JP3592092B2 - 燃焼器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃焼器に係わり、特に、燃焼振動や燃焼騒音の高い燃焼器に適用するのに好適な燃料供給系の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃焼器では、燃焼室内で燃料と酸化剤を混合して燃焼させる拡散燃焼や、燃料と酸化剤を予め混合したのち燃焼室内で燃焼させる予混合燃焼が用いられる。特に、低NOx燃焼では、希薄燃料を用いて予混合火炎の温度を低くしてNOxの発生量を抑制することが多いが、火炎が不安定になりやすいために燃焼振動が発生しやすい。
【0003】
燃焼振動は、燃焼に伴って燃焼器内部の圧力変動が大きくなる現象であり、この振動により燃焼器構造材が変形もしくは破損して健全性を損なう可能性がある。燃焼器内部の圧力変動の大きさは、火炎部の発熱量変動と、燃焼器内部の圧力変動の位相関係によって変化し、一般に知られている Rayleigh の判定条件によれば、火炎部における発熱量変動と圧力変動の積の時間平均値が正になったときに振動が発生する。すなわち、発熱量変動と圧力変動が同相で変化する場合に振動が大きくなる。そこで、火炎部の発熱量変動と圧力変動のフィードバックループを制御して位相関係を変更できれば、燃焼振動を抑制することができる。
【0004】
フィードバックループを構成する要因の一つとして、燃料や空気流量の変動が考えられる。燃焼器内部の圧力変動に伴って燃料や空気の流量が変動すると、これによって火炎の発熱量が変化して圧力変動に正のフィードバックがかかり、振動が増幅する。そこで、燃焼振動を抑制する技術として、これまで、燃焼器内部の圧力変動を検知して燃料の流量を変動させ、燃焼器内部での発熱量変動と圧力変動の同相関係をずらす方法が知られている。この方法は燃焼振動のアクティブ制御と呼ばれ、燃焼振動を抑制する有効な手段であることが実証されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、燃焼器内部で発生する燃焼振動は数100Hz以上で振動することが多く、発電用ガスタービンプラントのように、タービン1軸あたり10缶程度の複数の燃焼器が設置され、10気圧以上の高圧場で運転される場合には、燃焼器一缶毎に数100Hz以上で駆動する燃料の流量調節弁と制御機構が必要となる。このため、実用化には、コストと信頼性の面で問題があった。
【0006】
本発明はこれに鑑みなされたもので、その目的とするところは、過激な可動部がなく構成が簡単で、かつ安価にして燃焼時に生ずる燃焼振動や燃焼騒音の少ないこの種の燃焼器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、燃焼室と、該燃焼室に燃料を供給する燃料供給配管と、前記燃焼室に酸化剤を供給する酸化剤供給配管とを備え、前記それぞれの供給配管より供給された燃料と酸化剤とを混合させて燃焼させる燃焼器において、前記燃料供給配管内に、燃焼室内の圧力変動と同じ周波数で変動し、かつ燃料供給配管の燃焼室側出口での流速変動がゼロになる音響共鳴モード発生手段を設けるようになし所期の目的を達成するようにしたものである。
【0008】
また本発明は、燃焼室と、該燃焼室に燃料を供給する燃料供給配管と、前記燃焼室に酸化剤を供給する酸化剤供給配管とを備え、前記それぞれの供給配管より供給された燃料と酸化剤とを混合させて燃焼させる燃焼器において、前記燃料供給配管内に、前記燃焼室内で生ずる圧力変動周波数で共鳴する音響モードを形成させ、前記音響モードが前記燃料供給配管と前記燃焼室の接続部で変動圧力の極大値を持つようにした音響共鳴モード発生手段を設けるようにしたものである。
【0009】
