JP3586826B2 - 射出成形機の動作制御方法及び射出成形機 - Google Patents

射出成形機の動作制御方法及び射出成形機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の動作制御方法及び射出成形機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
射出成形機は、複数に分割される金型と、これら分割される金型同士を密着させるよう型締めする型締装置と、型締めされた金型内に形成される成形空間内に溶融樹脂を射出注入する射出装置と、この金型内から樹脂成形品を脱型するエジェクタ装置とを備えるものである。
【0003】
従来の射出成形機のエジェクタ装置の構成及び構造の一例を図3に例示する。エジェクタ装置1は、金型2が配置される可動盤3から、その先端を、可動盤3に設けられる貫通孔3aを通じて金型2内に挿通されるエジェクタロッド4と、エジェクタロッド4を可動盤3の金型2内に向けて前進または後退する方向に移動させる駆動装置5と、駆動装置5の動作を制御する制御装置6と、金型2内に設けられて、エジェクタロッド4の先端と係合されることで、エジェクタロッド4の移動に伴ってその先端を金型2の成形面2aから突出するよう、または成形面2a内に収容するよう移動されるエジェクタピン7とを備えるものである。
【0004】
また、エジェクタピン7は、それぞれ可動盤3側の端部を、金型2内でエジェクタロッド4の先端にボルト8によって固定されるエジェクタプレート9に接続されている。
なお、図3では、金型2として、複数に分割される金型のうち、可動盤3に固定される部分のみを図示している。また、金型2の成形面2aは実際には金型2において凹曲面を形成するものであるが、この明細書では、エジェクタピン7の先端と成形面2aとの位置関係が明確に示されるよう、金型2の成形面2aを概略的に平面で図示している。
【0005】
このように構成されるエジェクタ装置1を備える射出成形機において、金型2内の樹脂成形品(図示せず)の脱型は、制御装置6によって駆動装置5の動作を制御してエジェクタロッド4を金型2に向けて前進させることで、図3(a)に示すように、エジェクタロッド4の先端と係合されるエジェクタピン7の先端を金型2の成形面2aから突出させて金型2内の樹脂成形品を押し出すことで行う。
そして、樹脂成形品の脱型後は、図3(a)の状態から、脱型の手順とは逆に、エジェクタロッド4を予め設定した後退位置Cまで後退させることで、図3(b)に示すように、金型2の成形面2aから突出されているエジェクタピン7を金型2の成形面2a内に収容する。
【0006】
ここで、制御装置6は、エジェクタロッド4が後退位置Cまで後退された後も、エジェクタロッド4の現在位置kを監視し、エジェクタロッド4を後退位置Cで保持し続けるよう、駆動装置5を操作して位置の補正を行っている。
また、駆動装置5は、エジェクタロッド4の後退移動に要する時間を短縮して射出成形機の生産性を向上させる目的から、エジェクタロッド4を後退させる際には、エジェクタロッド4を後退位置Cまで素速く移動させられるよう、最大トルクで駆動される。
なお、ここでいうエジェクタロッド4の位置とは、エジェクタロッド4の可動盤3側の端部の位置を指している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エジェクタピン7またはエジェクタプレート9は、金型2内に射出注入される溶融樹脂の熱で加熱されることで熱膨張し、その長さが伸びる。
また、エジェクタロッド4にエジェクタプレート9を固定するボルト8がエジェクタ装置1を動作させ続けることで緩んでしまうなどして、エジェクタロッド4とエジェクタプレート9との間に隙間が開いてしまうことがある。
このように、エジェクタロッド4の先端とエジェクタピン7の先端との間の距離は一定の値ではなく、射出成形機を動作させ続けることで次第に変化していくものである。
ここで、エジェクタピン7の先端とエジェクタロッド4の先端との間の距離が増加していない状態を定常状態とし、エジェクタピン7の先端とエジェクタロッド4の先端との間の距離が増加している状態を定常外状態とすると、以下のことが言える。
【0008】
