JP3587585B2 - 写真測量装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ステレオ撮影した写真画像をもとに地形等の三次元形状の検出を行うのに好適な写真測量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステレオ撮影した写真画像をデジタル情報として記録し得るデジタルスチールカメラと、該デジタル情報を解析して三次元形状を解析することができるEWS(エンジニアリング・ワーク・ステーション)等の写真測量装置とにより、迅速かつ容易に測量対象物の立体形状を検出することができる写真測量が提案され実施されており、該写真測量を適用した地形等の測量が提案され実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来提案され実施されている写真測量では、写真画像中に撮影された対象についてのみ、その三次元形状が求められる。したがって、測量対象である地盤表面に樹木や重機等の障害物が存在している場合には、地盤表面のうち、これら障害物が位置している位置が死角となって写真画像中に撮影されないので、該死角となった位置の三次元形状が求められなかった。つまり、精密な測量が困難であった。
また、障害物が写真画像中に撮影されていることにより、測量結果には地盤表面の三次元形状だけでなく該障害物の三次元形状も含まれるので、測量結果には多くの誤差が含まれていた。つまり、正確な測量が困難であった。
本発明は上記事情に鑑み、樹木や重機等が存在している地盤表面の測量が、精密かつ正確に行われ得る写真測量装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち第一の発明は、三次元空間(SK)に存在する、測量対象(40)を含む被写体(41)を、該三次元空間(SK)の相異なる2つの位置(PT1、PT2)より撮影した第一、第二写真画像(SG1、SG2)に基づいて前記測量対象(40)の前記三次元空間(SK)における三次元形状(SS)を検出する写真測量装置(1)において、前記写真測量装置(1)は、前記第一、第二写真画像(SG1、SG2)を記憶し得る画像記憶部(11)を有し、前記画像記憶部(11)に記憶された第一、第二写真画像(SG1、SG2)間でマッチング動作を行って、これら両写真画像(SG1、SG2)間で互いに対応する点(MK、MT)の組を複数組検出するマッチング作業部(10)を設け、前記マッチング作業部(10)において検出された点(MK、MT)の組及び、該点(MK、MT)の組を構成する各点(MK、MT)の各写真画像(SG1、SG2)上の位置に基づいて、該点(MK、MT)の組に対応する前記被写体(41)内の三次元点(Pn)の、前記三次元空間(SK)における三次元位置(ZP)を検出する三次元位置検出部(14)を設け、前記三次元位置検出部(14)において検出された三次元点(Pn)の三次元位置(ZP)の標高成分(Zh)に基づいて、前記被写体(41)の基準標高値(Zk)を演算する基準標高値演算部(17)を設け、前記演算された基準標高値(Zk)に基づいて、標高成分(Zh)が該基準標高値(Zk)をこえる三次元点(Pn)を検出する突出位置検出部(9a)を設け、前記突出位置検出部(9a)において検出された各三次元点(Pn)について、該三次元点(Pn)周辺の三次元点(Pn)の標高成分(Zh)に基づいて平均的標高値(Zha)をそれぞれ算出し、前記検出された各三次元点(Pn)の標高成分(Zh)とする突出標高成分修正部(9b)を設け、前記三次元位置検出部(14)において検出され、前記突出標高成分修正部(9b)において標高成分(Zh)が修正変更された三次元点(Pn)の三次元位置(ZP)を前記測量対象(40)の三次元形状(SS)として外部に出力する出力部(5)を設けて構成される。
また本発明のうち第二の発明は、第一の発明の写真測量装置(1)において、前記突出標高成分修正部(9b)は、前記突出位置検出部(9a)において検出された各三次元点(Pn)について、該三次元点(Pn)周辺の三次元点(Pn)の標高成分(Zh)における中央値(Zhc)に基づいて平均的標高値(Zha)を算出することを特徴とする。
なお、( )内の番号等は、図面における対応する要素を示す、便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。以下の「作用」の欄についても同様である。
【0005】
【作用】
上記した構成により本発明のうち第一の発明では、三次元位置(ZP)が検出された被写体(41)内の三次元点(Pn)のうち、標高成分(Zh)が基準標高値(Zk)をこえる三次元点(Pn)、従って測量対象(40)上に存在している障害物(42)における三次元点(Pn)が検出される。また、平均的標高値(Zha)は、障害物(42)における三次元点(Pn)周辺の三次元点(Pn)の標高成分(Zh)に基づいて算出されることから、平均的標高値(Zha)は測量対象(40)における障害物(42)の存在位置の標高成分(Zh)を近似的に推定したものとなる。
また本発明のうち第二の発明では、平均的標高値(Zha)は、突出位置検出部(9a)において検出された各三次元点(Pn)周辺の三次元点(Pn)の標高成分(Zh)のうち、極端な大きさをもつ障害物(42)における標高成分(Zh)と推定されるものを除外して算出される。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、本発明による写真測量装置の一例を示したブロック図、
図2及び図3は、第一、第二ディスプレイを示した図、
図4は、被写体等を模式的に示した斜視図である。
【0007】
本発明による写真測量装置1は、図1に示すように主制御部2を有しており、主制御部2にはバス線2aを介して、入力手段3、出力部5、相互標定演算部6、対地標定演算部7、修正作業部9、マッチング作業部10、メモリ部11、表示手段12、三次元位置演算部14が接続されている。
なお、修正作業部9には突出位置検出部9a及び突出位置修正部9b及び基準標高値演算部17が設けられており、表示手段12には表示制御部12aが設けられている。また、表示制御部12aには第一ディスプレイ12b及び第二ディスプレイ12cが接続されている。
