JP3594114B2 - 風呂装置及び切り替え弁 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風呂装置に関するものであり、特に落とし込み配管を持ち、追い焚き回路等の循環回路を経由して浴槽に水を落とし込む風呂装置に関するものである。また本発明は、風呂装置の落とし込みと循環とを切り替えるのに適する切り替え弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浴槽内の湯量が一定となる様に浴槽に湯を落とし込み、或いは一定量の湯を追加給湯する風呂装置が知られている。この種の風呂装置は、一般に二つの熱交換器を内蔵し、浴槽内の湯を一方の熱交換器を経て循環させる追い焚き回路と、給水源から導入された水を加熱する給湯回路を持つ。そして両者の間を接続する落とし込み配管を有し、給湯回路で作られた湯が追い焚き回路を経て浴槽に落とし込まれる。
【0003】
従来技術の風呂装置の具体的な配管系統は、図13の通りである。図13は、従来技術の風呂装置100の配管系統図である。
風呂装置100は、落とし込み給湯及び他栓への給湯を行う給湯部2と、浴槽3内の湯を追い焚きする追い焚き部5を持つ。
【0004】
給湯部2は、公知の給湯器と同様の構成であり、給湯用熱交換器10を流れる高温湯回路11と、給湯用熱交換器10をバイパスするバイパス水路12によって構成される給湯回路を持つ。そしてバイパス水路12を流れるバイパス水量をバイパス水量調節弁15によって調節し、高温湯回路11を流れる高温湯とバイパス水路12を流れる冷水を混合して湯の温度を調節する。また高温湯回路11とバイパス水路12との混合部分の下流側には水量調節弁18と出湯温度センサー20が設けられており、出湯温度センサー20によって検知された温度が前記したバイパス水量調節弁15等にフィードバックされると共に、水量調節弁18によって総水量が調節される。
【0005】
高温湯回路11には、水量センサー14と、入水温度センサー19が設けられ、高温湯の温度が例えば80°C程度の所定の温度となる様にバーナ47の熱量が調節される。
【0006】
追い焚き部5は、浴槽3と追い焚き用熱交換器21とを循環する追い焚き回路(循環回路)22を持つものである。すなわち追い焚き回路22は、浴槽3から追い焚き用熱交換器21側に湯を戻す戻り側水路23と、追い焚き用熱交換器21側から浴槽3へ湯を送る往き側水路24を持つ。そして戻り側水路23には、水位センサー25と、循環ポンプ26、水流スイッチ27及び湯温センサー28が設けられている。水位センサー25は、機能的には圧力センサーであり、圧力変化によって浴槽3内の水位を検出するものである。
【0007】
給湯部2と追い焚き部5とは、落とし込み配管30によって接続されている。落とし込み配管30は、前記した給湯部2の出湯温度センサー20が取付けられた部位の下流側から枝分けされ、他端が追い焚き回路5に接続されたものである。より具体的には、落とし込み配管30は、循環ポンプ26の吐出口と追い焚き用熱交換器21の間に接続されている。
また落とし込み配管30の戻り側水路23との接続部位には注水電磁弁32が設けられている。注水電磁弁32は、給湯部2と追い焚き部5とを断続するものである。すなわち従来技術の風呂装置100においては、湯の落とし込みと、湯の循環は、上記した注水電磁弁32を作動させるか否かによって切り替えられる。落とし込み配管30には、他に安全弁31が設けられている。また前記した電磁弁32の下流には水量センサー33が接続され、さらにその下流には二つの逆止弁34,35が設けられている。
【0008】
なお、上記した配管系統の中で、落とし込み配管30の安全弁31と逆止弁34,35は、給水源側に浴槽3内の湯が逆流することを防ぐために設けられたものである。
【0009】
風呂装置100は、図示しないコントローラ内に内蔵されたCPUを中心として制御される。CPUには、追い焚き回路5に設けられた水位センサー25の信号と、湯温センサー28の信号が入力される。またCPUの出力に応じ、所定のリレー等を介して追い焚き回路5に属する注水電磁弁32や循環ポンプ26等が起動・停止される。
【0010】
図13に示すような、風呂装置100について、浴槽3に湯を落とし込む場合は、落とし込み配管30の注水電磁弁32を開く。その結果、給湯部2の給湯回路の一部が開放されることとなり、図示しない給水源の圧力によって、給湯部2に水が流れ込む。そして水は、給湯部2の給湯用熱交換器10を通過して加熱され、さらにバイパス水路12を流れる水と混合されて温度調節され、適温の湯となる。
こうして給湯部2によって湯が作られ、落とし込み配管30を経由して追い焚き回路22に注水され、追い焚き回路22を経由して浴槽3に湯が落とし込まれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の風呂装置は、浴槽3内に自動的に湯を落とし込むことができ、すこぶる便利である。
そこで次は、より短時間で湯を落とし込むことが開発目標として要求されている。すなわち従来技術の風呂装置は、自動的に浴槽に湯を張ることができるものの、目標の水位となるまでに時間がかかるという問題がある。特に従来技術の風呂装置100は、高架水槽を給水源とする場合であって、風呂装置が高い階の部屋に設けられているケースや、井戸水をシスターンポンプで供給するケースの様に、給水圧が低い場合に目標の水位となるまでに時間がかかる。
【0012】
この原因の一つとして、従来技術の風呂装置100は、給湯部2から浴槽3に至るまでの流路抵抗が高いという点が挙げられる。
すなわち湯を落とし込む際には、落とし込み配管30から、追い焚き回路22に湯を流し込み、追い焚き回路22を介して浴槽3に湯を落とし込むが、従来技術の風呂装置100は、落とし込み配管30の部位についても、追い焚き回路22の部位についても、流路抵抗が高く、落とし込み流量を減少させる結果となっている。
【0013】
個別に説明すると、従来技術の風呂装置100では、落とし込み配管30に注水電磁弁32が設けられており、当該注水電磁弁32の流路抵抗が高い。
すなわち注水電磁弁32は、ソレノイドによって直接的に、あるいはパイロット圧を活用して弁体を動作させるものであるが、いずれにしても内部に複雑な流路が設けられている上、流路内に弁体が設けられていて水が内部を通過する際の障害物となる。そのため注水電磁弁32を通過する際に、水は、長く曲がりくねった流路を流れる上、流路と弁体との間の狭い空間をくぐる必要があり、相当の圧力損失が発生する。その結果、落とし込み配管30を流れる水の流量が著しく減少し、落とし込み作業に長時間を要する。
注水電磁弁32の形式には、上記した様に直動式とパイロット式のものがあり、風呂装置においては、比較的大口径のものが得やすい関係からパイロット式のものが活用される場合が多い。しかし、パイロット式の注水電磁弁32は、一般的に一方方向の水流だけを断続することができるものが多く、反対方向への水流を阻止できない。そのためパイロット式の注水電磁弁32を採用する場合には、逆流を防止するため、落とし込み配管30に安全弁31や逆止弁34,35を設けなければならず、これらの弁も流路抵抗を発生させる原因の一つとなっている。
【0014】
また図13に示した風呂装置100では、戻り側水路23だけを利用して浴槽3に湯が落とし込まれるが、追い焚き回路22の浴槽3との接続部分はスペースの制約からどうしても流路が狭くならざるを得ず、当該部分で大きな圧力損失を発生させてしまう。また追い焚き回路を流れる際の流路抵抗を減少させる方策として、追い焚き回路の往き側水路23と戻り側水路24の双方から浴槽3に湯を落とし込む構成が実用化されているが、当該構成では切り替えに要する弁が複数必要であり、部品点数が著しく増加するという新たな問題がある。
【0015】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、部品点数が少なく、且つ浴槽への湯の落とし込みをより迅速に行うことができる風呂装置の開発を課題とするものである。
また併せて本発明は、水を落とし込む際の圧力損失を著しく減少させることができる切り替え弁の開発を課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そして上記した目的を達成するための請求項1に記載の発明は、浴槽内の水をポンプによって循環させる循環回路と、前記循環回路を短絡するバイパス水路と、給湯源又は給水源と循環回路とを接続して浴槽に注水する落とし込み配管を有する風呂装置において、浴槽へ水を落とし込む状態と、浴槽内の水を循環させる状態とを切り替える切り替え弁を有し、当該切り替え弁は、4以上の開口を持ち、その内の一つの開口を基準開口として当該基準開口と他の一つの開口が連通する状態と、前記基準開口と先とは別の2つの開口の三者が連通する状態とが選択可能であり、前記切り替え弁は、循環回路中に配されていて基準開口を含む二つの開口が循環回路の管路に接続され、他の一つの開口は落とし込み配管と連通し、さらに別の一つの開口はバイパス水路と連通していることを特徴とする風呂装置である。
なお、本明細書において、「水」の文言は、「湯」を含む概念である。
【0017】
本発明の風呂装置は、従来技術と同様に循環回路と、落とし込み配管を持ち、落とし込み配管から循環回路に注水して水(湯)を浴槽に落とし込む。
