JP3584405B2 - 視線検出装置を有するカメラ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、撮影者の視線位置を検出可能なカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮影者の視線が撮影画面においてどの位置にあるのかを検出する視線検出装置を備えたカメラが知られている(特開平1ー241511号)。また、検出された視線位置において焦点検出を行うカメラが知られている(特開平1ー190177号)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来の技術では、視線検出が不可能であるときには、撮影画面の中央に対応する領域または過去の焦点検出で用いられた焦点検出領域で焦点検出を行っていなかった。
また、視線検出が不可能であるときには、焦点検出領域の大きさを拡大することは行っていなかった。
さらに、視線位置の検出を行う場合に、撮影者がメガネ等を装着していると、メガネレンズ面の反射が原因となり、検出された視線位置に誤差を生じてしまうという問題があった。この問題はメガネ以外の光学系、例えばコンタクトレンズや視度調整用アダプタ等がある場合でも同様なことが起こり得る。
【0004】
本発明の第1の目的は、視線検出が不可能であるときには、撮影画面の中央に対応する領域または過去の焦点検出で用いられた焦点検出領域で焦点検出を行う視線検出装置を有すカメラを提供することである。
本発明の第2の目的は、視線検出が不可能であるときには、焦点検出領域の大きさを拡大する視線検出装置を有するカメラを提供することである。
本発明の第3の目的は、撮影者がメガネ等を装着している場合には、撮影画面の中央に対応する領域で焦点検出を行う視線検出装置を有するカメラを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、撮影レンズと、前記撮影レンズにより形成される撮影画面における撮影者の視線位置を検出する視線検出手段と、前記撮影画面上に設けられた複数の焦点検出領域のうち前記視線検出手段によって検出された視線位置に対応する焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出手段と、被写体を観察するためのファインダーを介し、前記被写体に重畳して焦点検出領域を表示する表示手段と、を含む視線検出装置を有するカメラにおいて、前記視線検出手段による視線検出が不可能であるときには、前記複数の焦点検出領域のうち前記撮影画面の中央に対応する焦点検出領域において、該焦点検出領域の大きさを拡大して焦点検出を行うとともに、前記表示手段により前記焦点検出領域を表示することを特徴とする視線検出装置を有するカメラである。
請求項2の発明は、撮影レンズと、前記撮影レンズにより形成される撮影画面における撮影者の視線位置を検出する視線検出手段と、前記撮影画面上に設けられた複数の焦点検出領域のうち前記視線検出手段によって検出された視線位置に対応する焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出手段と、被写体を観察するためのファインダーを介し、前記被写体に重畳して焦点検出領域を表示する表示手段と、を含む視線検出装置を有するカメラにおいて、前記視線検出手段による視線検出が不可能であるときには、過去の焦点検出で用いられた焦点検出領域で焦点検出を行うとともに、前記表示手段により前記焦点検出領域を表示することを特徴とする視線検出装置を有するカメラである。
【0006】
請求項3の発明は、撮影レンズと、前記撮影レンズにより形成される撮影画面における撮影者の視線位置を検出する視線検出手段と、前記視線検出手段と撮影者眼との間に光学系が介在するか否かを検出する光学系検出手段と、前記撮影画面上に設けられた複数の焦点検出領域のうち前記視線検出手段によって検出された視線位置に対応する焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出手段と、被写体を観察するためのファインダーを介し、前記被写体に重畳して焦点検出領域を表示する表示手段と、を含む視線検出装置と有するカメラにおいて、前記光学系検出手段が前記光学系を検出したときには、前記複数の焦点検出領域のうち前記撮影画面の中央に対応する焦点検出領域において、該焦点検出領域の大きさを拡大して焦点検出を行うとともに、前記表示手段により前記焦点検出領域を表示することを特徴とする視線検出装置を有するカメラである。
