JP3585492B2 - セルロース製品の耐生分解特性および寸法安定性を向上させる方法 - Google Patents

セルロース製品の耐生分解特性および寸法安定性を向上させる方法 Download PDF

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Description

本発明は、請求項1の序文に係る方法において、セルロース製品の腐敗およびカビに対する耐久性を向上させると共に、この製品の寸法安定性を向上させる方法に関するものである。
この種の方法に従って、前記のセルロース製品を、高温下で実施される熱処理に供する。
本技術分野において、木材の寸法安定性が熱処理によって向上することは良く知られている。従来技術に関する限りでは、例えば、フィンランド特許明細書第68,122号を参照するが、これが開示する方法では、木材製品を160〜240℃の温度および3〜15バールの圧力で処理する。この処理の結果として、木材が水を吸収する傾向、従って膨張する傾向が著しく減少する。また、木材の耐腐敗特性に対する熱処理の作用が研究されている。マイルム,N.P.およびアレナス,C.V.は、彼らの文献「フィリピン産木材の自然腐敗に対する耐久性についての熱の作用:Effect of heat on natural decay resistance of Philippinean woods」(「Philippinean Lumberman:フィリピン製材」Vol.20,No.10,1974,第18〜19、22〜24頁)において、乾燥状態のアジア産木材種を、90、110、130、150および175℃の各温度で240時間処理することを記載している。この処理の結果、木材の色がチョコレート茶色に変化する。130、150および175℃で更に処理すると、木材試料の二種類の褐色腐敗菌に対する耐久性が向上する。しかし、これと同時に、この処理によって木材が弱くなる。
菌の成長および拡散を防止する物質を使用した従来の圧力含浸法に対しては、すべての種類の木材が適してはいないために、熱処理は、木材を腐敗から保護するための有利な代替手段である。
従来の熱処理方法は、圧力および長い処理時間を必要とするために、工業的用途に対しては複雑すぎるものであった。また、高圧および高温の影響下では、木材が脆くなり始め、弱くなることが確認された。更には、木材は高温では容易に発火する。
本発明の目的は、前記従来技術による問題点をとり除くことであり、セルロース製品の腐敗およびカビに対する耐久性(即ち、耐生分解性)および寸法安定性を向上させるための完全に新規な解決手段を提供することである。
本発明は、セルロース製品の熱処理を二段階で実施するという概念に基づいている:第一に、この製品を所望の水分含有量、典型的には15%以下まで乾燥する。次いで、この温度を150℃以上(典型的には約180〜250℃)にまで急速に上昇させ、処理されている製品の重量減少が少なくとも3%に達するまで、この処理をこの温度で継続する。
特に、本発明による方法は、主として請求項1の特徴的部分において記述された事項によって特徴付けられる。
上記したように、乾燥していない木材または類似のセルロース製品を、本発明の方法のための出発物質として使用する。この製品は、あらゆる適当な条件下(屋外で常温でさえも)で、15%未満の所望の水分含有量にまで乾燥することができる。しかし、本発明の好適な態様に従って、この製品を高温で乾燥する。この木材製品の色彩は、この乾燥の間に暗くなるであろう。この乾燥に関しては、製品のクラックを防止するために適切な配慮が必要である。この目的は、好ましくは、木材の表面および内部の温度をそれぞれ定常的に測定することによって、およびこの温度差を適当な小さな値に維持することによって、達成できる。好ましくは、この温度差は、約10〜30℃に達する。温度を上昇させる場合と、温度を下降させる場合との双方において、この手順に従う。驚くべきことに、この解決手段によって、木材材料の(内部における)クラックの生成でさえも完全に防止できることを発見した。多量の木材を乾燥するべき場合には、幾つかの試料にセンサーを配置しなければならない。工業的規模においては、好適な方法は、各種の木材に対して、本方法に対する初期の水分含有量の影響を考慮に入れた、それ自身の加熱プログラムを決定することを含んでいる。
乾燥の間に木材を保護し、熱の移動を促進するためには、乾燥の間に蒸気を使用することが好ましい。好適な態様に従うと、本発明による乾燥方法は、次の工程を含んでいる。
(a)最初に、乾燥オーブンの温度を少なくとも約90℃、好ましくは少なくとも100℃にまで上昇させ、木材が少なくともこれと同じ温度にほぼ到達するまで、この温度を維持し、
