JP3585970B2 - 生体内留置用ステント - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、血管、胆管、気管、食道、尿道、その他の臓器などの生体内に生じた狭窄部の改善に使用される生体内留置用ステントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、血管、胆管、食道、気管、尿道、その他の臓器などの生体管腔または体腔の狭窄部に挿入し、管腔または体腔空間を確保するための種々のステントが提案されている。
【0003】
ステントは、機能および留置方法によって、セルフエキスパンダブルステントとバルーンエキスパンダブルステントに区別される。バルーンエキスパンダブルステントは、ステント自体に拡張機能はなく、ステントを目的部位に留置するためには、ステントを目的部位に挿入した後、ステント内に位置させたバルーンを拡張し、バルーンの拡張力によりステントを拡大(塑性変形)させて目的部位の内面に密着固定する。よって、このタイプのステントでは、上記のようなステントの拡大作業が必要となる。
【0004】
また、セルフエキスパンダブルステントは、ステント自体が収縮および拡張機能を持っている。ステントを目的部位に留置するためには、ステントを収縮させた状態にて目的部位に挿入した後、収縮状態の維持のために負荷した応力を除去する。例えば、目的部位の内径より小さい外径のチューブ内にステントを収縮させて収納し、このチューブの先端を目的部位に到達させた後、ステントをチューブより押し出すことにより行われる。押し出されたステントは、チューブより解放されることにより応力負荷が解除され、収縮前の形状に復元し拡張する。これにより、目的部位の内面に密着し固定する。このタイプのステントでは、バルーンエキスパンダブルステントのような拡大作業は必要なく、手技が容易である。
【0005】
このようなセルフエキスパンダブルステントとしては、種々のものが提案されている。最近では、ステントのワイヤ支柱間より侵入した組織による血管の再狭窄を防止するために柔軟性を有するカバーを設けたものが提案されている。このようなカバーを有するステントとしては、例えば、特開平4−263852号公報に示すものがある。特開平4−263852号公報に開示されているステントアッセンブリーでは、ステントは柔軟性を有するスリーブ(カバー)によって包囲されている。
特開平2−174859号公報にも、カバーを有するステントが開示されている。このステントアッセンブリーにおいても、ステントはステントの所望の伸長および変形を妨害しない用に薄くかつ高度に弾性的である被膜により壁表面が被覆されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平2−174859号公報のものでは、ステントに被膜を配置しているのみであり、両者は結合されていない。このため、生体内に留置する際にステントが被膜より離脱するおそれがある。さらに、留置後にも被膜よりステントが離脱し、ステントが目的部位より移動する危険性もある。
特開平4−263852号公報には、ステントとカバーの固定方法として、ステントをスリーブ(カバー)に縫合あるいは接着するか、埋め込むことを開示している。しかし、縫合では物理的な結紮力のみであるため、接合力は弱く、留置作業前にステントを縮径させたときに両者の縫合が外れる危険性があり、留置作業時および留置後にも両者の縫合が外れる危険性がある。また、ステントをスリーブに埋め込んだ場合では、埋め込まれた部分(ステントの支柱付近)とスリーブのみ部分での物性の変化が大きく、両者の境界部位にてスリーブが破断する危険性がある。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消したステントを提供するものである。具体的には、ステント本体とステント本体の開口した側壁を被包するカバーを有するステントであって、カバーがステント本体の変形の実質的に障害とならず、かつ、ステント本体よりカバーが容易に離脱することがなく、両者の固着状態を長期的に維持できる生体内留置用ステントを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口(または孔)が形成された縮径可能なステント本体と、該ステント本体を被覆する熱可塑性樹脂層と、該ステント本体の外周及び/または内周(もしくは外周面および/または内周面)を被覆し、該開口(または孔)を塞ぐとともに、該熱可塑性樹脂層に固着された筒状カバーとを備えることを特徴とする生体内留置用ステントである。
【0009】
言い換えれば、このステントは、略円筒形状に形成された縮径可能なステント本体と、該ステント本体の側壁を封鎖(閉塞)する筒状カバーとを備えるステントであり、前記ステント本体の表面は熱可塑性樹脂により被覆されており、前記筒状カバーと前記熱可塑性樹脂は両者の接触部において固着されている。
【0010】
