JP3586221B2 - 路面規制用ブロックおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は廃タイヤなどから取り出したゴムチップを主成分としてリサイクル利用した路面規制用ブロックに関し、特に駐車場の車止めや道路の縁に配置する縁石など、車の路面規制に用いられる路面規制用ブロックおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の利用がますます盛んになり、自動車の走行によって磨耗した使用済みタイヤが大量に発生している。自動車の使用済みタイヤの中でトラックやバスなどのタイヤの場合には損傷の小さいものについて入念にチェックされ表面加工された後、再生タイヤとして使用される場合があるものの、一般の乗用車の使用済みタイヤの場合には、ほとんどがそのまま廃タイヤとなる。この結果、廃タイヤが多量に発生しており、従って廃タイヤのリサイクル利用は、今日において解決の迫られた課題の一つになっている。
【0003】
廃タイヤのリサイクル用途としては、セメント製造の原料や燃料としての利用がすでに知られている。しかし廃タイヤを加熱したり燃焼させた場合にはガスの発生があり、この発生ガスの無害化が課題となっている。
【0004】
廃タイヤのゴムの他のリサイクル用途としては、アスファルト舗装剤への応用がある。これはゴムが弾性を有し、身体が当たっても衝撃が少なく、すべりにくいなど、ゴム特有の好ましい性質が利用されているもので、遊歩道やスポーツ施設などに用いられている。こうした廃タイヤのリサイクル用途は、ゴム特有の性質が生かされた好ましいもの例である。
【0005】
しかしながら、廃タイヤはこうしたリサイクル用途の需要を大きく上回って発生している。このため資源の有効活用と環境保護の観点から、廃タイヤの性質をできるだけ生かした新規なリサイクル用途の開拓が強く望まれている。
【0006】
他方、駐車場に用いる車止めや道路の縁に用いる縁石などには、通常はコンクリート製のブロックが用いられている。コンクリートブロックは比重が比較的大きいので適度の大きさで適当な質量が得られ、ブロックを配置しただけでも簡単には移動せず、路面に一部を埋め込んで用いれば十分に固定され、またコストも小であるなど、車止めや縁石として格好の性質を備えている。
【0007】
ところがコンクリートブロックは材質が非常に硬いので、老人や幼児あるいは歩行者が転倒するなどして、硬いコンクリートのブロックに身体を打ちつけた場合には、負傷する可能性が大である。このため、例えば住宅団地内や、幼稚園、学校、老人ホーム、病院の敷地内など、歩行者を優先保護する区域であり、こうした区域に車止めブロックや縁石などの路面規制用ブロックを設ける必要がある場合には、ブロックの材質としてコンクリートよりも柔らかく、身体を強く打ちつけたとしても負傷する可能性の小さい材質、即ち衝撃緩和性を備えた材質を用いることが望ましい。
【0008】
また最近では自動車の走行を一時的に規制したり、臨時の駐車場を設けたりするために、臨時の車止めブロックや縁石などの路面規制用ブロックを必要とする機会が増えている。このような場合には、ブロックを固定して永久的に用いるのではなく、一時的に用いることになるので、コンクリートのように重いものではなく、適度な質量のものであることが配置作業や撤去作業の上から望ましい。
【0009】
コンクリートに代わる樹脂製の車止めブロックとして、特開平10−88844号公報にはFRPチップとポリエチレンやポリプロピレンとの複合体を成形したものが記載されている。また特開2000−230220号公報には、ポリエチレンとポリプロピレンとの複合体を成形したものが記載されている。しかしながら、これらの樹脂は硬い材料であるため、身体を強く打ちつけたときの負傷を防ぐという点、即ち衝撃緩和性の点で十分とは言えない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のように多量に発生する廃タイヤのリサイクルの必要性に応えるとともに、身体を打ちつけた場合にも衝撃が緩和されて負傷を少なくする衝撃緩和性を備えた路面規制用ブロック提供するものである。
【0011】