本発明の風呂装置では、浴槽へ水を落とし込む状態と、浴槽内の水を循環させる状態とを切り替える切り替え弁に、特別の構成を採用する。すなわち本発明で採用する切り替え弁は、4以上の開口を持ち、その内の一つの開口を基準開口として当該基準開口と他の一つの開口が連通する状態と、前記基準開口と先とは別の2つの開口の三者が連通する状態とが選択可能である。そして本発明の風呂装置では、切り替え弁は、循環回路中に配されていて基準開口を含む二つの開口が循環回路の管路に接続され、他の一つの開口は落とし込み配管と連通し、さらに別の一つの開口はバイパス水路と連通している。
本発明の風呂装置において、浴槽内の水を循環させる場合には、切り替え弁を、基準開口と他の一つの開口が連通する状態に動作させる。その結果、循環回路が一連の回路として連通し、落とし込み配管とバイパス水路は閉鎖される。
一方、本発明の風呂装置において、浴槽内に水を落とし込む場合は、基準開口と他の2つの開口の三者が連通する状態に切り替える。その結果、落とし込み配管及び、バイパス水路が開く。そのため落とし込み配管から水が循環回路に入り、循環回路の戻り側水路あるいは往き側水路のいずれかから、浴槽に水が落とし込まれる。さらに前記した様にバイパス水路が開いているので、水は循環回路の他方の水路にも流れ、当該水路からも浴槽に入る。
【0018】
また請求項2に記載の発明は、循環回路はポンプの吐出側に熱交換器が配された追い焚き回路であり、前記切り替え弁は、ポンプの吸水口と浴槽との間にあって基準開口を浴槽側に向けて接続され、バイパス水路は熱交換器の吐出側の管路から分岐されていることを特徴とする請求項1に記載の風呂装置である。
【0019】
本発明の風呂装置では、切り替え弁は、ポンプの吸水口と浴槽との間にあって基準開口を浴槽側に向けて接続され、バイパス水路は熱交換器の吐出側の管路から分岐されている。すなわち切り替え弁は、追い焚き回路の戻り側であって、浴槽とポンプの間の部位にあり、常時開口の基準開口は浴槽側に向けて取り付けられている。
本発明の風呂装置を使用して浴槽に水を落とし込む場合は、前述した通り、基準開口と他の2つの開口が連通する様に切り替え弁を切り替える。この時、本発明の風呂装置では、切り替え弁によって、落とし込み配管と、戻り側水路を経由した浴槽と、バイパス水路が連通する。したがって落とし込み配管から切り替え弁に流れ込んだ水は、二つに分流され、その一方は基準開口から戻り側水路に入り、直接的に浴槽に落とし込まれる。すなわち水は、戻り側水路においてはポンプ及び熱交換器側に流れ込むことなく、直接的に浴槽に入る。
また切り替え弁の内部で分流された他の一方は、バイパス水路を経て往き側水路に入り、浴槽に落とし込まれる。
ここで本発明の風呂装置では、バイパス水路は熱交換器の吐出側の管路から分岐されているので、バイパス水路は、ポンプと熱交換器とを短絡しており、バイパス水路から戻り側水路に入る水も、ポンプ及び熱交換器を経由することなく、浴槽に落とし込まれる。そのため、落とし込み配管から循環回路に入った水は、いずれも流路抵抗の大きいポンプ及び熱交換器を通過することなく、直接的に浴槽に落とし込まれ、圧力損失が小さい。
【0020】
また請求項3に記載の発明は、切り替え弁は、内部に空隙部を有し、基準開口を含む4以上の開口を有するハウジングと、該ハウジングの空隙部内に移動または姿勢変更可能に内蔵された弁体を有し、該弁体が移動又は姿勢変更することにより基準開口と他の一つの開口が連通する状態と、前記基準開口と先とは別の2つの開口の三者が連通する状態とが選択可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の風呂装置である。
【0021】
本発明は、切り替え弁の具体的構成を開示するものである。本発明の風呂装置で採用する切り替え弁では、弁体が移動又は姿勢変更することにより基準開口と他の一つの開口が連通する状態と、前記基準開口と先とは別の2つの開口の三者が連通する状態とが選択される。
【0022】
また請求項4に記載の発明は、切り替え弁は、内部に空隙部を有し、基準開口を含む4以上の開口を有するハウジングと、該ハウジングの空隙部内に移動または姿勢変更可能に内蔵された弁体を有し、該弁体には3方向の位置に互いに連通する開口が設けられ、弁体が特定の位置に移動又は特定の姿勢となったとき、弁体の前記3方向の開口の一つがハウジングの基準開口と連通すると共に弁体の他の一方向の開口がハウジングの他の開口と連通しさらに弁体の残る開口がハウジングの内部で閉塞され、前記弁体が移動又は姿勢変更することにより弁体の前記3方向の開口の一つがハウジングの基準開口と連通すると共に弁体の他の二方向の開口がハウジングの先とは別の二つの開口と連通することを特徴とする請求項1又は2に記載の風呂装置である。
【0023】
本発明の風呂装置は、切り替え弁の具体的構成を開示するものである。本発明で採用する切り替え弁は、弁体には3方向の位置に互いに連通する開口が設けられ、弁体が移動又は姿勢変更することにより、基準開口と他の一つの開口が連通する状態と、前記基準開口と先とは別の2つの開口の三者が連通する状態とが選択される。
【0024】
さらに請求項5に記載の発明は、弁体は回転してハウジングの空隙部内で姿勢変更し、当該弁体は回転軸方向と当該回転軸に対して垂直な2方向に開口を有し、ハウジングは、弁体の回転軸方向に基準開口を有すると共に弁体の回転軸方向に対して垂直方向に3か所の開口を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の風呂装置である。
【0025】
本発明の風呂装置で採用する切り替え弁では、弁体は回転してハウジングの空隙部内で姿勢変更するものを採用している。そして弁体には3個の開口を有し、弁体の回転に応じて開口がハウジングの開口と一致する。
本発明で採用する切り替え弁は、コック又はボールコック(ボール弁)と同様の構成を有するものであり、流路の構成が単純であり、かつ流路中の障害物も少ないので圧力損失が小さい。
【0026】
また請求項6に記載の風呂装置は、弁体は、ボール状、円筒状、円錐状、皿状のいずれかであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の風呂装置。
【0027】
本発明で採用する切り替え弁は、ボールコック(ボール弁)等と同様の構成を有するものであり、圧力損失が小さい。
【0028】
また請求項7に記載の発明は、給水源から熱交換器に配管され、熱交換器の出口側から直接或いは分岐部を経て落とし込み配管が設けられており、落とし込み配管は切り替え弁に至るまでの間に弁部材を持たず、水は、熱交換器或いは分岐部から切り替え弁を介して直接的に循環回路に導入されることを特徴とする請求項6に記載の風呂装置である。
【0029】
前述した請求項6に記載の風呂装置では、弁体に、ボール状、円筒状、円錐状、皿状のいずれかのものを採用している。この切り替え弁は、ボールコック(ボール弁)等と同様の構成を有するものであり、双方向の水流を制御することができる。すなわち従来技術の風呂装置において多く採用していたパイロット式電磁弁は、一方方向の水流のみを断続するものであり、反対方向の水の流れを阻止することができなかったのに対し、本発明で採用する切り替え弁では、双方向の水流を断続することができる。そのため落とし込み配管に必ずしも逆止弁等を設ける必要はない。そこで本発明では、逆止弁等を廃し、水を、熱交換器或いは分岐部から切り替え弁を介して直接的に循環回路に導入する構成を採用している。本発明の風呂装置では、逆止弁等の流路抵抗となるものが無いので、短時間で多量の水を落とし込むことができる。
【0030】
さらに請求項7に記載の発明は、ハウジング内に弁体が回転可能に内蔵された切り替え弁において、弁体は回転軸方向と当該回転軸に対して垂直な2方向に互いに連通する開口を有し、ハウジングは、弁体の回転軸方向に基準開口を有すると共に弁体の回転軸方向に対して垂直方向に3か所の開口を有し、弁体の回転軸方向の開口は、ハウジングの基準開口と常時連通し、弁体が特定の姿勢となったとき、弁体の回転軸に対して垂直方向にある開口の一つがハウジングの他の開口と連通しさらに弁体の残る開口がハウジングの内部で閉塞され、前記弁体が回転して他の特定の姿勢となったとき、弁体の回転軸に対して垂直方向にある二つの開口がハウジングの先とは別の二つの開口と連通することを特徴とする切り替え弁である。
【0031】
本発明の切り替え弁では、弁体は、回転軸方向に開口を有し、さらに回転軸に対して垂直な2方向にも開口し、これらが互いに連通する。
そしてハウジングは、弁体の回転軸方向に基準開口を有する。そして弁体はハウジング内で回転可能であるが、前記した方向の開口の内、回転軸方向に設けられた開口は、弁体が回転しても位置が変わることはない。そのため当該弁体の開口は、ハウジングの基準開口と常時連通する。
一方、弁体の回転軸に対して垂直な2方向に設けられた開口は、弁体の回転に応じて位置が変わり、開口の一つがハウジングの他の開口と連通しさらに弁体の残る開口がハウジングの内部で閉塞される状態と、二つの開口がハウジングの先とは別の二つの開口と連通する状態とが生じる。
そのため本発明の切り替え弁では、基準開口と一つの開口とが連通する状態と、基準開口と先とは別の二つの開口の三者が連通する状態を作ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。なお従来技術と同一の部材については、同一の番号を付して、詳細な説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態の風呂装置の配管系統図である。図2は、本発明の実施形態の風呂装置で採用する切り替え弁の断面図である。図3は、本発明の実施形態の風呂装置で採用する切り替え弁を模式的に表した斜視図である。図4は、本発明の実施形態の風呂装置で採用する切り替え弁の弁体を模式的に表した斜視図である。図5は、浴槽へ水を落とし込む際における図3の切り替え弁の平面断面図である。図6は、追い焚きの際における図3の切り替え弁の平面断面図である。図7は、図1の実施形態の風呂装置の湯落とし込み時と、追い焚き時の湯の流れを示す配管系統図である。図8、弁体の変形例を示す斜視図である。図9は、弁体の他の変形例を示す斜視図である。図10は、弁体の他の変形例を示す正面図、左右側面図、平面図および底面図である。図11は、切り替え弁の変形例を示す断面図であり、当該切り替え弁によって、浴槽へ水を落とし込む際の状態を示す。図12は、追い焚きの際の図11の切り替え弁の断面図である。
