JP3584514B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、空調機等に使用される冷凍装置に係り、特に、複数の熱源側ユニットが冷媒循環回路に対して並列に接続されて成る所謂熱源側マルチ型の冷凍装置において、冷暖房運転の切換え時における運転制御の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平6−249527号公報に開示されているような室外マルチ型の空気調和機では、複数台の室外ユニットがメインガスライン及びメイン液ラインに対して並列に接続されている。また、この種の空気調和機では、一般に個々の室外ユニットに四路切換弁が設けられ、この四路切換弁の切換え動作によって冷房運転状態と暖房運転状態とが切換えられるようになっている。尚、この四路切換弁の切換え動作は、圧縮機の吸入側と吐出側との圧力差によって行われる。
【0003】
また、この種の空気調和機には、各室外ユニットにおける四路切換弁と室外熱交換器との間を互いに接続して各室外ユニット同士を均圧するための均圧回路が設けられているものがあり、空調運転時等には、この均圧回路によって各系統の均圧を行って室外熱交換器の能力を十分に発揮させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような空気調和機において、例えば暖房運転の停止状態から冷房運転に切換えられる場合、複数台の室外ユニットのうちの一部のみが駆動している状態では、上記均圧回路は高圧状態となっており、他の駆動していない室外ユニットの四路切換弁における室外熱交換器への接続ポートには高圧が作用している。そして、この状態から、この停止していた室外ユニットの駆動を開始する場合、この室外ユニットの四路切換弁は、室外熱交換器への接続ポートよりも圧縮機への接続ポートが高圧になって冷房運転側に切換るものであるにも拘らず、上述したように、室外熱交換器への接続ポートが高圧状態となっているために、暖房運転側から冷房運転側への切換え動作に必要な差圧が発生せず、作動不良を起こすといった不具合があった。
【0005】
本発明は、この点に鑑みてなされたものであって、熱源側マルチ型の冷凍装置に対し、運転状態の切換え時における四路切換弁の作動を良好に行うことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、運転状態の切換え時に、均圧回路を遮断して既に駆動している熱源側ユニットの圧力が起動する熱源側ユニットの四路切換弁に作用しないようにした。
【0007】
具体的に、請求項1記載の発明は、図1に示すように、利用側ユニット(3A,3B,3C)と複数の熱源側ユニット(2A,2B,2C)とを備え、各熱源側ユニット(2A,2B,2C)は、圧縮機構(21)及び熱源側熱交換器(23)が利用側ユニット(3A,3B,3C)との間で冷媒の循環が可能に接続されていると共に、上記圧縮機構(21)、熱源側熱交換器(23)及び利用側ユニット(3A,3B,3C)に繋る連結部同士の差圧によって切換えられて熱源側ユニット(2A,2B,2C)と利用側ユニット(3A,3B,3C)との間で冷媒循環方向を可逆として冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとを切換える四路切換弁(22)を備えており、運転サイクルの切換え動作に伴って上記圧縮機構(21)の吐出側及び吸入側に接続状態が切換わる各熱源側ユニット(2A,2B,2C)の熱源側熱交換器 (23) と四路切換弁 (22) との間の冷媒配管 (25)同士が均圧回路(60)によって互いに接続された冷凍装置を前提としている。そして、上記均圧回路(60)に、開閉弁(SVB1,SVB2) を備えさせ、冷媒循環方向を変更する際、切換信号を送信する運転切換え手段(81)と、該運転切換え手段(81)からの切換信号を受けたとき、一部の熱源側ユニット(2A)から均圧回路(60)を経て他の熱源側ユニット(2B,2C) の四路切換弁(22)へ圧力が作用することを抑制するように、上記開閉弁(SVB1,SVB2) を閉状態にする弁開閉手段(82)とを備えさせた構成としている。
【0008】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の冷凍装置において、運転切換え手段(81)が、各熱源側ユニット(2A,2B,2C)の停止状態から一部の熱源側ユニット(2A)のみが起動する際に弁開閉手段(82)に切換信号を送信するような構成としている。
【0009】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の冷凍装置において、運転切換え手段(81)が、各熱源側ユニット(2A,2B,2C)の冷媒循環方向を同時に変更する際に弁開閉手段(82)に切換信号を送信するような構成としている。
【0010】
請求項4記載の発明は、上記請求項1または2記載の冷凍装置において、弁開閉手段(82)が、一部の熱源側ユニット(2A)のみが駆動している状態から停止状態の熱源側ユニット(2B,2C) が起動する際、開閉弁(SVB1,SVB2) の閉状態を所定時間維持し、該所定時間の経過後に開閉弁(SVB1,SVB2) を開状態にするような構成としている。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1、2または4記載の冷凍装置において、弁開閉手段(82)が、暖房運転サイクル停止後の冷房サイクル運転時に開閉弁(SVB1,SVB2) を閉状態にするような構成としてる。
【0012】
【作用】