従来の射出成形機では、エジェクタピン7の金型2の成形面2a内への収容を、エジェクタロッド4を予め設定した後退位置Cまで後退させることで行っているので、この後退位置Cの設定をシビアにしなければならず、また、エジェクタロッド4の先端とエジェクタピン7の先端との間の距離が変わるごとに、後退位置Cの設定を変更しなければならないという問題があった。
【0009】
すなわち、後退位置Cを、例えば定常状態でエジェクタピン7の先端が金型2の成形面2a内に収容される位置、つまりエジェクタピン7の先端が成形面2aと同一面上に位置するか、もしくは成形面2aよりも後退方向に位置される位置に設定すると、定常外状態では、図4(a)に示すように、エジェクタロッド4を後退位置Cまで後退させても、エジェクタピン7は金型2の成形面2aから突出されたままとなる。そして、この状態で金型2の型締めを行うと、型締力によってエジェクタピン7が押圧されるので、エジェクタロッド4にも後退方向へ型締力が加わる。
ここで、従来の射出成形機では、制御装置6はエジェクタロッド4を後退位置Cに常に保持し続けるよう駆動装置5を操作し、駆動装置5は最大トルクで位置の補正を行っているので、このようにエジェクタロッド4に型締力が加わった場合には、駆動装置5に過負荷が加わってこれを破損させてしまう恐れがある。
また、金型2の成形面2aからエジェクタピン7が突出した状態で金型2が型締めされると、エジェクタピン7に向かい合わせに配される金型2(図示せず)が型締力によってエジェクタピン7の先端に押し付けられて、エジェクタピン7または金型2の成形面2aに過負荷が加わって、これらを破損させてしまう恐れがある。
【0010】
また、後退位置Cを、定常外状態でエジェクタピン7の先端が金型2の成形面2aと同一面上または成形面2a内よりも後退方向の位置となるように設定すると、定常状態では、図4(b)に示すように、エジェクタロッド4を後退位置Cまで後退させる前にエジェクタプレート9が金型2の可動盤3側の端部内面2bに接触して後退位置Cまで後退できなくなる。
この状態では、エジェクタピン7の先端は成形面2aよりも後退方向に位置するものの、駆動装置5がエジェクタロッド4を後退位置Cまで移動させるよう最大トルクで動作するために、駆動装置5に過負荷が加わってこれを破損させてしまう恐れがある。
【0011】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、エジェクタロッドの後退時の位置決めを、容易かつエジェクタロッドの先端とエジェクタピンの先端との間の距離の変化にも対応させて行うことができる射出成形機の動作制御方法及び射出成形機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載の射出成形機の動作制御方法においては、可動盤に配置される金型から樹脂成形品を脱型させるエジェクタ装置として、その先端を前記可動盤に設けられる貫通孔を通じて前記金型内に挿通されるエジェクタロッドと、該エジェクタロッドを前記可動盤の前記金型内に向けて前進または後退する方向に移動させる駆動装置と、該駆動装置の動作を制御する制御装置と、前記金型内に設けられて、前記エジェクタロッドの先端と係合されることで、該エジェクタロッドの移動に伴ってその先端を前記金型の成形面から突出するよう、または成形面内に収容するよう移動されるエジェクタピンとを備える射出成形機の動作制御方法であって、前記駆動装置による前記エジェクタロッドの後退移動の基準位置として、定常状態にて前記エジェクタピンの先端が前記金型の成形面内に収容される位置である収容位置Aと、定常外状態にて前記エジェクタピンの先端が前記金型の成形面内に収容される位置である後退限位置Bとを設定し、前記エジェクタロッドの現在位置kを検出し、該エジェクタロッドの現在位置kと、前記収容位置Aとを比較し、前記エジェクタロッドが前記収容位置Aに達するまでの間は前記駆動装置を所定の後退トルクTaで駆動させ、前記収容位置Aに達した後は、安全領域トルクTb(<後退トルクTa)で駆動させることを特徴とする。
【0013】
このように構成される射出成形機の動作制御方法においては、エジェクタロッドの後退移動の際に、エジェクタロッドの現在位置kが監視され、エジェクタロッドが収容位置Aに達するまでの間は所定の後退トルクTaで駆動させるよう、収容位置Aに達した後は、安全領域トルクTb(<後退トルクTa)で駆動させるよう駆動装置が制御される。
