JP3590285B2 - 生体情報認識装置およびその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は生体情報を認識して個人や性別などを認識特定する生体情報認識装置とその方法に関し、特に認識結果に含まれる曖昧性を排除する検証手段と、該検証手段を状況に応じて起動する手段とを具備した生体情報認識装置とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(従来の認証情報の問題点)
従来、個人を認証する方法として、IDカードなどの器物鍵による認証、暗証番号などの暗号鍵による認証、指紋/声紋/掌紋/虹彩/網膜/顔などの生体鍵による認証が提案されている。
【0003】
器物鍵や暗号鍵を用いた個人認証方式は該器物鍵や暗号鍵の提示者を曖昧性なく認証できるが、一方で、該器物鍵の紛失/盗難や該暗号鍵の漏洩により他人に不正使用される危険性がある。これに対して、生体鍵を用いた個人認証方式では、該生体鍵が本人と不可分であることから不正使用しにくいという特長がある。しかしながら、認証結果には曖昧性(本人が認証されなかったり、他人が認証されてしまったりする)が存在するため確実な認証が行えず、これが生体鍵を用いた個人認証の実用化を妨げる要因となっている。
【0004】
このような生体鍵、すなわち人物から取得される生体情報の曖昧性は、認証に限らず生体情報を認識して何らかの分類を行う全ての生体情報認識について云えることである。
(曖昧性の説明)
ここで上記の曖昧性の原因について説明する。
【0005】
顔や声紋などの生体情報は一般にパタン(顔画像パタンや音声スペクトルパタン)として扱うことのできる情報である。このようなパタンを認識するためには、入力された未知の生体情報(入力生体情報、あるいは入力)を、予め登録してあるカテゴリ別の生体情報(辞書生体情報、あるいは辞書)と1つ1つ照合し、最も類似した辞書の示すカテゴリに該入力を分類するという手順が必要になる。このため、入力と辞書の類似性を表わす指標、すなわち類似度を求めて、該類似度が最大となる辞書のカテゴリ(辞書カテゴリ)に該入力を分類する。
【0006】
生体情報の照合に限らず、一般的なパタン認識のための入力と辞書の表現や類似度の定義ならびにその計算アルゴリズムは、文献[1](エルッキ・オヤ著(小川英光他訳)、″パターン認識と部分空間″、産業図書、1986)や、文献[2](飯島泰蔵著、″パターン認識理論″、森北出版、1989)に開示されている。
【0007】
ところで、実際のパタン認識においては、前述したように最大類似度を得る辞書カテゴリを無条件に認めて入力カテゴリを確定することは危険である。なぜなら、入力がどの辞書カテゴリにも属していない場合も考えられるからである。そのため、入力が辞書カテゴリのいずれかに属しているのなら、その類似度は一定値以上の大きさを得ているであろうという仮定に基づいて、カテゴリを認定できる類似度の下限値を閾値として、該閾値を下回る類似度しか得られない辞書カテゴリは認定の対象としないようにする。この結果、辞書カテゴリのいずれかに認定される入力は、最大類似度が所定閾値以上であるような入力であり、それ以外は該当する辞書カテゴリがないものとして拒絶される。これを一般にリジェクト処理という。
【0008】
ここで注意を要するのが、パタン認識においては、常に正しい辞書カテゴリが最大類似度を獲得するとは限らないということである(パタン認識結果の曖昧性)。そのため、たまたま閾値以上の最大類似度を得た辞書カテゴリが実は正しい入力カテゴリでなかったとしても、上記の方法では当該辞書カテゴリが入力カテゴリとして認定されてしまう。
【0009】
このような曖昧性の原因は類似度の分布で説明できる。入力を同じカテゴリの辞書と照合した場合の類似度分布を自己類似度分布、入力を異なるカテゴリの辞書と照合した場合の類似度分布を非自己類似度分布と各々呼ぶと、自己類似度分布と非自己類似度分布は第4図に例示するように重なり部分を持っている。この図において横軸は類似度値、縦軸はその類似度値を獲得した入力の個数であり、図中の21は自己類似度分布、図中の22は非自己類似度分布、図中の23は重なり部分である。
【0010】
もし、閾値を非自己類似度分布のない図中の24以上に設定すれば、認定されたカテゴリは必ず自己カテゴリであるようにできるが、24未満の領域で分布する自己カテゴリ入力は拒絶されてしまうことになる。また、閾値を自己類似度分布のない図中の25未満に設定すれば、拒絶されるのは必ず非自己カテゴリであるようにできるが、25以上の領域で分布する非自己カテゴリ入力を拒絶することはできない。このように、自己類似度分布21と非自己類似度分布22の重なり部分23が意味するものは、該重なり部分23の類似度範囲にある照合結果は自己カテゴリが正しく照合されたものか、非自己カテゴリが間違って照合されたものか区別できないということである。
【0011】
例えば、入力をカテゴリAの辞書と照合した類似度が図中の26、カテゴリBの辞書と照合した類似度が図中の27、類似度の閾値が図中の28であったとき、実のところ入力カテゴリはAであったにも関わらず、最大類似度は27であったため、認定された入力カテゴリがBとなってしまうことが起るのである。このように、自己類似度分布と非自己類似度分布は重なりを持ち、その範囲にあっては正しいカテゴリが必ずしも最大類似度を獲得するとは限らないことが、パタン認識結果を曖昧にしているのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、このような曖昧性が存在する状況下で正しいカテゴリが認定されなかったり間違ったカテゴリが拒絶されなかったりする不都合、特に生体情報に基づく個人認証における正規利用者の拒絶と不正利用者の通過を防止可能な生体情報認識装置およびその方法を提供することである。
【0013】
具体的には次のような考察結果に基づいた生体情報認識装置およびその方法を提供する。
(装置と認識対象者の各々が了解している情報の整合性に基づく検証)
入力生体情報をP個の辞書生体情報と照合して得られた最大類似度が前記第4図の重なり部分23に存在するとき照合結果には曖昧性が存在する、すなわち最大類似度を獲得する辞書カテゴリが必ずしも入力カテゴリであるとは限らない。この場合、入力カテゴリが必ず辞書カテゴリの1つである、すなわち認識対象者が個人認証における正規利用者ならば、原理的には入力カテゴリは前記重なり部分23に類似度を獲得した辞書カテゴリ(候補カテゴリと呼ぶ)のどれかである。
【0014】
このような場合、装置は認識対象者にカテゴリを特定するための質問を発し、該質問に対する認識対象者の回答に基づいて、入力カテゴリが前記候補カテゴリのどれに該当するかを確定することができる。
【0015】
このとき、質問と回答の方法として次の2つが考えられる。
【0016】
(1)各候補カテゴリに属する者であれば選択するであろう情報を、その他の無関係な多数の攪乱用情報とともに認識対象者に対して呈示し、該呈示された多数の情報から1つを選ばせることで、該選択された1つが前記候補カテゴリに属する者が選択するであろう情報のいずれに該当するかで、認識対象者のカテゴリをこの該当した候補カテゴリに認定する。
【0017】
(2)各候補カテゴリに属する者であれば入力するであろう情報を、認識対象者に入力させることで、該入力された情報が前記候補カテゴリに属する者が入力するであろう情報のいずれに該当するかで、認識対象者のカテゴリをこの該当した候補カテゴリに認定する。
【0018】
認識対象者のカテゴリが少なくとも候補カテゴリに含まれておりさえすれば、正しい情報を選択したり入力したりすることが可能であり、この結果、曖昧性の存在下で該認識対象者は質問に回答することで確実に正しく認識してもらうことが可能になる。
【0019】
なお、前記自己類似度分布21と非自己類似度分布22は理論的に求めることは不可能であり、辞書カテゴリに属する多数のサンプル入力を実際に各辞書と照合して得た類似度の分布として求めるしかない。
【0020】
類似度分布を求めるのに関与しなかった新規のカテゴリに属する入力(必ず非自己カテゴリ)の類似度は、該入力が前記類似度分布を求める作業に関与しなかったために、求められた非自己類似度分布の範囲を逸脱しているかもしれない。しかしながら、多数のカテゴリの多数のサンプルに対して類似度分布を求めておくことで、このような逸脱を緩和防止できるものと考えられる。このとき、新規カテゴリ入力の類似度は拒絶もしくは要検証のいずれかに分類される。
【0021】