【0033】
本実施形態の風呂装置1の配管系統は、切り替え弁53と、落とし込み配管30の一部に特徴があり、他の部位については、従来技術と同一である。すなわち本実施形態の風呂装置1では、図1の様に落とし込み給湯及び他栓への給湯を行う給湯部2と、浴槽3内の湯を追い焚きする追い焚き部5を持つ。また給湯部2は、給湯用熱交換器10を流れる高温湯回路11と、給湯用熱交換器10をバイパスするバイパス水路12を持ち、高温湯回路11を流れる高温湯とバイパス水路12を流れる冷水を混合して湯の温度を調節する。
本実施形態の風呂装置1では、高架水槽50から給水される。すなわち本実施形態の風呂装置1の給水源は高架水槽50である。なお本実施形態で給水源として高架水槽50を採用したのは、給水圧が低い給水源の例を示したものに過ぎず、給水源を限定するものではない。
【0034】
追い焚き部5は、浴槽3と追い焚き用熱交換器21とを循環する追い焚き回路22を持ち、浴槽3から追い焚き用熱交換器21側に湯を戻す戻り側水路23と、追い焚き用熱交換器21側から浴槽3へ湯を送る往き側水路24からなる。そして戻り側水路23には、従来技術と同様に水位センサー25と、循環ポンプ26、水流スイッチ27及び湯温センサー28が設けられている。
【0035】
本実施形態の風呂装置1に特有の構成として、追い焚き回路22に後記する切り替え弁53が設けられている。切り替え弁53は、4個の開口A,B,C,Dを持つ。そして開口A、Cが追い焚き回路22に接続されている。より具体的には、開口Aは浴槽3側に接続され、開口Cは、循環ポンプ26の吸水側に接続されている。なお、本実施形態では、切り替え弁53の開口Aが基準開口として機能する。
【0036】
また本実施形態の風呂装置1では、往き側水路24と切り替え弁53の開口Bの間にバイパス水路51が設けられている。バイパス水路51は、往き側水路24と戻り側水路23とを接続するものである。すなわちバイパス水路51は、一端が往き側水路24にあり、他端側は戻り側水路23に設けられた切り替え弁53の開口Bに接続されており、往き側水路24と戻り側水路23を繋いでいる。より詳細には、バイパス水路51は、追い焚き用熱交換器21の吐出部・浴槽間と、循環ポンプ26の吸水側・浴槽間を接続するものであり、実質的に追い焚き用熱交換器21と循環ポンプ26を側路(バイパス)するものである。
【0037】
落とし込み配管30は、本実施形態では切り替え弁53の開口Dに接続されている。落とし込み配管30は、給湯部2と追い焚き回路5とを接続するものである。落とし込み配管30は、切り替え弁53を介し、戻り側水路23の一部であって、循環ポンプ26の上流側に接続されている。
また本実施形態の風呂装置1の落とし込み配管30では、水量センサー33が設けられているが、従来技術の様な安全弁31や逆止弁34,35は無い。すなわち本実施形態の風呂装置1で採用する切り替え弁53は、後記する様にボール弁と類似の構成を持ち、双方向の水流を断続することができるので、安全弁31や逆止弁34,35を設けなくても浴槽3の湯が給水側に逆流することはない。
【0038】
次に、本実施形態の風呂装置1に特有の部材たる切り替え弁53の構成について説明する。
切り替え弁53は、前記した様に4個の開口A,B,C,Dを有し、その内の開口Aが基準開口としての機能を果たす。
切り替え弁53は、図2,3の様にモータ等のアクチェータ52が取り付けられたものであり、アクチェータ52を動作させることにより、基準開口Aと開口B,Dの三者が連通する状態と、基準開口Aと開口Cの二者が連通する状態とに切り替えることができる。
すなわち内部の弁体55が一定の姿勢にあるとき、基準開口Aとバイパス水路51に接続された開口B、及び落とし込み配管30に接続された開口Dの三者がが連通し、循環ポンプ26に接続された開口Cは閉鎖される。また弁体55が他の一定の姿勢にあるとき、基準開口Aと循環ポンプ26に接続された開口Cが連通し、バイパス水路51に接続された開口Bと落とし込み配管30に接続された開口Dは閉鎖される。
【0039】
切り替え弁53は、図2,3の様に、ハウジング56の内部に弁体55が内蔵されたものであり、さらに前記した様にアクチェータ52が取り付けられている。
順次説明すると、ハウジング56は、図2,3に示すように内部に空隙54を有し、当該空隙54と外部とを連通する4個の開口A,B,C,Dが設けられている。ここで基準開口Aは、図2,3に示す様に、アクチェータ52取付け面に対向する面に設けられている。基準開口Aは、アクチェータ52の回転軸59と同心であり、弁体55の回転軸60方向に開口する。準開口Aの中心は弁体55の回転軸60と一致する。
他の開口B,C,Dは、基準開口Aの開口方向に対していずれも垂直方向に開口している。そして開口B,C,Dは当該順序で互いに90°離れた位置に設けられている。すなわち開口Bと開口Cは、90°離れ、開口Cと開口Dはさらに90°離れ、開口Dと開口Bは180°離れている。従って開口Dと開口Bは、直線上に位置する。
【0040】
弁体55は、図3乃至図4に示すようにボール状である。弁体55は、図4の矢印の様に回転軸60を中心として回転する。そして弁体55には、回転軸60方向の部位に開口aが設けられ、さらに回転軸60と垂直に交わる方向に貫通孔63が設けられ、開口b,cが形成されている。そして弁体55の内部には垂直孔64が設けられており、開口a,b,cの三者は貫通孔63及び垂直孔64によって互いに連通している。
【0041】
弁体55は、前記したハウジング56の空隙54内に回転可能に内蔵されている。弁体55の回転軸60は、ハウジング56の基準開口Aの中心軸線と一致する。そして弁体55の開口aは、ハウジング56の基準開口Aに一致する方向及び位置にある。
また弁体55には、ハウジング56に設けられたアクチェータ52の回転軸60が嵌合され、アクチェータ52によって回転軸60を中心として回転される。
なお弁体55とハウジング56の間は、公知のボール弁と同様にシート61,62によってシールされている。
【0042】
切り替え弁53では、前記した様に弁体55は、回転軸60を中心として回転し、開口aは、回転軸60と同方向に設けられているので、弁体55が回転しても開口aの位置は変わらない。そして開口aは、ハウジング56の基準開口Aと一致する位置にあるため、弁体の開口aは、弁体55の回転角度に係わらず、常に基準開口Aと連通する。
また弁体55の開口b,cは、回転軸60に対して垂直に交わる方向に開口し、さらに両者の位置関係は直線上にある。一方ハウジング56の開口B,Dは、基準開口Aの開口方向に対して垂直方向に開口しており、開口B,D同士は180°離れていて両者は直線上にある。したがって、弁体55を特定の回転角度とした時、弁体55の開口b,cは、ハウジング56の開口B,Dと一致し、これらは互いに連通する。したがって、弁体55が特定の回転姿勢の時、切り替え弁53の基準開口Aと、開口B,Dの三者が連通する。なおこのとき、ハウジング56の残る開口Cは、弁体55の外周によって閉塞される。したがってハウジング56の残る開口Cは、他の開口とは連通しない。
【0043】
一方、弁体55の開口b,cのいずれかをハウジング56の真ん中の開口Cと一致させたとき、弁体55の残る開口は、ハウジング56の内壁によつて閉塞される。またハウジング56の開口A,Dは、弁体55の外周によって閉塞される。したがってこのとき、弁体55の開口A,Cが連通し、開口B,Dは不通となる。
本実施形態で採用する切り替え弁53は、ハウジング56の開口A,B.C.Dと、弁体55の開口a,b,cの一致・不一致によって流路を断続するものであり、双方向の水流を断続することができる。したがって、追い焚きを行うべく、基準開口Aと循環ポンプ26に接続された開口Cが連通したときは、追い焚き回路22と落とし込み配管30とは、双方向の水流が遮断され、追い焚き回路22側の湯が落とし込み配管30に流れることはない。
【0044】
次に、本実施形態の風呂装置1の作用について説明する。
本実施形態の風呂装置1を使用して浴槽3に湯を落とし込む場合には、切り替え弁53の弁体55を回転させ、図5の様に基準開口Aと開口B,Dの三者が連通する状態とする。すなわち戻り側水路23経由の浴槽3と、バイパス水路51及び落とし込み配管30の三者を連通させる。
その結果、落とし込み配管30の末端が開放され、給湯部2から切り替え弁53の開口Dに湯が流れ込む。そして湯は図7(a)の様に、切り替え弁53の内部で開口A,Bに分流される。そのため分流された一方の流れは、基準開口Aから追い焚き回路22の戻り側水路23を流れ、直接浴槽3に入る。また他方の流れは、開口Bからバイバス水路51に入り、追い焚き回路22の往き側水路24を流れて浴槽3に入る。すなわち落とし込み配管30の湯は、切り替え弁53内で分流され、一方は、基準開口Aから戻り配管23を経て浴槽3に入り、他方は開口Bからバイパス水路51に入って戻り配管24を流れ、浴槽3に至る。
