JP3592235B2 - 膵島細胞抗原ia−2に対するヒトモノクローナル抗体 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、膵島細胞抗原IA−2に対するヒトモノクローナル抗体、それらの製造方法、IA−2に対する抗体を検出する方法におけるヒトモノクローナル抗体の使用、膵島細胞抗原IA−2に対する抗体の検出方法、およびIA−2を検出する方法に関する。
【0002】
I型インスリン依存性糖尿病(IDDM)は、膵臓のインスリン産生β細胞の自己免疫破壊に起因する。臨床的に診断できる糖尿病の発症に先立って、β細胞抗原に対する自己抗体が発生する。これら自己抗体は、該疾患の発症前の段階を特定するための感度のよいマーカーとなる。ランゲルハンス島内のβ細胞と反応する抗体は、新規に糖尿病と診断された患者にも見つかる場合がある。該自己抗体は、概して、膵島細胞抗体(ICA)ともいう。
【0003】
ICAは、ヒトIDDMの予後および診断に対する、感度の良い特異的マーカーである。これまでに特性解析された自己抗体を形成する膵島細胞抗原には、インスリン(Palmerら、1983, Science, 222, 1337−1339)、グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD, Baekkeskov ら、1990, Nature 347, 151−156)、カルボキシペプチダーゼH(Castanoら、1991, J.Clin. Endocrinol. Metab. 73, 1197−1201)膵島細胞抗原ICA 69(Pietropaoloら、1993, J. Clin. Invest. 92, 359−371)およびICA512とも呼ばれる抗原IA−2(Solimenaら、1996、EMBO J. 15, 2102−2114)が含まれる。
【0004】
現在まで、β細胞抗原に対する自己抗体が該疾患の発症に直接的な原因になっているのか、または自己抗体の発生がβ細胞の破壊後に起こる現象であるのかということが、解明できていなかった。
【0005】
しかしながら、現在の認識によると、自己抗体の発生が糖尿病の発症に関係がある。
【0006】
特に、IA−2に対する自己抗体はIDDMと新しく診断された患者のほとんどに存在しており、IA−2特異的自己抗体は、糖尿病の迅速な進行に関連していることが、示された。さらに、IA−2特異的自己抗体は、GAD自己抗体よりも、IDDMに特異性が高く、IDDM以外の他の自己免疫疾患に認められる頻度は低いことが明らかになった(RollおよびZiegler、1997, Exp. Clin. Endocrinol. Diabetes 105, 1−14)。
【0007】
自己抗原IA−2は、膜を横切るセグメントと、抗体が結合するエピトープを含む細胞質ドメイン(IA−2ic)を有する膜貫通タンパク質である(Solimenaら、1996, EMBO J. 15, 2102−2114)。IA−2は、ペプチド分泌性内分泌細胞および神経分泌小胞を含有するニューロンにおいて発現する分泌小胞の内在性膜タンパク質である。IA−2は、IA−2β(フォグリン(phogrin)としても知られている)に有意な相同性を有する。IA−2βは、IA−2と同じく膜貫通タンパク質であるが、IA−2とは異なり、主にβ細胞で発現している。IA−2βおよびIA−2は、受容体型のタンパク質であり、双方ともプロテインチロシンホスファターゼに分類される(RollおよびZiegler, 1997, 前述)。
【0008】
先行技術では、間接的な免疫蛍光を用いて膵臓組織切片上で測定することにより、ICA(膵島細胞抗体)を、IDDMの検出のために測定する。この方法では、試験するサンプル中の、膵島細胞構造物に結合している自己抗体を、ヒトIgGに特異的な蛍光標識抗体により検出する。しかし、これらのICA測定は、技術的にかなり複雑である。そして、異なる提供者からの異なる膵臓組織で得られた結果には、かなりの差があるために、標準化が困難である。
【0009】
先行技術では、IA−2およびGADに対する自己抗体は、血清サンプルでの単純な放射性リガンド結合アッセイによっても測定される。これらのアッセイは、in vitroで翻訳された、放射性標識抗原を用いる(Dittler, J.ら、1998, Diabetes,47, 592−597)。放射性標識抗原の調製にあたっては、ウサギ網状赤血球細胞溶解物を用いて、それぞれの抗原のcDNAをin vitroで転写する。その後、そのmRNAを、放射性標識アミノ酸(一般には、硫黄−35(35S)で標識する)の存在下で、翻訳する。例えば濾過または固相への結合などによって、抗原−抗体複合体を遊離の抗原から分離した後、該標識抗原への自己抗体の結合を、標識抗原の放射性シグナルによって、検出する。
【0010】