更に、メモリ部11には、ICメモリーカード15を装填自在なるデッキ13が接続されており、このICメモリーカード13は、公知のカラー・デジタルスチルカメラであるカメラ16にも装填自在である。
【0008】
写真測量装置1及び、カメラ16等は、以上のような構成を有するので、該写真測量装置1を用いて施工現場の地盤表面等である測量対象40(図4に図示)を測量するには次のように行う。なお、測量すべき測量対象40、即ち地盤表面等には、図4に示すように、測量の対象にはならない樹木等(或いは、図示しない重機等)の障害物42が存在している。
まず、ICメモリーカード15を装填したカメラ16により、図4に示すように、施工現場の地盤表面等である測量対象40及び障害物42からなる被写体41を、三次元空間SK内の相違なる2つの撮影位置PT1、PT2よりステレオ撮影し、これら各撮影位置PT1、PT2において撮影された第1写真画像SG1及び第2写真画像SG2についてのデジタル情報をICメモリーカード15に記録する。次いで、このICメモリーカード15を前記カメラ16から取外して、写真測量装置1のデッキ13に装填する。
装填後、図示しないオペレータは、入力手段3を介して画像情報入力開始の命令を与える。該入力開始の命令は、バス線2aを介して主制御部2に伝送され、主制御部2はデッキ13に装填された前記ICメモリーカード15の写真画像SG1、SG2についてのデジタル情報を読み取り、これらをメモリ部11に記憶させると共に、これらデジタル情報を表示手段12の表示制御部12aに伝送する。表示制御部12aはこれらデジタル情報、即ち写真画像SG1、SG2を、図2に示すように、第一ディスプレイ12b及び第二ディスプレイ12cに平面的な可視画像としてそれぞれ表示させる。
【0009】
表示の後、第1写真画像SG1及び第2写真画像SG2に対して公知の写真測量の解析手法と同様に相互標定作業を行う。即ち、図示しないオペレータは入力手段3の操作により第一ディスプレイ12b及び第二ディスプレイ12c上で移動自在で、第一ディスプレイ12b及び第二ディスプレイ12c上の任意の点を指定することができるカーソル33、35(図2に図示)を介して、写真画像SG1、SG2間で5組のパスポイント(即ち、被写体41中の同一なる点を撮影したと明確に判別できる点、例えば図2に示すように、パスポイントPPa1〜PPa5とパスポイントPPb1〜PPb5の組など)の指定入力を行う。
パスポイントの指定入力により、相互標定演算部6は、これらパスポイントの組に基づいて(また、2枚の立体写真の対応する光束のうち少なくとも5本の光束が交会すれば対応する点がことごとく交会するという公知の射影幾何学の原理を応用して)、被写体41を相違なる2つの撮影位置PT1、PT2よりステレオ撮影した際のカメラ16の方向等をそれぞれ示す2つのカメラ座標(図示せず)間の相対的な傾きを演算して決定する。これら2つのカメラ座標間の相対的な傾きが決定されることにより、被写体41の三次元形状と相似なるモデルMD(図示せず)が仮想的に形成された。相対的な傾きが決定された2つのカメラ座標(図示せず)及び、仮想的に形成されたモデルMDは対地標定演算部7に伝送される。
【0010】
相互標定作業の後、公知の写真測量の解析手法と同様に対地標定作業を行う。即ち、図示しないオペレータは、前記カーソル33、35を介して3組の基準点像(即ち、緯度、経度、標高等の三次元座標が既知なる形で、予め被写体41にマーキングされている図示しない3つの基準点についての各写真画像SG1、SG2上の像、例えば図2に示すように、基準点像KJa1〜KJa3と基準点像KJb1〜KJb3の組など)の指定入力を行うと共に、これら基準点像に対応した基準点の緯度、経度、標高を入力手段17等を介して入力する。
基準点像の指定入力及び、入力された基準点の緯度、経度、標高に基づいて、対地標定演算部7は、相互標定演算部6より伝送された前記モデルMDの縮尺或いは、前記モデルMDと三次元空間SKにおける地上座標(図示せず)との位置関係を特定し、従って被写体41を相違なる2つの撮影位置PT1、PT2よりステレオ撮影した際のカメラ62の方向等をそれぞれ示す2つのカメラ座標(図示せず)と、前記モデルMD、三次元空間SKにおける地上座標(図示せず)との間の位置関係を特定する。つまり、各写真画像SG1、SG2における互いに対応した点の組が求められたならば、該点の組を構成する各点の各写真画像SG1、SG2上の位置に基づいて、該組に対応するモデルMD上の点が三次元空間SKにおける三次元位置ZPの形で1つ決定される変換式HSが求められる。該変換式HSは三次元位置演算部14に伝送される。
【0011】
対地標定作業の後、公知の写真測量の解析手法と同様にマッチング作業を行う(なお、マッチング作業を行う前に、写真画像SG1、SG2間での縦視差を無くす形で公知の手法による偏位修正作業を行い、マッチング作業における便宜を図ってもよい。)。
即ち、マッチング作業部10は、図3に示すように、まず第一ディスプレイ12bに、複数本の縦線、横線による所定の格子縞36を形成し、その縦線と横線の各交点に基準交点KKを設定する。
その後、1つの基準交点KKをマッチング基準点MKとして選択し、該マッチング基準点MKを中心として、所定の形状及び面積をもつ領域を相関窓20として設定する。また、第二ディスプレイ12cの第2写真画像SG2上にも、前記相関窓20と対応した形状(即ち、同一形状でも可能であるが、写真画像SG1、SG2間における撮影方向等によるズレ等を考慮して適宜対応変形させた形状なども有効である)の探索窓21を、第二ディスプレイ12cで第2写真画像SG2上を移動自在な形で設定する。そして、探索窓21を該第2写真画像SG2上で移動させながら、相関窓20内部と探索窓21内部の、明暗による各画像濃度値を比較して(明暗による濃度値は赤、緑、青等の色度毎に求めて色度毎に比較してもよい)、両画像濃度値の類似度が最も高い場合の探索窓21の中心点(即ち、マッチング基準点MKと相関窓20との位置関係と、該中心点と探索窓21との位置関係は対応している)を、前記第1写真画像SG2上のマッチング基準点MKに対応する、前記第2写真画像SG2上のマッチング対応点MTとして検出する。