前記筒状カバーは、例えば、前記ステント本体を外側から被包している、言い換えれば、外周面を被包している。前記筒状カバーは、例えば、前記ステント本体の内面に固着されている、言い換えれば、内周面を被覆している。前記筒状カバーは、例えば、樹脂製多孔質フィルムにより形成されている。前記熱可塑性樹脂の一部が前記多孔質フィルムの細孔内に流入することにより、両者が固着されていることが好ましい。前記多孔質フィルムは、例えば、前記ステント本体の外周面に設けられている。前記熱可塑性樹脂は、融点が前記多孔質フィルムの形成樹脂より低いものであることが好ましい。前記熱可塑性樹脂と前記多孔質フィルムは、例えば、熱融着により固着されている。前記ステント本体は、例えば、体腔内の作用部位に挿入されるまでは縮径されており、作用部位にて拡張できる金属製もしくは樹脂性のものである。前記金属は、例えば、超弾性金属である。前記熱可塑性樹脂は、例えば、溶剤可溶型フッ素樹脂である。
【0011】
また、上記目的を達成するものは、略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口(または孔)が形成された縮径可能なステント本体と、該開口(または孔)を塞ぎ、該ステント本体を被包する筒状カバーとを備えるステントであり、前記筒状カバーは、前記ステント本体内面に設けられた内面側フィルムと、前記ステント本体の外面側に設けられた外面側フィルムとからなり、該内面側フィルムと該外面側フィルムの少なくとも一方は筒状体となっており、さらに、該内面側フィルムと該外面側フィルム間に前記ステント本体を挟持し、かつ、該開口(または孔)を通じて固着されており、さらに、前記内面側フィルムまたは前記外面側フィルムの少なくともいずれか一方は、ポリオレフィンフィルムまたはポリエステルフィルムからなる第1の樹脂層と第1の樹脂層形成樹脂より融点の低い低融点ポリオレフィンにより形成された第2の樹脂層との積層体であり、前記内面側フィルムまたは前記外面側フィルムの他方は、前記第2の樹脂層と熱融着可能な樹脂フィルムにより形成されている生体内留置用ステントである。
【0012】
前記内面側フィルムおよび前記外面側フィルムは、ともに筒状体であることが好ましい。前記内面側フィルムおよび前記外面側フィルムは、第1の樹脂層と該第1の樹脂層形成樹脂より融点の低い樹脂により形成された第2の樹脂層との積層体により形成され、かつ、それぞれの第2の樹脂フィルムが向かい合った状態で両者が熱融着されていることが好ましい。前記内面側フィルムまたは前記外面側フィルムは、例えば、前記第1の樹脂層が2軸延伸されたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムであり、前記第2の樹脂層がオレフィン系熱可塑性樹脂である。
【0013】
本発明のステントを図面に示した実施例を用いて説明する。
図1は、本発明のステントの一実施例の斜視図であり、図2は、図1に示したステントの端部付近での切断端面図であり、図3は、図2の部分拡大図である。
この実施例のステント1は、略円筒形状に形成された縮径可能なステント本体2と、ステント本体2を被覆する熱可塑性樹脂層4と、ステント本体2の側面を封鎖するとともに、熱可塑性樹脂層4に固着された筒状カバー3とを備えている。
【0014】
このように熱可塑性樹脂4により被覆されたステント本体2の側壁(外周または内周もしくは外周面もしくは内周面)は、図1に示すように、筒状カバー3により被包(封鎖)されている。このため、ステント本体2の開口および切欠部などのステント側壁に形成された連通部分(孔)は、カバーにより封鎖されていので、外部より生体組織がステント内に侵入することを防止する。また、筒状カバー3は、熱可塑性樹脂4に熱融着されており、ステント本体2より筒状カバー3が剥離することがなく、ステントの留置作業時および留置後の両者の分離を防止する。
【0015】
ステント1は、筒状体であり、両端に開口端を有している。ステント1は、外径が2.0〜30mm、好ましくは、2.5〜20mm、内径が1.4〜29mm、好ましくは1.6〜29.4mmのものであり、長さは、10〜150mm、より好ましくは15〜100mmである。
ステント本体2は、図1に示すように、円筒体2の側面に形成された複数の切欠部または複数の開口を有しており、これにより応力負荷時に外径が縮径する方向への変形を補助する変形補助機能が形成されている。
【0016】
