JP3585925B2 - 飲料用容器 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、飲料を注ぐ際に飲料の上部に細かいクリーム状の泡の層を形成し、樽から飲料を注ぐ際の状態に似た外観を呈するようにすることを可能とした炭酸飲料用容器に関する。
背景技術
こうした外観は飲料内に剪断を発生させることにより形成することができる。この剪断は飲料から小さな気泡が遊離するのを促進する。そして、この気泡が徐々に分離して表面のクリーム状の厚い泡を形成する。
GB−A−1266351は、大気圧より高い圧力に加圧されたガスを含む第二室を備えた複数の飲料用容器を記載している。その一例では、第二室は制限オリフィスを介して容器と永続的につながっており、容器の充填時に加圧ガスが詰められる。別の例では、第二室にはガスが満たされており、また、オリフィスは、ゼラチンあるいは他の無毒な物質で密封されていて、容器の充填前および充填中には第二室内のガスを加圧下に保持すると共に、ある時間飲料と接触すると溶解して、オリフィスを開くようになっている。また、他の例では、制限オリフィスは、容器本体内の圧力に曝されるフレキシブルな室壁に設けられている。この構成によると、容器が開けられるまでは、容器本体内の圧力により制限オリフィスの周囲の壁がグロメットに対して密封状態に維持されるが、容器が開けられると圧力の解放により密封状態が破れ、加圧ガスが第二室から制限オリフィスを通じて飲料内に噴射される。種々の理由により、これらの構成はどれも商業的な成功をおさめていない。
GB−A2、183、592では、第二室から制限オリフィスを通じてガスを噴射させるかわりに、炭酸飲料あるいはガスを伴った炭酸飲料を制限オリフィスから噴射させて、飲料本体に微細な泡を形成させている。このシステムは商業化されたが、炭酸飲料やガスを伴った炭酸飲料を噴射するよりもガスのみを噴射する方が良好な気泡の核を形成することができ、したがって、飲料の上部によりきれいな泡の層を形成することができることが広く認められている。GB−A−2、183、592には、第二室を、飲料容器の一体部材として構成したり、従来の缶、瓶、パックに入れられたり押し込まれたりする分離型挿入物として形成した多数の構造が示されている。GB−A−2、183、592では、挿入物の好ましい例として、適当な接着剤あるいは機械的な手段により、ある位置、例えば、容器の底に保持された挿入物が示されている。しかし、この公報には、容器を開く際に制限オリフィスを容器内の飲料の表面より下に維持することを条件として、分離型挿入物を容器内の飲料中に吊るしたり、浮かべたりする可能性についても記載されている。その制限オリフィスの位置を方向づけるために挿入物に負荷や加重を与える可能性も説明されている。
EP−A−0,520,646は別の提案をしている。この提案によれば、飲料容器は、飲料中にガスのみを噴射するべく構成された制限オリフィスを有する挿入物を備えている。容器を飲料で充填した後すぐに容器を逆さにし、容器内の飲料上部の頭部空間を加圧して、制限オリフィスを逆さになった容器内の飲料の上部の頭部空間内の圧力にさらすようにして挿入物にガスを詰める。低温殺菌を含む加圧工程の間容器を逆さに維持することが確実にできないと、挿入物がかなりの量の飲料で満たされてしまい、容器を開ける際に挿入物から加圧ガスのみを噴射することによって得られる利点の全てを失うことになる。実際には、こうした事は、生産ラインの不測の停止などにより容器が逆さになる前に停止することで発生しうる。さらに、低温殺菌の際に、容器はしばしば倒れその側面に低温殺菌処置が行われる。容器がそのような向きになっていると、かなりの量の飲料が挿入物に入る可能性がある。これは、密閉した容器を低温殺菌処理温度で加熱しており容器内部が高圧となっているのでなおさらである。