以降、マッチング作業部10は、未だ選択されていない別の1つの基準交点KKをマッチング基準点MKとして選択し、該マッチング基準点MKを中心として相関窓20を設定し、また第二ディスプレイ12cで探索窓21を移動させ、相関窓20内部と探索窓21内部の明暗による各画像濃度値を比較して、第2写真画像SG2上のマッチング対応点MTを検出するといった一連の作業を繰り返して、すべての基準交点KKについてマッチング対応点MTを求める(但し、基準交点KKについてのマッチング対応点MTが存在しないものは求めない。)。その後、マッチング作業によって求められた、複数組の、互いに対応したマッチング基準点MKとマッチング対応点MTの組は、三次元位置演算部14に伝送される。
【0012】
次いで、三次元位置演算部14は対地標定演算部7より伝送されている前記変換式HSを用いて、マッチング作業部10から伝送されたマッチング基準点MKとマッチング対応点MTの各組について、該組に対応する被写体41中の三次元点Pnの三次元空間SKにおける三次元位置ZPをそれぞれ算出し、算出した三次元点Pnの三次元位置ZPを修正作業部9に伝送する。
【0013】
その後、次に説明する修正作業を行う。
まず、修正作業部9の基準標高値演算部17は、三次元位置演算部14から伝送された三次元点Pnの三次元位置ZPのすべてについて、これら三次元位置ZPの標高成分Zhについての平均値である被写体平均標高値Zlを求める(なお、被写体41を標高差等に応じて幾つかの区域に分け、該区域ごとに被写体平均標高値Zlを求めてもよい。)。基準標高値演算部17は、求められた被写体平均標高値Zlに所定の大きさ(例えば1m程度)をプラスして基準標高値Zkを算出し、該基準標高値Zkを突出位置検出部9aに伝送する。なお、被写体平均標高値Zlは被写体41中の平均的な標高の値として求められるので、被写体平均標高値Zlに所定の大きさをプラスした基準標高値Zkは被写体41中の平均的な標高の値の上限の値となる。
【0014】
次いで、突出位置検出部9aでは、三次元位置演算部14から伝送された三次元点Pnの三次元位置ZPの標高成分Zhと、基準標高値演算部17から伝送された基準標高値Zkを比較することにより、基準標高値Zkをこえた標高成分Zhをもつ三次元点Pnを突出点としてすべて検出する。検出の後、検出した三次元点Pnの三次元位置ZPを突出位置修正部9bに伝送する。
なお、基準標高値Zkは上述したように被写体41中の平均的な標高の値の上限の値となっており、従って基準標高値Zkをこえた標高成分Zhは、被写体41中の極端に大きな標高の値である。即ち、基準標高値Zkをこえた標高成分Zhをもつ三次元点Pnは、測量すべき地盤表面等の測量対象40ではなく、地盤表面等の上に存在する樹木等の障害物42における三次元点Pnであると推定される。
【0015】
次いで、突出位置修正部9bは、突出位置検出部9aより伝送された各三次元点Pn(即ち、標高成分Zhが基準標高値Zkをこえた三次元点Pn)について、該三次元点Pn周辺の三次元点Pnの標高成分Zhに基づいて平均的標高値Zhaをそれぞれ算出し、これを各三次元点Pnの標高成分Zhとする形の修正変更作業を行う。
例えば、障害物42上の三次元点Pnであるとして突出位置検出部9aで検出された三次元点Pnのうちの1つの三次元点Pn(即ち図4に示す三次元点Pn−Q)について平均的標高値Zhaを算出するには、図4に示すようにまず、該三次元点Pn−Qの周囲のうち、三次元位置ZPが求められている8つの三次元点Pnである、三次元点Pn−A、Pn−B、Pn−C、Pn−D、Pn−E、Pn−F、Pn−G、Pn−H(即ち、三次元点Pn−Q、Pn−A、Pn−B、〜、Pn−Hは前記マッチング作業の際、前記第一ディスプレイ12bに設定された基準交点KKに対応した点であり、三次元点Pn−A、Pn−B、〜、Pn−Hに対応する8つの基準交点KKは、三次元点Pn−Qに対応する基準交点KKを取り囲む四角形の辺上の点である。なお、図4における二点鎖線は、理解の便宜上、第一ディスプレイ12bに設定された格子縞36を、三次元空間SKにおいて対応する形で示したものである。)の標高成分Zhの中央値Zhcを検出する。即ち、中央値Zhcは、三次元点Pn−A、Pn−B、〜、Pn−Hを標高成分Zhの大きいものから順に並べて、その順位が先頭から4番目と5番目に位置する2つの三次元点Pnの標高成分Zhである。次いで、これら中央値Zhcである4番目と5番目に位置する三次元点Pnの標高成分Zhを平均して平均的標高値Zhaを算出する。
なお、平均的標高値Zhaは、障害物42における三次元点Pn−Q周辺の三次元点Pn−A、Pn−B、〜、Pn−H等の標高成分Zhに基づいて算出されることから、平均的標高値Zhaは地盤表面等の測量対象40における障害物42の存在位置における標高成分を近似的に推定したものであり、障害物42における三次元点Pn−Qの標高成分Zhが、平均的標高値Zhaに修正変更されることより、障害物42における三次元点Pn−Qとして検出された三次元位置ZPは、障害物42における三次元点Pn−Qの真下の測量対象40(地盤表面)における三次元点Pn−X(図4の破線で図示)の三次元位置ZPの近似値として修正変更される。
また、平均的標高値Zhaは、三次元点Pn−Q周辺の三次元点Pn−A、Pn−B、〜、Pn−Hの標高成分Zhのうち、極端な大きさをもつもの、即ち樹木等の障害物42における標高成分Zhと推定されるもの(例えば、図4の三次元位置Pn−B等)を除外して算出されるので、該平均的標高値Zhaの信頼性は高い。
修正変更作業の後、突出位置修正部9bは標高成分Zhを修正変更した三次元点Pnの三次元位置ZP及び、突出位置検出部9aにより検出されず、従って標高成分Zhを修正変更しなかった三次元点Pnの三次元位置ZPをメモリ部11に伝送し記憶させ、修正作業を完了させる。
【0016】
その後、図示しないオペレータによる入力手段3を介した出力命令によりメモリ部11に記憶されている三次元位置ZPを出力部5に伝送し、出力部5はこれら三次元位置ZPを、測量対象40の三次元形状SSとして外部に出力する