本発明の路面規制用ブロックは、廃タイヤから取り出したゴムチップと廃車の窓枠から取り出したゴムチップとが質量比で50/50〜70/30にて混合されたものを主成分とする表層部とコンクリートブロックのコア部とを有し角錐台形状に成型されており、側面長手水平方向に認識を容易にするための視覚認識表示を有するとともに連結用の鎖を貫通させる貫通孔が長手水平方向に形設されており、衝撃に対する緩衝性を備えていることを特徴とする。また、下底面が縦350 mm で横520 mm 、上底面が縦225 mm で横380 mm 、高さが400 mm の外形寸法を有し、連結用の鎖を挿通させる直径40 mm の孔を有し、重量が90 kg であることを特徴とする
【0012】
本発明による路面規制用ブロックは、廃タイヤのゴムに、廃車などの窓枠ゴムを加え、これら二つのリサイクル材を主成分とすることにより、衝撃緩和性と必要な強度とを兼ね備えた成形体を得ることが可能になったものである。即ち、廃タイヤのゴムだけを用いたのでは、ブロックの成型に必要な成形性および成型後のブロックの強度が十分に得られなかったが、これに廃車の窓枠ゴムを加えることにより、成形性を得ることができるようになり、また成型されたブロックは車が当るなどしても簡単に傷ついたり変形したりしないなど、路面規制用のブロックとして必要十分な強度を得ることができることがわかり、本発明を完成させることができたものである。
【0013】
本発明において、廃タイヤから取り出したゴムチップと廃車の窓枠から取り出したゴムチップとの混合比率を質量比で50/50〜70/30としたのは、混合比率が70/30よりも大きくなって廃タイヤのゴムチップの割合が多くなり窓枠のゴムチップの割合が少なくなると、成形性が不足するようになり、また成型されたブロックの強度が十分でなくなること、他方で混合比率が50/50より小さくなり、廃タイヤのゴムチップの割合が少なく窓枠のゴムチップの割合が多いと、成型されたブロックの硬度が低下し、路面規制用ブロックとして十分でなくなることを見出したためである。
【0014】
本発明による路面規制用ブロックは、従来のコンクリート製の路面規制用ブロックに比べて衝突時の衝撃がはるかに小さいので衝撃緩和性において優れており、また樹脂製のものに比べても衝突時の衝撃が小さい。従って本発明の路面規制用ブロックを用いた場合には、誤って身体を打ちつけた場合に負傷する可能性が、従来のブロックの場合に比べて小さい。
【0015】
また、本発明の路面規制ブロックとして、廃タイヤから取り出したゴムチップと廃車の窓枠から取り出したゴムチップとが質量比で50/50〜70/30の比率で混合されたものを主成分とし、断面が略四角形に形成したベース部に角錐台形の上部を重ね合わせた形状に成型してもよい。この場合には、角錐台形の長手方向の傾斜面の一方が角錐台の上面に対し30°〜60°の角度をなす平坦面にし、この平坦面に視覚認識表示、即ちマーカを設けてもよい。
【0016】
記路面規制ブロックには、ブロック前面の肩部に、角錐台形のブロック上面に対し30°〜60°の角度をなす平坦面とすることにより、タイヤと適切な面接触ができ、ブロックの損傷を防ぐことができることがわかった。またブロックのこの角度範囲の面にマーカを有する場合には、運転者や歩行者にとってブロックの存在と位置の認識が容易となる。
【0017】
上記路面規制用ブロックを駐車場などのタイヤ止めブロックとして用いる場合には、高さが約130mmであることが好ましい。高さがこれより低いと、タイヤがこのブロックを乗り越えてしまって、タイヤ止めの役割を十分に果せないし、また高さがこれより高いとブロックが車の車体に直接当たるおそれがあり、また歩行者に対して障害となる
【0018】
上記路面規制用ブロックは、高さが約180mmであり、底面の幅が約150mm、長さが約500mmであり、前記角錐台形の長手方向の傾斜面の一つが角錐台の上面に対し30°〜60°の角度をなす平坦面でありマーカを有しているものは、縁石用として好ましく用いることができる。
【0019】
縁石用のブロックとしては、高さが約180mmに達しないと縁石としての役割を果せないし、高さが約180mmを超えると美観を損ね、歩行者の障害になる。また高さが大になるとブロックの製造コストもかさむようになる。また縁石の場合も、底面の幅を約150mm、長さを約500mmにすることによって、バランスがよく安定したブロックとすることができることを実験的に明らかにすることができた。
【0020】
またこの縁石用ブロックとして用いる場合にも、前面の傾斜面が上面に対し30°〜60°の角度を有する平坦面であり、ここにマーカを有することによって、運転者や歩行者が縁石ブロックの存在とその位置を容易に認識でき、ブロックを配置した場合に安全上有利であることがわかった。また、このようにブロック前面の肩の部分を斜面を設けたなだらかな形状にしているので、万一誤って身体を打ちつけた場合にも負傷する危険が少ないこともわかった。