WO−A−91/07326が示しているシステムでは、容器の本体内の飲料中にガスのみを噴射する挿入物がガスによって事前に加圧されており、また、閉止手段を有している。この閉止手段は、容器の充填前および充填工程中は密閉状態を維持しているが、飲料容器が開けられると密閉状態が解除され、飲料容器の圧力解放により挿入物からガスが制限オリフィスを通って飲料内に噴射され、このガス噴射の脈動により、所望のクリーム状のたっぷりとした泡を形成するのに必要な溶解ガスの気泡核のもとを作る。このシステムはかなりの商業的な成功を収めている。この挿入物は消費者によって最終的に容器が開けられる前まで実質的に常に密閉されている。したがって、この挿入物を組み込んだ容器には、従来の容器と同じように容易かつ簡単、迅速に飲料を充填できる。このタイプのシステムの欠点は、容器が空になった後にも挿入物が残留圧を含む可能性があり、消費者が空容器を切ったりすると圧力が加わっている挿入物でけがをする危険があることである。
WO−A−91/07326は、加圧ガス挿入物を形成し飲料容器内へ設置することに関して非常に多くの方法を記載している。ほとんどの例では、挿入物は使用中一定の位置に固定するように設けられる。しかし、一つの例では、挿入物は容器内の飲料中に浮かぶようになっている。
上記従来技術のなかには、浮く挿入物の概略を説明しているものがあるが、商業的に採用されたシステムでは浮く挿入物を使用しているものはない。採用されているシステムのほとんどでは、大概、挿入物を一定の位置に固定し、缶を開く時に挿入物が効果的に作用するのを確実にし、あるいは、低温殺菌の際にガスが挿入物に入るのを確実にしている。例えば、もしEP−A−0,520,646に記載されている挿入物が容器の底に近い位置からずれてしまうと、容器が逆さにされた場合、制限オリフィスが加圧および低温殺菌工程中に頭部空間内に位置しなくなってしまう。したがって、挿入物に飲料が満たされてしまい、挿入物はガスよりも液体を噴射することになり、効果的な動作を実現できない。
固定した挿入物で生じる別の問題は、容器を開く際の容器の取り扱われ方にある。王冠タイプの栓を有する瓶を開ける時に、固定した栓抜きを使用して開ける場合には、瓶はしばしばほぼ水平に傾けられる。同じように、リング・プルやスティ・オン・タブ等のイージー・オープン機構を有する缶などを開く時も、一般的に缶を傾けて開ける。どちらの場合も、栓を開いてすぐに容器を傾けて内容物を注ぐ。これらの一連の動作は、ガスが挿入物から噴射する際に挿入物の制限オリフィスが飲料内に浸されていない状態を作り出す可能性がある。この場合、挿入物は正しく機能しない
発明の開示
本発明によれば、炭酸飲料容器は2つの開口手段を有する中空挿入物を備えている。一方の開口手段は、飲料上部の頭部空間からガスを挿入物に入れるように構成されており、他方の開口手段は、容器を開ける際に挿入物からガスを飲料内に噴射するように構成されている。これら開口手段の一つは、一方向バルブであり、もう一つはオリフィス(小孔)である。
本発明は、容器が開かれる際ガスを飲料内に噴射し剪断を発生させ飲料から小さな気泡の遊離を起こさせる挿入物を備える飲料容器を提供し、しかも、この挿入物を事前に加圧をする必要がないようにしたものである。
挿入物は飲料上に浮かぶのが望ましい。この挿入物は、飲料上に浮かぶので、充填の前あるいは後に容器内に落下させることが可能であり、それゆえに、この容器と挿入物の構成は、挿入物を容器内に固定させたり容器内に締まりばめ装着させたりする容器の構造に比べずっと単純である。また、挿入物が浮かぶので、固定した挿入物に起因する、飲料内にガスが噴射されないとか挿入物に飲料が入るといった容器の方向による問題は克服される。さらに、締まりばめ装着を形成したり、特定の位置に挿入物を保持するよう改造する必要がないので、容器自体の特性も厳密でなくてよい。