辞書カテゴリにない新規カテゴリに属する入力、すなわち個人認証における不正利用者がどの正規利用者にも分類されずに拒絶されるのは正しい結果である。一方、検証を必要とする不正利用者が質問回答を経て正規利用者のどれかに分類されてしまうならこれは間違った結果である。ここで前述した質問回答による検証が不正利用者に対して正しく機能(拒絶する)か否かを考察する。
【0022】
装置は自己が想定している認識対象者の候補カテゴリにしたがって、前記方法の(1)においては多数の情報呈示を行い、前記方法の(2)においては情報の入力を求める。不正利用者は候補カテゴリのいずれかに対応した情報を選択あるいは入力することにより当該候補カテゴリたる正規利用者に分類される可能性がある。しかし、不正利用者には装置がどの候補カテゴリを想定しているかを知る術はない。したがって、誤分類、すなわち不正利用の発生は偶然によりどれくらい正しい選択や入力が可能かに依存する。
【0023】
(1)の場合には、候補カテゴリ数が少なく、相対的に攪乱用情報の数が多くなることで誤分類の発生確率を減らすことができる。すなわち、候補カテゴリの数は極力少ない方が好ましく、また攪乱用情報の数は極力多い方が好ましい。
【0024】
また、(2)の場合には、入力情報のバリエーションが多いほど誤分類の発生確率を減らす。すなわち、そのようなバリエーションの多い情報を質問することが好ましい。
【0025】
このような方策により誤分類の偶発を減らしたうえで、(1)(2)いずれの場合も、装置は候補カテゴリに属する者が選択あるいは入力するであろう情報と不正利用者の回答が一致しない場合には、該不正利用者を拒絶する。この結果、辞書カテゴリのいずれかに属する正規利用者は質問回答によりほぼ確実に認定され、不正利用者はかなりの確率で拒絶される。これはこのような生体情報認識装置を個人認証装置として用いる場合に特に重要な性質である。
【0026】
本発明は以上の考察に基づき、曖昧性の存在を類似度値の範囲として検知し、該曖昧性の存在する状況下にあっては、候補カテゴリに固有の情報を認識対象者が答えられるか否かによって該認識対象者を該候補カテゴリのいずれかに認定するかあるいは拒絶するかを決定可能な生体情報認識の仕組を提供する。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)に係わる生体情報認識装置は、認識対象者の生体情報を取得して入力生体情報と成す生体情報取得手段と、該入力生体情報と辞書生体情報とを照合して類似度を計算する類似度計算手段と、該計算された類似度のうち最大のものを最大類似度と成し、該最大類似度が第1の閾値以上である場合には、前記認識対象者を該最大類似度を獲得した辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、前記最大類似度が前記第1の閾値より小さい第2の閾値に満たない場合には、前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶し、それ以外の場合には、判断を保留する候補評価手段と、該候補評価手段により判断が保留された場合には、前記第1の閾値未満で前記第2の閾値以上の類似度を獲得した辞書生体情報のうちの類似度で上位所定数を候補と成し、該候補の各々に対応する検証用の質問を前記認識対象者に対して呈示して答えさせることにより、該認識対象者が前記候補のいずれであるか、あるいはどれでもないのかを検証して、いずれかの候補である場合には前記認識対象者を該候補たる辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、いずれの候補でもない場合には前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶する候補検証手段と、前記候補評価手段による認定/拒絶結果、あるいは前記候補検証手段による認定/拒絶結果を出力する出力手段とを具備し、前記上位所定数が、前記第1の閾値未満で前記第2の閾値以上の類似度を獲得した辞書生体情報の数と、1より大きい別の所定数のうち小さい方であることを特徴とする。
【0028】
本発明(請求項2)に係わる生体情報認識装置は、認識対象者の生体情報を取得して入力生体情報と成す生体情報取得手段と、該入力生体情報と辞書生体情報とを照合して類似度を計算する類似度計算手段と、該計算された類似度のうち最大のものを最大類似度と成し、該最大類似度が第1の閾値以上である場合には、前記認識対象者を該最大類似度を獲得した辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、前記最大類似度が前記第1の閾値より小さい第2の閾値に満たない場合には、前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶し、それ以外の場合には、判断を保留する候補評価手段と、該候補評価手段により判断が保留された場合には、前記第1の閾値未満で前記第2の閾値以上の類似度を獲得した辞書生体情報のうちの類似度で上位所定数を候補と成し、該候補の各々に対応する検証用の質問を前記認識対象者に対して呈示して答えさせることにより、該認識対象者が前記候補のいずれであるか、あるいはどれでもないのかを検証して、いずれかの候補である場合には前記認識対象者を該候補たる辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、いずれの候補でもない場合には前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶する候補検証手段と、前記候補評価手段において判断を保留せずに認定もしくは拒絶を決定した場合には、所定の確率で検証用の質問を前記認識対象者に対して呈示して答えさせつつも、認定もしくは拒絶の判定は前記候補評価手段の決定に基づいて出力する疑似的検証手段と、前記候補評価手段による認定/拒絶結果、あるいは前記候補検証手段による認定/拒絶結果を出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
【0029】
本発明(請求項3)に係わる生体情報認識装置は、認識対象者の生体情報を取得して入力生体情報と成す生体情報取得手段と、該入力生体情報と辞書生体情報とを照合して類似度を計算する類似度計算手段と、該計算された類似度のうち最大のものを最大類似度と成し、該最大類似度が第1の閾値以上である場合には、前記認識対象者を該最大類似度を獲得した辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、前記最大類似度が前記第1の閾値より小さい第2の閾値に満たない場合には、前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶し、それ以外の場合には、判断を保留する候補評価手段と、該候補評価手段により判断が保留された場合には、前記第1の閾値未満で前記第2の閾値以上の類似度を獲得した辞書生体情報のうちの類似度で上位所定数を候補と成し、該候補の各々に対応する検証用の質問を前記認識対象者に対して呈示して答えさせることにより、該認識対象者が前記候補のいずれであるか、あるいはどれでもないのかを検証して、いずれかの候補である場合には前記認識対象者を該候補たる辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、いずれの候補でもない場合には前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶する候補検証手段と、前記候補検証手段による認定/拒絶結果に基づいて、少なくとも認定されなかった前記候補の辞書生体情報を前記入力生体情報に対してより低い類似度を算出するように更新する辞書更新手段と、前記候補評価手段による認定/拒絶結果、あるいは前記候補検証手段による認定/拒絶結果を出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
【0030】
好ましくは、前記検証用の質問が、前記候補に与えられている画像と該画像と無関係な攪乱用の画像とを混在一覧表示していずれかを選択させるものであることを特徴とする。
【0034】
本発明によれば、入力生体情報と辞書生体情報の照合により得られた最大類似度が所定のどの値の範囲に存在するかで認定/拒絶/保留の判断をし、該保留となった場合には認定/拒絶の判断を認識対象者への質疑によって行うことが可能になる。
【0035】
本発明によれば、辞書カテゴリに属する認識対象者は、最大類似度において認定/拒絶される場合には遅滞なく正しく認識してもらえ、最大類似度において保留となった場合には質問に答えるだけで正しく認識してもらえ、いずれにして正しく認識してもらうことができる。
【0036】
本発明によれば、新規のカテゴリに属する認識対象者はほぼ必ず拒絶されることになるので、誤認識の発生を減らすことができる。
