JP3587172B2 - 損失等化方法及び損失等化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信用光素子の、特にAWGあるいは光マトリクススイッチなどに代表される多入力多出力の光素子の入出力ポート間の透過損失の分布のばらつきの補償を行う損失等化方法と損失等化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、高性能、大容量の通信システム構築の為、スイッチングやインターコネクションを光技術を用いて実現する手法が導入されている。上記光スイッチングや光インターコネクションを実現し、大容量の波長分割多重ネットワークを支える光機能デバイスとして、マトリクス型光スイッチや、入力多出力型のアレイ導波路型回折格子(AWG)フィルタ等の多入力/多出力ポートを備える光素子が用いられている。また、このような大容量の光通信システムの構成として、例えば、波長多重光に対してアレイ導波路回折格子(AWG)が持つ、バレルシフタ的な特性を利用したインターコネクション構成が、特開平10−308748号公報に記載されている。
【0003】
ところで、AWGは、光路差を有する複数の光導波路を使い光の干渉作用によって波長の多重・分離を行うが、AWGの構造と光の導波特性に起因し、入出力ポート間接続の組合せに依存し損失の分布特性を有する。図8は、AWGの入出力ポート間接続の組み合わせに依存した損失の分布特性図である。
【0004】
次に、他の多入力/多出力ポートを備える光素子の1例として、光マトリクス・スイッチについて説明する。光マトリクス・スイッチも、AWGと同様にポート間接続の透過損失は分布を有する。例えば、図11に示す構成の光マトリクス・スイッチでは、接続された経路に依り光路差による損失分布があり、最短経路42では小さく、最長経路43では大きな値となる。図11(a)は片方向から信号光群10が入射し、信号光群11として出力される構成を示しており、図11(b)は信号光群10と信号光群10aが2方向から入力し、おのおの出力信号光として信号光群11、11aとして出力される構成を示している。
【0005】
また、より具体的な一例として、XVII WORLD TELECOMMUNICATIONS CONGRESS(WTC/ISS2000)に於いて、J.E. Fouquetらより発表された、”AN ALL−OPTICALCROSS−CONNECT SWITCH BASED ON TOTALINTERNAL REFLECTION”に説明される、導波路型光スイッチがある。この光スイッチは、図11と同様の構成であり、スイッチの損失は、導波路の導波損失と通過クロスポイントの数に対して、ほぼ比例した値となることが示されている。
【0006】
このため、選択出力光の光強度を一定に保つには、AWG等の多入力/多出力ポートを有する光素子の損失分布の等化制御を行うことが必要であり、光通信システムにおいて、従来、各種の光信号の損失等化方式が採られていた。
【0007】
以下、図を用いて、従来の技術を説明する。図9は従来の技術を説明する為の説明図である。図9において、送信ノード103で波長多重され送信された信号光は、AWG101の入力ポートに入力後、設定された出力ポートに出力され、受信ノード104に送信される。このAWG101を通過時、入力信号光110は、AWG101の入出力ポート間接続の組み合わせに依存した損失を受ける。
よって、受信ノード104の光受信器(PD)141に於いて、光信号を安定に受信し、信頼性のある通信を行う為、光受信器141に入射する光信号の強度を、全ての波長について一定の値を取るように制御する必要がある。
このような損失の等化制御を実現するには、従来技術においては、受信ノード104に於いて、各波長毎に光強度を観測し、送信ノード103へ帰還制御を行う方法がとられていた。具体的には、図9に示す光受信器141の入射光を、光分岐を介して光強度モニタ143で、入射光のモニタを行い、その強度が一定になるように、対応する送信レーザ130の出力制御を行っていた。
【0008】