また、燃焼室と、該燃焼室に燃料を供給する燃料供給配管と、前記燃焼室に酸化剤を供給する酸化剤供給配管とを備え、前記それぞれの供給配管より供給された燃料と酸化剤とを混合させて燃焼させる燃焼器において、前記燃料供給配管の途中に、一方端が燃料供給配管の内部と連通するとともに、他方端が閉止され、かつ前記燃料供給配管出口での燃料流速変動がゼロになる音響共鳴モードを発生させる長さの分岐管を設けるようにしたものである。
【0010】
また、この場合、前記分岐管に、分岐管の温度を調節する温度調節機構を設けるとともに、前記燃焼器に燃焼器内の圧力変動を測定する変動測定器を設け、この圧力変動測定器の変動信号により前記温度調節機構の設定値が調整されるように形成したものである。また、前記分岐管を、少なくともその一部がベローズ構造、あるいはその内部にピストンを設け、分岐管の長さが変えられるように形成したものである。
【0011】
また本発明は、燃焼室と、該燃焼室に燃料を供給する燃料供給配管と、前記燃焼室に酸化剤を供給する酸化剤供給配管とを備え、前記それぞれの供給配管より供給された燃料と酸化剤とを混合させて燃焼させる燃焼器において、前記燃料供給配管の途中に上流と下流を繋ぐバイパス管を設けるとともに、該バイパス管内で、かつ前記燃料供給配管出口での燃料流速変動がゼロになる音響共鳴モードを発生させる位置に、バイパス管内の燃料流量を閉止する閉止機構を設けるようにしたものである。
【0012】
また、この場合、前記分岐管に、分岐管の温度を調節する温度調節機構を設けるとともに、前記燃焼器に燃焼器内の圧力変動を測定する変動測定器を設け、該圧力変動測定器の変動信号により前記温度調節機構の設定値が調整されるように形成したものである。また、前記閉止機構を、その位置が変えられるように形成したものである。
【0013】
すなわちこのように形成された燃焼器であると、燃料供給配管内に、燃焼器内の圧力変動と同じ周波数で変動し、かつ燃料供給配管の燃焼室側出口での流速変動がゼロになる音響共鳴モード発生手段が設けられることから、運転時においては燃料出口部までの配管内部に音響共鳴モードが形成され、特に燃料出口部では、圧力変動勾配がゼロになり、流速変動がゼロになる。これにより、燃料流量の変動によって生じる燃焼振動が抑制され、火炎喪失や逆火などの燃焼不安定性の抑制、および構造材の摩耗などの抑制により、機器の信頼性を向上することができるのである。
【0014】
なお、燃料供給配管内にこのような音響モードを発生させるためには、燃料配管系の工夫が必要である。本発明では、燃料配管に、閉止機構を備えた分岐管あるいはバイパス管を設け、長さ、断面積あるいは温度を変化させることによって、燃料配管出口での流速変動がゼロになる音響共鳴モードを発生させるものである。
【0015】
分岐管あるいはバイパス管の閉止部では流速変動がゼロとなるため、燃料配管出口で流速変動をゼロにすると、管内の断面積と温度が一定の場合には、音響共鳴周波数fは以下のようになる。
【0016】
【数1】
f=na/(2L) (n=1,2,3,…) …(1)
ここで、Lは分岐管あるいはバイパス管の閉止部から燃料配管出口までの配管長さ、aは温度に依存した音速、nは自然数である。したがって、配管長さLと、配管内温度を調節することによって、配管内の共鳴周波数を変化させ、燃焼振動の周波数に一致させることができる。図2は、n=1の場合の圧力変動と流速変動のモードの一例を示したものであり、燃料配管出口で流速変動がゼロになっている。
【0017】
さらに一般には、配管断面積をS、配管長さをL、音速をa、燃料配管の添字を1、分岐管あるいはバイパス管の添字を2としたときの共鳴周数は、次の式で計算することができる。
【0018】
【数2】
sin(2πf(L1/a1+L2/a2)=A×sin(2πf(L1/a1−L2/a2) …(2)
【0019】
【数3】
A=(S2/S1−a2/a1)=(S2/S1+a2/a1) …(3)
