JP3589257B2 - 形材の曲げ方法及び曲げ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、形材、特にアルミニウム合金押出形材に、三次元曲げ加工を施すための曲げ方法及び曲げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のフレーム,建材,船舶等の構造部材として使用されるアルミニウム合金押出形材は、用途に応じてその軸線に対して垂直方向及び水平方向に三次元曲げ加工が施されることがある。この発明にいう三次元曲げ加工とは、図9の(a)−外観斜視図,(b)−A矢視図,(c)−B矢視図に、断面角形の押出形材の例で示すように、幅W,高さHの直状の形材に、垂直方向A矢視で加工域C1 の範囲に、曲率半径R1 ,R2 で曲げ加工を施し、この曲げ加工により形材の中心間に変位差D1 をもたらすとともに、水平方向B矢視で加工域C2 の範囲に曲率半径R3 ,R4 の曲げ加工を施し、この曲げ加工により形材の中心間に変位差D2 をもたらすような曲げ加工を意味する。
【0003】
形材たるワークにこのような三次元曲げ加工を施すには、いわゆる押し通し曲げ(マルチベンダー)と称される固定金具と、可動ジャイロ金型とを備える曲げ加工装置を使用する方法が一般的である。すなわち、固定金具とジャイロ金型とに設けたワーク挿入孔を通して強制的に押圧移動されるワークに、固定金具の、特に出口側部分を支点とする三次元的な曲げを付与する方法である。
【0004】
又は、引張り曲げを応用した方法である引張押付け曲げ(ドローベンダー)が使用されることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記マルチベンダーによる三次元曲げ加工は、比較的曲率半径の大きい曲げ加工に対しては有効であるが、曲率半径が小さくなるに従い、曲げ加工の内側部分に‘しわ’がよりやすくなったり、座屈を生じるという問題があり、小さい曲率半径の三次元曲げには不向きである。また、ドローベンダーの場合には、図9の(b),(c)の曲げを二つの工程に分けて行う必要があり、第1工程で‘しわ’等の微小な欠陥を生じると、第2工程の曲げ加工の際にそこから破断してしまうことになり、やはり、小さい曲率半径での三次元曲げには不向きである。さらに、従来の三次元曲げ方法は、曲げ加工の設備が大規模になるとともに、加工時間を比較的長く必要とする等の問題があった。
【0006】
この発明は前記の問題点を解決するために創案されたものであり、形材の三次元曲げ加工において、小さい曲率半径にて曲げ加工を行っても、前記‘しわ’の発生や、‘しわ’の発生による部材の破断等が生じにくい形材の曲げ方法と曲げ装置の提供を目的としている。また、曲げ加工を行うための溝部の形状を変更可能である曲げ装置の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記の問題点を解決するために、形材(W)をその軸線に対して垂直方向及び水平方向に3次元曲げ加工するための曲げ方法であって、前記形材と当接する周面が前記図9(b)に示すR1 ,R2 に対応した半径をもつロール状であって回動軸(2a,201,3a,301)を有するとともにそれぞれの周面に曲げ加工により得ようとする前記図9(c)に示すR3 ,R4 に応じた形状の溝部(5)が形成された第1及び第2の曲げ加工用型(2,200、3,300)を、前記形材が前記相互の溝部に嵌合するように相対して配設するとともに、当該形材がその軸線方向に移動可能に当該形材の一端側を固定し、他端側を前記第1の曲げ加工用型に設けられた尾部(2b)に把持する工程と、前記第1及び第2の曲げ加工用型を第1の曲げ加工用型に形材を巻き付ける方向に相互に回動させて形材の曲げ加工を行う第1の曲げ工程と、前記第1及び第2の曲げ加工用型を回動不能に固定し、この第1及び第2の曲げ加工用型の取付けベース(400)を前記第2の曲げ加工用型の回動軸にて第2の曲げ加工用型に形材を巻き付ける方向に回動させる第2の曲げ工程とから成ることを特徴とする形材の曲げ方法とするものである。
【0008】
また、前記第1の曲げ工程時及び第2の曲げ工程時に、未加工部である形材の直線部の方向と第1の曲げ加工用型又は第2の曲げ加工用型の加工位置における溝部の接線方向とが一致するように、第1及び第2の曲げ加工用型の回動軸線方向の位置及び又は回動軸線の傾きと、形材の前記一端側固定位置とを相対的に移動させて曲げ加工を行う形材の曲げ方法とするものである。
【0009】
また、前記第1及び第2の曲げ工程において、前記第1及び第2の曲げ加工用型と当接する位置の形材内部に中子(8)を配して曲げ加工を行う形材の曲げ方法とするものである。
【0010】
また、前記形材の曲げ加工中は、その一端を固定した前記形材の部位に所定の引張軸荷重を負荷する形材の曲げ方法とするものである。
【0011】
また、形材をその軸線に対して垂直方向及び水平方向に3次元曲げ加工するための曲げ装置であって、周面に、曲げ加工により得ようとする形状の溝部が形成されて回動軸にて回動可能であり、かつ、前記溝部の形状に応じて回動軸の軸線方向に移動して所定の加工位置にて形材の加工を行う第1及び第2の曲げ加工用型と、この第1及び第2の曲げ加工用型を一体的に取り付ける取付けベース(400)とを有し、前記第1及び第2の曲げ加工用型は、一端がその軸線方向に移動可能に固定されて他端が前記第1の曲げ加工用型の尾部に把持された形材の両側からこの形材と前記溝部とが前記加工位置にて嵌合するように挟みこんで取付けべース上に配設され、それぞれの回動軸にて回動して第1の曲げ加工を行うものであり、前記取付けベースは、前記第1の曲げ加工に引き続いて第2の曲げ加工用型の回動軸を軸として当該取付けベース全体を前記第1の曲げ加工の方向とは逆の方向に回動させて第2の曲げ加工を行うとともに前記第1及び第2の曲げ加工時において、未加工部である形材の直線部の方向と第1及び第2の曲げ加工用型の溝部の接線方向とが前記加工位置にて一致するように傾動する構成とするものである。
【0012】
また、前記第1及び第2の曲げ加工用型の第1及び第2の回動軸と、この第1及び第2の回動軸を連動して回動させることにより前記第1及び第2の曲げ加工用型を前記第1の曲げ加工のために回動させる第1の駆動部(400A)と、前記所定位置にて曲げ加工を行うために前記第1及び第2の曲げ加工用型を、前記第1及び第2の回動軸の軸線上に移動させる第2の駆動部(400B)と、前記第1及び第2の曲げ加工用型と前記第1及び第2の回動軸と前記第1及び第2の駆動部とを一体的に支持するための第1の基盤(400)と、前記第2の回動軸と同軸的に接続されるとともに前記第1の基盤を支持する回動軸であって前記第2の曲げ加工のために当該第1の基盤が前記第2の回動軸を軸として回動するための第3の回動軸(501)と、この第3の回動軸を回動させるための第3の駆動部(500A)と、前記第3の回動軸と前記第3の駆動部とを一体的に支持するための第2の基盤(500)と、前記形材の未加工部である直線部の方向と第1及び第2の曲げ加工用型の溝部の接線方向とを前記加工位置にて一致させるために、前記第2の基盤を、前記第1及び第2の曲げ加工用型の加工位置において形材の未加工部である直線部の方向と直交する線上に傾動可能に軸支する第3の基盤(600)と、この第3の基盤を前記傾動させるための第4の駆動部(600A)を備える構成とするものである。
【0013】
さらに、前記第1及び第2の曲げ加工用型は、それぞれに回動躯体(20,30)と、この回動躯体の周面に取外して交換可能に添接された溝部形成体(10a〜)を備える形材の曲げ装置とするものである。
【0014】
以上のような構成において、請求項1では、形材の一端がその軸線方向に移動可能に固定されて他端が第1の曲げ加工用型の尾部に把持された当該形材の両側から第1及び第2の曲げ加工用型を、この第1及び第2の曲げ加工用型の周面に形成された溝部に当該形材を嵌合させるように配設し、この第1及び第2の曲げ加工用型を、第1の曲げ加工用型に形材を巻き付ける方向に相互に回動させる第1の曲げ工程を行う。これにより前記R1 (図9参照)の曲げを第1の曲げ加工用型の外形形状で行い、溝の曲線具合によりR3 の曲げが行われる。
【0015】
次いで、第1及び第2の曲げ加工用型を回動不能に固定し、この状態にて第2の曲げ加工用型の回動軸を軸として、取付けベースを前記第2の曲げ加工用型に形材を巻き付ける方向に回動させる。これにより、形材には第2工程の曲げ加工が施され、第2の曲げ加工用型の外形形状により前記R2 の曲げを行い、溝の曲線具合によりR4 の曲げを行う。
【0016】
請求項2において、前記第1及び第2の曲げ工程の際においては、第1及び第2の曲げ加工用型を、前記溝部の形状の曲がる方向に応じてその回動軸の軸線上に移動させ、及び又は第1及び第2の曲げ加工用型の回動軸線を傾ける。すなわち、形材の未加工部である直線部の方向と、第1又は第2の曲げ加工用型の加工位置における溝部の接線方向とが一致するようにする。つまり例えば、溝部が上方に向けてカーブしていれば、第1及び第2の曲げ加工用型は、その回動軸の軸線上において逆に下方に移動させる。このように、曲げ加工の進行につれて、溝部の曲がる方向に応じて第1及び第2の曲げ加工用型をその回動軸の軸線上に移動させることにより、形材と第1及び第2の曲げ加工用型との当接位置が略一定となって、この略一定の位置にて曲げ加工が行われる。
【0017】
