JP3588874B2 - 抵抗溶接制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークに加圧力を加えながら溶接電流を流すことによりワークを溶接する抵抗溶接制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加圧力、溶接電流及び通電時間を固定して行う従来からの一般的な抵抗溶接方法によると、電極の表面状態、ワークの表面状態等の変動により安定した良好な溶接品質もしくは溶接強度を得ることが難しい。
【0003】
そこで、最近では、溶接時に発生するワークの熱膨張量を移動側電極に取り付けた変位センサにて計測し、電極変位量が予め設定した変位量に到達した時点で通電を停止させる電極変位量制御が行われるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の抵抗溶接制御方法によると、通電時間の経過にしたがって電極変位量が増加するパターンには有効であるが、一般的には確実に所要のナゲット径が得られる溶接条件では図11に示すような最大値をもった電極変位量波形となる。
【0005】
また、図8に示すように、投入熱量が過大であったり加圧力が不足している場合などに溶接スパークが発生して通電途中で電極変位量が降下するパターンに対しても、電極変位量が変位量設定値に到達しなくなり、このため強制的に通電停止するまで溶接電流が流れるため(通電時間が長くなる)安定した良好な溶接品質もしくは溶接強度を得ることが難しい。
【0006】
また、従来方法によると、図9に示すように、通電停止のための変位量設定値は、溶接毎のばらつき等を考慮して、最適変位量(最適膨張量)よりも低い値に設定されているため、最適通電時間よりも短い時間で通電が停止され、このため、安定した良好な溶接品質もしくは溶接強度を確保できないという問題がある。そのため、図10に示すように、変位量が最適変位量の70〜80%(任意設定値)に到達した時点から一定時間(任意設定値)通電を継続させ、その後通電を停止する方法もあるが、この方法においても、電極の先端形状、ワーク表面状態、加圧力変動等によって最適変位量の70〜80%に到達した後の最適通電時間は変化するため、安定した良好な溶接品質もしくは溶接強度が得られない。なお、その他の従来例としては、特開平3−8585号公報、特開昭58−181488号公報、特開昭57−202988号公報などに記載されるものがある。
【0007】
本発明は、上記問題点にかんがみ、電極の変位量だけではなく、電極の最大変位量からの変位量降下値、最大変位量到達時点からの通電時間、最大変位量到達時点からの電極間抵抗の降下抵抗値なども安定した良好な溶接品質もしくは溶接強度を得るための重要な制御因子である点に着目し、これらの制御因子に基づいて抵抗溶接制御を行うことにより安定した良好な溶接品質もしくは溶接強度を得ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によると、溶接時に、移動側電極の変位量、降下変位量、通電時間及び降下抵抗値のうちの少なくとも1つが、▲1▼移動側電極の最適変位量を示す最適変位量設定値、▲2▼移動側電極の最大変位量からの降下変位量を示す第1の降下変位量設定値、▲3▼移動側電極の最大変位量到達時点からの通電時間を示す通電時間設定値、▲4▼移動側電極の最大変位量到達時点以降の計測サイクル毎の降下変位量を示す第2の降下変位量設定値、▲5▼移動側電極、固定側電極間の電極間抵抗値の降下抵抗値設定値であって、移動側電極の最大変位量到達時点での電極間抵抗値からの降下抵抗値を示す降下抵抗値設定値からなる5つの設定値のうちの対応する設定値に到達した時点で、直ちに移動側電極及び固定側電極への通電を停止するようにしたため、安定した良好な溶接品質もしくは溶接強度を得ることが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、一実施形態である抵抗溶接制御方法を実施するためのシステム構成図を示す。
【0011】
図1において、加圧装置1によって昇降可能な移動側電極2は、固定側電極3と対向配置され、移動側電極2と固定側電極3との間に配置されたワーク4を加圧しながら電源回路5によって移動側電極2、固定側電極3間に溶接電流を流すことによってワーク4を溶接する。この溶接時、移動側電極2の移動に従って移動する可動部材6によって作動するリニアゲージなどの変位量センサ7から制御回路8に変位量信号が入力されるとともに、電流センサ9から制御回路8に移動側電極2、固定側電極3間に流れる溶接電流を示す電流信号が入力され、また、移動側電極2、固定側電極3間の電圧を示す電圧信号が制御回路8に入力される。
【0012】
制御回路8は、変位量信号に基づいて変位量(l)を計測する変位量計測回路81と、電流信号に基づいて電流(i)を計測する電流計測回路82と、電圧信号に基づいて電圧(V)を計測する電圧計測回路83とを備える。各計測回路81〜83の出力側には、計測された変位量(l)、電流(i)及び電圧(V)に基づいて、▲1▼移動側電極2の最大変位量からの降下変位量(Δl)、▲2▼移動側電極2の最大変位量到達時点からの通電時間(Δt)、▲3▼移動側電極2の最大変位量到達時点以降の計測サイクル毎の降下変位量(Δlt )、▲4▼移動側電極2、固定側電極3間の電極間抵抗値の降下抵抗値(Δr)であって、移動側電極2の最大変位量到達時点での電極間抵抗値からの降下抵抗値(Δr)を演算する演算回路84が接続されている。さらに、制御回路8は、▲1▼移動側電極2の最適変位量を示す最適変位量設定値(L)(図2参照)、▲2▼移動側電極2の最大変位量からの降下変位量を示す第1の降下変位量設定値(ΔL)(図2参照)、▲3▼移動側電極2の最大変位量到達時点からの通電時間を示す通電時間設定値(ΔT)(図2参照)、▲4▼移動側電極2の最大変位量到達時点以降の計測サイクル毎の降下変位量を示す第2の降下変位量設定値(ΔLT )(図2参照)、▲5▼移動側電極2、固定側電極3間の電極間抵抗値の降下抵抗値設定値(ΔR)であって、移動側電極2の最大変位量到達時点での電極間抵抗値からの降下抵抗値を示す降下抵抗値設定値(ΔR)(図2参照)からなる5つの設定値が設定された設定回路85を備える。演算回路84及び設定回路85の出力側には、変位量(l)と最適変位量設定値(L)、降下変位量(Δl)と第1の降下変位量設定値(ΔL)、通電時間(Δt)と通電時間設定値(ΔT)、降下変位量(Δlt )と第2の降下変位量設定値(ΔLT )、降下抵抗値(Δr)と降下抵抗値設定値(ΔR)をそれぞれ比較する比較回路86が接続されている。比較回路86の出力側には、比較回路86の出力に応じて電源回路5による供給電流を制御する電流制御回路87が接続されている。