【0007】
【作用】
本発明によれば、視線検出が不可能であるときには、撮影画面の中央に対応する領域または過去の焦点検出で用いられた焦点検出領域で焦点検出を行うことができる。
また、視線検出が不可能であるときには、焦点検出領域の大きさを拡大することができる。
さらに、撮影者がメガネ等の光学系を装着したときのように、視線検出手段と撮影者眼との間に光学系があることを検出した場合には、撮影画面の中央に対応する領域で焦点検出を行うことができる。
【0008】
【実施例】
(第1の実施例)
以下、図面等を参照して、実施例につき、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第1の実施例を示したブロック図である。
レンズ鏡筒10は、カメラボデイ20に対して交換可能であって、着脱自在にマウントすることができる。レンズ鏡筒10には、撮影レンズ11が内蔵されている。この撮影レンズ11は、光軸方向の移動により焦点調節可能なレンズである。
【0009】
レンズ鏡筒10をカメラボディ20に装着した場合には、被写体から到来する撮影光束は、撮影レンズ11を通って、カメラボデイ20に設けられたメインミラー21に導かれる。
撮影光束の一部は、メインミラー21によってファインダー側に反射され、表示手段23、スクリーン24、ペンタプリズム25、接眼レンズ26を通ることにより、撮影者によりスクリーン像が観察される。
撮影光束の他の一部は、メインミラー21を透過して、サブミラー22によって反射され、焦点検出用の光束として、焦点検出手段30に導かれる。
【0010】
また、カメラボディ20の内部には、接眼レンズ26付近に、後述する視線検出手段40、メガネ検出手段50及びシャッター手段27のほか、不図示の巻き上げ手段等公知のカメラ内部機構が配置されている。
測光手段29は、ハーフミラー28により分岐したファインダー光束により、撮影画面内において中央部のスポット測光又は中央重点測光を行っている。
【0011】
図2は、第1の実施例に係るカメラに内蔵される焦点検出手段の構成を示した斜視図である。
焦点検出手段30は、2次元的な開口部31Aを有する視野マスク31と、フィールドレンズ32と、一対の開口部33A、33Bを有する絞りマスク33と、一対の再結像レンズ34A、34Bと、2次元的に受光素子を配置した受光部35A、35Bを有する光電変換手段35とから構成されている。
【0012】
撮影レンズ11の射出瞳12には、光軸13に対して対称な1対の領域12A、12Bが含まれており、これらの領域12A、12Bを通る光束は、視野マスク31付近で一次像を形成する。この視野マスク31は、図3に示すように、焦点検出可能範囲Mに対応した開口を有している。
視野マスク31の開口部31Aに形成された一次像は、フィールドレンズ32、絞りマスク33の1対の開口33A、33B及び1対の再結像レンズ34A、34Bによって、光電変換手段35の1対の受光部35A、35Bに、1対の二次像として形成される。
光電変換手段35は、1対の二次像が受光部35A、35Bの並び方向の相対的位置関係を、その光電変換手段35が発生する被写体像信号を用いて検出することにより、撮影レンズ11のデフォーカス量を検出することができる。
【0013】
光電変換手段35の受光部35A、35Bは、図3に示すように、画面N上において領域Mの部分をカバーしており、この領域Mが焦点検出の可能な範囲となる。
前述した位置関係は、撮影画面上の指定された位置Pと指定された大きさの領域Qにおいて検出することができ、焦点検出の可能な領域Mの内部では、任意の位置と大きさの焦点検出領域によって焦点検出を行うことができる。例えば、後述する視線位置検出の結果に基づいて、焦点検出領域を任意に変更することが可能になる。
【0014】
図1に示したCPU1は、後述するメガネ検出処理、視線検出処理、焦点検出処理、測光処理、回転量検出処理、操作検出処理及びレンズ駆動制御、シャッター制御、表示制御等を行う演算処理手段である。
