JP3585600B2 - セメント分散剤、その製造方法及び用途 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセメントあるいはセメント配合物の分散剤に関するものである。
近年、橋梁やビルなどがより巨大化、高層化するに従ってコンクリートの高強度化が要求されており、単位水量を減少させてより高い強度を実現するために、高い分散性を示す分散剤が望まれている。本発明は、かかる要求に応える高い分散性或いは高い強度発現性を示すセメント分散剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
コンクリートの強度を向上させるためには単位水量を減らすことが有効であることが一般に知られており、単位水量を減少させた際のコンクリートの作業性を確保するためにセメント粒子を分散させる働きを有する分散剤が使用されている。このような分散剤としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物やリグニンスルホン酸等が知られているが、このなかでも、近年需要が高まりつつある水セメント比20〜30% 程度までに減水した高強度コンクリートに対応するにはポリカルボン酸系という一群の分散剤が有効と言われている。
この種の分散剤としては、(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリルエステル共重合物などのようなカルボン酸系の重合物(特開平5−213644号公報、特公昭59−18338号公報)、あるいはスルホン基を持ったビニル化合物を共重合させたもの(特開平5−170501号公報)などが提案されている。
【0003】
しかし、コンクリートの強度に対する要求がより強くなるにつれ、より少量の水で所定のワーカビリティーを確保できる分散剤が求められている。また、硬化コンリートの強度には単位水量のみでなく多くの因子が影響を与えていると考えられるが、分散剤も強度に何らかの影響を与えていると思われる。硬化コンクリートの強度を向上させる分散剤があれば、同一の単位水量で高い強度を実現することができる。また、同一の強度を実現するために単位水量を増加させることができるので高いワーカビリティを実現することができる。
【0004】
また、このような高強度コンクリートは、単位セメント量が多くなったり巨大構造物に使用される例が多かったりするために、コンクリートの水和熱に起因する温度ひび割れの発生が問題視されていた。これに対し、シリカヒュームや高炉スラグを混合させた2成分あるいは3成分系タイプの低発熱セメントが使用されているが、混合材の品質が変動し易い、あるいは中性化に対する耐久性が低いといった問題がある。そのために普通ポルトランドセメント中の2CaO・SiO(CS);ビーライト分を増やした高ビーライト型低発熱セメントの使用が普及しつつある。
そこで、コンクリート混和剤に関しても、普通ポルトランドセメントのみでなく、高ビーライト型低発熱セメントへも適合することが望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは種々検討の結果、水に難溶の(メタ)アリルビスフェノール類が水性条件下に於いてラジカル重合性を有していることを見いだした。そして、α,β−不飽和モノカルボン酸類及び不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体を共重合した、新規な3元共重合物が高いセメント分散性を示すこと、及び該共重合体の製造方法を見出した。特に、下記の[化1]で示される化合物、[化2]で示される化合物は、その主原料である2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンやジヒドロキシジフェニルメタンが工業的に大量に生産されているので、産業的に有利に利用できる。
【0006】
[化1]
Figure 0003585600
【0007】
[化2]
Figure 0003585600
【0008】
さらに、(メタ)アリルビスフェノール類として、[化3]で示されるモノマーを用いることによって、同一の単位水量で強度の高いコンクリートが作れることをも見いだした。また、本発明のセメント分散剤は、高ビーライト型低発熱セメントに使用すると特に有効に作用し、優れた減水性を示すことをも併せて見いだした。
【0009】
[化3]
Figure 0003585600
【0010】
重合させるモノマー比は、α,β−不飽和モノカルボン酸をA重量部、不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体をB重量部、(メタ)アリルビスフェノール類をC重量部とするとき、下記式1を満足する必要がある。