請求項3及び請求項4においては、曲げ加工の際における形材の無用な変形や破断が生じることなく曲げ加工が行われる。特に請求項4においては、曲げ加工の進行につれてその一端が固定された形材の軸線と溝部の曲げ曲線の接線方向とが略一致するように取付けベースが傾動することにより、前記請求項1における作用と相まって、形材は、順次滑らかに溝部に嵌合して曲げ加工が行われる。
【0018】
請求項5及び請求項6においては、前記請求項1及び請求項2記載の形材の曲げ加工方法に適した装置が実現できる。請求項7においては、加工形状の異なる曲げ加工を行う際には、溝部形成体を取外して新たな溝部形成体に交換が可能であり、回動躯体の本体はそのまま使用可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図面を参照して説明する。以下の説明においては、図1ないし図4にて本発明の原理的な説明を行い、要部を切り欠いて示した正面図と概略的な斜視図である図5及び図6を参照して具体的な実施の一形態につき説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る形材の曲げ方法を実施するための形材の曲げ装置1の平面図であり、アルミニウム又はアルミニウム合金を素材とする角管からなる形材Wを、第1の曲げ加工用型(以下第1の加工用ロールと称する)2と、第2の曲げ加工用型(以下第2の加工用ロールと称する)3の前記溝部に嵌合させて挟み込んだ状態を示す平面図である。また、図2は前記第1の曲げ工程を行った図であり、図3は前記第2の曲げ工程を行った図である。
【0021】
図において、この形材の曲げ装置1は、取付けベース4に、第1の加工用ロール2及び第2の加工用ロール3がそれぞれ回動軸2a,3aにて回動可能に相対して配設されている。この第1及び第2の加工用ロール2,3の、径の寸法及びその周面に形成される溝部の曲線形状は、曲げ加工によって得ようとする形状及び後述するスプリングバックを考慮して、後に詳述する第7図(a),(b)等に示すような溝部5が形成されている。また、この第1及び第2の加工用ロール2,3は、前記のようにその回動軸2a,3aの軸線方向に移動可能となっている。さらに、第1の加工用ロール2には、形材Wの軸線の延長線上にこの形材Wを把持するための尾部2bを備えている。
【0022】
形材Wは、その一端が、ガイド7a,7bによってその両側より当該形材Wが曲げ加工の際に第1及び第2の加工用ロール2,3の配設方向に移動する際に支障のないように固定されており、その他端が、第1の加工用ロール2の前記尾部2bに把持されるようになっている。第1の曲げ工程開始時においては、形材Wの内部に、取付杆8aに取り付けられた中子8が挿入される。また、形材Wの一端には、曲げ加工の際において、引張りローラ9a,9bを形材Wの両側より当接させて回転させ、相互に矢印方向の抵抗をもたせて回転させることにより、この形材Wに引張軸荷重Fを付与している。
【0023】
図2は第1の曲げ工程を説明する図である。図示のように、第1及び第2の加工用ロール2,3を、それぞれ第1の加工用ロール2に形材Wを巻き付ける方向に、すなわち第1の加工用ロール2を図面上において時計方向に、また、第2の加工用ロール3を反時計方向に同時に回動させることにより、形材Wには前記第1の曲げ加工が施される。また別な実施の形態として、第1の加工用ロール2のみを回動させてもよく、この場合における第2の加工用ロール3は、第1の加工用ロール2の回動に従動して、第1の加工用ロール2の回動方向とは逆方向に回動する。なお、この第1の曲げ加工及び次に説明する第2の曲げ加工時においては、曲げ加工をスムーズに行う為に、第1及び第2の加工用ロール2,3はそれぞれ回動軸2a,3aの軸線上において移動するとともに、取付けベース4の傾動作動も行われているが、この点についてはまとめて後述する。
【0024】
図3は、図2に示す第1の曲げ加工に続いて行われる第2の曲げ工程を説明する図である。この第2の曲げ工程においては、第1及び第2の加工用ロール2,3を、その回動軸2a,3aにて回動不能に固定し、この状態において、取付けベース4を前記第2の加工用ロール3の回動軸3aを回動軸として、前記第1の加工方向とは逆の方向である反時計方向に回動させる。
【0025】
図4(a),(b),(c)は、第1及び第2の加工用ロール2,3の、その回動軸2a,3aの軸線上における移動と取付けベース4の傾動作動による傾動を示す図である。それぞれ▲1▼から▲5▼に向けて曲げ加工が進行する。図において、(b)▲1▼図は、前記図1に示すような第1及び第2の加工用ロール2,3に形材Wを挟み込んで曲げ加工を開始しようとする状態を示している。(a)▲1▼図は、この曲げ加工開始の際の、A矢視による第1の加工用ロール2に形成された前記溝部5の形状を示している。軸線l1 は第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)の縦方向の中心線であり、ラインl2 は同じく横方向の中心線である。
【0026】
(c)▲1▼図は、曲げ加工の開始時における第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)の位置を示している。ラインLは形材Wの加工ラインであり、一端が固定される形材Wの未加工部分の加工開始時の軸線が加工ラインとなる。形材Wの曲げ加工は、この加工ライン上において行われる。すなわち、曲げ加工のための回動につれて溝部5の曲線に応じて、第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)を、加工ラインLに向けて図面上において上昇させ、又は降下させて曲げ加工を行う。このように、形材Wの曲げ加工は、略一定位置である加工ラインLと第1及び第2の加工用ロール2,3を結ぶ線との交点にて行われる。(c)▲1▼図においては、溝部5の開始端5aは縦方向の中心線よりh1 だけ上方に位置していることから、その分、第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)は下降した位置にある。
【0027】
次に、(b)▲2▼図に示すように第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)が回動する。(a)▲2▼図は、この際における第1の加工用ロール2の前記溝部5の形状を示している。図示のように、溝部5は下方に向けてカーブしていることから、第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)を、逆に、回動の進行につれてカーブの曲線に応じて徐々に上方に移動させてゆく。また、前記のように当該溝部5の曲線の接線方向と形材Wの軸線方向、すなわち加工ラインLとを一致させるために、第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)を角度θ1 に傾動させる。尚、この第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)の傾動は、加工位置を中心に取付けベース4を傾動させることにより行うことができる。
【0028】
(b)▲3▼図は、前記第1の曲げ工程の終了を示し、前記図2の状態を示している。(a)▲3▼図は、この際の第1の加工用ロール2の溝部5の形状を示している。この溝部5の曲線に対応して、この曲線の接線方向と形材Wの軸線方向、すなわち加工ラインLを一致させるべく、第1及び第2の加工用ロール2,3を軸線l1 方向に上下に移動させるとともに、取付けベース4の傾動を通じて第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)をさらに角度θ2 に傾動させる。
【0029】
この第1の曲げ加工の終了を受けて、(b)▲4▼図に示すように、第2の曲げ工程を行う。すなわち、この第2の曲げ工程は、前記のように第1及び第2の加工用ロール2,3を、回動軸2a,3aにて回動不能に固定するとともに、第2の加工用ロール3の回動軸3aを回動軸として取付けベース4を第1の曲げ加工とは逆方向に回動させる。(a)▲4▼図はこの際の第2の加工用ロール3の加工位置側の溝部5の形状をA矢視で示し、この溝部5の曲線の接線方向と形材Wの軸線方向すなわ加工ラインLとを一致させるべく、第1の加工用ロール2の軸線l1 方向の移動及び取付けベース4の傾動を通じて第2の加工用ロール3を角度θ3 に傾動させる。
【0030】
(b)▲5▼図は前記第2の曲げ工程の終了を示し、前記図3に示す状態である。(a)▲5▼図はこの際の溝部5の形状を示している。この曲げ加工の終了時においては、溝部5の終了端5bは、中心線l2 よりh2 分だけ下方に位置していることから、その分、第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)は上昇した位置にある。また、前記(c)▲1▼図に示す溝部5の開始端5aと(c)▲5▼図に示す溝部5の終了端5bは、加工ラインLに一致する直線であるから、この際における前記取付けベース4は傾動せず、したがって第1の加工用ロール2及び第2の加工用ロール3も傾斜せずに直立している。
【0031】
