JP3590260B2 - 走行車両の牽引装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタ等の走行車両に設けられたドローバー式の牽引装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラクタ等の走行車両における牽引装置としては、図5に示すドローバー式のものがあり、この牽引装置33は、トラクタのミッションケース32の後部に装着枠34を装着し、該装着枠34の前部側に、長尺板状の牽引具(ドローバー)35の前端部を上下方向の支軸36を介して左右揺動自在に連結することにより構成されており、牽引具35の後端は装着枠34から後方に突出し、作業機等の被牽引具を連結可能とする連結孔37を形成している。
【0003】
上記装着枠34は、左右の側部材38と、該左右の側部材38の前端を連結する上下の前支持部材39、40と、左右側部材38の後端を連結する上下の後支持部材41、42とによって枠形状をなし、前記牽引具35が上下支持部材と左右側部材38との間を前後に挿通され、前記前支持部材39、40には、支軸36が上下に貫通されて牽引具35の前端部を枢支している。
【0004】
また、前記牽引具35は、左右側部材38と後支持部材41、42とによって形成された開口部43内を左右揺動するようになっており、この開口部43内で左右側部材38の内側には牽引具35の左右揺動限界を規制する規制部材45が設けられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の牽引装置33においては、平板材よりなる規制部材45を前後方向に沿って配設していたため、牽引具35を揺動限界まで揺動すると該牽引具35が規制部材45の角に当接し、この線接触によって牽引具35や規制部材45の一点に大応力がかかり、これが磨耗や損傷を招く原因となって耐久性を低下させていた。
【0006】
また、上記のような牽引装置33においては、単に作業機等を牽引するだけなく作業機等の前部側の荷重を負担する場合もあり、このような場合には、下側の後支持部材42が牽引具35からの荷重を受け、このとき前記規制部材45が後支持部材42の補強としての役割を担うものとなっていた。
しかし、前記左右規制部材45は、牽引具35の揺動量を確保するためにその左右間隔を広くあけて配設しており、そのために規制部材45の補強としての効果が小さく、これを補うために下側の後支持部材42の板厚を厚く形成する等して強度を確保するのが現状であった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みて、牽引具等の耐久性を向上し、また装着枠の補強としての効果を発揮しうる走行車両の牽引装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明にかかる牽引装置は、一端部に作業機等の被牽引具を連結可能とした牽引具を備え、この牽引具の他端部を、走行車両の車体側に上下方向の支軸を介して左右揺動自在に連結している走行車両の牽引装置であって、
前記牽引具の左右側方に、該牽引具の左右揺動限界位置を設定する左右一対の規制部材を備え、該規制部材は、前記牽引具に対して面接触するべく揺動状態の牽引具の側面に沿った規制面を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
これによれば、牽引具を揺動して規制部材の規制面に当接した場合でも、両者が面接触して過大な応力の発生を抑え、これらの損傷、磨耗が防止し、耐久性の向上が期待できる。
このような規制部材においては、左右規制面の間隔を揺動支点側では狭く、反揺動支点側では広くなるように平面視ハ字状に配設するのが好ましく、このようにすることで上記のような効果が容易に得られるのである。
【0010】
また、本発明にかかる牽引装置の前記規制部材は、前記牽引具の長手方向中途部を左右揺動可能に挿通する装着枠に設けられており、該装着枠は、左右規制部材の下縁を相互に連設する支持部材を備え、前記規制部材は、前記支持部材の略前後幅に亘る範囲で設けられていることを特徴とするものである。
