手段と、
送信機から受信機に対して、中間手順信号により、ページナンバー、面情報、および送受信する有効画情報のみをカウントした通しページ番号を通知する中間手順実行手段を有し、
前記通知手段および指定手段を介した送受信機間の交渉により前記両面片面混在モードが選択された場合、前記中間手順実行手段を介して送受信する有効画情報のみを通しページ番号としてカウントし、カウントした通しページ番号を中間手順により送受信し、受信機側で該通しページ番号の連続性を監視する事により通信エラーの有無を検出することを特徴とするファクシミリ装置。 - 前記両面片面混在モードにおいて、送受信する有効画情報のみをカウントした通しページ番号を含む発信元情報を前記有効画情報の一部として送受信することを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
- 両面画情報を送信機および受信機間で送受信する両面通信を行なうファクシミリ装置の制御方法において、
送受信すべき原稿表面または裏面の画情報がほぼ全白の全白画情報であるか、あるいはそれ以外の有効画情報であるかを検出する検出ステップと、
全白画情報を検出している場合当該原稿面の画像データの送受信を省略する両面片面混在モードを用いて原稿画像の送受信を行なう制御ステップと、
受信機から送信機に対して、両面情報の受信機能の有無、および前記両面片面混在モードによる片面、両面情報の混在情報の受信機能の有無を通知する通知ステップと、
送信機から受信機に対して、両面情報を送信する事、および前記両面片面混在モードにより片面、両面情報の混在情報を送信する事を指定する指定ステップと、
送信機から受信機に対して、中間手順信号により、ページナンバー、面情報、および送受信する有効画情報のみをカウントした通しページ番号を通知する中間手順実行ステップを含み、
前記通知ステップおよび指定ステップを介した送受信機間の交渉により前記両面片面混在モードが選択された場合、前記中間手順実行ステップを介して送受信する有効画情報のみを通しページ番号としてカウントし、カウントした通しページ番号を中間手順により送受信し、受信機側で該通しページ番号の連続性を監視する事により通信エラーの有無を検出することを特徴とするファクシミリ装置の制御方法。 - 前記両面片面混在モードにおいて、送受信する有効画情報のみをカウントした通しページ番号を含む発信元情報を前記有効画情報の一部として送受信するための制御ステップを含むことを特徴とする請求項3に記載のファクシミリ装置の制御方法。
- 両面画情報を送信機および受信機間で送受信する両面通信を行なうファクシミリ装置の制御プログラムにおいて、
送受信すべき原稿表面または裏面の画情報がほぼ全白の全白画情報であるか、あるいはそれ以外の有効画情報であるかを検出するステップと、
全白画情報を検出している場合当該原稿面の画像データの送受信を省略する両面片面混在モードを用いて原稿画像の送受信を行なう制御ステップと、
受信機から送信機に対して、両面情報の受信機能の有無、および前記両面片面混在モー ドによる片面、両面情報の混在情報の受信機能の有無を通知する通知ステップと、
送信機から受信機に対して、両面情報を送信する事、および前記両面片面混在モードにより片面、両面情報の混在情報を送信する事を指定する指定ステップと、
送信機から受信機に対して、中間手順信号により、ページナンバー、面情報、および送受信する有効画情報のみをカウントした通しページ番号を通知する中間手順実行ステップを含み、
前記通知ステップおよび指定ステップを介した送受信機間の交渉により前記両面片面混在モードが選択された場合、前記中間手順実行ステップを介して送受信する有効画情報のみを通しページ番号としてカウントし、カウントした通しページ番号を中間手順により送受信し、受信機側で該通しページ番号の連続性を監視する事により通信エラーの有無を検出することを特徴とするファクシミリ装置の制御プログラム。 - 前記両面片面混在モードにおいて、送受信する有効画情報のみをカウントした通しページ番号を含む発信元情報を前記有効画情報の一部として送受信するための制御ステップを含むことを特徴とする請求項5に記載のファクシミリ装置の制御プログラム。
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