また、特定の一出力についての利得波長依存性を補償する技術として特開平9−289349号記載の発明「光イコライザおよびこれを用いた光増幅装置と波長多重光伝送装置」等がある。上記公報には、光ファイバアンプ等の利得波長依存性を補償し、低損失偏光依存性の光イコライザを実現するため、互いに異なるフリースペクトラム領域(FSR)を有する複数のエタロンフィルタ板を縦続接続する構成が開示されている。しかし、特開平9−289349号記載の発明においても、多入力/多出力ポートを有する素子の損失分布の等化については、何も開示していない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記述べた従来技術における損失等化方式は、以下のような課題を有している。
【0010】
第一の課題は、波長強度モニタ143及び帰還信号140を用いた系が、必要部品の増加を招き、装置費用の低減が不可能な事である。例えば、波長強度モニタ143と、波長強度モニタ143に信号光を誘導するための光分岐素子142が必要となる。さらに、波長強度モニタ143から送信ノード103へ波長強度を制御する為の帰還信号140を、フィードバックする構成が必要である。特に、AWG101と送信ノード103の距離が近接していない場合には、帰還信号140の伝達に要する構成を設ける費用が大きくなる恐れがある。
【0011】
第二の課題は、複数の光素子を用いてシステムを拡張し、入力信号光を分岐する構成に於いて、ひとつの光素子に対して行う光源の強度変化が、他の系に対して影響を与えてしまい、損失特性に個体差を持つAWG等の光素子に対して対応出来ないことである。
【0012】
たとえば、図9のシステムの拡張を行う場合を考える。図10は、AWGをメッシュ状に接続し拡張したシステム構成であり、中央のスイッチに於いて、マルチキャストあるいはブロードキャスト等の機能提供が可能である。このような構成を取る場合には、送信レーザ130群と光受信器141群とが、1対1に対応せず、AWGの損失に個体差がある場合、従来の帰還制御方法を用いる事は出来ない。
【0013】
第三の課題は、損失の等化が収束せず、調整に要する工程が長くなる事である。
特に、送信ノード103に光増幅器132が含まれる構成を考えると、波長多重光に対する光増幅特性の非線形性から、光増幅器132への入力光の、一波長の強度変化が、増幅器出力光の、他全ての波長の強度に影響する。このため、ある特定の出力ポート110(i)へ出力される波長の強度を、対応する送信レーザ(LD)に於いて調整すると、同時に他出力ポート110(j≠i)へ出力される波長の強度へ影響を与える事になり、再調整の繰り返しを必要とする。
【0014】
以上3点の課題は全て、AWGの損失の分布をAWG周辺で局所的に等化を行わず、光源など外部の系を用いて補償を行っている事が原因である。しかし、AWGは現在、波長MUX、DEMUXとしての使用方法が主流であり、バレルシフタ(または、波長ルータ)としての使用は一般的では無いため、実用上重要となる、安定化制御の手段に関する検討は、十分になされていない。
【0015】
また、光マトリクススイッチについても、任意の入力ポートの信号光が、スイッチの切替により、任意の出力ポートに接続される事から、その損失分布についての等化制御についての課題は、AWGについての対処方法と同様と見なす事が可能である。
【0016】
上記のような課題に対し、本発明は、波長を介したメッシュ接続状態に構成した多入力/多出力光素子の入出力経路間の接続による透過損失の分布を、送信レーザ(LD)に帰還せず、多入力多出力光素子の近傍で局所的に等化を行い、損失の等化に要する調整行程の短縮を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の損失等化方法及び損失等化装置は、複数の入力ポートと複数の出力ポートとを有し、おのおの入出力ポート毎に光減衰手段を設け、前記光減衰手段による減衰量を調節し、透過波長の損失が全て等しくなるように調整することを特徴とする。
【0018】
本発明の損失等化方法は、複数の入出力ポートを備えた光素子についての損失等化方法であって、前記入力ポートから対応する出力ポートへ出力される信号光の透過損失を測定する損失測定工程と、前記損失測定工程によって測定した測定値について、損失量を等化するための補正値を算出する等化量算出工程と、前記等化量算出工程によって求めた補正値によって、各入出力ポート毎に信号光の損失を補正する損失等化工程とを含む。
【0019】
また、前記損失測定工程は、各入力ポートから対応する出力ポートに出力される全ての信号光毎に測定することを特徴とする。
【0020】
さらに、前記損失測定工程は、ある特定の入力ポートから対応する全出力ポートに出力される信号光について透過損失を測定することを特徴とする。