上記の構成により、本発明では以下に述べるような作用が得られる。請求項1記載の発明では、運転サイクルを変更して冷媒循環方向を逆方向にする際、運転切換え手段(81)が弁開閉手段(82)に対して可逆信号を送信する。この可逆信号を受けた弁開閉手段(82)は、開閉弁(SVB1,SVB2) を閉状態にして、一部の熱源側ユニット(2A)から均圧回路(60)を経て他の熱源側ユニット(2B,2C) の四路切換弁(22)へ圧力が作用することを抑制する。四路切換弁(22)の各連結部に、運転サイクルを変更するための差圧を良好に発生させることができて四路切換弁(22)に作動不良を招くことはない。
【0013】
請求項2記載の発明では、各熱源側ユニット(2A,2B,2C)の停止状態から一部の熱源側ユニット(2A)のみが起動する際には、弁開閉手段(82)から切換信号が送信されて開閉弁(SVB1,SVB2) が閉状態となる。これにより、駆動している熱源側ユニット(2A)から停止している熱源側ユニット(2B,2C) の四路切換弁(22)への圧力の作用が抑制される。従って、複数の熱源側ユニット(2A,2B,2C)のうち一部のみが駆動している状況で、他の停止している熱源側ユニット(2B,2C) が駆動する際には、四路切換弁(22)における熱源側熱交換器(23)及び利用側ユニット(3A,3B,3C)に繋る連結部同士に、運転サイクルを変更するための差圧を良好に発生させることができて四路切換弁(22)に作動不良を招くことはない。
【0014】
請求項3記載の発明では、例えば暖房運転状態からデフロスト運転状態に切換えるような場合で、各熱源側ユニット(2A,2B,2C)の冷媒循環方向を同時に変更する際には、弁開閉手段(82)から切換信号が送信されて開閉弁(SVB1,SVB2) が閉状態となる。このような場合にも四路切換弁(22)に作動不良を招くことなしに運転状態が切換えられる。
【0015】
請求項4記載の発明では、上述した請求項1記載の発明に係る作用により開閉弁(SVB1,SVB2) を閉状態にした後、停止状態の熱源側ユニット(2B,2C) の起動時には、この開閉弁(SVB1,SVB2) の閉状態を所定時間維持させ、該所定時間の経過後に開閉弁(SVB1,SVB2) を開状態にする。これにより、四路切換弁(22)の切換え動作の後、均圧回路(60)を開放して各熱源側ユニット(2A,2B,2C)の均圧を行いながら運転を行わせることができる。
【0016】
請求項5記載の発明では、暖房運転サイクル停止後の冷房サイクル運転時に開閉弁(SVB1,SVB2) を閉状態にすることで、駆動している熱源側ユニット(2A)の高圧が駆動していない熱源側ユニット(2B,2C) の四路切換弁(22)に作用することが回避され、この駆動していない熱源側ユニット(2B,2C) が駆動する際には、四路切換弁(22)が良好に冷房運転側に切換わる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
−全体構成−
図2〜図4に示すように、本実施例における冷凍装置としての空気調和装置(10)は、3台の室外ユニット(2A,2B,2C)と3台の室内ユニット(3A,3B,3C)がメイン液ライン(4L)及びメインガスライン(4G)に対してそれぞれ並列に接続されて構成されている。
【0019】
各室外ユニット(2A,2B,2C)は、圧縮機構(21)と、四路切換弁(22)と、室外ファン(23-F)が近接配置された熱源側熱交換器である室外熱交換器(23)と、熱源側膨張機構である室外電動膨張弁(24)とを備えて熱源側ユニットを構成している。上記室外熱交換器(23)におけるガス側である一端には切換えラインを構成する冷媒配管(25)が、液側である他端には分岐液ライン(5L-A,5L-B,5L-C)がそれぞれ接続されている。
【0020】
上記ガス側の冷媒配管(25)は、四路切換弁(22)によって圧縮機構(21)の吐出側と吸込側とに切換可能に接続される一方、分岐液ライン(5L-A,5L-B,5L-C)は、上記室外電動膨張弁(24)が設けられて室外熱交換器(23)とメイン液ライン(4L)とに接続されている。そして、上記各分岐液ライン(5L-A,5L-B,5L-C)とメイン液ライン(4L)との接続部には、レシーバ(11)が設けられ、該レシーバ(11)によって各分岐液ライン(5L-A,5L-B,5L-C)とメイン液ライン(4L)とが接続されている。
【0021】
上記圧縮機構(21)には、分岐ガスライン(5G-A,5G-B,5G-C)が冷媒配管(25)及び四路切換弁(22)を介して接続され、該分岐ガスライン(5G-A,5G-B,5G-C)は、四路切換弁(22)によって圧縮機構(21)の吸込側と吐出側とに切換可能に接続されると共に、メインガスライン(4G)に接続されている。そして、上記圧縮機構(21)の吸込側と四路切換弁(22)との間の冷媒配管(25)にはアキュムレータ(26)が設けられている。尚、この四路切換弁(22)は、圧縮機構(21)の吐出側と吸入側との差圧によって図3及び図4に実線及び破線で示すように切換えられる。
【0022】
上記3台の室外ユニット(2A,2B,2C)のうち第1室外ユニット(2A)が親機に、第2室外ユニット(2B)及び第3室外ユニット(2C)が子機に構成され、該第1室外ユニット(2A)が第2室外ユニット(2B)及び第3室外ユニット(2C)に先行して駆動するように構成され、第1室外ユニット(2A)と第2室外ユニット(2B)及び第3室外ユニット(2C)とは主として圧縮機構(21)の構成が異なっている。
【0023】