焦点検出手段30の受光部35A、35Bの出力は、CPU1に接続されており、このCPU1では、前述した2像の位置関係からデフォーカス量を求めるための焦点検出演算が行われる。CPU1は、得られたデフォーカス量に応じてモータ60を制御して、撮影レンズ11を合焦位置まで駆動する。
また、レンズ側のCPU12は、レンズ鏡筒10に内蔵されており、ボディ側のCPU1に対して、各種レンズデータ(焦点距離等)を送信する。
【0015】
また、焦点検出領域及び焦点検出結果は、表示手段23によってファインダー画面上に表示される。表示手段23の表示は、例えば非合焦中には、図3に示すように、焦点検出領域Qが網掛け表示され、合焦後には、図4に示すように、焦点検出領域Q’ の内部が透明で枠取りのみとなるようにすることができる。
【0016】
レリーズボタン61は、解放状態からの半押し操作によって、CPU1の動作がリセットされ、撮影待機の状態になる。また、レリーズボタン61は、全押し操作によって、通常モードでは、CPU1に対しシャッター手段27による露光動作の起動をかける。ただし、AF優先モードでは、全押しされた場合であっても、合焦するまではシャッター手段27による露光動作は起動されない。
【0017】
操作手段62は、後述する視線ワンショット焦点検出モードと、視線コンティニュアス焦点検出モードを選択する手段であって、CPU1は、この操作手段62の選択に応じて、動作モードを切り替える。
ここで、視線ワンショット焦点検出モードとは、レリーズボタン61の半押し操作後に初めて検出された注視位置に焦点検出領域を固定するモードであって、視線コンティニュアス焦点検出モードとは、常時注視位置に焦点検出領域を設定するモードである。
【0018】
回転量検出手段63は、ボディ20の回転量を検出する手段であって、回転量の情報は、CPU1に送出される。
図5〜図7は、実施例に係るカメラに使用する回転量検出手段を示した図であって、図5は正面図、図6はエンコーダを示した平面図、図7は検出部を示した図である。
回転量検出手段63は、ボディ20の底面に配置されている。このとき、ボディ20は、三脚70の三脚座71に三脚メネジ64B、三脚オネジ64Aによって取り付けられている。
この三脚座71の上面には、図6に示すように、三脚オネジ64Aを中心として、円周方向に高反射部73と低反射部72とからなるエンコーダが形成されている。
【0019】
回転量検出手段63は、図7に示すように、投光部63Aと受光部63Bからなる反射検出型のものが使用されており、ボディ20が三脚ネジ64の回りを回転すると、その回転量が三脚座71のエンコーダとの相対的な移動として、反射光パルス数の形で検出される。
なお、回転方向は、例えば2つの受光部の位置をずらして設置し、2つのパルス信号の位相関係を判別することによって検出することができる。回転量検出手段63は、これに限られることなく、ボディ20の回転量及び回転方向を検出できるものであればよい。
【0020】
図8は、実施例に係るカメラに使用する視線検出手段を示した図である。
視線検出手段40は、赤外光面発光素子41、ハーフミラー42、レンズ43、ダイクロイックミラー44などから構成されている。
赤外光面発光素子41から発光される赤外光は、ハーフミラー42で反射されて、レンズ43、接眼レンズ26中に設置された赤外光を反射するダイクロイックミラー44を通過して、ファインダ観察者の目45に投影される。
この光学系においては、赤外光面発光素子41の発光面がファインダ画面と形状・位置が重なるように前記光学部材の形状及び位置が設定されている。
【0021】
観察者の目45に投影された赤外光は、網膜46で反射され再び接眼レンズ26に戻り、出射するときとは逆の経路をたどり、赤外光反射ダイクロイックミラー44で反射され、レンズ43、ハーフミラー42を通過して、面受光素子47で受光される。
面受光素子47は、2次元のポジションセンサーでもよいし、2次元イメージセンサーでもよい。赤外光面発光素子41の動作は、CPU1により制御され、面受光素子47の出力は、CPU1に送られて処理される。
【0022】
上記構成においては、図9に示すように、視線位置における反射効率は、他の方向よりも高いので、観察者がファインダーのスクリーン24上で視ている位置に対応する面受光素子47上の位置における受光量は、他の領域よりも大きくなる。
