JP3589111B2 - 電子透かし方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子透かし技術に係り、特に、画像もしくは音情報などを表すデジタル情報コンテンツに別の情報を埋め込む或いは読み取る電子透かし技術に関する。また、この発明は、電子透かしを用いたシステムにおける、透かし情報の読み取りにおける統計処理に関する技術に関する。
【0002】
マルチメディア著作物は、不正複製や改竄が容易であることから、情報利用者の正当な二次利用や情報コンテンツ提供者の情報発信の障害となっており、その著作権保護が訴えられている。電子透かし技術はそのような著作権保護に有効な技術であり、画像や音声などのメディアの冗長性を利用し、人間に知覚されないように情報コンテンツに別の副情報を埋め込む技術である。重畳した情報の分離が困難なため、副情報として著作権情報や利用者IDなどを秘密裏に埋め込むことにより、マルチメディア著作権の著作権保護に利用される。
【0003】
【従来の技術】
従来の電子透かし技術としては、以下のような方法が提案されている。
特願平9−57516「画像処理方法及び装置」は、画像を一般の非可逆圧縮で用いられる、例えば、8×8ブロックサイズよりも大きなブロックに細分し、このブロックを離散フーリエ変換した周波数成分を極座標表示した際の大きさ(原点からの距離)の部分を変更することで、非可逆圧縮に対しても副情報が正しく読み取れるようにする。また、周波数成分を決まった値での範囲に正規化してから多重化、副情報の読み取りを行うことにより、平坦部分では複雑領域よりも弱い画像処理を行うことにより、多重化による画質の劣化を抑え、同時にコントラスト変更に対する耐性を持たせる。また、変更対象の周波数成分の値が大きければ大きいほど周波数成分の変更量を大きく(小さければ小さいほど小さく)することで、画質の劣化を更に抑える。また、ブロックに細分する際に、任意の画像サイズに対応できるように、1ブロックに満たない画像領域については、その画素値を平均値や線対象図形の繰り返しで足りない部分を埋めることで、1ブロックとして扱うようにする。さらに、各ブロック毎の情報に重みを付加するなどしてから、画像全体から読み取り副情報を構成することで、画像の部分的な編集や、平坦部分が多い画像を非可逆圧縮しても正しい副情報を読み取れるようにする。
【0004】
また、特願平9−164466「情報多重化方法、情報抽出方法及びそれらの装置」は、動画像の情報を多重化する際に、周波数変数を用いて比較的低周波数領域の成分に情報多重化を行い、また、情報圧縮に用いられるブロックサイズより大きなブロックサイズで周波数変換して、情報多重化を行い、さらに、情報読み出の際に、原画像を用いるなどにより、情報圧縮に対する耐性を持たせる。
【0005】
また、上記以外のものとしては、特願平8−305370、特願平8−338769、特願平9−9812、特願平9−14388、特願平9−109924、特願平9−197003、特願平9−218467、特願平10−33239などに記載されている電子透かし技術(Digital Waternmark, Data Hiding, Finger Pringting Steganograph, 画像・音声深層暗号などとも呼ぶ)等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さて、電子透かし技術において、その性能の優劣を決定する要素としては
(1)電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツの品質
(2)電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツのメディア編集処理に対する埋め込んだ電子透かしの耐久性
(3)故意の電子透かしの消去および改竄に対する安全性
(4)電子透かしが埋め込まれた情報コンテンツから読み取った電子透かし情報の信頼性などがあげられる。
【0007】
電子透かし技術を大別すると、データ値を量子化することにより意味つけを行なう方法(データ値をある量子化値で割算した結果を、例えば2で割算すると、その余りによってビット情報が表せる)と、もうひとつはスペクトラム拡散方法を用いて電子透かし信号を多重化する方法である。先に挙げた公知例は、これらのうち前者の礎としたものであるが、この方法においては、上記(1)に関しては、電子透かしを埋め込んだことを人間に知覚される、もしくは、電子透かしを埋め込むことにより情報コンテンツの商品価値が失われるといった問題があり、また、上記(2)に関しては、情報コンテンツを一般の利用者が普通に利用するだけで、埋め込んだ電子透かし情報が消失してしまうという程度の性能であった。特に、(1)と(2)を実用上十分な性能で両立させるのは難しい課題であった。
【0008】
また、電子透かし情報がコンテンツの編集に耐性を持つための工夫の一つに、透かし情報を繰り返し埋め込む手法がある。これは、繰り返し埋め込んだ透かし情報(以下透かし系列と呼ぶ)をコンテンツから読み取り、統計的な処理を施すことにより透かし情報を再構成するものである。透かし系列は、ある程度の劣化やノイズ付加に耐性を持つが、圧縮率の高い符号化などによっては、コンテンツから透かし系列自身の読み取りが困難となる場合があり、それ故に透かし情報の再構成が不能となる問題があった。
【0009】
更に、電子透かしシステムにおいては、埋め込んだ情報の有無の判定および埋め込んだ情報の信頼性の精度が重要である。電子透かしシステムは、電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツに対する様々なメディア処理を想定して、情報コンテンツに埋め込まれている副情報(以下電子透かし情報と呼ぶことにする)がある程度壊れていても、正しい電子透かし情報を再構成する機構を持っているものが一般的である。しかしながら現状は、再構成した透かし情報の正当性を定量評価できないものがほとんどであり、信頼性に欠けるという問題があった。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、本発明の第1の目的は、電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツの品質を向上させ、かつ電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツのメディア編集処理に対する電子透かしの耐久性の向上を図ることにある。
また、本発明の第2の目的は、電子透かし情報読み取りの際に、電子透かしが入っていない情報コンテンツを電子透かし有りと判定したり、電子透かしが入っている情報コンテンツから正しくない電子透かしを読み出す確率を定量的に評価することを可能とすることにある。
【0011】
更に、本発明の第3の目的は、電子透かしの情報量及び電子透かし埋め込み処理を変更することなく、圧縮や編集処理を施されたコンテンツから電子透かしを読み取る処理において、電子透かし入りコンテンツデータとノイズの分離を行うことで、透かし系列に含まれる誤りビットを減少させ、正しい透かし情報の読み取り成功率を向上させることが可能とすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の第1の目的を達成するために、本発明は次のように構成される。
本発明は、電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツの品質の向上を達成するために、情報コンテンツの部分データにそれぞれ電子透かしを埋め込む処理(データの一部を変更することにより行なわれる)において、各部分データの人間の知覚に基づくデータ複雑度を計算し、その値に応じて部分データの変更量を変化させる。複雑度が高い程大きなデータ変更を行なう。即ち、本発明では、人間の知覚特性に比例するような情報コンテンツの局所的データ複雑度を利用することにより電子透かしを実現している。
【0013】
また、本発明は、電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツのメディア編集処理に対する電子透かしの耐久性の向上を達成するために、周波数成分の値を変更することにより電子透かしを埋め込む処理において、埋め込み対象となる周波数成分帯域毎に変更量を変える。予め、各周波数帯域毎に透かし強度マトリクスを用意しておき、これに電子透かし埋め込み強度を積算したものを、実際に電子透かしを埋め込む際の周波数成分変更量とする。各周波数帯域毎の変更量の比率に関しては、情報コンテンツの想定される使用(コンテンツ編集)方法によって、様々な原情報コンテンツ(画像なら画像、音声なら音声といった具合に十分多くのコンテンツをサンプルとして用意する)を編集し、編集前後の周波数成分の各係数値の変化量の分布を各周波数成分毎に求め、その分布の標準偏差を用いる。
【0014】
本発明によれば、電子透かしの埋め込みに際する周波数成分の変化量の比率を周波数帯域毎に変化させ、かつ、それぞれ情報コンテンツの複雑度によって変化量を増減させることにより、電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツの品質を向上させることと、電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツの編集処理に対する電子透かしの耐久性の向上させることの両立を実現することができる。
【0015】
上記の第2の目的を達成するために、本発明は次のように構成される。
電子透かし処理は、電子透かし埋め込み・電子透かし読み出しの対から成る。電子透かし埋め込み処理では、秘密鍵情報などを用いて、情報コンテンツ内の電子透かし対象領域Aから電子透かし埋め込み領域B⊆Aを選定し、固有の規則で領域B内のデータを変更する。電子透かし読み取り処理では、電子透かし埋め込み領域Bのデータを解釈し、電子透かし情報を再構成する。この発明では、電子透かしが埋め込まれている情報コンテンツにおいて、この発明適用対象となる電子透かしアルゴリズムを用いて、電子透かし対象領域の全体であるAから透かし埋め込み処理を行ったコンテンツか否か及び透かし埋め込み処理時に用いた秘密鍵情報か否かを問わず任意の秘密鍵情報を用いて読みとられる電子透かし情報の統計学における二項分布をもとに、正しい秘密鍵情報を用いて透かし埋め込み領域Bから読みとられた電子透かし情報がどの程度確率的に起こり得るのかを判定する。
【0016】
この発明によれば、電子透かし技術において、情報コンテンツから読みとった透かし情報の信頼性を定量的に評価でき、電子透かしが入っていない情報コンテンツを有りと判断したり、電子透かしが入っている情報コンテンツから正しくない電子透かしを読みとったりする確率を一定の値で抑えることができる。
上記の第3の目的を達成するために、本発明は次のように構成される。
【0017】
本発明は、電子透かし埋め込み処理を用いて、電子透かし情報を繰り返し埋め込んだ電子透かし入りの画像または、音声情報を表すディジタルコンテンツから電子透かし情報を読み出す電子透かし情報読み取り方法において、重み関数を用いて電子透かし系列に重み付けをすることにより符号理論における軟判定を行い、重み付けされた該電子透かし系列から、最尤の電子透かし情報を再構成し、出力する。
【0018】
本発明は、重み関数として、予め電子透かし入りコンテンツデータの埋め込み対象となる標本値の誤差分布を例えば実験により求め、近似した分布関数を用いて、電子透かし系列とその信頼度を求める。
また、重み関数として、電子透かし入りコンテンツデータの埋め込み対象となる標本値の編集処理による誤差分布が理論的に既知の場合に、その理論に基づき予測した分布関数を用いて、電子透かし系列とその信頼度を求めるようにしてもよい。
【0019】
本発明によれば、電子透かし入りコンテンツデータとノイズの分離を行うことで、透かし系列に含まれる誤りビットを減少させ、前述の従来の方法と比較して、電子透かし情報の読み取り成功率を向上させることができる。透かし埋め込みの繰り返し回数が少ない場合、本発明を用いることにより、電子透かし入りコンテンツデータに有効な分布の偏りを見いだすことが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の各実施例の説明を行うにあたり、予め言葉の定義を行なっておく。電子透かし系列とは、情報コンテンツから読み出された再構成処理を行なう以前の情報系列を表し、電子透かし情報とは、情報コンテンツに本当に重畳したい、システムの運用上意味ある情報、もしくは、電子透かし系列を再構成処理し得られる情報を表すものとする。電子透かしの信頼度αとは、読み出した電子透かしの正当性を表す指標である。すなわち、読み出した電子透かしが、実際に画像に埋め込んでいた電子透かしと一致する確率である。逆に、電子透かしが埋め込まれていない画像から電子透かしを読み出したり、誤った電子透かし情報を読み出す確率を信頼度αを用いて2(1−α)と表現できる。同様に埋め込み系列とは、実際に埋め込まれる情報を表し、埋め込み情報を変調したり、引き伸ばしたり、繰り返したりしている系列になっている。なお、“読み取り”は”抽出”と称してもよい。また、“読み取り”は“読み出し”と称することもできる。
【0021】
図1に本発明の電子透かしシステムの構成を示す。同図に示すシステムにおいて、電子透かし情報101は、電子透かし埋め込み装置102によって、情報コンテンツ103に埋め込まれ、電子透かし入り情報コンテンツ104に変換される。
電子透かし入り情報コンテンツ104は、無線・有線・パッケージ媒体などで流通する間に、情報圧縮やメディア処理などによって品質劣化した電子透かし入り情報コンテンツ105に変化する。
【0022】
電子透かし読み取り装置106は、劣化した電子透かし入り情報コンテンツ105から透かし系列を読み取り、それを再構成することにより電子透かし情報107を読み出すという構成になる。
以下、本発明の各実施例を説明するにあたり、その基礎となる量子化を用いた電子透かし埋め込み方法、及び読み出し方法について説明する。その後で、本発明の各実施例について説明する。
【0023】
量子化に基づく電子透かしとは、コンテンツを変換(例えば、直交変換)したデータ、もしくは、未変換のデータの、一部または、全部の値を量子化することにより電子透かしを埋め込み、電子透かしを読み取る処理では、電子透かしを埋め込んだコンテンツのデータ値を埋め込み処理と同じ値で量子化し、その値から電子透かし情報を決定するものである。
【0024】
以下、その概要を説明するが、量子化に基づく電子透かしの詳細については、特願平9−57516「画像処理方法及び装置」、特願平9−164466「情報多重化方法、情報抽出方法及びそれらの装置」などを参照されたい。
まず、量子化を用いた電子透かし埋め込み方法について説明する。この処理は、図1の電子透かし埋め込み装置102において実行される。図2は、量子化を用いた電子透かし埋め込み処理の全体的フローチャートを示したものである。処理の概要は以下の通りである。
【0025】
電子透かし埋め込み装置102は、入力されたデジタル情報コンテンツ103を複数ブロック(ここではmブロック)に分解してブロックデータ109 を得(処理100)、該ブロックデータ109 を直交変換して周波数成分行列(直交変換係数行列)115を生成する(ステップ110)。一方、入力された鍵情報12から擬似乱数系列125を生成する(ステップ120)。この擬似乱数系列125を用いて周波数成分行列115の各周波数成分(各ブロック)から係数値を一つずつ選択して、電子透かし対象の周波数成分系列135とする(ステップ130)。電子透かし情報101は各ビット、埋め込み繰り返し回数(t)だけ拡散し、電子透かし系列145を生成する(ステップ140)。この電子透かし系列145を周波数成分系列135に埋め込み、透かし入り周波数系列155を生成する(ステップ150)。