【0037】
本発明によれば、辞書カテゴリに属する認識対象者は、最大類似度において認定/拒絶される場合にもある確率で質問に回答する手間を強いられるが、新規のカテゴリに属する認識対象者に対する誤認識をさらに減らすことができる。
【0038】
本発明によれば、辞書カテゴリに属する認識対象者の入力生体情報を常に正しい辞書生体情報に学習させることができ、かつ運用するほどに辞書生体情報は入力生体情報のバリエーションを学習させて、より正確な認識を行わせることが可能になる。
【0039】
本発明によれば、辞書カテゴリに属する認識対象者の入力生体情報を常に正しい辞書生体情報に学習させることにより、類似度分布の重なり部分を減少させることができ、運用するほどに質疑応答の頻度が減り、もって認識対象者の回答労力を減じることが可能になる。
【0040】
なお、以上の各装置に係る発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る発明は装置に係る発明としても成立する。
【0041】
また、上記の発明は、相当する手順あるいは手段をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した機械読み取り可能な媒体としても成立する。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明に係る生体情報認識装置とその方法の実施例を図面にしたがって説明する。
(第1の実施例の説明)
以下、本発明に係る生体情報認識装置とその方法の第1の実施例を説明する。
【0043】
第1図に本実施例装置のブロック構成を示す。本実施例装置は、生体情報取得部1、類似度計算部2、認識候補評価部3、認識候補検証部4、出力部5、ならびに記憶部6より成る。
【0044】
また、第2図に本実施例装置における処理構成を示す。本実施例装置における処理は、生体情報入力処理S1、入力部分空間生成処理S2、類似度計算処理S3、認定判別処理S4、拒絶判別処理S5、質問準備処理S6、回答受理処理S7、検証確認処理S8、出力処理S9より成る。
【0045】
また、第3図に本実施例装置の外観例を示す。ここに示す外観は本実施例装置が質問として画像を表示し、認識対象者にそれを選択させる場合の例であり、図中の101は認識対象者、102は装置匡体、103はタッチセンサ付き表示装置、104は生体情報入力用センサ、105は表示装置103に表示される選択対象たる画像である。なお、この図は模式図であり、実際の認識対象者101と装置匡体102の大きさの関係は図示された比率に限定されるものではない。
【0046】
また、本発明における選択すべき情報は、対応するカテゴリ固有の情報(カテゴリの属性情報と呼ぶ)であれば何でもよいが、画像(パタン的属性情報の1つ)を用いる方法がその一覧性と選択性の良さから好ましい。、本実施例装置では特に本人・縁者・知人の顔写真や本人の持ち物の写真などを用いる。
(第1の実施例:記憶部6の説明)
記憶部6は、本実施例装置において種々利用される情報、すなわち、カテゴリ毎の辞書生体情報、類似度の閾値TH1とTH2、検証用情報を保持記憶する。特に、本実施例装置が生体情報により個人を特定する用途に使用される場合には、前記検証用情報は人物の顔写真画像とすることができる。
(第1の実施例:生体情報取得部1の説明)
生体情報取得部1は、生体情報入力用センサ104により、認識対象者101の例えば顔画像や音声波形などを取り込んで入力生体情報として出力する(ステップS1)。
【0047】
例えば、生体情報として認識対象者101の顔を用いる場合には、前記生体情報取得部1は生体情報入力用センサ104としてテレビカメラなどの撮像手段を具備し、該撮像手段により該人物の顔を含む画像を取り込み、該顔を含む画像から、例えば顔らしいパタンを教示したテンプレートを用いて、該テンプレートと最も相関の高い領域を顔領域として該画像から抽出し、該抽出された顔領域を所定の大きさの画像パタンに変換して入力生体情報として出力する。
【0048】
また例えば、生体情報として認識対象者101の音声を用いる場合には、前記生体情報取得部1は生体情報入力用センサ104としてマイクロフォンなどの音声入力手段を具備し、該音声入力手段により該人物の音声を含む音声信号を取り込み、該音声信号から十分なパワーを持つ期間の音声信号を切り出して、該切り出された音声信号をフーリエ変換して得られる所定数の周波数成分によるパワースペクトルを入力生体情報として出力する。
【0049】
あるいは前記生体情報取得部1は、上記の組み合わせとして、認識対象者の顔画像が検出されている間の該人物の音声を取り込み、該顔画像と該音声による2つのパタンを1つの入力生体情報として出力することも可能である。
(第1の実施例:類似度計算部2の説明)
類似度計算部2は、入力生体情報をそのスカラー値の各々を軸とする多次元ベクトルとし、時系列的に入力される所定数のベクトルを主成分分析して得られる固有ベクトルを基底とする部分空間(入力部分空間)を生成する(ステップS2)。
【0050】
次いで類似度計算部2は、カテゴリ毎に用意されている辞書部分空間(辞書生体情報)を記憶部6より読み出し、各辞書部分空間と前記入力部分空間とを照合し、両部分空間の最大余弦を当該辞書部分空間が獲得する類似度とし、さらに記憶部6にあるP個全ての辞書部分空間との照合結果、すなわちP個のカテゴリコードとその類似度
を候補情報として出力する(ステップS3)。
(第1の実施例:候補評価部3の説明)
候補評価部3は、前記類似度計算部2による候補情報にある1位候補の類似度(最大類似度)が記憶部6にある所定閾値TH1以上である場合には、該1位候補のカテゴリコードを認識結果として認定して出力部5に送る(ステップS4の左分岐)。
【0051】
また候補評価部3は、前記類似度計算部2による候補情報にある1位候補の類似度(最大類似度)が記憶部6にある所定閾値TH2(<TH1)未満である場合には、該候補情報にあるカテゴリコードを拒絶して拒絶情報を出力部5に送る(ステップS5の右分岐)。
【0052】
候補評価部3は、上記いずれにも該当しない場合、すなわち前記1位の類似度がTH2以上TH1未満の場合には、認定/拒絶の判断を保留し、前記類似度計算部2による候補情報を検証すべき候補情報として候補検証部4に送る(ステップS5の下分岐)。
(第1の実施例:候補検証部4の説明)
候補検証部4は、上記候補評価部3により認定/拒絶が保留された場合に、候補評価部3から候補情報を受け取り、該候補情報にあるカテゴリコードの真偽を検証するための検証用情報を記憶部6より読み出す。
【0053】
本実施例装置においては、前記検証用情報は記憶部6が擁している辞書カテゴリの属性情報たる写真画像と、該辞書カテゴリの属性情報と無関係な写真画像(撹乱用情報)とから成っており、認識対象者は多数の異なる写真画像から自分の属性情報たる写真画像を選択することを求められる。認識対象者が正規利用者であるならば自分の属性情報たる写真を容易に選択でき、不正利用者であるならばおそらく撹乱用の写真画像を選択してしまうだろう。したがって認識対象者が選択した写真画像が候補カテゴリのいずれかの属性情報であるか否かを検証することで、該認識対象者が候補カテゴリのいずれに属する者であるか否かを検証することができる。
【0054】
候補検証部4は、記憶部6にある検証用情報から、前記候補情報にある上位M位までのカテゴリ(候補カテゴリ)に対応する写真画像を各1枚ずつ選び出し、さらに攪乱用の写真画像をランダムにK枚選び出し合計N=M+K枚の呈示用写真画像を準備する(ステップS6)。なお、前記写真画像(属性情報)は1つのカテゴリにつき複数用意されており、候補検証部4は該複数の写真画像から1つを毎回ランダムに選ぶものとする。
【0055】
このとき、前記Mは固定の値Q(例えば上位3位までなど)としてもよいが、類似度が前記閾値TH2以上の候補全てとすることも可能である。これは、類似度がTH1未満TH2以上の全ての候補が正解である可能性を持っているからである。
【0056】
また、前記Mを前記固定値Qと前記類似度が前記閾値TH2以上の候補全ての数Rのいずれか少ない方とすることも可能である。これはRがQを割る場合にはR(<Q)個のみを検証することで無駄を省き、RがQを上回る場合には正解である可能性の高い上位Q個までしか検証しないという戦略である。個人認証においてはQを十分小さくとることで不正利用の確率を減らすことができる。
【0057】
次いで候補検証部4は、認識対象者101に対して、該N枚の呈示用写真画像をタッチセンサ付き表示装置103の表示画面を介してランダムな順序に表示(105)し、該認識対象者に自己の属性情報たる写真画像を選択するように求め、該認識対象者の指による当該写真画像の選択操作(回答操作)をタッチセンサ付き表示装置103のタッチセンサを介して検知する(ステップS7)。