そのため本実施形態の風呂装置1は、往き側水路24と戻り側水路23の両方から湯が落とし込まれ、落とし込みの際の配管抵抗が小さく、より多量の湯を落とし込むことができる。また本実施形態では、切り替え弁53内の流路が直線的であるばかりでなく、流路中に障害物がなく、切り替え弁53自身の圧力損失が小さい。加えて、本実施形態の風呂装置1では、落とし込み配管30には、安全弁や逆止弁が無いので、落とし込み配管30の流路抵抗は小さく、より大きな流量が期待される。
【0045】
本実施形態の風呂装置1で追い焚きを行う場合には、切り替え弁53の弁体55を回転させ、図6の様に基準開口Aと開口Cが連通する状態とする。すなわち戻り側水路23を経由した1槽3と循環ポンプ26の吸水側とが連通し、バイパス水路51と落とし込み配管30は閉鎖される。
その結果、従来技術と同様に循環ポンプ26の吸水口29が浴槽3と接続され、浴槽3、循環ポンプ26、追い焚き用熱交換器21が連続した回路が形成され、支障なく追い焚きを行うことができる。すなわち浴槽3内の湯は、図7(b)の様に浴槽3、循環ポンプ26、追い焚き用熱交換器21を経て浴槽3に戻る。
【0046】
上記した実施形態では、切り替え弁の例として、ボール状の弁体55を内蔵した構成を例示した。上記した実施形態の切り替え弁53は、流路が直線的であるばかりでなく、流路中に障害物がなく、圧力損失が小さいので最も推奨される構成である。しかしながら本発明は、弁体の形状をボール状のものに限定するものではなく、他の公知の形状も採用することができる。
【0047】
例えば、弁体には図8の様な円筒形のものを採用することもできる。弁体65は、全体形状が円筒形であって、下面と側面とに開口a,b,cが設けられている。開口a,b,cの位置関係は、前記したボール状の弁体55と同一であり、開口aは回転軸と一致し、開口b,cは、回転軸に対して垂直であって、両者は互いに直線上にある。図8に示した弁体65を使用した場合においても、双方向の水流を断続することができるので、安全弁31や逆止弁34,35を設けなくても浴槽3の湯が給水側に逆流することはない。
【0048】
また他に、図9の様な円錐台状の弁体66も採用可能である。弁体66は、全体形状が円錐台形状であって、下面と側面とに開口a,b,cが設けられている。開口a,b,cの位置関係は、前記したボール状の弁体55と同一であり、開口aは回転軸と一致し、開口b,cは、回転軸に対して垂直であって、両者は互いに直線上にある。図9に示した弁体66を使用した場合においても、双方向の水流を断続することができるので、逆止弁等は不要である。
【0049】
また図10に示す弁体67は、開口aを極端に大きくして、他の開口b,cと開口aが繋がったものを示している。ここで図10(a)は、弁体67の正面図であり、(b)は左側面図であり、(c)は右側面図であり、(d)は平面図であり、(e)は底面図である。
図10に示す弁体67においても、回転軸方向に開口aが設けられており、回転軸に対して垂直な2方向に開口b,cを有している。図10に示す弁体67は、あたかもボールの一部に溝が形成されたような形態をしている。
図10に示す弁体67は、ボール型弁体の変形であり、通常ディスク型(皿型)と称されるものの応用例である。すなわち、弁体67は、半円型のディスク(皿)68a,68bが上部で繋がった形であり、ディスク68a,68bの外周面で図示しないハウジングの開口を封鎖する。
図10に示した弁体67を使用した場合においても、浴槽3の湯が給水側に逆流することはなく、逆止弁等を設ける必要はない。
【0050】
図11,12に示す切り替え弁70は、弁体71を直線的に移動させて切り替えを行うものである。
すなわち弁体71は、円筒形のハウジング72と柱状の弁体71を持つ。そしてハウジング72は、配管接続部となる4個の開口A,B,C,Dを持つ。ここで開口Aは、ハウジング72の軸方向に設けられ、他の開口B,C,Dは、ハウジング72の周面に設けられている。
また弁体には端面に開口aが設けられ、側面にも2個の開口b,cが設けられていてこれらは互いに連通する。
【0051】
そして開口Aは浴槽3側に接続され、開口Bはバイパス水路51に接続され、開口Cは、循環ポンプ26の吸水側に接続されている。開口Dは落とし込み配管30に接続されている。
本実施形態の切り替え弁70では、図11の様に弁体71の開口b,cをハウジング72の開口B,Dに一致させて湯の落とし込みを行い、図12の様に弁体71の開口cをハウジング72の開口Cに一致させて追い焚きを行う。
【0052】
以上説明した実施形態では、いずれも落とし込み配管30に安全弁と逆止弁を設けない構成を例示した。本実施形態の様に安全弁と逆止弁を廃した構成は、高架水槽を給水源とする場合や、井戸水をスターンポンプで供給する場合の様に給水圧力が低い場合に推奨される構成であるが、もちろん本発明の風呂装置は、落とし込み配管30に安全弁や逆止弁を設ける構成を否定するるものではない。
【0053】
【発明の効果】
本発明の風呂装置では、循環回路の戻り側水路と往き側水路の双方から浴槽に水(湯を含む)が落とし込まれるので、水が循環回路を通過する際の圧力損失が小さく、大きな落とし込み流量を確保することができる。そのため本発明の風呂装置は、落とし込みに要する時間を短縮することができる効果がある。
また本発明の風呂装置は、部品点数の過度の増加も無いので製造コストも低い。
【0054】
また請求項2に記載の風呂装置によると、落とし込みの際にポンプ及び熱交換器を経由することなく、浴槽に水が落とし込まれる。そのため本発明の風呂装置は、さらに圧力損失が小さく、大きな落とし込み流量を確保することができ、落とし込みに要する時間をさらに短縮することができる効果がある。
【0055】
また請求項3乃至6に記載の風呂装置は、本発明を実施する際の設計指針を与える効果があり、切り替え弁自体の圧力損失を低下させることができるものである。
【0056】
また請求項7に記載の風呂装置では、落とし込み配管は注水弁を除いて弁部材を持たず、圧力損失が小さいので、給水圧が低い場合でも十分な水量を確保することができる。
【0057】
さらに請求項8に記載の切り替え弁は、基準開口と一つの開口とが連通する状態と、基準開口と先とは別の二つの開口の三者が連通する状態を作ることができる効果があり、本発明の風呂装置の実施に寄与する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の風呂装置の配管系統図である。
【図2】本発明の実施形態の風呂装置で採用する切り替え弁の断面図である。
【図3】本発明の実施形態の風呂装置で採用する切り替え弁を模式的に表した斜視図である。
【図4】本発明の実施形態の風呂装置で採用する切り替え弁の弁体を模式的に表した斜視図である。
【図5】浴槽へ水を落とし込む際における図3の切り替え弁の平面断面図である。
【図6】追い焚きの際における図3の切り替え弁の平面断面図である。
【図7】図1の実施形態の風呂装置の湯落とし込み時と、追い焚き時の湯の流れを示す配管系統図である。
【図8】弁体の変形例を示す斜視図である。
【図9】弁体の他の変形例を示す斜視図である。
【図10】弁体の他の変形例を示す正面図、左右側面図、平面図および底面図である。
【図11】切り替え弁の変形例を示す断面図であり、当該切り替え弁によって、浴槽へ水を落とし込む際の状態を示す。
【図12】追い焚きの際の図11の切り替え弁の断面図である。
【図13】従来技術の風呂装置の配管系統図である。
【符号の説明】
1 風呂装置
3 浴槽
10 給湯用熱交換器
22 追い焚き回路(循環回路)
26 循環ポンプ
30 落とし込み配管
51 バイパス水路
53 切り替え弁
55 弁体
56 ハウジング
A 基準開口
B,C,D 開口
a,b,c 開口
【発明の属する技術分野】
本発明は、風呂装置に関するものであり、特に落とし込み配管を持ち、追い焚き回路等の循環回路を経由して浴槽に水を落とし込む風呂装置に関するものである。また本発明は、風呂装置の落とし込みと循環とを切り替えるのに適する切り替え弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浴槽内の湯量が一定となる様に浴槽に湯を落とし込み、或いは一定量の湯を追加給湯する風呂装置が知られている。この種の風呂装置は、一般に二つの熱交換器を内蔵し、浴槽内の湯を一方の熱交換器を経て循環させる追い焚き回路と、給水源から導入された水を加熱する給湯回路を持つ。そして両者の間を接続する落とし込み配管を有し、給湯回路で作られた湯が追い焚き回路を経て浴槽に落とし込まれる。
【0003】
従来技術の風呂装置の具体的な配管系統は、図13の通りである。図13は、従来技術の風呂装置100の配管系統図である。
風呂装置100は、落とし込み給湯及び他栓への給湯を行う給湯部2と、浴槽3内の湯を追い焚きする追い焚き部5を持つ。
【0004】
給湯部2は、公知の給湯器と同様の構成であり、給湯用熱交換器10を流れる高温湯回路11と、給湯用熱交換器10をバイパスするバイパス水路12によって構成される給湯回路を持つ。そしてバイパス水路12を流れるバイパス水量をバイパス水量調節弁15によって調節し、高温湯回路11を流れる高温湯とバイパス水路12を流れる冷水を混合して湯の温度を調節する。また高温湯回路11とバイパス水路12との混合部分の下流側には水量調節弁18と出湯温度センサー20が設けられており、出湯温度センサー20によって検知された温度が前記したバイパス水量調節弁15等にフィードバックされると共に、水量調節弁18によって総水量が調節される。
【0005】
高温湯回路11には、水量センサー14と、入水温度センサー19が設けられ、高温湯の温度が例えば80°C程度の所定の温度となる様にバーナ47の熱量が調節される。