【0013】
上記のように構成されたシステムにおいて、比較回路86は、▲1▼変位量(l)が最適変位量設定値(L)に到達した時点、▲2▼降下変位量(Δl)が第1の降下変位量設定値(ΔL)に到達した時点、▲3▼通電時間(Δt)が通電時間設定値(ΔT)に到達した時点、▲4▼降下変位量(Δlt )が第2の降下変位量設定値(ΔLT )に到達した時点、▲5▼降下抵抗値(Δr)が降下抵抗値設定値(ΔR)に到達した時点のうち最も早い時点で、電源回路5による通電を停止させるための指示信号を電流制御回路87に出力するよう動作する。
【0014】
このように、変位量(l)が最適変位量設定値(L)に到達した時点で通電を停止させることにより、最適変位量設定値(L)が従来の変位量設定値と比べ大きな値であるため、安定した良好な溶接品質もしくは溶接強度を得ることが可能になる。
【0015】
また、図3に示すようにナゲット径と降下変位量とには強い相関関係があることから、第1の降下変位量設定値(ΔL)を適正値に設定し、降下変位量(Δl)が第1の降下変位量設定値(ΔL)に到達した時点で通電を停止させることにより、安定した良好な溶接品質もしくは溶接強度を得ることが可能になる。
【0016】
また、溶接打点数が増加すると電極の先端径が大きくなり降下変位量(Δl)が小さく(傾きが緩やかに)なるため、降下変位量(Δl)による制御では通電時間が長くなり溶接スパッタ等の不良が発生するが、図4に示すように、ナゲット径と最大変位量到達時点(最大膨張時点)からの通電時間(Δt)とには強い相関関係があることから、通電時間設定値(ΔT)を適正値に設定し、通電時間(Δt)が通電時間設定値(ΔT)に到達した時点で通電を停止させることにより、安定した良好な溶接品質もしくは溶接強度を得ることが可能になる。
【0017】
また、降下変位量(Δlt )が第2の降下変位量設定値(ΔLT )に到達した時点で通電を停止させることにより、図5に示すように、溶接スパークの発生を最小限に抑え、電極の寿命を向上させることができる。
【0018】
また、図6に示すように、電極変位量が最大変位量に到達した時点はナゲット径が成長する開始点であり、また、図7に示すように、ナゲット径と最大変位量到達時点(最大膨張時点)からの降下抵抗値(Δr)とには強い相関関係があることから、降下抵抗値設定値(ΔR)を適正値に設定し、降下抵抗値(Δr)が降下抵抗値設定値(ΔR)に到達した時点で通電を停止させることにより、安定した良好な溶接品質もしくは溶接強度を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態である抵抗溶接制御方法を実施するためのシステムの概念的構成図
【図2】最適変位量設定値等を説明するための波形図
【図3】降下変位量とナゲット径との相関関係を示すグラフ
【図4】最大膨張後の通電時間とナゲット径との相関関係を示すグラフ
【図5】計測サイクル毎の降下変位量と通電停止との関係を示す波形図
【図6】通電時間に対するナゲット径、電極変位量の変化を示すグラフ
【図7】最大膨張後の降下抵抗値とナゲット径との相関関係を示すグラフ
【図8】従来の問題点を示す波形図
【図9】同じく従来の問題点を示す波形図
【図10】同じく従来の問題点を示す波形図
【図11】同じく従来の問題点を示す波形図
【符号の説明】
1 加圧装置
2 移動側電極
3 固定側電極
4 ワーク
5 電源回路
7 変位量センサ
8 制御回路
9 電流センサ
Claims (1)
- 予め、▲1▼移動側電極の最適変位量を示す最適変位量設定値、▲2▼移動側電極の最大変位量からの降下変位量を示す第1の降下変位量設定値、▲3▼移動側電極の最大変位量到達時点からの通電時間を示す通電時間設定値、▲4▼移動側電極の最大変位量到達時点以降の計測サイクル毎の降下変位量を示す第2の降下変位量設定値、▲5▼移動側電極、固定側電極間の電極間抵抗値の降下抵抗値設定値であって、移動側電極の最大変位量到達時点での電極間抵抗値からの降下抵抗値を示す降下抵抗値設定値を、それぞれ、通電停止条件のための設定値として設定しておき、
溶接時に、移動側電極の変位量、降下変位量、通電時間及び降下抵抗値を計測し、移動側電極の変位量、降下変位量、通電時間及び降下抵抗値のうちの少なくとも1つが、前記▲1▼〜▲5▼に示す対応する設定値に到達した時点で、直ちに移動側電極及び固定側電極への通電を停止する
ことを特徴とする抵抗溶接制御方法。
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JP25372395A JP3588874B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 抵抗溶接制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP25372395A JP3588874B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 抵抗溶接制御方法 |
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Family Applications (1)
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JP25372395A Expired - Lifetime JP3588874B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 抵抗溶接制御方法 |
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1995
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