また、特に、前記等化量算出工程は、前記入力ポートと出力ポート間の接続組み合わせの相関に基づいて補正値を算出することを特徴とする。
【0021】
本発明の損失等化装置は、複数の入力ポートと複数の出力ポートとを有し、おのおの入出力ポート毎に対応する光減衰手段を設け、前記光減衰手段による減衰量を調節し、透過波長の損失を等化することを特徴とする。
【0022】
また、前記損失等化装置は、前記入力ポートから対応する出力ポートへの損失を測定する損失測定手段とを備え、前記損失測定手段によって測定した各損失値について、補正量を算出する等化量算出手段とを含むように構成することができる。
【0023】
さらに、本発明は、n個の入力ポートと、m個の出力ポートとを有するn×m(n、mは1以上の整数)多入力多出力光素子と、n個の入力ポートから対応するm個の出力ポートへの損失を測定する損失測定手段とを備え、前記損失測定手段によって測定したn×m個の損失値について、入力信号光の減衰値を算出する減衰量計算手段とを含む。
【0024】
また、本発明は、n個の入力ポートと、m個の出力ポートとを有するn×m(n、mは1以上の整数)多入力多出力光素子と、ある入力ポートから対応するm個の出力ポートへの損失と、これと対称な方向を除く逆方向のn−1個の損失のm+n−1個の損失測定手段とを備え、前記n+m−1個の損失測定手段によって測定した各損失値について、入力信号光の減衰値を算出する減衰量計算手段とを含む。
さらに、前記損失等化装置はさらに、前記減衰手量計算手段によって算出された減衰量によって入出力ポート毎の減衰量を調節する光減衰手段を含む。
【0025】
このように、本発明によれば、波長を介したメッシュ接続状態に構成したAWGあるいは光マトリクススイッチ等の多入力多出力光素子の入出力経路間の接続による透過損失の分布を、送信ノードに帰還せず多入力多出力光素子の近傍で局所的に等化を行うため、損失の等化に要する調整行程の短縮が行え、さらに入力光を複数のAWGへ分岐した接続での等化制御も可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。なお、本発明は、特に複数の光素子についての損失等化方法および損失等化装置に関するが、ここでいう損失等化装置とは、本発明の機能を含む光素子、回路、またはそれによって構成される装置構成を含んで実施することが可能である。図1は、本発明の第一の実施の形態を示す構成図である。
【0027】
図1の構成において、第一の実施の形態では、各々n本の入出力ポート10及び11を持つAWG素子1と、入力ポートと出力ポートの各々に入力側光減衰手段20と、出力側光減衰手段21とを備えている。また、図1に於いて、AWG1として、石英光導波路による16ポートのAWGを用いている。また、光減衰手段20,21として、干渉膜フィルタを用いた可変光減衰器を、16台づつ合計32台用いる場合について説明する。
【0028】
また、図7は、入出力各々16ポートを有するAWGの波長の接続例を示す説明図である。また、図12は、16ポートで使用する波長λ1〜λ16の例としてITU−T標準の100GHz間隔の波長の例であり、以下の説明で記述する実測値、シュミレーション値は、この波長帯のλ1〜λ16値を用いて求めている。
【0029】
図7に示すようなAWG素子において、全入出力間ポート間の透過損失の測定例を説明する。図7の構成を有するAWGにおいて入力ポートi1〜i16に入力した各信号光について、各々出力ポートo1〜o16に出力可能である。図13は、16ポートのAWGの入出力ポートと波長の関係の入出力関係の一例を示しており、たとえば、入力ポートi1に入力された波長λ1の信号光は、出力ポートo1に出力され、入力ポートi1に入力されたλ16の信号光は出力ポートo2に出力されることを示している。また、測定すべき箇所は、各波長毎に16ポート×16ポートの256ポイントある。また、各ポートを通過する信号光の経路長による損失は、図14に示される。図14に示すように、損失の最大の経路(光路)長と最小の経路長における損失の差は、4.53dBである。
【0030】