これらの検出方法は、部分的に自動化できるが、労力と高価な予備的計測器を必要とする放射能を用いた作業をしなければならないという大きな不利な点がある。in vitro翻訳により達成可能な抗原の標識効率は、バッチによって大きく異なる。さらに、放射線分解、および35S(硫黄−35)の半減期が短いために、該標識抗原の貯蔵期間は、大変短い。
【0011】
単純で迅速に、かつ自動化法により実施できる、IA−2特異的自己抗体を直接検出する診断試験は、先行技術において、これまで記述されていない。これは、特に標準化IA−2特異的自己抗体が、これまで入手可能ではなかったという事実による。これまでは、IDDM患者から得た高力価の血清のみを標準または較正物質として使用していた。この物質の不利な点は、このような血清は、量を無制限に使用することができず、またそのために、それぞれの標準血清中の抗体含量にバッチおよび患者による差が存在するということである。したがって、異なる実験室から得られた実験結果間の比較性がない。
【0012】
従って、膵島細胞抗原IA−2を特異的に認識するヒトモノクローナル抗体を提供すること、および、少なくとも部分的には先行技術の不利な点を克服する、標準曲線を用いたIA−2特異的自己抗体の定量的検出についての診断試験法を提供することを目的とする。
【0013】
膵島細胞抗原IA-2と特異的に反応するヒトモノクローナル抗体によって、該目的は達成される。これらは、例えば、細胞系IA-2,96/3/1/1(受託番号DSM ACC2365として1998年8月13日にDSMZ(「Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH」Brauschweig, Germany)にブダペスト条約に基づく国際寄託として寄託されている)によって産生される抗体を含む。
【0014】
従って、本発明は、膵島細胞抗原IA−2に対するヒトモノクローナル抗体に関する。これらの抗体は、IgGイソタイプの抗体であることが好ましく、IgG1イソタイプであることが、特に好ましい。
【0015】
先行技術においては、ヒト自己抗体は、膵島細胞抗原GAD(グルタミン酸デカルボキシラーゼ)(EP−A−0 499 176)に対して作製することができることが、公知である。記載されている方法は、以下のステップを含む:
前糖尿病(prediabetics)または糖尿病患者のヒトリンパ球を不死化し、該不死化細胞(EBV形質転換による)の培養上清をヒトFcγに対する抗体と標識物質とのコンジュゲートで処理し、続いてヒト免疫グロブリンで処理する。固定化ヒト膵島細胞または固定化GADとインキュベートし、固定化ヒト膵島細胞または固定化GADに結合した標識物質を測定することにより、膵島細胞に対する抗体を産生する不死化ヒト培養細胞を同定する。この抗体を産生するヒト不死化細胞を単離して、この不死化細胞を増殖させて、これらの細胞が産生するモノクローナル抗体を単離する。
【0016】
しかし、EP−A−0 499 176に記載の方法では、IA−2に対するヒトモノクローナル抗体は作製できない。提供者のリンパ球の選択において、第一の難点があることが明白である。任意の提供者のリンパ球を使用することは不可能であるが、むしろリンパ球は、IA−2特異的血清抗体力価の高い前糖尿病患者または糖尿病患者から選択的に得られたものでなければならない。
【0017】
抗体力価は、放射性リガンド結合アッセイによって測定する。このアッセイにおいて、IA−2をコードするDNAを、網状赤血球細胞溶解液を用いてin vitroで転写し、そして35S−メチオニンの存在下で翻訳する。続いて、数マイクロリットル(2〜5μlが適当であると証明されている)の患者血清は、放射性標識したIA−2とインキュベートして、プロテインAセファロースを通すことによって、遊離の抗原を免疫複合体から分離する。プロテインAセファロースに結合した放射能は、シンチレーションカウンターで測定する。測定したcpmを、選択した高力価の患者血清を用いた任意の単位に変換する。例えば、本試験に用いた患者血清では1000cpmを100Uとすると定義した。この患者血清を、測定における任意の標準物質として用いた。IA−2陽性の初代培養は80U以上の力価を有する提供者にのみ認められたので、80U以上の力価を有する提供者のリンパ球のみをトランスフォーメーションに使用した。
【0018】
さらに、IgG産生Bリンパ球を前もって選択することが、有利であることが証明された。末梢血液中には、IgG産生B細胞の約10倍のIgM産生Bリンパ球が存在する。一方、関連するIA−2に対する自己抗体は、IgGサブタイプである(Zhangら、1997,Diabetes 46, 40−43)。膜がIgG陽性のBリンパ球を単離することによって、関連するB細胞の亜集団を10倍富化することができる。ヒトBリンパ球をヒトIgGに特異的なマウス由来の抗体で標識して、続いてヒツジ抗マウスIgG抗体でコートした磁気ビーズに結合させることによって、これらを単離する。標識細胞は、磁石を適用することにより、細胞懸濁液から確実に選別できる。
【0019】