【0026】
その後、元の周波数成分行列115内の周波数系列135を透かし入り周波数系列155に置き換えて透かし入り周波数成分行列165を生成し(ステップ160)、この透かし入り周波数成分行列165を逆直交変換して透かし入りブロックデータ175を生成し(ステップ170)、入力された情報コンテンツ103のブロックデータ部分を透かし入りブロックデータ175に置き換え(ステップ180)、透かし入り情報コンテンツ104を出力する。
【0027】
同図の説明では、透かしを埋め込む情報を周波数行列の係数として仮定しているが、これは、画素でもよい。また、一つのブロック画像から係数値を選ぶ処理についても、選ぶ係数は一つでなく、複数個もしくは、0個の場合もあり得る。本発明は、これらには特に依存しないものとする。
同図の電子透かし情報の処理における透かし情報を拡散する処理では、例えば、すべてのjとkに対して
s[j][k]=w[j]
の処理を行い、透かし情報(w[0],w[1], …,w[n−1])を透かし系列
s[0][0],s[0][1],…,s[0][t−1],s[1][0],s[1][1], …,s[1][t−1],s[n−1][0],s[n−1][1], …,s[n−1][t−1] に変換する。
【0028】
電子透かし埋め込みの処理では、周波数成分を量子化する際に用いる周波数成分量子化幅q を用いる。
次に、上記の電子透かし埋め込み処理(ステップ150)の詳細を図3に示すフローチャートに基づき説明する。
ここで、電子透かし情報の各ビットの埋め込み繰り返し回数tを
【0029】
【数1】
Figure 0003589111
【0030】
とし、w[j],s[j][k]∈{0,1 }, 周波数系列{0≦j<n,0≦k<t)とする。
従来の周波数系列{f[i]}に電子透かしを埋め込む処理は次のようにして行われる。
【0031】
【数2】
Figure 0003589111
【0032】
図4 は、従来の電子透かし埋め込み処理の概念を示したもので、電子透かしを埋め込む対象のデータ値を、量子化幅の中心値に変更することによって電子透かしを埋め込むことを表わしている。
次に、量子化による電子透かし読み取り方法の一般的処理を説明する。この処理は図1の電子透かし読み取り装置1 06において実行される。なお、電子透かし読み取り処理とは、電子透かし入りコンテンツデータから透かし系列を読み取り、この透かし系列を統計処理することにより電子透かし情報を再構成するものである。
【0033】
図5 は、従来の量子化に基づく電子透かし読み取り処理の全体的フローチャートである。処理の概要は以下の通りである。
電子透かし読み取り処理装置1 06は、透かし入りのデジタル情報コンテンツ1 05を複数ブロック(mブロック)に分解して透かし入りブロックデータ205を得(ステップ200)、該透かし入りブロックデータ205を直交変換して、透かし入り周波数成分行列215を生成する(ステップ210)。一方、入力された鍵情報22から擬似乱数系列225を生成する(ステップ220)。この擬似乱数系列225を用いて、透かし入り周波数成分行列215の各周波数成分(各ブロック)から電子透かし処理された係数値を一つずつ選択して、透かし入り周波数系列235を得る(ステップ230)。この透かし入り周波数系列235について、透かし読み取り処理を施こして電子透かし系列245を読み出す(ステップ240)。最後に、この電子透かし系列について統計的な処理などを施こし、元の透かし入り情報107を出力する(ステップ250)。
【0034】
次に、電子透かし読み取り処理(ステップ240)の詳細を図6のフローチャートに基づき説明する。従来の透かし入り周波数系列{f’[i] }から電子透かし系列を読み取る処理は次のようにして行われる。
【0035】
【数3】
Figure 0003589111
【0036】
電子透かし系列を統計的な処理などを施し透かし情報を構成する際には、
0 ≦j<n に対して、
【0037】
【数4】
Figure 0003589111
【0038】
といったような多数決方法によって透かし情報を再構成している。
続いて、第1の目的に対応した本発明の説明を行う。
図7は、本発明による電子透かし埋め込み処理装置の入出力関係の概略図である。電子透かし埋め込み処理装置102は、主情報の画像や音情報のデジタル情報コンテンツ103、鍵情報12及び副情報の電子透かし情報101を入力として、情報コンテンツ103に電子透かし情報101を埋め込み、透かし入りの情報コンテンツ104を出力する。
【0039】
図8は、本発明による電子透かし読み取り処理装置の入出力関係の概略図である。電子透かし読み取り処理装置20は、透かし入りの情報コンテンツ21及び鍵情報22を入力として、透かし入り情報コンテンツ21に埋め込まれている電子透かし情報23を読み取って出力する。なお、鍵情報22は鍵情報12と同じものである。
【0040】
以下に、本発明の各実施例について詳述する。
[第1の実施例]
本実施例は、デジタル情報コンテンツに電子透かし情報を埋め込む方法において、デジタル情報コンテンツを部分データに細分化し、該部分データの周波数成分値を求め、該部分データの複雑度を求め、該複雑度及び前記電子透かし情報とから電子透かし埋め込み量子化幅を用いて該周波数成分値の変更量を求め、その変更量だけ周波数成分値を変更することにより電子透かし情報を埋め込み、電子透かし情報を埋め込んだデジタル情報コンテンツを出力するものである。
【0041】
次に、第1の実施例について説明する。これは、図2を用いて説明した従来の量子化を用いた電子透かし埋め込みの核となる処理部分を改良したものである。図9に第2の実施例の全体の処理フローを示す。図9において、データの複雑度を計算するステップ190と、該複雑度に応じて量子化によるデータ変更量を変化させるための電子透かし埋め込み処理が、図2に示した従来の処理フローからの変更点である。これ以外は図2と同じであるので、以下ではこの変更点について詳述する。
【0042】
ブロックデータ109を入力として、各部分コンテンツ毎に、そのデータ複雑度e[i](0≦e[i]≦1)を計算して複雑度系列195を生成し(ステップ190)、電子透かし埋め込み対象データの係数値を、データ複雑度に応じた量子化幅内の値に変更する。本実施例において、データの複雑度を計算する方法については、従来手法を用いても構わない。例えば、画像の場合について特化して述べると、画像の局所的複雑度を求める処理を使用することも可能である。ただし、画像の局所的複雑度の値域が−αから+βまでの場合、これを0から1の値域となるように正規化処理を行なう必要がある。
【0043】
次に、第1の実施例の核となる電子透かし埋め込み処理について詳述する。図10に、本実施例の電子透かし埋め込み処理(ステップ150)の詳細フローチャートを示す。
第1の実施例の周波数系列{f[i]}に電子透かしを埋め込む処理は次のようにして行われる。
【0044】
【数5】
Figure 0003589111
【0045】
図11は、本第1の実施例の電子透かし埋め込み処理の概念図である。図11に示すとおり、各部分コンテンツ毎に、そのデータ複雑度e[i](0≦e[i]≦1)を計算し、電子透かし埋め込み対象データの値を、データ複雑度に応じた量子化幅内の値に変更する。
一般的に、電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツの品質と電子透かしの強度はトレードオフの関係にあるが、本実施例によれば、量子化に基づく電子透かし方法により電子透かし埋め込みを行なった情報コンテンツの品質と電子透かしの耐久度のバランスを保ったまま双方を向上させることができる。すなわち、情報コンテンツの部分的複雑度に応じて電子透かしを埋め込んでいるため、データが複雑な部分に対しては従来より強い強度で、データが複雑でない部分に対しては、従来より弱い強度で電子透かしを埋め込むことにより実現している。
【0046】
また、電子透かし技術は、埋め込みと読み取りは対となった処理であるが、本実施例により埋め込み方法を従来方法から改良しても、読み取り方法は従来方法から変更することなく、埋め込んだ電子透かしを読み取ることが可能であることも大きな特徴である。
[第2の実施例]
本実施例は、図9のデータの複雑度を計算する処理(ステップ190)にかかり、デジタル情報コンテンツの部分データを入力とし、デジタル情報コンテンツの部分データをウェーブレット変換し、高周波成分データの値を閥値を用いてフィルタリングし、閥値を越えた個数からデジタル情報コンテンツの部分データの複雑度を計算するものである。
【0047】
図12に、本第2の実施例のデータ複雑度計算処理の詳細フローチャートを示す。ここで、ブロックデータB[i]の次元をN、サイズをM×M…×MN−1 と仮定する。これをN次元ウェーブレット変換したものの高周波成分行列H×H…×HN−1 の各要素hV0,V1,...,VN−1 (0<v<M/2, 0<u<N)に対して次の処理を行う。
1.count ←0とする。
2.すべての(v0,v1,…,vN−1 )に対して3の処理を行なう(N 次元ループ)。3.予め設定した閾値△≧0に対して、
もし|hV0,V1,...,VN−1|≧△ならば、count ←count +1とする。
【0048】
ただし、|x|はxの絶対値を表す。
4.予め設定した閾値Г≧0に対して、
もし、count ≧Гならば、e[i]←1.0
そうでないならば、
【0049】
【数6】
Figure 0003589111
【0050】
とする。
このデータ複雑度計算処理において、例えば、N=2(画像)、ウェーブレット変換の基底をHaar基底、M=16、M=16の場合を考えると、人間の知覚に関知されないように電子透かしを埋め込むためには、Δ=4、Г=16程度の値がバランス的によいという結果が実験より得られた。
【0051】
第2の実施例によれば、電子透かしの処理対象や単位(ブロックデータのサイズ)、用いる直交変換など、電子透かし技術の特徴に応じて、二つの閥値△、Гを設定することにより、人間の知覚に比例するように近似した上記関数を実現することができる。電子透かし技術に適用することにより、従来より個々の情報コンテンツの特徴に応じた電子透かし埋め込みを行なうことができる。
【0052】
[第3の実施例]
本実施例は、電子透かし埋め込み処理において、デジタル情報コンテンツの部分データから、デジタル情報コンテンツの編集方法に応じた周波数帯域毎の変更量を用いて、周波数帯毎の変更量を基に周波数成分の変更量を計算し、電子透かしを埋め込んだデジタル情報コンテンツの部分データを得るものである。
【0053】
ブロックデータB[i]の次元をN、サイズをM×M…×MN−1 とする。このとき、各周波数成分の帯域毎の変更幅の比率を表す系列は、電子透かしを用いたシステムを運用する以前に、十分多くの情報コンテンツを用いて予め求めておく必要がある。具体的なq[i]の計算方法については後の第5の実施例で説明する。
【0054】
図13に、各周波数帯域毎の量子化幅の比率を求める処理フローを示す。まず、情報コンテンツ1000を入力として、該入力情報コンテンツをブロック分解してブロックデータ1015を得(ステップ1010)、該ブロックデータ1015を直交変換して第1の周波数成分行列1025を生成する(ステップ1020)。次に、情報1000についてデータ非可逆圧縮などの編集処理を施こして情報コンテンツ1035を生成し(ステップ1035)、該編集した情報コンテンツ1035をブロック分解してブロックデータ1045を得(ステップ1040)、該ブロックデータ1015を直交変換して第2の周波数成分行列1055を生成する(ステップ10255)。この生成された周波数成分行列1025、1055の各要素の差分の分布の分散を求め(ステップ1060)、各周波成分の帯域毎の変更の比率を表わす電子透かし重み比率情報1070を得る。こうして予め求めておいた電子透かし重み比率情報を保持しておき、必要により電子透かし埋め込み処理及び読み取り処理に使用する。
【0055】
図14は、本発明第3の実施例の核となる電子透かし埋め込み処理の詳細フローチャートである。なお、電子透かし埋め込みの全体的処理フローは図2あるいは図9と同じである。
ここで、電子透かし重み比率系列を{dv,v,…,vN−1 }(0≦ v<M , 0≦u<N)とし、また、電子透かし強度(電子透かし入りの画像や音声の非可逆圧縮などに対する電子透かしの耐久度を示す値)をPowerとする。
【0056】
本実施例の電子透かし埋め込み処理は次のようにして行われる。
【0057】
【数7】
Figure 0003589111
【0058】
[第4の実施例]
本実施例は前記第3の実施例の電子透かし埋め込み処理に対する電子透かし読み取り処理であり、透かし入りのデジタル情報コンテンツの部分データを入力して、デジタル情報コンテンツの編集方法に応じた周波数帯域毎の変更量を用いて、周波数帯域毎の変更量を基に周波数成分から電子透かしを読み取り、電子透かし情報として出力するものである。
【0059】
図15に第4の実施例の電子透かし読み取り処理の詳細フローチャートを示す。
第3の実施例の場合と同様に、電子透かし重み比率系列を{dv,v,…,vN−1 }(0≦ v<M, 0 ≦u<N)とし、また、電子透かし強度(電子透かし入りの画像や音声の非可逆圧縮などに対する電子透かしの耐久度を示す値)をPowerとする。
【0060】
第4の実施例の透かし入り周波数系列から電子透かし系列を読み取る処理は、次のようにして行われる。
【0061】
【数8】
Figure 0003589111
【0062】
以上の第3の実施例及び第4の実施例によれば、周波数帯域に応じて電子透かしの埋め込み強度を変化させることが可能となる。情報コンテンツの非可逆圧縮などの編集による周波数帯域毎の原情報からの変化量に応じて、その変化量が大きい帯域に対しては電子透かしの埋め込み強度を上げ、変化量が小さい帯域に対しては電子透かしの埋め込み強度を下げるといった、編集方法に適合した電子透かし埋め込み及び読み取りが可能となる。これにより電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツの品質と電子透かしの強度両方を同時に向上させることができる。
【0063】
[第5の実施例]
本実施例は十分多くの情報コンテンツ(電子透かし処理対象が画像なら画像音声なら音声)を用意し、これらに対して周波数帯域毎の電子透かし強度マトリクス計算処理を行なうものである。すなわち、ここでは前述した電子透かし重み比率の具体的な計算方法を示す。
【0064】
本第5の実施例の基となる処理フローは図13と同じである。ここで、図13の直交変換処理は、電子透かしに用いる直交変換処理と同じものを用いるものとする。例えば、電子透かしに用いる直交変換が16×16サイズのDCTならばそれと同じものを、128×128サイズのFFTならばそれと同じものをといつた具合である。
【0065】
図16に、本実施例の周波数帯域毎の電子透かし強度マトリクス計算処理の詳細フローチャートを示す。
周波数成分行列をN、サイズをM×M…×MN−1 とし、各成分をx0v0,v1,...vN−1 , xtv0,v1,...vN−1(0 ≦ v<M, 0 ≦u<N)とおく。図16の処理は以下の通りである。
【0066】
【数9】