(例えば、ディスプレイの形で表示出力するものでもよいし、印刷出力或いは、他の磁気記憶媒体に記録する形で出力するものでもよい。)。以上で測量対象40の測量が完了する。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のうち第一の発明は、三次元空間SK等の三次元空間に存在する、測量対象40等の測量対象を含む被写体41等の被写体を、該三次元空間の撮影位置PT1、PT2等の相異なる2つの位置より撮影した第1写真画像SG1、第2写真画像SG2等の第一、第二写真画像に基づいて前記測量対象の前記三次元空間における三次元形状SS等の三次元形状を検出する写真測量装置において、前記写真測量装置は、前記第一、第二写真画像を記憶し得るメモリ部11等の画像記憶部を有し、前記画像記憶部に記憶された第一、第二写真画像間でマッチング動作を行って、これら両写真画像間で互いに対応するマッチング基準点MK、マッチング対応点MT等の点の組を複数組検出するマッチング作業部10等のマッチング作業部を設け、前記マッチング作業部において検出された点の組及び、該点の組を構成する各点の各写真画像上の位置に基づいて、該点の組に対応する前記被写体内の三次元点Pn等の三次元点の、前記三次元空間における三次元位置ZP等の三次元位置を検出する三次元位置演算部14等の三次元位置検出部を設け、前記三次元位置検出部において検出された三次元点の三次元位置の標高成分Zh等の標高成分に基づいて、前記被写体の基準標高値Zk等の基準標高値を演算する基準標高値演算部17等の基準標高値演算部を設け、前記演算された基準標高値に基づいて、標高成分が該基準標高値をこえる三次元点を検出する突出位置検出部9a等の突出位置検出部を設け、前記突出位置検出部において検出された各三次元点について、該三次元点周辺の三次元点の標高成分に基づいて平均的標高値Zha等の平均的標高値をそれぞれ算出し、前記検出された各三次元点の標高成分とする突出位置修正部9b等の突出標高成分修正部を設け、前記三次元位置検出部において検出され、前記突出標高成分修正部において標高成分が修正変更された三次元点の三次元位置を前記測量対象の三次元形状として外部に出力する出力部5等の出力部を設けて構成されるので、マッチング作業部及び三次元位置検出部等を介して三次元位置が検出された、被写体内の三次元点のうち、基準標高値演算部及び突出位置検出部を介して、標高成分が基準標高値をこえる三次元点、即ち地盤表面等の測量対象の上に存在している樹木や重機等である障害物42における三次元点が検出される。また、平均的標高値は、障害物42における三次元点周辺の三次元点の標高成分に基づいて算出されることから、平均的標高値は地盤表面等の測量対象における障害物42の存在位置の標高成分を近似的に推定したものであり、障害物42における三次元点の標高成分が、突出標高成分修正部を介して平均的標高値に修正変更されることより、障害物42における三次元点として検出された三次元位置は、障害物42における三次元点の真下の測量対象における三次元点の三次元位置の近似値として修正変更される。よって、出力部から出力される三次元形状は地盤表面等の測量対象についてのみの、従って障害物42を含まない三次元形状なので、測量対象の測量は正確になる。また、測量対象のうち障害物42が位置しているため、死角となって写真画像中に撮影されない位置、即ち測量対象における障害物42の存在位置の三次元位置も近似的に求められるので、測量対象の測量は精密になる。
【0018】
また本発明のうち第二の発明は、第一の発明の写真測量装置において、前記突出標高成分修正部は、前記突出位置検出部において検出された各三次元点について、該三次元点周辺の三次元点の標高成分における中央値Zhc等の中央値に基づいて平均的標高値を算出することを特徴とするので、平均的標高値は、突出位置検出部において検出された各三次元点周辺の三次元点の標高成分のうち、極端な大きさをもつもの、即ち樹木や重機等の障害物42における標高成分と推定されるものを除外して算出される。よって、第一の発明の効果に加えて、該平均的標高値の信頼性が向上し、測量対象の測量は更に一層正確になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による写真測量装置の一例を示したブロック図である。
【図2】図2は、第一、第二ディスプレイを示した図である。
【図3】図3は、第一、第二ディスプレイを示した図である。
【図4】図4は、被写体等を模式的に示した斜視図である。
【符号の説明】
1……写真測量装置
5……出力部
9a……突出位置検出部
9b……突出標高成分修正部(突出位置修正部)
10……マッチング作業部
11……画像記憶部(メモリ部)
14……三次元位置検出部(三次元位置演算部)
17……基準標高値演算部
40……測量対象
41……被写体
MK……点(マッチング基準点)
MT……点(マッチング対応点)
Pn……三次元点
PT1……位置(撮影位置)
PT2……位置(撮影位置)
SG1……第一写真画像(第1写真画像)
SG2……第二写真画像(第2写真画像)
SK……三次元空間
SS……三次元形状
ZP……三次元位置
Zh……標高成分
Zha……平均的標高値
Zhc……中央値
Zk……基準標高値
【産業上の利用分野】
本発明は、ステレオ撮影した写真画像をもとに地形等の三次元形状の検出を行うのに好適な写真測量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステレオ撮影した写真画像をデジタル情報として記録し得るデジタルスチールカメラと、該デジタル情報を解析して三次元形状を解析することができるEWS(エンジニアリング・ワーク・ステーション)等の写真測量装置とにより、迅速かつ容易に測量対象物の立体形状を検出することができる写真測量が提案され実施されており、該写真測量を適用した地形等の測量が提案され実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来提案され実施されている写真測量では、写真画像中に撮影された対象についてのみ、その三次元形状が求められる。したがって、測量対象である地盤表面に樹木や重機等の障害物が存在している場合には、地盤表面のうち、これら障害物が位置している位置が死角となって写真画像中に撮影されないので、該死角となった位置の三次元形状が求められなかった。つまり、精密な測量が困難であった。