さらなる問題が、不死化リンパ球の培養にある。その理由は、不死化IA−2特異的B細胞は増殖速度が遅く、非特異的であって増殖の早い不死化B細胞が過剰に増殖する場合があるからである。不死化IA−2特異的B細胞系の増殖は、IL−6またはIL−10のような成長因子を添加することにより、大幅に増進させることが可能であることがわかった。もう一つの問題は、不死化B細胞系が細胞系の成長に逆効果を奏する因子を分泌することである。これらの因子は、特に、TGF−β、IF−γ、およびTNF−αを含む。頻繁に培養用培地を交換して、これらの阻害因子を除去することで、より高い形質転換率およびEBVで形質転換したB細胞系のより迅速な増殖が得られる。
【0020】
得られたEBVで形質転換されたBリンパ球のクローニング(下記参照のこと)に成功するための重大な要因は、個々のウェル(マイクロタイタープレートのウェル)に入れるBリンパ球の量を、最初から適正に限定して導入することである。先行技術は、1ウェル当たりの精製した末梢単核細胞を数千個にするよう薦めている(Peyron Eら、1994, J. Immunology 153, 1333−1339; Madec. A.− M.ら、1996, J. Immunology 156, 3541−3549)。驚くべきことに、一次形質転換には、IgG陽性細胞を400個/ウェル以下で使用できることがわかった。形質転換率は、およそB細胞80個あたり約1個であり、つまり、最大で、1ウェルあたり5つの異なるクローンが増殖する。こうすることで、その後の数個のEBV形質転換B細胞だけが成長する(しばしば、1〜2%に過ぎない)中からの単一細胞クローニングで、関連するクローンを単離できる可能性が増す。より低い接種密度の場合でさえ、陽性の一次ウェルのほとんどを単離できるということも、驚くべきことである。これは、1ウェルあたり400個のB細胞の場合にすでに過剰な数のクローンが形成されており、結果的に成長のより遅いクローンは成長の速い細胞によって抑制されるということを意味すると解釈できる。
【0021】
約2週間の増殖期間の後、つづいて、初代細胞培養の培養上清を、IA−2特異的抗体の産生について、例えば、固定化IA−2上でのELISA試験などにより試験する。IA−2icとも呼ばれるIA−2の細胞質ドメインによってIA−2特異的抗体をスクリーニングすることは、本発明に特に適していることが証明されている。
【0022】
EBVで形質転換されたB細胞系は低細胞密度(1ウェルあたり<25)では生存できないので、次の単一細胞クローニングの際には、細胞系の安定化のために、いわゆる支持細胞を添加しなければならない。4000radで照射した自己(同じ提供者から得た)または同種異型(ちがう提供者から得た)の末梢血リンパ球を支持細胞として用いる。
【0023】
支持細胞集団から細胞毒性Tリンパ球(CD8陽性細胞)を除去することで、クローニング効率を決定的に改善できる。好ましくは、免疫磁気的分離によりCD8細胞を除去する。このために、末梢血リンパ球を、例えば、ヒトCD8抗原に対するモノクローナル抗体と結合する磁気マイクロビーズとインキュベートする。標識された細胞は磁石を適用することによって除去され、残存する細胞を照射して、1ウェル当たり20,000〜50,000細胞の濃度で用いる。
【0024】
支持細胞の質の確認を実施することが、本発明に係る抗体の産生にとって、利点があるということも証明された。これら支持細胞の成長促進機能は、提供者によってさまざまであることが分かった。提供者によっては、支持細胞が、成長に対する阻害効果を有する場合もあった。したがって、まず、すでに確立しているモノクローナルEBHV形質転換B細胞系(MICA 5)を試験細胞系として用いて、個々の支持細胞の新しいバッチを該クローニング方法に対する適性に関して試験して、「有害な」支持細胞のバッチを選り分けることが大きな改善となった。この目的のために、異なるドナーから得た照射を受けた血液リンパ球で、MICA 5の単一細胞クローニングを実施した。クローニング効率は、約3週間後に成長の見られるウェルの数を顕微鏡下で調べることによって、決定した。少なくとも20%のクローニング効率が得られた支持細胞のみを用いた。
【0025】
当業者には周知のEBV(エプスタインバーウイルス)を用いて形質転換することにより不死化工程を行う。本発明においては、この形質転換が好ましい。最も頻繁に文献に記述されているEBVの形質転換に関する方法(Ifversen,P.ら、1993, Hum. Antibod. Hybridomas 4, 115−123参照)は、Bリンパ球をEBVと共に2〜3時間インキュベートして、ウイルスを取り込ませる。その後、ウイルスを除くために細胞を洗浄する。しかし、驚くべきことに、形質転換率は、ウイルスを洗い出すと増加せず、代わりに、一回目の培地交換(約7日後)までのインキュベーションの全期間にわたって、B細胞と一緒にウイルスをインキュベートすると、増加しうることが判明した。
【0026】