ファインダーから入射する外部からの赤外光の影響を除去するために、面発光素子41の発光時と非発光時における面受光素子47の受光量分布の差(図9に示す)を取り、その分布の最大受光量を示す位置Rにより、画面N上での視線位置を検出することができる。また、最大受光量の絶対値が小さい場合は、ファインダーが観察されていないとして視線検出不能と判定することができる。
なお、上記構成において、面発光素子41の代わりに、2次元でビーム走査を行ってもよい。さらに、上記構成以外の視線検出を行ってもよい。
【0023】
図10及び図11は、実施例に係るカメラのメガネ検出手段の構成例を示す図であって、図10は平面図、図11は正面図である。
メガネ検出手段50は、赤外光発光素子51、レンズ52,54、面受光素子55等から構成されている。
赤外光発光素子51から発光した赤外光は、レンズ52を介し、ファインダー観察者に投光される。投光部分S(図11に示す)は、眼球による反射を避けるために、目45より下の部分でメガネ53が存在する部分に設定してある。従って、メガネ検出手段50は、ボディ20において接眼レンズ26の下部に配置するのがよい。
【0024】
通常のファインダー観察位置で観察者がメガネ53をかけていた場合には、図11に示すように、メガネ53の表面で反射され、レンズ54、面受光素子55で受光される。赤外光面発光素子51の動作は、CPU1により制御され、面受光素子55の出力は、CPU1に送られて処理される。
なお、メガネ53に対する投光角度は、反射率が高くなるようにメガネ53の表面に対して浅い角度で入射するように設定されている。また、面受光素子55は、2次元ポジションセンサーや2次元イメージセンサーでもよい。
【0025】
上記構成において、メガネ53が存在していた場合には、特定方向の反射が他の方向よりも高くなるので、面受光素子55上の小領域での受光量が他の部分よりも突出して大きくなる。
外部から入射する赤外光の影響を除去するために、面発光素子51の発光時と非発光時の面受光素子55の受光量分布の差を取り、その分布の最大受光量が所定値以上であって、1つの小領域に集中していた場合に、メガネ53があると判定することができる。また、通常メガネ53をかけていない場合においても、観察者の肌により若干の反射があるので、最大受光量が極端に小さい場合には、ファインダーが観察されていないと判定することができる。
【0026】
また、上記構成においては、赤外光面発光素子51を1つ配置していたが、ファインダーとメガネ53の間の距離やメガネ53の前面の角度の違いにより、反射方向がばらついて誤検出する恐れがあるので、2次元的に投光ビームの方向を走査してもよい。
【0027】
メガネ検出手段50は、図12に示すように、赤外発光素子51A、51B、51Cと、レンズ52A、52B、52Cにより複数の方向に投光するようにしてもよい。
また、図13に示すように、1つの赤外発光素子51と、一体的に形成されたレンズ52A、52B、52Cにより、複数の方向に投光するようにしてもよい。
【0028】
図14は、実施例に係るカメラのCPUの動作を示す流れ図である。
ステップ100では、レリーズボタン11の半押し動作によって、CPU1は動作を開始する。
ステップ101では、ファインダーを観察している撮影者がメガネ53をつけていることを、メガネ検出手段50からの信号に基づいて検出する。
ステップ102では、メガネ53が検出された場合には、ステップ103以降の視線検出が誤検出する恐れがあるので、視線検出を行わずステップ112に進む。また、メガネが検出されない場合には、ステップ103に進む。
【0029】
ステップ103では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置を、視線検出手段40からの信号に基づいて検出する。このフローチャートでは、一回の焦点検出シーケンスに、一度視線位置を検出しているが、焦点検出シーケンスとは独立なタイミング(例えば、所定時間毎のタイマー割り込み)によって視線位置検出を行うようにしてもよい。
ステップ104では、視線位置の検出が不能か否かを判断して、検出不能の場合にはステップ109に進む。また、検出可能な場合には、ステップ105に進む。
【0030】
ステップ105では、視線位置の変動量を検出する。
ここで、視線位置の変動量検出の方法について説明する。
図15は、視線位置の変動の態様を示した図である。画面Nの左側が視線位置の変動が大きい場合、右側が変動が小さい場合を示している。
