JP3594270B2 - 溶接性に優れたAl−Mg−Si系合金 - Google Patents

溶接性に優れたAl−Mg−Si系合金 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、圧延材、押出材、鍛造材として溶接構造材に用いられる150N/mm以上の引張強さを有する中強度Al−Mg−Si系アルミニウム合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築、車両、船舶、航空機等においては、益々薄肉軽量化が進み、成形しやすく、耐食性、応力腐食割れの心配がなく、しかも溶接性の優れた中強度アルミニウム合金の要求が高まって来ている。従来、これらの用途に対するアルミニウム合金としては、JISのA6061、A6063、A6N01等のAl−Mg−Si系合金が考えられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、A6061、A6063、A6N01等のAl−Mg−Si系合金は、溶接するとビード部や境界部に溶接割れが発生しやすく、また、溶接熱影響部にミクロ割れが起こりやすい等の問題があった。そのため、溶接材料、溶接方法の改善、およびそれらの組み合わせによって、上記問題を解決する方法が採られてきた。例えば、材料の結晶粒を微細にしたり、繊維状組織にすると溶接割れやミクロ割れが改善できることから、材料の製造工程の改善(加工と熱処理の組み合わせ)によって解決しようとしたり、溶接施工方法や溶接条件で解決しようとする試みがなされてきている。しかしながら、このような方法は、特別な製造工程をとる為、材料製造コストが上昇し、又、溶接施工や溶接管理が煩雑になる等の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の点に鑑み種々検討の結果、従来のAl−Mg−Si系合金材料における、溶接割れやミクロ割れの問題を解決するのみでなく、150N/mm以上の引張強さを有し、しかも耐食性、並びに、押出、圧延、鍛造等の加工性に優れるAl−Mg−Si系合金材料を開発したものである。
【0005】
即ち、本願請求項1の発明は、Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下を含有し、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金である。
【0006】
また、本願請求項2の発明は、Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下を含有し、かつCu1.0重量%以下を含有し、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金である。
【0007】
また、本願請求項3の発明は、Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下を含有し、かつ、Fe0.5重量%以下、Mn1.5重量%以下、Cr0.6重量%以下、V0.5重量%以下、Ni1.0重量%以下、Mo0.5重量%以下、希土類元素2.0重量%以下のうち少なくとも1種を含有し、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金である。
【0008】
また、本願請求項4の発明は、Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下、Cu1.0重量%以下を含有し、かつ、Fe0.5重量%以下、Mn1.5重量%以下、Cr0.6重量%以下、V0.5重量%以下、Ni1.0重量%以下、Mo0.5重量%以下、希土類元素2.0重量%以下のうち少なくとも1種を含有し、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金である。
【0009】
また、本願請求項5の発明は、Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下を含有し、かつ、Ti0.2重量%以下、B0.08重量%以下、Zr0.3重量%以下のうち少なくとも1種を含み、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金である。
【0010】
また、本願請求項6の発明は、Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下、Cu1.0重量%以下を含有し、かつ、Ti0.2重量%以下、B0.08重量%以下、Zr0.3重量%以下のうち少なくとも1種を含み、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金である。
【0011】
また、本願請求項7の発明は、Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下を含有し、かつ、Fe0.5重量%以下、Mn1.5重量%以下、Cr0.6重量%以下、V0.5重量%以下、Ni1.0重量%以下、Mo0.5重量%以下、希土類元素2.0重量%以下のうち少なくとも1種を含有し、かつ、Ti0.2重量%以下、B0.08重量%以下、Zr0.3重量%以下のうち少なくとも1種を含み、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金である。