ステント本体2は、具体的には円筒状フレーム体であり、フレーム2a,2bにより区画(囲撓)された開口(または孔)2cおよびフレーム2aにより区画された切欠部2dを有している。ステント本体の端部は、1つの円上にあり、連続しない複数の円弧の集合体により構成されており、それらはほぼ等角度離間している。ステント本体2の端部は、切欠部2dが形成されなければ、ほぼ真円形であり、切欠部2dが形成されることにより、ステント本体2の中心より等角度離間した複数の円弧を形成している。フレーム2aは、ステント本体2の中心軸に対して所定角度斜めにのびるように形成されている。また、端部にて連続する2つのフレーム2aは、二等辺三角形の2つの等辺を形成している。そして、両端のフレーム2aは、フレーム2bにより接続されている。フレーム2bは、フレーム体2の中心軸とほぼ平行に形成されている。この実施例では、フレーム2bは、フレーム2aのほぼ二倍の幅を持っている。また、フレーム2a,2bのステント本体の中心軸に直交する方向に切断したときの断面形状は、図2および図3に示すように、上辺が円弧で底辺が上辺より短い円弧で側辺が直線となった扇状となっている。さらに、フレーム(ステント本体)の外面は、全体においてエッジがなく面取りされた状態となっている。
【0017】
このステント本体2では、端部に切欠部を有するので、ステントの端部の変形が容易となり、特に、端部の部分的変形が可能となり、留置される血管の変形時に対する応答が良好になる。また、ステント本体の端部は、複数のフレーム2aの端部により形成されているため、つぶれにくく、十分な強度を有する。また、両端部間には、フレーム2a,2bにより囲まれた開口2cが形成されており、この開口2cは、フレーム2aの変形により容易に変形する。このため、ステント本体2は、その中央部(フレーム体2の中央部)での変形が容易である。
【0018】
なお、この実施例では、開口2cは、圧しつぶれた形状の六角形をしており、切欠部2dは二等辺三角形をしている。切欠部2dは、それぞれの端部に複数、具体的には6個形成されており、それぞれはほぼ等しい形状となっている。また、開口2cもステント本体2の側面を形成するように、複数、具体的には、6個形成されている。なお、切欠部および開口は上記の形状および個数に限定されるものではなく、切欠部としては、3〜10個、開口としては、3〜10個程度が好適である。ステント本体2では、上記のような形状のステント部材が連接部2eにより2つつながった形状となっている。
【0019】
ステント本体の形成材料としては、合成樹脂または金属が使用される。合成樹脂としては、ある程度の硬度と弾性を有するものが使用され、生体適合性合成樹脂が好ましい。具体的には、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート),フッ素樹脂(例えば、PTFE、ETFE)などである。また、金属としても生体適合性を有するものが好ましく、例えば、ステンレス、タンタルチタン、ニッケルチタン合金などがある。特に、超弾性金属が好ましい。ステント本体2は、全体において物性の急激な変更点が形成されることなく一体に形成されていることが好ましい。ステント本体は、例えば、留置される生体内部位に適合した外径を有する金属パイプを準備し、金属パイプの側面を、切削加工、化学エッチングなどにより部分的に除去して、側面に複数の切欠部または複数の開口を形成することにより作成される。
【0020】
ステント本体2を形成する超弾性金属としては、超弾性合金が好適である。ここでいう超弾性合金とは一般に形状記憶合金といわれ、少なくとも生体温度(37℃付近)で超弾性を示すものである。特に好ましくは、49〜53原子%NiのTiNi合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(X=Be,Si,Sn,Al,Ga)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が好適に使用される。特に好ましくは、上記のTiNi合金である。また、Ti−Ni合金の一部を0.01〜10.0%Xで置換したTi−Ni−X合金(X=Co,Fe,Mn,Cr,V,Al,Nb,W,Bなど)とすること、またはTi−Ni合金の一部を0.01〜30.0%原子で置換したTi−Ni−X合金(X=Cu,Pb,Zr)とすること、また、冷間加工率または/および最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。さらに、上記のTi−Ni−X合金を用いて冷間加工率および/または最終熱処理の条件を選択することにより、機械的特性を適宜変えることができる。
【0021】
そして、使用される超弾性合金の座屈強度(負荷時の降伏応力)は、5〜20kg/mm(22℃)、より好ましくは、8〜150kg/mm、復元応力(除荷時の降伏応力)は、3〜180kg/mm(22℃)、より好ましくは、5〜130kg/mmである。ここでいう超弾性とは、使用温度において通常の金属が塑性変形する領域まで変形(曲げ、引張り、圧縮)させても、変形の解放後、加熱を必要とせずにほぼ元の形状に回復することを意味する。
【0022】
そして、ステント本体2は、例えば、超弾性金属パイプを用いて、切欠部および開口となる部分を除去(例えば、切削、溶解)することにより作成される。この方法によれば、急激な物性の変更点が形成されない一体形成物となる。物性の急激な変更点があると、その部分が他の部分と異なった変形動態を示す。そして、物性の異なった部分に金属ストレスがかかりその部分より破損する危険性もある。また、物性の変更点が存在するとステント全体としての変形が不自然となり、内部を流れる血液流に不自然な流れを形成し、再び狭窄の原因となる危険性もある。しかし、この実施例のステント本体では、急激な物性の変更点が形成されない一体形成物により形成されているので、上記のような問題はない。