【0006】
追い焚き部5は、浴槽3と追い焚き用熱交換器21とを循環する追い焚き回路(循環回路)22を持つものである。すなわち追い焚き回路22は、浴槽3から追い焚き用熱交換器21側に湯を戻す戻り側水路23と、追い焚き用熱交換器21側から浴槽3へ湯を送る往き側水路24を持つ。そして戻り側水路23には、水位センサー25と、循環ポンプ26、水流スイッチ27及び湯温センサー28が設けられている。水位センサー25は、機能的には圧力センサーであり、圧力変化によって浴槽3内の水位を検出するものである。
【0007】
給湯部2と追い焚き部5とは、落とし込み配管30によって接続されている。落とし込み配管30は、前記した給湯部2の出湯温度センサー20が取付けられた部位の下流側から枝分けされ、他端が追い焚き回路5に接続されたものである。より具体的には、落とし込み配管30は、循環ポンプ26の吐出口と追い焚き用熱交換器21の間に接続されている。
また落とし込み配管30の戻り側水路23との接続部位には注水電磁弁32が設けられている。注水電磁弁32は、給湯部2と追い焚き部5とを断続するものである。すなわち従来技術の風呂装置100においては、湯の落とし込みと、湯の循環は、上記した注水電磁弁32を作動させるか否かによって切り替えられる。落とし込み配管30には、他に安全弁31が設けられている。また前記した電磁弁32の下流には水量センサー33が接続され、さらにその下流には二つの逆止弁34,35が設けられている。
【0008】
なお、上記した配管系統の中で、落とし込み配管30の安全弁31と逆止弁34,35は、給水源側に浴槽3内の湯が逆流することを防ぐために設けられたものである。
【0009】
風呂装置100は、図示しないコントローラ内に内蔵されたCPUを中心として制御される。CPUには、追い焚き回路5に設けられた水位センサー25の信号と、湯温センサー28の信号が入力される。またCPUの出力に応じ、所定のリレー等を介して追い焚き回路5に属する注水電磁弁32や循環ポンプ26等が起動・停止される。
【0010】
図13に示すような、風呂装置100について、浴槽3に湯を落とし込む場合は、落とし込み配管30の注水電磁弁32を開く。その結果、給湯部2の給湯回路の一部が開放されることとなり、図示しない給水源の圧力によって、給湯部2に水が流れ込む。そして水は、給湯部2の給湯用熱交換器10を通過して加熱され、さらにバイパス水路12を流れる水と混合されて温度調節され、適温の湯となる。
こうして給湯部2によって湯が作られ、落とし込み配管30を経由して追い焚き回路22に注水され、追い焚き回路22を経由して浴槽3に湯が落とし込まれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の風呂装置は、浴槽3内に自動的に湯を落とし込むことができ、すこぶる便利である。
そこで次は、より短時間で湯を落とし込むことが開発目標として要求されている。すなわち従来技術の風呂装置は、自動的に浴槽に湯を張ることができるものの、目標の水位となるまでに時間がかかるという問題がある。特に従来技術の風呂装置100は、高架水槽を給水源とする場合であって、風呂装置が高い階の部屋に設けられているケースや、井戸水をシスターンポンプで供給するケースの様に、給水圧が低い場合に目標の水位となるまでに時間がかかる。
【0012】
この原因の一つとして、従来技術の風呂装置100は、給湯部2から浴槽3に至るまでの流路抵抗が高いという点が挙げられる。
すなわち湯を落とし込む際には、落とし込み配管30から、追い焚き回路22に湯を流し込み、追い焚き回路22を介して浴槽3に湯を落とし込むが、従来技術の風呂装置100は、落とし込み配管30の部位についても、追い焚き回路22の部位についても、流路抵抗が高く、落とし込み流量を減少させる結果となっている。
【0013】
個別に説明すると、従来技術の風呂装置100では、落とし込み配管30に注水電磁弁32が設けられており、当該注水電磁弁32の流路抵抗が高い。
すなわち注水電磁弁32は、ソレノイドによって直接的に、あるいはパイロット圧を活用して弁体を動作させるものであるが、いずれにしても内部に複雑な流路が設けられている上、流路内に弁体が設けられていて水が内部を通過する際の障害物となる。そのため注水電磁弁32を通過する際に、水は、長く曲がりくねった流路を流れる上、流路と弁体との間の狭い空間をくぐる必要があり、相当の圧力損失が発生する。その結果、落とし込み配管30を流れる水の流量が著しく減少し、落とし込み作業に長時間を要する。
注水電磁弁32の形式には、上記した様に直動式とパイロット式のものがあり、風呂装置においては、比較的大口径のものが得やすい関係からパイロット式のものが活用される場合が多い。しかし、パイロット式の注水電磁弁32は、一般的に一方方向の水流だけを断続することができるものが多く、反対方向への水流を阻止できない。そのためパイロット式の注水電磁弁32を採用する場合には、逆流を防止するため、落とし込み配管30に安全弁31や逆止弁34,35を設けなければならず、これらの弁も流路抵抗を発生させる原因の一つとなっている。
【0014】
また図13に示した風呂装置100では、戻り側水路23だけを利用して浴槽3に湯が落とし込まれるが、追い焚き回路22の浴槽3との接続部分はスペースの制約からどうしても流路が狭くならざるを得ず、当該部分で大きな圧力損失を発生させてしまう。また追い焚き回路を流れる際の流路抵抗を減少させる方策として、追い焚き回路の往き側水路23と戻り側水路24の双方から浴槽3に湯を落とし込む構成が実用化されているが、当該構成では切り替えに要する弁が複数必要であり、部品点数が著しく増加するという新たな問題がある。
【0015】
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、部品点数が少なく、且つ浴槽への湯の落とし込みをより迅速に行うことができる風呂装置の開発を課題とするものである。
また併せて本発明は、水を落とし込む際の圧力損失を著しく減少させることができる切り替え弁の開発を課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そして上記した目的を達成するための請求項1に記載の発明は、浴槽内の水をポンプによって循環させる循環回路と、前記循環回路を短絡するバイパス水路と、給湯源又は給水源と循環回路とを接続して浴槽に注水する落とし込み配管を有する風呂装置において、浴槽へ水を落とし込む状態と、浴槽内の水を循環させる状態とを切り替える切り替え弁を有し、当該切り替え弁は、4以上の開口を持ち、その内の一つの開口を基準開口として当該基準開口と他の一つの開口が連通する状態と、前記基準開口と先とは別の2つの開口の三者が連通する状態とが選択可能であり、前記切り替え弁は、循環回路中に配されていて基準開口を含む二つの開口が循環回路の管路に接続され、他の一つの開口は落とし込み配管と連通し、さらに別の一つの開口はバイパス水路と連通していることを特徴とする風呂装置である。
なお、本明細書において、「水」の文言は、「湯」を含む概念である。
【0017】
本発明の風呂装置は、従来技術と同様に循環回路と、落とし込み配管を持ち、落とし込み配管から循環回路に注水して水(湯)を浴槽に落とし込む。
本発明の風呂装置では、浴槽へ水を落とし込む状態と、浴槽内の水を循環させる状態とを切り替える切り替え弁に、特別の構成を採用する。すなわち本発明で採用する切り替え弁は、4以上の開口を持ち、その内の一つの開口を基準開口として当該基準開口と他の一つの開口が連通する状態と、前記基準開口と先とは別の2つの開口の三者が連通する状態とが選択可能である。そして本発明の風呂装置では、切り替え弁は、循環回路中に配されていて基準開口を含む二つの開口が循環回路の管路に接続され、他の一つの開口は落とし込み配管と連通し、さらに別の一つの開口はバイパス水路と連通している。
本発明の風呂装置において、浴槽内の水を循環させる場合には、切り替え弁を、基準開口と他の一つの開口が連通する状態に動作させる。その結果、循環回路が一連の回路として連通し、落とし込み配管とバイパス水路は閉鎖される。
一方、本発明の風呂装置において、浴槽内に水を落とし込む場合は、基準開口と他の2つの開口の三者が連通する状態に切り替える。その結果、落とし込み配管及び、バイパス水路が開く。そのため落とし込み配管から水が循環回路に入り、循環回路の戻り側水路あるいは往き側水路のいずれかから、浴槽に水が落とし込まれる。さらに前記した様にバイパス水路が開いているので、水は循環回路の他方の水路にも流れ、当該水路からも浴槽に入る。
【0018】
また請求項2に記載の発明は、循環回路はポンプの吐出側に熱交換器が配された追い焚き回路であり、前記切り替え弁は、ポンプの吸水口と浴槽との間にあって基準開口を浴槽側に向けて接続され、バイパス水路は熱交換器の吐出側の管路から分岐されていることを特徴とする請求項1に記載の風呂装置である。
【0019】
本発明の風呂装置では、切り替え弁は、ポンプの吸水口と浴槽との間にあって基準開口を浴槽側に向けて接続され、バイパス水路は熱交換器の吐出側の管路から分岐されている。すなわち切り替え弁は、追い焚き回路の戻り側であって、浴槽とポンプの間の部位にあり、常時開口の基準開口は浴槽側に向けて取り付けられている。
本発明の風呂装置を使用して浴槽に水を落とし込む場合は、前述した通り、基準開口と他の2つの開口が連通する様に切り替え弁を切り替える。この時、本発明の風呂装置では、切り替え弁によって、落とし込み配管と、戻り側水路を経由した浴槽と、バイパス水路が連通する。したがって落とし込み配管から切り替え弁に流れ込んだ水は、二つに分流され、その一方は基準開口から戻り側水路に入り、直接的に浴槽に落とし込まれる。すなわち水は、戻り側水路においてはポンプ及び熱交換器側に流れ込むことなく、直接的に浴槽に入る。