特に、一方向バルブでガスを飲料に噴射する場合には、このバルブはアヒルの嘴形のダックビル・バルブであるのが望ましい。ダックビル・バルブは、ガスを噴射する口径のサイズがバルブを横切る圧力差にしたがって変化する点で、とりわけ有効である。バルブを通じて噴射するガスの速度を、噴射の間、ほぼ一定とすることができるからである。
挿入物は、ポリプロピレンのようなプラスチック材料から成形しても良く、あるいはラッカー仕上げのアルミニウムやラッカー仕上げのスズ板、ポリマー被覆のアルミニウムやポリマー被覆のスズ板、あるいはスズ・メッキなしの鋼のような金属で形成しても良い。挿入物を金属で形成し容器も金属で形成する場合には、リサイクルし易くするため両者とも同じ金属で形成するのが望ましい。
プラスチック挿入物の場合には、挿入物を2つの部分に成形して、これらを互いにスナップ止め、または、融着するのが望ましい。挿入物は、略管状の部分により接続された2つの略半球状端部を有し、2つの開口手段がこの管状部分の曲がった壁に設けられていることが好ましい。そして、この挿入物は、その長手軸が飲料表面に対して平行になって浮くように構成されるのが望ましい。これは、挿入物が、容易に回転して、必要な向き、すなわち、飲料中にガスを噴射するための開口手段が飲料の表面下となる向きになることができる点で、特に有効である。この形状は浮体挿入物として優れている。なぜなら、挿入物の浮力を制御することにより、多量のガスを挿入物に入れることができ、しかも、挿入物がその少量のみが飲料表面上に出るように浮かぶ構成とすることができるからである。このように構成された挿入物が必要とする頭部空間はわずかとなるため、挿入物を従来の容器に使用することが可能となり、ほとんどの泡増大挿入物に対して使用されている「特大の」容器を使用する必要がなくなる。
挿入物は変形可能部分を有するのが望ましく、その非変形状態では挿入物は容器の注ぎ口を塞いだり通り抜けたりしないが、変形状態では挿入物は注ぎ口を介して容器内に挿入されうるようになっている。この変形可能部分は、挿入物の他の部分と一体に形成された突出部からなるのが望ましい。挿入物を弾力性のある物質で形成し、これを、突出部の回りが変形する程度に、充分薄くしたり、あるいは、突出部を薄い部分または弱い部分で囲むように形成すればよい。ガスが挿入物に入るための開口手段を、この突出部に設けるのが望ましい。
もしくは、中空挿入物を金属で製造する場合には、この挿入物は、ガスを飲料に噴射する開口手段が設けられた略円形の基部と、側壁および天井部を構成するカップを逆さにした形状の上部を有することが望ましい。ガスを挿入物に入れるための開口手段をその天井部に設ける。挿入物の側壁はその底部に向けて裾広がり形状とすることが好ましく、基部がこの末広がり部に受け入れられるようにし、側壁底部を巻き込んで環状の凹所を形成して基部を保持するのが好ましい。この場合、環状の凹所内に缶用のシールライニング化合物のようなシール物質を入れて、挿入物を構成する2つの部分を密閉することが望ましい。さらに、このシール化合物は、基部と側壁の切り口を覆うことで、飲料の香りを損なうおそれがあるこれら切り口の腐食を防止する。
挿入物の基部は、基部の外側に向けて設けられた環状のへこみを有することが望ましい。これは、基部を挿入物の側壁に対して中心合わせするのに使われる。
一方向バルブは、挿入物の天井部あるいは基部の穴を貫通するように設けられる。この穴はバルブの外径より若干小さい径を有することが望ましい。このようにすれば、穴の端部がエラストマー製のバルブに幾分食い込んで、切り口を保護し、また、切り口が飲料に触れたり腐食するのを防止する。
挿入物は、方向づけ手段をガスを噴射するための開口手段に対して対称になるように設けることにより、当該開口手段が常に飲料面より下となるように構成するのが望ましい。挿入物は、両開口手段が位置する鉛直軸を中心に対称となっているのが望ましい。方向づけ手段は、使用される飲料に対して正あるいは負の浮力を持つことができる。しかし、挿入物を作る物質を負の浮力を持つものとし、挿入物の基部の方がより厚い壁を有するように形成するのが望ましい。