【0023】
なお、ステント本体2の形成に用いられる超弾性金属パイプは、不活性ガスまたは真空雰囲気にて溶解しTi−Ni合金などの超弾性合金のインゴットを形成し、このインゴットを機械的に研磨し、続いて、熱間プレスおよび押し出しにより、太径パイプを形成し、その後順次ダイス引き抜き工程および熱処理工程を繰り返すことにより、所定の肉厚、外径のパイプに細径化し、最終的に表面を化学的または物理的研磨することにより製造することができる。
そして、この超弾性金属パイプへの切欠部または複数の開口の形成は、レーザー加工(例えば、YAGレーザー)、放電加工、化学エッチング、切削加工などにより行うことができ、さらにそれらの併用により行ってもよい。
【0024】
ステント本体2の形状は、挿入時に縮径可能であり、かつ、体内放出時に拡径(復元)可能なものであればよく、上述の形状に限定されるものではない。例えば、コイル状のもの、円筒状のもの、ロール状のもの、異形管状のもの、高次コイル状のもの、板バネコイル状のもの、カゴまたはメッシュ状のものでもよい。
【0025】
ステント本体2は、図2に示すように、熱可塑性樹脂4により被覆されている。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性フッ素樹脂、ポリオレフィン(例えば、低密度ポリエチレン、低密度ポリプロピレン)、塩化ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル(低融点ポリエステル)、ポリカーボネート、ABS樹脂、シリコーンゴム(RTVゴム)、熱可塑性ポリウレタンなどが使用できる。そして、溶剤可溶型の熱可塑性樹脂が作業性および均一なコーティングが容易な点より好ましい。溶剤可溶型の熱可塑性樹脂としては、熱可塑性樹脂フッ素樹脂であるフッ素系エラストマー、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、シリコーンゴム(RTVゴム)、ポリウレタンなどがある。熱可塑性樹脂としては、融点が120〜200℃程度のものが好適であり、熱可塑性樹脂4のコーティング厚としては、10〜100μm程度が好適である。
【0026】
筒状カバー3は、ステント本体2の側面(側壁)を封鎖するように、言い換えれば、ステント本体2の外周または内周もしくはその両者を塞ぐように形成されている。そして、ステント本体2との接触部(熱可塑性樹脂4との接触部)全体において固着されている。このため、ステント本体の変形に対するカバーの変形の追従性が高く、カバーがステント本体の変形の障害となることが少ない。また、カバーとステント本体の固着部分がステント本体の全体に分散しているため、使用時および留置時にストレスが一部分に強くかかることがなく、固着部分でのカバーの破断の危険性も少ない。
【0027】
筒状カバー3としては、図2に示すように、筒状にあらかじめ形成されたものが好適であるが、帯状のものをステント本体2に巻き付けて全体として筒状に形成したものでもよい。あらかじめ筒状に形成されたものとしては、チューブ状に接続部がなく形成されたものが好適であるが、帯状のものを巻いて端部を熱融着して筒状としたもの、また、帯状のものをスパイラルに巻いて筒状としたものでもよい。この実施例では、押し出し成形などによりチューブ状に接続部がなく形成されたものが用いられている。
【0028】
筒状カバー3の形成材料としては、熱可塑性樹脂4より融点が高く、かつ、熱可塑性樹脂4と熱融着可能な合成樹脂が好適に使用される。より好ましくは、可撓性もしくは、弾性を有するものが好適である。融点は20℃以上、上述の熱可塑性樹脂4より高いことが作業性などの点より好ましい。筒状カバー3の形成材料の具体例としては、フッ素樹脂(例えば、PTFE、ETFE)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリエステル、熱可塑性ポリウレタンなどが使用される。
【0029】
筒状カバー3としては、ステント本体との熱融着時に収縮しないものが好適である。熱融着時に収縮しないような素材(フィルム)としては、製造時の熱履歴をあまり持っていないもの、製造時に延伸されていないものなどが考えられる。また、筒状カバーとして用いる前に、熱融着時程度の温度に加熱し収縮をさせた後に使用することにより対応してもよい。筒状カバーとしては、厚さが0.01〜0.2mm程度のものが好適である。
【0030】