【0014】
請求項2記載の射出成形機においては、可動盤に配置される金型から樹脂成形品を脱型させるエジェクタ装置として、その先端を前記可動盤に設けられる貫通孔を通じて前記金型内に挿通されるエジェクタロッドと、該エジェクタロッドを前記可動盤の前記金型内に向けて前進または後退する方向に移動させる駆動装置と、該駆動装置の動作を制御する制御装置と、前記金型内に設けられて、前記エジェクタロッドの先端と係合されることで、該エジェクタロッドの移動に伴ってその先端を前記金型の成形面から突出するよう、または成形面内に収容するよう移動されるエジェクタピンとを備える射出成形機であって、前記制御装置は、前記駆動装置による前記エジェクタロッドの後退移動の基準位置として、定常状態にて前記エジェクタピンの先端が前記金型の成形面内に収容される位置である収容位置Aを設定する収容位置設定器と、同じく基準位置として定常外状態にて前記エジェクタピンの先端が前記金型の成形面内に収容される位置である後退限位置Bを設定する後退限位置設定器と、前記エジェクタロッドを前記収容位置Aまで後退させるために前記駆動装置を動作させる後退トルクTaを設定する後退トルク設定器と、前記エジェクタロッドを前記後退限位置Bまで後退させるために前記駆動装置を動作させる安全領域トルクTb(<後退トルクTa)を設定する安全領域トルク設定器と、前記エジェクタロッドの現在位置kを検出する位置検出器と、該位置検出器によって検出される前記エジェクタロッドの現在位置kと、前記収容位置設定器に設定される前記収容位置Aとを比較する位置比較器と、該位置比較器から前記エジェクタロッドが前記収容位置Aに達したことを検知したことを信号として受けたことを条件に、前記後退限位置設定器と前記収容位置設定器との切り換え及び前記後退トルク設定器と前記安全領域トルク設定器との切り換えを行う切換器とを有していることを特徴とする。
【0015】
このように構成される射出成形機においては、制御装置により駆動装置が後退トルクTaでエジェクタロッドを後退させ、位置検出器によって検出されるエジェクタロッドの現在位置kと収容位置Aとが位置比較器によって比較され、エジェクタロッドが収容位置Aに達したことを検知したことを信号として受けたことを条件に、切換器によって後退限位置設定器と収容位置設定器との切り換え及び後退トルク設定器と安全領域トルク設定器との切り換えが行われ、駆動装置が安全領域トルクTbでエジェクタロッドを後退限位置Bに向けて移動するよう駆動する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の射出成形機の動作制御方法及び射出成形機の実施の形態について、図1ないし図3を用いて説明する。
ここで説明する本発明の射出成形機の実施の形態は、図3に示すエジェクタ装置1を有する従来の射出成形機において、駆動装置5と制御装置6を以下のように構成したものである。
【0017】
ここで、この例では、エジェクタロッド4は、駆動装置5のボールねじ機構10(後述)のねじ軸を兼ねている。
駆動装置5は、可動盤3の面に対して略垂直に配されて、その先端を可動盤3の貫通孔3aを通じて可動盤3の金型2内に向けて前進、後退する方向に移動可能に配されるエジェクタロッド4(ねじ軸)に、可動盤3から所定距離離間された位置に固定的に配されるナット部材10aが螺着されるボールねじ機構10と、駆動軸12aをボールねじ機構10のナット部材10aに駆動ベルト11を介して接続されてこれを回転駆動するサーボモータ12とを備えている。
ボールねじ機構10は、ナット部材10aを回転駆動されることで、ねじ軸であるエジェクタロッド4がその軸方向に沿って移動されるものである。
サーボモータ12は、その実際の動作情報(n)及びサーボモータ12とボールねじ機構10によって移動させられるエジェクタロッド4の現在位置(k)を駆動装置6に送るエンコーダ12bを有している。すなわち、エンコーダ12bは、エジェクタロッド4の位置検出器を兼ねる。
【0018】