挿入物内部の有効容積は、容器のサイズや飲料の種類によるが、2から7mlが望ましい。
【図面の簡単な説明】
本発明の例を添付の図面を参照にして説明する。
図1は本発明による容器に使用される挿入物の第1例の断面斜視図を示しており、
図2は図1の挿入物の一部分の拡大断面を示しており、
図3は飲料と図1の挿入物が入った缶の断面を示しており、
図4は本発明による容器に使用される挿入物の第2例の断面斜視図を示しており、
図5は図4の挿入物の一部分の拡大断面を示しており、
図6は飲料と図4の挿入物が入った缶の断面を示しており、
図7は飲料と図4の挿入物が入った瓶の断面を示しており、
図8は逆止め弁を示しており、
図9は本発明による容器に使用される挿入物の第3例の断面斜視図を示しており、
図10は本発明による容器に使用される挿入物の第4例の断面斜視図を示している。
発明を実施するための最良の形態
図1は、本発明による容器に使用される挿入物の第1例の断面斜視図を示している。挿入物1は、ラッカー塗装をされたアルミニウムで形成され、アルミニウム容器内に使用されてリサイクルを容易にするように考えられている。挿入物1は円形の基部2を有する。基部2は0.5mmと1mmの間の厚さを有する。挿入物1の側面と天井部3は、厚さ0.2mmのアルミニウムにより、カップを逆さにした形状に一体的に形成されている。基部2をより厚いアルミニウムで形成することにより、挿入物1は基部2を下にして浮く。オリフィス6が挿入物の天井部に設けられ、一方向バルブ7が基部2にはめられている。
図2により詳細に示してあるように、側壁がその底部に向けて外方に裾広がり状になって基部2を受けており、側壁の端部4が巻き上げられて基部2をその位置に保持するようになっている。基部2はその外側に向かって形成された環状のへこみ8を有している。これは、基部2を挿入物1の側壁に対して中心合わせするのに用いられる。缶用の発砲シールランニング化合物のようなシール物質5を使用して、側壁と基部をシールする。これには2つの機能がある。まず第1に、このシール化合物は基部2を側壁の巻き上げ端部4に対して密閉し、基部2をその位置で密閉、保持する。第2に、シール物質5は側壁と基部の切り口を覆う。これにより、切り口を保護し飲料の味を損なうおそれのある切り口の腐食を防止する。
一方向バルブ7は、TPE製のアヒルの嘴形のダックビル・バルブである。バルブ7用の穴はダックビル・バルブの管状部分の直径より若干小さい径であり、穴の切り口がバルブ7に食い込むようになっている。これはバルブ7を保持する助けになり、さらに、切り口が飲料に触れて腐食するのを防ぐ。バルブ7は環状のリブとフランジからなり、これらが穴の両側に配置されてバルブ7をその穴に保持する。
挿入物1の内部容積は、缶10に入れられる飲料11によるが、通常、2mlから7mlの間である。
図3は、炭酸飲料11が入った缶10内に配置された上述の挿入物1を示している。缶10に飲料を充填する際、挿入物1を缶10の内部に落下させ、缶10と挿入物1を一緒に不活性ガスで洗浄して、缶10と挿入物1の両方の内部から酸素をとり除く。そして、缶10に炭酸飲料11を充填し、液体窒素を添加して、密封する。缶10を密封した後、その中身を飲料11を低温殺菌するべく加熱する。
加熱の間、缶10の内圧は増大する。この内圧の増大により、ガスが頭部空間からオリフィス6を通って挿入物1に侵入する。挿入物1の内圧は缶10の内圧を越えることはないので、一方向バルブ7は閉じたままとなる。低温殺菌の後、飲料11は冷え缶10の内圧は低下する。そして、挿入物1の内圧が缶10の内圧を上回ると、一方向バルブ7が開いてガスを挿入物1から飲料11内へ噴射させる。また、多少のガスはオリフィス6を通じても噴射される。このようにして、缶10と挿入物1の内圧は平衡状態に維持される。
