JP3594168B2 - インバ−タ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるノ−トパソコン(携帯型のパ−ソナルコンピュ−タ)におけるLCDのバックライトとして用いられる冷陰極蛍光ランプ等を点灯する電源として好適なインバ−タ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインバ−タ装置を図3に従って説明する。図3において、インバ−タ装置は、直流−直流変換回路(以下コンバ−タという)51と、直流−交流変換回路(以下、インバ−タという)52と、出力電流安定用の帰還回路53とから構成されている。コンバ−タ51にはバッテリ−等の電源54の直流電圧が供給される。この直流電圧は、一旦、矩形波の電圧に変換された後に平滑されて再び直流電圧に変換される。即ち、コンバ−タ51は集積回路化されたパルス幅制御回路55、チョッパ−回路56、平滑用チョ−クコイル57等を備えており、電源54の直流電圧はパルス幅制御回路55の電圧供給端55aと接地端55bとに加えられる。ここで、パルス幅制御回路55は動作制御端55cを有しており、この動作制御端55cにハイレベルの電圧が加えられたときにパルス幅制御回路55が作動して、出力端55dに所定の繰り返し周波数でハイレベルとロ−レベルとに変化するパルス信号が出力される。動作制御端55cに加えられる電圧としては、例えば電源54の直流電圧がそのまま用いられ、スイッチ58を介して加えられる。スイッチ58が開のときは動作制御端55cがロ−レベルとなってパルス幅制御回路55は停止状態となり、出力端55dにはパルス信号が現れず、電源54の電圧とほぼ同じ電圧であるハイレベルに固定される。
【0003】
チョッパ−回路56はPNPのパワ−トランジスタ56aとダイオ−ド56bとを備えており、このパワ−トランジスタ56aのエミッタが電源54に接続され、コレクタが平滑用チョ−クコイル57の一端に接続されている。そして、パルス幅制御回路55の出力端55dからのパルス信号がパワ−トランジスタ56aのベ−スに入力されることによって、パワ−トランジスタ56aが断続的に導通し、コレクタには電源54の直流電圧が矩形波状となって現れることになる。この矩形波状の電圧がチョ−クコイル57によって平滑されて再び直流電圧に変換され、インバ−タ52に加えられる。
【0004】
パルス幅制御回路55内には、図示はしないが鋸歯状波(あるいは三角波)発生器が備えられており、この鋸歯状波(あるいは三角波)を用いて出力端55dから出力されるパルス信号のデュ−ティ比を調整するようにしている。即ち、パルス幅制御回路55には出力電圧制御端55eが備えられており、この出力電圧制御端55eに入力される電圧によって鋸歯状波等のスライスレベルを変えてパルス信号のデュ−ティ比を調整するようにしている。
【0005】
チョ−クコイル57によって平滑された直流電圧(コンバ−タ51の出力電圧という)はインバ−タ52に加えられる。インバ−タ52はNPN型の二つの発振トランジスタ61、62とこれらの発振トランジスタ61、62にロイヤ−接続されたトランス63で構成される。即ち、発振トランジスタ61および62のそれぞれのコレクタにトランス63の一次巻線63aの両端が接続され、一次巻線63aの中点にコンバ−タ51の出力電圧が印加される。また、発振トランジスタ61、62のそれぞれのベ−スが帰還巻線63bに接続されて発振するようになっている。このインバ−タ52の発振周波数は発振トランジスタ61、62のそれぞれのコレクタ間に接続されたコンデンサ64の容量と一次巻線63aのインダクタンスとによって決まり、およそ50KHzである。そして、トランス63の二次巻線63cの両端には一次巻線63aとの巻数比によってほぼ1000ボルトの電圧が発生する。二次巻線63cの一端は、このインバ−タ装置が組み込まれる、例えば、ノ−トパソコンの導電性の筺体(グランド)に接地されて他端が高電位端となる。そして、高電位端がバラストコンデンサ65を直列に介してインバ−タ52の一方の出力端子52aに接続される。また、接地された二次巻線63cの一端は、後述する負荷電流検出抵抗66を直列に介してインバ−タ52の他方の出力端子52bに接続される。
そして、出力端子52a、52b間に負荷となる冷陰極蛍光ランプ67がリ−ド線67a、67bを介して接続される。
【0006】
ここで、帰還回路53について説明する。冷陰極蛍光ランプ67をノ−トパソコンのLCDのバックライトに使用する場合にはその明るさを一定にする必要があるので、負荷電流に基づいて冷陰極蛍光ランプ67に流れる電流が一定になるように制御している。