制御装置6は、概略的には図3に示すように、サーボモータ12と各信号のやりとりを行うサーボアンプ13と、サーボアンプ13を介してサーボモータ12と各信号のやりとりを行ってサーボモータ12の動作を制御するモーションコントローラ14によって構成されるものである。
【0019】
制御装置6は、図1に示すように、駆動装置5のサーボモータ12に、エジェクタロッド4を移動させるトルクを指令するトルク指令回路15と、エジェクタロッド4を移動させる速度を指令する速度指令回路16と、エジェクタロッド4を後退させる基準位置を指令する基準位置指令回路17と、サーボモータ12のエンコーダ12bから送られてくるサーボモータ12の実際の動作情報(n)及びサーボモータ12とボールねじ機構10によって移動させられるエジェクタロッド4の現在位置(k)を、トルク指令回路15と基準位置指令回路17とにフィードバックさせるフィードバック回路18とを備えるものである。
【0020】
トルク指令回路15は、駆動装置5のサーボモータ12の後退トルクTaの値を設定する後退トルク設定器(a−1)と、安全領域トルクTbの値を設定する安全領域トルク設定器(a−2)と、これら後退トルク設定器(aー1)及び安全領域トルク設定器(a−2)とから後退トルクTa、安全領域トルクTbの値をそれぞれ読み出して、いずれか一方の値を出力するトルク値切換器(a−3)と、トルク値切換器(a−3)からトルク値を入力されて、サーボモータ12にこのトルク値で動作するようトルク指令を送るトルク司令部(b)とを備えている。
ここで、後退トルクTaは、本実施の形態ではサーボモータ12の発揮できる最大トルクであって、安全領域トルクTbは、サーボモータ12が持続的に耐えうる負荷の範囲内、すなわちサーボモータ12の定格トルク以下の大きさである。
【0021】
前記速度指令回路16は、駆動装置5によりエジェクタロッド4を後退させる後退速度Vの値を設定する後退速度設定器(c)と、後退速度設定器(c)から後退速度Vの値を読み出して、後退させられるエジェクタロッド4(ねじ軸)の後退速度がVとなるよう、ボールねじ機構10のナット部材10aを回転駆動するサーボモータ12に速度司令を送る速度司令部(d)とを備える。
ここで、後退速度Vは任意の値であるが、これは射出成形機のエジェクタロッド4の後退移動に要する時間を短縮して射出成形機の生産性を向上させる目的から、サーボモータ12により実現可能な最大の速度であることが望ましい。
【0022】
前記基準位置指令回路17は、駆動装置5によるエジェクタロッド4を後退させる基準位置として、定常状態でエジェクタピン7の先端が金型2の成形面2a内に収容される位置である収容位置Aを設定する収容位置設定器(e−1)と、同じく基準位置として、定常外状態でエジェクタピン7の先端が金型2の成形面2a内に収容される位置である後退限位置Bを設定する後退限位置設定器(e−2)と、これら収容位置設定器(e−1)と後退限位置設定器(e−2)とから収容位置A、後退限位置Bの値をそれぞれ読み出していずれか一方の値を出力する基準位置切換器(e−3)と、基準位置切換器(e−3)から基準位置の値を入力され、サーボモータ12にエジェクタロッド4を後退させる基準位置を指令する基準位置司令を送る基準位置指令部(f)とを備えている。
ここで、収容位置Aは、金型2、エジェクタピン7及びエジェクタプレート9の寸法または材質等の条件に応じて変動するものである。後退限位置Bは、駆動装置5の可動範囲から定まる位置であり、この例ではボールねじ機構10により移動されるエジェクタロッド4の後退限位置である。
【0023】
前記フィードバック回路18は、エンコーダ12bから送られてくるエジェクタロッド4の現在位置(k)と収容位置設定器(e−1)に設定される収容位置Aとを比較し、エジェクタロッド4が収容位置Aに達したことを検知することで確認信号(L)を出力する位置比較器(j)と、位置比較器(j)から確認信号(L)を受けたことを条件に、トルク指令回路15のトルク値切換器(a−3)及び基準位置指令回路17の基準位置切換器(e−3)に、それぞれ出力するトルク値、基準位置の値の切り換えを指示する切換信号を送る切換信号供給器(p)とを備えている。
【0024】
なお、基準位置司令部(f)から送られる指令は位置制御ループ(g)を、速度司令部(d)から送られる指令は速度制御ループ(h)を、トルク司令部(b)から送られる指令は電流制御ループ(i)をそれぞれ経由して、サーボモータ12の制御信号(m)に変換されてサーボモータ12に供給されている。