【0021】
これらの路面規制用ブロックは、例えばエポキシ樹脂の接着剤を用いることにより、路面に固定することができる。
【0022】
上記路面規制用ブロックには、路面に固定するアンカーボルト用の貫通孔を垂直に形設してもよい。ブロックに貫通孔が形設されている場合には、この貫通孔を用いてアンカーボルトにより、この路面規制用のブロックを路面に固定することができる。
【0023】
また、本発明の路面規制用ブロックは、前記のようにゴムチップを主成分とする表層部とコンクリートブロックのコア部とを有し角錐台形状に成型されており、側面に認識を容易にするための視覚認識表示を有するとともに連結用の鎖を貫通させる貫通孔が長手水平方向に形設されており、全体に衝撃に対する緩衝性を備えている
【0024】
本発明のこの路面規制用ブロックは、例えば駐車禁止に用いる路面規制用ブロックとして用いることができる。ブロックの高さは約330mm以上にすることが、駐車禁止を表示して車の進入を防ぐのに適した高さを得る上で好ましい。ブロックの高さは400mm以上であればさらに好ましい。
【0025】
また駐車禁止などに用いる路面規制用ブロックは、内側にコンクリートを有し質量が90kg以上とすることによってブロックの重量を確保し、ブロックを配置した位置から容易に移動してしまうことのない路面規制用ブロックとすることができることから好ましい。またこのブロックは、鎖を貫通させる貫通孔を有していれば、これに鎖を通して複数のブロックを鎖で連結して用いることができるので一層好ましい。さらにこのブロックには側面に認識を容易にするための視覚認識表示、即ちマーカを有することによってブロックの存在とその位置の認識が容易になる。
【0026】
本発明の上記路面規制用の各ブロックには、認識を容易にするためのマーカを備えている。これらのマーカとしては、反射板や反射テープを用いることができる。またマーカとして蓄光性塗料を有するものを用いることが好ましい。このようなマーカを用いることにより、暗いときでも容易にブロックを認識することが可能となる。
【0027】
また本発明の路面規制用ブロックは、着色剤により着色されていることが好ましい。本発明の路面規制用ブロックは、廃タイヤおよび廃車の窓枠ゴムを主成分としているので、それ自体は黒みがかった色をしており、比較的人の注意をあまり引かない色である。このため例えば白色系の着色剤を加えて灰色にしたり、注意を喚起する黄色を用いるなどして、人の注意を引くようにして路面規制に適するようにすることができ、また併せて美観を備えた色に着色することができる。
【0028】
本発明の路面規制用ブロックの製造方法は、廃タイヤを粉砕する工程と、粉砕された廃タイヤを分離してタイヤゴムチップを得る工程と、廃車の窓枠ゴムを粉砕して窓枠ゴムチップを得る工程と、タイヤゴムチップおよび窓枠ゴムチップを混合しバインダを添加して成形用ゴム混合体を得る工程と、成形用ゴム混合体を路面規制用ブロックに成型する型に充填し加熱成形する工程と、成形された前記成型用ゴム成形体を型から取り出す工程とを備えたことを特徴とする。
【0029】
上記路面規制用ブロックの製造において、タイヤゴムチップおよび窓枠ゴムチップを混合する工程と、これにバインダを添加する工程とは分けて行うようにしてもよい。また加熱成型の工程では、加熱とともに加圧を行って成形性を高めることができる。また、成形用ゴム混合体を成形型に充填する工程において、コンクリートブロックを中央部に配置して、その周囲を成形用ゴム混合体で蔽うようにして混合体を充填し、成型することもできる。
【0030】
本発明の路面規制用ブロックは、その製造方法として上記の方法を好ましく用いることができる。しかし本発明の路面規制用ブロックは、この製造方法によって製造されたものに限定されるものではなく、他の製造方法によって製造されたものであっても差し支えない。
【0031】
なお、本発明の路面規制用ブロックは、使用によって破損したりした場合に、廃棄することなく、繰り返しブロックとして再生することができることも大きな利点の一つである。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例によって具体的に説明する。
【0033】
(実施例1)
まず、本発明の路面規制用ブロックの製造方法の一実施例について述べる。図1に示したフローチャートに従って本発明の路面規制用ブロックを製作した。廃タイヤ10を粉砕工程111で粉砕し、分離工程121にてスチールワイヤ、繊維などの成分を除き、廃タイヤゴムチップ131を得た。他方で廃車の窓枠ゴム102かから、粉砕工程112および省略可能な分離工程122を経て窓枠ゴムチップ132を得た。