しかし、適当なミエローマ細胞との融合によっても、不死化は実施できる。本発明にかかるIA−2に対するモノクローナル抗体は、いわゆるファージ展示法(Nissim, A.ら、1994、EMBO J. 13,3,692−698)によっても作製できると考えられる。この方法においては、IDDM患者のリンパ球から直接mRNAを単離する。この方法で調製したcDNAから、免疫グロブリン遺伝子を増幅させることが可能である(たとえば、ポリメラーゼ連鎖反応などによる)。この方法で作成した遺伝子を、今度は、Fab、または一本鎖Fvとして、ファージライブラリーで発現させることが可能であり、そこから、IA−2に結合するファージを単離できる。
【0027】
上述した難点を克服するまでは、膵島細胞抗原IA−2に対するヒトモノクローナル抗体を製造することは、不可能であった。
【0028】
したがって、本発明の好ましい主題は、細胞系IA-2,96/3/1/1(受託番号DSM ACC2365として1998年8月13日にDSMZ(「Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH」Braunschweig, Germany)にブダペスト条約に基づく国際寄託として寄託されている)により産生されるモノクローナル抗体である。該細胞系DSM ACC2365もまた、本発明の主題の1つである。
【0029】
細胞系IA-2,96/3/1/1(DSM ACC2365)により産生される抗体と同等の仕方でIA-2に結合できる抗体も、本発明の主題の1つである。用語「同等の仕方で結合できる」とは、特定された既知の抗体と重複する検出可能なエピトープを有する抗体について用いる。このエピトープの重複は、競合的試験系を使って容易に検出することができる。例えば、酵素イムノアッセイは、規定の抗原または規定のエピトープ(例えばIA-2ic)への結合に対して、ある抗体が公知の抗体と競合する程度を調べるために用いられる。このためには、例えば、固定化IA-2ic抗原を、標識を担持する公知のモノクローナル抗体、および過剰量の試験しようとする抗体と、一緒にインキュベートする。その後、結合した標識を検出することにより、試験する抗体が、規定の抗体と置き換わって抗原に結合する程度を、容易に測定することができる。105倍の過剰量で、少なくとも50%の置換が起こる場合に、重複するエピトープは存在する。
【0030】
本発明は、さらに、以下の製造工程によって得ることができる膵島細胞抗原IA−2に対するヒトモノクローナル抗体に関する。IA−2に対する高い血清抗体力価(>80U)を有する前糖尿病患者または糖尿病患者から得たヒトリンパ球を不死化し、該不死化リンパ球を、頻繁に培地交換することにより阻害因子を除去しながら成長因子とともに培養し、その培養上清中のIA−2特異的ヒトモノクローナル抗体を好ましくはELISAにより検出し、この抗体を産生するヒト不死化細胞系を細胞毒性Tリンパ球を含まない支持細胞の存在下でクローニングし、場合によっては成長因子を添加して、この不死化細胞を増殖させ、このクローンが産生するモノクローナル抗体を単離する。
【0031】
本発明はまた、以下の工程を含んでなる膵島細胞抗原IA−2と特異的に反応するヒトモノクローナル抗体の製造方法にも関する。IA−2に対する高い血清抗体力価(>80U/ml)を有する前糖尿病患者または糖尿病患者から得たヒトリンパ球を不死化し、頻繁に培地交換することにより阻害因子を除去しながら該不死化リンパ球を成長因子とともに培養し、その培養上清中のIA−2特異的ヒトモノクローナル抗体を好ましくはELISAにより検出し、この抗体を産生するヒト不死化細胞系を細胞毒性Tリンパ球を含まない支持細胞の存在下でクローニングし、場合によっては成長因子を添加して、この不死化細胞を増殖させ、このクローンが産生するモノクローナル抗体を単離する。
【0032】
この方法の個々の工程は、前節に記載の通り実施する。
【0033】
用語「モノクローナル抗体」の本発明における意味は、完全な免疫グロブリンに加えて全ての抗体フラグメントを含むと理解する。これらには、例えば、Fab、Fab’、またはF(ab)’フラグメントが含まれる。「抗体」という用語に「モノクローナル」または「ポリクローナル」という語が補われていない場合は、両方のタイプの抗体を意味し、つまりキメラ構築物、および上記のフラグメント全てを意味する。
【0034】
本発明のIA−2特異的モノクローナル抗体は、IA−2と特異的に反応し、好ましくはIA−2icと呼ばれるIA−2の細胞質部分と反応する。従って本発明は、IA−2icと呼ばれるIA−2の細胞質部分と特異的に反応するIA−2に対する抗体にも関する。上述の製造工程をこれらの抗体を作製するために同じように使用する。
【0035】