図5は本発明に係る形材の曲げ装置の実施の一形態を示す正面部であり、図6は概略的な斜視図である。図5の正面図は要部を切り欠いて示している。図において、この形材の曲げ装置100は、第1の基盤400と、第2の基盤500,第3の基盤600を備えている。先ず、第1の基盤400について説明すると、この第1の基盤400は、第1の加工用ロール200(図1等に示す前記加工用ロール2参照)と、第2の加工用ロール300(前記加工用ロール3参照)が、それぞれに回動軸201(前記回動軸2a参照),301(前記回動軸3a参照)にて回動可能に相対して配設されている。この第1及び第2の加工用ロール200,300の周面には、前記図4,図7に示すような溝部5が形成されているがその図示を省略している。また、第1の加工用ロール200には、図1等に示す形材Wの尾部2bを備えているがその図示を省略している。図5の符号Gは、前記加工位置であり、図4に示す加工ラインLは、この加工位置Gにて図面手前から向こう側に通るラインである。
【0032】
前記回動軸201及び301は、第1及び第2の加工用ロール200,300を貫通する細長いスプライン軸であり、第1の基盤400の上板401と下板402にそれぞれベアリングにて回動可能に軸支されている(後述するが、正確には回動軸201は、上部及び下部のスライド板415,416に配設されたベアリングに取付けられている)。第1及び第2の加工用ロール200,300は、それぞれの回動軸201,301に歯合して上下動するがこの点につても後述する。
【0033】
前記上板401には、回動軸201,301を回動することにより第1及び第2の加工用ロール200,300を回動するための第1の駆動機構400Aが配設されている。この第1の駆動機構400Aは、ハンドル部403の回転により駆動されるウオームギヤ404,このウオームギヤ404に歯合するギヤ405,このギヤ405に同軸的に固設されるギヤ406,このギヤ406に歯合するギヤ407,このギヤ407に同軸的に固設されるギヤ408,このギヤ408に歯合するギヤ409,このギヤ409に歯合するギヤ410と連結されているが、ギヤ409とギヤ410は、それぞれ前記第1の回動軸201,第2の回動軸301と同軸的に固設されていることから、ハンドル部403を回転することにより回動軸201,301が回動し、この回動により第1及び第2の加工用ロール200,300が回動するようになっている。以上が第1の駆動機構400Aの構成である。
【0034】
第2の駆動機構400Bは、第1及び第2の加工用ロール200,300を回動軸201,301の軸線上において移動(上下動)させるものである。すなわち、第1及び第2の加工用ロール200,300に形成された溝部(図4,図7等に示す符号5参照)の位置が、前記加工位置G(図5参照:図4に示す加工ラインL)の上方となる場合には、第1及び第2の加工用ロール200,300を下方に移動させ、溝部5の位置が加工位置Gの下方となる場合には第1及び第2の加工用ロール200,300を上方に移動させて曲げ加工を常に加工位置Gにて行うようにする。
【0035】
先ず、第1及び第2の加工用ロール200,300は、その下部において移動板411に回動可能に嵌合しており、この移動板411は、第1の基盤400の四隅に立設されたガイドロッド412〜に、それぞれの位置にて貫通して取付けられている。また、第1の基盤400には、ハンドル部413を有して回転可能なネジ棒414がその上板401を貫通して下板402まで延設されており、前記、移動板411は、所定位置にてこのネジ棒414に螺合している。したがって、ハンドル部413を正転,反転させることにより、移動板411はガイドロッド412〜に案内されて上下動し、この上下動により第1及び第2の加工用ロール200,300も上下動するようになっている。
【0036】
また、第1の加工用ロール200は、横方向(図5では図面左右方向)に若干移動することかできるようになっている。すなわち、巾寸法の若干の相違のある形材の曲げ加工を行う際には、図1等に示すように第1の加工用ロール200(2)と第2の加工用ロール300(3)との間に間隔をあける必要があることから、これに備えて第1の加工用ロール200を横方向に移動可能としてある。
【0037】
この第1の加工用ロール200の横移動は回動軸201を横移動させて行う。先ず、回動軸201は、その上下部位において、スライド板415,416に配設されたベアリングにて回動可能に取付けられ、このスライド板415,416は、スライドレール417,418にそれぞれが横方向にスライド可能に嵌合している(図6においては、下部のスライド板416とスライドレール418の図示は省略している)。そして、スライド板415,416には、ボルト419,420の先端部が回動可能に埋め込まれるとともに、このボルト419,420は、外板421,422に螺合させてある。したがって、このボルト419,420を正転あるいは逆転させることにより、スライド板415,416が左右横方向に移動し、これによって回動軸201が左右横方向に移動することから、第1の加工用ロール200も左右横方向に移動するようになっている。
ロール半径により定まる曲げ半径の変更に対応させる為には、ロールの変更,スライド板415,416による軸移動の他、第1駆動部を構成する歯車の組合せの変更も必要である。
【0038】
次に、第2の基盤500について説明する。この第2の基盤500は、前記図2に示す第1の曲げ加工から図3に示す第2の曲げ加工のために、前記第1の基盤400全体を回動させるものである。すなわち、前記第1の基盤400は、その下板402部分で第1の基盤回動軸501に載置された状態に固設されるが、第1の基盤回動軸501は、上板502と下板503に配設されたベアリングにて前記回動軸301と同軸的に回動可能なように配設されている。
【0039】
この第1の基盤回動軸501を回動させるための第3の駆動機構500Aを説明する。この駆動機構500Aは、ハンドル部504の回転によって回転するウオームギヤ505,このウオームギヤ505に歯合するギヤ506,このギヤ506と同軸的に固設されるギヤ507,このギヤ507に歯合するギヤ508,このギヤ508と同軸的に固設されるギヤ509と連結され、このギヤ509は、第1の基盤回動軸501に同軸的に固設されるギヤ510に歯合している。したがって、前記ハンドル部504の操作により、第1の基盤回動軸501を回動することができる。図5に一点鎖線で示すラインK1 は、第1の基盤回動軸501の回動軸線である。
【0040】
次に、第3の基盤600について説明する。この第3の基盤600は、形材の曲げ装置100全体の基台であるとともに、前記図4に示すように、曲げ加工の進展につれて溝部5の接線方向に形材の未加工部の軸線方向を一致させるために、前記第2の基盤500を傾動させるものである。すなわち、第3の基盤600は、所定の床面に設置される設置板601の両端に支持板602,603が立設されており、一方の支持板602上には支軸台604が固設され、この支軸台604に回動可能に軸支された支軸605が、前記第2の基盤500の側板511に固設されている。また、他方の支持板603上には、支軸台606が固設されて、この支軸台606に回動可能に軸支された支軸607が、前記第2の基盤500の側板512に固設されている。図5に示す一点鎖線のラインK2 は、第2の基盤500の傾動軸線であり、前記加工位置Gを通過している。第2の基盤500は、この傾動軸線K2 にて、図5の図面上、手前と向こう側双方に傾動するようになっている。
【0041】
符号600Aは、第2の基盤500を傾動させる第4の駆動機構である。この第4の駆動機構600Aは、ハンドル部608の回転により回転するウオームギヤ609,このウオームギヤ609に歯合するギヤ610,このギヤ610に同軸的に固設されるギヤ611,このギヤ611に歯合するギヤ612と連結されている。このギヤ612は、前記第2の基盤500の側板512に固設された支軸607に同軸的に固設されていることから、ハンドル部608を回転操作することにより、第2の基盤500を前記傾動軸線K2 を軸として傾動することができる。
【0042】
以上のように構成される形材の曲げ装置100の作動を、特に、図4を参照して説明する。第1及び第2の加工用ロール200,300の周面には図4に示す形状の溝部5が形成されているものとする。先ず、第1の加工用ロール200と第2の加工用ロール300間の加工位置G(図5参照)にて形材Wを挟み込むために、第2の駆動機構400Bを操作して第1及び第2の加工用ロール200,300を、回動軸201,301の軸線上に移動させる。図4においては、溝部5が上方に位置しているために〔図4の(a),(c)の▲1▼〕、第1及び第2の加工用ロール200,300は、逆に下方に移動させることになる。この移動を終えた第1及び第2の加工用ロール200,300間に形材Wを挟み込むとともに、尾部(図1の2b参照)に形材を把持する〔図1,図4(b)▲1▼参照〕。形材の内部には図1等に示す中子8が挿入される。形材の手前側は、図示しないガイドを有して形材を把持するとともに形材に所定の引っ張り荷重を付与する把持装置にて把持されるが、これは作業者の手持ち作業により行ってもよい。
【0043】
次いで、第1の駆動機構400Aの操作により、第1及び第2の加工用ロール200,300を回動して第1の曲げ加工を行う〔図2、図4(a),(b),(c)の▲2▼,▲3▼参照〕。この際に、溝部5の形状に応じて第1の駆動機構400A,第2の駆動機構400B,第4の駆動機構600Aを同時に操作する。すなわち、例えば、図4(a),(b),(c)の▲2▼においては、第1の駆動機構400Aの操作とともに、溝部5は下方にカーブしていることから第2の駆動機構400Bを操作して、第1及び第2の加工用ロール200,300を溝部5のカーブに応じて徐々に上方に移動させる。さらに、カーブする溝部5の接線と、形材Wの未加工部分の軸線とを一致させるために、第4の駆動機構600Aを操作して第2の基盤500を溝部5のカーブに応じて徐々に傾動させる。
