JP3592357B2 - コードされた差分変調モードで送信されたデジタル信号用受信機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は送信中チャンネルコーディングと差分コーディングを連続して受け、得られたコードされたデジタル信号が配列の記号へ割り当てられ、受信された記号に応じてメトリック(測定基準)を計算する差分デコード手段と、計算された測定基準に応じてデコードされたデジタル信号を生成するためのチャンネルデコーディング手段とよりなるデジタル信号用受信機に係わる。
【0002】
【従来の技術】
空中又はケーブルによる送信に対する通信技術はデジタル的にコードされた記号による一または種々のキャリアの変調を用いる。これらの技術のうちで送信に先立って送信記号の位相が記号の位相に関してコードされる差分変調を使用することが望ましい。これは、受信時記号間の位相差の決定により受信された記号をデコードすることが有利であることを示す。送信される二進データは一般的な妨害された送信状況下において送信信頼性を確保するための様々なプロセスを一般に受ける。これらの中でもコンボリューションコーディングは記号の時分割/周波数分割インターリービングを伴なってしばしば実施される。代わりに、ブロックコーディングを実施してもよい。
【0003】
このようなプロセスはマルチキャリア送信への応用の場合にフランス特許明細書第2 639 495号に記載されている。この公報で本発明に関する特徴のみを考えると、受信側において、記号の時分割/周波数分割デインターリービング及びビテルビ(Viterbi)デコーディングと呼ばれる最尤デコーディングを伴なう受信された記号の差分復調をおこなうことが示されている。
【0004】
上記差分復調器は、受信された記号の列r,r,...r,に応じて、r’=r k − 1 となるように、列r’...r’,を生成することよりなる。ここで、r k − 1 はrk − 1 の複素共役を表し、kはカレントインデックスを表す。
列r’...r’,に基づく各受信された記号rに対し、コードされた情報ビットに関する測定基準である実部Re(r’)が決定され、他のコードされた情報ビットが関連する測定基準である虚部Im(r’)が決定される。斯くして形成された測定基準列は、その後、初期情報のビットを再生するコンボリューションデコーディングを伴なうデインターリービングを受ける。コンボリューションコーディングの場合、ビテルビデコーダーが用いられる。
【0005】
しかしこれらの測定基準は、デコーディングが最適な結果をもたらさない近似的な測定基準である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の一つの目的はこのような記号デコーディングメカニズムを用いる受信機の性能を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的は、差分デコード手段は各受信された記号に対して配列が受ける回転位相を評価し、該受信された記号をそれの元の位相へ戻す第一の手段と、元の位相へ戻された受信された記号に応じて最適な測定基準を計算する第二の手段とからなる受信機によって達成される。
【0008】
各記号に対しその元の位相及び最適な測定基準を決定することにより、最適な結果がコンボリューションデコーダの出力に得られる。かくて、本発明は実質的性能向上を提供する。
性能を更に向上させるために、特定の実施例において、デコーディング中に記号に先立って送信された種々の記号について現われる平均ノイズレベルが確立される。現在の記号のデコーディングを遅延する遅延手段がある場合、これはデコーディング中の記号の前及び後で送信された記号に関係する。ゆえに、受信機は平均ノイズレベルを計算する計算手段からなり、一方、現在の記号のモジュラスは平均ノイズに関して正規化される。加えるに最適な測定基準の続く計算に対し、記号の列について決定された平均振幅を計算し、平均ノイズに関するこの平均振幅を正規化することは可能である。
【0009】
各記号の元の位相、平均ノイズに関して正規化された記号、及び平均記号振幅に関する基準は適切にコンピュータをプログラムすることにより又は専用のユニットにより得られうる。最適な測定基準を計算する計算手段は予め計算された測定基準を格納するメモリからなる。メモリは元の位相に戻された記号の実部と虚部によりアドレスされる。
【0010】
本発明はマルチキャリア変調、例えば、直交周波数分割マルチプレックス(OFDM)マルチキャリア変調と同様に、モノキャリア変調によっても実施できる。
本発明の種々の面とその他の面は以下に記述する実施例に基づき説明され、明らかになろう。
【0011】
【実施例】
以下に送信及び受信端に夫々インターリービングとデインターリービングがある好適な実施例について本発明を説明する。
図1に差分デコーディングユニット10とデインターリーバー12とコンボリューションデコーダー14からなる受信機5を示す。差分デコーディングユニット10は記号Vを受信し、測定基準(バス11)を生成する。これらの測定基準は、時分割/周波数分割デインターリービング処理を受け、デコードされたビット列Bを形成するようデコーダー14によりデコードされるデインターリーブされた測定基準(バス13)を生成する。