(b)次いでこのオーブンの温度を徐々に上昇させることによって、木材の所望の水分含有量が達成されるまで、木材の内部の温度とオーブンの温度との差が30℃を越えないようにし、および
(c)最後に、このオーブンの温度を徐々に低下させる一方、木材の内部が所望の温度に到達するまで、木材の内部の温度とオーブンの温度との差が30℃を越えないようにする。
もし必要であれば、工程(c)は省くことができる。次いで、この熱処理を、下記で更に詳細に説明するが、工程(b)の直後に実施する。
本発明の最初の工程(工程a)の間に、乾燥オーブンの温度を、好ましくは約100〜150℃、好ましくは100〜120℃の値にセットする。第二の工程(工程b)においては、木材の湿度が15%以下となったときに、例えば1〜15%のときに、加熱を停止する。工程bおよび工程cの間、セルロース製品の内部の温度と外側温度との差は、もしあったとしても、10〜30℃の値に維持する。この温度差が小さすぎると、この乾燥工程が長くなり、一方差が大きすぎると、内部のクラックの危険性が増大してくる。工程cの間、木材の内部の温度が100℃以下に低下するまで、オーブンの温度を低下させる。
工程a、bおよびcの間、水蒸気をオーブン中へと供給し、この湿式温度を約80〜120℃、好ましくは約100℃に維持する。飽和水蒸気を使用することが好ましい。
前記乾燥の結果、この製品の水分含有量が15%以下に降下したときに、この処理を高温で継続する。
本方法の第二の工程の間には、本方法の第一の工程の間よりも、温度を高く維持する。好ましくは、本方法を、約180〜250℃で、飽和蒸気の雰囲気中で実施する。また、例2から理解できるように、この温度は、第二の工程の間に上昇させることができる。この処理の時間と温度とは、例1に関連して説明したように、相互に依存している。典型的には、第二の工程の熱処理は、少なくとも約0.5時間をとり、好ましくは1〜20時間をとり、特には2〜10時間をとる。この熱処理を変化させることによって、本製品の重量減少を調節することができる。これによって、本製品の強度および耐腐敗特性を所望のように変更することができる。従って、少なくとも3%(乾燥物質にもとづいて)の重量減少が得られるまで、この熱処理を継続する。本製品の寸法安定性の著しい進歩を、この値で既に達成している。また、カビおよび腐敗に対する耐久性も向上し、製品に生ずる重量減少が少なくとも約5%、好ましくは少なくとも6%、更には8%になるまで前記の加熱を継続することによって、前記の特性を一層向上させることができる。
要約すると、本発明によって得られる特徴は、
耐腐敗特性の向上(腐敗に対する良好な耐久性を天然に有する木材と比較して)
耐カビ性の向上
寸法安定性の向上
ピッチの除去
25%〜40%の熱伝導性の減少
塗料の接着性の向上
本発明の好適な態様に従って、本第二工程の熱処理を、少なくとも実質的に加圧されていない条件下、即ち、大気圧下で実施する。
本発明による方法は、丸太や柱のような、無垢の木材製品を処理するのに適している。更に、本方法は、ベニヤ材、木材チップ、オガクズ、木材繊維および、例えば木枠のような他のセルロース製品に対して適用することができる。
こうして得られる木材防腐作用を、例2において更に詳細に研究する。しかし、この関係で指摘しなければならないことは、腐敗に対して良好に保護するためには、マツの乾燥した切断後の木材を、好ましくは約2〜8時間200〜250℃の温度で保持するのが必要なことである。これと同じ条件を、カバおよびカラマツに対して適用するが、しかしトウヒについては、腐敗に対する良好な保護を、少し低い温度で得ることができる。従って、トウヒは、例えば約175〜210℃で処理することができる。この方法は、ポプラの処理についても良好に適合する。
例3は、本発明に従った処理を実施した結果として、熱伝導性が減少したことを詳細に説明している。
本発明は、著しい利益を提供している。このように、本発明は、木材の乾燥に必要な時間の短縮を提供するであろう。乾燥の間に発現する色彩の変化を利用することができ、これと同時に、腐敗およびカビにたいする木材の耐久性およびその寸法安定性を、向上させることができる。この処理によって、針葉樹木材の試料から、有害なピッチを除去することができる。本発明による方法で処理できる製品の例として、次のものを示すことができる:外側被覆材、窓枠、アウトドア家具、およびサウナプラットフォームのボード。
本発明による処理の後には、湿気の影響下における寸法の不安定性は、50〜70%減少する。本製品の腐敗に対する耐久性が向上する。その最良な形態では、この耐久性は、圧力含浸法によって得られる耐久性と同じレベルであり、または一層優れており、本製品の強度特性のいかなる実質的な低下も伴うことはない。こうして処理された木材は、塗料に対して良好な表面を形成する。