即ち、接地された二次巻線63c一端と他方の出力端子52bとの間に接続された負荷電流検出抵抗66と、この抵抗66の両端に発生する電圧を整流する整流ダイオ−ド68と、平滑コンデンサ69と、分圧抵抗70、71とによって帰還回路53を構成し、分圧抵抗70、71に現れる分圧電圧(直流電圧)がパルス幅制御回路55の出力電圧制御端55eに帰還される。そこで、例えば、負荷電流検出抵抗66に流れる負荷電流が所定の値よりも大きく(または小さく)なった場合には、帰還回路53で検出される分圧電圧が高く(または低く)なるので、この検出される電圧を出力電圧制御端55eに入力することによって鋸歯状波(あるいは三角波)のスライスレベルを高く(または低く)してデュ−ティ比を上げ(または下げ)てコンバ−タ51の出力電圧を低く(または高く)して負荷電流を調整するようにしている。なお、出力端55dから出力されるパルス信号の繰り返し周波数は前述した鋸歯状波(または三角波)発生器の繰り返し周波数となり、周波数設定端55fに接続された周波数設定回路60の抵抗60aとコンデンサ60bとによっておよそ200KHzに設定されている。
また、バラストコンデンサ65は、負荷である冷陰極蛍光ランプ67の点灯時と点灯後の負荷電流を調整するものである。
【0007】
以上のように構成されたインバ−タ装置は、例えば、ノ−トパソコン等に組み込まれ、LCDのバックライトである冷陰極蛍光ランプ67を負荷として使用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した従来のインバ−タ装置では、帰還回路53の制御によって負荷電流が一定になるようになされており、正常な動作状態では問題がないが、負荷の短絡(デッドショ−ト)等によってインバ−タ装置が熱破壊や発煙を引き起こすという問題がある。
【0009】
即ち、ノ−トパソコン等では不要輻射を防止するために、パソコンの筺体の内側に導電性のメッキ等を施し、これを接地することによってインバ−タ52の発振による高周波電圧の輻射を防止しているが、パソコンの組立時に誤って冷陰極蛍光ランプ67のリ−ド線67aを筺体に挟んでしまうとリ−ド線67aの被覆が破られて筺体に施したメッキ部分に接触し、冷陰極蛍光ランプ67が点灯しないばかりかインバ−タ装置の特にパワ−トランジスタ56aが熱破壊されたり、短絡した部分に電流が集中し、発火、発煙を起こすおそれがある。
そこで、本発明は、このようなデッドショ−トによるインバ−タ装置の破壊や発煙を防止し、さらにはデッドショ−トに到らないレアショ−ト状態においても破壊や発煙等を防止するようにするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のインバ−タ装置は、動作制御端を有し、前記動作制御端に印加される電圧レベルによって作動状態と停止状態とに切り換えられる直流−直流変換回路と、前記動作制御端に出力端が接続され、前記動作制御端の電圧レベルを前記直流−直流変換回路が作動状態となる第一のレベルに保持する自己保持回路と、前記直流−直流変換回路の出力側に一次巻線が接続されたトランスを含み、前記直流−直流変換回路の出力電圧を高周波電圧に変換する直流−交流変換回路と、前記トランスの二次巻線に流れる電流が通流する過電流検出素子と、前記過電流検出素子を通流する電流が所定値を越えた場合に、前記自己保持回路の前記第一のレベルの保持を解除し、前記動作制御端の電圧レベルを前記直流−直流変換回路が停止状態となる第二のレベルに切り換える過電流検出回路とを備えた。
【0011】
また、本発明のインバ−タ装置は、前記過電流検出素子の一端を前記二次巻線の低電位側に接続した。
【0012】
また、本発明のインバ−タ装置は、前記過電流検出素子の他端をグランドに接続した。
【0013】
また、本発明のインバ−タ装置は、前記直流−直流変換回路は出力電圧制御端を有するとともに、前記出力電圧制御端に入力される電圧によって前記直流−直流変換回路の出力電圧が制御され、一方、前記二次巻線によって流れる負荷電流が通流する負荷電流検出抵抗を設け、前記負荷電流検出抵抗を前記二次巻線および前記過電流検出素子と直列に接続し、前記負荷電流検出抵抗の一端を前記グランドに接続するとともに、前記負荷電流検出抵抗の他端の電圧に基づいた電圧を前記出力電圧制御端に入力した。
【0014】
また、本発明のインバ−タ装置は、前記過電流検出素子を抵抗素子とし、前記過電流検出回路は少なくとも整流ダイオ−ドと平滑コンデンサとを有し、前記抵抗素子の両端間の交流電圧を前記整流ダイオ−ドで整流するとともに、前記平滑コンデンサで直流電圧に平滑し、前記直流電圧に基づいて前記自己保持回路の前記出力端の電圧を前記第二のレベルに切り換えるようにした。
【0015】
また、本発明のインバ−タ装置は、前記過電流検出回路には前記直流電圧を分圧する少なくとも二つの分圧抵抗を設け、前記分圧抵抗によって分圧された電圧で前記自己保持回路の前記出力端の電圧を前記第二のレベルに切り換えるようにした。
【0016】
また、本発明のインバ−タ装置は、前記直流−直流変換回路への電源供給を遮断するヒュ−ズを設け、前記ヒュ−ズが遮断するときに前記過電流検出素子に流れる電流よりも前記所定電流を低く設定した。
【0017】