【0044】
このようにして第1の曲げ加工が終了すると第2の曲げ加工を行う(図3、図4(a),(b),(c)の▲4▼,▲5▼参照)。この第2の曲げ加工においては、第1の曲げ加工が終了した状態において、第3の駆動機構500Aを操作し、第1の基盤400全体を第1の基盤回動軸501を軸として回動させる。図6においては、第1の基板回動軸501を軸として、図面左上方向への回動となる。この第2の曲げ加工時においても、第2の駆動機構400Bによる第1及び第2の加工用ロール200,300の上下移動及び第4の駆動機構600Aにる傾動操作が行われる。例えば図4(a),(b),(c)の▲4▼においては、溝部5のカーブは下方に向かいつつあることから、このカーブに応じて第2の駆動機構400Bを操作し、第1及び第2の加工用ロール200,300を徐々に上方に移動させる。同時にまた、カーブする溝部5の接線と形材の未加工部分の軸線とを一致させるために、第4の駆動機構600Aにより前記傾動操作を行う。このように、第2の曲げ加工において、第2の駆動機構400Aから第4の駆動機構600Aまでのすべての駆動機構を同時に操作することになる。
【0045】
次に、前記溝部5を形成するための溝部形成体について図7及び図8を参照して説明する。この溝部形成体は、前記第1及び第2の加工用ロール2(200)及び3(300)に溝部5の形状を変更可能に形成するためのものである。この実施の形態においては、図7(b)に示すような第1及び第2の加工用ロール2(200),3(300)の回動躯体20,30の周面に短冊状の細長いピース片10a〜を、回動躯体20,30周面の上下に固定用ネジ11a〜にて固定することにより上下中間部に溝部5を形成するようになっている。このように構成することにより、曲げ形状〔前述の図9(c)におけるR4 ,R3 〕が異なる形材Wを加工する場合には、このピース片10a〜のみを交換するだけでよく、回動躯体20,30はそのまま使用可能である。尚、図7(a),(b)に図示された溝部5の形状は一例としての概要図であり、目的とする曲げ形状に応じてその外形、溝部の形状、曲線状態はそれぞれに異なる。
【0046】
図8(a),(b),(c)は、前記溝部形成体の別な実施の形態を示し、形成される溝部の形状に多少の変更を加えることが出来るようにしたものである。すなわち、曲げ加工が施される形材Wは、加工が終了した後に、曲げ形状が若干元に戻るいわゆるスプリングバックを生ずることがある。したがって、このスプリングバックに対処するために、例えば余分に曲げておく等のことがあるが、この実施の形態においては、形成された溝部形状に修正を加えることができるようになっている。
【0047】
図8(a)図は、前記回動躯体20,30〔図7(b)参照〕に、溝部形成体としてのピース片10b〜を固定した状態を概略的に示す部分正面図であり、同(b)図は(a)図のA−A矢視断面図、同(C)図は(a)図のB−B矢視断面図である。この実施の形態における前記溝部形成体としてのピース片10b〜には、長孔11c〜が形成されており、この長孔11c〜に固定用ボルト11b〜を挿通させてピース片10b〜を回動躯体20,30に固定する。従って、ピース片10b〜を取り付けるにあたり、長孔11c〜の長さ分だけ当該ピース片10b〜の上下移動が可能となって、この上下移動を各ピース片10b毎に順次行うことにより、前記スプリングバックに対処するための溝部形状の変更を簡単に行うことができる。このように、固定された各ピース片10b〜は、図8(c)の断面図に示すように、回動躯体20,30の上下周縁部の張出し部20a,20b、30a,30bに挿通する止めボルト12a〜,12b〜にて、その移動が阻止されるようになっている。
【0048】
【発明の効果】
以上説明のように本発明によれば、第1の曲げ加工用型と第2の曲げ加工用型を用いて第1の曲げ工程を経ることにより、図9に示した曲線R1 とR3 の曲げ加工を行い、次に第2の曲げ工程を経て曲線R2 とR4 の曲げ加工を行う。これにより、図9(a)に示すような3次元の曲げ加工を行うことができる。このような曲げ加工により、小さな曲率半径の曲げ加工でもスムーズに行うことができるようになる。また、一旦曲げ加工された形材を再度加工するものでないために課題で示した破断は生じない。
また、未加工部の形材の直線方向と加工用溝の接線方向とを一致させるべく、第1及び第2の曲げ加工用型を、回動軸線方向にその位置を変動させつつ傾斜させて曲げ加工を行うことにより、曲げ加工時に形材に無理な曲げ力が加わらずにに滑らかに曲げ加工が行われることから、曲げ半径の小さい加工も行うことができる。
【0049】
また、形材に中子を挿入して、あるいはこの形材を固定する一端に引張軸荷重をかけつつ曲げ加工を行う方法により、曲げ加工の際の形材の変形や破断を防ぐことができるとともに、スプリングバックの小さい形材の曲げ方法とすることができる。
【0050】
さらに、第1及び第2の加工用ロールに形成される溝部は、溝部形成体を交換してその変更を可能とする構成により、曲げ形状の変更の際はこの溝部形成体のみを交換すればよいことから、第1及び第2の加工用ロールの製造コストを低減することができる形材の曲げ装置とすることができ、また、曲げ加工の際に発生するスプリングバックに対応して溝部形状の修正が可能である形材の曲げ装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る形材の曲げ方法を実施するための形材の曲げ装置1の平面図である。
【図2】第1の曲げ加工を説明する図である。
【図3】第2の曲げ加工を説明する図である。
【図4】(a)図,(b)図,(c)図は、第1及び第2の曲げ加工用ロール2,3の回動軸2a,3aの軸線上における移動と、取付けベース4の傾動作動による傾動を示す図である。
【図5】本発明に係る形材の曲げ装置1の要部を切り欠いて示した正面図である。
【図6】本発明に係る形材の曲げ装置1の概略的な外観図である。
【図7】(a)図は第1及び第2の加工用ロール2,3の斜視図であり、(b)図は、回動躯体に溝部形成体としてのピース片が取付けられた第1及び第2の加工用ロール2,3の斜視図である。
【図8】(a)図は、回動躯体20,30に溝部形成体としてのピース片10b〜を固定した状態を概略的に示す部分正面図であり、(b)図は(a)図のA−A矢視断面図、(C)図は(a)図のB−B矢視断面図である。
【図9】三次元曲げ加工を説明する図である。
【符号の説明】
W 形材
1 形材の曲げ装置
2 第1の曲げ加工用型(第1の加工用ロール)
2a 回動軸
2b 尾部
3 第2の曲げ加工用型(第2の加工用ロール)
3a 回動軸
4 取付けベース
5 溝部
7a,7b ガイド
8 中子
9a,9b 引張ローラ
10a,10b ピース片
11a 固定用ネジ
11b 固定用ボルト
11c 長孔
12a,12b 止めボルト
20 回動躯体
30 回動躯体
100・・形材の曲げ装置
200・・第1の加工用ロール
201・回動軸
300・・第2の加工用ロール
301・回動軸
400・・第1の基盤
400A・第1の駆動機構
400B・第2の駆動機構
500・・第2の基盤
500A・第3の駆動機構
501・第1の基盤回動軸
600・・第3の基盤
600A・第4の駆動機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、形材、特にアルミニウム合金押出形材に、三次元曲げ加工を施すための曲げ方法及び曲げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のフレーム,建材,船舶等の構造部材として使用されるアルミニウム合金押出形材は、用途に応じてその軸線に対して垂直方向及び水平方向に三次元曲げ加工が施されることがある。この発明にいう三次元曲げ加工とは、図9の(a)−外観斜視図,(b)−A矢視図,(c)−B矢視図に、断面角形の押出形材の例で示すように、幅W,高さHの直状の形材に、垂直方向A矢視で加工域C1 の範囲に、曲率半径R1 ,R2 で曲げ加工を施し、この曲げ加工により形材の中心間に変位差D1 をもたらすとともに、水平方向B矢視で加工域C2 の範囲に曲率半径R3 ,R4 の曲げ加工を施し、この曲げ加工により形材の中心間に変位差D2 をもたらすような曲げ加工を意味する。
【0003】
形材たるワークにこのような三次元曲げ加工を施すには、いわゆる押し通し曲げ(マルチベンダー)と称される固定金具と、可動ジャイロ金型とを備える曲げ加工装置を使用する方法が一般的である。すなわち、固定金具とジャイロ金型とに設けたワーク挿入孔を通して強制的に押圧移動されるワークに、固定金具の、特に出口側部分を支点とする三次元的な曲げを付与する方法である。
【0004】
又は、引張り曲げを応用した方法である引張押付け曲げ(ドローベンダー)が使用されることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記マルチベンダーによる三次元曲げ加工は、比較的曲率半径の大きい曲げ加工に対しては有効であるが、曲率半径が小さくなるに従い、曲げ加工の内側部分に‘しわ’がよりやすくなったり、座屈を生じるという問題があり、小さい曲率半径の三次元曲げには不向きである。また、ドローベンダーの場合には、図9の(b),(c)の曲げを二つの工程に分けて行う必要があり、第1工程で‘しわ’等の微小な欠陥を生じると、第2工程の曲げ加工の際にそこから破断してしまうことになり、やはり、小さい曲率半径での三次元曲げには不向きである。さらに、従来の三次元曲げ方法は、曲げ加工の設備が大規模になるとともに、加工時間を比較的長く必要とする等の問題があった。