つまり、第1室外ユニット(2A)の圧縮機構(21)は、インバータ制御されて多数段階に容量制御される可変容量型の上流側圧縮機(COMP-1)と、運転及び停止の2種類に制御される定容量型の下流側圧縮機(COMP-2)とが並列に接続された所謂ツイン型に構成されている。一方、第2室外ユニット(2B)及び第3室外ユニット(2C)の圧縮機構(21)は、上流側圧縮機(COMP-1)と下流側圧縮機(COMP-2)とが何れも運転及び停止の2種類に制御される定容量型の圧縮機で構成され、該上流側圧縮機(COMP-1)と下流側圧縮機(COMP-2)とが並列に接続された所謂ツイン型に構成されている。そして、何れの室外ユニット(2A,2B,2C)においても上流側圧縮機(COMP-1)が下流側圧縮機(COMP-2)に先行して駆動するように構成されている。
【0024】
一方、各室内ユニット(3A,3B,3C)は、室内ファン(31-F)が近接配置された利用側熱交換器である室内熱交換器(31)と、利用側膨張機構である室内電動膨張弁(32)とを備えて利用側ユニットを構成している。そして、該室内熱交換器(31)は、室内液配管(3L)及び室内ガス配管(3G)を介してメイン液ライン(4L)及びメインガスライン(4G)に接続され、該室内液配管(3L)に室内電動膨張弁(32)が設けられている。
【0025】
−配管ユニットの構成−
上記空気調和装置(10)は、接続回路部である配管ユニット(12)が設けられており、該配管ユニット(12)は、各室外ユニット(2A,2B,2C)の分岐液ライン(5L-A,5L-B,5L-C)及び分岐ガスライン(5G-A,5G-B,5G-C)とメイン液ライン(4L)及びメインガスライン(4G)とを接続している。
【0026】
具体的に、分岐液ライン(5L-A,5L-B,5L-C)は、各室外ユニット(2A,2B,2C)より外部に延びる分岐液管(5LAa,5LBa,5LCa)と、該分岐液管(5LAa,5LBa,5LCa)の外端に連続する分岐液通路(5LAb,5LBb,5LCb)とを備えている。
【0027】
上記分岐ガスライン(5G-A,5G-B,5G-C)は、室外ユニット(2A,2B,2C)より外部に延びる分岐ガス管(5GAa,5GBa,5GCa)と、該分岐ガス管(5GAa,5GBa,5GCa)の外端に連続する分岐ガス通路(5GAb,5GBb,5GCb)とを備えている。
【0028】
上記メイン液ライン(4L)は、室内ユニット(3A,3B,3C)の室内液配管(3L)に接続されるメイン液管(4L-a)と、該メイン液管(4L-a)の一端に連続し且つ上記各室外ユニット(2A,2B,2C)の分岐液通路(5LAb,5LBb,5LCb)がレシーバ(11)を介して連通するメイン液通路(4L-b)とより構成されている。
【0029】
上記メインガスライン(4G)は、室内ユニット(3A,3B,3C)の室内ガス配管(3G)に接続されるメインガス管(4G-a)と、該メインガス管(4G-a)の一端に連続し且つ各室外ユニット(2A,2B,2C)の分岐ガス通路(5GAb,5GBb,5GCb)が連続するメインガス通路(4G-b)とより構成されている。
【0030】
そして、上記配管ユニット(12)は、各室外ユニット(2A,2B,2C)側の分岐液ライン(5L-A,5L-B,5L-C)の分岐液通路(5LAb,5LBb,5LCb)及び分岐ガスライン(5G-A,5G-B,5G-C)の分岐ガス通路(5GAb,5GBb,5GCb)と、メイン液ライン(4L)のメイン液通路(4L-b)及びメインガスライン(4G)のメインガス通路(4G-b)と、レシーバ(11)とが一体に形成されてユニット化されている。
【0031】
更に、上記配管ユニット(12)には、第1ガス開閉弁(VR-1)と第2ガス開閉弁(VR-2)とが一体にユニット化されている。該第1ガス開閉弁(VR-1)は、第2室外ユニット(2B)側の分岐ガス通路(5GBb)に設けられて該分岐ガス通路(5GBb)を開閉する開閉機構を構成する一方、第2ガス開閉弁(VR-2)は、第3室外ユニット(2C)側の分岐ガス通路(5GCb)に設けられて該分岐ガス通路(5GCb)を開閉する開閉機構を構成している。
【0032】
上記第1ガス開閉弁(VR-1)及び第2ガス開閉弁(VR-2)は、外部均圧型可逆弁で構成されてパイロット回路(50)が接続されている。該パイロット回路(50)は、2つの逆止弁(CV,CV)を有し、且つ第1室外ユニット(2A)側の分岐ガス通路(5GAb)と、後述する第1室外ユニット(2A)側の第1均油補助通路(77-A)とに接続されて高圧冷媒を導く高圧回路(51)を備えると共に、2つの逆止弁(CV,CV)を有し、且つ第1室外ユニット(2A)側の分岐ガス通路(5GAb)と、後述する第1室外ユニット(2A)側の第1均圧補助通路(77-A)とに接続されて低圧状態を保持する低圧回路(52)とを備えている。
【0033】
そして、上記パイロット回路(50)は、切換弁(50-S)によって高圧回路(51)と低圧回路(52)とを第1ガス開閉弁(VR-1)及び第2ガス開閉弁(VR-2)に切換え接続し、暖房運転時における第2室外ユニット(2B)の停止時に第1ガス開閉弁(VR-1)を全閉になるように制御し、また、暖房運転時における第3室外ユニット(2C)の停止時に第2ガス開閉弁(VR-2)を全閉になるように制御している。
【0034】
尚、上記第2室外ユニット(2B)及び第3室外ユニット(2C)の室外電動膨張弁(24,24)は、配管ユニット(12)に設けられていないが、上記第1ガス開閉弁(VR-1)及び第2開閉弁に対応して、各分岐液ライン(5L-A,5L-B,5L-C)を開閉する開閉機構を兼用しており、冷房運転時及び暖房運転時における第2室外ユニット(2B)及び第3室外ユニット(2C)の停止時に全閉になるように構成されている。