ここで、燃料配管の長さL1は、分岐管あるいはバイパス管の分岐部から燃料配管出口までの配管長さであり、分岐管あるいはバイパス管の長さL2は、分岐管あるいはバイパス管の閉止部から分岐部までの長さである。図3に、L1を1m、燃料配管母管温度を20℃、燃料配管の断面積と分岐管あるいはバイパス管の断面積を同じにしたときの共鳴周波数と分岐管あるいはバイパス管の温度の関係の一例が示されている。図3に示されているように、分岐管あるいはバイパス管の長さと温度を調節することにより、配管内に任意の周波数の音響共鳴モードを発生させることができる。
【0020】
また、特に、分岐管あるいはバイパス管のない燃料配管で共鳴が生じる可能性がある場合には、(2)(3)式を満たすように分岐管あるいはバイパス管の仕様を決定するとともに、分岐部で圧力変動がゼロとなるように分岐管あるいはバイパス管の仕様を決定すればよい。すなわち、次の式が成り立つようにすればよい。
【0021】
【数4】
f=(2n−1)a2/(4L2) (n=1,2,3,…) …(4)したがって、燃焼器の燃焼振動周波数に対して、(2)(3)(4)式を満たすようにS2、L2、温度およびモード次数nを決定すればよい。その際、短波長のモードは、温度や周波数の変化によって流速変動ゼロの位置が変化する割合が大きいため、モード次数nは、できるだけ小さくとるほうが良い。また、分岐管あるいはバイパス管の断面積を、分岐管あるいはバイパス管の軸方向に変化させることによって、より自由に分岐管あるいはバイパス管の仕様を決定することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下図示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1には、その燃焼器をガスタービンの燃焼器に適用した場合の例が線図で示されている。このガスタービン燃焼器では、円筒形の主室(燃焼室)1の外側に外筒2が設けられ、空気3は主室1と外筒2の間の流路4を流れる。
【0023】
この主室1と外筒2の間の流路4を通過した空気3は、拡散バーナ用の空気通路5と予混合バーナ用の副室6に供給される。拡散バーナ用の空気通路5に供給された空気は、拡散燃料ノズル11からの燃料とともに、主室1内で燃焼する。また、予混合バーナ用の副室6に供給された空気3の一部は、副室6内で予混合燃料ノズル7からの燃料8と混合して予混合気9となり、副室6から流出して主室1の内部で燃焼する。
【0024】
この実施例は、拡散燃料ノズル11に接続された拡散燃料配管(燃料供給配管)12に共鳴用の分岐管(音響共鳴モード発生手段)23を接続したものである。拡散燃料配管12には、分岐部13が設けられており、分岐管23が接続されている。すなわち、燃料供給配管の途中に、一方端が燃料供給配管の内部と連通し、かつ他方端が閉止された分岐管が設けられるのである。
【0025】
また、分岐管23には、内部の燃料温度を調節できるようにヒータ17と温度計18が設置されている。さらに、主室1に設けられた圧力変動測定器19と温度計18からの信号により、ヒータ17の発熱量を調節する制御装置20が設けられている。
【0026】
主室1の内部で燃焼振動が発生した場合、制御装置20は、圧力変動測定器19からの信号によって燃焼振動周波数fを測定し、前述した(2)(3)(4)式を満たすように、温度およびモード次数nを決定する。ここで、モード次数nは最も低い次数、設定温度は、拡散燃料配管の燃料温度との差が最小になるように選ぶ。
【0027】
ここで、前記(2)(3)(4)式の中のL1,S1,a1,L2,S2,a2は、それぞれ、分岐部13から拡散燃料出口部22までの拡散燃料配管12の長さ、断面積、音速、分岐部13から分岐管23の閉止端までの分岐管23の長さ、断面積、音速である。(2)(3)(4)式の設定により、分岐管23の閉止端から分岐部13を介して拡散燃料出口部22までの配管内部に音響共鳴モードが形成され、特に拡散燃料出口部22では、圧力変動勾配がゼロになり、流速変動がゼロになる。
【0028】
これにより、燃料流量の変動によって生じる燃焼振動が抑制され、火炎喪失や逆火などの燃焼不安定性の抑制、および構造材の摩耗などの抑制により、機器の信頼性を向上することができる。特に本実施例は、分岐管23の長さが短くてよい場合に有効である。