これによって、牽引具を介して支持部材によりにより作業機等の荷重を負担する場合でも、支持部材の板厚を増すような手段を講じることなく、規制部材による補強効果が増大し、また、上記のように、規制部材をハ字状に配設して揺動支点側の規制面の左右間隔を狭くすることにより支持部材の補強効果がより大きくなる。
【0011】
更に、本発明にかかる牽引装置の前記規制部材は、前記規制面を備えた左右傾斜状の当接部と、該当接部の端部から左右方向外方へ屈曲して延びる延伸部とを備えていることを特徴とし、これによって支持部材等に対する補強効果の向上に加え規制部材自体の強度が向上が図られるのである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図3には、走行車両としてのトラクタ1の後部を示しており、トラクタ1の車体を構成するミッションケース2の後部下側には、本発明に係る牽引装置3が装着され、該牽引装置3を介して牽引式の作業機等が装着されるようになっている。
【0013】
なお、本明細書において、トラクタ1等の進行方向(牽引方向)を前後方向とし、進行方向に垂直な横方向を左右方向とする。
図1及び図2にも示すように、前記牽引装置3は所謂ドローバー式のものであり、装着枠4と、該装着枠4に左右揺動自在に設けられた牽引具5とから構成されており、前記装着枠4は、前後方向に延伸する左右側部材6と、該左右側部材6の上縁部を連結する上支持部材7と、左右側部材6の前部下縁を連結する前下支持部材8と、左右側部材6の後部下縁を連結する後下支持部材9とを有して枠形状をなし、装着枠4の左右側部がブラケット10を介してミッションケース2に着脱自在に装着されている。
【0014】
前記左右側部材6と上支持部材7とは平板材を屈曲することにより一体に形成されていて、部品点数減、製作の簡素化を図っており、前記上支持部材7が装着枠4の上面全体を塞ぐようになっている。
前記牽引具5は長尺板材にて形成されていて、前記左右側部材6と上下支持部材7、8、9との間を前後方向に挿通しており、その前端部が上支持部材7と前側の下支持部材8とを上下に貫通する支軸11によって枢結され、牽引具5の後部側は装着枠4から後方に突出するとともに、その後端部に作業機等の被牽引具12を連結するための連結ピンが挿通される連結孔13を形成している。
【0015】
前記上支持部材7と後側の下支持部材9との間で且つ左右側部材6の左右方向内側には、支軸11を支点とした牽引具5の左右揺動限界位置を設定する左右規制部材15が設けられている。
この規制部材15は、牽引具5を左右に揺動した際に該牽引具5の側面が当接する当接部16と、該当接部16の後端から左右方向外側へ屈曲して延びる延伸部17とを有して平面視へ字状を呈しており、規制部材15の上端及び下端が上支持部材7と後側の下支持部材9とに溶接等で固着され、延伸部17の外端部が左右側部材6に溶接等で固着されている。
【0016】
また、前記当接部16は、揺動状態の牽引具5の側面に沿って左右傾斜状に配設され、該当接部16の左右内面が牽引具5の側面に面接触する規制面18とされている。
後側の下支持部材9と上支持部材7とには、上下方向に貫通する挿通孔19L、19M、19Rが左右方向3カ所に形成されており、これら挿通孔19L、19M、19Rには振止ピン20が着脱自在に取付けられるようになっている。
【0017】
すなわち、牽引具5を前後方向に沿った位置づけとして左右両側の挿通孔19L、19Rに振止ピン20を挿通すると、該両ピン19L、19Rが牽引具5の左右揺動を規制して牽引する作業機等をトラクタ1の左右中央位置で連結できるようになっている。また、牽引具5を左右一方に揺動して前記規制部材15に当接し、中央の挿通孔19Mに振止ピン20を挿通すると、該振止ピン20と規制部材15との間に牽引具5が保持され、牽引する作業機等をトラクタ1に対して左右にオフセットした状態で連結することができるようになっている。
【0018】
上記牽引装置3においては、牽引具5を左右揺動した状態では、該牽引具5と規制部材15とが面接触するようになっていることから、両者の当接による応力が小さくなって損傷、磨耗等が防止されるようになっている。
また、牽引装置3に対して作業機等の荷重がかかる場合、主に後側の下支持部材9が荷重を受け持つこととなるが、前記規制部材15は、後側の下支持部材9の前後幅に亘る範囲で設けられていることから、下支持部材9の補強としての効果も大きく、また左右規制部材15の当接部16が左右傾斜状に配設されていて前部側(揺動支点側)の左右間隔が幅狭になっていることから、前記下支持部材9の板厚を厚くするような手段を講じることなく下支持部材9の強度が増大するのである。