R(X0,Y0 )=R0 :最新の視線位置
R(X1,Y1 )=R1 :1回前の視線位置検出時の視線位置
・
・
R(Xn,Yn )=Rn :n回前の視線位置検出時の視線位置
【0031】
(変動量検出方法1)
図16に示した変動量の検出方法では、所定時間内で視線位置が動いた距離の積分値を変動量のパラメータPとする。すなわち、
(1)式において、視線位置Ri は現在から所定時間以内のもの(R0 〜Rk )についてとられる。
【0032】
(変動量検出方法2)
図17に示した変動量の検出方法では、所定時間内の視線位置を全て含む外側に凸な外接多角形の面積Fを変動量のパラメータPとする。すなわち、
P=F …(2)
(2)式において、視線位置Ri は現在から所定時間以内のもの(R0 〜Rk )についてとられる。
【0033】
(変動量検出方法3)
図18に示した変動量の検出方法では、所定時間内の視線位置を全て含む外接円の面積または半径Gを変動量のパラメータPとする。すなわち、
P=G …(3)
(3)式において、視線位置Ri は現在から所定時間以内のもの(R0 〜Rk )についてとられる。
【0034】
(変動量検出方法4)
図19に示した変動量の検出方法では、所定時間内の視線位置のx,y方向の最大値と最小値の差Xs、Ysの和または大きい値Hを変動量のパラメータPとする。すなわち、
P=H=Xs+YsまたはMAX(Xs、Ys)
Xs=MAX(X0,X1,・・・ ,Xk)−MIN(X0,X1,・・・ ,Xk)
Ys=MAX(Y0,Y1,・・・ ,Yk)−MIN(Y0,Y1,・・・ ,Yk) …(4)
(4)式において、視線位置Ri は現在から所定時間以内のもの(R0 〜Rk )についてとられる。
【0035】
(変動量検出方法5)
この変動量の検出方法では、所定時間内の視線位置のX,Y方向の標準偏差σx 、σy の和または最大値σを変動量のパラメータPとする。すなわち、
P=σ=σx +σy またはMAX(σx 、σy )
(5)式において、視線位置Ri は現在から所定時間以内のもの(R0 〜Rk )についてとられる。
【0036】
図14に戻って、ステップ106では、視線変動量Pと所定値K1を比較し、視線変動量Pが大きい場合にはステップ109に進み、小さい場合にはステップ107に進む。
ステップ107では、視線変動量Pが小さい場合に撮影者が注視状態である判定をし、視線位置S(X,Y )に基づき注視位置を検出する(図15参照)。
【0037】
注視位置の検出方法は、以下のものがあげられる。
(注視位置検出方法1)
所定時間内の視線位置を全て含む外側に、凸な外接多角形の面積Fの重心位置を注視位置S(X,Y )とする。
(注視位置検出方法2)
所定時間内の視線位置を全て含む外接円の中心位置を、注視位置S(X,Y )とする。
(注視位置検出方法3)
所定時間内の視線位置のX,Y方向の最大値と最小値の平均を、注視位置S(X,Y )とする。すなわち、
(6)式において、視線位置Ri は現在から所定時間以内のもの(R0 〜Rk )についてとられる。
(注視位置検出方法4)
所定時間内の視線位置のX,Y方向の平均値μx,μy((5)式)を注視位置S(X,Y )とする。
【0038】
再び、図14に戻って、ステップ108では、注視位置S(X,Y )が焦点検出可能範囲M外か否かを判断し、焦点検出可能範囲M外である場合には、ステップ109に進む(図20参照)。注視位置S(X,Y )が焦点検出可能範囲M内である場合には、ステップ110に進む。
ステップ109では、このステップに突入してからの経過時間が測定され、経過時間が所定時間以内の場合には、ステップ111に進み、所定時間以上の場合は112に進む。
【0039】
ステップ110では、焦点検出位置Pを注視位置S(X,Y )として、ステップ113に進む。従って、撮影者の視線位置の変動が少ない場合には、注視位置で焦点検出が行われる。
ステップ111では、焦点検出位置Pを前回の焦点検出位置として、ステップ115に進む。従って、視線位置が検出不能、または視線の変動量が大きい、または注視位置が焦点検出可能範囲外であり、かつ前記状態になってから所定時間以内の場合には、前記状態になる直前の焦点検出位置で焦点検出が行われる(図20参照)。