缶10を開くと、缶10の内圧は急激に大気圧に開放される。この時、挿入物1の内圧が缶10の内圧より高くなるので、挿入物1からのガスがダックビル・バルブ7を介して飲料11内に噴射される。ここで、オリフィス6は径が小さいので、これを介して噴射されるガスはほとんどない。ガスの噴射は飲料11内に剪断を起こし、飲料から小さな気泡の遊離を促す。この気泡は、缶10の飲料11を通って上昇する際、さらに飲料11全体から小さな気泡を遊離させる引き金となる核生成部を形成する。飲料11が缶10からグラスのような入れ物に注がれると、注がれるにつれて飲料の上面からの泡が残りの飲料と密接に混じり合う。これが飲料からさらに小さな気泡を放出させる引き金となり、樽から飲料11を注いだ時のような外見を呈する。
ガスを噴射させるためにダックビル・バルブ7を利用することは、挿入物1の内部と缶10の内部との圧力差が減少するにつれダックビル・バルブ7の開口部のサイズも減少するため、挿入物1と缶10の内圧がほぼ同じなるまで飲料内に噴射されるガス噴射の速度が略一定に保たれる点で、特に有効である。
図4に、本発明で使用される第2例の挿入物20を示す。この挿入物20はプラスチック製であり、容器が瓶の場合に特に有用である。
挿入物20は、管状部分2により繋がれた2つの略半球状端部21を有する。この挿入物20は、互いにスナップ留めされた上部部材23と下部部材24とから形成されている。
挿入物20は変形可能部分27を有し、その非変形状態では挿入物20は容器の注ぎ口を通り抜けることができないが、変形状態では注ぎ口を通り抜けることができるため、挿入物20を注ぎ口を通して容器内に入れることができる。このようにして、挿入物20は、例えば瓶の頸部から容器内部に容易に挿入させることが可能であり、しかも、飲料を容器から注ぐ時には、注ぎ口を塞いだりこれを通り抜けたりすることがない。変形可能部分27は、挿入物20の上部部材23上に設けられた突出部からなる。挿入物20の上部部材23は、挿入物が変形できるよう全体を薄いプラスチック材料で形成すれば良い。あるいは、挿入物が変形できるよう、上部部材23に弱い部分を設けても良い。突出部27にオリフィス28が形成されている。
プラスチック材料は負の浮力を有するので、挿入物20の下部部材24を上部部材23より厚い壁で形成することにより、挿入物20は下部部材24を下にして浮くようになっている。下部部材24は、一方向バルブ29が設置された中央窪み25を有している。このようにして、一方向バルブ29は、そのリップ部を取り囲む挿入物20の壁により損傷から保護されている。さらに、一方向バルブ29の挿入物20内の開口部は挿入物20の底部より上方に位置している。万一、液体が挿入物20に入ってしまっても、液体はバルブ29の開口部の高さより低く位置することになるため、容器が開けられた時でも液体が挿入物20から噴射することはない。
図5に示すように、挿入物20の上部部材23は、その側面の回りに外周溝31を有している。下部部材24は、外周溝31と結合する形状の第一直立リブ32を有している。この構成により、上部部材23と下部部材24は互いにスナップ留めされる。第二直立リブ33が、下部部材24から延伸し、上部部材23の側壁の外周溝31の裏側内面に接触するようになっている。挿入物20の上部部材23と下部部材24が互いにスナップ留めされる時、これら対向するリブ32、33が上部部材の側壁を挟み込んで、上部部材23と下部部材24を保持する。挿入物20の内側と外側で圧力差があっても、リブ32、33が上部部材23の側壁が半径方向へ移動するのを防止するので、挿入物が内部と外部の大きな圧力差を受ける時にも上部部材23と下部部材24がはずれることが防止される。
図6は、缶35内に第2例の挿入物20が入っている状態を示している。