【0035】
−均圧ラインの構成−
上記各室外ユニット(2A,2B,2C)の間には均圧ライン(60)が接続されており、該均圧ライン(60)は、各室外ユニット(2A,2B,2C)における室外熱交換器(23)のガス側冷媒配管(25,25,25)に接続され、各室外ユニット(2A,2B,2C)の間で双方向の冷媒流通を許容するように構成されている。
【0036】
上記均圧ライン(60)は、各室外ユニット(2A,2B,2C)より外側に延びる均圧管(61-A,61-B,61-C)の外端に均圧通路(62)が連続して構成されている。そして、上記均圧通路(62)は、配管ユニット(12)に形成され、第1室外ユニット(2A)側から第2室外ユニット(2B)側と第3室外ユニット(2C)側とに分岐した分岐管部に開閉弁としての第1均圧弁(SVB1)及び第2均圧弁(SVB2)が設けられている。
【0037】
該第1均圧弁(SVB1)は、第2室外ユニット(2B)の冷房運転の停止時に全閉となって第2室外ユニット(2B)への冷媒流通を阻止し、第2均圧弁(SVB2)は、第3室外ユニット(2C)の冷房運転の停止時に全閉となって第3室外ユニット(2C)への冷媒流通を阻止するように構成されている。
【0038】
−補助冷媒回路の構成−
上記各室外ユニット(2A,2B,2C)には、圧縮機構(21)に潤滑油を戻す油戻し機構(70)が設けられており、該油戻し機構(70)は、油分離器(71)と第1油戻し管(72)と第2油戻し管(73)と均油バイパス管(74)とを備えている。
【0039】
一方、上記冷媒配管(25)の一部である下流側圧縮機(COMP-2)の吸込管(25-S)は、上流側圧縮機(COMP-1)の吸込管(25-S)より圧力損失が大きく設定され、両圧縮機(COMP-1,COMP-2)の間に均油管(75)が接続されている。この結果、高圧側となる上流側圧縮機(COMP-1)より低圧側となる下流側圧縮機(COMP-2)に潤滑油が供給される。
【0040】
上記油分離器(71)は、冷媒配管(25)の一部である上流側圧縮機(COMP-1)と下流側圧縮機(COMP-2)との吐出管(25-D,25-D)の合流部に配設され、各圧縮機(COMP-1,COMP-2)の吐出管(25-D,25-D)には逆止弁(CV-1,CV-2)が設けられている。更に、上流側圧縮機(COMP-1)の上部と吐出管(25-D)の逆止弁(CV-1)より下流側との間、及び下流側圧縮機(COMP-2)の上部と吐出管(25-D)の逆止弁(CV-2)より上流側との間にはそれぞれ油排出管(76,76)が接続されている。そして、該各油排出管(76,76)は、例えば、スクロール型圧縮機の上部に溜る潤滑油を吐出管(25-D,25-D)に排出するように構成されている。また、上記上流側圧縮機(COMP-1)の逆止弁(CV-1)は、冷媒循環量が小さい場合、潤滑油が排出されるように管路抵抗を付加している。
【0041】
上記第1油戻し管(72)は、キャピラリチューブ(CP)を備えて油分離器(71)と第1圧縮機(COMP-1)の吸込管(25-S)とに接続され、油分離器(71)に溜った潤滑油を常時第1圧縮機(COMP-1)に戻すように構成されている。また、上記第2油戻し管(73)は、油戻し弁(SVP2)を備えて油分離器(71)と第2圧縮機(COMP-2)の吸込管(25-S)とに接続され、上記油戻し弁(SVP2)は、所定時間毎に開口して油分離器(71)に溜った潤滑油を圧縮機構(21)の吸込側に戻すように構成されている。
【0042】
上記均油バイパス管(74)は、均油弁(SVO1)を備え、一端が第2油戻し管(73)の油戻し弁(SVP2)より上流側に、他端が均圧ライン(60)の均圧管(61-A,61-B,61-C)にそれぞれ接続されている。そして、該均油バイパス管(74)と共に均油運転を実行するために、上記均圧ライン(60)の均圧通路(62)には、第1均圧補助通路(77-A)と第2均油補助通路(77-B)と第3均圧補助通路(77-C)とが接続され、該各均圧補助通路(77-A,77-B,77-C)は配管ユニット(12)に組込まれている。
【0043】
上記第1均圧補助通路(77-A)は、一端が均圧通路(62)の第1室外ユニット(2A)側に、他端が第2室外ユニット(2B)及び第3室外ユニット(2C)の分岐ガス通路(5GBb,5GCb)の合流部に接続され、第1均油補助弁(SVY1)と逆止弁(CV)とを備えている。
【0044】
上記第2均圧補助通路(77-B)は、一端が均圧通路(62)の第2室外ユニット(2B)側に、他端が第1室外ユニット(2A)の分岐ガス通路(5GAb)に接続され、第2均油補助弁(SVY2)と逆止弁(CV)とを備えている。
【0045】
上記第3均圧補助通路(77-C)は、一端が均圧通路(62)の第3室外ユニット(2C)側に、他端が第1室外ユニット(2A)の分岐ガス通路(5GAb)に接続され、第3均油補助弁(SVY3)と逆止弁(CV)とを備えている。
【0046】
そして、上記均油弁(SVO1,SVO1,SVO1)と第1〜第3均油補助弁(SVY1,SVY2,SVY3)とは、2〜3時間に一回の均油運転(2〜3分)を実行する際、又は、油戻し運転の終了後や暖房運転時のデフロスト運転後などの上記均油運転の実行の際に開閉するように構成されている。
【0047】
尚、上記第2室外ユニット(2B)の分岐ガス通路(5GBb)と第2均圧補助通路(77-B)との間、及び第3室外ユニット(2C)の分岐ガス通路(5GCb)と第3均圧補助通路(77-C)との間には、キャピラリチューブ(CP)を有し、暖房運転時に第1ガス開閉弁(VR-1)及び第2ガス開閉弁(VR-2)より漏れる冷媒を逃がす補助冷媒通路(12-s,12-s)が接続されている。