【0025】
以下より、このように構成される射出成形機を用いた本発明の射出成形機の動作制御方法について説明する。
まず、制御装置6によって、駆動装置5のサーボモータ12の動作を制御するために必要な各設定値を設定する。すなわち、制御装置6において、トルク指令回路15の後退トルク設定器(a−1)によって後退トルクTaの値を、安全領域トルク設定器(a−2)によって安全領域トルクTbの値をそれぞれ設定し、速度指令回路16の後退速度設定器(c)によって後退速度Vの値を設定し、基準位置指令回路17の収容位置設定器(e−1)によって収容位置Aを、後退限位置設定器(e−2)によって後退限位置Bをそれぞれ設定する。
【0026】
そして、トルク指令回路15のトルク値切換器(a−3)が、後退トルク設定器(a−1)と安全領域トルク設定器(a−2)から後退トルクTaの値と安全領域トルクTbの値を読み出して、そのうちの後退トルクTaの値をトルク司令部(b)に出力する。これによってトルク司令部(b)が電流制御ループ(i)を経由して、サーボモータ12にこのトルク値で動作するようにトルク指令を送る。
これと並行して、速度指令回路16の速度司令部(d)が、後退速度設定器(c)から後退速度Vの値を読み出して、後退させられるエジェクタロッド4(ねじ軸)の後退速度がVとなるよう、ボールねじ機構10のナット部材10aを回転駆動するサーボモータ12に速度司令を送る。
同様に、基準位置指令回路17の基準位置切換器(e−3)が、収容位置設定器(e−1)と後退限位置設定器(e−2)から基準位置の値を読み出し、そのうちの収容位置Aの値を基準位置指令部(f)に出力する。これによって基準位置指令部(f)が位置制御ループ(g)を経由して、サーボモータ12にエジェクタロッド4を後退させる基準位置を指定する基準位置司令を送る。
【0027】
そして、制御装置6から送られてくる動作条件に従って、駆動装置5のサーボモータ12が動作する。
すなわち、サーボモータ12が後退トルクTaで駆動軸12aを回転駆動し、この駆動軸12aの回転が駆動ベルト11を介してボールねじ機構10のナット部材10aに伝達されてナット部材10aが回転駆動され、これによってボールねじ機構10のねじ軸であるエジェクタロッド4を、後退速度Vで、収容位置Aまで後退させる(図2(a)参照)。
【0028】
ここで、サーボモータ12の動作中は、サーボモータ12のエンコーダ12bが制御装置6のフィードバック回路18に、サーボモータ12の実際の動作情報(n)及びサーボモータ12とボールねじ機構10によって移動させられるエジェクタロッド4の現在位置(k)を送る。
そして、フィードバック回路18の位置比較器(j)によって、駆動装置5のサーボモータ12のエンコーダ12bから送られてくるエジェクタロッド4の現在位置(k)と収容位置設定器(e−1)に設定される収容位置Aとが比較され、エジェクタロッド4が収容位置Aに達したことを検知することで確認信号(L)を出力する。
【0029】
そして、位置比較器(j)からエジェクタロッド4が収容位置Aに達したことを検知したことを信号として受けたことを条件に、切換信号供給器(p)がトルク指令回路15のトルク値切換器(a−3)及び基準位置指令回路17の基準位置切換器(e−3)に、それぞれ出力するトルク値、基準位置の値の切り換えを指示する切換信号を送る。すなわち、トルク値切換器(a−3)には出力するトルク値を安全領域トルクTbの値に、基準位置切換器(e−3)には出力する基準位置の値を後退限位置Bの値とするよう指令する。
これによって、制御装置6から送られてくる動作条件に従って、駆動装置5のサーボモータ12が動作する。
【0030】
そして、位置比較器(j)からエジェクタロッド4が後退限位置Bに達したことを検知したことを信号として受けたことを条件に、サーボモータ12を停止させる。そして、エジェクタロッド4が収容位置Aに達した時点で位置比較器(j)から確認信号(L)が発せられたことを合図として射出成形機を他の動作に移行させる。
ここで、制御装置6は、エジェクタロッド4が後退限位置Bからずれた場合には、安全領域トルクTbで位置の補正を行う。