【0034】
次に調合工程14にて、この廃タイヤゴムチップ131に柔らかいゴムである車の窓枠の廃ゴムチップ132を同様の方法でチップにしたものをほぼ等量添加し、これにウレタンプレポリマー(NCO末端プレポリマー65〜75質量%、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)23質量%、可塑剤(DOP)8.0質量%)のバインダ液を14質量%を添加して混合し、さらに着色材を加えて着色した成型用ゴム混合体15を得た。ここにウレタンプレポリマーの添加量は、ゴムチップに対し、8〜20質量%が適正な範囲であった。
【0035】
続いて成形用ゴム混合体15をブロックに成形するための仕込み工程16に進み、金型の内面に離型剤を塗布し、この金型に成形用ゴム混合体を均等に仕込み、よくならした。続いて成形工程17にて、この金型にて加圧と加熱を行った後、取出し工程18で金型から取り出し、路面規制用ブロック19を得た。
【0036】
路面規制用ブロック19としては、ブロックに上面から底面まで貫通したにアンカーボルト孔設けたものと、このアンカーボルト孔を設けないタイヤ止めブロックの両タイプを製作した。
【0037】
次に、廃タイヤから取り出したゴムチップと廃車の窓枠から取り出したゴムチップとの混合比率を変え、他の条件は上記した条件に固定して成形性と成型後の機械的性質を調べた。その結果、混合比率が50/50から70/30の範囲では成形性、成形体の強度、硬度ともブロック材として良好であったが、混合比率が70/30よりも大きくなって廃タイヤのゴムチップの割合が多くなり窓枠のゴムチップの割合が少なくなると、成形性の点で不満足な結果となり、また成型されたブロックの強度が十分でなかった。また混合比率が50/50未満で廃タイヤのゴムチップの割合が少なくなり窓枠のゴムチップの割合が多くなると、成型されたブロックの硬度が低下し、路面規制用ブロックとして十分でなかった。
【0038】
(実施例2)
図2は上記実施例1の方法で製作したタイヤ止め用ブロックを模式的に示す図であって(A)はその平面図、(B)はその立面図、そして(C)はその側面図である。
【0039】
図2において、タイヤ止め用ブロック20は底面21、上面22、前面の肩の部分に相当する斜面23、そして側面24を有している。このタイヤ止め用ブロック20の底面21の寸法を幅150mmで長さ500mmとし、またブロックの高さを130mmとした。また図2に示した斜面23の上面となす角度αが約48°の角度をなす幅約82mmの平面にした。
【0040】
このタイヤ止めブロックには着色剤を加えることにより、ブロックの色を明るくし、人の注意を引き併せて美観を備えた色にした。さらに平面22には、黄色の蓄光塗料を用いたマーカ26を設けた。
【0041】
図2にはこのタイヤ止めブロックに上面22から底面21まで貫通したにアンカーボルト孔25を設けたものを示した図である。このほかにアンカーボルト孔を設けないタイヤ止めブロックも製作した。
【0042】
これらのタイヤ止めブロックを住宅団地内の駐車場の車止用として用いた。この際のブロックの路面への固定には、アンカーボルト孔を設けたものについてはアンカーボルトによる固定を行い、アンカーボルト孔を設けないものについてはエポキシ系接着剤を用いてブロックの裏面と路面とを接着して固定した。
【0043】
こうして設置したタイヤ止めブロックはタイヤとの接触において適切な面接触でき、ブロックの損傷を防ぐことができること、そしてブロックの固定状態は安定であること、ブロックに身体を打ちつけたときの衝撃が比較的小さいことがわかった。またブロックの斜面にマーカ26を設けることによって、ブロックの認識が運転者や歩行者にとって容易になることがわかった。
【0044】
(実施例3)
図3は上記実施例1の方法で製作した縁石用ブロックを模式的に示す図であって(A)はその平面図、(B)はその立面図、そして(C)はその側面図である。
【0045】
図3において、縁石用ブロック30は底面31、上面32、前面の肩の部分に相当する斜面33、そして側面34を有し、縁石用ブロック30の底面31は、幅150mmで長さ500mmとし、高さを180mmとした。また前面の肩の部分の斜面33は、上面に対する角度αを約48°の角度とし、幅約82mmの平面とした。
【0046】