筒状カバー3としては、上記のような合成樹脂により形成された多孔質膜が好適である。多孔質膜を用いることにより、図3に示すように、熱融着時に溶解した熱可塑性樹脂の一部4aが膜の細孔内に流入するので、熱可塑性樹脂4と筒状カバー3との固着強度が高くなり、使用時の剥離を確実に防止できる。多孔質膜の空孔率としては、25〜80%程度のものが好適であり、細孔径は0.1〜10μm程度のものが好適である。上記の空孔率の範囲内であれば、筒状カバーとしての物性に問題がない。また、上記の細孔径の範囲内であれば、生体組織の侵入もなく、筒状カバーの物性にも問題がなく、かつ、溶融した熱可塑性樹脂の流入も容易である。多孔質膜の具体例としては、例えば、PTFE系の商品名ポアフロン(住友電気工業株式会社製)、商品名ミクロテックス(日東電工株式会社製)、商品名ゴアテックス(ゴアテックスジャパン株式会社製)などが使用できる。
また、多孔質を用いることにより、膜そのものが非常に柔軟になり、屈曲した体腔に沿って曲がり、また、ステントの拡張力に影響を与えない。さらに、筒状カバーの外面に生体細胞付着性物質(例えば、コラーゲン、ケラチン、フィブロインなどの繊維状タンパク質)をコーティングし、その細孔に生体細胞を侵入させて生体器官との密着性を向上させてもよい。特にPTFEは一般的に人工血管や心膜のパッチに用いられているように、生体に対して不活性で生体適合性が高いことが知られており、このPTFEの多孔質を用いて筒状カバーを作成し、その外面に上述のような生体細胞付着性物質(例えば、コラーゲン、ケラチン、フィブロインなどの繊維状タンパク質)をコーティングし、その細孔内への生体細胞侵入性を向上させてもよい。
【0031】
筒状カバー3としては、上記のような多孔質膜でなく、無孔のフィルム状のものでもよく、さらに、一層が補強層、2層が熱可塑性樹脂4との熱融着樹脂層となった2層構造の積層フィルムを用いてもよい。熱可塑性樹脂層としては、上述の熱可塑性樹脂が好適に使用でき、補強層としては、上述の筒状カバーの形成材料が好適に使用できる。熱可塑性樹脂により被覆されたステント本体2とカバー3の熱融着は、例えば、筒状カバー内に、熱可塑性樹脂が被覆されたステント本体を挿入し、ステント本体と接触しているカバー部分に加熱したロッドを押し付けることにより行うことができる。特に、加熱ロッドの温度を、熱可塑性樹脂が溶融温度以上かつカバー形成材料の融点以下にて行うことにより、カバー自体には熱変性を生じさせる事なく、カバーをステント本体に固着することができ、カバーに熱融着時に肉薄部を発生させる事がなく、カバーの物性を部分的に低下させることがない。
【0032】
本実施例ではステント本体の外側から筒状カバーを固着しているが、筒状カバーは、ステント本体の側壁を封鎖できればよく、筒状カバーをステント本体内に挿入して、ステント本体の内側(内面側)にカバーを固着したものでもよい。
【0033】
次に、図4に示す実施例のステントについて説明する。
図4は、本発明のステントの他の実施例の斜視図であり、図5は、図4に示したステントの端部付近での切断端面図であり、図6は、図5の部分拡大図である。
この実施例のステント10は、略円筒形状に形成された縮径可能なステント本体12と、ステント本体12の側壁(側面)を被包(封鎖)する筒状カバー13とを備えるステントであり、筒状カバー13は、ステント本体12の内面に設けられた内面側フィルム15と、ステント本体12の外面側に設けられた外面側フィルム14とからなり、内面側部フィルム15または外面側フィルム14の少なくとも一方は筒状体となっており、さらに、内面側フィルム15と外面側フィルム14間によりステント本体12を挟持するとともに両者は接触部において固着されている。
【0034】
このため、ステント本体2の開口部(孔)12cおよび切欠部12dは、閉塞され外部より生体組織がステント内に侵入することを防止する。また、筒状カバー13は、ステント本体12を挟むように形成されているため、筒状カバー13がステント本体より離脱することがなく、ステントの留置作業時および留置後のステント本体とカバーとの分離を防止する。また、筒状カバー3はステント本体2を挟むように形成されているため、ステント本体の変形に対するカバーの変形の追従性が高く、カバーがステント本体の変形の障害となることが少ない。さらに、内側フィルムと外側フィルムの固着部分がステント10の全体に分散しているため、使用時および留置時にストレスが一部分に強くかかることがなく、固着部分でのカバーの破断の危険性も少ない。
【0035】
ステント本体12としては、上述した実施例にて説明したステント本体2が好適に使用される。このステント本体12は、図4に示すように、ステント本体2と同様に、円筒体の側面に形成された複数の切欠部または複数の開口を有しており、これにより構成された応力負荷時に外径が縮径する方向への変形を補助する変形補助機能を有している。ステント本体12は、フレーム12a,12bにより区画(囲撓)された開口12cおよびフレーム12aにより区画された切欠部12dを有している。
【0036】