【0006】
この発明は前記の問題点を解決するために創案されたものであり、形材の三次元曲げ加工において、小さい曲率半径にて曲げ加工を行っても、前記‘しわ’の発生や、‘しわ’の発生による部材の破断等が生じにくい形材の曲げ方法と曲げ装置の提供を目的としている。また、曲げ加工を行うための溝部の形状を変更可能である曲げ装置の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記の問題点を解決するために、形材(W)をその軸線に対して垂直方向及び水平方向に3次元曲げ加工するための曲げ方法であって、前記形材と当接する周面が前記図9(b)に示すR1 ,R2 に対応した半径をもつロール状であって回動軸(2a,201,3a,301)を有するとともにそれぞれの周面に曲げ加工により得ようとする前記図9(c)に示すR3 ,R4 に応じた形状の溝部(5)が形成された第1及び第2の曲げ加工用型(2,200、3,300)を、前記形材が前記相互の溝部に嵌合するように相対して配設するとともに、当該形材がその軸線方向に移動可能に当該形材の一端側を固定し、他端側を前記第1の曲げ加工用型に設けられた尾部(2b)に把持する工程と、前記第1及び第2の曲げ加工用型を第1の曲げ加工用型に形材を巻き付ける方向に相互に回動させて形材の曲げ加工を行う第1の曲げ工程と、前記第1及び第2の曲げ加工用型を回動不能に固定し、この第1及び第2の曲げ加工用型の取付けベース(400)を前記第2の曲げ加工用型の回動軸にて第2の曲げ加工用型に形材を巻き付ける方向に回動させる第2の曲げ工程とから成ることを特徴とする形材の曲げ方法とするものである。
【0008】
また、前記第1の曲げ工程時及び第2の曲げ工程時に、未加工部である形材の直線部の方向と第1の曲げ加工用型又は第2の曲げ加工用型の加工位置における溝部の接線方向とが一致するように、第1及び第2の曲げ加工用型の回動軸線方向の位置及び又は回動軸線の傾きと、形材の前記一端側固定位置とを相対的に移動させて曲げ加工を行う形材の曲げ方法とするものである。
【0009】
また、前記第1及び第2の曲げ工程において、前記第1及び第2の曲げ加工用型と当接する位置の形材内部に中子(8)を配して曲げ加工を行う形材の曲げ方法とするものである。
【0010】
また、前記形材の曲げ加工中は、その一端を固定した前記形材の部位に所定の引張軸荷重を負荷する形材の曲げ方法とするものである。
【0011】
また、形材をその軸線に対して垂直方向及び水平方向に3次元曲げ加工するための曲げ装置であって、周面に、曲げ加工により得ようとする形状の溝部が形成されて回動軸にて回動可能であり、かつ、前記溝部の形状に応じて回動軸の軸線方向に移動して所定の加工位置にて形材の加工を行う第1及び第2の曲げ加工用型と、この第1及び第2の曲げ加工用型を一体的に取り付ける取付けベース(400)とを有し、前記第1及び第2の曲げ加工用型は、一端がその軸線方向に移動可能に固定されて他端が前記第1の曲げ加工用型の尾部に把持された形材の両側からこの形材と前記溝部とが前記加工位置にて嵌合するように挟みこんで取付けべース上に配設され、それぞれの回動軸にて回動して第1の曲げ加工を行うものであり、前記取付けベースは、前記第1の曲げ加工に引き続いて第2の曲げ加工用型の回動軸を軸として当該取付けベース全体を前記第1の曲げ加工の方向とは逆の方向に回動させて第2の曲げ加工を行うとともに前記第1及び第2の曲げ加工時において、未加工部である形材の直線部の方向と第1及び第2の曲げ加工用型の溝部の接線方向とが前記加工位置にて一致するように傾動する構成とするものである。
【0012】
また、前記第1及び第2の曲げ加工用型の第1及び第2の回動軸と、この第1及び第2の回動軸を連動して回動させることにより前記第1及び第2の曲げ加工用型を前記第1の曲げ加工のために回動させる第1の駆動部(400A)と、前記所定位置にて曲げ加工を行うために前記第1及び第2の曲げ加工用型を、前記第1及び第2の回動軸の軸線上に移動させる第2の駆動部(400B)と、前記第1及び第2の曲げ加工用型と前記第1及び第2の回動軸と前記第1及び第2の駆動部とを一体的に支持するための第1の基盤(400)と、前記第2の回動軸と同軸的に接続されるとともに前記第1の基盤を支持する回動軸であって前記第2の曲げ加工のために当該第1の基盤が前記第2の回動軸を軸として回動するための第3の回動軸(501)と、この第3の回動軸を回動させるための第3の駆動部(500A)と、前記第3の回動軸と前記第3の駆動部とを一体的に支持するための第2の基盤(500)と、前記形材の未加工部である直線部の方向と第1及び第2の曲げ加工用型の溝部の接線方向とを前記加工位置にて一致させるために、前記第2の基盤を、前記第1及び第2の曲げ加工用型の加工位置において形材の未加工部である直線部の方向と直交する線上に傾動可能に軸支する第3の基盤(600)と、この第3の基盤を前記傾動させるための第4の駆動部(600A)を備える構成とするものである。
【0013】
さらに、前記第1及び第2の曲げ加工用型は、それぞれに回動躯体(20,30)と、この回動躯体の周面に取外して交換可能に添接された溝部形成体(10a〜)を備える形材の曲げ装置とするものである。
【0014】
以上のような構成において、請求項1では、形材の一端がその軸線方向に移動可能に固定されて他端が第1の曲げ加工用型の尾部に把持された当該形材の両側から第1及び第2の曲げ加工用型を、この第1及び第2の曲げ加工用型の周面に形成された溝部に当該形材を嵌合させるように配設し、この第1及び第2の曲げ加工用型を、第1の曲げ加工用型に形材を巻き付ける方向に相互に回動させる第1の曲げ工程を行う。これにより前記R1 (図9参照)の曲げを第1の曲げ加工用型の外形形状で行い、溝の曲線具合によりR3 の曲げが行われる。
【0015】
次いで、第1及び第2の曲げ加工用型を回動不能に固定し、この状態にて第2の曲げ加工用型の回動軸を軸として、取付けベースを前記第2の曲げ加工用型に形材を巻き付ける方向に回動させる。これにより、形材には第2工程の曲げ加工が施され、第2の曲げ加工用型の外形形状により前記R2 の曲げを行い、溝の曲線具合によりR4 の曲げを行う。
【0016】
請求項2において、前記第1及び第2の曲げ工程の際においては、第1及び第2の曲げ加工用型を、前記溝部の形状の曲がる方向に応じてその回動軸の軸線上に移動させ、及び又は第1及び第2の曲げ加工用型の回動軸線を傾ける。すなわち、形材の未加工部である直線部の方向と、第1又は第2の曲げ加工用型の加工位置における溝部の接線方向とが一致するようにする。つまり例えば、溝部が上方に向けてカーブしていれば、第1及び第2の曲げ加工用型は、その回動軸の軸線上において逆に下方に移動させる。このように、曲げ加工の進行につれて、溝部の曲がる方向に応じて第1及び第2の曲げ加工用型をその回動軸の軸線上に移動させることにより、形材と第1及び第2の曲げ加工用型との当接位置が略一定となって、この略一定の位置にて曲げ加工が行われる。
【0017】
請求項3及び請求項4においては、曲げ加工の際における形材の無用な変形や破断が生じることなく曲げ加工が行われる。特に請求項4においては、曲げ加工の進行につれてその一端が固定された形材の軸線と溝部の曲げ曲線の接線方向とが略一致するように取付けベースが傾動することにより、前記請求項1における作用と相まって、形材は、順次滑らかに溝部に嵌合して曲げ加工が行われる。
【0018】
請求項5及び請求項6においては、前記請求項1及び請求項2記載の形材の曲げ加工方法に適した装置が実現できる。請求項7においては、加工形状の異なる曲げ加工を行う際には、溝部形成体を取外して新たな溝部形成体に交換が可能であり、回動躯体の本体はそのまま使用可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図面を参照して説明する。以下の説明においては、図1ないし図4にて本発明の原理的な説明を行い、要部を切り欠いて示した正面図と概略的な斜視図である図5及び図6を参照して具体的な実施の一形態につき説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る形材の曲げ方法を実施するための形材の曲げ装置1の平面図であり、アルミニウム又はアルミニウム合金を素材とする角管からなる形材Wを、第1の曲げ加工用型(以下第1の加工用ロールと称する)2と、第2の曲げ加工用型(以下第2の加工用ロールと称する)3の前記溝部に嵌合させて挟み込んだ状態を示す平面図である。また、図2は前記第1の曲げ工程を行った図であり、図3は前記第2の曲げ工程を行った図である。
【0021】
図において、この形材の曲げ装置1は、取付けベース4に、第1の加工用ロール2及び第2の加工用ロール3がそれぞれ回動軸2a,3aにて回動可能に相対して配設されている。この第1及び第2の加工用ロール2,3の、径の寸法及びその周面に形成される溝部の曲線形状は、曲げ加工によって得ようとする形状及び後述するスプリングバックを考慮して、後に詳述する第7図(a),(b)等に示すような溝部5が形成されている。また、この第1及び第2の加工用ロール2,3は、前記のようにその回動軸2a,3aの軸線方向に移動可能となっている。さらに、第1の加工用ロール2には、形材Wの軸線の延長線上にこの形材Wを把持するための尾部2bを備えている。
【0022】