本発明の第一の実施の形態では、このような多入力多出力光素子を通過する経路長に依存する損失のばらつきに対し、図1に示すように可変光減衰器20,21の減衰量を調節し、透過波長の損失が、各入出力ポートについて全て等しくなるように調整する。具体的には、経路長の短い中央のポートに接続する可変光減衰器の減衰量を大きくし、周辺に行くに従い減衰量を小さくする。各損失量の全体のバランスを、最小自乗法などの計算手法を用いて最適値を求める。図の構成において256経路全ての損失を測定し、32箇所の調節値の最適値を求めることができるが、最適値検索の計算方法は、システムで要求される精度により、32元の連立方程式を解析的に解く方法、差の1乗の総和を最小とする近似、他、計算機を使って数値的に最適値を求める方法も採用することができる。すなわち、本発明は、複数の入出力ポートを有する光素子について、入力ポートと出力ポートの接続の組み合わせによる光信号の相関性に着目したものであり、上記計算手法に限定されず光素子の接続構成、特性に応じて、最適な計算手法を適用する。
【0031】
そして、このようにして求めた最適値により入出力光減衰手段20、21の減衰量を適宜設定する事で、入出力ポート間接続の組み合わせによる経路長に依存したAWG素子1の損失分布を等化する事が可能となる。
【0032】
このように、AWGの入出力ポートの双方に、光強度の減衰手段を付け、AWG周辺で局所的に損失の等化を行う為、帰還制御を廃す事が可能となり、さらに図10に示すような、入力光を複数のAWGへ分岐した接続での等化制御も可能となる。
【0033】
また、光減衰手段20,21とAWG1とを一体化する事で、事前に製造段階で調整し、均一な損失特性を持つAWGを販売購入する事が可能となり、装置製造組立て時の波長毎の複雑な光強度の調整を廃する事ができる。
【0034】
以上、本発明の第一の実施の形態について説明したが、上記実施の形態に於いて、AWG1としては、InP基板に作成した半導体導波路、あるいは、有機物の基板に作成した光導波路に依るAWGが使用可能である。
【0035】
また、光減衰手段20,21として、AWGを作成する導波路基板上に一括作成した可変あるいは固定導波路型光減衰器、AWG外に接続した固定光減衰器、干渉膜フィルタなどを使い、AWG素子とファイバを接着固定する部分に作り込んだ可変あるいは固定光減衰器、熱あるいは紫外線照射などの手段で損失量を可変可能なファイバ型減衰器が使用可能である。また、光減衰手段20,21としては、光減衰器と同様に、電界光学効果を用いた半導体変調器、半導体光増幅器、Erなどに代表される希土類を用いたファイバ増幅器が使用可能である。
【0036】
これらの変調器の減衰量及び増幅器の利得は、電気的に外部から調整可能なので、可変減衰器と同様に、増幅率を変化させる事で、AWG1の損失の分布の均一化が可能である。さらに、AWG素子と、変調器あるいは増幅器の接続は、AWGの外部にファイバを介して接続するか、あるいは、一部または全体をAWGを形成する基板上に集積、または、ハイブリッド実装技術を用いた集積構造も可能である。また、入出力それぞれの光減衰手段20,21に、上記の光減衰器、変調器、光増幅器とを組み合わせてあてはめる構成としてもよい。このように、おのおの入出力ポート毎に可変減衰手段を設け、可変光減衰器の減衰量を調節し、透過波長の損失が全て等しくなるように調整し、各損失量の全体のバランスを、最小自乗法などの計算手法を用いて、最適値を求める。その他、256経路全ての損失を測定して、32箇所の調節値の最適値を求める為、32元の連立方程式を解析的に解くか、または計算機を使って数値的に最適値を求める方法も採用することができる。
【0037】
また、上記実施の形態において、光減衰器を付属させずに、製造元からあらかじめ減衰量の値を提供し、使用者側に於いて、AWG外部に接続する光減衰器の損失量、あるいは増幅器の増幅率を設定する手段も採用することが出来る。
【0038】
以上、本発明の第1の実施の形態について説明したが、この応用として、多入力多出力光素子として、AWGの代わりに、マトリクス型光スイッチを用いた構成について説明する。図2は、マトリクス型光スイッチを用いた本発明の損失等化装置の構成例である。図2において、入線から入力された各信号光は、通過クロスポイント7を通過し、設定された反射クロスポイント8にて反射され、出線に出力される
このマトリクス型光スイッチを用いた構成においても、おのおの入出力ポート毎に可変減衰手段を設け、可変光減衰器の減衰量を調節し、透過波長の損失が全て等しくなるように調整し、各損失量の全体のバランスを、最小自乗法などの計算手法を用いて、最適値を求めることが可能である。
【0039】