またブロックには白色を含んだ着色剤を加えてブロックの色を明るくし、人の注意を引き併せて美観を備えた色にした。さらに斜面33には、黄色の蓄光塗料を用いたマーカ36を設けた。
【0047】
図3はこのタイヤ止めブロックに上面32から底面31まで貫通したにアンカーボルト孔35を設けたものを示した図である。このほかにアンカーボルト孔を設けないタイヤ止めブロックも製作した。
【0048】
この縁石用ブロックを住宅団地内の縁石ブロックとして用いた。この際のブロックの路面への固定には、この際のブロックの路面への固定には、アンカーボルト孔を設けたものについてはアンカーボルトによる固定を行い、アンカーボルト孔を設けないものについてはエポキシ系接着剤を用いてブロックの裏面と路面とを接着して固定した。
【0049】
こうして設置した縁石ブロックはブロックの損傷を防ぐことができ、ブロックの固定状態は安定であること、ブロックに身体を打ちつけたときの衝撃が比較的小さいことがわかった。またブロックの斜面33にマーカ36を設けることによって、ブロックの認識が運転者や歩行者にとって容易になることがわかった。
【0050】
(実施例4)
次に本発明の路面規制用ブロックの製造方法の一実施例として、コンクリートブロックが内蔵され表面がゴムで覆われた路面規制用ブロックの製造方法について述べる。図4はその流れ図である。
【0051】
廃タイヤ401を粉砕工程411で粉砕し、分離工程421にてスチールワイヤ、繊維などの成分を除き、ゴムチップ431を得た。次に廃車窓枠ゴム402を粉砕工程412で粉砕し、分離工程422で不純物を除去して窓枠ゴムチップ432を得た。なお、不純物の混入の少ない窓枠ゴムでは、分離工程は省略できる。続いてこれらを混合する混合工程441にて、タイヤゴムチップ431に柔らかいゴムである廃車の窓枠ゴムチップ432をほぼ同質量加え、これにウレタンプレポリマー(NCO末端プレポリマー65〜75質量%、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)23質量%、可塑剤(DOP)8.0質量%)のバインダ液をこれらの混合物に対し、14質量%混合し、さらに着色材を加えて着色した成型用ゴム混合体45を得た。
【0052】
他方で、コンクリートを型に流し込んで成型し養生することにより、角錐台形のコンクリートブロック45を製作した。このコンクリートブロック45の成型には貫通孔を設けるための40mm径の塩ビパイプが共に型に入れられ、コンクリートと一体に成型されている。
【0053】
このコンクリートブロック45を芯として用い、ゴムチップの成形体で周囲が蔽われた複合構造のブロック49を製作した。その方法として、まず底にゴムチップを敷いた型にこのコンクリートブロック45を収容し、次にこのコンクリートブロック45の周囲と上部にもゴムチップを充填し、加熱し、続いてこれををブロックに成形するための仕込み工程46にて、型の内面に離型剤を塗布し、この型に成形用ゴム混合体を均等に仕込み、よくならした。続いて成形工程47にて、この型にて8時間加熱を行った後、取出し工程48で型から取り出し、路面規制用ブロック49を得た。
【0054】
(実施例5)
図5は上記実施例1の方法で製作した駐車禁止用ブロックを模式的に示す図であって(A)はその平面図、(B)はその立面図、そして(C)はその側面図である。
【0055】
この駐車用ブロック50は、下底面51、上底面52、および5つの側面53、54、55、56を有する角錐台の形状を有し、また側面54と側面56との間を塩ビパイプ571で結び、この塩ビパイプの孔によって鎖の貫通する貫通孔572を設けている。さらにブロックの内部にはコンクリート塊58を内蔵している。このブロックの周囲にはマーカ59を設けたものである。
【0056】
この駐車禁止用ブロックは、下底面が縦310mmで横480mm、上底面が縦185mmで横340mm、高さが360mmで、連結用の鎖を貫通させる直径40mmの孔を有するコンクリートブロックを内蔵し、周囲をゴムチップで蔽ってて加熱成型された下底面が縦350mmで横520mm、上底面が縦225mmで横380mm、高さが400mmの外形寸法を有し、連結用の鎖を貫通させる直径40mmの孔を有する成形体のブロックであり、質量を90kgに調整したものである。このブロックの周囲に黄色の帯状のマーカを塗装によって設けた。
【0057】
このブロックを住宅団地内の駐車禁止ブロックとして設置した。その結果、ブロックの配置は安定に維持されること、そしてブロックに身体を打ちつけたときの衝撃が比較的小さいことを明らかすることができた。またブロックの側面にマーカ49を設けることによって、運転者や歩行者にとってブロックの認識が極めて容易であることも明らかにすることができた。