また、本発明のインバ−タ装置は、前記自己保持回路は、前記第一のレベルの電圧が入力される入力端と、前記入力端に入力された前記第一のレベルの電圧を前記出力端に出力する第一のトランジスタと、コンデンサを有して前記第一のレベルの電圧を充電する充電回路と、前記コンデンサの両端を短絡する第二のトランジスタとを備え、前記充電回路に生ずる充電電圧の電圧レベルに応じて前記第一のトランジスタを導通させるとともに前記第一のレベルの電圧を前記出力端に出力し、前記出力端における前記第一のレベルの電圧によって前記第二のトランジスタを導通させるとともに前記コンデンサに充電された電圧を放電させることによって前記第一のトランジスタの導通状態を保持するようにした。
【0018】
また、本発明のインバ−タ装置は、前記出力端と前記第二のトランジスタのベ−スとの間に帰還回路を設け、前記出力端の電圧レベルを前記第二のレベルに切り換えるための制御端を前記帰還回路に設け、前記過電流検出回路には前記過電流検出素子を通流する電流に基づいた電圧によって導通する検出トランジスタを設け、前記検出トランジスタのコレクタを前記帰還回路の前記制御端に接続した。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインバ−タ装置の実施の形態を図1および図2に従って説明する。ここで、図1は本発明のインバ−タ装置のブロック構成を示し、図2は本発明のインバ−タ装置に関わる詳細な保護回路を示す。
【0020】
先ず、図1において、本発明のインバ−タ装置は、降圧型の直流−直流変換回路(以下コンバ−タという)1と、直流−交流変換回路(以下、インバ−タという)2と、出力電流安定用の帰還回路3とを有して構成されている。コンバ−タ1にはバッテリ−等の電源4の直流電圧が供給される。この直流電圧は、一旦、矩形波の電圧に変換された後に平滑されて再び直流電圧に変換される。即ち、コンバ−タ1は集積回路化されたパルス幅制御回路5、チョッパ−回路6、平滑用チョ−クコイル7等を備えており、電源4の直流電圧は電源ヒュ−ズ8を介してパルス幅制御回路5の電圧供給端5aと接地端5bとに加えられる。ここで、パルス幅制御回路5は動作制御端5cを有しており、この動作制御端5cに第一のレベルであるハイレベルの電圧が加えられたときにパルス幅制御回路5が作動して、出力端5dに所定の繰り返し周波数でハイレベルとロ−レベルとに変化するパルス信号が出力される。動作制御端5cに加えられる電圧としては、例えば電源4の直流電圧が用いられ、スイッチ9と本発明の特徴である自己保持回路10(後述)を介してパルス幅制御回路5の動作制御端5cに加えられる。
【0021】
この自己保持回路10は、入力端10a、出力端10b、制御端10cを有しており、スイッチ9が閉で且つ制御端10cが解放状態(あるいはハイレベル)のときは入力端10aに加えられた電源4の直流電圧が出力端10bに現れるようになっている。そして、スイッチ9が閉のときでも、制御端10cが接地状態(あるいはロ−レベル)になったときは出力端10bに電源4の直流電圧が現れず、従ってパルス幅制御回路5の動作制御端5cの電圧は第二のレベルであるロ−レベルとなり、パルス幅制御回路5は停止状態となり、このパルス幅制御回路5の出力端5dにはパルス信号が現れず、電源4の電圧とほぼ同じ電圧であるハイレベルに固定される。
【0022】
チョッパ−回路6はPNPのパワ−トランジスタ6aとダイオ−ド6bを備えており、このパワ−トランジスタ6aのエミッタが電源4に接続され、コレクタが平滑用チョ−クコイル7の一端に接続されている。そして、パルス幅制御回路5の出力端5dからのパルス信号がパワ−トランジスタ6aのベ−スに入力されることによって、パワ−トランジスタ6aが断続的に導通し、そのコレクタには電源4の直流電圧が矩形波状となって現れることになる。この矩形波状の電圧がチョ−クコイル7によって平滑されて再び直流電圧に変換され、インバ−タ2に加えられる。また、チョ−クコイル7の他端は、後述する出力電圧検出回路11を介してパルス幅制御回路5の出力電圧制御端5eに接続される。
【0023】
パルス幅制御回路5内には、図示はしないが鋸歯状波(あるいは三角波)発生器が備えられており、この鋸歯状波(あるいは三角波)を用いて出力端5dから出力されるパルス信号のデュ−ティ比を調整するようにしている。即ち、パルス幅制御回路5には出力電圧制御端5eが備えられており、この出力電圧制御端5eに入力される電圧によって鋸歯状波等のスライスレベルを変えてパルス信号のデュ−ティ比を調整するようにしている。
【0024】
チョ−クコイル7によって平滑された直流電圧(コンバ−タ1の出力電圧という)はインバ−タ2に加えられる。インバ−タ2はNPN型の二つの発振トランジスタ13、14とこれらの発振トランジスタ13、14にロイヤ−接続されたトランス15で構成される。即ち、発振トランジスタ13および14のそれぞれのコレクタにトランス15の一次巻線15aの両端が接続され、一次巻線15aの中点にコンバ−タ1の出力電圧が印加される。また、発振トランジスタ13、14のそれぞれのベ−スが帰還巻線15bに接続されて発振するようになっている。このインバ−タ2の発振周波数は発振トランジスタ13、14のそれぞれのコレクタ間に接続されたコンデンサ16の容量と一次巻線15aのインダクタンスとによって決まり、およそ50KHzである。そして、トランス15の二次巻線15cの両端には一次巻線15aとの巻数比によってほぼ1000ボルトの電圧が発生する。