【0048】
また、上記各室外ユニット(2A,2B,2C)の分岐液管(5LAa,5LBa,5LCa)には、リキッドインジェクション管(2j)が接続され、該リキッドインジェクション管(2j)は、2つに分岐されると共に、インジェクション弁(SVT1,SVT2)とキャピラリチューブ(CP,CP)とを介して上流側圧縮機(COMP-1)と下流側圧縮機(COMP-2)とに接続されている。上記リキッドインジェクション弁(SVT1,SVT2)は、各圧縮機(COMP-1,COMP-2)の吐出ガス冷媒温度の過上昇時に開口して吐出ガス冷媒温度を低下させるように構成されている。
【0049】
上記各室外ユニット(2A,2B,2C)における圧縮機構(21)の吐出側と吸込側との間にはホットガスバイパス管(2h)が接続され、該ホットガスバイパス管(2h)は、ホットガス弁(SVP1)を備え、四路切換弁(22)の上流側とアキュムレータ(26)の上流側とに接続されている。上記ホットガス弁(SVP1)は、主として起動時等において圧縮機構(21)の吐出側と吸込側とを均圧するように構成されている。
【0050】
上記第2室外ユニット(2B)及び第3室外ユニット(2C)には、圧縮機構(21)の吸込側と吐出側との間には補助バイパス管(2b)が接続され、該補助バイパス管(2b)は、圧縮機構(21)の吸込側から吐出側へのみ冷媒流通を許容する逆止弁(CV)を備え、四路切換弁(22)の上流側とアキュムレータ(26)の上流側とに接続されている。上記補助バイパス管(2b)は、暖房運転中において、第2室外ユニット(2B)及び第3室外ユニット(2C)が停止した際、分岐ガスライン(5G-B,5G-C)の冷媒が圧縮機構(21)をバイパスして第1室外ユニット(2A)に吸引されるように構成されている。
【0051】
また、上記配管ユニット(12)におけるレシーバ(11)とパイロット回路(50)の低圧回路(52)との間にはガス抜き通路(12-g)が接続されている。該ガス抜き通路(12-g)は、ガス抜き弁(SVTG)を備えて配管ユニット(12)に組込まれ、該ガス抜き弁(SVTG)は、冷房運転時の高圧保護及び暖房運転時の低圧保護のために開口するように構成されている。
【0052】
−センサ類の構成−
上記各室外ユニット(2A,2B,2C)及び各室内ユニット(3A,3B,3C)には、各種のセンサが設けられている。該各室外ユニット(2A,2B,2C)には、室外空気温度を検出する外気温センサ(Th-1)が室外熱交換器(23)の近傍に、室外熱交換器(23)の液冷媒温度を検出する室外液温センサ(Th-2)が分岐液ライン(5L-A,5L-B,5L-C)の分流管に、圧縮機構(21)の吐出ガス冷媒温度を検出する吐出ガス温センサ(Th31,Th32) が各圧縮機(COMP-1,COMP-2)の吐出管(25-D,25-D)に、圧縮機構(21)の吸入ガス冷媒温度検出する吸入ガス温センサ(Th-4)が圧縮機構(21)の吸込側冷媒配管(25)に、各圧縮機(COMP-1,COMP-2)の内部の潤滑油の温度を検出する油温センサ(Th51,Th52)が各圧縮機(COMP-1,COMP-2)の下部に、室外熱交換器(23)のガス冷媒温度を検出する室外ガス温センサ(Th-6)がガス側の冷媒配管(25)にそれぞれ設けられている。
【0053】
更に、第1室外ユニット(2A)には、圧縮機構(21)の吐出冷媒圧力を検出する高圧圧力センサ(SP-H)が圧縮機構(21)の吐出側冷媒配管(25)に、圧縮機構(21)の吸込冷媒圧力を検出する低圧圧力センサ(SP-L)が圧縮機構(21)の吸込側冷媒配管(25)にそれぞれ設けられると共に、各圧縮機(COMP-1,COMP-2)の吐出冷媒圧力が所定高圧になると作動する高圧保護開閉器(H-PS,H-PS)が各圧縮機(COMP-1,COMP-2)の吐出管(25-D,25-D)に設けられている。
【0054】
また、第2室外ユニット(2B)及び第3室外ユニット(2C)は、均圧ライン(60)を設けていることから、第1室外ユニット(2A)のように高圧圧力センサ(SP-H)及び低圧圧力センサ(SP-L)が設けられておらず、各圧縮機(COMP-1,COMP-2)の吐出冷媒圧力が所定高圧になると作動する高圧保護開閉器(H-PS,H-PS)が各圧縮機(COMP-1,COMP-2)の吐出管(25-D,25-D)に、圧縮機構(21)の吐出冷媒圧力が高圧保護開閉器(H-PS,H-PS)より低圧の所定高圧になると作動する高圧制御用開閉器(HPSC)が圧縮機構(21)の吐出側冷媒配管(25)に、圧縮機構(21)の吸込冷媒圧力が所定低圧になると作動する低圧保護開閉器(L-PS)が圧縮機構(21)の吸込側冷媒配管(25)にそれぞれ設けられている。
【0055】
一方、各室内ユニット(3A,3B,3C)には、室内空気温度を検出する室温センサ(Th-7)が室内ファン(31-F)の近傍に、室内熱交換器(31)の液冷媒温度を検出する室内液温センサ(Th-8)が室内液配管(3L)に、室内熱交換器(31)のガス冷媒温度を検出する室内ガス温センサ(Th-9)が室内ガス配管(3G)にそれぞれ設けられている。
【0056】
−制御の構成−
上記空気調和装置(10)は、コントローラ(80)を備えており、該コントローラ(80)は、各センサ(Th-1〜SP-L)及び開閉器(H-PS〜L-PS)の検出信号が入力され、各センサ(Th-1〜SP-L)等の検出信号に基づいて各電動膨張弁(24〜32)の開度及び圧縮機構(21)の容量等を制御している。また、このコントローラ(80)は運転切換え手段(81)及び弁開閉手段(82)を備えている。運転切換え手段(81)は冷媒循環方向を変更する運転状態の切換え時に切換信号を弁開閉手段(82)に送信する。また、弁開閉手段(82)は、この切換信号を受けた際、第1均圧弁(SVB1)及び第2均圧弁(SVB2)を閉状態として均圧ライン(60)を遮断するようになっている。