Figure 0003589111
【0067】
本実施例によれば、情報コンテンツの非可逆圧縮など編集方法に適合した周波数帯域毎の電子透かし埋め込み強度設定が可能となる。例えば、電子透かし強度をPowerとし、上記透かし強度マトリクスを用いた電子透かし処理による (v,v,…,vN−1 ) 成分の周波数成分値の実際の量子化幅をdv,v,…,vN−1 ×Powerとし、編集前後の周波数成分の各係数値の変化量の分布がラプラス分布に近似できるとすると、想定した編集方法により処理を施された情報コンテンツから透かしを読み取った場合、透かし情報のビット反転率を周波数成分位置に依らず、
【0068】
【数10】
Figure 0003589111
【0069】
で抑えることが可能である(eは自然対数)。このような定量式でビット反転率を予想できることが大きな特徴のひとつである。また、従来問題点のひとつであった周波数成分位置によって、埋め込んだ透かしの耐久性が異なるという点についても、本実施例により解決されている。すなわち埋め込んだ透かしの耐久性は、周波数成分位置によらず一定である(上記式より自明)。なお、本実施例は、量子化に基づく電子透かし方法のみならず、スペクトラム拡散技術を用いた電子透かし方法に対しても適用することが可能である。
【0070】
[第6の実施例]
これは、第1の実施例と第3の実施例を組み合わせて電子透かし埋め込み処理を行なうものである。第6の実施例の電子透かしを埋め込む処理について、図9のステップ150を改良した詳細について説明する。
本実施例では、周波数系列{f[i]}に電子透かしを埋め込む処理を次のようにして行う。
【0071】
【数11】
Figure 0003589111
【0072】
本実施例によれば、第1の実施例及び第3の実施例を単体で使用した場合に比べて、電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツの品質と電子透かしの強度両方をさらに向上させることができる。また、電子透かし読み取り方法については、第4の実施例で示した方法がそのまま適用可能である。
以上、第1の目的に対応した本発明の実施例を説明したが、電子透かし埋め込み処理装置や電子透かし読み取り処理装置は、実際には所謂コンピュータを利用して構築される。また、ここで説明した電子透かし埋め込み処理や電子透かし読み取り処理の手順やアルゴリズムは、コンピュータで読み取り可能な言語で記述し、電子透かし処理プログラムとしてコンピュータで読み取り可能な記録媒体、例えばフロッピーディスクやコンパクトディスク(CD−ROM)などに記録して提供することが可能である。図17はそのようなコンピュータの構成例を示す図である。同図に示すように、CPU301、メモリ301、外部記憶装置302、ディスプレイ303、キーボード304、通信処理装置305から構成され、メモリに格納されたプログラムがCPUにより実行されることにより本発明の電子透かしの処理を実行する。
【0073】
更に、本発明の電子透かし埋め込み処理装置や電子透かし読み取り処理装置は図18に示すような集積回路によっても実現できる。同図に示す集積回路はメモリ部401、マイクロプロセッサ部402、外部とのインタフェースを司るインターフェース部403から構成される。なお、この図は主要部を示すものであり、他の回路も含み得る。メモリ部401に格納したプログラムをマイクロプロセッサ部402が実行する。集積回路の構成については他に種々の構成が可能である。この集積回路を種々の装置、例えばビデオカメラ等、に組み込むことにより、本発明の電子透かし処理を行うことができる。
【0074】
以上説明したように、本発明によれば、電子透かしの埋め込みに際する周波数成分の変化量の比率を周波数帯域毎に変化させ、及び/又は、それぞれ情報コンテンツの複雑度によって変化量を増減させることにより、電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツの品質を向上させること、電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツの編集処理に対する電子透かしの耐久性の向上させることを実現することができる。
【0075】
次に、第2の目的に対応する本発明の各実施例について説明する。
[第7の実施例]
以下にこの発明の第7の実施例を図面を参照して説明する。
図19は、この発明の背景となる電子透かしシステムの概要図である。図19は図1に示すものと同様の構成を示すが、図19にはこの発明の要部である電子透かし情報再構成装置108を図示している。電子透かし情報再構成装置108は電子透かし読み取り装置106内部に実装され、電子透かし読み取り装置106を用いて、劣化した電子透かし入り情報コンテンツ105から読みとった電子透かし系列を、電子透かし情報再構成装置108を用いて処理し、抽出電子透かし情報107を読み出す。
【0076】
以下、電子透かし情報再構成処理の動作を詳細に説明する。
図20は、本実施例における電子透かし読み取り装置106の内部に実装された電子透かし情報再構成装置108の概要である。電子透かし情報再構成装置108は、電子透かし読み取り装置106を利用して、電子透かし情報の全埋め込み対象領域から任意の1ビット電子透かし系列を読み出したときにビット1が読み出される確率qを予め求めておく。
【0077】
すなわち、1ビット電子透かし系列抽出処理部501のようなものを仮定し、電子透かし対象領域の全要素に対して1ビットずつ電子透かし系列の読み出しを行ない(破線L1)、この全試行のうちビット1が何回取り出されたかの率を計算する。
この実施例ではビット1の読み出し確率および個数を求めているが、ビット0の読み出し確率および個数を求めても実装上の違いのみであり、本質的に変わらないことを留意しておく。
【0078】
これより、電子透かしアルゴリズムを用いて、情報コンテンツ105の電子透かし対象領域から無作為に1ビット電子透かし系列の読み出しを行なったときのビット0と1の出現確率はそれぞれ1−qおよびqと計算される。
nビット電子透かし系列抽出処理装置502は、電子透かしが埋め込まれている情報コンテンツから電子透かしが埋め込まれたのべ回数だけ電子透かし系列の読み出しを行なう。
【0079】
ここで、電子透かし情報をb,b,…, b m−1, b∈{0 ,1 },i <m (情報長mビット)、iビット目の電子透かし情報を情報コンテンツに埋め込んだ繰り返し回数(拡散率、Chip−rateなどとも呼ぶ)をn回、読みとった電子透かし系列を
b’0,0, b’0,1, …b’0,n0−1, b’1,0, b’1,1, … b’1,n1−1,… ,b’m−1,0 , b’m−1,1,…b’m−1,nm−1−1
b’i,j ∈{0 ,1 } (長さΣr=0 m−1 ビット列)
と定義する。
【0080】
電子透かし情報再構成装置108は、n ビット電子透かし情報抽出処理部502から、電子透かし情報の0番目に相当する電子透かし系列の部分列からm−1番目に相当する電子透かし系列の部分列までを順次入力として受けとる(実線L2)。
次に、実際に電子透かし情報のiビット目の電子透かし情報を再構成する方法を具体的に述べる。
【0081】
電子透かし対象領域から任意にnビット電子透かし系列の読み出しを行なったとき、このnビット列にビット1がk個現れる確率P(x=k)は、二項分布の密度関数によって
P(x=k)=n・(1−q)ni−k (1)
で表され、その分布関数F(x)は、
F(x) =Σk=0 ・(1−q) ni−k (2)
(0≦x ≦n
である。ただし、n は、n個の中からk個のものを選ぶ組合せ数を表す。
【0082】
電子透かし情報の信頼度のしきい値α(1/2<α≦1)を設け、電子透かし情報再構成装置108に入力された電子透かし情報のi番目に相当する電子透かし系列の部分列b’i,0 , b’i,1 , …b’i,ni−1に含まれるビット1の数を
= Σr=0 ni−1 b’ i,r
によって計算し、式(2)を用いて電子透かし情報を
Figure 0003589111
と判定する。
【0083】
見方を変えて電子透かし系列nに含まれるビット1の個数によって判定すると、0 ≦F(x = x) ≦1−αを満たす最大のxと、α≦F(x = x) ≦1 を満たす最小のxをしきい値として、図21に示すようにn個中の1がx以下なら0と、x以上なら1と透かし情報を判定する。
図21の横軸は電子透かし系列に含まれるビット1の個数、縦軸はその出現頻度を表す。電子透かしが埋め込まれていない情報コンテンツではその任意に読み出したビット系列中に1が出現する頻度は二項分布となりその系列のビット数nの半分の所がピークとなる。しかし電子透かし情報が埋込まれた部分では電子透かし情報のビット0が埋め込まれた部分列nについてはビット1の出現頻度は、品質劣化がない場合は0であり、品質劣化があっても、小さな値、つまりx以下であり、電子透かし情報のビット1が埋め込まれた部分列nについてはビット1の出現頗度は、品質劣化がない場合は、nであり、品質劣化があっても大きな値x以上である。このように電子透かし情報が埋め込まれた電子透かし系列のビット1又は0の出現頻度は、二項分布に対し分布の中心が、偏よったものとなり、この発明ではこの偏よりを利用して電子透かし情報を、読み出した電子透かし系列から再構成する。
【0084】
電子透かしシステムによっては、情報コンテンツ105から読み出された電子透かし系列の分布P(x)の中心値に対する偏りから再構成した電子透かし情報を求め、読み出された電子透かし系列が統計的にどの程度の確率で出現するのかを式(2)の値で求めて、再構成された電子透かし情報が1の場合はF(k)を、情報が0の場合は1−F(k)を電子透かしの信頼度として付加して出力することも可能である。この電子透かしの信頼度F(k)、1−F(k)は、情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列の各ビットの出現確率から得られる二項分布に対する情報コンテンツにおける読み出した再構成前の電子透かし情報の出現確率の偏りから求めたものになる。
【0085】
この処理を電子透かし情報の情報長mビットに拡張した概念を図22に示す。電子透かし情報再構成装置108は、再構成した電子透かし情報b, b, …, b m−1 を抽出電子透かし情報107として出力する。
以上が電子透かし情報再構成処理の動作についてである。
この処理の手順を図23に示す。電子透かし入り情報コンテンツ105と、電子透かし情報読み出しに必要な秘密情報が入力され、その情報コンテンツ105と秘密情報とを用いて、各ビット値に関して、電子透かし系列を読み出す(ステップ1)。透かしの信頼度のしきい値αを設定し(ステップ2)、電子透かし情報のすべての埋め込み対象領域から透かしを任意に1ビット読み取ったときのビットが1である確率qを求める(ステップ3)。この確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し個数nとからビット系列に1がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求める(ステップ4)。
【0086】
電子透かし系列の部分列を区別するiを0とし(ステップ5)、その部分列中のビットが1の個数 k= Σr=0 ni−1 b’ i,r を求め、その出現確率F(k)を求め、これが1−α以下であるかを調べる(ステップ6)、F(k)≦1−αであれば電子透かし情報w を0に再構成(ステップ7)、iを+1し(ステップ8)、i<mならステップS6に戻る(ステップ9)。ステップS6でF(k)≦1−αでなければF(k)≧αが成立するかを調べ(ステップ10)、成立すれば電子透かし情報wを1に再構成してステップS8に移る(ステップ11)。ステップ10でF(k)≧αでなければ電子透かし無しもしくは不明と判定して処理を終了する(ステップ12)。ステップ9でiがnより大となれば再構成された電子透かし系列(w )を出力する。なおステップ1の各ビット値に関して電子透かし系列の読み出しはステップ4とステップ5との間で行ってもよい。ステップ6、ステップ10でそれぞれ1−F(k)、F(k)がαより大であるかを判定している。
【0087】
第7の実施例では、式(1)に表される分布に偏りがない、つまり、
【0088】
【数12】
Figure 0003589111
【0089】
となることを前提としている。
電子透かし情報のそれぞれのビット埋め込み回数nが、統計的特徴を得るのに十分な数である場合、一般的には、
【0090】
【数13】
Figure 0003589111
【0091】
となるが、qの値は、電子透かしアルゴリズムと情報コンテンツの特徴に依存するため、稀にqが1/2から大きく外れた数となることがある。
この問題を回避する方法を第8の実施例で示す。
以下にこの発明の第8の実施例を図面を参照して説明する。
図24は、この第8の実施例を付加した電子透かしシステムの概要図である。
【0092】
電子透かし埋め込み装置102が情報コンテンツ103に電子透かし情報101を埋め込む際に、電子透かし情報の各ビット値をn回繰り返して埋め込む処理において、電子透かし埋め込み装置102の内部に実装された疑似乱数系列発生器(甲)601を用いて、埋め込み系列を変調し、これを情報コンテンツ103に埋め込む。
【0093】
例えば、埋め込み系列を
0,0, b0,1, …b0,n0−1, b1,0, b1,1,… b1,n1−1, … ,b m−1,0 , b m−1,1,…b m−1,nm−1−1
i,j ∈{0 ,1 }
擬似乱数系列を
i,0 , r i,1 , …r i,ni−1
i,j ∈{0 ,1 }
とおくと、埋め込み系列を擬似乱数系列によって
i,0 i,1 …m i,ni−1
i,j = b i,j (+) r i,j
に変調する。A(+)BはAとBの排他的論理和を表わす。
【0094】
この処理により、電子透かし読み取り処理には、電子透かし系列埋め込みに用いたのと同じ疑似乱数系列が必要となる。
例えば、疑似乱数系列としてM系列を用いたとする。すると、任意のM系列を用いて1ビット電子透かし系列読み出しを行なったとき
【0095】
【数14】
Figure 0003589111
【0096】
となり、電子透かしアルゴリズムと情報コンテンツに依存することなくこの発明を適用可能となる。
電子透かし読み出しでは、電子透かし読み取り装置106の内部に実装された擬似乱数系列発生器(乙)602を用いて、 b’i,j = m i,j (+) r i,j により復調する。
【0097】
ここで、疑似乱数発生器(甲)601と凝似乱数発生器(乙)602は、同じ疑似乱数系列を発生するように実装する必要がある。
復調処理により得られた電子透かし系列
b’0,0, b’0,1, …b’0,n0−1, b’1,0, b’1,1, … b’1,n1−1,… ,b’m−1,0 , b’m−1,1,…b’m−1,nm−1−1
b’i,j ∈{0 ,1 }
に対して、第7の実施例で説明した方法により電子透かし情報を再構成する。
【0098】
読みとった電子透かし系列のビット1の出現確率qは、変調の有無に関わらず二項分布に近似できると考えられるため、この実施例で示した変調処理による密度関数の分布(1)への影響はない。
また、実装において、q=1/2と仮定できるため、つまりqを求める処理を行うことなく、式(2)でq=1/2として計算することにより、電子透かし情報再構成処理は多数決処理と同程度の計算量となり、高速化が図れる。
【0099】
[第9の実施例]