【0025】
二次巻線15cの一端は抵抗等からなる過電流検出素子17を介してこのインバ−タ装置が組み込まれるノ−トパソコン等の金属等の導電性の筺体(グランド)に接地されて他端が高電位端となる。この高電位端がバラストコンデンサ18を直列に介してインバ−タ2の一方の出力端2aに接続される。また、接地された過電流検出素子17の他端は、負荷電流検出抵抗19を直列に介してインバ−タ2の他方の出力端2bに接続される。
そして、出力端2a、2b間に負荷となる冷陰極蛍光ランプ20がリ−ド線20a、20bを介して接続される。この結果、トランス15の二次巻線15c、バラストコンデンサ18、冷陰極蛍光ランプ20、負荷電流検出抵抗19、過電流検出素子17で閉ル−プが構成される。ここで、バラストコンデンサ18は負荷電流を安定化させるものである。
【0026】
冷陰極蛍光ランプ20をノ−トパソコンのLCDのバックライトに使用する場合にはその明るさを一定にする必要があるので、負荷電流に基づいて冷陰極蛍光ランプ20に流れる電流が一定になるように制御している。
即ち、負荷電流検出抵抗19と、この抵抗19の両端に発生する電圧を整流する整流ダイオ−ド21と、平滑コンデンサ22と、分圧抵抗23、24とによって帰還回路3を構成し、分圧抵抗23、24に現れる分圧電圧(直流電圧)をパルス幅制御回路5の出力電圧制御端5eに帰還することによって負荷電流を一定にしている。
さらに詳しく説明すると、例えば、負荷電流検出抵抗19に流れる負荷電流が所定の値よりも大きく(または小さく)なった場合には、帰還回路3で検出される電圧が高く(または低く)なるので、この検出された電圧を出力電圧制御端5eに入力することによって鋸歯状波(あるいは三角波)のスライスレベルを高く(または低く)して、出力端5dから出力されるパルス信号のハイレベルの時間が長く(または短く)なるようにデュ−ティ比を上げ(または下げ)てコンバ−タ1の出力電圧を低く(または高く)して負荷電流を調整するようにしている。なお、出力端5dから出力されるパルス信号の繰り返し周波数は前述した鋸歯状波(または三角波)発生器の繰り返し周波数と同じとなり、周波数設定端5fに接続された周波数設定回路12の抵抗12aとコンデンサ12bとによっておよそ200KHzに設定されている。
【0027】
次に、出力電圧検出回路11について説明する。この出力電圧検出回路11は、ツェナ−ダイオ−ド11a、ダイオ−ド11b、抵抗11cの直列回路からなり、この直列回路がチョ−クコイル7の他端とパルス幅制御回路5の出力電圧制御端5eとの間に接続されている。そして、ツェナ−ダイオ−ド11aのツェナ−電圧は、負荷である冷陰極蛍光ランプ20が正常に接続されて点灯しているときは導通しないように、即ち、コンバ−タ1の正常な出力電圧ではオンとならず、異常と判断されるような高い出力電圧となった場合にオンするような電圧に設定している。ここで、例えば、リ−ド線20a、20bが断線したりして、トランス15の二次巻線15cに接続される負荷がオ−プン状態となったとする。すると、負荷電流検出抵抗19には負荷電流が流れなくなり、帰還回路3で検出される電圧がグランドレベル近くまで低くなる。そして、ほぼ0ボルトの電圧が出力電圧制御端5eに入力されることとなって、出力端5dから出力されるパルス信号のデュ−ティ比はロ−レベルの時間の割合が大きくなるように制御され、コンバ−タ1の出力電圧が高められる。このような制御がパルス幅制御回路5によって行われた結果、ついには、ツェナ−ダイオ−ド11aのツェナ−電圧(正確にはツェナ−電圧にダイオ−ド11bの順方向電圧を加えた電圧)を超え、ツェナ−ダイオ−ド11aが導通する。ツェナ−ダイオ−ド11aが導通すると、出力電圧制御端5eには、コンバ−タ1の出力電圧が抵抗11cと分圧抵抗24とで分圧された分圧電圧が印加され、コンバ−タ1の出力電圧の上昇が抑えられる。このように、出力電圧検出回路11は負荷がオ−プン状態となったときの保護回路となっている。なお、ツェナ−ダイオ−ド11aのツェナ−電圧は、冷陰極蛍光ランプ20に流れる負荷電流の調整によってコンバ−タ1の出力電圧が多少高くなった場合に、誤ってツェナ−ダイオ−ド11aがオンとならないよう正常時のコンバ−タ1の出力電圧よりも数ボルト高く設定している。
【0028】
また、トランス15の二次巻線15cと過電流検出素子17との接続点と自己保持回路10の制御端10cとの間には本発明の特徴である過電流検出回路25が接続される。この過電流検出回路25は、過電流検出素子17に流れる電流が所定値を越えるとその出力がロ−レベルに変化するようになっており、これによって自己保持回路10の出力端10bがロ−レベルに変化するようになっている。
【0029】
ここで、自己保持回路10、過電流検出回路25の構成と動作を図2に従って説明する。