また、障害物が写真画像中に撮影されていることにより、測量結果には地盤表面の三次元形状だけでなく該障害物の三次元形状も含まれるので、測量結果には多くの誤差が含まれていた。つまり、正確な測量が困難であった。
本発明は上記事情に鑑み、樹木や重機等が存在している地盤表面の測量が、精密かつ正確に行われ得る写真測量装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のうち第一の発明は、三次元空間(SK)に存在する、測量対象(40)を含む被写体(41)を、該三次元空間(SK)の相異なる2つの位置(PT1、PT2)より撮影した第一、第二写真画像(SG1、SG2)に基づいて前記測量対象(40)の前記三次元空間(SK)における三次元形状(SS)を検出する写真測量装置(1)において、前記写真測量装置(1)は、前記第一、第二写真画像(SG1、SG2)を記憶し得る画像記憶部(11)を有し、前記画像記憶部(11)に記憶された第一、第二写真画像(SG1、SG2)間でマッチング動作を行って、これら両写真画像(SG1、SG2)間で互いに対応する点(MK、MT)の組を複数組検出するマッチング作業部(10)を設け、前記マッチング作業部(10)において検出された点(MK、MT)の組及び、該点(MK、MT)の組を構成する各点(MK、MT)の各写真画像(SG1、SG2)上の位置に基づいて、該点(MK、MT)の組に対応する前記被写体(41)内の三次元点(Pn)の、前記三次元空間(SK)における三次元位置(ZP)を検出する三次元位置検出部(14)を設け、前記三次元位置検出部(14)において検出された三次元点(Pn)の三次元位置(ZP)の標高成分(Zh)に基づいて、前記被写体(41)の基準標高値(Zk)を演算する基準標高値演算部(17)を設け、前記演算された基準標高値(Zk)に基づいて、標高成分(Zh)が該基準標高値(Zk)をこえる三次元点(Pn)を検出する突出位置検出部(9a)を設け、前記突出位置検出部(9a)において検出された各三次元点(Pn)について、該三次元点(Pn)周辺の三次元点(Pn)の標高成分(Zh)に基づいて平均的標高値(Zha)をそれぞれ算出し、前記検出された各三次元点(Pn)の標高成分(Zh)とする突出標高成分修正部(9b)を設け、前記三次元位置検出部(14)において検出され、前記突出標高成分修正部(9b)において標高成分(Zh)が修正変更された三次元点(Pn)の三次元位置(ZP)を前記測量対象(40)の三次元形状(SS)として外部に出力する出力部(5)を設けて構成される。
また本発明のうち第二の発明は、第一の発明の写真測量装置(1)において、前記突出標高成分修正部(9b)は、前記突出位置検出部(9a)において検出された各三次元点(Pn)について、該三次元点(Pn)周辺の三次元点(Pn)の標高成分(Zh)における中央値(Zhc)に基づいて平均的標高値(Zha)を算出することを特徴とする。
なお、( )内の番号等は、図面における対応する要素を示す、便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。以下の「作用」の欄についても同様である。
【0005】
【作用】
上記した構成により本発明のうち第一の発明では、三次元位置(ZP)が検出された被写体(41)内の三次元点(Pn)のうち、標高成分(Zh)が基準標高値(Zk)をこえる三次元点(Pn)、従って測量対象(40)上に存在している障害物(42)における三次元点(Pn)が検出される。また、平均的標高値(Zha)は、障害物(42)における三次元点(Pn)周辺の三次元点(Pn)の標高成分(Zh)に基づいて算出されることから、平均的標高値(Zha)は測量対象(40)における障害物(42)の存在位置の標高成分(Zh)を近似的に推定したものとなる。
また本発明のうち第二の発明では、平均的標高値(Zha)は、突出位置検出部(9a)において検出された各三次元点(Pn)周辺の三次元点(Pn)の標高成分(Zh)のうち、極端な大きさをもつ障害物(42)における標高成分(Zh)と推定されるものを除外して算出される。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、本発明による写真測量装置の一例を示したブロック図、
図2及び図3は、第一、第二ディスプレイを示した図、
図4は、被写体等を模式的に示した斜視図である。
【0007】
本発明による写真測量装置1は、図1に示すように主制御部2を有しており、主制御部2にはバス線2aを介して、入力手段3、出力部5、相互標定演算部6、対地標定演算部7、修正作業部9、マッチング作業部10、メモリ部11、表示手段12、三次元位置演算部14が接続されている。
なお、修正作業部9には突出位置検出部9a及び突出位置修正部9b及び基準標高値演算部17が設けられており、表示手段12には表示制御部12aが設けられている。また、表示制御部12aには第一ディスプレイ12b及び第二ディスプレイ12cが接続されている。
更に、メモリ部11には、ICメモリーカード15を装填自在なるデッキ13が接続されており、このICメモリーカード13は、公知のカラー・デジタルスチルカメラであるカメラ16にも装填自在である。
【0008】
写真測量装置1及び、カメラ16等は、以上のような構成を有するので、該写真測量装置1を用いて施工現場の地盤表面等である測量対象40(図4に図示)を測量するには次のように行う。なお、測量すべき測量対象40、即ち地盤表面等には、図4に示すように、測量の対象にはならない樹木等(或いは、図示しない重機等)の障害物42が存在している。