位置比較器(j)からエジェクタロッド4が後退限位置Bに達したことを検知したことを信号として受けない場合、すなわち図2(b)に示すようにエジェクタロッド4が後退限位置Bに達していない場合には、サーボモータ12を安全領域トルクTbでの動作を継続させる。
【0031】
このように構成される射出成形機の動作制御方法においては、エジェクタロッド4の後退移動の際に、エジェクタロッド4の現在位置kが監視され、エジェクタロッド4が収容位置Aに達するまでの間は所定の後退トルクTaで駆動させるよう、収容位置Aに達した後は、安全領域トルクTb(<後退トルクTa)で駆動させるよう駆動装置5が制御される。
このように構成される射出成形機においては、制御装置6により駆動装置5のサーボモータ12が後退トルクTaでエジェクタロッド4を後退させ、エンコーダ12b(位置検出器)によって検出されるエジェクタロッド4の現在位置kと収容位置Aとが位置比較器(j)によって比較され、エジェクタロッド4が収容位置Aに達したことを検知したことを信号として受けたことを条件に、トルク値切換器(a−3)によって後退トルク設定器(a−1)と安全領域トルク設定器(a−2)との切り換えが行われ、基準位置切換器(e−3)によって収容位置設定器(e−1)と後退限位置設定器(e−2)との切り換えが行われる。すなわち、トルク値切換器(a−3)が安全領域トルクTbの値をトルク司令部(b)に出力し、基準位置切換器(e−3)が後退限位置Bの値を基準位置司令部(f)に出力する。
これによって、駆動装置5が安全領域トルクTbでエジェクタロッド4を後退限位置Bに向けて移動するよう駆動する。
【0032】
このように構成される射出成形機の動作制御方法及び射出成形機によれば、駆動装置5がエジェクタロッド4を、定常状態にてエジェクタピン7の先端が金型2の成形面2a内に収容される位置である収容位置Aまで後退トルクTaで後退するよう駆動し、収容位置Aに達した後は、安全領域トルクTb(<後退トルクTa)で駆動する。
これによって、安全領域トルクTbを駆動装置5が持続的に耐えうる負荷の範囲内、すなわち駆動装置5の定格トルク以下の大きさとすることで、エジェクタロッド4が収容位置Aまたはそれよりも後退限位置B側に後退していれば、定常状態か定常外状態かにかかわらず、駆動装置5によってエジェクタロッド4が後退可能な位置まで後退させられ、かつ後退限位置Bまで後退できなくても駆動装置5に過負荷がかからない。
【0033】
なお、上記実施の形態では、駆動装置5を、ねじ軸としてエジェクタロッド4を用いるボールねじ機構10と、駆動ベルト11と、サーボモータ12とによって構成した例を示したが、これに限られることなく、エジェクタロッド4をボールねじ機構10のねじ軸とは別に設けても構わない。
また、上記実施の形態の射出成形機は、エジェクタロッド4とエジェクタプレート9とがボルト8で固定されて、本発明の射出成形機の動作制御方法によって動作を制御されるものであるが、この動作制御方法によってのみ動作を制御されるものである必要はなく、エジェクタロッド4とエジェクタプレート9とを接続せずに、エジェクタプレート9またはエジェクタピン7に付勢手段を設けて、この付勢手段によってエジェクタピン7の後退移動を行う方法を用いても構わない。
【0034】
【発明の効果】
請求項1記載の射出成形機の動作制御方法及び請求項2記載の射出成形機によれば、駆動装置がエジェクタロッドを、定常状態にてエジェクタピンの先端が前記金型の成形面内に収容される位置である収容位置Aまで後退トルクTaで後退するよう駆動し、収容位置Aに達した後は、安全領域トルクTb(<後退トルクTa)で駆動する。
これによって、安全領域トルクTbを駆動装置が持続的に耐えうる負荷の範囲内、すなわち駆動装置の定格トルク以下の大きさとすることで、エジェクタロッドが収容位置Aまたはそれよりも後退限位置B側に後退していれば、定常状態か定常外状態かにかかわらず、駆動装置によってエジェクタロッドが後退可能な位置まで後退させられ、かつ後退限位置Bまで後退できなくても駆動装置に過負荷がかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における射出成形機の制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における射出成形機の動作制御方法によるエジェクタ装置の動作制御の様子を示す側面図である。