【0029】
図4は、本発明の第2の実施例を示した図である。本実施例では、第1の実施例の分岐管23の代わりにバイパス管15を用いている。拡散燃料配管12には、2個所の分岐部13と14が設けられており、分岐部13と14を繋ぐバイパス管15が接続されている。バイパス管15には、複数の弁16、21が設けられ、任意の位置で閉止できるようになっている。
【0030】
また、バイパス管15には、内部の燃料温度を調節できるように複数のヒータ17と温度計18が設置されている。さらに、主室1に設けられた圧力変動測定器19と温度計18からの信号により、弁16、21の開閉とヒータ17の発熱量を調節する制御装置20が設けられている。以下、本実施例では、弁21を閉止した場合を説明するが、弁16を閉止した場合も同様である。
【0031】
主室1の内部で燃焼振動が発生した場合、制御装置20は、圧力変動測定器19からの信号によって燃焼振動周波数fを測定し、(2)(3)(4)式を満たすように、バイパス管15の閉止位置、温度およびモード次数nを決定する。ここで、第1の実施例と同様、モード次数nは最も低い次数、設定温度は、拡散燃料配管の燃料温度との差が最小になるように選ぶ。
【0032】
ここで、(2)(3)(4)式の中のL1,S1,a1,L2,S2,a2は、それぞれ、分岐部13から拡散燃料出口部22までの拡散燃料配管12の長さ、断面積、音速、分岐部13から弁21までのバイパス管15の長さ、断面積、音速である。(2)(3)(4)式の設定により、弁21から分岐部13を介して拡散燃料出口部22までの配管内部に音響共鳴モードが形成され、特に拡散燃料出口部22では流速変動がゼロになり、燃料流量の変動によって生じる燃焼振動が抑制される。これにより、火炎喪失や逆火などの燃焼不安定性の抑制、および構造材の摩耗などの抑制により、機器の信頼性を向上することができる。
【0033】
本実施例は、バイパス管15の長さが長い場合に有効であり、管内部がガス溜まりになる可能性がある場合、弁16、21を開くことによってバイパス管15のガスパージが可能である。また、本実施例では、バイパス管15に弁、ヒータ、温度計をそれぞれ2個ずつ設置した場合を示したが、さらに多く設置した場合も同様である。
【0034】
図5は、本発明の第4の実施例を示した図である。本実施例では、第1の実施例の分岐管23の配管径を24の位置で変化させている。すなわち、配管の一部に膨らみ部を持たせている。この場合には、(2)(3)(4)式の代わりに断面変化分を考慮した式が必要になるが、一般に知られている伝達関数法などの音響解析法を用いて、条件を求めることができる。図6には、分岐管23の配管径を変化させた場合の一例が示されている。分岐管23の配管径を拡大することにより、分岐管23の長さを短くできることがわかる。本実施例によれば、より自由に分岐管23の仕様を設定することができ、よりコンパクトな配管系を構築することが可能である。本実施例では、分岐管の配管径を変化させたが、バイパス管についても同様な効果がある。
【0035】
図7は、本発明の第5の実施例を示した図である。本実施例では、第1の実施例の分岐管15をベローズ25に変えており、駆動機構26によりベローズ25の長さを可変にできる。この駆動機構26により、ベローズ25の長さの微調節が可能であり、(2)(3)(4)式の条件設定がより容易にあるとともに、運転条件の変化に伴う燃焼振動周波数の変化に対する追随性を良くすることができる。
【0036】
本実施例ではベローズの伸縮など、可動部を有するが、数100Hzにおよぶ燃焼振動周波数に追随する必要はなく、燃焼器内部の平均温度変化などによる燃焼振動周波数の変化に追随できればよいため、燃料流量を燃焼振動周波数で変動させる方法に比べて、制御と機器の信頼性の面で有利である。
【0037】