好ましくは、ELISA試験を使用して、IA−2特異的モノクローナル抗体を同定する。抗IA−2特異的EBV形質転換B細胞系を見い出すために、それぞれの提供者について少なくとも1000個の一次ウェルを試験しなければならない。先行技術の大変な労力を要するRIAでは、このような多数に及ぶスクリーニングは実施できない。ELISAを開発することによってのみ、極めて高いサンプル処理能力が達成できる。この半自動ELISAは、一日で数千の培養上清を試験することを可能にし、それ故に、ごく稀な事象であるIA−2陽性一次ウェルを発見することができる。
【0036】
該ELISAにおいて、ストレプトアビジンでコーティングされたマイクロタイタープレートを、IA−2−ビオチンまたはIA−2ic−ビオチンでコーティングする。続いて、コーティングしたプレートを、前糖尿病患者、または確実な糖尿病患者から得たヒト血清のさまざまな希釈段階のものと共にインキュベートした。規定量の精製したヒトIA−2特異的抗体を、同じマイクロタイタープレートに入れて同時にインキュベートする。その後、プレートを洗浄し、ペルオキシダーゼ標識ヒツジ抗ヒトFcγ特異的抗体コンジュゲートを加えて、結合した抗IA−2抗体を検出する。結合したIA−2特異的抗体を、ABTS(登録商標)(アジノ−ジ−[3−エチルベンズチアゾリンスルホン酸(6)]、カタログ番号756407、Boehringer Mannheim GmbH Germany)を用いた呈色反応により検出する。患者血清中の抗IA−2抗体含量を、希釈係数を考慮して吸光度の標準曲線から推定する。
【0037】
ELISAに用いる抗原IA−2icの調整のために、Paytonら(J.Clin.Invest. (1995)96,1506〜1511)によって公表されている以下に示すプライマーを用いて、膵島細胞特異的cDNAから、IA−2ic遺伝子を増幅した:
5’−ATGCAGCAAGACAACGAGCGCCTG−3’、および
5’−TCACTGGGGCAGGGCCTTGAG−3’
【0038】
増幅産物をピンポイントベクターにクローニングして、可溶性ビオチン化融合タンパク質として、大腸菌にて発現させる。該融合タンパク質は、単量体アビジン−セファロースにて精製した。ビオチン化IA−2icをストレプトアビジンでコーティングしたマイクロタイタープレートに結合させ、本発明のIA−2特異的モノクローナル抗体と共にインキュベートし、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgGコンジュゲートによって結合した抗体を検出する。融合タンパク質のビオチン化したアミノ末端ドメインに対して抗体が反応する可能性を排除するために、融合タンパク質(タグ(Tag)タンパク質)のビオチン結合ドメインを単独で発現させて、ELISAにて試験した。IA−2特異的抗体は、タグ(Tag)タンパク質を認識しなかった。IA−2特異的抗体は、RIAによっても試験した。このために、35S−メチオニン存在下でIA−2icのDNAをin vitroにて転写および翻訳し、IA−2特異的抗体と共にインキュベートして、プロテインAセファロースを加えて該免疫複合体を固定化した。免疫沈降物中の放射活性を、液体シンチレーション計測によって測定した。
【0039】
本発明は、また、サンプル中の膵島細胞抗原IA−2に対するヒト抗体または自己抗体を検出する方法も含む。当業者に公知のあらゆる形式が、試験の形式として考慮されるが、間接法ELISA試験が好ましい。精製した、天然型または組み換え型IA−2抗原またはIA−2ic抗原をサンプルと接触させて、サンプル抗体が抗原と特異的に結合できるようにすることが、好適であることが証明されている。ビオチンのような固相に結合する基とともに抗体が提供される場合、引き続いて、ストレプトアビジンでコーティングした固相に、免疫複合体を固定化することが可能である。抗原は、サンプルと共にインキュベートする時点では、すでに、直接的または間接的に固相に結合しているはずである。液相から固相を分離した後、ヒト抗体のFc部分、一般にはヒトIgGのFc部分に対する標識抗体を結合させ、続いて該標識を測定することにより、サンプル抗体を検出することが好ましい。たとえば、ペルオキシダーゼなどの酵素、ジゴキシゲニンなどのハプテン、蛍光色素、または、電気化学発光もしくは化学発光の可能な物質など、当業者に公知のあらゆる標識を、該標識として使用できる。
【0040】
IA−2またはIA−2ic抗原は直接または間接的に固相に結合し、規定の濃度の標識化した本発明のIA−2またはIA−2icに対するヒトモノクローナル抗体を受容体として添加して、抗原と共にインキュベートする競合試験形式も考えられる。サンプルを同時にまたは後に加える場合、サンプル抗体と標識レセプター抗体は、抗原への結合について互いに競合する。液相から固相を分離した後、一方の相、あるいは両方の相中にある標識を測定する。固相上の標識のシグナルが弱いと、サンプル抗体の濃度は高いことを示す。
【0041】
得られたサンプルの測定結果を予め測定しておいた一連の標準試料の測定値と比較することにより、サンプル抗体を定量できる。規定濃度のIA−2またはIA−2icに対する本発明のモノクローナル抗体は、このような一連の標準試料として使用する。