そして、入出力光減衰手段20、21の減衰量を適宜設定するこのような光スイッチとしてはLN、石英、光半導体あるいは有機材料を用い、熱光学効果、電気光学効果あるいは屈折率整合を利用した内部接続回路が、図11と等価な導波路型光スイッチが適用可能であり、たとえば、Si−MEMS(Micro−Electronic−Mechanical System)によるもの、あるいは、前述のように、液体を屈折率調整材として用いた、内部接続回路が図11と等価な回路であって、石英あるいは有機材料を使った導波路型光スイッチが適用可能である。
【0040】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前記第1の実施形態では、AWGの全ての波長−ポートの接続の損失を測定する事を述べたが、16ポートAWGを例に取ると、その測定数は、256接続に上り、多大な測定時間と手間を必要とする。
【0041】
そこで、前記第1の実施形態に於いて説明した損失の分布を均一化するAWGの構成を基に、図3を用いて、このようなポート毎の測定時間、調整に関する課題を解決する為の第二の実施の形態について説明する。
【0042】
本実施の形態では、損失特性測定の簡易化を行うため、入出力の各々の任意の1ポートから相対する全ポートの損失のみを測定する事で、光減衰手段の減衰量の値を決定する手法を採用する。
【0043】
すなわち、第一の実施の形態で説明した、入力側、出力側の二群の光可変減衰手段20,21を一体化したAWGの製造段階の調整工数に注目して説明すると、例えば、入出力ポート数が各々16ポートあるAWGの場合、全てのメッシュ接続数は256接続となるため、透過損失は各々256通りの値を持つ事になり、厳密には、この256通りの接続の損失を測定した後に、二群の光減衰手段の減衰量の最適値を決定する必要がある。
【0044】
これに対して、AWGの入出力ポートの素子上の配置と損失量に注目すると、その損失は一般に、並列に並ぶポートの中心が小さく、両端に行く程単調に大きな値となるという特性を有することがわかる。
【0045】
そこで、入出力の各々の任意の1ポートから相対する全ポートの損失のみを測定することとすると、16ポートのAWGの場合であれば、31通りの測定となる。
【0046】
この31通りの損失の値と、計算機を用いた最小自乗法を用いる事で、AWGのメッシュとなる256通り損失特性を測定することなく、二群の光減衰手段の減衰量の値を算出する事である。以下、図面を用いて第2の実施の形態の手順を説明する。図3は、第2の実施の形態の簡略測定方法を示す説明図である。
【0047】
図3(a)では、入力側より任意の1ポートから、出力側全ポートへ対する透過損失を測定し、図3(b)では、出力側より任意の1ポートから、入力側全ポートへ対する透過損失を測定する事を示している。ここで、AWGの透過特性には方向性がない為、図3(b)の測定は問題なく行うことが可能である。
【0048】
この図3で示した測定結果31カ所を、図8の入出力ポート間接続の組合わせの経路に依存した損失分布特性図上に再描すると、図4の太線で示した測定点に相当する。図8に示すように損失分布特性は、接続ポートの組み合わせに対して明らかな相関を持ち、図4の計測値について任意のポートから、対する全ポートに対する損失値の変化は、オフセット値が変わるだけで、損失値の相対的な差は、ほぼ一定とみなすことが可能である。上記図4にプロットした代表する31ヶ所の測定点について損失を等化するように調整すれば全ポートについて一定精度の損失等化を実施することとなる。
【0049】
図5(a)〜(c)に、この31点の数値のみを用いて、全256接続の損失の補正を行う課程を説明する。図5(a)は補正前の損失の測定値である。
【0050】
次に、図3(b)の測定点に相当する測定値を用いて、出力ポート番号7番に接続する経路の損失が、全て等しくなるように、入力側の減衰器20の減衰量を調整する。その減衰量を図5(a)に反映させた結果が図5(b)である。
【0051】
次に、図3(a)の測定値に相当する、あるポート、たとえば入力ポート番号7番に接続する信号光の損失が、全て等しくなるように、出力側の減衰器21の減衰量を調整する。その減衰量を図5(b)に反映させた結果が図5(c)である。このような行程で、図5(c)に示すように、一部の損失の測定値を用いる事で、全接続の損失の平坦化が可能となる。
【0052】