まず、ICメモリーカード15を装填したカメラ16により、図4に示すように、施工現場の地盤表面等である測量対象40及び障害物42からなる被写体41を、三次元空間SK内の相違なる2つの撮影位置PT1、PT2よりステレオ撮影し、これら各撮影位置PT1、PT2において撮影された第1写真画像SG1及び第2写真画像SG2についてのデジタル情報をICメモリーカード15に記録する。次いで、このICメモリーカード15を前記カメラ16から取外して、写真測量装置1のデッキ13に装填する。
装填後、図示しないオペレータは、入力手段3を介して画像情報入力開始の命令を与える。該入力開始の命令は、バス線2aを介して主制御部2に伝送され、主制御部2はデッキ13に装填された前記ICメモリーカード15の写真画像SG1、SG2についてのデジタル情報を読み取り、これらをメモリ部11に記憶させると共に、これらデジタル情報を表示手段12の表示制御部12aに伝送する。表示制御部12aはこれらデジタル情報、即ち写真画像SG1、SG2を、図2に示すように、第一ディスプレイ12b及び第二ディスプレイ12cに平面的な可視画像としてそれぞれ表示させる。
【0009】
表示の後、第1写真画像SG1及び第2写真画像SG2に対して公知の写真測量の解析手法と同様に相互標定作業を行う。即ち、図示しないオペレータは入力手段3の操作により第一ディスプレイ12b及び第二ディスプレイ12c上で移動自在で、第一ディスプレイ12b及び第二ディスプレイ12c上の任意の点を指定することができるカーソル33、35(図2に図示)を介して、写真画像SG1、SG2間で5組のパスポイント(即ち、被写体41中の同一なる点を撮影したと明確に判別できる点、例えば図2に示すように、パスポイントPPa1〜PPa5とパスポイントPPb1〜PPb5の組など)の指定入力を行う。
パスポイントの指定入力により、相互標定演算部6は、これらパスポイントの組に基づいて(また、2枚の立体写真の対応する光束のうち少なくとも5本の光束が交会すれば対応する点がことごとく交会するという公知の射影幾何学の原理を応用して)、被写体41を相違なる2つの撮影位置PT1、PT2よりステレオ撮影した際のカメラ16の方向等をそれぞれ示す2つのカメラ座標(図示せず)間の相対的な傾きを演算して決定する。これら2つのカメラ座標間の相対的な傾きが決定されることにより、被写体41の三次元形状と相似なるモデルMD(図示せず)が仮想的に形成された。相対的な傾きが決定された2つのカメラ座標(図示せず)及び、仮想的に形成されたモデルMDは対地標定演算部7に伝送される。
【0010】
相互標定作業の後、公知の写真測量の解析手法と同様に対地標定作業を行う。即ち、図示しないオペレータは、前記カーソル33、35を介して3組の基準点像(即ち、緯度、経度、標高等の三次元座標が既知なる形で、予め被写体41にマーキングされている図示しない3つの基準点についての各写真画像SG1、SG2上の像、例えば図2に示すように、基準点像KJa1〜KJa3と基準点像KJb1〜KJb3の組など)の指定入力を行うと共に、これら基準点像に対応した基準点の緯度、経度、標高を入力手段17等を介して入力する。
基準点像の指定入力及び、入力された基準点の緯度、経度、標高に基づいて、対地標定演算部7は、相互標定演算部6より伝送された前記モデルMDの縮尺或いは、前記モデルMDと三次元空間SKにおける地上座標(図示せず)との位置関係を特定し、従って被写体41を相違なる2つの撮影位置PT1、PT2よりステレオ撮影した際のカメラ62の方向等をそれぞれ示す2つのカメラ座標(図示せず)と、前記モデルMD、三次元空間SKにおける地上座標(図示せず)との間の位置関係を特定する。つまり、各写真画像SG1、SG2における互いに対応した点の組が求められたならば、該点の組を構成する各点の各写真画像SG1、SG2上の位置に基づいて、該組に対応するモデルMD上の点が三次元空間SKにおける三次元位置ZPの形で1つ決定される変換式HSが求められる。該変換式HSは三次元位置演算部14に伝送される。
【0011】
対地標定作業の後、公知の写真測量の解析手法と同様にマッチング作業を行う(なお、マッチング作業を行う前に、写真画像SG1、SG2間での縦視差を無くす形で公知の手法による偏位修正作業を行い、マッチング作業における便宜を図ってもよい。)。
即ち、マッチング作業部10は、図3に示すように、まず第一ディスプレイ12bに、複数本の縦線、横線による所定の格子縞36を形成し、その縦線と横線の各交点に基準交点KKを設定する。
その後、1つの基準交点KKをマッチング基準点MKとして選択し、該マッチング基準点MKを中心として、所定の形状及び面積をもつ領域を相関窓20として設定する。また、第二ディスプレイ12cの第2写真画像SG2上にも、前記相関窓20と対応した形状(即ち、同一形状でも可能であるが、写真画像SG1、SG2間における撮影方向等によるズレ等を考慮して適宜対応変形させた形状なども有効である)の探索窓21を、第二ディスプレイ12cで第2写真画像SG2上を移動自在な形で設定する。そして、探索窓21を該第2写真画像SG2上で移動させながら、相関窓20内部と探索窓21内部の、明暗による各画像濃度値を比較して(明暗による濃度値は赤、緑、青等の色度毎に求めて色度毎に比較してもよい)、両画像濃度値の類似度が最も高い場合の探索窓21の中心点(即ち、マッチング基準点MKと相関窓20との位置関係と、該中心点と探索窓21との位置関係は対応している)を、前記第1写真画像SG2上のマッチング基準点MKに対応する、前記第2写真画像SG2上のマッチング対応点MTとして検出する。
以降、マッチング作業部10は、未だ選択されていない別の1つの基準交点KKをマッチング基準点MKとして選択し、該マッチング基準点MKを中心として相関窓20を設定し、また第二ディスプレイ12cで探索窓21を移動させ、相関窓20内部と探索窓21内部の明暗による各画像濃度値を比較して、第2写真画像SG2上のマッチング対応点MTを検出するといった一連の作業を繰り返して、すべての基準交点KKについてマッチング対応点MTを求める(但し、基準交点KKについてのマッチング対応点MTが存在しないものは求めない。)。その後、マッチング作業によって求められた、複数組の、互いに対応したマッチング基準点MKとマッチング対応点MTの組は、三次元位置演算部14に伝送される。
【0012】