【0012】
また、本願請求項8の発明は、Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下、Cu1.0重量%以下をを含有し、かつ、Fe0.5重量%以下、Mn1.5重量%以下、Cr0.6重量%以下、V0.5重量%以下、Ni1.0重量%以下、Mo0.5重量%以下、希土類元素2.0重量%以下のうち少なくとも1種を含有し、かつ、Ti0.2重量%以下、B0.08重量%以下、Zr0.3重量%以下のうち少なくとも1種を含み、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金である。
【0013】
【作用】
以下、本願発明の溶接性に優れたAl−Mg−Si系アルミニウム合金について、添加元素の役割とその含有量の限定理由を説明する。
【0014】
MgはSiの存在でMgSiを形成し、時効硬化性を保有する。故にMgは本合金の強度向上に寄与し、150N/mm以上の引張強さを得るためには不可欠な元素である。Mgが0.2重量%未満では十分な強度が得られず、2.0重量%を越えると溶接性、加工性、耐食性が劣化する。従って、Mgは0.2〜2.0重量%とするが、最も好ましい範囲は0.4〜1.6重量%である。
Siは、MgとMgSiを形成し、時効硬化性を保有する。故にSiは本合金の強度向上に寄与し、150N/mm以上の引張強さを得るためには不可欠な元素である。Siが0.15重量%未満では十分な強度が得られず、1.5重量%を越えると溶接性、耐食性が劣化する。従って、Siは0.15〜1.5重量%とするが、最も好ましい範囲は0.2〜1.3重量%である。
Scは、本合金の耐溶接割れ性を改善するためには不可欠な元素である。また、Scは強度向上にも寄与する。Scが0.03重量%未満ではその効果が少なく、3.0重量%を越えて含有させると強度、加工性を劣化させる危険がある。従って、Scは0.03〜3.0とするが、最も好ましい範囲は、0.1〜2.5重量%である。
【0015】
Cuは強度を向上させる効果があるが1.0重量%を越えると耐食性、溶接性が劣化する。従って、Cuは1.0重量%以下とする。Cuは0.1重量%未満ではその効果が少ない。Cuの最も好ましい範囲は、0.10〜0.7重量%である。
【0016】
Agは溶接性及び強度を向上させる効果があるが1.0重量%を越えると加工性、溶接性が劣化する。従って、Agは1.0重量%以下とする。Agは0.03重量%未満ではその効果が少ない。Agの最も好ましい範囲は、0.05〜0.7重量%である。
【0017】
Fe、Mn、Cr、V、Ni、Mo及び希土類元素は、それぞれ溶接性や強度の改善をはかる効果があり、1種または2種以上添加する。しかし、Fe:0.5重量%、Mn:1.5重量%、Cr:0.6重量%、V:0.5重量%、Ni:1.0重量%、Mo:0.5重量%、希土類元素:2.0重量%を越えて含有されると巨大晶出物が発生し、成形性、靱性、加工性、溶接性、耐食性等を劣化させる危険がある。従って、Fe:0.5重量%以下、Mn:1.5重量%以下、Cr:0.6重量%以下、V:0.5重量%以下、Ni:1.0重量%以下、Mo:0.5重量%以下、希土類元素:2.0重量%以下とする。但し、含有量が Fe:0.01重量%未満、Mn:0.01重量%未満、Cr:0.01重量%未満、V:0.01重量%未満、Ni:0.03重量%未満、Mo:0.01重量%未満、希土類元素:0.03重量%未満では上記効果が無い。従って、Feは0.01〜0.5重量%、Mnは0.01〜1.5重量%、Crは0.01〜0.6重量%、Vは0.01〜0.5重量%、Niは0.03〜1.0重量%、Moは0.01〜0.5重量%、希土類元素0.03〜2.0重量%が望ましいが、最も好ましい範囲は、Fe:0.1〜0.48重量%、Mn:0.1〜1.0重量%、Cr:0.05〜0.4重量%、V:0.05〜0.3重量%、Ni:0.1〜0.8重量%、Mo:0.03〜0.3重量%、希土類元素:0.05〜1.5重量%である。
【0018】
尚、希土類元素としては、La、Ce、Pr、Nd、Sm等のうち1種または2種以上を用いることができ、これらのうちのいずれか1種の量、あるいは2種以上の合計量が0.03〜2.0重量%の範囲内であればよい。これらのうち2種類以上を含む合金としては、例えばCe、Laを主成分とするミッシュメタル(通常Ce45〜50重量%、La20〜40重量%、残部その他の希土類元素(Pr、Nd、Sm等)からなる)を用いることができる。上記希土類元素のうちのいずれか1種、あるいはミッシュメタルは、いずれも同等の効果を示すが、希土類元素単体では高価であり、ミッシュメタルとして添加する方が経済的に有利である。
【0019】