【0057】
−空調運転の動作−
次に、上記空気調和装置(10)における空調運転の制御動作について説明する。
【0058】
先ず、冷房運転時においては、四路切換弁(22)が図3及び図4の実線に切換り、各室外ユニット(2A,2B,2C)の圧縮機構(21)から吐出した高圧ガス冷媒は、室外熱交換器(23)で凝縮して液冷媒となり、この液冷媒は、配管ユニット(12)のメイン液通路(4L-b)で合流する。その後、上記液冷媒は、室内電動膨張弁(32)で減圧された後、室内熱交換器(31)で蒸発して低圧ガス冷媒となり、このガス冷媒は、配管ユニット(12)で各分岐ガス通路(5GAb,5GBb,5GCb)に分流し、各室外ユニット(2A,2B,2C)の圧縮機構(21)に戻り、この循環動作を繰返すことになる。
【0059】
一方、暖房運転時においては、上記四路切換弁(22)が図3及び図4の破線に切換り、各室外ユニット(2A,2B,2C)の圧縮機構(21)から吐出した高圧ガス冷媒は、配管ユニット(12)に流れ、該配管ユニット(12)のメインガス通路(4G-b)で合流した後、室内ユニット(3A,3B,3C)に流れる。そして、このガス冷媒は、室内熱交換器(31)で凝縮して液冷媒となり、この液冷媒は、配管ユニット(12)のメイン液通路(4L-b)から各室外ユニット(2A,2B,2C)側の分岐液通路(5LAb,5LBb,5LCb)に分流される。その後、この液冷媒は、室外電動膨張弁(24)で減圧された後、室外熱交換器(23)で蒸発して低圧ガス冷媒となり、各室外ユニット(2A,2B,2C)の圧縮機構(21)に戻り、この循環動作を繰返すことになる。
【0060】
上記冷房運転時及び暖房運転時において、コントローラ(80)が各室内電動膨張弁(32,32,32)及び各室外電動膨張弁(24,24,24)の開度を制御すると共に、室内負荷に対応して各室外ユニット(2A,2B,2C)における圧縮機構(21)の容量を制御する。具体的に、上記コントローラ(80)は、第1室外ユニット(2A)の上流側圧縮機(COMP-1)をインバータ制御により負荷に対応してほぼリニアに容量制御すると共に、第1室外ユニット(2A)の下流側圧縮機(COMP-2)と第2室外ユニット(2B)及び第3室外ユニット(2C)の各圧縮機(COMP-1,COMP-2)とを運転及び停止制御している。そして、上記室内ユニット(3A,3B,3C)の負荷が低下すると、第3室外ユニット(2C)及び第2室外ユニット(2B)の順に運転を停止し、逆に、室内ユニット(3A,3B,3C)の負荷が上昇すると、第2室外ユニット(2B)及び第3室外ユニット(2C)の順に運転を開始することにな
る。
【0061】
また、冷房運転時及び暖房運転時の何れにおいても、各室外ユニット(2A,2B,2C)が運転している状態では、第1均圧弁(SVB1)及び第2均圧弁(SVB2)が開口し、冷房運転時では、高圧ガス冷媒が各室外熱交換器(23,23,23)をほぼ均等に流れ、暖房運転時では、低圧ガス冷媒が各室外熱交換器(23,23,23)をほぼ均等に流れることになる。
【0062】
つまり、冷房運転時において、例えば、第3室外ユニット(2C)の運転容量が冷房負荷に対して大きくなると、圧縮機構(21)から吐出した冷媒の一部が均圧ライン(60)を通って第1室外ユニット(2A)及び第2室外ユニット(2B)における室外熱交換器(23,23)に流れることになる。逆に、暖房運転時において、例えば、第3室外ユニット(2C)の運転容量が暖房負荷に対して大きくなると、第1室外ユニット(2A)及び第2室外ユニット(2B)の圧縮機構(21)に吸込まれる冷媒の一部が均圧ライン(60)を通って第3室外ユニット(2C)の圧縮機構(21)に吸込まれることになる。
【0063】
−各種弁の開閉動作−
上記第3室外ユニット(2C)の冷房運転の停止時には、室外電動膨張弁(24)及び第2均圧弁(SVB2)を閉鎖し、停止中の第3室外ユニット(2C)に液冷媒が溜り込まないようにし、同様に、第2室外ユニット(2B)の冷房運転も停止すると、室外電動膨張弁(24)及び第1均圧弁(SVB1)を閉鎖し、停止中の第2室外ユニット(2B)に液冷媒が溜り込まないようにすると共に、第1室外ユニット(2A)等と各室内ユニット(3A,3B,3C)との間の冷媒量の不足を防止する。尚、第3室外ユニット(2C)及び第2室外ユニット(2B)の冷房運転の停止時には、分岐ガスライン(5G-A,5G-B,5G-C)が低圧状態であるので、第1ガス開閉弁(VR-1)及び第2ガス開閉弁(VR-2)は開口している。
【0064】
一方、第3室外ユニット(2C)の暖房運転の停止時には、室外電動膨張弁(24)及び第2ガス開閉弁(VR-2)を閉鎖し、停止中の第3室外ユニット(2C)に液冷媒が溜り込まないようにし、同様に、第2室外ユニット(2B)の暖房運転も停止すると、室外電動膨張弁(24)及び第1ガス開閉弁(VR-1)を閉鎖し、停止中の第2室外ユニット(2B)に液冷媒が溜り込まないようにすると共に、第1室外ユニット(2A)等と各室内ユニット(3A,3B,3C)との間の冷媒量の不足を防止する。尚、第3室外ユニット(2C)及び第2室外ユニット(2B)の暖房運転停止時には、均圧ライン(60)が第1室外ユニット(2A)等の低圧側に連通するので、第2均圧弁(SVB2)及び第1均圧弁(SVB1)は開口している。
【0065】