第9の実施例では、第7の実施例および第8の実施例で示した発明の例に基づき、実際に数値を示して例を説明する。ここでは電子透かし情報を1ビットとし、その埋め込み繰り返し回数nを127回とし、電子透かし情報の全埋め込み対象領域から任意の1ビット電子透かし系列を読み出したときにビット1が読み出される確率qを1/2とする。信頼性のしきい値αを0.99999(99.999%の意)とすると、図21におけるxは36、xは90である。すなわち、以上の条件の下でこの発明は、電子透かし情報を、電子透かし系列(nビット)に現れる1の個数が36以下である場合はビット0、90以上の場合はビット1、それ以外の場合は電子透かしが不明もしくは無しと判定する。電子透かし情報有りと判定した場合、その正当率は99.999%以上を保証できる。
【0100】
[第10の実施例]
図23に示した実施例ではその処理手順から理解されるように、電子透かし情報の1ビットでも信頼性が得られない、つまりF(k)又は1−F(k)がαより小さなものになれば電子透かしなし、又は不明となり、電子透かし情報の再構成は不能となる。この第10の実施例はこのような問題を解決したものである。この場合は電子透かし情報の各ビットの埋め込み繰り返し回数は同一値nとする。
【0101】
以下、情報コンテンツから読み取られた透かし系列b’0,0, b’0,1 …b’0,n0−1 b’1,0 b’1,1 … b’1,n−1 … ,b’m,0 , b’m,1 , …b’m,n−1 から透かし情報w, w, …, w m−1 を再構成する方法を詳細に述べる(図25参照)。
Step1 .まず情報コンテンツと電子透かし情報読み出しに必要な秘密情報とから各ビット値に関して電子透かし系列を読み出す。
【0102】
Step2.透かし情報の信頼度のしきい値α(1/2<α≦1)を設定する。例えば、読み出した透かしめ信頼度を99%以上に設定したい場合は、α=0.99とする。
Step3.電子透かし情報のすべての埋め込み対象領域から透かし系列を任意に1ビット読み取ったときに、それがビット’ 1’ である確率qを予め求める。すなわち、電子透かし読み出し対象から無作為に電子透かし系列の読み出しを行なったときのビット’ 0’ と’ 1’ の出現確率は1−qおよびqと計算される。
【0103】
Step4.透かしの各ビット情報を構成する透かし系列にビット’ 1’ がx個含まれる確率は、二項分布関数F(x)を用いて、
F(x)= Σj=0 nC・(1−q)n−j
と表せる。
Step5.nビットの透かし系列について、電子透かし情報であるかを表す確率がしきい値αを超えているか、つまり下記の式(4)を満たすかを調べる。
【0104】
【数15】
Figure 0003589111
【0105】
なお|a|はaの絶対値を表わす。
Σj=0 n−1 i,j −n/2 はそのnビットの透かし系列の1ビットの個数の二項分布の中心からの偏よりを表わし、そのΣi=0 m−1 をmで割ることは、全電子透かし情報のmビットについての平均であり、n/2は二項分布の中心である。
この式(4)がαより大であれば、透かし有りであり、よって各nビットの透かし系列のm個についてそれぞれ多数決処理により電子透かし情報を再構成すればよい。
【0106】
Step6.つまり、透かし有りと判定されると、すべての0≦i<mに対して、
【0107】
【数16】
Figure 0003589111
【0108】
により透かし情報を再構成する。図25の中S6−1〜S6−7によりこの処理が行われる。
Step7.
【0109】
【数17】
Figure 0003589111
【0110】
のとき、透かし無しもしくは不明と判定する。ただし、|x|はxの絶対値を表す。
透かしがあるかの判定式としては式(4)の代りに次の式(5)を用いてもよい。
【0111】
【数18】
Figure 0003589111
【0112】
式(5)の左辺が1−αより大きければ透かし無しもしくは不明と判定する。
この第10の実施例では以上の説明から明らかなように、式(4)又は式(5)により、電子透かし情報系列の全体について統計的処理して透かしの有無を判定し、透かしありと判定されると、多数決処理により再構成を行うため、1ビットでも信頼度が小さいものが存在するために、電子透かし情報の再構成が不能になるようなことはない。
【0113】
図25において、ステップS1の電子透かし系列読み出しを、ステップS4とS5の間で行ってもよい。
この第10の実施例についても、第8の実施例で述べたように、電子透かし埋め込み系列に対し、疑似乱数系列で変調して情報コンテンツに対する埋め込みを行い、情報再構成する際に、取り出した透かし系列に対し、疑似乱数系列で復調し、その復調した系列について、式(4)の判定を行い、その結果αより大で透かしありと判定されると、復調系列に対し、実施例10のStep6と同様な処理、つまり多数決処理により再構成を行うようにすることもできる。この全体の処理手順を図26に図25と対応する部分に同一符号を付けて示す。この例ではまず鍵情報Keyから擬似乱数系列{ri,j }を生成してステップ2に移る(ステップ8)、またステップ4の次に電子透かし系列に対し疑似乱数系列{ri,j }で復調を行ってステップ5へ移る(ステップ9)。ステップ5の判定式(4)中の透かしビットb’i,j はステップ9で復調したものであり、同様にステップ6での多数決処理もステップ9で復調したb’i,j について行う。
【0114】
[第11の実施例]
疑似乱数系列によって透かし情報を拡散しているため、qを1/2に近似すると、透かし系列が透かしありか否かの判定を次のようにすることもできる。
電子透かしの各ビット情報を構成するnビットの透かし系列にビット’ 1’ がx個含まれる確率は、二項分布関数F(x)を用いて、
F( x)=Σj=0 nC(1/2
と表せる。これより予め、
F(x=x)≧α
を満たす最小の整数xを求めておくことにより、第10の実施例のStep5.を透かし系列を疑似乱数系列で復調した系列について下記式(6)で判定できる。この場合は多数決判定と同程度の計算量に軽減することが可能である。
【0115】
【数19】
Figure 0003589111
【0116】
この判定は透かし系列の二項分布の中心n/2からの偏より度合の平均がx以上であるかを判定していることになる。
式(6)が成立して透かし有りと判定されると、すべての0≦i<mについて、透かし系列を凝似乱数系列で復調したものを、下記のように多数決処理して、
【0117】
【数20】
Figure 0003589111
【0118】
透かし情報を再構成する。また、
【0119】
【数21】
Figure 0003589111
【0120】
のときは、透かし無しもしくは不明と判定する。
F(x=x)≧αを満たす最小の整数xを用いる代りに、F(x=x)≦1−αを満たす最大の整数xを求めて処理してもよい。この場合の透かしがあるかの判定式は下記の式(7)となる。
【0121】
【数22】
Figure 0003589111
【0122】
この式の左辺がxより大きければ透かし無し又は不明と判定する。
[第12の実施例]
式(4)により透かしありと判定した場合に、前記多数決処理により電子透かし情報を再構成すると共に、その再構成された透かし情報の系列の全体についての信頼度として、
【0123】
【数23】
Figure 0003589111
【0124】
を計算して出力する。
同様に式(5)により透かしありと判定した場合で、電子透かし情報を再構成した場合は、その透かし情報の系列の全体についての信頼度として
【0125】
【数24】
Figure 0003589111
【0126】
を計算して出力する。
また式(6)により透かしありと判定した場合に、前記した多数決処理により電子透かし情報を再構成すると共にその透かし情報の系列の全体についての信頼度として、
【0127】
【数25】
Figure 0003589111
【0128】
を計算して出力する。
同様に式(7)により透かしありと判定した場合は、その透かし情報の系列の全体についての信頼度として
【0129】
【数26】
Figure 0003589111
【0130】
を計算して出力する。
第7の実施例乃至第12の実施例においてビット1の読み出し確率および個数を用いたが、ビット0の読み出し確率および個数を用いても実装上の違いのみで、本質的に変わらない。
以下は実験例を示す。
【0131】
実験対象画像として128×128画素の” 1ena” 画像を用い、信頼度のしきい値αを0.999999として実験を行なった。
[実験1]
1ビットの透かし情報” 1” を秘密鍵情報” 50,000” を用いて127回繰り返し埋め込み、任意の秘密鍵情報を用いて透かし系列の読みとりを行なった。図27は、秘密鍵情報に対する読みとり透かし系列のビット1の個数を示したものである。縦軸は読みとった透かし系列におけるビット1の個数、横軸は秘密鍵情報の値を表している。ただし、透かし対象領域Aのビット1の出現頻度はq=0.492247であった。正しい秘密鍵(50,000)を用いた場合、ビット1の個数が透かし有無の判定しきい値xより大きいことから、正当率99.9999%で透かし情報は1であると判定でき、正しくない秘密鍵を用いた場合はすべて透かし無しもしくは不明と判定した。
【0132】
[実験2]
7段のM系列(初期状態64)を用いて変調した透かし系列を埋め込み、任意の秘密鍵情報と初期状態が任意のM系列を用いて実験1と同様の実験を行なった(図28)。変調を行なうことにより、実験1のデータと比較してqの値は0.500000に、分散は31.008265から31.718777とほとんど変化しなかった。透かしが読み出しできたのは、正しい秘密鍵情報と疑似乱数系列の組を用いたときのみであった。また、透かし対象領域Aの半分のデータに透かし系列を埋め込んだ場合、変調なしではq=0.741547であったのに対し、変調を行なうことでq=0.499768という結果が得られた。
【0133】
第2の目的に対応する発明における効果は下記の通りである。
1.統計学における二項分布に基づき電子透かし情報を判定することにより以下の効果がある。
−電子透かしが入っていない情報コンテンツを電子透かし有りと判定したり、電子透かしが入っている情報コンテンツから正しくない電子透かしを読み出す確率を定量的に評価でき、その値を電子透かしの信頼度のしきい値αを用いて2(1−α)で抑えることができる。
2.電子透かし情報を埋め込む前に疑似乱数系列で変調することにより以下の効果がある。
【0134】
−電子透かし情報の全埋め込み対象領域から任意の1ビット電子透かし系列を読み出したときにビット1が読み出される確率qの偏りを無くした。
−電子透かし読み出しに必要な正しい電子透かしの秘密鍵情報と読み出した電子透かし系列を復調するのに必要な疑似乱数系列無しにqの偏りから電子透かしの有無ならびにその値を検知することが困難となった。これは電子透かしシステムで重要な要素であるセキュリティの強化につながることである。
【0135】
−実装において、q=1/2と仮定できるため、電子透かし情報再構成処理は多数決処理と同程度の計算量となり、処理の高速化が図れる。
αは、読み出した情報の正当率の下限を示す指標であり、電子透かしシステムの内部で管理可能な情報となっている。これは、従来の電子透かしシステムに見られた、読み出した電子透かし情報の正当率を利用者に提示するものより優れている。
【0136】
第7の実施例では、透かし情報{w }を構成するビット情報のうち1ビットでも信頼度が低いものがある場合、透かし情報無しもしくは不明と判定する。しかしながら、このような場合でも、第10〜第12実施例では透かし系列{b i,j },(0≦i<m,0≦j<n)全体を統計的に見ると、透かし情報を十分再構成することができる場合が多いことから、透かし情報の有無を判定する式を改良し、透かし情報の全体を統計的処理をしたものとすることにより、透かし情報を構成するビット情報のうち数ビット信頼性が低いビットがある場合にでも、透かし情報の信頼性を定量的に評価し、その値を2(1−α)で押えることができ、かつ透かし情報を再構成することができる。また、実施例1では電子透かし系列から電子透かし情報を再構成するのに、すべてのiに対して二項分布の分布関数F(x)を用いて、F(Σj=0 n−1 b’ i,j )の値を計算する必要があったが、実施例10〜12では分布関数を用いた計算を1回にすることができ、透かしの再構成にかかる計算量を軽減できる。
【0137】
この発明は、誤り訂正符号と併用することでさらに大きな効果が得られる。すなわち、電子透かし情報の一部のビットだけが集中して壊れているような場合、読み出した情報は、一部のビットだけが不明で、それ以外のビット情報は正当性が高い状態にあると正確に判定できる。よって壊れたビット情報のみを誤り訂正することにより、確実に正しい情報が読み出しできる。
【0138】
なお、第2の目的に対応した本発明においても、上記の処理をプログラムで構成し、すでに述べたような記録媒体に格納することができる。従って、図17に示すようなコンピュータ上で本発明の電子透かし処理を実行できる。また、図18に示す集積回路によっても本発明の処理装置を実現することができる。
次に、第3の目的に対応した本発明について説明する。
【0139】
まず、第3の目的に対応した本発明の特徴を明確にするために、従来の電子透かし読み取り処理について更に説明する。従来の電子透かし読み取り処理は図29に示すような符号理論における二元符号の硬判定を礎としたものである。二元符号の硬判定による透かし読み取り方法は、電子透かし入りコンテンツデータがすべて同じビットの範囲内(同図の斜線部参照)に納まっていれば、性能的に十分である。
【0140】
しかしながら、上記従来の電子透かし読み取り処理では、図30(MPEG−1の1.5Mbit/s 符号化によるDCT係数値の変化量に対する頻度グラフ)に示すように、読み取りビット値の境目付近(同図2点線枠参照(a,a’ ))に多くの電子透かし入りコンテンツデータが見られる場合もあり、透かし入りコンテンツデータとノイズの分離が困難となり、読み取った透かし情報の値が埋め込んだ透かし情報に対して反転してしまう可能性もある。
【0141】
この問題の回避策として、埋め込み回数を増やすことで情報の拡散率を上げ、統計処理の精度を向上させる方法や、透かしの埋め込み強度を上げる方法が考えられるが、前者は、相対的に透かしとして埋め込む情報量が減少し、後者は画質が劣化することになり、本質的な解決にはならない。そこで、本発明では、硬判定でなく、軟判定を用いている。次に、本発明の概要を説明する。
【0142】
図31は、第3の目的に対応した本発明の原理を示す図である。電子透かし埋め込み処理を用いて、電子透かし情報を繰り返し埋め込んだ電子透かし入りの画像または、音声情報を表すディジタルコンテンツから電子透かし情報を読み出す電子透かし情報読み出し方法において、本発明では、重み関数を用いた符号理論による軟判定を行うことにより、電子透かし系列とその信頼度を求め(ステップ1)、電子透かし系列と信頼度に基づいて最尤の電子透かし情報を再構成する(ステップ2)。
【0143】
また、図32は、本発明における電子透かし読み取り装置の原理を示す図である。同図に示すように、本電子透かし情報読み取り装置は、重み関数を用いた符号理論による軟判定を行うことにより、電子透かし系列とその信頼度を求める電子透かし系列取得部1と、電子透かし系列と信頼度に基づいて最尤の電子透かし情報を再構成する再構成部2とを有する。
【0144】