Figure 0003585600
【0011】
Aの範囲が15よりも小さかったり35よりも大きい場合、あるいはBの範囲が85よりも大きかったり62よりも小さい場合には、得られる共重合物の親水性と電荷とのバランスが悪くなり良好な分散性が発揮できない。Cの範囲が1よりも小さいと添加する効果が現れなくなり、α,β−不飽和モノカルボン酸、不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体2元共重合物や、α,β−不飽和モノカルボン酸、不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体及びスルホン基を有する単量体の3元共重合物と比較した際の分散性向上の効果が見られなくなる。また、10よりも大きいとかえって分散性能が低下してしまう。
【0012】
本発明に使用されるα,β−不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びその塩が挙げられる。共重合体を作成するに当たり、上記単量体の2種以上を併用することも可能である。
【0013】
本発明に用いられる不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα,β不飽和モノカルボン酸類とポリオキシアルキレンの2つあるOH基の片方とをエステル結合させたものや、このエステルの残存している遊離OH基をアルキル基でエーテル化させたものが挙げられ、たとえば、ポリオキシエチレンアクリレート、アルコキシポリオキシエチレンアクリレート、ポリオキシエチレンメタクリレート、アルコキシポリオキシエチレンメタクリレート、ポリオキシエチレンクロトネート、アルコキシポリオキシエチレンクロトネート等のポリオキシエチレンを有するモノマーや、これらの一部をポリオキシプロピレンとし、ブロックあるいはランダムに付加させたもの、または全てをポリオキシプロピレン基としたもの等の使用が可能である。特に、メトキシポリオキシエチレンメタクリレートが好ましい。
【0014】
本発明に使用される(メタ)アリルビスフェノール類とは、ビスフェノール類のOH基のオルト位をアリル(またはメタリル)置換したものであれば特に選ばれないが、例えば2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン、ジヒドロキシジフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルスルホンのOH基のオルト位をアリル置換したモノマーや、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン、ジヒドロキシジフェニルメタン、ジヒドロキシジフェニルスルホンのOH基のオルト位をメタリル置換したモノマーのような(メタ)アリルモノマー類が挙げられる。分子中の(メタ)アリル基の数としては特に制限はないが、1ないし2が好ましい。
【0015】
[化1]の化合物としては、モノアリルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールA、モノメタリルビスフェノールA、ジメタリルビスフェノールAが挙げられる。[化2]の化合物としては、モノアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールF、モノメタリルビスフェノールF、ジメタリルビスフェノールFが挙げられる。[化3]の化合物としては、モノアリルビスフェノールS、ジアリルビスフェノールS、モノメタリルビスフェノールS、ジメタリルビスフェノールSが挙げられる。
【0016】
上記に記載されたものは、単独で使用しても良いし、[化1]と[化2]の化合物を適宜混合して用いても、同様の効果が得られる。[化1]と[化2]の化合物の組合せとしては、モノアリルビスフェノールAとモノアリルビスフェノールF、モノアリルビスフェノールAとジアリルビスフェノールF、モノアリルビスフェノールAとモノメタリルビスフェノールF、モノアリルビスフェノールAとジメタリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールAとモノアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールAとジアリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールAとモノメタリルビスフェノールF、ジアリルビスフェノールAとジメタリルビスフェノールF、モノメタリルビスフェノールAとモノアリルビスフェノールF、モノメタリルビスフェノールAとジアリルビスフェノールF、モノメタリルビスフェノールAとモノメタリルビスフェノールF、モノメタリルビスフェノールAとジメタリルビスフェノールF、ジメタリルビスフェノールAとモノアリルビスフェノールF、ジメタリルビスフェノールAとジアリルビスフェノールF、ジメタリルビスフェノールAとモノメタリルビスフェノールF、ジメタリルビスフェノールAとジメタリルビスフェノールFが挙げられる。