図8は、本発明の第6の実施例を示した図である。本実施例では、第1の実施例の分岐管15の内部にピストン26を設けており、ピストン26の位置を変化させることにより分岐管15の長さを可変にできる。このピストン26により、分岐管15の長さの微調節が可能であり、(2)(3)(4)式の条件設定がより容易にあるとともに、第5の実施例と同様、運転条件の変化に伴う燃焼振動周波数の変化に対する追随性を良くすることができる。
【0038】
本実施例でもピストンなど、可動部を有するが、燃料流量を燃焼振動周波数で変動させる方法に比べて、ピストン応答時間は緩やかでよいため、制御と機器の信頼性の面で有利である。
【0039】
図9は、本発明の第7の実施例を示した図である。本実施例は、本発明を予混合燃料配管27に適用したものである。構成は第1の実施例と同じであり、この実施例では、予混合燃料8の燃料変動を抑制することができる。また、予混合燃料8についても、第2から第6と同じ変更が可能であり、予混合燃料8の変動が主要因となる燃焼振動を、効果的に抑制することができる。
【0040】
図10は、本発明の第8の実施例を示した図である。本実施例は、本発明をガス給湯機に適用したものである。空気3は、ファン30によって副室6に送り込まれ、予混合燃料8と混合する。予混合気9は、保炎板31を通過して主室1内で燃焼する。燃焼ガス33は、熱交換器32で熱交換された後、排気される。予混合燃料8は、分岐部13を通って副室6内に流入する。分岐部13には分岐管23が取り付けられ、分岐管23にはヒータ17と温度計18が設置され、制御装置20によって発熱量が調整される。水34は、熱交換器32で熱交換された後、湯35となって流出する。
【0041】
このようなガス給湯機についても、これまで示した実施例と同様、分岐管23の長さ、温度、断面積を調節させることにより、予混合燃料配管7と分岐管23の内部に音響共鳴モードを発生させ、予混合燃料の流量変動による燃焼振動の発生や、燃焼騒音の発生を防止することができる。
【0042】
なお、以上の説明では、分岐管を設けるに際し、燃料供給配管の折曲部に設けるように説明してきたが、常にこの部分に設けなければならなりわけではなく、例えば、図11に示されているように、直線的に設けられている燃料供給配管12の途中にこの分岐管を設けるようにしても良いことは勿論である。
【0043】
以上種々説明してきたように、このように形成された燃焼器であると、音響共鳴を利用した簡便な方法によって燃料流量の変動を抑制でき、燃焼器で発生する燃焼振動を抑制することができる。特に、可動部の少ない安価で信頼性の高い構造により、燃焼振動を効果的に抑制することができる。これにより、燃料流量の変動によって生じる燃焼振動が抑制され、火炎喪失や逆火などの燃焼不安定性の抑制、および構造材の摩耗などの抑制により、機器の信頼性を向上させることができるのである。
【0044】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、過激な可動部がなく構成が簡単で、かつ安価にして燃焼時に生ずる燃焼振動や燃焼騒音の少ないこの種の燃焼器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼器の一実施例を示す縦断側面図である。
【図2】音響共鳴モードを示す図である。
【図3】周波数と配管温度の関係を示す図である。
【図4】本発明の燃焼器の他の実施例を示す縦断側面図である。
【図5】本発明の燃焼器の他の実施例を示す縦断側面図である。
【図6】配管径と配管長さ関係を示す図である。
【図7】本発明の燃焼器の他の実施例を示す縦断側面図である。
【図8】本発明の燃焼器の他の実施例を示す縦断側面図である。
【図9】本発明の燃焼器の他の実施例を示す縦断側面図である。
【図10】本発明の燃焼器の他の実施例を示す縦断側面図である。