【0042】
当業者に公知のあらゆる体液を、サンプルとしてIA−2に対する抗体の検出に用いてよい。これらは、例えば全血液、血清または血漿、尿および唾液を含む。
【0043】
本発明の別の主題は、IA−2またはIA−2icに対するヒトモノクローナル抗体を、膵島細胞抗原に対する、好ましくは膵島細胞抗原IA−2に対する抗体を検出する方法において、標準試料または受容体として使用することである。
【0044】
本発明の別の主題は、膵島細胞抗原IA−2に対するヒトモノクローナル抗体を使用して、膵島細胞抗原IA−2を単離することである。膵島細胞抗原IA−2を単離するために、本発明の抗体を当業者に周知の方法により固相に結合させることが可能である。
【0045】
続いて、IA−2を含むサンプルを固相に結合した抗体と共にインキュベートして、他の成分を分離する。例えば塩濃度を上げることなどによって、該免疫複合体を抗体と抗原の間で切断し、続いて溶出すると、抗原を純粋な形で得ることが可能である。
【0046】
本発明は、以下の (1) (5) のいずれかのヒトモノクローナル抗体 :
(1) 膵島細胞抗原 IA-2 と特異的に反応するヒトモノクローナル抗体;
(2) IA-2 の細胞質部分である IA-2ic と特異的に反応するヒトモノクローナル抗体 ;
(3) 以下の方法ステップ:
IA-2 に対する高血清抗体力価を有する前糖尿病または糖尿病患者から得たヒトリンパ球を不死化し、成長因子を用いて、同時に阻害因子を除去しながら、該不死化リンパ球を培養し、培養上清中の IA-2 特異的ヒトモノクローナル抗体を検出して、細胞毒性Tリンパ球を含まない支持細胞の存在下でこの抗体を産生するヒト不死化細胞系をクローニングし、場合によっては、成長因子を添加してこの不死化細胞を増殖させ、そして、このクローンが産生するモノクローナル抗体を単離すること、によって得ることができる、膵島細胞抗原 IA-2 または該 IA-2 の細胞質部分である IA-2ic と特異的に反応するヒトモノクローナル抗体;
(4) 受託番号 DSM ACC2365 である細胞系 IA-2,96/3/1/1 から得ることができるヒトモノクローナル抗体;あるいは
(5) 受託番号 DSM ACC2365 である細胞系 IA-2,96/3/1/1 により産生される抗体と同等の仕方で IA-2 に結合することができる、ヒトモノクローナル抗体;
で免疫し、その免疫化動物の脾臓細胞を不死化し、 IA-2 に対する抗体に結合する抗体を産生する該不死化細胞をクローニングし、そして、公知の方法によりこれらのクローンが産生する抗体を単離することにより得ることができる、膵島細胞抗原 IA-2 と反応する抗体に対する抗イディオタイプ抗体にも関する。
本発明は、抗原結合部位が抗原IA-2またはIA-2icの構造に相当する、抗イディオタイプ抗体にも関する。本発明のIA-2に対するヒト抗体を免疫し、免疫化した動物の脾臓細胞を不死化し、IA-2特異的抗体の結合領域に結合する抗体を産生する不死化細胞をクローニングして、これらのクローンが産生する抗体を既知の方法で単離することにより、このような抗イディオタイプ抗体を得ることができる。
【0047】
本発明の他の主題は、サンプル中のIA−2を検出する方法である。該方法は、このために、少なくとも一つの本発明のモノクローナル抗体を結合相手として使用するという特徴を示す。該試験はサンドイッチELISAとして実施することが好ましい。本発明にかかる抗体でありうるIA−2に対する抗体を、当業者に既知の方法により、固相に結合させて(例えば、ビオチン/ストレプトアビジンを介して)該方法のための結合相手として使用する。サンプル中に存在するIA−2は、固相に結合した抗体と結合する。結合したIA−2は、標識を担持するさらに他の結合相手によって検出される。この他の結合相手も抗体であり、これもIA−2に結合するが、固相に結合した結合相手によって認識されるエピトープとは違うエピトープを認識することが好ましい。固相に結合した抗体が別のエピトープを認識する場合には、標識した結合相手は、本発明にかかるモノクローナル抗体であってよい。当業者に公知であるすべての標識は、該標識として使用できる。これらは、例えば、ペルオキシダーゼなどの酵素、ジゴキシゲニンなどのハプテン、蛍光染料、または電気化学発光もしくは化学発光が可能な物質を含む。
【0048】
以下の実施例によって、本発明をさらに説明する。
実施例 1
Bリンパ球の単離のための提供者の選択
末梢血から得た抗IA−2特異的Bリンパ球の形質転換の成功する可能性を増大させるために、IA−2に対して高い血清抗体力価を有する提供者をリンパ球単離のために選択した。
【0049】