また切り替え弁の内部で分流された他の一方は、バイパス水路を経て往き側水路に入り、浴槽に落とし込まれる。
ここで本発明の風呂装置では、バイパス水路は熱交換器の吐出側の管路から分岐されているので、バイパス水路は、ポンプと熱交換器とを短絡しており、バイパス水路から戻り側水路に入る水も、ポンプ及び熱交換器を経由することなく、浴槽に落とし込まれる。そのため、落とし込み配管から循環回路に入った水は、いずれも流路抵抗の大きいポンプ及び熱交換器を通過することなく、直接的に浴槽に落とし込まれ、圧力損失が小さい。
【0020】
また請求項3に記載の発明は、切り替え弁は、内部に空隙部を有し、基準開口を含む4以上の開口を有するハウジングと、該ハウジングの空隙部内に移動または姿勢変更可能に内蔵された弁体を有し、該弁体が移動又は姿勢変更することにより基準開口と他の一つの開口が連通する状態と、前記基準開口と先とは別の2つの開口の三者が連通する状態とが選択可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の風呂装置である。
【0021】
本発明は、切り替え弁の具体的構成を開示するものである。本発明の風呂装置で採用する切り替え弁では、弁体が移動又は姿勢変更することにより基準開口と他の一つの開口が連通する状態と、前記基準開口と先とは別の2つの開口の三者が連通する状態とが選択される。
【0022】
また請求項4に記載の発明は、切り替え弁は、内部に空隙部を有し、基準開口を含む4以上の開口を有するハウジングと、該ハウジングの空隙部内に移動または姿勢変更可能に内蔵された弁体を有し、該弁体には3方向の位置に互いに連通する開口が設けられ、弁体が特定の位置に移動又は特定の姿勢となったとき、弁体の前記3方向の開口の一つがハウジングの基準開口と連通すると共に弁体の他の一方向の開口がハウジングの他の開口と連通しさらに弁体の残る開口がハウジングの内部で閉塞され、前記弁体が移動又は姿勢変更することにより弁体の前記3方向の開口の一つがハウジングの基準開口と連通すると共に弁体の他の二方向の開口がハウジングの先とは別の二つの開口と連通することを特徴とする請求項1又は2に記載の風呂装置である。
【0023】
本発明の風呂装置は、切り替え弁の具体的構成を開示するものである。本発明で採用する切り替え弁は、弁体には3方向の位置に互いに連通する開口が設けられ、弁体が移動又は姿勢変更することにより、基準開口と他の一つの開口が連通する状態と、前記基準開口と先とは別の2つの開口の三者が連通する状態とが選択される。
【0024】
さらに請求項5に記載の発明は、弁体は回転してハウジングの空隙部内で姿勢変更し、当該弁体は回転軸方向と当該回転軸に対して垂直な2方向に開口を有し、ハウジングは、弁体の回転軸方向に基準開口を有すると共に弁体の回転軸方向に対して垂直方向に3か所の開口を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の風呂装置である。
【0025】
本発明の風呂装置で採用する切り替え弁では、弁体は回転してハウジングの空隙部内で姿勢変更するものを採用している。そして弁体には3個の開口を有し、弁体の回転に応じて開口がハウジングの開口と一致する。
本発明で採用する切り替え弁は、コック又はボールコック(ボール弁)と同様の構成を有するものであり、流路の構成が単純であり、かつ流路中の障害物も少ないので圧力損失が小さい。
【0026】
また請求項6に記載の風呂装置は、弁体は、ボール状、円筒状、円錐状、皿状のいずれかであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の風呂装置。
【0027】
本発明で採用する切り替え弁は、ボールコック(ボール弁)等と同様の構成を有するものであり、圧力損失が小さい。
【0028】
また請求項7に記載の発明は、給水源から熱交換器に配管され、熱交換器の出口側から直接或いは分岐部を経て落とし込み配管が設けられており、落とし込み配管は切り替え弁に至るまでの間に弁部材を持たず、水は、熱交換器或いは分岐部から切り替え弁を介して直接的に循環回路に導入されることを特徴とする請求項6に記載の風呂装置である。
【0029】
前述した請求項6に記載の風呂装置では、弁体に、ボール状、円筒状、円錐状、皿状のいずれかのものを採用している。この切り替え弁は、ボールコック(ボール弁)等と同様の構成を有するものであり、双方向の水流を制御することができる。すなわち従来技術の風呂装置において多く採用していたパイロット式電磁弁は、一方方向の水流のみを断続するものであり、反対方向の水の流れを阻止することができなかったのに対し、本発明で採用する切り替え弁では、双方向の水流を断続することができる。そのため落とし込み配管に必ずしも逆止弁等を設ける必要はない。そこで本発明では、逆止弁等を廃し、水を、熱交換器或いは分岐部から切り替え弁を介して直接的に循環回路に導入する構成を採用している。本発明の風呂装置では、逆止弁等の流路抵抗となるものが無いので、短時間で多量の水を落とし込むことができる。
【0030】
さらに請求項7に記載の発明は、ハウジング内に弁体が回転可能に内蔵された切り替え弁において、弁体は回転軸方向と当該回転軸に対して垂直な2方向に互いに連通する開口を有し、ハウジングは、弁体の回転軸方向に基準開口を有すると共に弁体の回転軸方向に対して垂直方向に3か所の開口を有し、弁体の回転軸方向の開口は、ハウジングの基準開口と常時連通し、弁体が特定の姿勢となったとき、弁体の回転軸に対して垂直方向にある開口の一つがハウジングの他の開口と連通しさらに弁体の残る開口がハウジングの内部で閉塞され、前記弁体が回転して他の特定の姿勢となったとき、弁体の回転軸に対して垂直方向にある二つの開口がハウジングの先とは別の二つの開口と連通することを特徴とする切り替え弁である。
【0031】
本発明の切り替え弁では、弁体は、回転軸方向に開口を有し、さらに回転軸に対して垂直な2方向にも開口し、これらが互いに連通する。
そしてハウジングは、弁体の回転軸方向に基準開口を有する。そして弁体はハウジング内で回転可能であるが、前記した方向の開口の内、回転軸方向に設けられた開口は、弁体が回転しても位置が変わることはない。そのため当該弁体の開口は、ハウジングの基準開口と常時連通する。
一方、弁体の回転軸に対して垂直な2方向に設けられた開口は、弁体の回転に応じて位置が変わり、開口の一つがハウジングの他の開口と連通しさらに弁体の残る開口がハウジングの内部で閉塞される状態と、二つの開口がハウジングの先とは別の二つの開口と連通する状態とが生じる。
そのため本発明の切り替え弁では、基準開口と一つの開口とが連通する状態と、基準開口と先とは別の二つの開口の三者が連通する状態を作ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。なお従来技術と同一の部材については、同一の番号を付して、詳細な説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態の風呂装置の配管系統図である。図2は、本発明の実施形態の風呂装置で採用する切り替え弁の断面図である。図3は、本発明の実施形態の風呂装置で採用する切り替え弁を模式的に表した斜視図である。図4は、本発明の実施形態の風呂装置で採用する切り替え弁の弁体を模式的に表した斜視図である。図5は、浴槽へ水を落とし込む際における図3の切り替え弁の平面断面図である。図6は、追い焚きの際における図3の切り替え弁の平面断面図である。図7は、図1の実施形態の風呂装置の湯落とし込み時と、追い焚き時の湯の流れを示す配管系統図である。図8、弁体の変形例を示す斜視図である。図9は、弁体の他の変形例を示す斜視図である。図10は、弁体の他の変形例を示す正面図、左右側面図、平面図および底面図である。図11は、切り替え弁の変形例を示す断面図であり、当該切り替え弁によって、浴槽へ水を落とし込む際の状態を示す。図12は、追い焚きの際の図11の切り替え弁の断面図である。
【0033】
本実施形態の風呂装置1の配管系統は、切り替え弁53と、落とし込み配管30の一部に特徴があり、他の部位については、従来技術と同一である。すなわち本実施形態の風呂装置1では、図1の様に落とし込み給湯及び他栓への給湯を行う給湯部2と、浴槽3内の湯を追い焚きする追い焚き部5を持つ。また給湯部2は、給湯用熱交換器10を流れる高温湯回路11と、給湯用熱交換器10をバイパスするバイパス水路12を持ち、高温湯回路11を流れる高温湯とバイパス水路12を流れる冷水を混合して湯の温度を調節する。
本実施形態の風呂装置1では、高架水槽50から給水される。すなわち本実施形態の風呂装置1の給水源は高架水槽50である。なお本実施形態で給水源として高架水槽50を採用したのは、給水圧が低い給水源の例を示したものに過ぎず、給水源を限定するものではない。
【0034】
追い焚き部5は、浴槽3と追い焚き用熱交換器21とを循環する追い焚き回路22を持ち、浴槽3から追い焚き用熱交換器21側に湯を戻す戻り側水路23と、追い焚き用熱交換器21側から浴槽3へ湯を送る往き側水路24からなる。そして戻り側水路23には、従来技術と同様に水位センサー25と、循環ポンプ26、水流スイッチ27及び湯温センサー28が設けられている。
【0035】