形材Wは、その一端が、ガイド7a,7bによってその両側より当該形材Wが曲げ加工の際に第1及び第2の加工用ロール2,3の配設方向に移動する際に支障のないように固定されており、その他端が、第1の加工用ロール2の前記尾部2bに把持されるようになっている。第1の曲げ工程開始時においては、形材Wの内部に、取付杆8aに取り付けられた中子8が挿入される。また、形材Wの一端には、曲げ加工の際において、引張りローラ9a,9bを形材Wの両側より当接させて回転させ、相互に矢印方向の抵抗をもたせて回転させることにより、この形材Wに引張軸荷重Fを付与している。
【0023】
図2は第1の曲げ工程を説明する図である。図示のように、第1及び第2の加工用ロール2,3を、それぞれ第1の加工用ロール2に形材Wを巻き付ける方向に、すなわち第1の加工用ロール2を図面上において時計方向に、また、第2の加工用ロール3を反時計方向に同時に回動させることにより、形材Wには前記第1の曲げ加工が施される。また別な実施の形態として、第1の加工用ロール2のみを回動させてもよく、この場合における第2の加工用ロール3は、第1の加工用ロール2の回動に従動して、第1の加工用ロール2の回動方向とは逆方向に回動する。なお、この第1の曲げ加工及び次に説明する第2の曲げ加工時においては、曲げ加工をスムーズに行う為に、第1及び第2の加工用ロール2,3はそれぞれ回動軸2a,3aの軸線上において移動するとともに、取付けベース4の傾動作動も行われているが、この点についてはまとめて後述する。
【0024】
図3は、図2に示す第1の曲げ加工に続いて行われる第2の曲げ工程を説明する図である。この第2の曲げ工程においては、第1及び第2の加工用ロール2,3を、その回動軸2a,3aにて回動不能に固定し、この状態において、取付けベース4を前記第2の加工用ロール3の回動軸3aを回動軸として、前記第1の加工方向とは逆の方向である反時計方向に回動させる。
【0025】
図4(a),(b),(c)は、第1及び第2の加工用ロール2,3の、その回動軸2a,3aの軸線上における移動と取付けベース4の傾動作動による傾動を示す図である。それぞれ▲1▼から▲5▼に向けて曲げ加工が進行する。図において、(b)▲1▼図は、前記図1に示すような第1及び第2の加工用ロール2,3に形材Wを挟み込んで曲げ加工を開始しようとする状態を示している。(a)▲1▼図は、この曲げ加工開始の際の、A矢視による第1の加工用ロール2に形成された前記溝部5の形状を示している。軸線l1 は第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)の縦方向の中心線であり、ラインl2 は同じく横方向の中心線である。
【0026】
(c)▲1▼図は、曲げ加工の開始時における第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)の位置を示している。ラインLは形材Wの加工ラインであり、一端が固定される形材Wの未加工部分の加工開始時の軸線が加工ラインとなる。形材Wの曲げ加工は、この加工ライン上において行われる。すなわち、曲げ加工のための回動につれて溝部5の曲線に応じて、第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)を、加工ラインLに向けて図面上において上昇させ、又は降下させて曲げ加工を行う。このように、形材Wの曲げ加工は、略一定位置である加工ラインLと第1及び第2の加工用ロール2,3を結ぶ線との交点にて行われる。(c)▲1▼図においては、溝部5の開始端5aは縦方向の中心線よりh1 だけ上方に位置していることから、その分、第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)は下降した位置にある。
【0027】
次に、(b)▲2▼図に示すように第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)が回動する。(a)▲2▼図は、この際における第1の加工用ロール2の前記溝部5の形状を示している。図示のように、溝部5は下方に向けてカーブしていることから、第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)を、逆に、回動の進行につれてカーブの曲線に応じて徐々に上方に移動させてゆく。また、前記のように当該溝部5の曲線の接線方向と形材Wの軸線方向、すなわち加工ラインLとを一致させるために、第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)を角度θ1 に傾動させる。尚、この第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)の傾動は、加工位置を中心に取付けベース4を傾動させることにより行うことができる。
【0028】
(b)▲3▼図は、前記第1の曲げ工程の終了を示し、前記図2の状態を示している。(a)▲3▼図は、この際の第1の加工用ロール2の溝部5の形状を示している。この溝部5の曲線に対応して、この曲線の接線方向と形材Wの軸線方向、すなわち加工ラインLを一致させるべく、第1及び第2の加工用ロール2,3を軸線l1 方向に上下に移動させるとともに、取付けベース4の傾動を通じて第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)をさらに角度θ2 に傾動させる。
【0029】
この第1の曲げ加工の終了を受けて、(b)▲4▼図に示すように、第2の曲げ工程を行う。すなわち、この第2の曲げ工程は、前記のように第1及び第2の加工用ロール2,3を、回動軸2a,3aにて回動不能に固定するとともに、第2の加工用ロール3の回動軸3aを回動軸として取付けベース4を第1の曲げ加工とは逆方向に回動させる。(a)▲4▼図はこの際の第2の加工用ロール3の加工位置側の溝部5の形状をA矢視で示し、この溝部5の曲線の接線方向と形材Wの軸線方向すなわ加工ラインLとを一致させるべく、第1の加工用ロール2の軸線l1 方向の移動及び取付けベース4の傾動を通じて第2の加工用ロール3を角度θ3 に傾動させる。
【0030】
(b)▲5▼図は前記第2の曲げ工程の終了を示し、前記図3に示す状態である。(a)▲5▼図はこの際の溝部5の形状を示している。この曲げ加工の終了時においては、溝部5の終了端5bは、中心線l2 よりh2 分だけ下方に位置していることから、その分、第1の加工用ロール2(及び第2の加工用ロール3)は上昇した位置にある。また、前記(c)▲1▼図に示す溝部5の開始端5aと(c)▲5▼図に示す溝部5の終了端5bは、加工ラインLに一致する直線であるから、この際における前記取付けベース4は傾動せず、したがって第1の加工用ロール2及び第2の加工用ロール3も傾斜せずに直立している。
【0031】
図5は本発明に係る形材の曲げ装置の実施の一形態を示す正面部であり、図6は概略的な斜視図である。図5の正面図は要部を切り欠いて示している。図において、この形材の曲げ装置100は、第1の基盤400と、第2の基盤500,第3の基盤600を備えている。先ず、第1の基盤400について説明すると、この第1の基盤400は、第1の加工用ロール200(図1等に示す前記加工用ロール2参照)と、第2の加工用ロール300(前記加工用ロール3参照)が、それぞれに回動軸201(前記回動軸2a参照),301(前記回動軸3a参照)にて回動可能に相対して配設されている。この第1及び第2の加工用ロール200,300の周面には、前記図4,図7に示すような溝部5が形成されているがその図示を省略している。また、第1の加工用ロール200には、図1等に示す形材Wの尾部2bを備えているがその図示を省略している。図5の符号Gは、前記加工位置であり、図4に示す加工ラインLは、この加工位置Gにて図面手前から向こう側に通るラインである。
【0032】
前記回動軸201及び301は、第1及び第2の加工用ロール200,300を貫通する細長いスプライン軸であり、第1の基盤400の上板401と下板402にそれぞれベアリングにて回動可能に軸支されている(後述するが、正確には回動軸201は、上部及び下部のスライド板415,416に配設されたベアリングに取付けられている)。第1及び第2の加工用ロール200,300は、それぞれの回動軸201,301に歯合して上下動するがこの点につても後述する。
【0033】
前記上板401には、回動軸201,301を回動することにより第1及び第2の加工用ロール200,300を回動するための第1の駆動機構400Aが配設されている。この第1の駆動機構400Aは、ハンドル部403の回転により駆動されるウオームギヤ404,このウオームギヤ404に歯合するギヤ405,このギヤ405に同軸的に固設されるギヤ406,このギヤ406に歯合するギヤ407,このギヤ407に同軸的に固設されるギヤ408,このギヤ408に歯合するギヤ409,このギヤ409に歯合するギヤ410と連結されているが、ギヤ409とギヤ410は、それぞれ前記第1の回動軸201,第2の回動軸301と同軸的に固設されていることから、ハンドル部403を回転することにより回動軸201,301が回動し、この回動により第1及び第2の加工用ロール200,300が回動するようになっている。以上が第1の駆動機構400Aの構成である。
【0034】
第2の駆動機構400Bは、第1及び第2の加工用ロール200,300を回動軸201,301の軸線上において移動(上下動)させるものである。すなわち、第1及び第2の加工用ロール200,300に形成された溝部(図4,図7等に示す符号5参照)の位置が、前記加工位置G(図5参照:図4に示す加工ラインL)の上方となる場合には、第1及び第2の加工用ロール200,300を下方に移動させ、溝部5の位置が加工位置Gの下方となる場合には第1及び第2の加工用ロール200,300を上方に移動させて曲げ加工を常に加工位置Gにて行うようにする。