【0017】
重合反応の開始剤としてはラジカルを発生するものであればとくに選ばないが、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムといった過硫酸塩、t−ブチルハイドロパーオキシドのような水溶性の過酸化物を用いることが望ましい。重合開始剤の量としては、 0.5〜5重量%対全モノマーとするのが好ましい。
【0018】
重合反応は通常、反応物の濃度を10〜60%、反応温度を60〜100 ℃、反応時間を 0.5〜20時間とした条件で行う。濃度10%以下で反応を行うと製品濃度が低いために輸送コスト等産業的に不利になり、60%以上の濃度で行うと粘度が高くなったり、重合熱の除去が困難になったり分子量の異常に高い部分が生成したりして、良好な重合ができない。重合反応時間を 0.5時間以下とすると、重合しないモノマーが残存する可能性が高くなり、安定した製品が得られない。また、反応は全モノマーを仕込んだ後に、20時間以内に完結するので、これ以上の時間を費やすことは意味がない。
【0019】
重合反応時の温度は開始剤の種類や量により必ずしも一定しないが、60〜100 ℃が望ましい。これらの条件は製品品質の要求に従い、任意に変更することが可能である。
【0020】
重合時のpHとしては、α,β−不飽和モノカルボン酸として、塩型ではなくカルボン酸型のものを使用した場合にはカルボン酸の酸性で 1.0〜2.5 となる。このカルボン酸をアルカリで中和して望むpHにしてもよいが、不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体はエステル結合を有しており、加水分解を抑制するためにはpH7以下が好ましい。このときのpH調節用のアルカリとしてはNaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、アンモニア、有機アミン等が挙げられるが、NaOHやCa(OH)を使用することが価格等産業的には有利である。
【0021】
重合させるモノマーや重合開始剤の添加方法としては、反応開始時に一括して仕込んでおく方法や、数度に分割して添加する方法、反応中徐々に連続して添加する方法などで合成できるが、反応のコントロールを行う上では徐々に連続して添加する方法が好ましい。また、モノマーの反応性などを考慮して添加中にモノマーの構成比を変化させても良いし、ある種のモノマーのみを最初から仕込んでおき、その他のモノマーを徐々に連続して添加してもよい。
得られる共重合物の平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することが可能である。
【0022】
本発明における分散剤の分子量は、数平均分子量で表すと通常 3,000〜100,000 の範囲にするのが好ましい。これよりも数平均分子量が低いと分散性能を示さない低分子部分が多くなりすぎ、良好な分散性能は得られない。また、これよりも数平均分子量が高すぎると重合物が凝集性を示すようになり、やはり良好な分散性が得られない。また、溶液粘度が高くなり産業上の使用が困難となる。
本発明における高ビーライト型低発熱セメントとは、ビーライト(2CaO・SiO(CS))分40wt%以上のポルトランドセメントである。例えば、ハイフローセメント、低熱ポルトランドセメント(秩父小野田)、ベータセメントH,L(住友大阪セメント)等が挙げられる。
【0023】
本発明のセメント分散剤の添加量は、有効分で、0.01〜3.0 重量%であることが好ましく、更に好ましくは、 0.1〜2.0 重量%である。
本発明のセメント分散剤は、他の分散剤との併用も可能である。該分散剤とは一般にコンクリート用減水剤として使用されているものであればよいが、高性能AE減水剤、高性能減水剤、AE減水剤と称されるものが挙げられる。
【0024】