【0058】
候補検証部4は、該選択操作を受理すると、タッチセンサの押された表示画面上の座標と各画像の表示位置とを照合して該選択された画像がどの画像であるかを特定し、該特定された画像が前記候補カテゴリに対応する画像であるか否かを検証する。この検証の結果、該選択された写真画像に対応する候補カテゴリが発見された場合には当該カテゴリを当該認識対象者のカテゴリであると認定し(ステップS8の左分岐)、発見できない場合には当該認識対象者を拒絶する(ステップS8の右分岐)。
【0059】
このような検証処理により、生体情報に基づいて装置がM位までの候補として挙げたカテゴリと、認識対象者自身が了解している自己のカテゴリとの一致を鍵として、曖昧性のある類似度範囲にある照合結果を検証することにより、少なくともM位までの候補に入ることができれば、類似度で1位をとれなくても認識対象者が正しく認識してもらえるようになる。この場合、装置が自分をどのカテゴリに類別しようとしているか認識対象者にがわからないように、多数の攪乱用ノイズ画像とともに装置の想定するカテゴリの画像が呈示される。しかも、その画像の内容と呈示順序は常にランダムに変わるので、認識対象者は自己の所属カテゴリを知っている本人でなければ検証において認定してもらえる可能性が極めて低い。
(第1の実施例:出力部5の説明)
出力部5は、前記候補評価部3による認定カテゴリコードあるいは拒絶情報、および前記認識候補検証部4による認定カテゴリコードあるいは拒絶情報を装置外部へ出力したり、拒絶の通知を認識対象たる人物に呈示する(ステップS9)。
【0060】
なお、本実施例装置における閾値TH1およびTH2は原則的には非自己類似度分布の上限24と自己類似度分布の下限25に設定するものとするが、例えば、TH2をゼロとすることで拒絶判定を無くし、認識対象は必ず既知のいずれかのカテゴリに分類されるようにすることも可能である。また、TH1を非自己類似度分布の上限より高目や低目に設定することで、無質疑にて認定される条件を厳しくしたり緩くしたりと加減することも可能である。また、TH2を自己類似度分布の下限より低目や高目に設定することで、無質疑にて拒絶される条件を厳しくしたり緩くしたりと加減することも可能である。
【0061】
いずれにせよ、本実施例装置によって、正規の認識対象者は装置が曖昧性を検知する場合にのみ質疑応答を求められることで、通常は生体情報の入力のみにて正しく認定され、一部曖昧な場合のみ質疑応答の手間を払わされるに止まるという利便性を受けることができる。
【0062】
また、属性情報は各カテゴリにつき複数用意されており、装置は毎回その呈示内容、すなわちどの属性情報を呈示するかを変えるので、個人認証の用途にあっては不正利用者による通過を困難にすることができる。
(第2の実施例の説明)
上記第1の実施例装置においては、装置が曖昧性を検知した場合にのみ質疑が行われた。そのため、認識対象者は装置が質疑を行うか否かによって、該装置が曖昧性を抱いているか否かを知ることができた。
【0063】
この結果、不正利用者が自己と容貌などの生体情報が似た正規利用者が質疑を受ける場面を観察し、その回答を模倣することで、該不正利用者が通過できる可能性が存在する。なぜなら、容貌などの生体情報が似ている正規利用者の辞書に対する不正利用者の生体情報が獲得する類似度はTH1を超えることはできないとしてもTH2を超える可能性が高く、このとき発せられる質問に正しく答えることで不正利用者が当該正規利用者を偽って通過することができるからである。
【0064】
このとき、不正通過が成立する条件は、(a)不正利用者と似た生体情報を持つ正規利用者を該不正利用者が発見できること、(b)該正規利用者の回答を不正利用者が真似できることの2つである。(a)は生体情報として指紋、虹彩、網膜などでは困難であるが、顔を用いる場合には可能である。無論、これに加えて似た容貌の正規利用者がたまたま存在することが条件である。(b)は認識の度毎に回答を求める属性情報を変えることで模倣しにくくできるが、記憶部に保持格納される属性情報のバリエーションには限りがあるので、長期間観察することで特定の正規利用者の属性情報を調べ上げることは可能である。
【0065】
(a)(b)がともに成立してしまう場合に取りえる方策は、前記調べ上げた情報が利用できるか否かを曖昧にしてしまうことである。そのためには類似度の曖昧性が検知されたとき以外にもある確率でランダムに質疑を行うようにすればよい。この結果、正規利用者の回答の手間が増えたり、そのために特定正規利用者の属性情報が明らかになる機会が増えたりする不都合が発生するが、不正利用者には目を付けた正規利用者の回答が認定に効果があるのか否かを判断する材料がなくなるので抑止効果を期待できる。不正利用者が人間の目で見て自己と容貌の似ている正規利用者を発見して模倣を計画しても、装置の目で見た似ている条件とに若干のずれがあり、そのために不正利用者が成り代わりを計画した正規利用者の辞書による類似度がTH2より割り込む(拒絶される)機会がある。このとき、曖昧性のある場合以外にも質疑が発せられていれば、不正利用者は該質疑に正しく回答しても拒絶される場合があり、自己が成り代わりを計画した正規利用者が自己と似ているのか否か、すなわち類似度がTH2以上となる正規利用者であるのか、そして今後も成り代わりを図ることが妥当なものか否かの確証を得ることができないのである。
【0066】
上記のような方策を可能にする、本発明に係る生体情報認識装置とその方法の第2の実施例を説明する。
【0067】
第6図に本実施例装置のブロック構成を示す。本実施例装置は、生体情報取得部41、類似度計算部42、候補評価部43、候補検証部44、疑似検証部47、出力部45、ならびに記憶部46より成る。
【0068】
また、第7図に本実施例装置における処理構成を示す。本実施例装置における処理は、生体情報入力処理S11、入力部分空間生成処理S12、類似度計算処理S13、認定判別処理S14、拒絶判別処理S15、質問準備処理S16、回答受理処理S17、検証確認処理S18、確率処理S20、疑似質問準備処理S21、疑似回答受理処理S22、出力処理S19より成る。
【0069】
また、第3図に本実施例装置の外観例を示す。ここに示す外観は前記第1の実施例装置と同じく、本実施例装置が質問として画像を表示し、認識対象者にそれを選択させる場合の例である。
(第2の実施例:記憶部46の説明)
記憶部46は前記記憶部6と同様、本実施例装置において種々利用される情報、すなわち、カテゴリ毎の辞書生体情報、類似度の閾値TH1とTH2、検証用情報を保持記憶する。
(第2の実施例:生体情報取得部41の説明)
生体情報取得部41は前記生体情報取得部1と同様、生体情報入力用センサ104により、認識対象者101の例えば顔画像や音声波形などを取り込んで入力生体情報として出力する(ステップS11)。
(第2の実施例:類似度計算部42の説明)
類似度計算部42は前記類似度計算部2と同様、入力生体情報をそのスカラー値の各々を軸とする多次元ベクトルとし、時系列的に入力される所定数のベクトルを主成分分析して得られる固有ベクトルを基底とする部分空間(入力部分空間)を生成する(ステップS12)。
【0070】
次いで、類似度計算部42は前記類似度計算部2と同様、カテゴリ毎に用意されている辞書部分空間(辞書生体情報)を記憶部46より読み出し、各辞書部分空間と前記入力部分空間とを照合し、両部分空間の最大余弦を当該辞書部分空間が獲得する類似度とし、さらに記憶部46にあるP個全ての辞書部分空間との照合結果、すなわちP個のカテゴリコードとその類似度を候補情報として出力する(ステップS13)。
(第2の実施例:候補評価部43の説明)
候補評価部43は前記候補評価部3と同様、前記類似度計算部42による候補情報にある1位候補の類似度(最大類似度)が記憶部46にある所定閾値TH1以上である場合には、該1位候補のカテゴリコードを認識結果として認定して出力部45に送る(ステップS14の右分岐)。
【0071】
また候補評価部43は前記候補評価部3と同様、前記類似度計算部42による候補情報にある1位候補の類似度(最大類似度)が記憶部46にある所定閾値TH2(<TH1)未満である場合には、該候補情報にあるカテゴリコードを拒絶して拒絶情報を出力部5に送る(ステップS15の右分岐)。
【0072】
候補評価部43は前記候補評価部3と同様、上記いずれにも該当しない場合、すなわち前記1位の類似度がTH2以上TH1未満の場合には、認定/拒絶の判断を保留し、前記類似度計算部42による候補情報を検証すべき候補情報として候補検証部44に送る(ステップS15の下分岐)。