【0012】
本発明によれば、差分デコーディングユニット(10)は夫々Re(r’)とIm(r’)で代替される最適測定基準M とK を生成する。これにより、2つの連続した記号の間の位相差のみが考慮された従来技術とは逆に;受信された記号の元の位相を知ることが必要となる。ユニット10(図4)は受信された記号のための位相計算/補正ユニット102と最適測定基準を計算する計算ユニット110よりなる。
【0013】
ユニット102は位相ロックドループ(図2)である。このユニットは位相が再調整された受信された記号zを生成する。実施例では、このユニットは受信された記号をその元の位相に戻す位相評価器104と掛算器106からなる:
【0014】
【数1】
Figure 0003592357
【0015】
ここで、θは配列の位相回転に対応する。例としてDAB(デジタルオーディオ放送)規格に応じて送信された記号に対する位相評価の場合を考えてみよう。この場合、送信時、差分変調は差分コーディングの実施と等価であり、次にコードされたビットのQPSK配列の記号への割当て及び、その後この配列をπ/4回転させることが行なわれる。この場合、ユニット104は以下に示す漸化式により、位相回転の評価θを各記号に対し計算する。
【0016】
(2) θ=π/4+θK−1 +λ・α
ここで、αはモジュロ−π/2により期間〔−π/4,π/4〕で回復された記号
【0017】
【外1】
Figure 0003592357
【0018】
の位相であり、λは収束係数である。
チャンネルがチャンネルノイズを同様に変動させる変動を受ける場合、位相回復ユニット102は、変動係数σを特徴とするノイズ測定及び/又は受信された記号の列に亘って決定された記号の平均振幅Sの測定もまた実行しうる。この場合、ユニット102は記号rの受信中に測定された平均振幅Sの評価値Aを生成し、振幅Sはノイズに関して次式で正規化され:
(3) A=S/σ (図3)、ユニット102は位相再調整受信記号zを正規化するためにノイズの計算を考慮し、これにより以下の関係が得られる:
【0019】
【数2】
Figure 0003592357
【0020】
平均ノイズレベルを測定するため、ユニット102は平均振幅Sを測定するユニット105と信号のパワーを測定するユニット103とよりなる。ユニット105と103でそれぞれ測定された平均振幅とパワーレベルはノイズ測定ユニット107で平均ノイズレベルを計算するのに使用される。この平均レベルは循環する一連の種々の記号について計算される。ユニット107はノイズの分散σの測定をする。ミキサー108はσとSを受け、そしてノイズに関して正規化された振幅Aを生成する。A=S/σとなるように差分デコーディングユニット10はノイズに関する正規化された平均振幅を決定できず、この場合ミキサー108は発生しない。
【0021】
及びおそらくAも式(1),(2),(3),(4)のうち少なくとも1つの計算を実施するよう適切にプログラムされたコンピュータよりなるユニット102により決定されうる。
記号zと正規化された平均振幅Aは測定基準を計算するユニット110により使用される。差分デコーディングユニット10(図4)はまた測定基準(M ,M )を計算するユニット102及び110よりなる。
【0022】
測定基準は送信ビットに関連する。グレイコーディングと差分コーディングを用いるQPSK変調の場合、従来技術の範囲ではビットe はRe(r’)に関連し、他のビットe はI(r’)に関連していた。本発明の範囲では、e はM に関連し、e はM に関連する。測定基準M は、e が1に等しいことを知る受信確立zk−1 及びzとe が0に等しいことを知る受信確立zK−1 及びzとの間の比のアルゴリズムとして次式のように定義される:
【0023】
【数3】
Figure 0003592357
【0024】
は同様にして定義される。
この計算は、考慮すべき変調の点からみて、この測定基準は次式のようにその値を有することを示している。
【0025】
【数4】
Figure 0003592357
【0026】
ここで、
【0027】
【数5】
Figure 0003592357
【0028】
平均振幅Aがユニット102により生成されない場合、一定値がこのユニットに割当られ、同じ式が適用される。
システムの完全なバージョンでは、ユニット110は、各記号rに対し、位相補正をうけ、ノイズに関して正規化された記号zの虚部Im(z)と実部Re(z)を受け、ノイズに関して正規化された平均振幅値Aを受ける。
【0029】
それからユニット110は最適な測定基準を計算する。
第1実施例では、測定基準は信号プロセッサで計算される。上記計算アルゴリズムを以下にDAB規格に対応した例として詳細に説明する。
このアルゴリズムは2×4の要素を有する1つの表u、4×4の要素を有する1つの表c、及び以下に定義される4つの要素を有する2つの表aとbを用いる:
a[0]=1,a[1]=0,a[2]=0,a[3]=1,b[0]=1,b[1]=1,b[2]=0,b[3]=0
第1の記号の受信において、プロセッサは以下の値を計算する:
【0030】
【数6】
Figure 0003592357
【0031】