図7は、第2例の挿入物20が入った瓶40を示している。瓶40に飲料を充填する際、挿入物20は変形させられて瓶40の頸部に押し込まれる。挿入物20は、瓶40内に入ると、通常の状態にもどり、瓶40の頸部を通るには大きすぎるようになる。瓶40と挿入物20は不活性ガスで洗浄されて酸素をとり除かれる。そして、瓶40は、飲料11を充填され液体窒素を添加されて、密封される。次に、低温殺菌のため飲料11は加熱される。この加熱により、瓶40の内圧が増大する。第1例で説明したように、ガスがオリフィス28を介して挿入物20に入るにつれ、挿入物の内圧もまた増大する。瓶40を開けると、挿入物20内部のガスが飲料11内に噴射され剪断を起こし、上述したように飲料上に緻密なクリーム状の泡の層を形成する。飲料11を注ぐ際にも、挿入物20はその突出部27により瓶40の頸部を通過することができないので、誤って挿入物20が飲料11と共に注がれることはない。
ダックビル・バルブの代わりに他のバルブを使用することもできる。図8に、入り口52を有する上部壁51と制限オリフィス54を有する下部壁53とを持つ円形断面形状の中空体から成る逆止め弁50を示す。下部壁の内部表面からは、一対の突起55が突出している。円盤形バルブ56が中空体の内部に設けられている。圧力が中空体の外部から制限オリフィス54を介して加わると、バルブ円盤が上部壁へ向けて力を受け、入り口52を塞いでガスが中空体を通って流れるのを防ぐ。圧力が入り口52を介して加わると、バルブ円盤54が突起55へ向けて力を受けるが、突起55が円盤56が制限オリフィス54を密閉するのを防止する。従って、ガスが弁50内を流れることができる。
上記した両方の例では、挿入物の天井部に設けるべき一方向バルブを介してガスが挿入物へ侵入し、挿入物の底に設けられるオリフィスを介してガスが飲料に噴射される。この構造を図9および図10に示す。この場合には、飲料を入れた容器が密閉されると、容器内の圧力が挿入物内に比べて上昇する。この圧力差が一方向バルブ31、32を開かせ、頭部空間からのガスが挿入物に侵入して挿入物を加圧し、これを容器の内圧とほぼ等しくさせる。容器が冷えるにつれ、容器の内圧も降下する。すると、挿入物からのガスがオリフィス33、34を介して飲料内に噴射され、挿入物と容器内の圧力が平衡に保たれる。容器を開けると、容器の内圧は大気圧に開放される。それゆえ、挿入物は容器の内部より高い圧力となり、ガスがオリフィス33、34を通じて飲料内に噴射し、飲料内に剪断を起こし、上述のように飲料上に緻密なクリーム状の泡の層を形成する。一方向バルブ31、32がガスが流出するのを防ぐので、ガスは一方向バルブから逃げることができない。

Claims (17)

  1. 2つの開口手段(6、7、28、29、31、32、33、34)を有する中空挿入物(1、20)を備え、一方の開口手段(6、28、31、32)が飲料(11)上部の頭部空間から挿入物(1、20)にガスが入るのを可能にする構成とし、他方の開口手段(7、29、33、34)が容器(10、35、40)を開ける際に挿入物(1、20)から飲料(11)内にガスを噴射するように構成された炭酸飲料用容器において、
    開口手段の一方(7、29、31、32)が一方向バルブであり、他方の開口手段(6、28、33、34)がオリフィスであり、
    上記挿入物(1、20)が飲料(11)上に浮かぶことを特徴とする炭酸飲料用容器(10、35、40)。
  2. 上記一方向バルブ(7、29、31、32)がダックビル・バルブであることを特徴とする請求項に記載の炭酸飲料用容器(10、35、40)。
  3. 上記挿入物(20)がプラスチック材料で成形されていることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の炭酸飲料用容器(35、40)。