(第2の実施例:候補検証部44の説明)
候補検証部44は前記候補検証部4と同様、上記候補評価部3により認定/拒絶が保留された場合に、候補評価部43から候補情報を受け取り、該候補情報にあるカテゴリコードの真偽を検証するための検証用情報を記憶部46より読み出す。
【0073】
本実施例装置においては、前記検証用情報は記憶部46が擁している辞書カテゴリの属性情報たる写真画像と、該辞書カテゴリの属性情報と無関係な写真画像(撹乱用情報)とから成っており、認識対象者は多数の異なる写真画像から自分の属性情報たる写真画像を選択することを求められる。認識対象者が正規利用者であるならば自分の属性情報たる写真を容易に選択でき、不正利用者であるならばおそらく撹乱用の写真画像を選択してしまうだろう。したがって認識対象者が選択した写真画像が候補カテゴリのいずれかの属性情報であるか否かを検証することで、該認識対象者が候補カテゴリのいずれに属する者であるか否かを検証することができる。
【0074】
候補検証部44は前記候補検証部4と同様、記憶部46にある検証用情報から、前記候補情報にある上位M位までのカテゴリ(候補カテゴリ)に対応する写真画像を各1枚ずつ選び出し、さらに攪乱用の写真画像をランダムにK枚選び出し合計N=M+K枚の呈示用写真画像を準備する(ステップS16)。なお、前記写真画像(属性情報)は1つのカテゴリにつき複数用意されており、候補検証部44は該複数の写真画像から1つを毎回ランダムに選ぶものとする。
【0075】
このとき、前記Mは固定の値Q(例えば上位3位までなど)としてもよいが、類似度が前記閾値TH2以上の候補全てとすることも可能である。これは、類似度がTH1未満TH2以上の全ての候補が正解である可能性を持っているからである。
【0076】
また、前記Mを前記固定値Qと前記類似度が前記閾値TH2以上の候補全ての数Rのいずれか少ない方とすることも可能である。これはRがQを割る場合にはR(<Q)個のみを検証することで無駄を省き、RがQを上回る場合には正解である可能性の高い上位Q個までしか検証しないという戦略である。
【0077】
次いで候補検証部44は前記候補検証部4と同様、認識対象者101に対して、該N枚の呈示用写真画像をタッチセンサ付き表示装置103の表示画面を介してランダムな順序に表示(105)し、該認識対象者に自己の属性情報たる写真画像を選択するように求め、該認識対象者の指による当該写真画像の選択操作(回答操作)をタッチセンサ付き表示装置103のタッチセンサを介して検知する(ステップS17)。
【0078】
候補検証部44は前記候補検証部4と同様、該選択操作を受理すると、タッチセンサの押された表示画面上の座標と各画像の表示位置とを照合して該選択された画像がどの画像であるかを特定し、該特定された画像が前記候補カテゴリに対応する画像であるか否かを検証する。この検証の結果、該選択された写真画像に対応する候補カテゴリが発見された場合には当該カテゴリを当該認識対象者のカテゴリであると認定し(ステップS18の左分岐)、発見できない場合には当該認識対象者を拒絶する(ステップS18の右分岐)。
【0079】
このような検証処理により、生体情報に基づいて装置がM位までの候補として挙げたカテゴリと、認識対象者自身が了解している自己のカテゴリとの一致を鍵として、曖昧性のある類似度範囲にある照合結果を検証することにより、少なくともM位までの候補に入ることができれば、類似度で1位をとれなくても認識対象者が正しく認識してもらえるようにすることが可能となる。この場合、装置が自分をどのカテゴリに類別しようとしているか認識対象者にわからないように、多数のノイズ画像とともに装置の想定するカテゴリの画像が呈示される。しかも、その画像の内容と呈示順序は常にランダムに変わるので、認識対象者は自己の所属カテゴリを知っている本人でなければ検証において認定してもらえる可能性が低い。
(第2の実施例:疑似検証部47の説明)
本実施例装置で新規に加えられた疑似検証部47は、所定の確率で前記候補評価部43による認定あるいは拒絶の結果を出力部45に直ちに出力する(ステップS20の左分岐)。前記疑似検証部47は残る確率で疑似質疑を行う(ステップS20の下分岐)。
【0080】
疑似検証部47は、疑似質疑を行う場合には記憶部46にある検証用情報からM個の疑似候補カテゴリに対応する写真画像を各1枚ずつ選び出し、さらに攪乱用の写真画像をランダムにK枚選び出し合計N=M+K枚の呈示用写真画像を準備する(ステップS21)。該疑似候補カテゴリは、前記候補評価部43による認定カテゴリがある場合(認定時)にはそれを必ず含んで、残るM−1個のカテゴリをランダムに選び、前記候補評価部43による認定カテゴリがない場合(拒絶時)にはM個全てをランダムに選んで決定される。なお、前記写真画像(属性情報)は1つのカテゴリにつき複数用意されており、疑似検証部47は該複数の写真画像から1つを毎回ランダムに選ぶものとする。
【0081】
次いで疑似検証部47は、認識対象者101に対して、上記N枚の呈示用写真画像をタッチセンサ付き表示装置103の表示画面を介してランダムな順序に表示(105)し、該認識対象者に自己の属性情報たる写真画像を選択するように求め、該認識対象者の指による当該写真画像の選択操作(回答操作)をタッチセンサ付き表示装置103のタッチセンサを介して検知すると直ちに前記候補評価部43による認定あるいは拒絶の結果を出力部45に送り、前記候補検証部44のように認識対象者による回答を検証することはしない(ステップS22)。
【0082】
このような疑似検証処理により、不正利用者は質疑に正しく回答しても拒絶される場合があり、自己が成り代わりを計画した正規利用者が自己と似ているのか否か、すなわち類似度がTH2以上となる正規利用者であるのか、そして今後も成り代わりを図ることが妥当なものか否かの確証を得ることができないようにすることが可能になる。
【0083】
なお、上記疑似検証部47は、前記候補評価部43において認定された1位候補の属性情報を含む用に疑似質問の呈示属性情報を選び出したが、1位候補の属性情報を含まない、すなわち正しい答えを含まない呈示属性情報を認識対象者に呈示するようにしてもよい。この場合、正規利用者には質問中に正しい答えが存在するか否かで装置が曖昧性を検知しているか否かを知ることができるが、正規利用者でない不正利用者にはこのことはわからない。正規利用者は正しい答えが無い場合には、既に認定が確定していることを知ることができるので、でたらめに1つの属性情報を選択すれば通過できる。ところが、不正利用者にはこの回答が果たして正しいのか否かがわからないので、長期間の観察によって正規利用者の属性情報を調べ上げることが不可能になるのである。
(第2の実施例:出力部45の説明)
出力部45は、前記疑似検証部47を経由した前記候補評価部43による認定カテゴリコードあるいは拒絶情報、および前記認識候補検証部44による認定カテゴリコードあるいは拒絶情報を装置外部へ出力したり、拒絶の通知を認識対象たる人物に呈示する(ステップS19)。(第3の実施例の説明)
一旦生成された辞書部分空間を装置運用中に改良することは、自己類似度分布と非自己類似度分布の重なり部分を減少させたり、辞書が覆っていない新たなバリエーションを加えて辞書を強化するのに役立つ。このような目的による辞書改良は、自己類似度を値の高い領域に集め(以後、反応化と呼ぶ)、非自己類似度を値の低い領域に集める(以後、無反応化と呼ぶ)ことに他ならない。この結果、類似度に基づく認定/拒絶の閾値処理は容易になり、かつその信頼性は向上する。
【0084】
本発明に係る上記第1および第2の実施例装置は、候補検証部の存在により類似度分布の重なり部分に存在する入力生体情報を正しく分類することができる。そこで、この分類結果を頼りにこのような曖昧な類似度範囲に入る入力生体情報を辞書に学習させることで、該重なり部分を減少させ、運用を続けるほどに質疑応答の発生頻度を減らして、もって認識対象者の労力を減ずることが可能になる。
【0085】
反応化と無反応化は次のようにして行うことができる。
【0086】
複数の教示用生体情報から相関行列(特性核)を求め、これを主成分分析するという辞書生成プロセスを踏襲して、現在の辞書の特性核(辞書特性核)に入力生体情報の自己相関行列を加えたり、辞書特性核から入力生体情報の自己相関行列を差し引いたりすることで新しい辞書特性核を作り、これを主成分分析にかけて新たな辞書部分空間を生成する。これは文献[3](前田賢一、「パターン認識装置」、特開昭56−13748)に開示されている学習型複合類似度法である。具体的には、学習すべき入力生体情報(被学習生体情報)の自己相関行列に非負係数をかけたものを用意し、これを辞書特性核に加えたり(反応化)、辞書特性核から差し引いたり(無反応化)することで学習が進行する。