【0035】
先ず、第1及び第2の加工用ロール200,300は、その下部において移動板411に回動可能に嵌合しており、この移動板411は、第1の基盤400の四隅に立設されたガイドロッド412〜に、それぞれの位置にて貫通して取付けられている。また、第1の基盤400には、ハンドル部413を有して回転可能なネジ棒414がその上板401を貫通して下板402まで延設されており、前記、移動板411は、所定位置にてこのネジ棒414に螺合している。したがって、ハンドル部413を正転,反転させることにより、移動板411はガイドロッド412〜に案内されて上下動し、この上下動により第1及び第2の加工用ロール200,300も上下動するようになっている。
【0036】
また、第1の加工用ロール200は、横方向(図5では図面左右方向)に若干移動することかできるようになっている。すなわち、巾寸法の若干の相違のある形材の曲げ加工を行う際には、図1等に示すように第1の加工用ロール200(2)と第2の加工用ロール300(3)との間に間隔をあける必要があることから、これに備えて第1の加工用ロール200を横方向に移動可能としてある。
【0037】
この第1の加工用ロール200の横移動は回動軸201を横移動させて行う。先ず、回動軸201は、その上下部位において、スライド板415,416に配設されたベアリングにて回動可能に取付けられ、このスライド板415,416は、スライドレール417,418にそれぞれが横方向にスライド可能に嵌合している(図6においては、下部のスライド板416とスライドレール418の図示は省略している)。そして、スライド板415,416には、ボルト419,420の先端部が回動可能に埋め込まれるとともに、このボルト419,420は、外板421,422に螺合させてある。したがって、このボルト419,420を正転あるいは逆転させることにより、スライド板415,416が左右横方向に移動し、これによって回動軸201が左右横方向に移動することから、第1の加工用ロール200も左右横方向に移動するようになっている。
ロール半径により定まる曲げ半径の変更に対応させる為には、ロールの変更,スライド板415,416による軸移動の他、第1駆動部を構成する歯車の組合せの変更も必要である。
【0038】
次に、第2の基盤500について説明する。この第2の基盤500は、前記図2に示す第1の曲げ加工から図3に示す第2の曲げ加工のために、前記第1の基盤400全体を回動させるものである。すなわち、前記第1の基盤400は、その下板402部分で第1の基盤回動軸501に載置された状態に固設されるが、第1の基盤回動軸501は、上板502と下板503に配設されたベアリングにて前記回動軸301と同軸的に回動可能なように配設されている。
【0039】
この第1の基盤回動軸501を回動させるための第3の駆動機構500Aを説明する。この駆動機構500Aは、ハンドル部504の回転によって回転するウオームギヤ505,このウオームギヤ505に歯合するギヤ506,このギヤ506と同軸的に固設されるギヤ507,このギヤ507に歯合するギヤ508,このギヤ508と同軸的に固設されるギヤ509と連結され、このギヤ509は、第1の基盤回動軸501に同軸的に固設されるギヤ510に歯合している。したがって、前記ハンドル部504の操作により、第1の基盤回動軸501を回動することができる。図5に一点鎖線で示すラインK1 は、第1の基盤回動軸501の回動軸線である。
【0040】
次に、第3の基盤600について説明する。この第3の基盤600は、形材の曲げ装置100全体の基台であるとともに、前記図4に示すように、曲げ加工の進展につれて溝部5の接線方向に形材の未加工部の軸線方向を一致させるために、前記第2の基盤500を傾動させるものである。すなわち、第3の基盤600は、所定の床面に設置される設置板601の両端に支持板602,603が立設されており、一方の支持板602上には支軸台604が固設され、この支軸台604に回動可能に軸支された支軸605が、前記第2の基盤500の側板511に固設されている。また、他方の支持板603上には、支軸台606が固設されて、この支軸台606に回動可能に軸支された支軸607が、前記第2の基盤500の側板512に固設されている。図5に示す一点鎖線のラインK2 は、第2の基盤500の傾動軸線であり、前記加工位置Gを通過している。第2の基盤500は、この傾動軸線K2 にて、図5の図面上、手前と向こう側双方に傾動するようになっている。
【0041】
符号600Aは、第2の基盤500を傾動させる第4の駆動機構である。この第4の駆動機構600Aは、ハンドル部608の回転により回転するウオームギヤ609,このウオームギヤ609に歯合するギヤ610,このギヤ610に同軸的に固設されるギヤ611,このギヤ611に歯合するギヤ612と連結されている。このギヤ612は、前記第2の基盤500の側板512に固設された支軸607に同軸的に固設されていることから、ハンドル部608を回転操作することにより、第2の基盤500を前記傾動軸線K2 を軸として傾動することができる。
【0042】
以上のように構成される形材の曲げ装置100の作動を、特に、図4を参照して説明する。第1及び第2の加工用ロール200,300の周面には図4に示す形状の溝部5が形成されているものとする。先ず、第1の加工用ロール200と第2の加工用ロール300間の加工位置G(図5参照)にて形材Wを挟み込むために、第2の駆動機構400Bを操作して第1及び第2の加工用ロール200,300を、回動軸201,301の軸線上に移動させる。図4においては、溝部5が上方に位置しているために〔図4の(a),(c)の▲1▼〕、第1及び第2の加工用ロール200,300は、逆に下方に移動させることになる。この移動を終えた第1及び第2の加工用ロール200,300間に形材Wを挟み込むとともに、尾部(図1の2b参照)に形材を把持する〔図1,図4(b)▲1▼参照〕。形材の内部には図1等に示す中子8が挿入される。形材の手前側は、図示しないガイドを有して形材を把持するとともに形材に所定の引っ張り荷重を付与する把持装置にて把持されるが、これは作業者の手持ち作業により行ってもよい。
【0043】
次いで、第1の駆動機構400Aの操作により、第1及び第2の加工用ロール200,300を回動して第1の曲げ加工を行う〔図2、図4(a),(b),(c)の▲2▼,▲3▼参照〕。この際に、溝部5の形状に応じて第1の駆動機構400A,第2の駆動機構400B,第4の駆動機構600Aを同時に操作する。すなわち、例えば、図4(a),(b),(c)の▲2▼においては、第1の駆動機構400Aの操作とともに、溝部5は下方にカーブしていることから第2の駆動機構400Bを操作して、第1及び第2の加工用ロール200,300を溝部5のカーブに応じて徐々に上方に移動させる。さらに、カーブする溝部5の接線と、形材Wの未加工部分の軸線とを一致させるために、第4の駆動機構600Aを操作して第2の基盤500を溝部5のカーブに応じて徐々に傾動させる。
【0044】
このようにして第1の曲げ加工が終了すると第2の曲げ加工を行う(図3、図4(a),(b),(c)の▲4▼,▲5▼参照)。この第2の曲げ加工においては、第1の曲げ加工が終了した状態において、第3の駆動機構500Aを操作し、第1の基盤400全体を第1の基盤回動軸501を軸として回動させる。図6においては、第1の基板回動軸501を軸として、図面左上方向への回動となる。この第2の曲げ加工時においても、第2の駆動機構400Bによる第1及び第2の加工用ロール200,300の上下移動及び第4の駆動機構600Aにる傾動操作が行われる。例えば図4(a),(b),(c)の▲4▼においては、溝部5のカーブは下方に向かいつつあることから、このカーブに応じて第2の駆動機構400Bを操作し、第1及び第2の加工用ロール200,300を徐々に上方に移動させる。同時にまた、カーブする溝部5の接線と形材の未加工部分の軸線とを一致させるために、第4の駆動機構600Aにより前記傾動操作を行う。このように、第2の曲げ加工において、第2の駆動機構400Aから第4の駆動機構600Aまでのすべての駆動機構を同時に操作することになる。
【0045】
次に、前記溝部5を形成するための溝部形成体について図7及び図8を参照して説明する。この溝部形成体は、前記第1及び第2の加工用ロール2(200)及び3(300)に溝部5の形状を変更可能に形成するためのものである。この実施の形態においては、図7(b)に示すような第1及び第2の加工用ロール2(200),3(300)の回動躯体20,30の周面に短冊状の細長いピース片10a〜を、回動躯体20,30周面の上下に固定用ネジ11a〜にて固定することにより上下中間部に溝部5を形成するようになっている。このように構成することにより、曲げ形状〔前述の図9(c)におけるR4 ,R3 〕が異なる形材Wを加工する場合には、このピース片10a〜のみを交換するだけでよく、回動躯体20,30はそのまま使用可能である。尚、図7(a),(b)に図示された溝部5の形状は一例としての概要図であり、目的とする曲げ形状に応じてその外形、溝部の形状、曲線状態はそれぞれに異なる。
【0046】