【図11】本発明の燃焼器の他の実施例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1…主室(燃焼室)、2…外筒、3…空気、4…空気の通路、5…拡散バーナの空気通路、6…副室、7…予混合燃料ノズル、8…予混合燃料、9…予混合気、10…拡散燃料、11…拡散燃料ノズル、12…拡散燃料配管(燃料供給配管)、13…分岐部、14…分岐部、15…バイパス管、16…弁、17…ヒータ、18…温度計、19…圧力変動測定器、20…制御装置、21…閉止弁、22…拡散燃料出口部、23…分岐管(音響共鳴モード発生手段)、24…配管径の変化する位置、25…ベローズ、26…ベローズ駆動機構、27…ピストン、28…ピストン駆動機構、29…予混合燃料配管、30…ファン、31…保炎板、32…熱交換器、33…既燃ガス、34…水、35…湯。
Claims (10)
- 燃焼室と、該燃焼室に燃料を供給する燃料供給配管と、前記燃焼室に酸化剤を供給する酸化剤供給配管とを備え、前記それぞれの供給配管より供給された燃料と酸化剤とを混合させて燃焼させる燃焼器において、
前記燃料供給配管内に、燃焼室内の圧力変動と同じ周波数で変動し、かつ燃料供給配管の燃焼室側出口での流速変動がゼロになる音響共鳴モード発生手段を設けたことを特徴とする燃焼器。 - 燃焼室と、該燃焼室に燃料を供給する燃料供給配管と、前記燃焼室に酸化剤を供給する酸化剤供給配管とを備え、前記それぞれの供給配管より供給された燃料と酸化剤とを混合させて燃焼させる燃焼器において、
前記燃料供給配管内に、前記燃焼室内で生ずる圧力変動周波数で共鳴する音響モードを形成させ、前記音響モードが前記燃料供給配管と前記燃焼室の接続部で変動圧力の極大値を持つようにした音響共鳴モード発生手段を設けたことを特徴とする燃焼器。 - 燃焼室と、該燃焼室に燃料を供給する燃料供給配管と、前記燃焼室に酸化剤を供給する酸化剤供給配管とを備え、前記それぞれの供給配管より供給された燃料と酸化剤とを混合させて燃焼させる燃焼器において、
前記燃料供給配管の途中に、一方端が燃料供給配管の内部と連通するとともに、他方端が閉止され、かつ前記燃料供給配管出口での燃料流速変動がゼロになる音響共鳴モードを発生させる長さの分岐管を設けるようにしたことを特徴とする燃焼器。 - 前記分岐管に、分岐管の温度を調節する温度調節機構を設けるとともに、前記燃焼器に燃焼器内の圧力変動を測定する変動測定器を設け、該圧力変動測定器の変動信号により前記温度調節機構の設定値が調整されるように形成された請求項3記載の燃焼器。
- 前記分岐管は、その長さ若しくは径が可変に形成されたものである請求項3または4記載の燃焼器。
- 前記分岐管は、少なくともその一部がベローズ構造に形成されたものである請求項3または4記載の燃焼器。
- 前記分岐管は、その内部にピストンを有し、ピストンの位置を変化させることにより分岐管の分岐部からピストンまでの距離を変化させるように形成されたものである請求項3または4記載の燃焼器。
- 燃焼室と、該燃焼室に燃料を供給する燃料供給配管と、前記燃焼室に酸化剤を供給する酸化剤供給配管とを備え、前記それぞれの供給配管より供給された燃料と酸化剤とを混合させて燃焼させる燃焼器において、
前記燃料供給配管の途中に上流と下流を繋ぐバイパス管を設けるとともに、該バイパス管内で、かつ前記燃料供給配管出口での燃料流速変動がゼロになる音響共鳴モードを発生させる位置に、バイパス管内の燃料流量を閉止する閉止機構を設けたことを特徴とする燃焼器。 - 前記バイパス管に、バイパス管の温度を調節する温度調節機構を設けるとともに、前記燃焼器に燃焼器内の圧力変動を測定する変動測定器を設け、該圧力変動測定器の変動信号により前記温度調節機構の設定値が調整されるように形成された請求項8記載の燃焼器。
- 前記閉止機構は、その位置が可変に形成されたものである請求項8または9記載の燃焼器。
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1998
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