【0087】
自己類似度分布と非自己類似度分布の分離性を改善された辞書セットを得るためには、次の条件が成立する被学習生体情報を検出して反応化や無反応化を行う。これは類似度分布の重なり部分にある入力生体情報を辞書に学習させることで、該重なり部分を減らすことを可能にする条件である。
【0088】
[反応化]重なり部分に存在する候補カテゴリのうち、質疑応答により認定されたカテゴリ、すなわち当該入力生体情報が属する辞書(自己辞書)を反応化する。
【0089】
[無反応化]重なり部分に存在する候補カテゴリのうち、質疑応答により認定されなかったカテゴリ、すなわち当該入力生体情報が属さない辞書(非自己辞書)を無反応化する。
【0090】
辞書が更新されると類似度分布も変化するので、再び自己類似度分布と非自己類似度分布を求め、新たなTH1とTH2を決定する。
【0091】
以下、このような辞書更新機能を具備した本発明に係る生体情報認識装置とその方法の第3の実施例を説明する。
【0092】
第8図に本実施例装置のブロック構成を示す。本実施例装置は、生体情報取得部51、類似度計算部52、認識候補評価部53、認識候補検証部54、辞書更新部57、出力部55、ならびに記憶部56より成る。
【0093】
また、第9図に本実施例装置における処理構成を示す。本実施例装置における処理は、生体情報入力処理S31、入力部分空間生成処理S32、類似度計算処理S33、認定判別処理S34、拒絶判別処理S35、質問準備処理S36、回答受理処理S37、検証確認処理S38、辞書更新処理S40、閾値更新処理S41、出力処理S39より成る。
【0094】
また、第3図に本実施例装置の外観例を示す。ここに示す外観は前記第1および第2の実施例装置と同じく、本実施例装置が質問として画像を表示し、認識対象者にそれを選択させる場合の例である。
(第3の実施例:記憶部56の説明)
記憶部56は、本実施例装置において種々利用される情報、すなわち、カテゴリ毎の辞書生体情報、類似度の閾値TH1とTH2、検証用情報を保持記憶する。特に、本実施例装置が生体情報により個人を特定する用途に使用される場合には、前記検証用情報は人物の顔写真画像とすることができる。また、記憶部56は新たに辞書生体情報を生成したときの辞書特性核と辞書生成時の教示用生体情報とをカテゴリ毎に保持記憶する。
(第3の実施例:生体情報取得部51の説明)
生体情報取得部51は前記生体情報取得部1と同様、生体情報入力用センサ104により、認識対象者101の例えば顔画像や音声波形などを取り込んで入力生体情報として出力する(ステップS31)。
(第3の実施例:類似度計算部52の説明)
類似度計算部52は前記類似度計算部2と同様、入力生体情報をそのスカラー値の各々を軸とする多次元ベクトルとし、時系列的に入力される所定数のベクトルを主成分分析して得られる固有ベクトルを基底とする部分空間(入力部分空間)を生成する(ステップS32)。
【0095】
次いで類似度計算部52は、カテゴリ毎に用意されている辞書部分空間(辞書生体情報)を記憶部56より読み出し、各辞書部分空間と前記入力部分空間とを照合し、両部分空間の最大余弦を当該辞書部分空間が獲得する類似度とし、さらに記憶部56にあるP個全ての辞書部分空間との照合結果、すなわちP個のカテゴリコードとその類似度を候補情報として出力する(ステップS33)。
(第3の実施例:候補評価部53の説明)
候補評価部53は、前記類似度計算部2による候補情報にある1位候補の類似度(最大類似度)が記憶部6にある所定閾値TH1以上である場合には、該1位候補のカテゴリコードを認識結果として認定して出力部55に送る(ステップS34の右分岐)。
【0096】
また候補評価部53は、前記類似度計算部52による候補情報にある1位候補の類似度(最大類似度)が記憶部56にある所定閾値TH2(<TH1)未満である場合には、該候補情報にあるカテゴリコードを拒絶して拒絶情報を出力部55に送る(ステップS35の右分岐)。
【0097】
候補評価部53は、上記いずれにも該当しない場合、すなわち前記1位の類似度がTH2以上TH1未満の場合には、認定/拒絶の判断を保留し、前記類似度計算部52による候補情報を検証すべき候補情報として候補検証部54に送る(ステップS35の下分岐)。
(第3の実施例:候補検証部54の説明)
候補検証部54は前記候補検証部4と同様、上記候補評価部53により認定/拒絶が保留された場合に、候補評価部53から候補情報を受け取り、該候補情報にあるカテゴリコードの真偽を検証するための検証用情報を記憶部56より読み出す。
【0098】
本実施例装置においては、前記検証用情報は記憶部56が擁している辞書カテゴリの属性情報たる写真画像と、該辞書カテゴリの属性情報と無関係な写真画像(撹乱用情報)とから成っており、認識対象者は多数の異なる写真画像から自分の属性情報たる写真画像を選択することを求められる。認識対象者が正規利用者であるならば自分の属性情報たる写真を容易に選択でき、不正利用者であるならばおそらく撹乱用の写真画像を選択してしまうだろう。したがって認識対象者が選択した写真画像が候補カテゴリのいずれかの属性情報であるか否かを検証することで、該認識対象者が候補カテゴリのいずれに属する者であるか否かを検証することができる。
【0099】
候補検証部54は、記憶部56にある検証用情報から、前記候補情報にある上位M位までのカテゴリ(候補カテゴリ)に対応する写真画像を各1枚ずつ選び出し、さらに攪乱用の写真画像をランダムにK枚選び出し合計N=M+K枚の呈示用写真画像を準備する(ステップS36)。なお、前記写真画像(属性情報)は1つのカテゴリにつき複数用意されており、候補検証部4は該複数の写真画像から1つを毎回ランダムに選ぶものとする。
【0100】
次いで候補検証部54は、認識対象者101に対して、該N枚の呈示用写真画像をタッチセンサ付き表示装置103の表示画面を介してランダムな順序に表示(105)し、該認識対象者に自己の属性情報たる写真画像を選択するように求め、該認識対象者の指による当該写真画像の選択操作(回答操作)をタッチセンサ付き表示装置103のタッチセンサを介して検知する(ステップS37)。
【0101】
候補検証部54は、該選択操作を受理すると、タッチセンサの押された表示画面上の座標と各画像の表示位置とを照合して該選択された画像がどの画像であるかを特定し、該特定された画像が前記候補カテゴリに対応する画像であるか否かを検証する。この検証の結果、該選択された写真画像に対応する候補カテゴリが発見された場合には当該カテゴリを当該認識対象者のカテゴリであると認定し(ステップS38の左分岐)、発見できない場合には当該認識対象者を拒絶する(ステップS38の右分岐)。
【0102】
このような検証処理により、生体情報に基づいて装置がM位までの候補として挙げたカテゴリと、認識対象者自身が了解している自己のカテゴリとの一致を鍵として、曖昧性のある類似度範囲にある照合結果を検証することにより、少なくともM位までの候補に入ることができれば、類似度で1位をとれなくても認識対象者が正しく認識してもらえるようになる。この場合、装置が自分をどのカテゴリに類別しようとしているか認識対象者にわからないように、多数の攪乱用ノイズ画像とともに装置の想定するカテゴリの画像が呈示される。しかも、その画像の内容と呈示順序は常にランダムに変わるので、認識対象者は自己の所属カテゴリを知っている本人でなければ検証において認定してもらえる可能性が極めて低い。
(第3の実施例:辞書更新部57の説明)
前記候補評価部53にて判断が保留され、前記候補検証部54にて質疑により認定もしくは拒絶された入力生体情報は、類似度がTH2以上かつTH1未満の重なり部分に存在する入力である。辞書更新部57は、該重なり部分に存在する候補カテゴリの辞書を当該入力生体情報について下記条件にしたがって反応化あるいは無反応化して辞書を更新する(ステップS40)。このとき、用いられる学習アルゴリズムが学習複合類似度法(文献[3])として提案されている教示生体情報の相関行列(辞書特性核)と入力生体情報の自己相関行列の加算和計算である。辞書特性核は辞書生成時に作られたものが記憶部56に保持記憶されており、自己相関行列は類似度計算部52にて入力部分空間の生成に関与した入力生体情報から生成される。なお、記憶部56にある更新前の辞書特性核と辞書生体情報は同じカテゴリの更新された辞書特性核と辞書生体情報に置き換えられ、自己相関行列の生成に用いられた入力生体情報は記憶部56にある教示用生体情報に追加される。
【0103】
[反応化]重なり部分に存在する候補カテゴリのうち、質疑応答により認定されたカテゴリ、すなわち当該入力生体情報が属する辞書(自己辞書)を反応化する。
【0104】