また、損失測定には、誤差や製造ばらつきに起因する不確実要素があるが、図3(aまたはb)の測定に相当する値に関して、多数検体の平均値を用いるか、あるいは、理論的に求められる関数を基に、最小自乗法を用いたフィッティングで、最適値を求める事が可能である。理論的に求められる関数とは、AWGのアレイ導波路及びスラブ導波路部分の光伝搬特性を理論的に解析する事で求める事が出来る関数であり、上記フィッティングを用いて、入出力双方の減衰器の値を最適化した結果を図6に示す。
【0053】
図6は、本発明の損失等化の概念を用いて均一化した経路の損失の実測値例であり、この結果は、減衰器の代替に光増幅器の利得を使用して求めたものである。
【0054】
図6によると、全ポートのばらつき幅が当初の4.53dBから、わずか0.5dB以下に均一化されていることがわかる。この時の光アンプの利得を、図15に示す。
このようにポート毎の設定値を用いて良好な特性が得られた。
【0055】
また、第2の実施形態においても、前述の第1の実施形態と同様に、AWGの代替として、図2の構成を取る光スイッチに対して、同様の手法を適用することが可能である。すなわち、光マトリクススイッチに於いても、AWGと同様に、入出力の各々の任意の1ポートから相対する全ポートの損失のみを測定する事で、光減衰手段の減衰量の値を決定する事が可能である。また、発明を構成手段は第1の実施の形態と同様のデバイスの置き換えが可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、このように、波長を介したメッシュ接続状態に構成したAWGあるいは光マトリクススイッチ等の多入力/多出力ポートを有する光素子の入出力経路間の接続による透過損失の分布を、LDに帰還せずAWG等の近傍で局所的に等化を行う事と、損失の等化に要する調整行程の短縮を行い、さらに図10に示すような、入力光を複数のAWGへ分岐した接続での等化制御も可能とする。
【0057】
また、光減衰手段とAWG等とを一体化する事で、事前に製造段階で調整し、均一な損失特性を持つAWGを販売購入する事が可能となり、装置製造時の波長毎の複雑な光強度の調整を廃する事ができる。
【0058】
さらに、本発明では、損失特性測定の簡易化を行うため、入出力の各々の任意の1ポートから相対する全ポートの損失のみを測定する事で、光減衰手段の減衰量の値を決定する手法を採用する為、簡易な構成で精度良い損失等化装置の提供が可能である。
【0059】
本発明の第一の効果は、透過損失に分布のあるAWGあるいは光スイッチに対して、複雑で収束の遅い帰還制御を用いずに、その光デバイス周辺で局所的な補正を行い、容易にかつ安定な特性を得る事が可能となる。
【0060】
本発明の第二の効果は、多ポートの入出力間に、メッシュ接続を持つ光素子の損失ばらつきの均一化の為に、従来行っていた全入出力間の損失を測定を、大幅に削減する事を可能とする。一例として、16ポートのAWGの場合、256経路に対して、31経路の測定で十分な均一化が可能な為、測定量が8分の1となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の損失等化装置の構成図である。
【図2】マトリクススイッチを用いた本発明の損失等化装置の構成図である。
【図3】損失の均一化の為の簡略化された測定を示す概略図である。
【図4】簡略化された測定を示す、実測値を用いたイメージである。
【図5】簡略化された均一化の手順を示す説明図である。
【図6】本発明を用いて均一化した経路の損失の実測値例である。
【図7】AWGの接続を表す説明図である。
【図8】AWGの入出力ポート間接続の組み合わせの経路に依存した損失の分布特性図である。
【図9】従来の技術を説明する為のブロック図である。
【図10】従来の技術の光通信システムを拡張したブロック図である。
【図11】光マトリクススイッチの構成図である。
【図12】ITU標準の100GHz間隔の波長の例を示す図表である。
【図13】16ポートのAWGの入出力ポートと波長の関係を示す図表である。
【図14】AWGの全接続経路の損失の実測例を示す図表である。
【図15】本発明を用いて最適化したAWG入出力の可変利得値を示す図表である。
【符号の説明】
1、101 AWG
6 マトリクス光スイッチ
7 通過クロスポイント
8 反射クロスポイント
10 入力波長多重信号光
11 出力波長多重信号光
20 入力側光減衰器
21 出力側光減衰器
20、21 可変減衰器