【0019】
また、前記装着枠3においては、その上部側が上支持部材7によって塞がっていることから、該枠3内への上方からの泥土等の侵入が防止され、泥詰まりによって牽引具5の揺動に支障を来すことが少なくなり、また、下支持部材8、9が前後に離れて設けられていて装着枠3の下方が開放した状態となっていることから、装着枠3内に泥土等が侵入したとしても下方に排出しやすくなっている。
【0020】
本発明は上記実施形態に限ることなく適宜設計変更可能である。
例えば、規制部材15としては、図4(a)に示すように、延伸部17を省略した形状としたり、同図(b)に示すように当接部16の前後端から左右外側へ延びる延伸部17を形成したものとしてもよく、また、同図(c)に示すように、規制部材15を平面視台形のブロック状に形成してもよい。また、上支持部材7については、下支持部材8、9と同様に前後に分けて装着枠3の上方を開放した構成とすることができる。
【0021】
また、前記牽引具5については、その後端の連結部位を上下2股形状に形成してもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、牽引具と、該牽引具の左右揺動限界を設定する規制部材とが面接触することから、両者の磨耗、損傷が防止できて耐久性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる要部の一部断面平面図である。
【図2】同背面図である。
【図3】本発明の牽引装置を装着した走行車両の後部側面図である。
【図4】本発明の他の実施形態を示す要部の一部断面平面図である。
【図5】従来の技術を示し、(a)は要部の斜視図、(b)は一部断面平面図である。
【符号の説明】
1 走行車両
3 牽引装置
4 装着枠
5 牽引具
15 規制具
18 規制面

Claims (3)

  1. 一端部に作業機等の被牽引具を連結可能とした牽引具を備え、この牽引具の他端部を、走行車両の車体側に上下方向の支軸を介して左右揺動自在に連結している走行車両の牽引装置であって、
    前後方向に延伸する左右側部材と、該左右側部材の上縁部を連結する上支持部材と、左右側部材の下縁を連結する後下支持部材とを有する装着枠を備え、左右側部材、上支持部材及び後下支持部材の間に牽引具の長手方向中途部が左右揺動可能に挿通されており、
    前記装着枠には、前記牽引具の左右側方に該牽引具の左右揺動限界位置を設定する左右一対の規制部材を備え、
    該規制部材は、上支持部材と後下支持部材との間で左右側部材の左右方向内側に該側部材に対して左右方向に間隔をおいて配置され且つ後下支持部材の略前後幅に亘る範囲で設けられた当接部と、該当接部の端部から左右方向外方へ屈曲して側部材まで延び且つその左右方向外端部が側部材に固着された延伸部とを備えていると共に、その上端及び下端が上支持部材及び後下支持部材に固着されており、
    更に、前記左右規制部材の当接部は、前記牽引具に対して面接触するべく揺動状態の牽引具の側面に沿った規制面を備え且つ左右の規制面の左右間隔が揺動支点側では狭く反揺動支点側では広くなるように平面視ハの字状に配設されていることを特徴とする走行車両の牽引装置。
  2. 上支持部材は左右側部材の前後方向に亘って設けられていて該上支持部材が装着枠の上面全体を塞いでおり、後下支持部材は左右側部材の後部下縁を連結し、装着枠は、左右側部材の前部下縁を連結する前下支持部材を有し、前後の下支持部材が前後に離れて設けられ、牽引具は上支持部材と前支持部材との間で上下方向の支軸によって左右揺動自在に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の走行車両の牽引装置。
  3. 前記上支持部材と左右側部材とが平板材を屈曲することにより一体に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の走行車両の牽引装置。
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