更に、第3室外ユニット(2C)及び第2室外ユニット(2B)の暖房運転の停止直後において、例えば、第3室外ユニット(2C)が停止した際、該第3室外ユニット(2C)の室外電動膨張弁(24)と第2ガス開閉弁(VR-2)とを所定時間開口状態とし、具体的に、1〜2分の間開口状態にする。この結果、第1室外ユニット(2A)等から高圧ガス冷媒が第3室外ユニット(2C)の分岐ガスライン(5G-C)及び補助バイパス管(2b)を経由して分岐液ライン(5L-C)に流れ、該停止中の第3室外ユニット(2C)における液冷媒をメイン液ライン(4L)に放出して冷媒量不足を防止している。
【0066】
また、上記冷房運転及び暖房運転時において、各均油弁(SVO1,SVO1,SVO1)と各均油補助弁(SVY1,SVY2,SVY3)は共に閉鎖される一方、油分離器(71)に溜った潤滑油は常時第1油戻し管(72)から圧縮機構(21)に戻ると共に、所定時間毎に油戻し弁(SVP2)を開口し、油分離器(71)に溜った潤滑油を第2油戻し管(73)から圧縮機構(21)に戻している。
【0067】
更に、冷房運転時及び暖房運転時の何れにおいても、上記各均油弁(SVO1,SVO1,SVO1)と各均油補助弁(SVY1,SVY2,SVY3)を適宜開閉制御して均油運転が行われ、各室外ユニット(2A,2B,2C)の圧縮機構(21)における潤滑油量が等しくなるようにしている。
【0068】
次に、本例の特徴とする動作について説明する。この動作は、空調運転状態が暖房運転の停止状態から冷房運転に切換えられる際で、この冷房運転時に第1室外ユニット(2A)のみが駆動している状態から第2室外ユニット(2B)を駆動させる場合や、第1及び第2室外ユニット(2A,2B) が駆動している状態から第3室外ユニット(2C)を駆動させる場合の動作である。尚、ここでは、第1室外ユニット(2A)のみが駆動している状態から第2室外ユニット(2B)を駆動させる場合について説明する。
【0069】
暖房運転停止時では、各室外ユニット(2A,2B,2C)にあっては、室外側電動膨張弁(24)から室外熱交換器(23)及び圧縮機構(21)の吸入側に亘って冷媒配管(25)が低圧状態となっている。また、均圧ライン(60)も低圧状態となっている。
【0070】
この状態から冷房運転を起動させると、先ず、第1室外ユニット(2A)の圧縮機(COMP-1,COMP2)が駆動することで、該第1室外ユニット(2A)の冷媒配管(25)が高圧状態となり、これに伴って均圧ライン(60)も高圧状態となる。そして、このような状態から第2室外ユニット(2B)を駆動させる際には、以下に述べる第1動作から第3動作が順に行われることになる。
【0071】
先ず、第1動作として、第1室外ユニット(2A)の圧縮機(COMP-1,COMP2)の駆動と同時に、各ガス開閉弁(VR-1,VR-2) 及びホットガスバイパス弁(SVP1)が共に開状態、各均圧弁(SVB1,SVB2) 及び室外電動膨張弁(24)が共に閉状態とされる。これにより、ホットガスバイパス弁(SVP1)が設けられたホットガスバイパス管(2h)により、高圧側と低圧側とが連通され、系統内が低圧レベルに均圧されることになる。
【0072】
このような第1動作の後、第2動作に移る。この第2動作では、第2室外ユニット(2B)を駆動させ、これと同時に、この第2室外ユニット(2B)の室外電動膨張弁(24)を閉状態から開状態に切換える。また、均圧弁(SVB1,SVB2) は上記弁開閉手段(82)により閉状態のまま維持される。つまり、均圧弁(SVB1,SVB2) 以外の各弁の開閉状態を通常の冷房運転状態にする。そして、この状態では、第1均圧弁(SVB1)が閉状態であるために、第1室外ユニット(2A)の高圧が均圧ライン(60)から第2室外ユニット(2B)に導入されることが阻止され、該第2室外ユニット(2B)の四路切換弁(22)の室外熱交換器(23)側の接続ポートは低圧状態に保たれている一方、四路切換弁(22)の圧縮機側の接続ポートは高圧状態となり、これにより、四路切換弁(22)の各ポートに十分な差圧が発生して、該四路切換弁(22)が冷房運転状態に切換わる
そして、この第2動作開始後、20sec が経過した後に、第3動作を開始する。この第3動作では、第1均圧弁(SVB1)を閉状態から開状態に切換えることによって均圧回路(60)を開放し、第1及び第2室外ユニット(2A,2B) の均圧を行って各室外熱交換器(24,24) の能力を十分に発揮させながら冷房運転が行われる。
【0073】
このように本例の第1均圧弁(SVB1)の開閉動作によれば、従来のように、第1室外ユニット(2A)の高圧が均圧ライン(60)を経て第2室外ユニット(2B)の四路切換弁(22)に作用して該四路切換弁(22)の作動不良を起こすようなことがなくなる。このため、運転切換え動作が円滑に行われ冷房能力の向上が図れる。また、第1及び第2室外ユニット(2A,2B) が駆動している状態から第3室外ユニット(2C)を駆動させる場合には、第2均圧弁(SVB2)の開閉動作を上記と同様にして行う。
【0074】
尚、本例では、空調運転状態が暖房運転の停止状態から冷房運転に切換えられる際に、均圧弁(SVB1,SVB2) の閉状態を所定時間維持させたが、本発明はこれに限らず、空調運転状態が冷房運転の停止状態から暖房運転に切換えられる際や、デフロスト運転或いは油戻し運転等の起動時にあっても、均圧弁(SVB1,SVB2) の閉状態を所定時間維持させて、四路切換弁(22)の作動不良を回避するようにしてもよい。