本調製方法は、簡単で迅速であり(処理時間が短い)、圧力を使用する必要がない。その耐候性、腐敗およびカビに対する耐久性、および強度特性に関する限りにおいては、本製品は、本方法によって制御された状態で調節することができる。本方法は、すべての種類の木材に対して適している。本熱処理によって、心材の特性を向上させることも可能となり、これは圧力含浸法によっては行うことはできない。含浸させることが困難なこの種類の木材の耐久性も、向上させることができる。木材の透過性の向上によって、他の着色剤を木材中に含浸させることが可能になる。
以下、添付図面および幾つかの実際例の助けを借りて、本発明を更に詳細に説明する。
図1は、本発明を実施するのに使用できる装置の構成を、単純化して概略的に示す。
図2は、本製品の重量の減少に対する処理時間および温度の影響を示す。
図3は、木材試料の接線膨潤の減少を、その重量減少の関数として示す。
図4は、木材試料の放射膨潤の減少を、その重量減少の関数として示す。
図5は、木材試料によって摂取された水分量の減少を、その重量減少の関数として示す。
図6は、本熱処理によって生じた曲げ強度の変化を示す。
図7は、4週間コンディショニングした後の曲げ強度試験用試料の水分含有量を示す。
図8は、腐敗試験の後の、熱処理した試料と対照例の試料との各重量減少を示す。
図9は、本発明の好適な態様に従う、乾燥されていないトウヒの乾燥を示す。
図10は、ベニヤ材の重量減少を、熱処理の時間の関数として示す。
図11は、熱処理の結果としての、合板の厚さ膨潤の減少を示す。および
図12は、熱処理の影響下における合板の水分含有量の減少を示す。
例えば、図1に示す装置を、本発明において使用する。この装置は、オーブンジャケット1によって包囲されているオーブン2を備えている。本試料3をこのオーブン中に配置し、オーブンは、このオーブンを通過する湿ったエアーを導入するために、エアーのための入口4および出口5チャンネルを備えている。この出口チャンネル5は、このオーブンから来る出口エアー中へと更に水蒸気を供給するための、蒸気供給管6と結合されている。閉鎖系を構成するために、この入口および出口チャンネルを、ファン9を備えかつ加熱手段8を備えた一組の導管7の末端へと各々結合されている。この導管を流れ過ぎるエアーを、電気抵抗8によって加熱して温度を設定し、ファン9を通してオーブンの入口チャンネル4へと導く。本装置におけるエアーの循環の方向を、矢印によって示す。
本装置を使用することによって、オーブン中に配置された試料を、所望の温度へと湿ったエアーによって確実に加熱することができる。供給される蒸気の量を変更することによって、このエアーの水分含有量を変更することができる。通常は、オーブンのエアーは水蒸気によって飽和している。
例1
木材の熱処理
湿った木材を、上記した装置の中で、120〜140℃で、蒸気と共にあるいは蒸気なしに乾燥する。この処理の結果、木材試料の色彩が幾分か暗くなったが、しかしクラックは生じなかった。この木材の水分含有量が15%以下であるときには、温度を少なくとも175℃にまで上昇させ、好ましくは180〜250℃にまで上昇させる。この処理を2〜10時間継続する。飽和蒸気をこの装置へと導入する。この温度および時間を変更することによって、所望の結果を得ることができる。この木材の色彩は更に暗くなる。
図2は、木材の重量の減少に対する温度および時間の影響を示す。
この重量減少を調節することによって、木材の特性を所望のように変化させることができる。図3、4および5は、対照例の試料と比較した、木材の接線膨潤の減少、木材の放射膨潤の減少、および木材によって吸収された水分量(木材の水分含有量)の減少を示す。図4および図5のグラフは、図1のグラフのモデルに対応する。
ある重量減少の後では、本熱処理によって木材の曲げ強度が低下する。他方、本実験の示すところでは、我々の試料のうち幾つかの曲げ強度特性は、対照例の試料の対応する特性(図6)よりさえも、良好になっている。これは、通常の湿度に基づくと、熱処理された試料のうち幾つかは、対照例の試料に比べて明瞭に水分を吸収しなかった(図7)という事実に基づくものである。
例2
腐敗試験
欧州基準EN113に従って、次のように変更して、本腐敗試験を実施した:並行試験試料の数は4個であり、試験試料の寸法は5×20×35mmであり、これらは試験の前に洗浄しなかった。これらの試料を、2、4、8および12週間、褐色菌試験、細胞菌(Coniophora puteana)試験に供した。