本発明に於けるα,β−不飽和モノカルボン酸、不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体、(メタ)アリルビスフェノール類の3元共重合物は、α,β−不飽和モノカルボン酸、不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体の2元共重合物や、α,β−不飽和モノカルボン酸、不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体、スルホン基を有する単量体の3元共重合物よりも良好な分散性を示す。その理由ははっきりとは解明されていないが、疎水性の(メタ)アリルビスフェノール類を共重合することによって分散剤分子の中に疎水性部分が形成され、疎水性によるセメント粒子への吸着性の向上及び表面張力の低下によるセメント粒子への濡れ性の向上によるのではないかと考えられる。事実、本重合物に関して水溶液の表面張力を測定したところ、1%溶液に於いて 5.5×10−2N/m以下であり、α,β−不飽和モノカルボン酸、不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体共重合物やα,β−不飽和モノカルボン酸、不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体、スルホン基を有する単量体の3元共重合物などの 5.5〜7.0 ×10−2N/mよりも明らかに小さかった。この表面張力が小さいことによりセメント表面へのぬれ性が向上し、セメントの2次凝集粒子を単分散させる力となり、分散性能の向上に役立っていると考えられる。また、ぬれ性の向上は、コンクリートが硬化した際の表面性状を改善し、アバタを減少させることにもつながる。
【0025】
ここにおいて、水溶液の表面張力を減少させるには低分子量の界面活性剤を混合する方法も考えられるが、この方法では界面活性剤による泡立ちが激しくなり、連行空気量の増大につながる為に好ましくない。
また、重合時において、(メタ)アリルビスフェノール類のフェノール性OHやアリル水素は連鎖移動能を有しており、これら連鎖移動による分子量コントロール能力も活用できる。
【0026】
ここで、フェノール性OH基を有する化合物としてビニルフェノール類を用いた分散剤の例が特開平5−58694 号公報、特開平5−58695 号公報に示されているが、その分散性はナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド高縮合物と同程度であり、(メタ)アリルビスフェノール類を用いることによって、初めて本発明の高い分散性を得ることができる。
【0027】
さらに、(メタ)アリルビスフェノール類として、ジヒドロキシジフェニルスルホンのOH基のオルト位をアリル置換した化合物を用いた場合には、驚くべきことに同一配合処方で硬化コンリートを作製した場合にも強度が高いという特徴を持っており、高強度コンクリートを作る際には非常に有利である。このような性質が発現する理由はまだはっきりとは解明されていないが、疎水性によるセメント粒子への吸着性の向上及び表面張力の低下による濡れ性の向上あるいは、ジヒドロキシジフェニルスルホン骨格中のスルホン基による電荷の偏りが影響を与えていると考えている。
【0028】
【発明の効果】
本発明によりコンクリートのワーカビリティーを向上させることができるようになり、単位水量を減少させることができるので、コンクリートの高強度化が図れる。また、硬化コンクリートの強度には単位水量のみでなく分散剤も影響を与えていると考えられるが、同一の単位水量で高い強度を実現することができたり、同一の強度を実現するために単位水量を増加させることができるので高いワーカビリティを実現することができる。
また、本発明のセメント分散剤は、高ビーライト型低発熱セメントに使用すると特に有効に作用し、際だった減水性を示す。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を挙げ本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0030】
なお、本実施例に用いる各種モノマーを以下の記号で示すことにする。
モノマー
Figure 0003585600
【0031】
(実施例1)
攪拌装置、還流装置、及び滴下装置を備えた反応容器に、ジヒドロキシジフェニルメタンのOH基のオルト位のうちの2つをアリル置換した化合物(i)4重量部、及び水 150部を仕込んだ。得られた混合物を80℃に加熱攪拌し懸濁状態とする。このものに、メタクリル酸(a)24部、メトキシポリオキシエチレンメタクリレート(d)(EO鎖長=9)72部、過硫酸カリウム(o)2部、水 250部の混合溶液を2時間かけて添加した。この後、80℃で1時間反応させた。その後、NaOH水溶液で中和し、重合物の水懸濁液を得た。
得られた重合物のGPCを用いて測定した数平均分子量は14,000(ポリエチレングリコール換算)であった。
【0032】
(実施例2〜22)、(比較例1〜5)
実施例1と同じ条件下で以下の表1及び表2に示すモノマー比で反応を行った。