先ず、自己保持回路10は、第一のトランジスタであるPNPトランジスタ31、第二のトランジスタであるNPNトランジスタ32を有しており、トランジスタ31のエミッタが入力端10aに、コレクタが出力端10bに接続されている。また、トランジスタ32のエミッタが接地されている。そして、入力端10aとトランジスタ32のコレクタとの間には互いに直列接続された二つの抵抗33、34が接続され、抵抗33、34の接続点からトランジスタ31のベ−スにバイアス電圧が加わるようになっている。トランジスタ32のコレクタは充電コンデンサ35を介して接地されている。従って、抵抗33、34と充電コンデンサ35とは充電回路36を構成し、抵抗33、34を介して充電コンデンサ35に電源4の直流電圧が充電される。また、トランジスタ31のコレクタは、互いに直列接続された三つの抵抗37、38、39を介して接地され、抵抗38と抵抗39との接続点からトランジスタ32のベ−スにバイアス電圧が加わるようになっている。さらに、抵抗37と抵抗38との接続点が制御端10cに接続されている。これらの抵抗37、38、39はトランジスタ31のコレクタに現れた電源4の直流電圧をトランジスタ32のベ−スに帰還する帰還回路40を構成する。
【0030】
一方、過電流検出回路25は、トランス15の二次巻線15cと過電流検出素子17との接続点にアノ−ドが接続された整流ダイオ−ド41と、自己保持回路10の制御端10cにコレクタが接続され、エミッタが接地されたNPNトランジスタ42を有している。整流ダイオ−ド41のカソ−ドは平滑コンデンサ43を介して接地されるとともに互いに直列接続された分圧抵抗44、45を介して接地されている。そして、分圧抵抗44と分圧抵抗45との接続点とトランジスタ42のベ−スとが抵抗46で接続され、このベ−スは抵抗47を介して接地されている。以上の説明から分かるようにトランジスタ42はいわゆるオ−プンコレクタとなっている。そして、過電流検出素子17は一端が二次巻線15cに接続され、他端がグランドに接地されることによって二次巻線の低電位側に設けられるので、過電流検出回路25を構成する整流ダイオ−ド41等の部品には高耐圧部品を使用することなく低電圧用のものが使用できる。
【0031】
ここで、インバ−タ装置を動作する場合について説明する。先ず、スイッチ9を閉にすると抵抗33、34を介して充電コンデンサ35に充電電流が流れ始め、この瞬間はコンデンサ35の両端が短絡状態であるので抵抗33と抵抗34との接続点の電圧、即ち、トランジスタ31のベ−ス電圧が電源4の直流電圧よりも低くなってトランジスタ31が導通する。この結果、帰還回路40の抵抗37、38、39を介してトランジスタ31のコレクタ電流が流れる。すると抵抗38と抵抗39との接続点の電圧がトランジスタ32のベ−ス加わりトランジスタ32が導通してトランジスタ32のコレクタはほぼ0ボルトとなる。この結果、トランジスタ31によって充電コンデンサの両端が短絡され、充電コンデンサ35に充電されつつあった電圧はトランジスタ32によて放電され、トランジスタ31が導通状態を継続することになり、出力端10bには電源4の直流電圧が出力されることになる。これによって、パルス幅制御回路5が作動する。
【0032】
そして、インバ−タ装置が作動して冷陰極蛍光ランプ20が点灯すると過電流検出素子17にも負荷電流が流れることになるが、過電流検出素子17に生ずる電圧が整流ダイオ−ド41によって整流され、平滑コンデンサ43で直流電圧に平滑される。この直流電圧は分圧抵抗44、45によって分圧されてトランジスタ42のベ−スに加えられるが、ここで、分圧抵抗44、45の抵抗値は、負荷電流が正常な値である場合はトランジスタ42が導通せず、負荷電流が所定値を越えた場合にトランジスタ42が導通するように設定されている。そしてさらに、この所定値の電流を越えたときにヒュ−ズ8が遮断するようにしている。また、負荷電流が正常な場合はトランジスタ42が非導通であるのでそのコレクタは解放状態となり、このコレクタが接続されている自己保持回路10の制御端10cの電圧は変化せず、この自己保持回路10のトランジスタ31は導通状態を継続し、出力端10bの電圧は電源4の直流電圧に保持されている。
【0033】
そして、例えば、冷陰極蛍光ランプ20のリ−ド線20aが図示しない接地された筺体に他の導電体を介して接触したり、あるいは、リ−ド線20aが筐体に接するか接していないか区別できないほど接近し、リ−ド線20aと接地された筺体とが抵抗を介して接触していると見なせるような状態が発生して、インバ−タ装置の出力端2aがいわゆるレアショ−トし、ヒュ−ズ8が遮断しないばあいでも過電流検出素子17に過大な電流が流れた場合は過電流検出回路25のトランジスタ42が導通しそのコレクタはほぼ0ボルトに低下する。この結果、自己保持回路10の制御端10cの電圧もほぼ0ボルトに低下し、トランジスタ32が非道通となりコンデンサ35が充電を開始してトランジスタ31のベ−ス電圧が電源4の直流電圧まで上昇する。これによってトランジスタ31が非道通となり自己保持回路10の出力端10bからパルス幅制御回路5の動作制御端5cへは電源4の直流電圧が印加されなくなり、動作制御端5cの電圧はほぼ0ボルトに保持され、インバ−タ装置の動作が停止し保護される。
【0034】