本試験試料は、例1によって処理された、マツ、カバ、カラマツおよびトウヒの厚板から切り出した。表1には、熱処理の間に支配的な条件の要約を含めた。
Figure 0003585492
この熱処理の後、木材試料の乾燥物質を測定した。この試験試料を、放射線(Co−60)によって無菌化し、こうして無菌化された試験試料を麦芽寒天培地上で成長した培養菌上に、コール皿中に挿入した。少なくとも1つの熱処理試験試料と、1つの処理されていない対照例の試料とを、各皿中へと挿入した。
この腐敗試験の最後に、この試料を103℃で乾燥させ、試料の重量減少を、EN113に従って算出した。マツに対しては、本熱処理によって10%未満の重量減少を達成した。処理されていない木材に対する重量減少は30%を越えていた。熱処理されたカバ、カラマツおよびトウヒに対する最も少ない重量減少はゼロに近かった。
腐敗試験の結果を図8に示す。この図から明らかなように、穏やかな熱処理(160℃)によっては、いまだ木材の耐腐敗特性は顕著に向上しない。
例3
乾燥していないトウヒの乾燥
初期の水分含有量が約40%の湿ったトウヒの試料(50×100×1500mm)を、本発明の好適な乾燥方法の態様に従って、乾燥装置を稼働させることによって、内部と外側との温度差が10〜20℃となるようにして、24時間加熱した。試験試料中にクラックは発見されなかった(図9)。この乾燥試験試料の最終的な水分含有量は、5%未満であった。
例4
熱伝導性の減少
表2は、トウヒ、マツおよびポプラの熱処理された試料の熱伝導性を示す。また、この表は、本熱処理の条件を示す。
Figure 0003585492
例5
厚さ1.5mmのカバのベニヤ板を、図1に示す種類のオーブン中で熱処理した。この処理の温度は200℃であり、この時間は2〜7時間であった。
このベニヤ板を二つの部分に分割し、このベニヤ板の一方のハーフを対照例として選択することによって、試験試料を選択した。他方のハーフを熱処理した。3枚の合板を、このベニヤ板から作製した。このニカワ接合は、FFニカワによって行い、これをブラシによってベニヤ板の表面へと付着させた。このベニヤ板を、一緒に130℃で6分間プレスした。この圧縮荷重は1.7MPaであった。対照例の合板と、本熱処理されたベニヤ板から作製した合板とを、同じ圧縮下に保持した。
この厚さの膨潤を測定するために、これらの試験試料をオーブン中で102℃で乾燥した。次いで、これらを20℃の水中へと、2、6、26および168時間浸漬した。65%の相対湿度でこれらをコンディショニングすることによって、強度試験用の試験試料を作製し、この後で、木材の破損、引っ張り強度および曲げ強度についてこれらを評価した。本試験は、2つの並行試験試料を含んでいた。
本熱処理によって生じた木材の重量減少(乾燥物質に基づいて算出した)を、図10に示す。この処理の結果、木材の重量は3.4〜8.4%減少した。
合板の厚さの膨潤を図3に示す。
Figure 0003585492
対照例の試料の厚さの膨潤は、大きく変化する。この理由から、図11に示した膨潤減少の結果は、各試験系列の対照例の試料に対して算出した。図12は、処理されていない試料と比較した、木材試料によって吸収された水分量の減少を示す。
厚さの膨潤に関する限りでは、最も長い継続時間を有する処理によって、即ち、7時間の熱処理によって、最良の結果が得られた。次いで、2時間の浸漬の後には、この厚さの膨潤は、対照例の試料のものよりも80%小さかった。ほとんど同じくらい良好な結果を、4時間の処理によって達成した。2および3時間の熱処理によって、2時間浸漬した後の厚さの膨潤が50〜70%減少した。24時間の浸漬の後には、7および4時間熱処理された合板の厚さの膨潤は、対照例の試料のものよりも50%小さかった。
この熱処理によって、木材試料によって吸収される水分量(木材の水分含有量)が減少する。24時間の水中への浸漬に供すると、7時間熱処理された合板の水分含有量は、対照例の合板の水分含有量よりも約38%小さかった。
表4は、合板製品の強度特性を示す。
Figure 0003585492
3層の合板についての要件
ニカワ線の引き裂き強さ、乾燥、強度=2.1N/mm2。もしこの強度がこれよりも小さい場合には、この木材破損百分率は50%に等しいかまたは大きくなければならない。
54N/mm2の引っ張り強度
72N/mm2の曲げ強度
熱処理されたベニヤ板から作製された合板の引っ張り強度は、ほとんど常に必要とされる2.1よりも小さく、しかし木材破損の%が50%を越えたので、これにも係わらず引き裂き強さに関する要件は満足されたことを銘記するべきである。