【0058】
なお、ここで示した実施例は本発明を具体的に説明するために例を示したものであって、本発明の範囲はこれらの例示に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲の各請求項の記載に属する変形や変更はすべて本発明の範囲のものである。
【0059】
本発明により、多量に発生する廃タイヤから得られるゴムチップに廃車の窓枠から取り出したゴムのチップを加えることにより、成形性が良好で強度を備えた成形体を得ることが可能となり、こうした廃ゴム材をリサイクル利用した路面規制用ブロックは、廃ゴム材の新たなリサイクル用途が提供でき、しかも硬いコンクリートブロックに代わってゴム特有の衝撃を緩和する効果を有する新しい路面規制用ブロックが提供できるようになった。本発明の路面規制用ブロックは、衝撃緩和性を有するので、誤ってこれに体を打ちつけることがあった場合にも、負傷の危険性が少ないので、例えば歩行者を優先するゾーンなどの路面規制用ブロックとして広く利用できる。また、コンクリートブロックのコア部とゴムチップを主成分とする表層部とからなる成型物に貫通孔を設け、この貫通孔に鎖を通して複数の成型物を連結することで、これらの路面での移動をより確実に規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の路面規制用ブロックの製造方法の一実施例を示す概略の流れ図である。
【図2】車止めに用いる本発明の路面規制用ブロックの一実施形態を模式的に示す図であって(A)はその平面図、(B)はその立面図、そして(C)はその側面図である。
【図3】縁石に用いる本発明の路面規制用ブロックの他の一実施形態を模式的に示す図であって、(A)はその平面図、(B)はその立面図、そして(C)はその側面図である。
【図4】本発明の路面規制用ブロックの製造方法の他の一実施例を示す概略の流れ図である。
【図5】車両の駐車禁止ゾーンや進入禁止ゾーンを仕切る境界などにに用いられる本発明の路面規制用ブロックの他の一実施形態を模式的に示図であって、(A)はその平面図、(B)はその立面図、そして(C)はその側面図である。
【符号の説明】
101……廃タイヤ、102……廃車窓枠ゴム、
111、112……粉砕工程、121、122……分離工程、
131ゴムチップ、132……窓枠ゴムチップ、
14……調合工程、15……成形用ゴム混合体、
16……仕込み工程、17……成形工程、18……取出し工程、
19……路面規制用ブロック、
20……タイヤ止め用ブロック、21……底面、22……上面、
23……斜面、24……側面、25……貫通孔、
26……マーカ
30……縁石用ブロック、31……底面、32……上面、
33……斜面、34……側面、35……アンカーボルト孔、
36……マーカ
401……廃タイヤ、402……廃車窓枠ゴム、
411、412……粉砕工程、421、422……分離工程、
431ゴムチップ、432……窓枠ゴムチップ、
441……ゴムチップ混合合工程、442……バインダ混合工程、
451……成形用ゴム混合体、452……コンクリートブロック、
46……仕込み工程、47……成形工程、48……取出し工程、
49……路面規制用ブロック、
50……駐車用ブロック、51……下底面、52……上底面、
53、54、55、56……側面、
571……塩ビパイプ、572……貫通孔、
58……コンクリート塊、59……マーカ。

Claims (2)

  1. コンクリートブロックを角錐台形状に成型したコア部と、この外周全体を廃タイヤから取り出したゴムチップと廃車の窓枠から取り出したゴムチップとが質量比で50/50〜70/30にて混合されたものを主成分とする表層部で覆つてなり、
    前記角錐台形状の側面長手水平方向に認識を容易にするための視覚認識表示を形成すると共に、連結用の鎖を貫通させる貫通孔が前記長手水平方向に穿設され、
    前記表層部で衝撃に対する緩衝性を備えていることを特徴とする路面規制用ブロック
  2. 請求項1において、下底面が縦350 mm で横520 mm 、上底面が縦225 mm で横380 mm 、高さが400 mm の外形寸法を有し、連結用の鎖を挿通させる直径40 mm の孔を有し、重量が90 kg であることを特徴とする請求項1記載の路面規制用ブロック
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