前述の図30の頻度グラフから推測すると、埋め込みの繰り返し回数が十分多ければ、正しい透かし情報を再構成することは容易であるが、実用上十分な繰り返し回数を保証できない場合、正しい透かし情報を再構成するための有効な透かし系列を得ることが難しくなり、電子透かし入りコンテンツデータのフィルタリングが重要となってくる。図30の点線枠部にあるような情報は、有効な電子透かし入りコンテンツデータであるかノイズであるかの判定が難しく、これらの分離を効率良く行うために、本発明では、符号理論における軟判定を用いて透かし系列に重みを付与する。電子透かし入りコンテンツデータの分布を予測し、相当する分布値を重みとして付与した透かし系列から透かしの再構成を行う。
【0145】
これにより、電子透かし入りコンテンツデータとノイズの分離を行うことで、透かし系列に含まれる誤りビットを減少させ、前述の従来の方法と比較して、電子透かし情報の読み取り成功率を向上させることができる。透かし埋め込みの繰り返し回数が少ない場合、本発明を用いることにより、電子透かし入りコンテンツデータに有効な分布の偏りを見いだすことが可能となる。
【0146】
以下、第3の目的に対応する本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の電子透かし読み取り装置106の動作について説明する。図33は、本発明の電子透かし読み取り装置の動作を説明するための図である。同図に示すように、本発明は、図5に示した読み取り処理の中の240〜250の部分を改良したものである。
【0147】
図33に示すように、電子透かし読み取り装置106では、電子透かし読み取り処理において、周波数成分量子化幅q[0],q[1],…,q[m−1] を用い、
【0148】
【数27】
Figure 0003589111
【0149】
とし、関数weightに関しては、後述する。
電子透かし系列を統計的な処理などを施し、透かし情報を再構成する処理においては、例えば、0 ≦j<n に対して、
【0150】
【数28】
Figure 0003589111
【0151】
によって透かし情報を再構成する。
[第13の実施例]
以下、図面と共に本発明の第13の実施例を説明する。
以下の実施例では、量子化に基づく電子透かしにおける電子透かし読み取り処理(電子透かし読み取り装置106)について説明する。
【0152】
但し、電子透かしの従来の方法において、電子透かし埋め込み処理を変更することなく、電子透かし読み取り性能を向上させる電子透かし読み取り処理を改良するものとする。
以下、本発明の第13の実施例を説明するにあたり、コンテンツに埋め込む電子透かし情報を、
,w,…,wn−1 ,w∈{−1,1}, 0 ≦i ≦n−1
とし、電子透かしを埋め込む対象となるコンテンツのデータ集合を、
{d0,00,1 ,…,d0,m−1 ,d1,0 ,d1,1 , …,d1,m−1 , …,dn−1,1 …,dn−1,m−1 }とする。
【0153】
データdi,j (0≦i ≦n−1, 0≦j ≦m−1)を量子化するのに用いる値(量子化値)をqi,j 、コンテンツに対して透かし情報の各ビット情報wは、それぞれm回繰り返し埋め込まれるものとし、量子化に基づく、電子透かし埋め込み処理を以下のように仮定する。
【0154】
【数29】
Figure 0003589111
【0155】
但し、本発明は、上記仮定に完全に一致する場合にのみならず、上記仮定と同様の量子化手法により電子透かし埋め込み処理を施したコンテンツから電子透かしを読み取る場合の処理に対して効果を発揮するものであることを特記しておく。
以下、電子透かし読み取り装置1 06の動作を詳細に説明する。
【0156】
電子透かし入り情報コンテンツ1 05の電子透かしが埋め込まれているデータ値の集合
【0157】
【数30】
Figure 0003589111
【0158】
から透かし系列
【0159】
【数31】
Figure 0003589111
【0160】
を以下の処理により読み取る。
【0161】
【数32】
Figure 0003589111
【0162】
を行う。
ここで、weight(x)(定義域は、−1/2≦x ≦1/2 、値域は0以上の関数、以下、重み関数と呼ぶ)は、読み出した透かし系列に重みを付ける関数であり、ビット値の中心値付近(図30の点線縦軸付近)の値が大きく、ビット値の境界付近(図30の点線枠部)の値が小さくなるような関数を採用することで、有効な透かし系列とノイズの分離を行うことが可能である。
【0163】
勿論、上記重み関数は、定義域及び値域の制限を設けない、拡大解釈したweight(x)を採用することも可能であるが、この場合は、上記透かし系列の判定式を若干変更する必要がある。
電子透かし埋め込み処理によって、電子透かし情報が埋め込まれたコンテンツが情報圧縮やメディア処理によって劣化することで、電子透かしが埋め込まれているデータ値
【0164】
【数33】
Figure 0003589111
【0165】
が埋め込んだ直後のdi,j から若干ずれることから、量子化値qi,j に対する埋め込んだデータ値di,j と読み出したデータ値
【0166】
【数34】
Figure 0003589111
【0167】
のずれの比
【0168】
【数35】
Figure 0003589111
【0169】
の分布を予測し、適当なスケール(特に正規化のスケールに条件はない)で正規化し、近似した関数を重み関数として採用するのが理想的である。
例えば、電子透かしが入った動画像をMPEG圧縮した画像から透かしを読み取ることを想定すると、図30の分布は、ラプラスに近似することが可能であり、重み関数として、平均0、分散0.08のラプラス分布もしくは、平均0、分散1/16の正規分布などを用いると効果的である。
【0170】
また、電子透かし入りコンテンツデータの誤差を予測した別の分布関数を重み関数として採用する方法もある。
電子透かし読み取り装置106は、例えば、
【0171】
【数36】
Figure 0003589111
【0172】
や、特願平10−219236「埋め込み情報符号化方法及び装置及び埋め込み情報符号化プログラムを格納した記憶媒体及び抽出情報復号化方法及び装置及び抽出情報復号化プログラムを格納した記憶媒体及び電子透かし情報符号化方法及び装置及び電子透かし情報符号化プログラムを格納した記憶媒体及び電子透かし情報復号方法及び装置及び電子透かし情報復号プログラムを格納した記憶媒体」に記載された処理などを応用して、読み取られた透かし系列から電子透かし情報
【0173】
【数37】
Figure 0003589111
【0174】
を再構成し出力する。
また、前述の電子透かし読み取り装置106の動作をプログラムとして構築することができる。すなわち、ここで説明した電子透かし埋め込み処理の手順やアルゴリズムは、コンピュータで読み取り可能な言語で記述し、電子透かし処理プログラムとしてコンピュータで読み取り可能な記録媒体、例えばフロッピーディスクやコンパクトディスク(CD−ROM)などに記録して提供することが可能である。すなわち、図17に示すようなコンピュータ上で、本発明の電子透かし読み取り処理を実行できる。また、図18に示した集積回路によっても電子透かし読み取り装置106を実現できる。
【0175】
特願平9−164466に記載の動画像への電子透かし手法を用いて、本発明と従来の方法との比較実験を行った。
実験条件として、電子透かし埋め込みの処理単位を16×16画素とし、従来の方法の透かし系列読み取りは、上記の実施例の仮定を基に、
【0176】
【数38】
Figure 0003589111
【0177】
とする。
本発明及び従来の方法ともに電子透かし情報を、
【0178】
【数39】
Figure 0003589111
【0179】
により再構成するものとする。
図34の実験結果より、いずれのビットレートで符号化しMPEG−1画像においても、透かし情報読み取り成功率は向上しており、本発明の有効性が認められた。
但し、透かし情報読み取り成功率とは、埋め込んだ電子透かし情報の総数で正しい再構成された電子透かし情報の数を割ったものである。
【0180】
以上から、本発明によれば、透かし系列とノイズの分離を行うことで透かし系列に含まれる誤りビットを減少させ、従来の方法と比較して電子透かし情報の読み取り成功率を向上させることができる。
また、透かし系列に有効な重み付けを行うことから、透かし埋め込みの繰り返し回数が少ない場合に特に効果を奏する。
【0181】
第3の目的に対応した本発明の主旨は、従来の電子透かし読み取り処理が硬判定を礎としているものに対して、電子透かしの読み取り処理に軟判定を適用したところと、この軟判定に用いる重み関数作成方法についてである。
これにより、上記の実施例における処理手順や電子透かし方法の種類に詳細な制約はなく、同様の手法を用いた処理に対しても効果を発揮するものとする。
【0182】
なお、上記の各目的に対応した発明は組み合わせて実施することが可能である。例えば、第1の実施例に示した方法により埋め込んだ電子透かしは、読み取りに関する各実施例の方法で読み取ることが可能であり、その他の組み合わせも可能である。
また、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内で種々変更・応用が可能である。
【0183】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツの品質を向上させ、かつ電子透かしを埋め込んだ情報コンテンツのメディア編集処理に対する電子透かしの耐久性の向上させることができる。
また、本発明によれば、電子透かし情報読み取りの際に、電子透かしが入っていない情報コンテンツを電子透かし有りと判定したり、電子透かしが入っている情報コンテンツから正しくない電子透かしを読み出す確率を定量的に評価することが可能になる。
【0184】
更に、本発明によれば、電子透かしの情報量及び電子透かし埋め込み処理を変更することなく、圧縮や編集処理を施されたコンテンツから電子透かしを読み取る処理において、電子透かし入りコンテンツデータとノイズの分離を行うことで、透かし系列に含まれる誤りビットを減少させ、正しい透かし情報の読み取り成功率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子透かしシステムの構成図である。
【図2】従来の電子透かし埋め込み処理の全体フロー図である。
【図3】従来の電子透かし埋め込み処理の要部の詳細フロー図である。
【図4】従来の電子透かし埋め込み処理の概念図である。
【図5】従来の電子透かし読み取り処理の全体フロー図である。
【図6】従来の電子透かし読み取り処理の要部の詳細フロー図である。
【図7】本発明による電子透かし埋め込み処理装置の入出力関係を示す図である。
【図8】本発明による電子透かし読み取り処理装置の入出力関係を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施例の電子透かし埋め込み処理の全体フロー図である。
【図10】第1の実施例の電子透かし埋め込み処理の要部の詳細フロー図である。
【図11】第1の実施例の電子透かし埋め込み処理の概念図である。
【図12】本発明の第2の実施例のデータ複雑度計算の処理フロー図である。
【図13】本発明の電子透かし重み比率系列の処理フロー図である。
【図14】本発明の第3の実施例の電子透かし埋め込み処理の要部の詳細フロー図である。
【図15】本発明の第4の実施例の電子透かし読み取り処理の要部の詳細フロー図である。
【図16】本発明の第5の実施例の電子透かし強度マトリクス計算の詳細フロー図である。
【図17】コンピュータの構成例を示す図である。
【図18】集積回路の構成例を示す図である。
【図19】電子透かしシステムの概要を示す図である。
【図20】図19中の電子透かし読み取り装置概要を示す図である。
【図21】電子透かし情報の判定を示す図である。
【図22】電子透かし情報再構成の概念を示す図である。
【図23】電子透かし読み取り処理の手順を示す図である。
【図24】この発明の第8の実施例の概要を示す図である。
【図25】この発明の第10の実施例の処理手順を示す流れ図である。
【図26】この発明の第10の実施例に対し、疑似乱数変調透かし情報を埋めた場合の処理手順を示す流れ図である。
【図27】透かし系列読みとり結果(変調なし)を示す図である。
【図28】透かし系列読みとり結果(変調あり)を示す図である。
【図29】従来の透かし読み取り処理の概要を示す図である。
【図30】MPEG符号化による透かし系列のずれ分布を示す図である。
【図31】本発明の第13の実施例における原理を説明するための図である。
【図32】本発明の第13の実施例における原理構成図である。
【図33】本発明の第13の実施例における電子透かし読み取り処理を説明するための図である。
【図34】本発明と従来の方法による透かし情報読み取り成功率の比較を示す図である。
【符号の説明】
1 電子透かし系列取得部
2 再構成部
12、22 鍵情報
101 電子透かし情報
102 電子透かし埋め込み装置
103 情報コンテンツ
21、104 電子透かし入り情報コンテンツ
105 品質劣化した電子透かし入り情報コンテンツ
20、106 電子透かし読み取り装置
23、107 電子透かし情報
108 電子透かし情報再構成装置
109 ブロックデータ
300 CPU
301、401 メモリ
302 外部記憶装置
303 ディスプレイ
304 キーボード
305 通信処理装置
402 マイクロプロセッサ
403 インターフェース部
501 1ビット電子透かし系列抽出処理部
502 nビット電子透かし系列抽出処理部
601 擬似乱数系列発生器(甲)
602 擬似乱数系列発生器(乙)

Claims (68)

  1. デジタル情報コンテンツに電子透かし情報を埋め込む方法において、
    デジタル情報コンテンツと、電子透かし情報を入力し、
    該デジタル情報コンテンツを部分データに細分化し、
    該部分データの周波数成分値を求め、
    該部分データの複雑度を求め、
    該複雑度及び前記電子透かし情報とから電子透かし埋め込み量子化幅を用いて該周波数成分値の変更量を求め、その変更量だけ周波数成分値を変更することにより電子透かし情報を埋め込み、
    電子透かし情報を埋め込んだデジタル情報コンテンツを出力することを特徴とする電子透かし情報埋め込み方法。
  2. 前記部分データの複雑度は、
    前記部分データをウェーブレット変換し、ウェーブレット変換係数の高周波成分値が閾値を超えた個数に基づき求めることを特徴とする請求項1記載の電子透かし情報埋め込み方法。
  3. デジタル情報コンテンツに電子透かし情報を埋め込む方法において、
    デジタル情報コンテンツと、電子透かし情報とを入力し、
    前記デジタル情報コンテンツを部分データに細分化し、
    該部分データの周波数成分値を求め、
    該デジタル情報コンテンツの編集方法に応じて予め計算した周波数成分毎の電子透かし埋め込み量子化幅を用いて、前記電子透かし情報から前記周波数成分値の変更量を計算し、
    その変更量だけ周波数成分値を変更することにより電子透かし情報を埋め込み、 電子透かし情報を埋め込んだデジタル情報コンテンツを出力することを特徴とする電子透かし情報埋め込み方法。
  4. 前記量子化幅は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値を周波数成分毎に求め、
    その差分値の分布の標準偏差を計算し、該標準偏差に透かし埋め込み強度をかけることにより求める請求項3に記載の電子透かし情報埋め込み方法。
  5. デジタル情報コンテンツから、埋め込まれた電子透かし情報を読み取る方法において、