抗体は、in vitro翻訳アッセイ(Zhang ら、1997, Diabetes,46, 40−43、およびDittler J.ら、1998, Diabetes, 47, 592−597参照)により測定した。新しく診断された糖尿病患者から血液を採取し、既知の方法により血清を得た。それぞれの血清2〜5μl容量を、50μlの沈殿バッファー(20 mM Tris−HCl、pH7.5、150mM NaCl、1% トリトンX−100、0.1%アプロチニン)中で、in vitro翻訳によって放射性標識した(約.15,000 cpm)IA−2ic ポリペプチドと共に、4℃で一晩回転させながらインキュベートした。続いて、50μlの50%プロテインA−セファロース懸濁液を添加して、さらに1時間インキュベートした。その後、インキュベーションバッファーで3回洗浄し、ビーズの放射活性を、液体シンチレーション装置において測定した。5μlの量の血清に対する免疫沈降物が約.1000cpmを有する高力価の糖尿病患者血清を、任意の標準物質として使用した。この値を100Uと等価であると定義した。これに基づくと、正常な血清は約5Uのレベルを有していたことになる。次の末梢血リンパ球の形質転換には、血清が80U以上の力価を有する患者から得たリンパ球だけを使用した。
【0050】
実施例 2
細胞分離および EBV の形質転換
Bリンパ球を単離するために、血清が少なくとも80Uの力価を有している提供者のリンパ球だけを使用した。 20〜50 mlの血液をこれらの提供者から採取し、密度勾配遠心分離法により末梢単核細胞(PBMNC)の単離に使用した。
【0051】
IA−2特異的血清抗体を検出するための従来の試験は、プロテインA−セファロースを用いて、免疫複合体を分離する。 それゆえ、抗IA−2抗体は、ほとんど全てがIgG 免疫グロブリンクラスであるにちがいない(Zhangら、Diabetes,、1997, 46, 40−43、およびDittler J.ら、 Diabetes, 1998, 47, 592−597)。 しかし、末梢血のBリンパ球は、lgMを主に産生するので膜がIgG陽性であるB細胞を単離し、関連するB細胞の亜集団を濃縮した。このために、PBMNCは、氷冷IMDM/10%ウシ胎児血清(IMDM/10%FCS)で、3X10細胞/mlの濃度に調整した。その後、マウスから得た抗ヒトIgG抗体を10μg/m1の濃度で添加した。そして、該細胞を、インキュベーションの間に細胞が沈降するのを防ぐために、4℃で30分間回転させた。その後、室温で10分間、200Xgにおいて遠心分離し、上清を吸引して、細胞をIMDM/10%FCSで2回洗浄した。
【0052】
その後、細胞をIMDM/10%FCSに移して1X10細胞/ml(全体の細胞数は約1X10細胞)の濃度にし、ヒツジ抗マウスIgGでコーティングしたMagnetobeads(Dynal M−280)とともにインキュベートした。1個の標的細胞あたり約10個のビーズを添加した(PBMNCの約5%が膜IgGを発現していると仮定した)。
【0053】
4℃で30分間、ビーズとともに、細胞を回転させた。その後、該反応容器を、標識細胞を分離するために、磁気ホルダー内に5分間放置した。上清を吸引し、ビーズを1mlの培地に再懸濁し、再び磁気ホルダー内に5分間放置した。その上清を再び吸引し、試験管を磁気ホルダーから取りだして、単離した細胞を0.5mlの IMDM/10%FCSに再懸濁した。
【0054】
その後、2mlの濃縮エプスタインバーウイルスウイルス懸濁液を添加した。ウイルス懸濁液は、B 95−8 キヌゲザル細胞系(ATCC CRL 1612)の集密的培養物の上清から得られた。ウイルスを吸収させるため、B細胞を、培養器の中で、37℃、7% COで2時間インキュベートした。細胞の沈降を防止するために、インキュベーション段階の間、試験管を数回動かした。
【0055】
その後、100、200、および400個のB細胞が100μl のIMDM/10%FCS中に存在するように、分離したB細胞の一連の希釈液を調製した。そして、4000 radで照射した同種PBMNC(CD8陽性細胞は含まない)を支持細胞として、これらの細胞懸濁液に添加した(150μl細胞懸濁液あたり50,000個の支持細胞)。続いて、100U/mlの IL−6を添加した。1ウェル当たり150μlの細胞懸濁液を96ウェル丸底プレートに分配し、5% CO、37℃で2週間インキュベートした。培地は、7〜10日後に交換した。
【0056】
実施例 3
IA−2 抗体を産生する EBV− 形質転換 細胞系のスクリーニングアッセイ
2週間後に、EBV系の培養上清を、組み換えIA−2に対する反応性についてELISAにより試験した。IA−2の細胞内部分(IA−2ic)は、NH末端におけるビオチン標識ペプチドを伴って、大腸菌にて抗原として発現された。融合タンパク質は、ストレプトアビジンカラムのアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。
【0057】