40 入力ポートから全出力ポートへの損失の測定値
41 出力ポートから全入力ポートへの損失の測定値
103 送信ノード
104 受信ノード
131 光源レーザ
132 光増幅器
141 光受信器
143 波長強度モニタ
142 光分岐
140 帰還信号

Claims (13)

  1. 複数の入出力ポートを備えた光素子についての損失等化方法であって、前記光素子が経路毎に有する非線形の損失分布を、各入力ポート及び各出力ポート毎に補正量を調整して前記損失分布にもとづく損失量を等化することを特徴とする損失等化方法。
  2. 前記入力ポートと前記出力ポートの接続の組み合わせ経路毎に透過光の損失分布を測定し、前記入力ポートと前記出力ポートの接続の組み合わせによらず透過光が均一に出力されるよう、前記損失分布による損失量にもとづき、前記各入力ポート及び前期各出力ポートでの補正量を算出することを特徴とする請求項1記載の損失等化方法。
  3. n個の入力ポートからm個(n、mは1以上の整数)の出力ポートに至るn×m個の経路の損失を測定する損失測定工程と、前記損失測定工程によって測定したn×m個の損失値に基づいて前記入力ポートと前記出力ポートの接続の組み合わせによらず透過光が均一に出力されるように前記n個の入力ポート及び前記m個の出力ポートにおける補正量を算出する等化量計算工程と、前記等化量計算工程によって算出された補正量によって前記入力ポート及び出力ポート毎に信号光の損失を補正する損失等化工程とを含むことを特徴とする損失等化方法。
  4. n個の入力ポートのうちの1つの入力ポートからm個(n、mは1以上の整数)の出力ポートに至る経路の損失と、これと対称なm個の出力ポートのうちの1つの出力ポートからn個の入力ポートに至る重複方向を除くm+n−1個の経路の損失を測定する損失測定工程と、前記n+m−1個の損失測定工程によって測定された各損失値に基づいて前記入力ポートと前記出力ポートの接続の組み合わせによらず透過光が均一に出力されるように前記n個の入力ポート及び前記m個の出力ポートにおける補正量を算出する等化量計算工程と、前記等化量計算工程によって算出された補正量によって前記入力ポート及び出力ポート毎に信号光の損失を補正する損失等化工程とを含むことを特徴とする損失等化方法。
  5. 前記損失等化工程は、光増幅、光減衰、光変調のいずれか、またはその組み合わせによって行うことを特徴とする請求項1乃至4記載の損失等化方法。
  6. 複数の入力ポート及び出力ポートを備えた光素子における損失等化装置であって、前記光素子は、前記入力ポートと出力ポートの接続の組み合わせ経路毎に非線形の損失分布特性を有し、前記非線形の損失分布特性にもとづく損失量を、前記入力ポート及び出力ポートのそれぞれにおいて等化する補正値を有する損失等化手段を含むことを特徴とする損失等化装置。
  7. 複数の入力ポート及び出力ポートを備えた光素子における損失等化装置であって、前記光素子は、前記入力ポートと出力ポートの接続の組み合わせ経路毎に非線形の損失分布特性を有し、前記損失分布による損失量にもとづき、前記入力ポートと前記出力ポートの接続の組み合わせによらず透過光が均一に出力されるよう算出した補正量を、前記入力ポート及び出力ポートのそれぞれにおいて有する損失等化手段を含むことを特徴とする損失等化装置。
  8. 前記損失等化手段は、光減衰器、変調器、光増幅器の1種または、そのいずれかを組み合わせて適用されることを特徴とする請求項6乃至7記載の損失等化装置。
  9. 前記損失等化手段は前記損失等化装置の外部に接続する光減衰器の損失量、あるいは光変調器の変調量、あるいは増幅器の増幅率の設定を行うことを特徴とする請求項記載の損失等化装置。
  10. 前記損失等化手段は、電気的に外部から調整可能であることを特徴とする請求項6乃至9記載の損失等化装置。
  11. 前記多入力多出力光素子は、アレイ導波型回折格子(AWG)であることを特徴とする請求項6乃至10記載の損失等化装置。
  12. 前記多入力多出力光素子は、光マトリクススイッチであることを特徴とする請求項6乃至10記載の損失等化装置。
  13. 前記多入力多出力光素子は、InP基板に作成した半導体導波路、または、有機物の基板に作成した光導波路に依るAWGであることを特徴とする請求項11記載の損失等化装置。
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