  4. 上記挿入物(20)が2つの部分に成形され、これらが互いにスナップ止め、または、融着されていることを特徴とする請求項に記載の炭酸飲料用容器(35、40)。
  5. 上記挿入物(20)が、略管状の部分(22)により接続された2つの略半球状端部(21)を有し、2つの開口手段(6、7、28、29、31、32、33、34)がこの管状部分(22)の曲がった壁に設けられ、その長手軸が飲料(11)表面に対し平行になるように浮くように構成されたことを特徴とする請求項3あるいは4に記載の炭酸飲料用容器(45、40)。
  6. 上記挿入物(20)が変形可能部分(27)を有し、その非変形状態では、挿入物(20)は容器(35、40)の注ぎ口を塞いだり通り抜けたりせず、変形状態では、挿入物は注ぎ口を介して容器(35、40)内に挿入されうることを特徴とする、前記請求項のいずれかに記載の炭酸飲料用容器(35、40)。
  7. 上記変形可能部分(27)が、挿入物の他の部分と一体的に形成された突出部からなることを特徴とする請求項に記載の炭酸飲料用容器(35、40)。
  8. 上記挿入物(20)が、該突出部の周囲で変形するのに充分な程薄い弾力性のある物質から形成されていることを特徴とする請求項に記載の炭酸飲料用容器(35、40)。
  9. ガスを挿入物(20)に入れるための開口手段(28、32)が、上記突出部に設けられていることを特徴とする請求項7あるいは8に記載の炭酸飲料用容器(35、40)。
  10. リサイクルを容易にするため、上記容器が挿入物(1)を同じ材料から形成されていることを特徴とする、前記請求項1及び2のいずれかに記載の炭酸飲料用容器(10)。
  11. 上記挿入物(1)が金属で形成されており、ガスを飲料(11)に噴射する開口手段(7、33)が設けられた略円形の基部(2)と、側壁および天井部を構成するカップを逆さにした形状の上部(3)とを有し、ガスを挿入物に入れるための開口手段(6、31)がその天井部に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の炭酸飲料用容器(10)。
  12. 上記挿入物(1)の側壁がその底部に向けて裾広がり形状となっており、基部(2)がこの裾広がり部に受け入れられており、側壁の底部(4)を巻き込んで環状の凹所を形成することにより基部を所定の位置に保持することを特徴とする請求項11に記載の炭酸飲料用容器(10)。
  13. 上記環状の凹所内にシール物質(5)が入れられていることを特徴とする、請求項12に記載の炭酸飲料用容器(10)。
  14. 上記挿入物(1)の基部(2)が、基部(2)を挿入物(1)の側壁に対して中心合わせするための、基部(2)の外側に向けて設けられた環状のへこみ(8)を有することを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の炭酸飲料用容器(10)。
  15. 上記バルブ(7、31)が、当該バルブの外径より若干小さい径を有する穴を貫通して設けられていることを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の炭酸飲料用容器(10)。
  16. 上記挿入物(1)が、ガスを噴射するための開口手段(7、33)に対して対称に設けられた方向づけ手段を有することを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の炭酸飲料用容器(10)。
  17. 上記挿入物(1)が、2つの開口手段(6、7、31、33)が配置されている鉛直軸のまわりに対称となっていることを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の炭酸飲料用容器(10)。
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