熱処理されたベニヤ板から作製した合板の曲げ強度は、対照例の合板の曲げ強度よりも劣っており、しかしそうであっても、この要件を満足している。ここで必要とされる曲げ強度は、5または6時間熱処理された熱処理ベニヤ板によって達成されなかった。
例6
フィールド試験
試験試料(50×25×500mm)を4時間、220℃で熱処理した。これらの試料を、地面と接触させた試験場上に配置した。1年の時間の後に、試験試料をチェックし、評価した。
次の尺度を使用して、これらの結果を評価した。1は、幾分か腐敗が開始している(25%)、2は50%、3は75%、4は、荷重下で試験試料が破壊した。これらの平均結果は、
マツ、対照例=0.3、熱処理されたマツ=0
トウヒ、対照例=1、熱処理されたトウヒ=0.2
カバ、対照例=3.6、熱処理されたカバ=2.5

Claims (11)

  1. セルロース製品のカビおよび腐敗に対する耐久性を向上させ、この製品の寸法安定性を向上させる方法であって、この方法に従って、
    前記セルロース製品を、15%未満の水分含有量の水準にまで乾燥し、
    それらを、高温下で実施される熱処理に供するのに際して、
    乾燥後、製品を、水蒸気を供給した湿潤オーブンにおいて、大気圧下、150℃を超える温度で保持し、かつ、
    前記製品に少なくとも5%の重量減少が生ずるまでこの処理を継続することを特徴とする方法。
  2. 前記セルロース製品を高温下で乾燥するのに際して、前記の湿潤な製品を乾燥する間、クラックの発生を防止するために前記製品の内部の温度と外側の温度との差を10〜30℃で保持することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記製品を蒸気の存在下で乾燥することを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 前記製品を乾燥するのに際して、
    (a)これを乾燥オーブン中に配置し、この温度を少なくとも90℃、好ましくは、少なくとも100℃に上昇させ、前記セルロース製品が少なくともこれと同じ温度にほぼ到達するまで、このオーブンをこの温度で維持し、
    (b)次いでこのオーブンの温度を徐々に上昇させ、この間前記セルロース製品の水分含有量が所望値に到達するまで前記セルロース製品の内部の温度と前記オーブンの温度との差を30℃未満に維持し、および最後に
    (c)前記オーブンの温度を徐々に低下させ、この間 記セルロース製品の前記内部温度が所望の温度に到達するまで前記セルロース製品の内部の温度と前記オーブンの温度との差を30℃未満に維持することを特徴とする、請求項2または3記載の方法。
  5. 15%未満の水分含有量にまで乾燥されたセルロース製品を180〜250℃で1〜20時間、好ましくは2〜10時間処理することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の方法。
  6. 前記オーブンに飽和水蒸気を供給することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 木材、柱、丸太、切断された木材、ベニヤ材、合板、木材チップ、オガクズまたは繊維を処理することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  8. 切断されたマツ木材を処理するのに際して、乾燥された切断木材を2〜8時間、200〜250℃の温度で保持して、それによって腐敗に対する良好な保護を達成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  9. 切断されたトウヒ木材を処理するのに際して、乾燥された切断木材を2〜8時間、175〜210℃の温度で保持して、それによって腐敗に対する良好な保護を達成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  10. カバ木材を処理するのに際して、乾燥された切断木材を2〜8時間、200〜250℃の温度で保持して、それによって腐敗に対する良好な保護を達成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  11. カラマツ木材を処理するのに際して、乾燥された切断木材を2〜8時間、200〜250℃の温度で保持して、それによって腐敗に対する良好な保護を達成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
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