    透かし入りのデジタル情報コンテンツを入力し、
    該透かし入りのデジタル情報コンテンツを部分データに細分化し、
    該部分データの周波数成分値を求め、
    デジタル情報コンテンツの編集方法に応じて予め計算した周波数成分毎の電子透かし埋め込み量子化幅を用いて、該周波数成分値から電子透かし情報を求め、
    該電子透かし情報を出力することを特徴とする電子透かし情報読み取り方法。
  6. 前記量子化幅は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値を周波数成分毎に求め、
    その差分値の分布の標準偏差を計算し、これに透かし埋め込み強度をかけることにより求める請求項5に記載の電子透かし情報読み取り方法。
  7. デジタル情報コンテンツに電子透かし情報を埋め込む装置において、
    デジタル情報コンテンツと、電子透かし情報を入力する手段と、
    該デジタル情報コンテンツを部分データに細分化する手段と、
    該部分データの周波数成分値を求める手段と、
    該部分データの複雑度を求める手段と、
    該複雑度及び前記電子透かし情報とから電子透かし埋め込み量子化幅を用いて該周波数成分値の変更量を求め、その変更量だけ周波数成分値を変更することにより電子透かし情報を埋め込む手段と、
    電子透かし情報を埋め込んだデジタル情報コンテンツを出力する手段を有することを特徴とする電子透かし情報埋め込み装置。
  8. 前記部分データの複雑度は、
    前記部分データをウェーブレット変換し、ウェーブレット変換係数の高周波成分値が閾値を超えた個数に基づき求めることを特徴とする請求項7記載の電子透かし情報埋め込み装置。
  9. デジタル情報コンテンツに電子透かし情報を埋め込む装置において、
    デジタル情報コンテンツと、電子透かし情報を入力する手段と、
    前記デジタル情報コンテンツを部分データに細分化する手段と、
    該部分データの周波数成分値を求める手段と、
    該デジタル情報コンテンツの編集方法に応じて予め計算した周波数成分毎の電子透かし埋め込み量子化幅を用いて、前記電子透かし情報から前記周波数成分値の変更量を計算する手段と、
    その変更量だけ周波数成分値を変更することにより電子透かし情報を埋め込む手段と、
    電子透かし情報を埋め込んだデジタル情報コンテンツを出力する手段を有することを特徴とする電子透かし情報埋め込み装置。
  10. 前記量子化幅は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値を周波数成分毎に求め、
    その差分値の分布の標準偏差を計算し、該標準偏差に透かし埋め込み強度をかけることにより求める請求項9に記載の電子透かし情報埋め込み装置。
  11. デジタル情報コンテンツから、埋め込まれた電子透かし情報を読み取る装置において、
    透かし入りのデジタル情報コンテンツを入力する手段と、
    該透かし入りのデジタル情報コンテンツを部分データに細分化する手段と、
    該部分データの周波数成分値を求める手段と、
    デジタル情報コンテンツの編集方法に応じて予め計算した周波数成分毎の電子透かし埋め込み量子化幅を用いて、該周波数成分値から電子透かし情報を求める手段と、
    該電子透かし情報を出力する手段を有することを特徴とする電子透かし情報読み取り装置。
  12. 前記量子化幅は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値を周波数成分毎に求め、
    その差分値の分布の標準偏差を計算し、これに透かし埋め込み強度をかけることにより求める請求項11に記載の電子透かし情報読み取り装置。
  13. デジタル情報コンテンツに電子透かし情報を埋め込む集積回路において、
    デジタル情報コンテンツと、電子透かし情報を入力する手段と、
    該デジタル情報コンテンツを部分データに細分化する手段と、
    該部分データの周波数成分値を求める手段と、
    該部分データの複雑度を求める手段と、
    該複雑度及び前記電子透かし情報とから電子透かし埋め込み量子化幅を用いて該周波数成分値の変更量を求め、その変更量だけ周波数成分値を変更することにより電子透かし情報を埋め込む手段と、
    電子透かし情報を埋め込んだデジタル情報コンテンツを出力する手段を有することを特徴とする集積回路。
  14. 前記部分データの複雑度は、
    前記部分データをウェーブレット変換し、ウェーブレット変換係数の高周波成分値が閾値を超えた個数に基づき求めることを特徴とする請求項13記載の集積回路。
  15. デジタル情報コンテンツに電子透かし情報を埋め込む集積回路において、
    デジタル情報コンテンツと、電子透かし情報を入力する手段と、
    前記デジタル情報コンテンツを部分データに細分化する手段と、
    該部分データの周波数成分値を求める手段と、
    該デジタル情報コンテンツの編集方法に応じて予め計算した周波数成分毎の電子透かし埋め込み量子化幅を用いて、前記電子透かし情報から前記周波数成分値の変更量を計算する手段と、
    その変更量だけ周波数成分値を変更することにより電子透かし情報を埋め込む手段と、
    電子透かし情報を埋め込んだデジタル情報コンテンツを出力する手段を有することを特徴とする集積回路。
  16. 前記量子化幅は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値を周波数成分毎に求め、
    その差分値の分布の標準偏差を計算し、該標準偏差に透かし埋め込み強度をかけることにより求める請求項15に記載の集積回路。
  17. デジタル情報コンテンツから、埋め込まれた電子透かし情報を読み取る集積回路において、
    透かし入りのデジタル情報コンテンツを入力する手段と、
    該透かし入りのデジタル情報コンテンツを部分データに細分化する手段と、
    該部分データの周波数成分値を求める手段と、
    デジタル情報コンテンツの編集方法に応じて予め計算した周波数成分毎の電子透かし埋め込み量子化幅を用いて、該周波数成分値から電子透かし情報を求める手段と、
    該電子透かし情報を出力する手段を有することを特徴とする集積回路。
  18. 前記量子化幅は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値を周波数成分毎に求め、
    その差分値の分布の標準偏差を計算し、これに透かし埋め込み強度をかけることにより求める請求項17に記載の集積回路。
  19. デジタル情報コンテンツに電子透かし情報を埋め込むプログラムを格納した記録媒体において、
    デジタル情報コンテンツと、電子透かし情報を入力する手順と、
    該デジタル情報コンテンツを部分データに細分化する手順と、
    該部分データの周波数成分値を求める手順と、
    該部分データの複雑度を求める手順と、
    該複雑度及び前記電子透かし情報とから電子透かし埋め込み量子化幅を用いて該周波数成分値の変更量を求め、その変更量だけ周波数成分値を変更することにより電子透かし情報を埋め込む手順と、
    電子透かし情報を埋め込んだデジタル情報コンテンツを出力する手順をコンピュータに実行させる電子透かし情報埋め込みプログラムを記録した記録媒体。
  20. 前記部分データの複雑度は、
    前記部分データをウェーブレット変換し、ウェーブレット変換係数の高周波成分値が閾値を超えた個数に基づき求めることを特徴とする請求項19記載の電子透かし情報埋め込みプログラムを記録した記録媒体。
  21. デジタル情報コンテンツに電子透かし情報を埋め込むプログラムを記録した記録媒体において、
    デジタル情報コンテンツと、電子透かし情報を入力する手順と、
    前記デジタル情報コンテンツを部分データに細分化する手順と、
    該部分データの周波数成分値を求める手順と、
    該デジタル情報コンテンツの編集方法に応じて予め計算した周波数成分毎の電子透かし埋め込み量子化幅を用いて、前記電子透かし情報から前記周波数成分値の変更量を計算する手順と、
    その変更量だけ周波数成分値を変更することにより電子透かし情報を埋め込む手順と、
    電子透かし情報を埋め込んだデジタル情報コンテンツを出力する手順をコンピュータに実行させる電子透かし情報埋め込みプログラムを記録した記録媒体。
  22. 前記量子化幅は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値を周波数成分毎に求め、
    その差分値の分布の標準偏差を計算し、該標準偏差に透かし埋め込み強度をかけることにより求める請求項21に記載の電子透かし情報埋め込みプログラムを記録した記録媒体。
  23. デジタル情報コンテンツから、埋め込まれた電子透かし情報を読み取るプログラムを記録した記録媒体において、
    透かし入りのデジタル情報コンテンツを入力する手順と、
    該透かし入りのデジタル情報コンテンツを部分データに細分化する手順と、
    該部分データの周波数成分値を求める手順と、
    デジタル情報コンテンツの編集方法に応じて予め計算した周波数成分毎の電子透かし埋め込み量子化幅を用いて、該周波数成分値から電子透かし情報を求める手順と、
    該電子透かし情報を出力する手順をコンピュータに実行させる電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体。
  24. 前記量子化幅は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分 データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値を周波数成分毎に求め、
    その差分値の分布の標準偏差を計算し、これに透かし埋め込み強度をかけることにより求める請求項23に記載の電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体。
  25. デジタル情報コンテンツに埋め込まれた電子透かし情報を読み取る方法において、
    透かし入りのデジタル情報コンテンツを入力し、
    前記透かし入りのデジタル情報コンテンツからビット系列を読み出し、
    統計学における二項分布に基づく検定方法を用いて、該ビット系列のビット1又0の出現確率を計算し、
    該出現確率に応じて電子透かし情報の有無を決定し、前記ビット系列から電子透かし情報を再構成し、
    該電子透かし情報を出力することを特徴とする電子透かし情報読み取り方法。
  26. 読み取られた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを定め、
    デジタル情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数からそのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求め、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出し、
    その読み出した電子透かし系列に含まれるビット1又は0のビット数kを計算し、
    ビット数kについて二項分布関数F(x)を用いてF(k)を計算し、
    F(k)>αであればi番目の電子透かし情報wを1又は0に再構成し、
    1−F(k)>αであればi番目の電子透かし情報wを0又は1に再構成し、 F(k)>αでも、1−F(k)>αでもなければ電子透かし無しもしくは不明と判定する過程を有することを特徴とする請求項25記載の電子透かし情報読み取り方法。
  27. 再構成した電子透かし情報wが1であればF(k)をその信頼度として出力し、
    再構成した電子透かし情報wが0であれば1−F(k)をその信頼度として出力することを特徴とする請求項26記載の電子透かし情報読み取り方法。
  28. 読み取られた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを定め、
    デジタル情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数tから、そのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求め、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出し、
    二項分布関数F(x)を用いて、該電子透かし系列が電子透かし情報であるかを表す確率が閾値αを超えているか否かを調べ、
    超えている場合は、前記電子透かし系列に対して多数決処理を用いて電子透かし情報を再構成し、
    超えていない場合は、電子透かし無しもしくは不明と判定する過程を有することを特徴とする請求項25記載の電子透かし情報読み取り方法。
  29. 前記再構成した電子透かし情報の信頼度として、前記確率を出力することを特徴とする請求項28記載の電子透かし情報読み取り方法。
  30. 前記電子透かし情報として埋め込まれた情報系列が擬似乱数系列により変調されたものである場合には、
    読み出した前記ビット系列を該擬似乱数系列により復調し、
    その復調したビット系列から電子透かし情報を再構成することを特徴とする請求項25に記載の電子透かし情報読み取り方法。
  31. 前記電子透かし情報として埋め込まれた情報系列が、疑似乱数系列により変調されたものである場合において、
    読み出した電子透かし情報の信頼度のしきい値αを定め、
    情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数tから、そのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求め、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出し、
    前記疑似乱数系列で、該電子透かし系列を復調し、出現確率qを1/2とし、0≦F(x=x)≦1−αを満たす最大の値xとα≦F(x=x)≦1を満たす最小の値xを求め、
    i番目に相当する前記電子透かし系列に含まれるビット1又は0の数kを求め、
    ≦xであればi番目の電子透かし情報wを0又は1に、k≧xであれば電子透かし情報wを1又は0に再構成することを特徴とする請求項25記載の電子透かし情報読み取り方法。
  32. 前記電子透かし情報として埋め込まれた情報系列が、疑似乱数系列により変調されたものである場合において、
    読み出した電子透かし情報の信頼度のしきい値αを定め、
    デジタル情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数tから、そのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求め、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出し、
    前記疑似乱数系列で、該電子透かし系列を復調し、出現確率qを1/2とし、0≦F(x=x)≦1−α又はα≦F(x=x)≦1を満たすx又はxを求め、
    前記電子透かし系列に含まれるビット0又は1の個数と、二項分布の中心値q×tの差分の絶対値の平均値がx以下又はx以上であるかどうかを判定し、