[無反応化]重なり部分に存在する候補カテゴリのうち、質疑応答により認定されなかったカテゴリ、すなわち当該入力生体情報が属さない辞書(非自己辞書)を無反応化する。
【0105】
次に、辞書更新部57は、更新された辞書生体情報を加えた新しい辞書セットを用いて、かつ追加された教示用生体情報を加えた新しい教示用生体情報に対する自己類似度分布と非自己類似度分布とを再計算し、新しい辞書セットと新しい教示用生体情報による新しい閾値TH1とTH2を求めて記憶部56にある古い閾値と置き換える(ステップS41)。なお、類似度分布の計算は、同一カテゴリに属する多数の教示用生体情報を適当な数で入力部分空間に変換し、相互部分空間法で類似度を計算して集計することで行われる。
(第3の実施例:出力部55の説明)
出力部55は、前記候補評価部53による認定カテゴリコードあるいは拒絶情報、および前記認識候補検証部54による認定カテゴリコードあるいは拒絶情報を装置外部へ出力したり、拒絶の通知を認識対象たる人物に呈示する(ステップS39)。
【0106】
本実施例により、辞書カテゴリに属する認識対象者の入力生体情報を常に正しい辞書生体情報に学習させることができ、かつ運用するほどに辞書生体情報は入力生体情報のバリエーションを学習させて、より正確な認識を行わせることが可能になる。
【0107】
また、本実施例により、辞書カテゴリに属する認識対象者の入力生体情報を常に正しい辞書生体情報に学習させることにより、類似度分布の重なり部分を減少させることができ、運用するほどに質疑応答の頻度が減り、もって認識対象者の回答労力を減じることが可能になる。
(変形実施例の説明)
なお、本発明においては、前記候補検証部による選択を求める質問を、パタン的属性情報たる画像情報ではなく、名前や生年月日などの記号的属性情報とすることも可能である。この場合は画像のかわりに多数の記号的属性情報が表示され、認識対象者はそのうちの1つを選択するように求められる。
【0108】
また、本発明においては、前記候補検証部による質問を、パタン的属性情報たる画像情報の呈示と選択ではなく、認識対象者の名前、生年月日、パスワード、両親の名前などの記号的属性情報を入力させ、装置が想定するM位までのカテゴリの記号的属性情報と照合検証して、いずれかに一致すれば該一致したカテゴリの中で最高順位となるカテゴリを認定し、いずれにも一致しなければ拒絶するようにすることも可能である。この場合、記憶部6には検証用情報として、各辞書部分空間のカテゴリに固有の記号的属性情報が記述されていれば可能である。認識対象者による記号的属性情報の回答入力は、タッチセンサ付き表示装置102に記号に対応したキーを表示し、例えば1、9、6、0、0、5、0、2と該キーを順次押すことで1960年5月2日のような生年月日などを入力可能とすればよい。
【0109】
また、本発明においては、前記候補検証部による属性情報の選択や入力は例示したタッチパネルの操作に限定されるものではない。例えば表示装置と別の入力装置によって受理することも可能である。
【0110】
また、本発明におけるパタン照合アルゴリズムは例示した相互部分空間法に限定されず、例えば部分空間法(文献[1])など様々なパタン照合アルゴリズムを用いることが可能である。
【0111】
また、本発明における学習アルゴリズムは例示した学習型複合類似度法に限定されず、例えば学習部分空間法(文献[1])など様々な学習アルゴリズムを用いることができる。
(媒体による実施形態の説明)
ところで、第5図に例示するように、本発明に係る個人認証装置とその方法を実現する情報(例えばプログラム)を記録媒体31に記録し、該記録した情報を該記録媒体31を経由して撮像手段37を具備した装置32や装置33に適用したり、通信回線35や36を経由して、装置33や撮像手段38を具備した装置34に適用することも可能である。すなわち、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、入力生体情報と辞書生体情報の照合により得られた最大類似度が所定のどの値の範囲に存在するかで認定/拒絶/保留の判断をし、該保留となった場合には認定/拒絶の判断を認識対象者への質疑によって確定することが可能になる。
【0113】
本発明によれば、辞書カテゴリに属する認識対象者は、最大類似度において認定/拒絶される場合には遅滞なく正しく認識してもらえ、最大類似度において保留となった場合には質問に答えるだけで正しく認識してもらえ、いずれにしても正しく認識してもうことができる。
【0114】
本発明によれば、新規のカテゴリに属する認識対象者は最大類似度において拒絶されるか、質疑応答によってほぼ必ず拒絶されることになるので、誤認識の発生を減らすことができる。
【0115】
本発明によれば、辞書カテゴリに属する認識対象者は、最大類似度において認定/拒絶される場合にもある確率で質問に回答する手間を強いられるが、新規のカテゴリに属する認識対象者に対する誤認識をさらに減らすことができる。
【0116】
本発明によれば、辞書カテゴリに属する認識対象者の入力生体情報を常に正しい辞書生体情報に学習させることができ、かつ運用するほどに辞書生体情報は入力生体情報のバリエーションを学習させて、より正確な認識を行わせることが可能になる。
【0117】
本発明によれば、辞書カテゴリに属する認識対象者の入力生体情報を常に正しい辞書生体情報に学習させることにより、類似度分布の重なり部分を減少させることができ、運用するほどに質疑応答の頻度が減り、もって認識対象者の回答労力を減じることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る生体情報認識装置の第1の実施例装置のブロック構成を示した図である。
【図2】本発明に係る生体情報認識装置の第1の実施例装置における処理構成を示した図である。
【図3】本発明に係る実施例装置の外観例を示した図である。
【図4】自己類似度分布と非自己類似度分布を模式的に示した図である。
【図5】記録媒体等による実施形態を説明するための図である。
【図6】本発明に係る生体情報認識装置の第2の実施例装置のブロック構成を示した図である。
【図7】本発明に係る生体情報認識装置の第2の実施例装置における処理構成を示した図である。
【図8】本発明に係る生体情報認識装置の第3の実施例装置のブロック構成を示した図である。
【図9】本発明に係る生体情報認識装置の第3の実施例装置における処理構成を示した図である。
【符号の説明】
1 生体情報取得部
2 類似度計算部
3 認識候補評価部
4 認識候補検証部
5 出力部
6 記憶部
Claims (7)
- 認識対象者の生体情報を取得して入力生体情報と成す生体情報取得手段と、該入力生体情報と辞書生体情報とを照合して類似度を計算する類似度計算手段と、該計算された類似度のうち最大のものを最大類似度と成し、該最大類似度が第1の閾値以上である場合には、前記認識対象者を該最大類似度を獲得した辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、前記最大類似度が前記第1の閾値より小さい第2の閾値に満たない場合には、前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶し、それ以外の場合には、判断を保留する候補評価手段と、該候補評価手段により判断が保留された場合には、前記第1の閾値未満で前記第2の閾値以上の類似度を獲得した辞書生体情報のうちの類似度で上位所定数を候補と成し、該候補の各々に対応する検証用の質問を前記認識対象者に対して呈示して答えさせることにより、該認識対象者が前記候補のいずれであるか、あるいはどれでもないのかを検証して、いずれかの候補である場合には前記認識対象者を該候補たる辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、いずれの候補でもない場合には前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶する候補検証手段と、前記候補評価手段による認定/拒絶結果、あるいは前記候補検証手段による認定/拒絶結果を出力する出力手段とを具備し、前記上位所定数が、前記第1の閾値未満で前記第2の閾値以上の類似度を獲得した辞書生体情報の数と、1より大きい別の所定数のうち小さい方であることを特徴とする生体情報認識装置。