【0033】
【表1】
Figure 0003585600
【0034】
【表2】
Figure 0003585600
【0035】
さらに、反応条件を変更し、以下の反応を行った。
【0036】
(実施例23)
実施例1に於いて、モノマー添加終了後に8部の過硫酸カリウムを 100部の水に溶解させた溶液を1時間かけて添加し、その後、1時間反応させた。
【0037】
(実施例24〜28)
実施例1において、反応温度、反応時間、反応濃度、反応時のpHを以下の表3のように変更した。
【0038】
【表3】
Figure 0003585600
【0039】
次に、組成の全く違う以下の重合物を作成した。
【0040】
(比較例6)
実施例1に於いて、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタンのジアリル置換体を用いないで重合を行ったもの。
【0041】
(比較例7)
特公平5−11057 号公報の反応例1、実施例2に従って以下のようにして重合を行ったサンプル。
メタクリル酸28.5部、メトキシポリオキシエチレンメタクリレート(EO鎖長=9) 144部、メタリルスルホン酸ナトリウム20部を温度計、滴下ロート、窒素ガス導入管及び攪拌機を備えた4つ口フラスコに仕込み、更に水 400部を投入した。次いで、48%水酸化ナトリウム水溶液で中和した。中和後の系のpHは 7.4であった。雰囲気を窒素置換した後、系の温度を温水浴にて55℃に保ち、過硫酸アンモニウムの20%水溶液17部を一度に投入して重合を開始し、4時間反応を継続して重合を完結させ、重合物の水溶液を得た。
【0042】
(比較例8)
ナフタレンスルホン酸と変性リグニンのホルムアルデヒド縮合物
(日本製紙(株)製 サンフローPS)
【0043】
(比較例9)
特公昭59−18338号公報参考例3に従って以下のようにして重合を行ったサンプル。
温度計、滴下ロート、窒素ガス導入管及び攪拌機を備えた反応容器に水560.7部を仕込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、95℃まで加熱した。次いでメトキシポリオキシエチレンメタクリレート(NKエステルM−230G,新中村化学(株)製、平均エレンオキシド付加モル数23個)75部、アクリル酸25部及び水300部からなるモノマー混合溶液と5%過硫酸アンモニウム水溶液34.5部とのそれぞれを120分で添加し、添加終了後更に5%過硫酸アンモニウム水溶液6.8部を20分で添加した。この添加を終了した後、120分間95℃に温度を保持し重合反応を完結させた。その後、NaOH溶液で中和を行い、共重合物の水溶液を得た。
【0044】
得られた重合物のコンクリート試験及び表面張力測定
表面張力の測定は、協和界面科学(株)製ウィルヘルミー式表面張力測定装置CBVP−A3によって、白金板を使用して23℃の恒温室内で行った。サンプルの濃度は固形分で1%とした。得られた値を純水の表面張力を測定して得られた値によって補正して表面張力を得た。この操作を5回繰り返し、その平均値を表面張力の値とした。
【0045】
得られた分散剤に関して、以下のようにしてコンクリート分散性試験を行った。
Figure 0003585600
Figure 0003585600
【0046】
サンプル調整方法
細骨材、セメント、分散、消泡剤、AE剤、水を鉛直一軸式パン型強制攪拌ミキサー(50L)に投入し、30秒間攪拌し、その後粗骨材を投入して更に1分間攪拌して均一状態にし、サンプルとした。調整するサンプル量は30Lとした。
また、連行空気量が5.0±0.3%となるように消泡剤、AE剤の量を調節した。
【0047】
試験方法
スランプ試験はJIS A 1101に準拠して行い、コンクリートの流動性を測定した。また、スランプ測定時、測定板上の広がりを、その最大に広がった方向とそれに直角な方向とで測定し、その平均をフロー値とした。
空気量の測定は、JIS A 1128に準拠して行った。
【0048】
試験結果
分散性試験結果及び表面張力測定結果を以下の表4に示す。
【0049】
【表4】
Figure 0003585600
【0050】
得られた重合物を用いたコンクリート強度試験
得られた重合物に関して、硬化コンクリートの強度試験を行った。
Figure 0003585600
Figure 0003585600
【0051】
Figure 0003585600
Figure 0003585600
【0052】
サンプル調整方法
粗骨材、細骨材、セメントを水平2軸式強制攪拌ミキサー(50L)に投入して30秒間攪拌し、さらに分散剤、消泡剤、AE剤、水を投入して3分間混練して均一状態にし、サンプルとした。調整するサンプル量は30Lとした。