上記のように冷陰極蛍光ランプ20のリ−ド線20aが接地された筺体に直接接触するデッドショ−トの場合はもちろん、抵抗を介して接触して負荷電流が増加するようないわゆるレアショ−トの場合でも、過大な電流は必ずトランス15の二次巻線15cとこの二次巻線15cに直列接続された過電流検出素子17を流れるので過電流検出回路25が動作し、インバ−タ装置を保護できる。これは、過電流検出素子17がトランス15の二次巻線15cと接地間に直列に接続されていることによる。
【0035】
ここで、冷陰極蛍光ランプ20のリ−ド線20aがデッドショ−トあるいはレアショ−トした場合には、前述した出力電圧検出回路11からなる保護回路が作動する前に、換言すればツェナ−ダイオ−ド11aがオンする前に、過電流検出回路25が機能して、インバ−タ装置の動作が停止するように抵抗素子からなる過電流検出素子17や分圧抵抗44、45の抵抗値を設定している。
即ち、リ−ド線20aが接地された筺体等と接触してショ−トを起こすと、負荷電流検出抵抗19には負荷電流が流れなくなり、ほぼグランドレベルの電圧がパルス幅制御回路5の出力電圧制御端5eに入力されることとなって、コンバ−タ1の出力電圧が高くなるように制御される。そして、このような制御がパルス幅制御回路5によって行われた結果、前述したように、コンバ−タ1の出力電圧がツェナ−ダイオ−ド11aのツェナ−電圧(正確には、ツェナ−電圧にダイオ−ド11bの順方向電圧を加えた電圧)を超え、ツェナ−ダイオ−ド11aが導通し、コンバ−タ1の出力電圧の上昇が抑えられる。しかしながら、リ−ド線20aのショ−トが発生してツェナ−ダイオ−ド11aがオンするまでの間はコンバ−タ1の出力電圧は高くなるように制御されることとなり、この間に、ショ−トした部分に電流が集中し、発煙や発火等を引き起こす可能性がある。そこで、図1、図2で示したインバ−タ装置においては、出力電圧検出回路11からなる保護回路の作動を待つことなく、過電流検出素子17に過電流が流れた場合には、直ちに自己保持回路10の制御端10cの電圧をほぼ0ボルトにして、インバ−タ装置の動作を停止させ、発煙等の発生を防止している。
【0036】
また、冷陰極蛍光ランプ20のリ−ド線20bが図示しない接地された筺体に接触してインバ−タ装置の出力端2bがデッドショ−トあるいはレアショ−トした場合にも、インバ−タ装置の動作が停止し保護される。即ち、リ−ド線20bがショ−トすると、負荷電流検出抵抗19には負荷電流が流れなくなるか極端に減少し、負荷電流検出抵抗19の出力端2bとの接続点の電圧はグランドレベル近くまで低下し、パルス幅制御回路5の出力電圧制御端5eにもグランドレベル近くの低い電圧が入力される。その結果、パルス幅制御回路5はコンバ−タ1の出力電圧が上昇するように制御され、トランス15の二次巻線15cに直列接続された過電流検出素子17に流れる電流も増加し、過電流検出素子17に生ずる電圧が上昇する。そして、過電流検出素子17に生ずる電圧が過電流検出回路25が作動する電圧に達すると、トランジスタ42が導通し、前述したリ−ド線20aのショ−トの場合と同様に、パルス幅制御回路5の動作制御端5c電圧はほぼ0ボルトに保持され、インバ−タ装置の動作が停止する。なお、リ−ド線20bのショ−トの場合にも、出力電圧検出回路11からなる保護回路が作動する前に過電流検出回路25が機能するようになっている。
このように、上述したインバ−タ装置においては、過電流検出素子17と、その電圧(出力端2bにおける電圧)がパルス幅制御回路5に帰還される負荷電流検出抵抗19とを設けたので、リ−ド線20aとリ−ド線20bのうち、いずれのリ−ド線がショ−トした場合にもインバ−タ装置の動作を停止させることができる。
【0037】
さらに、本発明のインバ−タ装置においては、過電流検出素子17と負荷電流検出抵抗19とを別個に設けているので、冷陰極蛍光ランプ20等の負荷に流れる電流を一定にする制御と、トランス15の二次巻線15cに流れる過電流の検出とをいずれも確実に行うことができる。例えば、両検出素子を兼用し、過電流検出素子17に負荷電流検出抵抗19の機能をもたせ、過電流検出素子17と二次巻線15cとの接続点の電圧を整流ダイオ−ド21、平滑コンデンサ22により整流、平滑し、さらに、分圧抵抗23、24により分圧した電圧をパルス幅制御回路5の出力電圧制御端5eに入力し、コンバ−タ1の出力電圧を制御するとする。このように構成した場合にも、二次巻線15c(即ち、過電流検出素子17)に流れる電流量に応じてコンバ−タ1の出力電圧にフィ−ドバックがかかり、出力電圧の安定化が図られると同時に、リ−ド線20aの短絡時には、過電流検出回路25が作動する。しかしながら、正常時においても、過電流検出素子17に流れる電流と負荷に流れる電流とは同じとは限らない。即ち、特に、LCDのバックライトとして用いられる冷陰極蛍光ランプ20を負荷とする場合には、冷陰極蛍光ランプ20の反射効率を上げるために、LCDとは反対側に接地した金属製の反射板を設けることがしばしば行われる。このように冷陰極蛍光ランプ20に接近して金属製の部材が配置されると、両者の間の浮遊容量(静電容量)が大きくなり、本来、冷陰極蛍光ランプ20に流れるべき電流の何割かは漏れ電流として金属板を介してグランドに流れてしまう。そして、二次巻線15cとグランドとの間に直列接続された過電流検出素子17では、この漏れ電流を検出することができず、換言すれば、冷陰極蛍光ランプ20に流れる電流を検出することはできず、従って、冷陰極蛍光ランプ20の明るさを安定して制御することはできない。そこで、本発明のインバ−タ装置では、過電流検出素子17と負荷電流検出抵抗19とを別個に設けることにより、このような不具合を解消している。