本実施形態の風呂装置1に特有の構成として、追い焚き回路22に後記する切り替え弁53が設けられている。切り替え弁53は、4個の開口A,B,C,Dを持つ。そして開口A、Cが追い焚き回路22に接続されている。より具体的には、開口Aは浴槽3側に接続され、開口Cは、循環ポンプ26の吸水側に接続されている。なお、本実施形態では、切り替え弁53の開口Aが基準開口として機能する。
【0036】
また本実施形態の風呂装置1では、往き側水路24と切り替え弁53の開口Bの間にバイパス水路51が設けられている。バイパス水路51は、往き側水路24と戻り側水路23とを接続するものである。すなわちバイパス水路51は、一端が往き側水路24にあり、他端側は戻り側水路23に設けられた切り替え弁53の開口Bに接続されており、往き側水路24と戻り側水路23を繋いでいる。より詳細には、バイパス水路51は、追い焚き用熱交換器21の吐出部・浴槽間と、循環ポンプ26の吸水側・浴槽間を接続するものであり、実質的に追い焚き用熱交換器21と循環ポンプ26を側路(バイパス)するものである。
【0037】
落とし込み配管30は、本実施形態では切り替え弁53の開口Dに接続されている。落とし込み配管30は、給湯部2と追い焚き回路5とを接続するものである。落とし込み配管30は、切り替え弁53を介し、戻り側水路23の一部であって、循環ポンプ26の上流側に接続されている。
また本実施形態の風呂装置1の落とし込み配管30では、水量センサー33が設けられているが、従来技術の様な安全弁31や逆止弁34,35は無い。すなわち本実施形態の風呂装置1で採用する切り替え弁53は、後記する様にボール弁と類似の構成を持ち、双方向の水流を断続することができるので、安全弁31や逆止弁34,35を設けなくても浴槽3の湯が給水側に逆流することはない。
【0038】
次に、本実施形態の風呂装置1に特有の部材たる切り替え弁53の構成について説明する。
切り替え弁53は、前記した様に4個の開口A,B,C,Dを有し、その内の開口Aが基準開口としての機能を果たす。
切り替え弁53は、図2,3の様にモータ等のアクチェータ52が取り付けられたものであり、アクチェータ52を動作させることにより、基準開口Aと開口B,Dの三者が連通する状態と、基準開口Aと開口Cの二者が連通する状態とに切り替えることができる。
すなわち内部の弁体55が一定の姿勢にあるとき、基準開口Aとバイパス水路51に接続された開口B、及び落とし込み配管30に接続された開口Dの三者がが連通し、循環ポンプ26に接続された開口Cは閉鎖される。また弁体55が他の一定の姿勢にあるとき、基準開口Aと循環ポンプ26に接続された開口Cが連通し、バイパス水路51に接続された開口Bと落とし込み配管30に接続された開口Dは閉鎖される。
【0039】
切り替え弁53は、図2,3の様に、ハウジング56の内部に弁体55が内蔵されたものであり、さらに前記した様にアクチェータ52が取り付けられている。
順次説明すると、ハウジング56は、図2,3に示すように内部に空隙54を有し、当該空隙54と外部とを連通する4個の開口A,B,C,Dが設けられている。ここで基準開口Aは、図2,3に示す様に、アクチェータ52取付け面に対向する面に設けられている。基準開口Aは、アクチェータ52の回転軸59と同心であり、弁体55の回転軸60方向に開口する。準開口Aの中心は弁体55の回転軸60と一致する。
他の開口B,C,Dは、基準開口Aの開口方向に対していずれも垂直方向に開口している。そして開口B,C,Dは当該順序で互いに90°離れた位置に設けられている。すなわち開口Bと開口Cは、90°離れ、開口Cと開口Dはさらに90°離れ、開口Dと開口Bは180°離れている。従って開口Dと開口Bは、直線上に位置する。
【0040】
弁体55は、図3乃至図4に示すようにボール状である。弁体55は、図4の矢印の様に回転軸60を中心として回転する。そして弁体55には、回転軸60方向の部位に開口aが設けられ、さらに回転軸60と垂直に交わる方向に貫通孔63が設けられ、開口b,cが形成されている。そして弁体55の内部には垂直孔64が設けられており、開口a,b,cの三者は貫通孔63及び垂直孔64によって互いに連通している。
【0041】
弁体55は、前記したハウジング56の空隙54内に回転可能に内蔵されている。弁体55の回転軸60は、ハウジング56の基準開口Aの中心軸線と一致する。そして弁体55の開口aは、ハウジング56の基準開口Aに一致する方向及び位置にある。
また弁体55には、ハウジング56に設けられたアクチェータ52の回転軸60が嵌合され、アクチェータ52によって回転軸60を中心として回転される。
なお弁体55とハウジング56の間は、公知のボール弁と同様にシート61,62によってシールされている。
【0042】
切り替え弁53では、前記した様に弁体55は、回転軸60を中心として回転し、開口aは、回転軸60と同方向に設けられているので、弁体55が回転しても開口aの位置は変わらない。そして開口aは、ハウジング56の基準開口Aと一致する位置にあるため、弁体の開口aは、弁体55の回転角度に係わらず、常に基準開口Aと連通する。
また弁体55の開口b,cは、回転軸60に対して垂直に交わる方向に開口し、さらに両者の位置関係は直線上にある。一方ハウジング56の開口B,Dは、基準開口Aの開口方向に対して垂直方向に開口しており、開口B,D同士は180°離れていて両者は直線上にある。したがって、弁体55を特定の回転角度とした時、弁体55の開口b,cは、ハウジング56の開口B,Dと一致し、これらは互いに連通する。したがって、弁体55が特定の回転姿勢の時、切り替え弁53の基準開口Aと、開口B,Dの三者が連通する。なおこのとき、ハウジング56の残る開口Cは、弁体55の外周によって閉塞される。したがってハウジング56の残る開口Cは、他の開口とは連通しない。
【0043】
一方、弁体55の開口b,cのいずれかをハウジング56の真ん中の開口Cと一致させたとき、弁体55の残る開口は、ハウジング56の内壁によつて閉塞される。またハウジング56の開口A,Dは、弁体55の外周によって閉塞される。したがってこのとき、弁体55の開口A,Cが連通し、開口B,Dは不通となる。
本実施形態で採用する切り替え弁53は、ハウジング56の開口A,B.C.Dと、弁体55の開口a,b,cの一致・不一致によって流路を断続するものであり、双方向の水流を断続することができる。したがって、追い焚きを行うべく、基準開口Aと循環ポンプ26に接続された開口Cが連通したときは、追い焚き回路22と落とし込み配管30とは、双方向の水流が遮断され、追い焚き回路22側の湯が落とし込み配管30に流れることはない。
【0044】
次に、本実施形態の風呂装置1の作用について説明する。
本実施形態の風呂装置1を使用して浴槽3に湯を落とし込む場合には、切り替え弁53の弁体55を回転させ、図5の様に基準開口Aと開口B,Dの三者が連通する状態とする。すなわち戻り側水路23経由の浴槽3と、バイパス水路51及び落とし込み配管30の三者を連通させる。
その結果、落とし込み配管30の末端が開放され、給湯部2から切り替え弁53の開口Dに湯が流れ込む。そして湯は図7(a)の様に、切り替え弁53の内部で開口A,Bに分流される。そのため分流された一方の流れは、基準開口Aから追い焚き回路22の戻り側水路23を流れ、直接浴槽3に入る。また他方の流れは、開口Bからバイバス水路51に入り、追い焚き回路22の往き側水路24を流れて浴槽3に入る。すなわち落とし込み配管30の湯は、切り替え弁53内で分流され、一方は、基準開口Aから戻り配管23を経て浴槽3に入り、他方は開口Bからバイパス水路51に入って戻り配管24を流れ、浴槽3に至る。
そのため本実施形態の風呂装置1は、往き側水路24と戻り側水路23の両方から湯が落とし込まれ、落とし込みの際の配管抵抗が小さく、より多量の湯を落とし込むことができる。また本実施形態では、切り替え弁53内の流路が直線的であるばかりでなく、流路中に障害物がなく、切り替え弁53自身の圧力損失が小さい。加えて、本実施形態の風呂装置1では、落とし込み配管30には、安全弁や逆止弁が無いので、落とし込み配管30の流路抵抗は小さく、より大きな流量が期待される。
【0045】
本実施形態の風呂装置1で追い焚きを行う場合には、切り替え弁53の弁体55を回転させ、図6の様に基準開口Aと開口Cが連通する状態とする。すなわち戻り側水路23を経由した1槽3と循環ポンプ26の吸水側とが連通し、バイパス水路51と落とし込み配管30は閉鎖される。
その結果、従来技術と同様に循環ポンプ26の吸水口29が浴槽3と接続され、浴槽3、循環ポンプ26、追い焚き用熱交換器21が連続した回路が形成され、支障なく追い焚きを行うことができる。すなわち浴槽3内の湯は、図7(b)の様に浴槽3、循環ポンプ26、追い焚き用熱交換器21を経て浴槽3に戻る。
【0046】
上記した実施形態では、切り替え弁の例として、ボール状の弁体55を内蔵した構成を例示した。上記した実施形態の切り替え弁53は、流路が直線的であるばかりでなく、流路中に障害物がなく、圧力損失が小さいので最も推奨される構成である。しかしながら本発明は、弁体の形状をボール状のものに限定するものではなく、他の公知の形状も採用することができる。
【0047】
例えば、弁体には図8の様な円筒形のものを採用することもできる。弁体65は、全体形状が円筒形であって、下面と側面とに開口a,b,cが設けられている。開口a,b,cの位置関係は、前記したボール状の弁体55と同一であり、開口aは回転軸と一致し、開口b,cは、回転軸に対して垂直であって、両者は互いに直線上にある。図8に示した弁体65を使用した場合においても、双方向の水流を断続することができるので、安全弁31や逆止弁34,35を設けなくても浴槽3の湯が給水側に逆流することはない。
【0048】