外側フィルム14には、図6に示すように、第1の樹脂層14aと第1の樹脂層形成樹脂より融点の低い樹脂により形成された第2の樹脂層14bとの積層体が使用されている。同様に、内面側フィルム15も、第1の樹脂層15aと、第1の樹脂層形成樹脂より融点の低い樹脂により形成された第2の樹脂層15bとの積層体であり、第2の樹脂層15bは、外側フィルム14の第2の樹脂層14bと熱融着可能な樹脂により形成されたものが使用されている。そして、外側フィルム14と内側フィルム15は、図4ないし図6に示すように、向かい合った状態で両者の接触部全体(向かい合う第2の樹脂層14bと15b)が熱融着されており、ステント本体2は、熱融着によりほぼ一体化した2つの第2の樹脂層14bと15b間に埋め込まれた状態となっている。なお、接触部全体が熱融着されていることが好ましいが、部分的な熱融着でもよい。
【0037】
外側フィルム14および内側フィルム15の第1の樹脂層14a、15aとしては、後述する第2の樹脂層形成材料と接着性を有するものが使用され、さらに、可撓性もしくは、弾性を有し、かつある程度の強度を備えるものが好適である。例えば、フッ素樹脂フィルム(例えば、PTFE、ETFE)、ポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム)、塩化ビニル樹脂フィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)、熱可塑性ポリウレタンフィルムなどが使用できる。
【0038】
また、第1の樹脂層としては、ステント本体との熱融着時に収縮しないものが好適である。熱融着時に収縮しないような素材(フィルム)としては、製造時の熱履歴をあまり持っていないもの、製造時の延伸に起因した熱収縮性を持たないものなどが考えられる。また、使用前に、熱融着時程度の温度に加熱し収縮をさせた後に使用することにより対応してもよい。第1の樹脂層としては、厚さが0.07〜0.3mm程度のものが好適である。
【0039】
外側フィルム14および内側フィルム15の第2の樹脂層14b、15bとしては、第1の樹脂層形成材料との接着性があり、かつ第1の樹脂層形成材料より融点が低い熱可塑性樹脂が用いられる。第2の樹脂層としては、低融点ポリオレフィン(例えば、低密度ポリエチレン、低密度ポリプロピレン)、塩化ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ポリウレタンなどが使用できるが、最適なものはポリオレフィンである。第2の樹脂層としては、融点が120〜200℃程度のものが好適であり、特に、第1の樹脂層より20℃以上融点が低いことが作業性などの点より好ましい。第2の樹脂層の厚さは、10〜100μm程度が好適である。
【0040】
内側フィルム14および外側フィルム15としては、図4および図5に示すように、筒状にあらかじめ形成された筒状体であることが好適であるが、帯状のものをステント本体12に巻き付けて全体として筒状に形成したものでもよい。あらかじめ筒状に形成されたものとしては、チューブ状に接続部がなく形成されたものが好適であるが、帯状のものを巻いて端部を熱融着して筒状としたもの、また、帯状のものをスパイラルに巻いて筒状としたものでもよい。この実施例では、押し出し成形などによりチューブ状に接続部がなく形成されたものが用いられている。
【0041】
外側フィルムおよび内側フィルムは、この実施例では同じものが使用されているが、これに限らず、内面側フィルムまたは外面側フィルムの少なくともいずれか一方が上記のような2層の積層フィルムであり、他方が第2の樹脂層と熱融着可能な樹脂フィルムにより形成されていてもよい。
さらに、内面側フィルムおよび外面側フィルムは、少なくとも一方が筒状体であればよく、他方は、ステント本体12の軸方向に平行に設けられた複数の所定幅を持った帯状体をほぼ等間隔離間して設けたものであってもよく、また、ステント本体12の軸方向に直交するように設けられた複数の所定幅を持った環状の帯状体をほぼ等間隔離間して設けたものであってもよく、さらに、ステント本体12の軸方向に所定角度のもってスパイラル状に巻き付けられた所定幅を持った帯状体であってもよい。
【0042】
【実施例】
次に、本発明のステントの具体的実施例について述べる。
(実施例1)
TiNi合金(51原子%Ni)の合金パイプを冷間加工して、外径8.2mm、内径7.6mm、肉厚0.3mm、長さ約50mmの超弾性金属パイプを作成した。これに外径7.6mm、長さ100mmのステンレス製ロッドを挿入し、このパイプとロッドを接着剤にて固定した。牧野フライス製作所株式会社製のNC高速フライス機SF44にロッド部分を固定し、外径0.3mmの超細径のエンドミル(刃物)をフライス機にセットし、約8,000rpmの高速回転にてフライス加工を行い、図1に示すような形状のステント本体を作成した。
そして、ステントのフレームのエッジを面取りするために、粒径15〜30μmのガラスビーズを用いて、圧力2〜3kg/cmにてブラスト処理した。このブラスト処理によりバリ取りおよび面取りが行われた。
【0043】