- 認識対象者の生体情報を取得して入力生体情報と成す生体情報取得手段と、該入力生体情報と辞書生体情報とを照合して類似度を計算する類似度計算手段と、該計算された類似度のうち最大のものを最大類似度と成し、該最大類似度が第1の閾値以上である場合には、前記認識対象者を該最大類似度を獲得した辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、前記最大類似度が前記第1の閾値より小さい第2の閾値に満たない場合には、前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶し、それ以外の場合には、判断を保留する候補評価手段と、該候補評価手段により判断が保留された場合には、前記第1の閾値未満で前記第2の閾値以上の類似度を獲得した辞書生体情報のうちの類似度で上位所定数を候補と成し、該候補の各々に対応する検証用の質問を前記認識対象者に対して呈示して答えさせることにより、該認識対象者が前記候補のいずれであるか、あるいはどれでもないのかを検証して、いずれかの候補である場合には前記認識対象者を該候補たる辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、いずれの候補でもない場合には前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶する候補検証手段と、前記候補評価手段において判断を保留せずに認定もしくは拒絶を決定した場合には、所定の確率で検証用の質問を前記認識対象者に対して呈示して答えさせつつも、認定もしくは拒絶の判定は前記候補評価手段の決定に基づいて出力する疑似的検証手段と、前記候補評価手段による認定/拒絶結果、あるいは前記候補検証手段による認定/拒絶結果を出力する出力手段とを具備したことを特徴とする生体情報認識装置。
- 認識対象者の生体情報を取得して入力生体情報と成す生体情報取得手段と、該入力生体情報と辞書生体情報とを照合して類似度を計算する類似度計算手段と、該計算された類似度のうち最大のものを最大類似度と成し、該最大類似度が第1の閾値以上である場合には、前記認識対象者を該最大類似度を獲得した辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、前記最大類似度が前記第1の閾値より小さい第2の閾値に満たない場合には、前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶し、それ以外の場合には、判断を保留する候補評価手段と、該候補評価手段により判断が保留された場合には、前記第1の閾値未満で前記第2の閾値以上の類似度を獲得した辞書生体情報のうちの類似度で上位所定数を候補と成し、該候補の各々に対応する検証用の質問を前記認識対象者に対して呈示して答えさせることにより、該認識対象者が前記候補のいずれであるか、あるいはどれでもないのかを検証して、いずれかの候補である場合には前記認識対象者を該候補たる辞書生体情報 に対応する正規利用者であると認定し、いずれの候補でもない場合には前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶する候補検証手段と、前記候補検証手段による認定/拒絶結果に基づいて、少なくとも認定されなかった前記候補の辞書生体情報を前記入力生体情報に対してより低い類似度を算出するように更新する辞書更新手段と、前記候補評価手段による認定/拒絶結果、あるいは前記候補検証手段による認定/拒絶結果を出力する出力手段とを具備したことを特徴とする生体情報認識装置。
- 前記検証用の質問が、前記候補に与えられている画像と該画像と無関係な攪乱用の画像とを混在一覧表示していずれかを選択させるものであることを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の生体情報認識装置。
- 認識対象者の生体情報を取得して入力生体情報と成す生体情報取得処理と、該入力生体情報と辞書生体情報とを照合して類似度を計算する類似度計算処理と、該計算された類似度のうち最大のものを最大類似度と成し、該最大類似度が第1の閾値以上である場合には、前記認識対象者を該最大類似度を獲得した辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、前記最大類似度が前記第1の閾値より小さい第2の閾値に満たない場合には、前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶し、それ以外の場合には、判断を保留する候補評価処理と、該候補評価手段により判断が保留された場合には、前記第1の閾値未満で前記第2の閾値以上の類似度を獲得した辞書生体情報のうちの類似度で上位所定数を候補と成し、該候補の各々に対応する検証用の質問を前記認識対象者に対して呈示して答えさせることにより、該認識対象者が前記候補のいずれであるか、あるいはどれでもないのかを検証して、いずれかの候補である場合には前記認識対象者を該候補たる辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、いずれの候補でもない場合には前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶する候補検証処理と、前記候補評価処理による認定/拒絶結果、あるいは前記候補検証処理による認定/拒絶結果を出力する出力処理とを具備したことを特徴とする生体情報認識方法。
- 認識対象者の生体情報を取得して入力生体情報と成す生体情報取得処理と、該入力生体情報と辞書生体情報とを照合して類似度を計算する類似度計算処理と、該計算された類似度のうち最大のものを最大類似度と成し、該最大類似度が第1の閾値以上である場合には、前記認識対象者を該最大類似度を獲得した辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、前記最大類似度が前記第1の閾値より小さい第2の閾値に満たない場合には、前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶し、それ以外の場合には、判断を保留する候補評価処理と、該候補評価手段により判断が保留された場合には、前記第1の閾値未満で前記第2の閾値以上の類似度を獲得した辞書生体情報のうちの類似度で上位所定数を候補と成し、該候補の各々に対応する検証用の質問を前記認識対象者に対して呈示して答えさせることにより、該認識対象者が前記候補のいずれであるか、あるいはどれでもないのかを検証して、いずれかの候補である場合には前記認識対象者を該候補たる辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、いずれの候補でもない場合には前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶する候補検証処理と、前記候補評価処理において判断を保留せずに認定もしくは拒絶を決定した場合には、所定の確率で検証用の質問を前記認識対象者に対して呈示して答えさせつつも、認定もしくは拒絶の判定は前記候補評価処理の決定に基づいて出力する疑似的検証処理と、前記候補評価処理による認定/拒絶結果、あるいは前記候補検証処理による認定/拒絶結果を出力する出力処理とを具備したことを特徴とする生体情報認識方法。
- 認識対象者の生体情報を取得して入力生体情報と成す生体情報取得処理と、該入力生体情報と辞書生体情報とを照合して類似度を計算する類似度計算処理と、該計算された類似度のうち最大のものを最大類似度と成し、該最大類似度が第1の閾値以上である場合には、前記認識対象者を該最大類似度を獲得した辞書生体情報に対応する正規利用者であると 認定し、前記最大類似度が前記第1の閾値より小さい第2の閾値に満たない場合には、前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶し、それ以外の場合には、判断を保留する候補評価処理と、該候補評価手段により判断が保留された場合には、前記第1の閾値未満で前記第2の閾値以上の類似度を獲得した辞書生体情報のうちの類似度で上位所定数を候補と成し、該候補の各々に対応する検証用の質問を前記認識対象者に対して呈示して答えさせることにより、該認識対象者が前記候補のいずれであるか、あるいはどれでもないのかを検証して、いずれかの候補である場合には前記認識対象者を該候補たる辞書生体情報に対応する正規利用者であると認定し、いずれの候補でもない場合には前記認識対象者をどの正規利用者でもないと拒絶する候補検証処理と、前記候補検証処理による認定/拒絶結果に基づいて、少なくとも認定されなかった前記候補の辞書生体情報を前記入力生体情報に対してより低い類似度を算出するように更新する辞書更新処理と、前記候補評価処理による認定/拒絶結果、あるいは前記候補検証処理による認定/拒絶結果を出力する出力処理とを具備したことを特徴とする生体情報認識方法。
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