また、消泡剤、AE剤の量は、連行空気量が 2.0±0.3 %となる量とした。
【0053】
試験方法
圧縮強度試験はJIS A 1108に準拠して行った。
コンクリートの流動性はスランプフロー試験で行った。試験方法としては、
JIS A 1101のスランプ試験に準拠して行い、測定板上の広がりを、その最大に広がった方向とそれに直角な方向とで測定し、その平均をフロー値とした。
空気量の測定は、JIS A 1128に準拠して行った。
【0054】
試験結果
分散性試験結果及び圧縮強度試験結果を以下の表5に示す。
【0055】
【表5】
Figure 0003585600
【0056】
ビーライトセメントを用いた試験は以下のようにして行った。
Figure 0003585600
Figure 0003585600
【0057】
添加剤及び使用量
分散剤:実施例6、8、比較例6、9 0.26% 対セメント
AE剤:サンフローAE−4(日本製紙(株)) 0.0023%対セメント
消泡剤:トリミンDF−325(ミヨシ油脂(株))0.0017%対セメント
【0058】
サンプル調整方法
粗骨材、細骨材、セメントを水平2軸式強制攪拌ミキサー(50L)に投入して30秒間攪拌し、さらに分散剤、消泡剤、AE剤、水を投入して3分間混練して均一状態にし、サンプルとした。調整するサンプル量は30Lとした。
また、消泡剤、AE剤の量は、連行空気量が 2.0±0.3 %となる量とした。
【0059】
試験方法
コンクリートの流動性はスランプフロー試験で行った。試験方法としては、JIS A 1101のスランプ試験に準拠して行い、測定板上の広がりを、その最大に広がった方向とそれに直角な方向とで測定し、その平均値をフロー値とした。
空気量の測定はJIS A 1128に準拠して行った。
【0060】
試験結果
分散性試験結果を以下の表6に示す。
【0061】
【表6】
Figure 0003585600

Claims (9)

  1. α,β−不飽和モノカルボン酸のA重量部、不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体のB重量部及び(メタ)アリルビスフェノール類のC重量部を下記式1を満足する割合で共重合して得られる重合物を有効成分とすることを特徴とするセメント分散剤。
    Figure 0003585600
  2. (メタ)アリルビスフェノール類として[化1]、[化2]で示される化合物のうちいずれか一方あるいは双方を用いる請求項1記載のセメント分散剤。
    [化1]
    Figure 0003585600
    [化2]
    Figure 0003585600
  3. (メタ)アリルビスフェノール類として[化3]で示される化合物を用いる請求項1記載のセメント分散剤。
    [化3]
    Figure 0003585600
  4. α,β−不飽和モノカルボン酸としてメタクリル酸を用い、不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体としてアルコキシポリオキシエチレンメタクリレートを用いる請求項1、2又は3記載のセメント分散剤。
  5. α,β−不飽和モノカルボン酸のA重量部、不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体のB重量部及び(メタ)アリルビスフェノール類のC重量部を下記式1を満足する割合で共重合させることを特徴とするセメント分散剤の製造方法。
    Figure 0003585600
  6. (メタ)アリルビスフェノール類として[化1]、[化2]で示される化合物のうちいずれか一方あるいは双方を用いる請求項5記載のセメント分散剤の製造方法。
    [化1]
    Figure 0003585600
    [化2]
    Figure 0003585600
  7. (メタ)アリルビスフェノール類として[化3]で示される化合物を用いる請求項5記載のセメント分散剤の製造方法。
    [化3]
    Figure 0003585600
  8. α,β−不飽和モノカルボン酸としてメタクリル酸を用い、不飽和結合を有するポリオキシアルキレンモノエステル系単量体としてアルコキシポリオキシエチレンメタクリレートを用いる請求項5、6又は7記載のセメント分散剤の製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項記載のセメント分散剤を、高ビーライト系低発熱セメントに使用することを特徴とするセメント分散剤の使用方法。
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