ステップ112では、焦点検出位置Pを中央位置として、ステップ115に進む。従って、視線位置が検出不能、または視線の変動量が大きい、または注視位置が焦点検出可能範囲外であり、かつ前記状態になってから所定時間以上経過した場合、あるいはメガネありと判定された場合は、強制的に画面中央位置で焦点検出が行われる(図20参照)。
【0040】
次に、ステップ113では、視線変動量Pと所定値K2(<K1)を比較し、視線変動量Pが大きい場合にはステップ115に進み、小さい場合には114に進む。
ステップ114では、焦点検出領域Qを焦点検出位置Pの回りの小領域に設定する(図21参照)ととにも、自動焦点調節モードを合焦後にフォーカスロックを行うAFワンショットモードとして、ステップ116に進む。
従って、視線位置の変動が極めて少ない場合には、注視位置でスポット的な焦点検出が行われるとともに、被写体が静止しているか、または構図の変更がなされていないと判定されて、合焦後にフォーカスロックされるモードとなる。
【0041】
ステップ115では、焦点検出領域Qを焦点検出位置Pの回りの大領域に設定する(図22参照)とともに、自動焦点調節モードを合焦後にフォーカスロックせずに、サーボを継続するAFコンティニュアスモードとして、ステップ116に進む。
従って、視線位置の変動が極めて少ないか、または視線位置が検出不能もしくは視線位置の変動量が大きい、または注視位置が焦点検出可能範囲外またはメガネありの場合には、注視位置を中心とした広領域で焦点検出が行われる。また、被写体が移動しているか、または構図の変更がなされていると判定されて、合焦後もレンズ駆動を継続するモードとなる。
【0042】
ステップ116では、設定された焦点検出領域を表示手段23により画面上に表示し、ステップ117に進む。
ステップ117では、設定されているAFモードがAFコンティニュアスモードか否かを判定し、AFコンティニュアスモードの場合には、ステップ118に進み、AFワンショットモードの場合には、ステップ119に進む。
ステップ118では、合焦フォーカスロックフラグをリセットして、ステップ120に進む。
ステップ119では、合焦フォーカスロックフラグがセットされていた場合には、焦点検出およびレンズ駆動を行わず、ステップ126に進み、セットされていない場合には、ステップ120に進む。
ステップ120では、設定された焦点検出領域に対応して光電変換手段35からの出力信号を用いて、周知の焦点検出演算を行い、焦点検出結果(デフーカス量)を得て、ステップ121に進む。
ステップ121では、焦点検出結果を表示手段23により画面上に表示し、ステップ122に進む。
【0043】
ステップ122では、焦点検出結果(デフォーカス量)が合焦であるか否かを判定し、合焦である場合にはステップ124に進み、非合焦である場合にはステップ123に進む。
ステップ123では、焦点検出結果(デフォーカス量)に応じて、モータ60を制御し、撮影レンズ11を合焦点へと駆動して、ステップ126に進む。
ステップ124では、設定されているAFモードがAFコンティニュアスモードであるか否かを判定し、AFコンティニュアスモードの場合には、ステップ126に進み、AFワンショットモードの場合には、ステップ125に進む。ステップ125では、合焦ロックフラグをセットしステップ126に進む。
【0044】
ステップ126では、操作手段62の設定状態が視線ワンショット焦点検出モードであるか否かを判定し、視線ワンショット焦点検出モードである場合は、ステップ127に進み、視線コンティニュアス焦点検出モードである場合にはステップ101に戻る。
従って、視線コンティニュアス焦点検出モードでは常時注視位置を検出し、注視位置が検出された場合は、その位置で焦点検出が行われることになる(図23参照)。
【0045】
ステップ127では、今回設定された焦点検出領域が小領域である場合はステップ128に進み、小領域でない場合はステップ101に戻る。
従って、視線ワンショット焦点検出モードの場合でも、視線位置の変動が極めて少なくならない限り、常時注視位置を検出し、注視位置が検出された場合は、その位置で焦点検出が行うことになる。
【0046】
ステップ128では、焦点検出位置Pを前回の焦点検出位置とし、ステップ129に進む。
ステップ129では、焦点検出領域を前回の焦点検出領域、すなわち焦点検出位置Pの回りの小領域とし、ステップ116に戻る。