ストレプトアビジンでコーティングしたマイクロタイタープレートを、室温で1時間、100ng/mlの濃度のIA−2icビオチンでコーティングした。続いて、プレートを0.15 mol/l NaCl/0.05% Tween 20で洗浄した。50μlの RPMI/10%FCSを、まずプレートに添加し、その後、EBVで形質転換したB細胞の培養上清を50μl添加した。それを、振盪しながら、室温で1時間インキュベートした。その後に、プレートを洗浄し、結合した抗IA−2抗体を検出するために、ペルオキシダーゼ標識ヒツジ抗ヒトFcγ抗体(Boehringer Mannheim GmbH、カタログ番号;1089 196、PBS/0.5%ウシ血清アルブミン中100 mU/ml)100μlを添加した。続いて、振盪しながら室温で1時間再びインキュベートした。過剰のコンジュゲートは、0.15 mol/l NaCl/0.05% Tween20で3回洗浄して除去した。その後、3.25mmol/lの過ホウ酸ナトリウムを含む40 mmol/l のクエン酸バッファーpH4.4中のABTS(登録商標)( 1mg/m1、 Boehringer Mannhein GmbH、カタログ番号756 407)の100μlを添加し、振盪しながら室温で45分インキュベートした後に、405nmにおいて吸光度を測定した。
【0058】
典型的な形質転換混合物において、2〜5X10 個の膜IgG陽性のB細胞を、最初の1X10のPBMNCから単離した。これらを約1000個のウェルに分配した。スクリーニング試験で陽性と同定されたウェルの数は、試験した1000ウェル中1〜3ウェルであった。陽性ウェルの吸光度の範囲は、1500〜2000 mAであった。
【0059】
実施例4
EBV− 形質転換 細胞系のクローニング
培養上清がELISAで陽性反応を呈したEBVで形質転換したB細胞系をクローニングした。このために、細胞は、蛍光作動性セルソーターを用いて、96ウェルマイクロタイタープレートに単一に入れ、照射済みCD8−欠損PBMNC(5X10細胞/ウェル、4000rad照射)を添加した。クローニング用の培地は、IMDM/10%FCS/100U/ml IL−6からなるものであった。増殖しているクローンを含んでいる培養上清を、ELISAにより試験し、陽性クローンを拡大培養した。 抗体を単離するための大量培養は、Tecnoマウスバイオリアクターにおいて実施した。抗体は、硫酸アンモニウム沈殿を行った上清、およびプロテインAまたはプロテインGセファロース上でのクロマトグラフィーにより単離した。

Claims (7)

  1. 以下の方法ステップ:
    IA-2icに対する高血清抗体力価を有する前糖尿病または糖尿病患者から得たヒトリンパ球を不死化し、成長因子を用いて、同時に阻害因子を除去しながら、該不死化リンパ球を培養し、培養上清中のIA-2ic特異的ヒトモノクローナル抗体を検出して、細胞毒性Tリンパ球を含まない支持細胞の存在下でこの抗体を産生するヒト不死化細胞系をクローニングし、場合によっては、成長因子を添加してこの不死化細胞を増殖させ、そして、このクローンが産生するモノクローナル抗体を単離すること、によって得ることができる IA-2 の細胞質部分である IA-2ic と特異的に反応するヒトモノクローナル抗体。
  2. 受託番号DSM ACC2365である細胞系IA-2,96/3/1/1により産生される抗体と同等の仕方でIA-2に結合することができる、請求項に記載のヒトモノクローナル抗体。
  3. 受託番号DSM ACC2365である細胞系IA-2,96/3/1/1
  4. 以下のステップ:
    IA-2icに対する高血清抗体力価を有する前糖尿病または糖尿病患者から得たヒトリンパ球を不死化し、成長因子を用い、同時に阻害因子を除外しながら、該不死化リンパ球を培養し、培養上清中のIA-2ic特異的ヒトモノクローナル抗体を検出して、細胞毒性Tリンパ球を含まない支持細胞の存在下でこの抗体を産生するヒト不死化細胞系をクローニングし、場合によっては成長因子を添加してこの不死化細胞を増殖させ、そして、このクローンが産生するモノクローナル抗体を単離することを含んでなる、請求項1または2に記載の IA-2 の細胞質部分である IA-2ic と特異的に反応するヒトモノクローナル抗体を製造する方法。
  5. 膵島細胞抗原に対する抗体の測定方法における標準物質としての、請求項1または2に記載のヒトモノクローナル抗体の使用。
  6. 膵島細胞抗原に対する抗体の測定方法における受容体としての、請求項1または2に記載のヒトモノクローナル抗体の使用。
  7. 請求項1または2に記載の IA-2 の細胞質部分である IA-2ic と特異的に反応するヒトモノクローナル抗体で免疫し、その免疫化非ヒト動物の脾臓細胞を不死化し、IA-2ic と反応する該抗体に結合する抗体を産生する該不死化細胞をクローニングし、そして、これらのクローンが産生する抗体を単離することにより得ることができる、膵島細胞抗原IA-2icと反応する抗体に対する抗イディオタイプ抗体。
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