【0038】
以上のように構成されたインバ−タ装置は、例えば、ノ−トパソコン等に組み込まれ、LCDのバックライトである冷陰極蛍光ランプ20を負荷として使用される。なお、上述したインバ−タ装置では負荷として冷陰極蛍光ランプ20を用いたもので説明したが、本発明のインバ−タ装置の負荷はこれに限定されるものではない。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明のインバ−タ装置は、作動状態と停止状態とに切り換えられる直流−直流変換回路と、直流−直流変換回路が作動状態となる第一のレベルに保持する自己保持回路と、直流−直流変換回路の出力電圧を高周波電圧に変換する直流−交流変換回路と、トランスの二次巻線に流れる電流が通流する過電流検出素子と、過電流検出素子を通流する電流が所定値を越えた場合に、自己保持回路の第一のレベルの保持を解除し、直流−直流変換回路が停止状態となる第二のレベルに切り換える過電流検出回路とを備えたので、負荷のデッドショ−トの場合はもちろん、レアショ−トの場合でも、過大電流を検出すると直流−直流変換回路が停止状態となるので、インバ−タ装置を保護できる。
【0040】
また、本発明のインバ−タ装置は、過電流検出素子の一端を前記二次巻線の低電位側に接続したので、過電流検出回路を構成する部品には高耐圧部品を使用することなく低電圧用のものが使用できる。
【0041】
また、本発明のインバ−タ装置は、過電流検出素子の他端をグランドに接続したので、過電流検出素子は簡単に二次巻線の低電位側に設けられる。
【0042】
また、本発明のインバ−タ装置は、直流−直流変換回路は出力電圧制御端を有するとともに、前記出力電圧制御端に入力される電圧によって前記直流−直流変換回路の出力電圧が制御され、一方、前記二次巻線によって流れる負荷電流が通流する負荷電流検出抵抗を設け、前記負荷電流検出抵抗を前記二次巻線および前記過電流検出素子と直列に接続し、前記負荷電流検出抵抗の一端を前記グランドに接続するとともに、前記負荷電流検出抵抗の他端の電圧に基づいた電圧を前記出力電圧制御端に入力するようにしたので、負荷の低電位側にショ−トが発生した場合においても、直流−直流変換回路を停止状態とすることができる。また、過電流検出素子と負荷電流検出抵抗とを別個に設けているので、負荷にながれる電流の制御と過電流の検出とをいずれも確実に行うことができる。
【0043】
また、本発明のインバ−タ装置は、過電流検出素子を抵抗素子とし、過電流検出回路は少なくとも整流ダイオ−ドと平滑コンデンサとを有し、前記抵抗素子の両端間の交流電圧を整流、平滑した直流電圧に基づいて自己保持回路の出力端の電圧を第二のレベルに切り換えようにしたので、過電流検出回路は誤動作を起こしにくく、その回路も簡単に構成できる。
【0044】
また、本発明のインバ−タ装置は、過電流検出回路に直流電圧を分圧する少なくとも二つの分圧抵抗を設け、分圧抵抗によって分圧された電圧で自己保持回路の出力端の電圧を第二のレベルに切り換えようにしたので、過電流検出素子に流れる電流の所定値を分圧抵抗の分圧比だけで簡単に設定できる。
【0045】
また、本発明のインバ−タ装置は、直流−直流変換回路への電源供給を遮断するヒュ−ズを設け、ヒュ−ズが遮断するときに過電流検出素子に流れる電流よりも自己保持回路が作動するときに過電流検出素子に流れる電流(所定電流)を低く設定したので、ヒュ−ズが遮断に到らないようなレアショ−ト時にも自己保持回路を動作させて保護できる。
【0046】
また、本発明のインバ−タ装置は、前記自己保持回路は、第一のレベルの電圧を出力端に出力する第一のトランジスタと、充電コンデンサを有する充電回路と、充電コンデンサの両端を短絡する第二のトランジスタとを備え、充電回路に生ずる充電電圧の電圧レベルに応じて第一のトランジスタを導通させて第一のレベルの電圧を出力し、第一のレベルの電圧によって第二のトランジスタを導通させるとともに前記コンデンサに充電された電圧を放電させるようにしたので、一旦第一のトランジスタが導通するとその導通状態が簡単に保持できる。
【0047】
また、本発明のインバ−タ装置は、第一のレベルの電圧を第二のトランジスタのベ−スへ帰還する帰還回路に制御端を設け、この制御端に過電流検出回路に設けられ、過電流検出素子を通流する電流に応じて導通する検出トランジスタを接続したので、検出トランジスタが一旦導通すれば第二のトランジスタと第一のトランジスタを非導通とさせ、且つその状態を保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインバ−タ装置のブロック構成図である。
【図2】本発明のインバ−タ装置に関わる詳細な保護回路図である。