熱可塑性フッ素系エラストマーであるセントラルガラス社製のセフラルソフト(登録商標、融点約162〜165℃)の7%ジメチルホルムアルデヒド溶液を準備し、これに上記のステント本体を浸漬したのち引き上げ、140℃、約5分間、乾燥させステント本体12の全表面に熱可塑性樹脂の薄い被膜を形成させた。なお、被膜の厚さは、平均18μmであった。
【0044】
筒状カバー形成材料として、多孔質フィルム(商品名ポアフロン、住友電工株式会社製、膜厚0.02mm、空孔率30%、孔径0.5μm、融点327℃)を用い、これを上記の熱可塑性樹脂被膜を有するステント本体の外側に巻き付けた。そして、ステント本体と接触している部分に約200℃に加熱したロッドを押し付けて、多孔質フィルムをステント本体に熱融着して、筒状カバーの形成とその固着を行った。なお、多孔質フィルムは通常の細孔の存在のため不透明な白色をしているが、熱ロッドを押し付けられた部分は透明化した。これは、加熱により溶解した熱可塑性樹脂が細孔内に侵入したことによるものである。このようにして本発明のステントを作成した。このステントは、腸骨動脈、大腿動脈、胆管の狭窄改善に使用できる。
【0045】
(実施例2)
ステント本体としては、実施例1と同じものを用いた。
熱可塑性樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合体(商品名ウルトラセン、グレード680、東ソー株式会社製、融点80℃)を用い、この熱可塑性樹脂の5%トルエン溶液を作成した。この溶液にステント本体を浸漬したのち引き上げ、60℃で約30分間で乾燥させステント本体の全表面に熱可塑性樹脂の薄い被膜を形成させた。なお、被膜の厚さは、15μmであった。
【0046】
筒状カバー形成材料としては、多孔質ポリプロピレンフィルム(東洋濾紙株式会社製、グレードTCP、細孔径3μm,空孔率30%、膜厚30μm、融点約130℃)を用いた。多孔質ポリプロピレンフィルムを上記の熱可塑性樹脂被膜を有するステント本体2の外側に巻き付けた。そして、ステント本体と接触している部分に約100℃に加熱したロッドを押し付けて、多孔質フィルムをステント本体に熱融着して、筒状カバーの形成とその固着を行った。このようにして本発明のステントを作成した。このステントは、腸骨動脈、大腿動脈、胆管の狭窄改善に使用できる。
【0047】
(実施例3)
ステント本体としては、実施例1と同じものを用いた。
筒状カバーを形成するための内面側フィルムおよび外面側フィルムとしては、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(厚さ12μm、融点250℃)とポリエチレン(厚さ15μ、融点140℃)の合計27μmの積層フィルム(凸版印刷株式会社製)を用いた。
【0048】
ステント内径より若干小さい外径の丸棒を用意し、これに上記フィルムのポリエチレン側が外側になるように一重に巻き付けた。その上にステントをはめ込み、更にその上から上記フィルムのポリエチレン側が内側になるように一重に巻き付けた。その後、丸棒を100℃以上に加熱し、外側から柔らかいスポンジ状のゴムで押し付け、ポリエチレン層同士を熱融着した。ステント本体とポリエチレンは直接接着されないが、接触するフィルム(接触するポリエチレン層)部分はすべて熱融着されており、ステント本体をはさんだ状態の筒状カバーが形成された。このようにして本発明のステントを作成した。このステントは、腸骨動脈、大腿動脈、胆管の狭窄改善に使用できる。
【0049】
【発明の効果】
本発明の生体内留置用ステントは、略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体と、該ステント本体を被覆する熱可塑性樹脂層と、該ステント本体の外周及び/または内周を被覆し、該開口を塞ぐとともに、該熱可塑性樹脂層に固着された筒状カバーとを備える。このため、ステント本体の開口部および切欠部などのステント側壁に形成された連通部分は、カバーにより封鎖されていので、外部より生体組織がステント内に侵入することを防止する。また、筒状カバーは、熱可塑性樹脂に固着されており、ステント本体より筒状カバーが剥離することがなく、ステントの留置作業時および留置後の両者の分離を防止する。また、筒状カバーは、ステント本体との接触部(熱可塑性樹脂との接触部)全体において固着されているので、ステント本体の変形に対するカバーの変形の追従性が高く、カバーがステント本体の変形の障害となることが少なく、さらに、カバーとステント本体の固着部分がステント本体の全体に分散しているため、使用時および留置時にストレスが一部分に強くかかることがなく、固着部分でのカバーの破断の危険性も少ない。
【0050】