Ti、及びBは、組織を微細化し、溶接性を向上させる元素である。しかし、Tiは、0.2重量%を越えると巨大化合物が発生し、靱性、加工性、耐食性が劣化する危険性がある。また、Tiは0.005重量%未満ではその効果が少ない。従って、Tiは、0.005〜0.2重量%が望ましいが、最も好ましい範囲は、0.008〜0.1重量%である。
Bは、0.08重量%を越えて含有されると、靱性、加工性を劣化させる危険がある。また、Bは0.0001重量%未満では結晶粒微細化の効果が少ない。従って、Bは、0.0001〜0.08重量%が望ましいが、最も好ましい範囲は0.0005〜0.01重量%である。
【0020】
Zrは、Ti,Bと同様に溶接性を向上させる元素である。更に、ZrはScと一緒に添加することによって強度を向上させる効果も有する。しかし、Zrが0.3重量%を越えると強度、加工性、耐食性が劣化する。従って、Zrは0.3重量%以下とする。また、Zrは、0.03重量%未満ではその効果が少ないので、0.03〜0.3重量%添加するのが望ましいが、最も好ましい範囲は、0.05〜0.25重量%である。
【0021】
本発明合金の、押出材、圧延材、鍛造材は、従来のAl−Mg−Si系合金材の製造工程、製造条件で製造できる。また、本発明合金の用途としては、建築(柱、梁、サッシ等)、土木(仮設材、矢板、はらおこし、高欄、橋梁等)、車両(鉄道車輌用板・押出形材、自動車用板・形材等)、容器・配管(一般容器配管、真空機器容器配管等)、船舶(上部構造、パイセクション等)、航空機(構造部品、その他)等が考えられる。尚、本発明合金の溶接方法としては、従来からアルミニウム合金の溶接に用いられている、ティグ溶接、ミグ溶接、レーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗スポット溶接、シーム溶接、スタッド溶接、高周波溶接、超音波溶接等の融接、及び圧接方法が適している。
【0022】
【実施例】
次に本発明の一実施例について説明する。表1〜表10に示す組成の合金(No.1〜30参考例、No.31〜36本発明合金、No.37〜60参考例、No.61〜65本発明合金、No.66〜68参考例、No.69〜73本発明合金、No.74〜76参考例、No.77〜81本発明合金、No.82〜84参考例、No.85本発明合金、No.86〜97参考例、No.98〜103本発明合金、No.104〜127参考例、No.128〜133本発明合金、No.134〜136参考例、No.137〜145本発明合金、No.146〜187比較合金、No.188〜190従来合金)を半連続水冷鋳造装置を用いて、押出用鋳塊(9インチ径)に鋳造した。この鋳塊を520〜540℃で8〜12時間均質化処理した後、400〜470℃に加熱し、それぞれ厚さ5mm、幅100mmの平角材に押出した。押出加工するに際して、前記平角材が表面欠陥や割れ発生が無く押出し得る最高押出速度(限界押出速度)をもって、各合金の押出性の良否を◎、○、×の3段階で評価し、その結果を表11〜表17に示した。評価基準は下記の通りである。
◎・・押出速度がA6063の限界押出速度(28m/min)を越える。
○・・押出速度がA6061の限界押出速度(18m/min)以上で、A6063の限界押出速度以下。
×・・押出速度がA6061の限界押出速度未満。
【0023】
各々の材料は押出後、525℃で1時間の溶体化処理後焼入し、200℃で8時間の焼戻し処理を行った。
このようにして製造した材料について、引張試験、溶接割れ試験、及びミクロ割れ試験、腐食試験を行い、その結果を表11〜表17に併記した。なお,試験方法は下記に示す通りである。
Figure 0003594270
【0024】
Figure 0003594270
【0025】
Figure 0003594270
【0026】
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【0027】
【表1】
Figure 0003594270
【0028】
【表2】
Figure 0003594270
【0029】
【表3】
Figure 0003594270
【0030】
【表4】
Figure 0003594270
【0031】
【表5】
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【0032】
【表6】
Figure 0003594270
【0033】
【表7】
Figure 0003594270
【0034】
【表8】
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【0035】
【表9】
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【0036】
【表10】
Figure 0003594270
【0037】
【表11】
Figure 0003594270
【0038】
【表12】
Figure 0003594270
【0039】
【表13】
Figure 0003594270
【0040】
【表14】
Figure 0003594270
【0041】
【表15】
Figure 0003594270
【0042】
【表16】
Figure 0003594270
【0043】
【表17】