【図3】従来のインバ−タ装置のブロック構成図である。
【符号の説明】
1 直流−直流変換回路(コンバ−タ)
2 直流−交流変換回路(インバ−タ)
2a、2b 出力端
3 帰還回路
4 電源
5 パルス幅制御回路
5a 電圧供給端
5b 接地端
5c 動作制御端
5d 出力端
5e 出力電圧制御端
5f 周波数設定端
6 チョッパ−回路
6a パワ−トランジスタ
7 チョ−クコイル
8 ヒュ−ズ
9 スイッチ
10 自己保持回路
10a 入力端
10b 出力端
10c 制御端
11 出力電圧検出回路
11a ツェナ−ダイオ−ド
12 周波数設定回路
12a 抵抗
12b コンデンサ
13、14 発振トランジスタ
15 トランス
15a 一次巻線
15b 帰還巻線
15c 二次巻線
16 コンデンサ
17 過電流検出素子
18 バラストコンデンサ
19 負荷電流検出抵抗
20 冷陰極蛍光ランプ
20a、20b リ−ド線
21、41 整流ダイオ−ド
22、43 平滑コンデンサ
23、24、44、45 分圧抵抗
25 過電流検出回路
31 第一のトランジスタ
32 第二のトランジスタ
42 検出トランジスタ
33、34、37、38、39 抵抗
35 充電コンデンサ
36 充電回路
46、47 抵抗

Claims (6)

  1. 動作制御端及び出力電圧制御端を有し、前記動作制御端に印加される電圧レベルによって作動状態と停止状態とに切り換えられるとともに、前記出力電圧制御端に入力される電圧によって出力電圧が制御される直流−直流変換回路と、前記動作制御端に出力端が接続され、前記動作制御端の電圧レベルを前記直流−直流変換回路が作動状態となる第一のレベルに保持する自己保持回路と、前記直流−直流変換回路の出力側に接続された一次巻線と、その一次巻線に誘導結合された二次巻線とを有するトランスを含み、前記直流−直流変換回路の出力電圧を高周波電圧に変換する直流−交流変換回路と、前記トランスの二次巻線に並列接続された負荷と、前記負荷と接地点との間に接続された負荷電流検出抵抗と、前記トランスの二次巻線の低電位側と接地点との間に接続されて前記二次巻線の通流電流を検出する過電流検出素子と、前記負荷電流検出抵抗の非接地端の電圧を整流して前記出力電圧制御端に入力する帰還回路と、前記過電流検出素子の通流電流が所定値を超えた場合に、前記自己保持回路の前記第一のレベルの保持を解除し、前記動作制御端の電圧レベルを前記直流−直流変換回路が停止状態となる第二のレベルに切り換える過電流検出回路とを備えたことを特徴とするインバータ装置。
  2. 前記過電流検出素子を抵抗素子とし、前記過電流検出回路は少なくとも整流ダイオードと平滑コンデンサとを有し、前記抵抗素子の両端間の交流電圧を前記整流ダイオードで整流するとともに、前記平滑コンデンサで直流電圧に平滑し、前記直流電圧に基づいて前記自己保持回路の前記出力端の電圧を前記第二のレベルで切り換えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
  3. 前記過電流検出回路には前記直流電圧を分圧する少なくとも二つの分圧抵抗を設け、前記分圧抵抗によって分圧された電圧で前記自己保持回路の前記出力端の電圧を前記第二のレベルに切り換えるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のインバータ装置。
  4. 前記直流−直流変換回路への電源供給を遮断するヒューズを設け、前記ヒューズが遮断するときに前記過電流検出素子に流れる電流よりも前記所定電流を低く設定したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインバータ装置。
  5. 前記自己保持回路は、前記第一のレベルの電圧が入力される入力端と、前記入力端に入力された前記第一のレベルの電圧を前記出力端に出力する第一のトランジスタと、コンデンサを有して前記第一のレベルの電圧を充電する充電回路と、前記コンデンサの両端を短絡する第二のトランジスタとを備え、前記充電回路に生じる充電電圧の電圧レベルに応じて前記第一のトランジスタを導通させるとともに前記第一のレベルの電圧を前記出力端に出力し、前記出力端における前記第一のレベルの電圧によって前記第二のトランジスタを導通させるとともに前記コンデンサに充電された電圧を放電させることによって前記第一のトランジスタの導通状態を保持するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインバータ装置。
  6. 前記出力端と前記第二のトランジスタのベースとの間に帰還回路を設け、前記出力端の電圧レベルを前記第二のレベルに切り換えるための制御端を前記帰還回路に設け、前記過電流検出回路には前記過電流検出素子を通流する電流に基づいた電圧によって導通する検出トランジスタを設け、前記検出トランジスタのコレクタを前記帰還回路の前記制御端に接続したことを特徴とする請求項5記載のインバータ装置。
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