また他に、図9の様な円錐台状の弁体66も採用可能である。弁体66は、全体形状が円錐台形状であって、下面と側面とに開口a,b,cが設けられている。開口a,b,cの位置関係は、前記したボール状の弁体55と同一であり、開口aは回転軸と一致し、開口b,cは、回転軸に対して垂直であって、両者は互いに直線上にある。図9に示した弁体66を使用した場合においても、双方向の水流を断続することができるので、逆止弁等は不要である。
【0049】
また図10に示す弁体67は、開口aを極端に大きくして、他の開口b,cと開口aが繋がったものを示している。ここで図10(a)は、弁体67の正面図であり、(b)は左側面図であり、(c)は右側面図であり、(d)は平面図であり、(e)は底面図である。
図10に示す弁体67においても、回転軸方向に開口aが設けられており、回転軸に対して垂直な2方向に開口b,cを有している。図10に示す弁体67は、あたかもボールの一部に溝が形成されたような形態をしている。
図10に示す弁体67は、ボール型弁体の変形であり、通常ディスク型(皿型)と称されるものの応用例である。すなわち、弁体67は、半円型のディスク(皿)68a,68bが上部で繋がった形であり、ディスク68a,68bの外周面で図示しないハウジングの開口を封鎖する。
図10に示した弁体67を使用した場合においても、浴槽3の湯が給水側に逆流することはなく、逆止弁等を設ける必要はない。
【0050】
図11,12に示す切り替え弁70は、弁体71を直線的に移動させて切り替えを行うものである。
すなわち弁体71は、円筒形のハウジング72と柱状の弁体71を持つ。そしてハウジング72は、配管接続部となる4個の開口A,B,C,Dを持つ。ここで開口Aは、ハウジング72の軸方向に設けられ、他の開口B,C,Dは、ハウジング72の周面に設けられている。
また弁体には端面に開口aが設けられ、側面にも2個の開口b,cが設けられていてこれらは互いに連通する。
【0051】
そして開口Aは浴槽3側に接続され、開口Bはバイパス水路51に接続され、開口Cは、循環ポンプ26の吸水側に接続されている。開口Dは落とし込み配管30に接続されている。
本実施形態の切り替え弁70では、図11の様に弁体71の開口b,cをハウジング72の開口B,Dに一致させて湯の落とし込みを行い、図12の様に弁体71の開口cをハウジング72の開口Cに一致させて追い焚きを行う。
【0052】
以上説明した実施形態では、いずれも落とし込み配管30に安全弁と逆止弁を設けない構成を例示した。本実施形態の様に安全弁と逆止弁を廃した構成は、高架水槽を給水源とする場合や、井戸水をスターンポンプで供給する場合の様に給水圧力が低い場合に推奨される構成であるが、もちろん本発明の風呂装置は、落とし込み配管30に安全弁や逆止弁を設ける構成を否定するるものではない。
【0053】
【発明の効果】
本発明の風呂装置では、循環回路の戻り側水路と往き側水路の双方から浴槽に水(湯を含む)が落とし込まれるので、水が循環回路を通過する際の圧力損失が小さく、大きな落とし込み流量を確保することができる。そのため本発明の風呂装置は、落とし込みに要する時間を短縮することができる効果がある。
また本発明の風呂装置は、部品点数の過度の増加も無いので製造コストも低い。
【0054】
また請求項2に記載の風呂装置によると、落とし込みの際にポンプ及び熱交換器を経由することなく、浴槽に水が落とし込まれる。そのため本発明の風呂装置は、さらに圧力損失が小さく、大きな落とし込み流量を確保することができ、落とし込みに要する時間をさらに短縮することができる効果がある。
【0055】
また請求項3乃至6に記載の風呂装置は、本発明を実施する際の設計指針を与える効果があり、切り替え弁自体の圧力損失を低下させることができるものである。
【0056】
また請求項7に記載の風呂装置では、落とし込み配管は注水弁を除いて弁部材を持たず、圧力損失が小さいので、給水圧が低い場合でも十分な水量を確保することができる。
【0057】
さらに請求項8に記載の切り替え弁は、基準開口と一つの開口とが連通する状態と、基準開口と先とは別の二つの開口の三者が連通する状態を作ることができる効果があり、本発明の風呂装置の実施に寄与する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の風呂装置の配管系統図である。
【図2】本発明の実施形態の風呂装置で採用する切り替え弁の断面図である。
【図3】本発明の実施形態の風呂装置で採用する切り替え弁を模式的に表した斜視図である。
【図4】本発明の実施形態の風呂装置で採用する切り替え弁の弁体を模式的に表した斜視図である。
【図5】浴槽へ水を落とし込む際における図3の切り替え弁の平面断面図である。
【図6】追い焚きの際における図3の切り替え弁の平面断面図である。
【図7】図1の実施形態の風呂装置の湯落とし込み時と、追い焚き時の湯の流れを示す配管系統図である。
【図8】弁体の変形例を示す斜視図である。
【図9】弁体の他の変形例を示す斜視図である。
【図10】弁体の他の変形例を示す正面図、左右側面図、平面図および底面図である。
【図11】切り替え弁の変形例を示す断面図であり、当該切り替え弁によって、浴槽へ水を落とし込む際の状態を示す。
【図12】追い焚きの際の図11の切り替え弁の断面図である。
【図13】従来技術の風呂装置の配管系統図である。
【符号の説明】
1 風呂装置
3 浴槽
10 給湯用熱交換器
22 追い焚き回路(循環回路)
26 循環ポンプ
30 落とし込み配管
51 バイパス水路
53 切り替え弁
55 弁体
56 ハウジング
A 基準開口
B,C,D 開口
a,b,c 開口
Claims (8)
- 浴槽内の水をポンプによって循環させる循環回路と、前記循環回路を短絡するバイパス水路と、給湯源又は給水源と循環回路とを接続して浴槽に注水する落とし込み配管を有する風呂装置において、浴槽へ水を落とし込む状態と、浴槽内の水を循環させる状態とを切り替える切り替え弁を有し、当該切り替え弁は、4以上の開口を持ち、その内の一つの開口を基準開口として当該基準開口と他の一つの開口が連通する状態と、前記基準開口と先とは別の2つの開口の三者が連通する状態とが選択可能であり、前記切り替え弁は、循環回路中に配されていて基準開口を含む二つの開口が循環回路の管路に接続され、他の一つの開口は落とし込み配管と連通し、さらに別の一つの開口はバイパス水路と連通していることを特徴とする風呂装置。
- 循環回路はポンプの吐出側に熱交換器が配された追い焚き回路であり、前記切り替え弁は、ポンプの吸水口と浴槽との間にあって基準開口を浴槽側に向けて接続され、バイパス水路は熱交換器の吐出側の管路から分岐されていることを特徴とする請求項1に記載の風呂装置。
- 切り替え弁は、内部に空隙部を有し、基準開口を含む4以上の開口を有するハウジングと、該ハウジングの空隙部内に移動または姿勢変更可能に内蔵された弁体を有し、該弁体が移動又は姿勢変更することにより基準開口と他の一つの開口が連通する状態と、前記基準開口と先とは別の2つの開口の三者が連通する状態とが選択可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の風呂装置。
- 切り替え弁は、内部に空隙部を有し、基準開口を含む4以上の開口を有するハウジングと、該ハウジングの空隙部内に移動または姿勢変更可能に内蔵された弁体を有し、該弁体には3方向の位置に互いに連通する開口が設けられ、弁体が特定の位置に移動又は特定の姿勢となったとき、弁体の前記3方向の開口の一つがハウジングの基準開口と連通すると共に弁体の他の一方向の開口がハウジングの他の開口と連通しさらに弁体の残る開口がハウジングの内部で閉塞され、前記弁体が移動又は姿勢変更することにより弁体の前記3方向の開口の一つがハウジングの基準開口と連通すると共に弁体の他の二方向の開口がハウジングの先とは別の二つの開口と連通することを特徴とする請求項1又は2に記載の風呂装置。
- 弁体は回転してハウジングの空隙部内で姿勢変更し、当該弁体は回転軸方向と当該回転軸に対して垂直な2方向に開口を有し、ハウジングは、弁体の回転軸方向に基準開口を有すると共に弁体の回転軸方向に対して垂直方向に3か所の開口を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の風呂装置。
- 弁体は、ボール状、円筒状、円錐状、皿状のいずれかであることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の風呂装置。
- 給水源から熱交換器に配管され、熱交換器の出口側から直接或いは分岐部を経て落とし込み配管が設けられており、落とし込み配管は切り替え弁に至るまでの間に弁部材を持たず、水は、熱交換器或いは分岐部から切り替え弁を介して直接的に循環回路に導入されることを特徴とする請求項6に記載の風呂装置。
- ハウジング内に弁体が回転可能に内蔵された切り替え弁において、弁体は回転軸方向と当該回転軸に対して垂直な2方向に互いに連通する開口を有し、ハウジングは、弁体の回転軸方向に基準開口を有すると共に弁体の回転軸方向に対して垂直方向に3か所の開口を有し、弁体の回転軸方向の開口は、ハウジングの基準開口と常時連通し、弁体が特定の姿勢となったとき、弁体の回転軸に対して垂直方向にある開口の一つがハウジングの他の開口と連通しさらに弁体の残る開口がハウジングの内部で閉塞され、前記弁体が回転して他の特定の姿勢となったとき、弁体の回転軸に対して垂直方向にある二つの開口がハウジングの先とは別の二つの開口と連通することを特徴とする切り替え弁。
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