【0075】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば以下に述べるような効果が発揮される。請求項1記載の発明によれば、熱源側マルチ型の冷凍装置に対し、冷媒循環方向を変更する際、各熱源側ユニット同士を均圧する均圧回路に設けられた開閉弁を閉状態にして、一部の熱源側ユニットから均圧回路を経て他の熱源側ユニットの四路切換弁へ圧力が作用することを抑制するようにしたために、四路切換弁の各連結部に、運転サイクルを変更するための差圧を良好に発生させることができて四路切換弁に作動不良を回避でき、運転状態を良好に確保することができる。
【0076】
請求項2記載の発明によれば、運転切換え手段が、各熱源側ユニットの停止状態から一部の熱源側ユニットのみが起動する際に弁開閉手段に切換信号を送信するようにしたために、他の停止している熱源側ユニットが駆動する際に、四路切換弁に対して運転サイクルを変更するための差圧を良好に発生させることができて該四路切換弁の作動不良を回避することができる。
【0077】
請求項3記載の発明によれば、運転切換え手段が、各熱源側ユニットの冷媒循環方向を同時に変更する際に弁開閉手段に切換信号を送信するようにしたために、この場合にも四路切換弁の作動不良を回避できる。
【0078】
請求項4記載の発明によれば、弁開閉手段によって、停止状態の熱源側ユニットの起動時、開閉弁の閉状態を所定時間維持し、該所定時間の経過後に開閉弁を開状態にするようにしたために、四路切換弁の切換え動作の後、均圧回路を開放して各熱源側ユニットの均圧を行いながら運転を行わせることができ、均圧回路によって各熱源側ユニットの均圧を行って熱源側熱交換器の能力を十分に発揮させることができる。
【0079】
請求項5記載の発明によれば、暖房運転サイクル停止後の冷房サイクル運転時に開閉弁を閉状態にしたために、駆動している熱源側ユニットの高圧が駆動していない熱源側ユニットの四路切換弁に作用することが回避され、この駆動していない熱源側ユニットが駆動する際の四路切換弁の冷房運転側への切換えを良好に行うことができ冷房能力の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】実施例に係る冷凍装置のシステム図である。
【図3】第1室外ユニットの配管系統図である。
【図4】第2及び第3室外ユニットの配管系統図である。
【符号の説明】
(2A,2B,2C) 室外ユニット(熱源側ユニット)
(21) 圧縮機構
(22) 四路切換弁
(23) 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
(25) 冷媒配管
(3A,3B,3C) 室内ユニット
(60) 均圧ライン(均圧回路)
(81) 運転切換え手段
(82) 弁開閉手段
(SVB1) 第1均圧弁(開閉弁)
(SVB2) 第2均圧弁(開閉弁)
Claims (5)
- 利用側ユニット(3A,3B,3C)と複数の熱源側ユニット(2A,2B,2C)とを備え、各熱源側ユニット(2A,2B,2C)は、圧縮機構(21)及び熱源側熱交換器(23)が利用側ユニット(3A,3B,3C)との間で冷媒の循環が可能に接続されていると共に、
上記圧縮機構(21)、熱源側熱交換器(23)及び利用側ユニット(3A,3B,3C)に繋る連結部同士の差圧によって切換えられて熱源側ユニット(2A,2B,2C)と利用側ユニット(3A,3B,3C)との間で冷媒循環方向を可逆として冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとを切換える四路切換弁(22)を備えており、
運転サイクルの切換え動作に伴って上記圧縮機構(21)の吐出側及び吸入側に接続状態が切換わる各熱源側ユニット(2A,2B,2C)の熱源側熱交換器 (23) と四路切換弁 (22) との間の冷媒配管 (25)同士が均圧回路(60)によって互いに接続された冷凍装置において、
上記均圧回路(60)には、開閉弁(SVB1,SVB2) が備えられており、
冷媒循環方向を変更する際、切換信号を送信する運転切換え手段(81)と、
該運転切換え手段(81)からの切換信号を受けたとき、一部の熱源側ユニット(2A)から均圧回路(60)を経て他の熱源側ユニット(2B,2C) の四路切換弁(22)へ圧力が作用することを抑制するように、上記開閉弁(SVB1,SVB2) を閉状態にする弁開閉手段(82)とが備えられていることを特徴とする冷凍装置。 - 運転切換え手段(81)は、各熱源側ユニット(2A,2B,2C)の停止状態から一部の熱源側ユニット(2A)のみが起動する際に弁開閉手段(82)に切換信号を送信するようになっていることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
- 運転切換え手段(81)は、各熱源側ユニット(2A,2B,2C)の冷媒循環方向を同時に変更する際に弁開閉手段(82)に切換信号を送信するようになっていることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
- 弁開閉手段(82)は、一部の熱源側ユニット(2A)のみが駆動している状態から停止状態の熱源側ユニット(2B,2C) が起動する際、開閉弁(SVB1,SVB2) の閉状態を所定時間維持し、該所定時間の経過後に開閉弁(SVB1,SVB2) を開状態にすることを特徴とする請求項1または2記載の冷凍装置。
- 弁開閉手段(82)は、暖房運転サイクル停止後の冷房サイクル運転時に開閉弁(SVB1,SVB2) を閉状態にすることを特徴とする請求項1、2または4記載の冷凍装置。
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