図8(a),(b),(c)は、前記溝部形成体の別な実施の形態を示し、形成される溝部の形状に多少の変更を加えることが出来るようにしたものである。すなわち、曲げ加工が施される形材Wは、加工が終了した後に、曲げ形状が若干元に戻るいわゆるスプリングバックを生ずることがある。したがって、このスプリングバックに対処するために、例えば余分に曲げておく等のことがあるが、この実施の形態においては、形成された溝部形状に修正を加えることができるようになっている。
【0047】
図8(a)図は、前記回動躯体20,30〔図7(b)参照〕に、溝部形成体としてのピース片10b〜を固定した状態を概略的に示す部分正面図であり、同(b)図は(a)図のA−A矢視断面図、同(C)図は(a)図のB−B矢視断面図である。この実施の形態における前記溝部形成体としてのピース片10b〜には、長孔11c〜が形成されており、この長孔11c〜に固定用ボルト11b〜を挿通させてピース片10b〜を回動躯体20,30に固定する。従って、ピース片10b〜を取り付けるにあたり、長孔11c〜の長さ分だけ当該ピース片10b〜の上下移動が可能となって、この上下移動を各ピース片10b毎に順次行うことにより、前記スプリングバックに対処するための溝部形状の変更を簡単に行うことができる。このように、固定された各ピース片10b〜は、図8(c)の断面図に示すように、回動躯体20,30の上下周縁部の張出し部20a,20b、30a,30bに挿通する止めボルト12a〜,12b〜にて、その移動が阻止されるようになっている。
【0048】
【発明の効果】
以上説明のように本発明によれば、第1の曲げ加工用型と第2の曲げ加工用型を用いて第1の曲げ工程を経ることにより、図9に示した曲線R1 とR3 の曲げ加工を行い、次に第2の曲げ工程を経て曲線R2 とR4 の曲げ加工を行う。これにより、図9(a)に示すような3次元の曲げ加工を行うことができる。このような曲げ加工により、小さな曲率半径の曲げ加工でもスムーズに行うことができるようになる。また、一旦曲げ加工された形材を再度加工するものでないために課題で示した破断は生じない。
また、未加工部の形材の直線方向と加工用溝の接線方向とを一致させるべく、第1及び第2の曲げ加工用型を、回動軸線方向にその位置を変動させつつ傾斜させて曲げ加工を行うことにより、曲げ加工時に形材に無理な曲げ力が加わらずにに滑らかに曲げ加工が行われることから、曲げ半径の小さい加工も行うことができる。
【0049】
また、形材に中子を挿入して、あるいはこの形材を固定する一端に引張軸荷重をかけつつ曲げ加工を行う方法により、曲げ加工の際の形材の変形や破断を防ぐことができるとともに、スプリングバックの小さい形材の曲げ方法とすることができる。
【0050】
さらに、第1及び第2の加工用ロールに形成される溝部は、溝部形成体を交換してその変更を可能とする構成により、曲げ形状の変更の際はこの溝部形成体のみを交換すればよいことから、第1及び第2の加工用ロールの製造コストを低減することができる形材の曲げ装置とすることができ、また、曲げ加工の際に発生するスプリングバックに対応して溝部形状の修正が可能である形材の曲げ装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る形材の曲げ方法を実施するための形材の曲げ装置1の平面図である。
【図2】第1の曲げ加工を説明する図である。
【図3】第2の曲げ加工を説明する図である。
【図4】(a)図,(b)図,(c)図は、第1及び第2の曲げ加工用ロール2,3の回動軸2a,3aの軸線上における移動と、取付けベース4の傾動作動による傾動を示す図である。
【図5】本発明に係る形材の曲げ装置1の要部を切り欠いて示した正面図である。
【図6】本発明に係る形材の曲げ装置1の概略的な外観図である。
【図7】(a)図は第1及び第2の加工用ロール2,3の斜視図であり、(b)図は、回動躯体に溝部形成体としてのピース片が取付けられた第1及び第2の加工用ロール2,3の斜視図である。
【図8】(a)図は、回動躯体20,30に溝部形成体としてのピース片10b〜を固定した状態を概略的に示す部分正面図であり、(b)図は(a)図のA−A矢視断面図、(C)図は(a)図のB−B矢視断面図である。
【図9】三次元曲げ加工を説明する図である。
【符号の説明】
W 形材
1 形材の曲げ装置
2 第1の曲げ加工用型(第1の加工用ロール)
2a 回動軸
2b 尾部
3 第2の曲げ加工用型(第2の加工用ロール)
3a 回動軸
4 取付けベース
5 溝部
7a,7b ガイド
8 中子
9a,9b 引張ローラ
10a,10b ピース片
11a 固定用ネジ
11b 固定用ボルト
11c 長孔
12a,12b 止めボルト
20 回動躯体
30 回動躯体
100・・形材の曲げ装置
200・・第1の加工用ロール
201・回動軸
300・・第2の加工用ロール
301・回動軸
400・・第1の基盤
400A・第1の駆動機構
400B・第2の駆動機構
500・・第2の基盤
500A・第3の駆動機構
501・第1の基盤回動軸
600・・第3の基盤
600A・第4の駆動機構
Claims (7)
- 形材をその軸線に対して垂直方向及び水平方向に3次元曲げ加工するための曲げ方法であって、
前記形材と当接する周面が目的とする曲げ形状に応じた半径をもつロール状であって回動軸を有するとともにそれぞれの周面に曲げ加工により得ようとする形状の溝部が形成された第1及び第2の曲げ加工用型を、前記形材が前記相互の溝部に嵌合するように相対して配設するとともに、当該形材がその軸線方向に移動可能に当該形材の一端側を固定し、その他端側を前記第1の曲げ加工用型に設けられた尾部に把持する工程と、
前記第1及び第2の曲げ加工用型を、第1の曲げ加工用型に形材を巻き付ける方向に相互に回動させて形材の曲げ加工を行う第1の曲げ工程と、
前記第1及び第2の曲げ加工用型を回動不能に固定し、この第1及び第2の曲げ加工用型の取付けベースを、前記第2の曲げ加工用型の回動軸にて第2の曲げ加工用型に形材を巻き付ける方向に回動させる第2の曲げ工程とから成ることを特徴とする形材の曲げ方法。 - 前記第1の曲げ工程時及び第2の曲げ工程時に、未加工部である形材の直線部の方向と第1の曲げ加工用型又は第2の曲げ加工用型の加工位置における溝部の接線方向とが一致するように、第1及び第2の曲げ加工用型の回動軸線方向の位置及び又は回動軸線の傾きと、形材の前記一端側固定位置とを相対的に移動させて曲げ加工を行う請求項1記載の形材の曲げ方法。
- 前記第1及び第2の曲げ工程において、前記第1及び第2の曲げ加工用型と当接する位置の形材内部に中子を配して曲げ加工を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の形材の曲げ方法。
- 前記形材の曲げ加工中は、その一端を固定した前記形材の部位に所定の引張軸荷重を負荷することを特徴とする請求項1,請求項2又は請求項3記載の形材の曲げ方法。
- 形材をその軸線に対して垂直方向及び水平方向に3次元曲げ加工するための曲げ装置であって、
周面に、曲げ加工により得ようとする曲げ形状に応じた半径をもつと共に、周面に曲げ加工により得ようとする曲げ形状の溝部が形成されて回動軸にて回動可能であり、かつ、前記溝部の形状に応じて回動軸の軸線方向に移動して所定の加工位置にて形材の加工を行う第1及び第2の曲げ加工用型と、この第1及び第2の曲げ加工用型を一体的に取り付ける取付けベースとを有し、
前記第1及び第2の曲げ加工用型は、一端がその軸線方向に移動可能に固定されて他端が前記第1の曲げ加工用型の尾部に把持された形材の両側からこの形材と前記溝部とが前記加工位置にて嵌合するように挟みこんで取付けべース上に配設され、それぞれの回動軸にて回動して第1の曲げ加工を行うものであり、
前記取付けベースは、前記第1の曲げ加工に引き続いて第2の曲げ加工用型の回動軸を軸として当該取付けベース全体を前記第1の曲げ加工の方向とは逆の方向に回動させて第2の曲げ加工を行うとともに、前記第1及び第2の曲げ加工時において、未加工部である形材の直線部の方向と第1及び第2の曲げ加工用型の溝部の接線方向とが前記加工位置にて一致するように傾動することを特徴とする形材の曲げ装置。 - 前記第1及び第2の曲げ加工用型の第1及び第2の回動軸とこの第1及び第2の回動軸を連動して回動させることにより前記第1及び第2の曲げ加工用型を前記第1の曲げ加工のために回動させる第1の駆動部と、
前記所定位置にて曲げ加工を行うために前記第1及び第2の曲げ加工用型を、前記第1及び第2の回動軸の軸線上に移動させる第2の駆動部と、
前記第1及び第2の曲げ加工用型と前記第1及び第2の回動軸と前記第1及び第2の駆動部とを一体的に支持するための第1の基盤と、
前記第2の回動軸と同軸的に接続されるとともに前記第1の基盤を支持する回動軸であって、前記第2の曲げ加工のために当該第1の基盤が前記第2の回動軸を軸として回動するための第3の回動軸と、
この第3の回動軸を回動させるための第3の駆動部と、
前記第3の回動軸と前記第3の駆動部とを一体的に支持するための第2の基盤と、
前記形材の未加工部である直線部の方向と第1及び第2の曲げ加工用型の溝部の接線方向とを前記加工位置にて一致させるために、前記第2の基盤を、前記第1及び第2の曲げ加工用型の加工位置において形材の未加工部である直線部の方向と直交する線上に傾動可能に軸支する第3の基盤と、
この第3の基盤を前記傾動させるための第4の駆動部を備えたことを特徴とする形材の曲げ装置。 - 前記第1及び第2の曲げ加工用型は、それぞれに、回動躯体とこの回動躯体の周面に取外して交換可能に添接された溝部形成体を備えることを特徴とする請求項5または請求項6記載の形材の曲げ装置。
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