    以下又はx以上であれば、前記電子透かし系列を多数決処理して電子透かし情報を再構成し、
    以下又はx以上でなければ電子透かし無しもしくは不明と判定する過程を有することを特徴とする請求項25記載の電子透かし情報読み取り方法。
  33. 電子透かし情報を再構成する過程において、前記電子透かし系列に含まれるビット0又は1の個数と、二項分布の中心値q×tの差分の絶対値の平均値zに対して上記二項分布関数の値F(z)を計算し、
    この計算による結果を、電子透かし情報の信頼度として出力することを特徴とする請求項32記載の電子透かし情報読み取り方法。
  34. デジタル情報コンテンツに埋め込まれた電子透かし情報を読み取る装置において、
    透かし入りのデジタル情報コンテンツを入力する手段と、
    前記透かし入りのデジタル情報コンテンツからビット系列を読み出す手段と、統計学における二項分布に基づく検定方法を用いて、該ビット系列のビット1又0の出現確率を計算する手段と、
    該出現確率に応じて電子透かし情報の有無を決定し、前記ビット系列から電子透かし情報を再構成する手段と、
    該電子透かし情報を出力する手段を有することを特徴とする電子透かし情報読み取り装置。
  35. 前記電子透かし情報読み取り装置は、
    デジタル情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数からそのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求める手段と、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出す手段と、
    その読み出した電子透かし系列に含まれるビット1又は0のビット数kを計算する手段と、
    ビット数kについて二項分布関数F(x)を用いてF(k)を計算する手段と、
    前記予め定められた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを用いて、
    F(k)>αであればi番目の電子透かし情報wを1又は0に再構成し、
    1−F(k)>αであればi番目の電子透かし情報wを0又は1に再構成し、 F(k)>αでも、1−F(k)>αでもなければ電子透かし無しもしくは不明と判定する手段を有することを特徴とする請求項34記載の電子透かし情報読み取り装置。
  36. 前記電子透かし情報読み取り装置は、
    再構成した電子透かし情報wが1であればF(k)をその信頼度として出力する手段と、
    再構成した電子透かし情報wが0であれば1−F(k)をその信頼度として出力する手段を有することを特徴とする請求項35記載の電子透かし情報読み取り装置。
  37. 前記電子透かし情報読み取り装置は、
    デジタル情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数tから、そのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求める手段と、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出す手段と、
    二項分布関数F(x)を用いて、該電子透かし系列が電子透かし情報であるかを表す確率が予め定められた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを超えているか否かを調べる手段と、
    超えている場合は、前記電子透かし系列に対して多数決処理を用いて電子透かし情報を再構成し、超えていない場合は、電子透かし無しもしくは不明と判定する手段を有することを特徴とする請求項34記載の電子透かし情報読み取り装置。
  38. 前記再構成した電子透かし情報の信頼度として、前記確率を出力することを特徴とする請求項37記載の電子透かし情報読み取り装置。
  39. 前記電子透かし情報読み取り装置は、
    前記電子透かし情報として埋め込まれた情報系列が擬似乱数系列により変調されたものである場合には、読み出した前記ビット系列を該擬似乱数系列により復調する手段と、
    その復調したビット系列から電子透かし情報を再構成する手段を有することを特徴とする請求項34に記載の電子透かし情報読み取り装置。
  40. 前記電子透かし情報読み取り装置は、
    情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数tから、そのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求める手段と、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出す手段と、
    前記電子透かし情報として埋め込まれた情報系列が、疑似乱数系列により変調されたものである場合に、前記疑似乱数系列で、該電子透かし系列を復調する手段と、
    出現確率qを1/2とし、予め定められた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを用いて、
    0≦F(x=x)≦1−αを満たす最大の値xとα≦F(x=x)≦1を満たす最小の値xを求める手段と、
    i番目に相当する前記電子透かし系列に含まれるビット1又は0の数kを求める手段と、
    ≦xであればi番目の電子透かし情報wを0又は1に、k≧xであれば電子透かし情報wを1又は0に再構成する手段を有することを特徴とする請求項34記載の電子透かし情報読み取り装置。
  41. 前記電子透かし情報読み取り装置は、
    デジタル情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数tから、そのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求める手段と、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出す手段と、
    前記電子透かし情報として埋め込まれた情報系列が、疑似乱数系列により変調されたものである場合に、前記疑似乱数系列で、該電子透かし系列を復調する手段と、
    出現確率qを1/2とし、予め定められた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを用いて、
    0≦F(x=x)≦1−α又はα≦F(x=x)≦1を満たすx又はxを求める手段と、
    前記電子透かし系列に含まれるビット0又は1の個数と、二項分布の中心値q×tの差分の絶対値の平均値がx以下又はx以上であるかどうかを判定する手段と、
    以下又はx以上であれば、前記電子透かし系列を多数決処理して電子透かし情報を再構成し、x以下又はx以上でなければ電子透かし無しもしくは不明と判定する手段を有することを特徴とする請求項34記載の電子透かし情報読み取り装置。
  42. 前記電子透かし情報読み取り装置は、
    前記電子透かし系列に含まれるビット0又は1の個数と、二項分布の中心値q×tの差分の絶対値の平均値zに対して上記二項分布関数の値F(z)を計算する手段と、
    この計算による結果を、電子透かし情報の信頼度として出力する手段を有することを特徴とする請求項41記載の電子透かし情報読み取り装置。
  43. デジタル情報コンテンツに埋め込まれた電子透かし情報を読み取る集積回路において、
    透かし入りのデジタル情報コンテンツを入力する手段と、
    前記透かし入りのデジタル情報コンテンツからビット系列を読み出す手段と、統計学における二項分布に基づく検定方法を用いて、該ビット系列のビット1又0の出現確率を計算する手段と、
    該出現確率に応じて電子透かし情報の有無を決定し、前記ビット系列から電子透かし情報を再構成する手段と、
    該電子透かし情報を出力する手段を有することを特徴とする集積回路。
  44. 前記集積回路は、
    デジタル情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数からそのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求める手段と、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出す手段と、
    その読み出した電子透かし系列に含まれるビット1又は0のビット数kを計算する手段と、
    ビット数kについて二項分布関数F(x)を用いてF(k)を計算する手段と、
    前記予め定められた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを用いて、
    F(k)>αであればi番目の電子透かし情報wを1又は0に再構成し、
    1−F(k)>αであればi番目の電子透かし情報wを0又は1に再構成し、
    F(k)>αでも、1−F(k)>αでもなければ電子透かし無しもしくは不明と判定する手段を有することを特徴とする請求項43記載の集積回路。
  45. 前記集積回路は、
    再構成した電子透かし情報wが1であればF(k)をその信頼度として出力する手段と、
    再構成した電子透かし情報wが0であれば1−F(k)をその信頼度として出力する手段を有することを特徴とする請求項44記載の集積回路。
  46. 前記集積回路は、
    デジタル情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数tから、そのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求める手段と、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出す手段と、
    二項分布関数F(x)を用いて、該電子透かし系列が電子透かし情報であるかを表す確率が予め定められた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを超えているか否かを調べる手段と、
    超えている場合は、前記電子透かし系列に対して多数決処理を用いて電子透かし情報を再構成し、超えていない場合は、電子透かし無しもしくは不明と判定する手段を有することを特徴とする請求項43記載の集積回路。
  47. 前記再構成した電子透かし情報の信頼度として、前記確率を出力することを特徴とする請求項46記載の集積回路。
  48. 前記集積回路は、
    前記電子透かし情報として埋め込まれた情報系列が擬似乱数系列により変調されたものである場合には、読み出した前記ビット系列を該擬似乱数系列により復調する手段と、
    その復調したビット系列から電子透かし情報を再構成する手段を有することを特徴とする請求項43に記載の集積回路。
  49. 前記集積回路は、
    情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数tから、そのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求める手段と、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出す手段と、
    前記電子透かし情報として埋め込まれた情報系列が、疑似乱数系列により変調されたものである場合に、前記疑似乱数系列で、該電子透かし系列を復調する手段と、
    出現確率qを1/2とし、予め定められた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを用いて、
    0≦F(x=x)≦1−αを満たす最大の値xとα≦F(x=x)≦1を満たす最小の値xを求める手段と、
    i番目に相当する前記電子透かし系列に含まれるビット1又は0の数kを求める手段と、
    ≦xであればi番目の電子透かし情報wを0又は1に、k≧xであれば電子透かし情報wを1又は0に再構成する手段を有することを特徴とする請求項43記載の集積回路。
  50. 前記集積回路は、
    デジタル情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数tから、そのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求 める手段と、デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出す手段と、
    前記電子透かし情報として埋め込まれた情報系列が、疑似乱数系列により変調されたものである場合に、前記疑似乱数系列で、該電子透かし系列を復調する手段と、
    出現確率qを1/2とし、予め定められた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを用いて、
    0≦F(x=x)≦1−α又はα≦F(x=x)≦1を満たすx又はxを求める手段と、
    前記電子透かし系列に含まれるビット0又は1の個数と、二項分布の中心値q×tの差分の絶対値の平均値がx以下又はx以上であるかどうかを判定する手段と、
    以下又はx以上であれば、前記電子透かし系列を多数決処理して電子透かし情報を再構成し、x以下又はx以上でなければ電子透かし無しもしくは不明と判定する手段を有することを特徴とする請求項43記載の集積回路。
  51. 前記集積回路は、
    前記電子透かし系列に含まれるビット0又は1の個数と、二項分布の中心値q×tの差分の絶対値の平均値zに対して上記二項分布関数の値F(z)を計算する手段と、
    この計算による結果を、電子透かし情報の信頼度として出力する手段を有することを特徴とする請求項50記載の集積回路。
  52. デジタル情報コンテンツに埋め込まれた電子透かし情報を読み取るプログラムを記録した記録媒体において、
    透かし入りのデジタル情報コンテンツを入力する手順と、
    前記透かし入りのデジタル情報コンテンツからビット系列を読み出す手順と、
    統計学における二項分布に基づく検定方法を用いて、該ビット系列のビット1又0の出現確率を計算する手順と、
    該出現確率に応じて電子透かし情報の有無を決定し、前記ビット系列から電子透かし情報を再構成する手順と、
    該電子透かし情報を出力する手順をコンピュータに実行させる電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体。
  53. 前記電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体において、
    デジタル情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数からそのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求める手順と、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出す手順と、
    その読み出した電子透かし系列に含まれるビット1又は0のビット数kを計算する手順と、
    ビット数kについて二項分布関数F(x)を用いてF(k)を計算する手順と、
    前記予め定められた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを用いて、