次いで、三次元位置演算部14は対地標定演算部7より伝送されている前記変換式HSを用いて、マッチング作業部10から伝送されたマッチング基準点MKとマッチング対応点MTの各組について、該組に対応する被写体41中の三次元点Pnの三次元空間SKにおける三次元位置ZPをそれぞれ算出し、算出した三次元点Pnの三次元位置ZPを修正作業部9に伝送する。
【0013】
その後、次に説明する修正作業を行う。
まず、修正作業部9の基準標高値演算部17は、三次元位置演算部14から伝送された三次元点Pnの三次元位置ZPのすべてについて、これら三次元位置ZPの標高成分Zhについての平均値である被写体平均標高値Zlを求める(なお、被写体41を標高差等に応じて幾つかの区域に分け、該区域ごとに被写体平均標高値Zlを求めてもよい。)。基準標高値演算部17は、求められた被写体平均標高値Zlに所定の大きさ(例えば1m程度)をプラスして基準標高値Zkを算出し、該基準標高値Zkを突出位置検出部9aに伝送する。なお、被写体平均標高値Zlは被写体41中の平均的な標高の値として求められるので、被写体平均標高値Zlに所定の大きさをプラスした基準標高値Zkは被写体41中の平均的な標高の値の上限の値となる。
【0014】
次いで、突出位置検出部9aでは、三次元位置演算部14から伝送された三次元点Pnの三次元位置ZPの標高成分Zhと、基準標高値演算部17から伝送された基準標高値Zkを比較することにより、基準標高値Zkをこえた標高成分Zhをもつ三次元点Pnを突出点としてすべて検出する。検出の後、検出した三次元点Pnの三次元位置ZPを突出位置修正部9bに伝送する。
なお、基準標高値Zkは上述したように被写体41中の平均的な標高の値の上限の値となっており、従って基準標高値Zkをこえた標高成分Zhは、被写体41中の極端に大きな標高の値である。即ち、基準標高値Zkをこえた標高成分Zhをもつ三次元点Pnは、測量すべき地盤表面等の測量対象40ではなく、地盤表面等の上に存在する樹木等の障害物42における三次元点Pnであると推定される。
【0015】
次いで、突出位置修正部9bは、突出位置検出部9aより伝送された各三次元点Pn(即ち、標高成分Zhが基準標高値Zkをこえた三次元点Pn)について、該三次元点Pn周辺の三次元点Pnの標高成分Zhに基づいて平均的標高値Zhaをそれぞれ算出し、これを各三次元点Pnの標高成分Zhとする形の修正変更作業を行う。
例えば、障害物42上の三次元点Pnであるとして突出位置検出部9aで検出された三次元点Pnのうちの1つの三次元点Pn(即ち図4に示す三次元点Pn−Q)について平均的標高値Zhaを算出するには、図4に示すようにまず、該三次元点Pn−Qの周囲のうち、三次元位置ZPが求められている8つの三次元点Pnである、三次元点Pn−A、Pn−B、Pn−C、Pn−D、Pn−E、Pn−F、Pn−G、Pn−H(即ち、三次元点Pn−Q、Pn−A、Pn−B、〜、Pn−Hは前記マッチング作業の際、前記第一ディスプレイ12bに設定された基準交点KKに対応した点であり、三次元点Pn−A、Pn−B、〜、Pn−Hに対応する8つの基準交点KKは、三次元点Pn−Qに対応する基準交点KKを取り囲む四角形の辺上の点である。なお、図4における二点鎖線は、理解の便宜上、第一ディスプレイ12bに設定された格子縞36を、三次元空間SKにおいて対応する形で示したものである。)の標高成分Zhの中央値Zhcを検出する。即ち、中央値Zhcは、三次元点Pn−A、Pn−B、〜、Pn−Hを標高成分Zhの大きいものから順に並べて、その順位が先頭から4番目と5番目に位置する2つの三次元点Pnの標高成分Zhである。次いで、これら中央値Zhcである4番目と5番目に位置する三次元点Pnの標高成分Zhを平均して平均的標高値Zhaを算出する。
なお、平均的標高値Zhaは、障害物42における三次元点Pn−Q周辺の三次元点Pn−A、Pn−B、〜、Pn−H等の標高成分Zhに基づいて算出されることから、平均的標高値Zhaは地盤表面等の測量対象40における障害物42の存在位置における標高成分を近似的に推定したものであり、障害物42における三次元点Pn−Qの標高成分Zhが、平均的標高値Zhaに修正変更されることより、障害物42における三次元点Pn−Qとして検出された三次元位置ZPは、障害物42における三次元点Pn−Qの真下の測量対象40(地盤表面)における三次元点Pn−X(図4の破線で図示)の三次元位置ZPの近似値として修正変更される。
また、平均的標高値Zhaは、三次元点Pn−Q周辺の三次元点Pn−A、Pn−B、〜、Pn−Hの標高成分Zhのうち、極端な大きさをもつもの、即ち樹木等の障害物42における標高成分Zhと推定されるもの(例えば、図4の三次元位置Pn−B等)を除外して算出されるので、該平均的標高値Zhaの信頼性は高い。
修正変更作業の後、突出位置修正部9bは標高成分Zhを修正変更した三次元点Pnの三次元位置ZP及び、突出位置検出部9aにより検出されず、従って標高成分Zhを修正変更しなかった三次元点Pnの三次元位置ZPをメモリ部11に伝送し記憶させ、修正作業を完了させる。
【0016】
その後、図示しないオペレータによる入力手段3を介した出力命令によりメモリ部11に記憶されている三次元位置ZPを出力部5に伝送し、出力部5はこれら三次元位置ZPを、測量対象40の三次元形状SSとして外部に出力する
(例えば、ディスプレイの形で表示出力するものでもよいし、印刷出力或いは、他の磁気記憶媒体に記録する形で出力するものでもよい。)。以上で測量対象40の測量が完了する。