それから、各受信された記号zに関して、プロセッサは以下に示す5つの動作をする:
ステップ1:計算:
【0032】
【数7】
Figure 0003592357
【0033】
ステップ2:インデックスi及びjが0から3まで変化する場合の表cの値の計算、
【0034】
【数8】
Figure 0003592357
【0035】
ステップ3:以下の数の計算:
【0036】
【数9】
Figure 0003592357
【0037】
ステップ4:測定基準の計算:
=log(F/G
=log(F/G
ステップ5:u(.,0)中のu(.,2)及び(.,1)中のu(.,3)をコピーする。ここで表中の点(.)は表の各インデックスを意味するのに使われている。
【0038】
測定基準計算ユニット110に対する他の特定の実施例では、このユニットは予め計算された測定基準が前もって格納されているメモリにより構成される。
各受信された記号に関して、整数は次のように生成される:値R(zK−1 ),I(zK−1 ),R(z),I(z),Aは限られた数のビットで量子化され、それから連結される。これらの5つの実数の各々に対する量子化周期は斯して得られた整数の各値に対応する。各整数は2つの測定基準MとMの予め計算された値が格納されているメモリのアドレスを構成する。この値は、Aが量子化周期中の典型的な値で置換され、指数関数が量子化周期R(zK− ),I(zK−1 ),R(z),I(z)に対してこれらの積分により置換される式(6)によって計算される。
【0039】
量子化及び連結の後で生成される現在の整数は記憶装置をアドレスし、測定基準の連結値をデータバス上に得るのに使われる。
DAB規格に従う信号の場合、本発明は入来するデータフローと出てゆくデータフロー間の効率の1/2を有するコンボリューションコード用の従来技術に比べ、1.2dBの利得を生ずる。この利得はより高い効率を有するコンボリューションコードに対し2.3dBに達する。
【図面の簡単な説明】
【図1】デインターリービング及びコンボリューションデコーディングによる差分デコーディング用の受信機の概略ブロック系統図である。
【図2】受信された記号を元の位相に戻す回復手段の系統図である。
【図3】受信された記号を元の位相に戻す回復手段及び平均ノイズレベルと平均振幅を決定し、ノイズに関する記号のモジュラスを正規化する手段の系統図である。
【図4】差分デコーディング手段の系統図である。
【符号の説明】
5 受信機
10 差分デコーディングユニット
11 測定基準
12 デインターリーバー
13 デインターリーブされた測定基準
14 コンボリューションデコーダー
102 位相計算/補正ユニット
103 パワー測定ユニット
104 評価器
105 振幅測定ユニット
106 掛算器
107 ノイズ測定ユニット
108 ミキサー
110 計算ユニット
記号
測定された平均振幅
平均振幅
,M 最適化された測定基準

Claims (6)

  1. 送信中チャンネルコーディングと差分コーディングを連続して受け、得られたコードされたデジタル信号が配列の記号へ割り当てられ、受信された記号に応じてメトリックを計算する差分デコード手段と、計算されたメトリックに応じてデコードされたデジタル信号を生成するためのチャンネルデコーディング手段とを有するデジタル信号用受信機であって、差分デコード手段は受信された記号の各々に対して配列が受ける回転位相を評価し、該受信された記号を元の位相へ戻す第一の手段と、元の位相へ戻された受信された記号に応じて最適なメトリックを計算する第二の手段とを有することを特徴とするデジタル信号用受信機。
  2. 差分デコード手段は、記号に影響を与える平均ノイズ出力を計算し、平均ノイズに関する各受信記号を正規化する第三の手段を有することを特徴とする請求項1記載の受信機。
  3. 差分デコード手段は、種々の記号について平均ノイズに関して正規化された平均振幅を測定し、該元の位相へ戻された受信された記号と正規化された平均振幅に基づいて該最適化メトリックを計算する第四の手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の受信機。
  4. 該第一の手段及び/又は第二の手段及び/又は第三の手段及び/又は第四の手段は適切にプログラムされたコンピュータを有することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の受信機。
  5. 該第二の手段はあらかじめ計算されたメトリックを格納するメモリを有することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の受信機。
  6. デジタル記号はモノキャリア又はマルチキャリアにより送信され、受信機はモノキャリア又はマルチキャリア用の差分デコード手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の受信機。
JP04618194A 1993-03-17 1994-03-16 コードされた差分変調モードで送信されたデジタル信号用受信機 Expired - Lifetime JP3592357B2 (ja)

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