Figure 0003594270
【0044】
表11〜15から明らかなように、本発明合金No.31〜36No.61〜65No.69〜73No.77〜81No.85No.98〜103No.128〜133No.137〜145はいずれも、押出加工性、強度、溶接性、耐食性の全てにおいて優れている。一方、表15〜17から明らかなように、比較合金No.146〜187、および従来合金No.188〜190は、上記特性の内のいずれかにおいて劣っている。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明の溶接構造用アルミニウム合金は、従来のAl−Mg−Si系合金よりも溶接性に優れており、しかも、加工性、強度、耐食性等も、従来のAl−Mg−Si系合金と同等、又はそれ以上であって、工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィッシュボーン形割れ試験片の形状(溶接後)を示す平面説明図。
1・・・・フィッシュボーン形割れ試験片
1a・・・溶接ビード
1b・・・溶接割れ
1c・・・割れ長さ
1d・・・溶接方向
2・・・・切り込み

Claims (8)

  1. Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下を含有し、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金。
  2. Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下を含有し、かつCu1.0重量%以下を含有し、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金。
  3. Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下を含有し、かつ、Fe0.5重量%以下、Mn1.5重量%以下、Cr0.6重量%以下、V0.5重量%以下、Ni1.0重量%以下、Mo0.5重量%以下、希土類元素2.0重量%以下のうち少なくとも1種を含有し、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金。
  4. Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下、Cu1.0重量%以下を含有し、かつ、Fe0.5重量%以下、Mn1.5重量%以下、Cr0.6重量%以下、V0.5重量%以下、Ni1.0重量%以下、Mo0.5重量%以下、希土類元素2.0重量%以下のうち少なくとも1種を含有し、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金。
  5. Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下を含有し、かつ、Ti0.2重量%以下、B0.08重量%以下、Zr0.3重量%以下のうち少なくとも1種を含み、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金。
  6. Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下、Cu1.0重量%以下を含有し、かつ、Ti0.2重量%以下、B0.08重量%以下、Zr0.3重量%以下のうち少なくとも1種を含み、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金。
  7. Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下を含有し、かつ、Fe0.5重量%以下、Mn1.5重量%以下、Cr0.6重量%以下、V0.5重量%以下、Ni1.0重量%以下、Mo0.5重量%以下、希土類元素2.0重量%以下のうち少なくとも1種を含有し、かつ、Ti0.2重量%以下、B0.08重量%以下、Zr0.3重量%以下のうち少なくとも1種を含み、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金。
  8. Mg0.2〜2.0重量%、Si0.15〜1.5重量%、Sc0.03〜3.0重量%、Ag1.0重量%以下、Cu1.0重量%以下をを含有し、かつ、Fe0.5重量%以下、Mn1.5重量%以下、Cr0.6重量%以下、V0.5重量%以下、Ni1.0重量%以下、Mo0.5重量%以下、希土類元素2.0重量%以下のうち少なくとも1種を含有し、かつ、Ti0.2重量%以下、B0.08重量%以下、Zr0.3重量%以下のうち少なくとも1種を含み、残部アルミニウムおよび不可避不純物からなり、限界押出速度が18m/min以上、引張強さ150N/mm2 以上、溶接割れ試験結果割れ長さが50mm未満、ミクロ溶接割れ試験結果ミクロ割れの発生が無く、腐食試験結果腐食発生しないものであることを特徴とする溶接性、耐食性、加工性に優れたAl−Mg−Si系合金。
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