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のうち第一の発明は、三次元空間SK等の三次元空間に存在する、測量対象40等の測量対象を含む被写体41等の被写体を、該三次元空間の撮影位置PT1、PT2等の相異なる2つの位置より撮影した第1写真画像SG1、第2写真画像SG2等の第一、第二写真画像に基づいて前記測量対象の前記三次元空間における三次元形状SS等の三次元形状を検出する写真測量装置において、前記写真測量装置は、前記第一、第二写真画像を記憶し得るメモリ部11等の画像記憶部を有し、前記画像記憶部に記憶された第一、第二写真画像間でマッチング動作を行って、これら両写真画像間で互いに対応するマッチング基準点MK、マッチング対応点MT等の点の組を複数組検出するマッチング作業部10等のマッチング作業部を設け、前記マッチング作業部において検出された点の組及び、該点の組を構成する各点の各写真画像上の位置に基づいて、該点の組に対応する前記被写体内の三次元点Pn等の三次元点の、前記三次元空間における三次元位置ZP等の三次元位置を検出する三次元位置演算部14等の三次元位置検出部を設け、前記三次元位置検出部において検出された三次元点の三次元位置の標高成分Zh等の標高成分に基づいて、前記被写体の基準標高値Zk等の基準標高値を演算する基準標高値演算部17等の基準標高値演算部を設け、前記演算された基準標高値に基づいて、標高成分が該基準標高値をこえる三次元点を検出する突出位置検出部9a等の突出位置検出部を設け、前記突出位置検出部において検出された各三次元点について、該三次元点周辺の三次元点の標高成分に基づいて平均的標高値Zha等の平均的標高値をそれぞれ算出し、前記検出された各三次元点の標高成分とする突出位置修正部9b等の突出標高成分修正部を設け、前記三次元位置検出部において検出され、前記突出標高成分修正部において標高成分が修正変更された三次元点の三次元位置を前記測量対象の三次元形状として外部に出力する出力部5等の出力部を設けて構成されるので、マッチング作業部及び三次元位置検出部等を介して三次元位置が検出された、被写体内の三次元点のうち、基準標高値演算部及び突出位置検出部を介して、標高成分が基準標高値をこえる三次元点、即ち地盤表面等の測量対象の上に存在している樹木や重機等である障害物42における三次元点が検出される。また、平均的標高値は、障害物42における三次元点周辺の三次元点の標高成分に基づいて算出されることから、平均的標高値は地盤表面等の測量対象における障害物42の存在位置の標高成分を近似的に推定したものであり、障害物42における三次元点の標高成分が、突出標高成分修正部を介して平均的標高値に修正変更されることより、障害物42における三次元点として検出された三次元位置は、障害物42における三次元点の真下の測量対象における三次元点の三次元位置の近似値として修正変更される。よって、出力部から出力される三次元形状は地盤表面等の測量対象についてのみの、従って障害物42を含まない三次元形状なので、測量対象の測量は正確になる。また、測量対象のうち障害物42が位置しているため、死角となって写真画像中に撮影されない位置、即ち測量対象における障害物42の存在位置の三次元位置も近似的に求められるので、測量対象の測量は精密になる。
【0018】
また本発明のうち第二の発明は、第一の発明の写真測量装置において、前記突出標高成分修正部は、前記突出位置検出部において検出された各三次元点について、該三次元点周辺の三次元点の標高成分における中央値Zhc等の中央値に基づいて平均的標高値を算出することを特徴とするので、平均的標高値は、突出位置検出部において検出された各三次元点周辺の三次元点の標高成分のうち、極端な大きさをもつもの、即ち樹木や重機等の障害物42における標高成分と推定されるものを除外して算出される。よって、第一の発明の効果に加えて、該平均的標高値の信頼性が向上し、測量対象の測量は更に一層正確になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による写真測量装置の一例を示したブロック図である。
【図2】図2は、第一、第二ディスプレイを示した図である。
【図3】図3は、第一、第二ディスプレイを示した図である。
【図4】図4は、被写体等を模式的に示した斜視図である。
【符号の説明】
1……写真測量装置
5……出力部
9a……突出位置検出部
9b……突出標高成分修正部(突出位置修正部)
10……マッチング作業部
11……画像記憶部(メモリ部)
14……三次元位置検出部(三次元位置演算部)
17……基準標高値演算部
40……測量対象
41……被写体
MK……点(マッチング基準点)
MT……点(マッチング対応点)
Pn……三次元点
PT1……位置(撮影位置)
PT2……位置(撮影位置)
SG1……第一写真画像(第1写真画像)
SG2……第二写真画像(第2写真画像)
SK……三次元空間
SS……三次元形状
ZP……三次元位置
Zh……標高成分
Zha……平均的標高値
Zhc……中央値
Zk……基準標高値
Claims (2)
- 三次元空間に存在する、測量対象を含む被写体を、該三次元空間の相異なる2つの位置より撮影した第一、第二写真画像に基づいて前記測量対象の前記三次元空間における三次元形状を検出する写真測量装置において、
前記写真測量装置は、前記第一、第二写真画像を記憶し得る画像記憶部を有し、
前記画像記憶部に記憶された第一、第二写真画像間でマッチング動作を行って、これら両写真画像間で互いに対応する点の組を複数組検出するマッチング作業部を設け、
前記マッチング作業部において検出された点の組及び、該点の組を構成する各点の各写真画像上の位置に基づいて、該点の組に対応する前記被写体内の三次元点の、前記三次元空間における三次元位置を検出する三次元位置検出部を設け、
前記三次元位置検出部において検出された三次元点の三次元位置の標高成分に基づいて、前記被写体の基準標高値を演算する基準標高値演算部を設け、
前記演算された基準標高値に基づいて、標高成分が該基準標高値をこえる三次元点を検出する突出位置検出部を設け、
前記突出位置検出部において検出された各三次元点について、該三次元点周辺の三次元点の標高成分に基づいて平均的標高値をそれぞれ算出し、前記検出された各三次元点の標高成分とする突出標高成分修正部を設け、
前記三次元位置検出部において検出され、前記突出標高成分修正部において標高成分が修正変更された三次元点の三次元位置を前記測量対象の三次元形状として外部に出力する出力部を設けて構成した写真測量装置。 - 前記突出標高成分修正部は、前記突出位置検出部において検出された各三次元点について、該三次元点周辺の三次元点の標高成分における中央値に基づいて平均的標高値を算出することを特徴とする請求項1記載の写真測量装置。
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