【図3】従来の射出成形機のエジェクタ装置の構成及び構造を示す側面図である。
【図4】従来の射出成形機の動作制御方法によるエジェクタ装置の動作制御の様子を示す側面図である。
【符号の説明】
1 エジェクタ装置 2 金型
2a 成形面 3 可動盤
3a 貫通孔 4 エジェクタロッド
5 駆動装置 6 制御装置
7 エジェクタピン 8 ボルト
10 ボールねじ機構 12 サーボモータ
12a エンコーダ(位置検出器) a−1 後退トルク設定器
a−2 安全領域トルク設定器 a−3 トルク値切換器(切換器)
e−1 収容位置設定器 e−2 後退限位置設定器
e−3 基準位置切換器(切換器) j 位置比較器

Claims (2)

  1. 可動盤に配置される金型から樹脂成形品を脱型させるエジェクタ装置として、その先端を前記可動盤に設けられる貫通孔を通じて前記金型内に挿通されるエジェクタロッドと、該エジェクタロッドを前記可動盤の前記金型内に向けて前進または後退する方向に移動させる駆動装置と、該駆動装置の動作を制御する制御装置と、前記金型内に設けられて、前記エジェクタロッドの先端と係合されることで、該エジェクタロッドの移動に伴ってその先端を前記金型の成形面から突出するよう、または成形面内に収容するよう移動されるエジェクタピンとを備える射出成形機の動作制御方法であって、
    前記駆動装置による前記エジェクタロッドの後退移動の基準位置として、
    定常状態にて前記エジェクタピンの先端が前記金型の成形面内に収容される位置である収容位置Aと、
    定常外状態にて前記エジェクタピンの先端が前記金型の成形面内に収容される位置である後退限位置Bとを設定し、
    前記エジェクタロッドの現在位置kを検出し、
    該エジェクタロッドの現在位置kと、前記収容位置Aとを比較し、
    前記エジェクタロッドが前記収容位置Aに達するまでの間は前記駆動装置を所定の後退トルクTaで駆動させ、前記収容位置Aに達した後は、安全領域トルクTb(<後退トルクTa)で駆動させることを特徴とする射出成形機の動作制御方法。
  2. 可動盤に配置される金型から樹脂成形品を脱型させるエジェクタ装置として、その先端を前記可動盤に設けられる貫通孔を通じて前記金型内に挿通されるエジェクタロッドと、該エジェクタロッドを前記可動盤の前記金型内に向けて前進または後退する方向に移動させる駆動装置と、該駆動装置の動作を制御する制御装置と、前記金型内に設けられて、前記エジェクタロッドの先端と係合されることで、該エジェクタロッドの移動に伴ってその先端を前記金型の成形面から突出するよう、または成形面内に収容されるよう移動されるエジェクタピンとを備える射出成形機であって、
    前記制御装置は、前記駆動装置による前記エジェクタロッドの後退移動の基準位置として、定常状態にて前記エジェクタピンの先端が前記金型の成形面内に収容される位置である収容位置Aを設定する収容位置設定器と、
    同じく基準位置として定常外状態にて前記エジェクタピンの先端が前記金型の成形面内に収容される位置である後退限位置Bを設定する後退限位置設定器と、前記エジェクタロッドを前記収容位置Aまで後退させるために前記駆動装置を動作させる後退トルクTaを設定する後退トルク設定器と、
    前記エジェクタロッドを前記後退限位置Bまで後退させるために前記駆動装置を動作させる安全領域トルクTb(<後退トルクTa)を設定する安全領域トルク設定器と、
    前記エジェクタロッドの現在位置kを検出する位置検出器と、
    該位置検出器によって検出される前記エジェクタロッドの現在位置kと、前記収容位置設定器に設定される前記収容位置Aとを比較する位置比較器と、
    該位置比較器から前記エジェクタロッドが前記収容位置Aに達したことを検知したことを信号として受けたことを条件に、前記後退限位置設定器と前記収容位置設定器との切り換え及び前記後退トルク設定器と前記安全領域トルク設定器との切り換えを行う切換器とを有していることを特徴とする射出成形機。
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