本発明の生体内留置用ステントは、略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体と、該開口を塞ぎ、該ステント本体を被包する筒状カバーとを備えるステントであり、前記筒状カバーは、前記ステント本体内面に設けられた内面側フィルムと、前記ステント本体の外面側に設けられた外面側フィルムとからなり、該内面側フィルムと該外面側フィルムの少なくとも一方は筒状体となっており、さらに、該内面側フィルムと該外面側フィルム間に前記ステント本体を挟持し、かつ、該開口を通じて固着されている。このため、ステント本体の側壁に開口部、切欠部などの空隙(ステント内部と外部との連通部)が存在しても、それらはカバーにより閉塞されているため、外部より生体組織がステント内に侵入することを防止する。また、筒状カバーは、ステント本体を挟むように形成されているため、筒状カバーがステント本体より離脱することがなく、ステントの留置作業時および留置後のステント本体とカバーとの分離を防止する。また、筒状カバーはステント本体を挟むように形成されているため、ステント本体の変形に対するカバーの変形の追従性が高く、カバーがステント本体の変形の障害となることが少ない。また、内側フィルムと外側フィルムの固着部分がステント本体の全体に分散しているため、使用時および留置時にストレスが一部分に強くかかることがなく、固着部分でのカバーの破断の危険性も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のステントの一実施例の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示したステントの端部付近での切断端面図である。
【図3】図3は、図2の部分拡大図である。
【図4】図4は、本発明のステントの一実施例の斜視図である。
【図5】図5は、図4に示したステントの端部付近での切断端面図である。
【図6】図6は、図5の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 生体内留置用ステント
2 ステント本体
3 筒状カバー
4 熱可塑性樹脂層
10 生体内留置用ステント
12 ステント本体
13 筒状カバー
14 外面側フィルム
14a 第1の樹脂層
14b 第2の樹脂層
15 内面側フィルム
15a 第1の樹脂層
15b 第2の樹脂層

Claims (9)

  1. 略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体と、該ステント本体を被覆する熱可塑性樹脂層と、該ステント本体の外周及び/または内周を被覆し、該開口を塞ぐとともに、該熱可塑性樹脂層に固着された筒状カバーとを備えることを特徴とする生体内留置用ステント。
  2. 前記筒状カバーは、多孔質フィルムにより形成されており、該筒状カバーと前記熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂の一部が前記多孔質フィルムの細孔内に流入している請求項1に記載の生体内留置用ステント。
  3. 略円筒形状に形成され、該円筒形状の外面と内面を連通する複数の開口が形成された縮径可能なステント本体と、該開口を塞ぎ、該ステント本体を被包する筒状カバーとを備えるステントであり、前記筒状カバーは、前記ステント本体内面に設けられた内面側フィルムと、前記ステント本体の外面側に設けられた外面側フィルムとからなり、該内面側フィルムと該外面側フィルムの少なくとも一方は筒状体となっており、さらに、該内面側フィルムと該外面側フィルム間に前記ステント本体を挟持し、かつ、該開口を通じて固着されており、さらに、前記内面側フィルムまたは前記外面側フィルムの少なくともいずれか一方は、ポリオレフィンフィルムまたはポリエステルフィルムからなる第1の樹脂層と第1の樹脂層形成樹脂より融点の低い低融点ポリオレフィンにより形成された第2の樹脂層との積層体であり、前記内面側フィルムまたは前記外面側フィルムの他方は、前記第2の樹脂層と熱融着可能な樹脂フィルムにより形成されていることを特徴とする生体内留置用ステント。
  4. 前記内面側フィルムおよび前記外面側フィルムは、ともに筒状体である請求項3に記載の生体内留置用ステント。
  5. 前記内面側フィルムおよび前記外面側フィルムは、前記第1の樹脂層と該第1の樹脂層形成樹脂より融点の低い樹脂により形成された第2の樹脂層との積層体により形成され、かつ、それぞれの第2の樹脂フィルムが向かい合った状態で両者が熱融着されている請求項3に記載の生体内留置用ステント。
  6. 前記筒状カバーは、前記ステント本体の内周を被覆しているものである請求項1に記載の生体内留置用ステント。
  7. 前記筒状カバーは、前記ステント本体の外周および内周を被覆しているものである請求項1に記載の生体内留置用ステント。
  8. 前記熱可塑性樹脂は、融点が前記多孔質フィルムの形成樹脂より低いものである請求項1に記載の生体内留置用ステント。
  9. 前記ステント本体は、体腔内の作用部位に挿入されるまでは縮径されており、作用部位にて拡張できる金属製もしくは樹脂性のものである請求項1に記載の生体内留置用ステント。
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