    F(k)>αであればi番目の電子透かし情報wを1又は0に再構成し、
    1−F(k)>αであればi番目の電子透かし情報wを0又は1に再構成し、
    F(k)>αでも、1−F(k)>αでもなければ電子透かし無しもしくは不明と判定する手順をコンピュータに実行させる請求項52記載の電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体。
  54. 前記電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体において、
    再構成した電子透かし情報wが1であればF(k)をその信頼度として出力する手順と、
    再構成した電子透かし情報wが0であれば1−F(k)をその信頼度として出力する手順をコンピュータに実行させる請求項53記載の電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体。
  55. 前記電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体において、
    デジタル情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数tから、そのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求める手順と、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出す手順と、
    二項分布関数F(x)を用いて、該電子透かし系列が電子透かし情報であるかを表す確率が予め定められた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを超えているか否かを調べる手順と、
    超えている場合は、前記電子透かし系列に対して多数決処理を用いて電子透かし情報を再構成し、超えていない場合は、電子透かし無しもしくは不明と判定する手順をコンピュータに実行させる請求項52記載の電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体。
  56. 前記再構成した電子透かし情報の信頼度として、前記確率を出力する手順をコンピュータに実行させる請求項55記載の電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体。
  57. 前記電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体において、
    前記電子透かし情報として埋め込まれた情報系列が擬似乱数系列により変調されたものである場合には、読み出した前記ビット系列を該擬似乱数系列により復調する手順と、
    その復調したビット系列から電子透かし情報を再構成する手順をコンピュータに実行させる請求項52に記載の電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体。
  58. 前記電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体において、
    情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数tから、そのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求める手順と、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出す手順と、
    前記電子透かし情報として埋め込まれた情報系列が、疑似乱数系列により変調されたものである場合に、前記疑似乱数系列で、該電子透かし系列を復調する手順と、
    出現確率qを1/2とし、予め定められた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを用いて、
    0≦F(x=x)≦1−αを満たす最大の値xとα≦F(x=x)≦1を満たす最小の値xを求める手順と、
    i番目に相当する前記電子透かし系列に含まれるビット1又は0の数kを求める手順と、
    ≦xであればi番目の電子透かし情報wを0又は1に、k≧xであれば電子透かし情報wを1又は0に再構成する手順をコンピュータに実行させる請求項52記載の電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体。
  59. 前記電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体において、
    デジタル情報コンテンツから任意に読み出した1ビット系列のビット1又は0の出現確率qと電子透かしの各ビットの繰り返し回数tから、そのビット系列に1又は0がx個含まれる確率を表わす二項分布関数F(x)を求める手順と、
    デジタル情報コンテンツの透かし埋め込み対象領域から電子透かし情報のi番目のビットの電子透かし系列を読み出す手順と、
    前記電子透かし情報として埋め込まれた情報系列が、疑似乱数系列により変調されたものである場合に、前記疑似乱数系列で、該電子透かし系列を復調する手順と、
    出現確率qを1/2とし、予め定められた電子透かし情報の信頼度のしきい値αを用いて、
    0≦F(x=x)≦1−α又はα≦F(x=x)≦1を満たすx又はxを求める手順と、
    前記電子透かし系列に含まれるビット0又は1の個数と、二項分布の中心値q×tの差分の絶対値の平均値がx以下又はx以上であるかどうかを判定する手順と、
    以下又はx以上であれば、前記電子透かし系列を多数決処理して電子透かし情報を再構成し、x以下又はx以上でなければ電子透かし無しもしくは不明と判定する手順をコンピュータに実行させる請求項52記載の電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体。
  60. 前記電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体において、前記電子透かし系列に含まれるビット0又は1の個数と、二項分布の中心値q×tの差分の絶対値の平均値zに対して上記二項分布関数の値F(z)を計算する手順と、
    この計算による結果を、電子透かし情報の信頼度として出力する手順をコンピュータに実行させる請求項59記載の電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体。
  61. 電子透かし情報の各ビットが複数回埋め込まれたディジタル情報コンテンツから電子透かし情報を読み取る電子透かし情報読み取り方法において、
    電子透かし入りデジタル情報コンテンツを入力し、
    該デジタル情報コンテンツから電子透かし系列を読み取り、
    重み関数を用いて該電子透かし系列に重み付けをすることにより符号理論における軟判定を行い、
    重み付けされた該電子透かし系列から、電子透かし情報を再構成し、
    該電子透かし情報を出力する電子透かし情報読み取り方法であって、
    前記重み関数は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値の分布を求め、その分布を近似した分布関数であり、
    その分布関数のとる値に従って前記電子透かし系列への重み付けを行うことを特徴とする電子透かし情報読み取り方法。
  62. 電子透かし情報の各ビットが複数回埋め込まれたディジタル情報コンテンツから電子透かし情報を読み取る電子透かし情報読み取り方法において、
    電子透かし入りデジタル情報コンテンツを入力し、
    該デジタル情報コンテンツから電子透かし系列を読み取り、
    重み関数を用いて該電子透かし系列に重み付けをすることにより符号理論における軟判定を行い、
    重み付けされた該電子透かし系列から、電子透かし情報を再構成し、
    該電子透かし情報を出力する電子透かし情報読み取り方法であって、
    前記重み関数は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分 データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値の分布が理論的に既知てある場合に、その理論に基づき予測した分布関数であり、
    その分布関数のとる値に従って前記電子透かし系列への重み付けを行うことを特徴とする電子透かし情報読み取り方法。
  63. 電子透かし情報の各ビットが複数回埋め込まれたディジタル情報コンテンツから電子透かし情報を読み取る電子透かし情報読み取り装置において、
    電子透かし入りデジタル情報コンテンツを入力する手段と、
    該デジタル情報コンテンツから電子透かし系列を読み取る手段と、
    重み関数を用いて該電子透かし系列に重み付けをすることにより符号理論における軟判定を行う手段と、
    重み付けされた該電子透かし系列から、電子透かし情報を再構成する手段と、
    該電子透かし情報を出力する手段を有し、
    前記重み関数は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値の分布を求め、その分布を近似した分布関数であり、
    前記重み付けを行う手段はその分布関数のとる値に従って前記電子透かし系列への重み付けを行うことを特徴とする電子透かし情報読み取り装置。
  64. 電子透かし情報の各ビットが複数回埋め込まれたディジタル情報コンテンツから電子透かし情報を読み取る電子透かし情報読み取り装置において、
    電子透かし入りデジタル情報コンテンツを入力する手段と、
    該デジタル情報コンテンツから電子透かし系列を読み取る手段と、
    重み関数を用いて該電子透かし系列に重み付けをすることにより符号理論における軟判定を行う手段と、
    重み付けされた該電子透かし系列から、電子透かし情報を再構成する手段と、
    該電子透かし情報を出力する手段を有し、
    前記重み関数は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値の分布が理論的に既知てある場合に、その理論に基づき予測した分布関数であり、
    前記重み付けを行う手段はその分布関数のとる値に従って前記電子透かし系列への重み付けを行うことを特徴とする電子透かし情報読み取り装置。
  65. 電子透かし情報の各ビットが複数回埋め込まれたディジタル情報コンテンツから電子透かし情報を読み取る電子透かし情報読み取り集積回路において、
    電子透かし入りデジタル情報コンテンツを入力する手段と、
    該デジタル情報コンテンツから電子透かし系列を読み取る手段と、
    重み関数を用いて該電子透かし系列に重み付けをすることにより符号理論における軟判定を行う手段と、
    重み付けされた該電子透かし系列から、電子透かし情報を再構成する手段と、
    該電子透かし情報を出力する手段を有し
    前記重み関数は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値の分布を求め、その分布を近似した分布関数であり、
    前記重み付けを行う手段はその分布関数のとる値に従って前記電子透かし系列への重み付けを行うことを特徴とする集積回路。
  66. 電子透かし情報の各ビットが複数回埋め込まれたディジタル情報コンテンツから電子透かし情報を読み取る電子透かし情報読み取り集積回路において、
    電子透かし入りデジタル情報コンテンツを入力する手段と、
    該デジタル情報コンテンツから電子透かし系列を読み取る手段と、
    重み関数を用いて該電子透かし系列に重み付けをすることにより符号理論における軟判定を行う手段と、
    重み付けされた該電子透かし系列から、電子透かし情報を再構成する手段と、
    該電子透かし情報を出力する手段を有し、
    前記重み関数は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値の分布が理論的に既知てある場合に、その理論に基づき予測した分布関数であり、
    前記重み付けを行う手段はその分布関数のとる値に従って前記電子透かし系列への重み付けを行うことを特徴とする集積回路。
  67. 電子透かし情報の各ビットが複数回埋め込まれたディジタル情報コンテンツから電子透かし情報を読み取る電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体において、
    電子透かし入りデジタル情報コンテンツを入力する手順と、
    該デジタル情報コンテンツから電子透かし系列を読み取る手順と、
    重み関数を用いて該電子透かし系列に重み付けをすることにより符号理論における軟判定を行う手順と、
    重み付けされた該電子透かし系列から、電子透かし情報を再構成する手順と、
    該電子透かし情報を出力する手順をコンピュータに実行させる電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体であって、
    前記重み関数は、
    第1のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第1の部分データを求め、
    所定の編集方法を用いて該第1のデジタル情報コンテンツを編集した後の第2のデジタル情報コンテンツを細分化してひとつまたは複数の第2の部分データを求め、
    直交変換を用いて前記第1の部分データ及び第2の部分データをそれぞれ第1の周波数成分及び第2の周波数成分に変換し、
    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値の分布を求め、その分布を近似した分布関数であり、
    前記重み付けを行う手順はその分布関数のとる値に従って前記電子透かし系列への重み付けを行う手順を有することを特徴とする電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体。
  68. 電子透かし情報の各ビットが複数回埋め込まれたディジタル情報コンテンツから電子透かし情報を読み取る電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体において、
    電子透かし入りデジタル情報コンテンツを入力する手順と、
    該デジタル情報コンテンツから電子透かし系列を読み取る手順と、
    重み関数を用いて該電子透かし系列に重み付けをすることにより符号理論における軟判定を行う手順と、
    重み付けされた該電子透かし系列から、電子透かし情報を再構成する手順と、
    該電子透かし情報を出力する手順をコンピュータに実行させる電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体であって、
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    該第1の周波数成分と該第2の周波数成分の値の差分値の分布が理論的に既知てある場合に、その理論に基づき予測した分布関数であり、
    前記重み付けを行う手順はその分布関数のとる値に従って前記電子透かし系列への重み付けを行う手順を有することを特徴とする電子透かし情報読み取りプログラムを記録した記録媒体。
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