従って、視線ワンショット焦点検出モードでは、一旦視線位置の変動が極めて少なくなると、焦点検出位置と焦点検出領域の大きさを固定することになる(図3参照。)
【0047】
(第2の実施例)
図24は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第2の実施例の動作を示す流れ図である。
なお、この実施例では、図14に示す実施例の流れ図のステップ126〜129を変更して、ステップ119,123,124,125よりステップ130に進む。
【0048】
すなわち、ステップ130では、焦点検出の結果に基づいて、合焦でない場合はステップ101へ戻り、合焦の場合はステップ131に進む。
従って、非合焦中は常時注視位置を検出し、注視位置が検出された場合は、その位置で焦点検出が行われることになる(図23参照)。
【0049】
ステップ131では、焦点検出位置Pを前回の焦点検出位置とし、ステップ132に進む。
ステップ132では、焦点検出領域を前回の焦点検出領域、すなわち焦点検出位置Pの回りの小領域とし、ステップ133に進む。
ステップ133では、設定された焦点検出領域を表示手段23により画面上に表示し、ステップ134に進む。
ステップ134では、設定された焦点検出領域に対応した光電変換手段35からの出力信号を用いて周知の焦点検出演算を行い、焦点検出結果(デフォーカス量)を得て、ステップ135に進む。
ステップ135では、焦点検出結果を表示手段23により画面上に表示し、ステップ136に進む。
ステップ136では、焦点検出結果(デフォーカス量)に応じて、モータ60を制御し、撮影レンズ11を合焦点へと駆動して、ステップ131に戻る。
【0050】
以上の動作により一旦合焦すると、合焦が得られた時点での焦点検出位置と焦点検出領域の大きさがそれ以後も固定されて使用されることになる。
また、ステップ136を省略すれば、一旦合焦するとレンズ駆動を禁止することができる。
【0051】
(第3の実施例)
図25は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第3の実施例の動作を示す流れ図である。
図25(A)において、ステップ200では、レリーズボタン11の半押し動作でCPU1は動作を開始する。
ステップ201では、予め固定して設定された位置および大きさを有する焦点検出領域に対応した光電変換手段35からの出力信号を用いて周知の焦点検出演算を行い、焦点検出結果(デフォーカス量)を得て、ステップ202に進む。
ステップ202では、焦点検出結果を表示手段23により画面上に表示し、ステップ203に進む。
ステップ203では、焦点検出結果(デフォーカス量)に応じて、モータ60を制御し、撮影レンズ11を合焦点へと駆動して、ステップ204に進む。
ステップ204では、焦点検出の結果に基づいて、合焦でない場合はステップ201へ戻り、合焦の場合はステップ205に進む。従って、非合焦中は常時焦点検出をし、その結果に応じてレンズ駆動が行われることになる。
【0052】
ステップ205では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置を、視線検出手段40からの信号に基づき検出する。
この実施例では、一回の焦点検出シーケンスで一度視線位置を検出しているが、焦点検出シーケンスとは独立なタイミング(例えば、所定時間毎のタイマー割り込み)で視線位置検出を行うようにしてもよい。
ステップ206では、検出された視線位置が、焦点検出位置と一致していない場合はステップ205に戻り、一致している場合にはステップ207に進む。
ただし、位置の一致判定には多少マージンをもたせる。また、視線位置のかわりに注視位置と比較するようにしてもよい。
【0053】
ステップ207では、このステップに突入してからの経過時間が測定され、経過時間が所定時間以内の場合には、ステップ205に戻り、所定時間以上の場合はステップ208に進む。
ステップ208では、シャッター手段17による露光動作を起動する。
【0054】
以上の動作により合焦した後に、合焦が得られた焦点検出位置に一定時間以上視線が保持された場合は、自動的に露光動作を行うことができる。
また、以上の説明では、焦点検出位置が固定されていたが、視線ワンショット焦点検出モードで焦点検出位置を決定してもよい。
【0055】
図25(B)は、図25(A)の変形例を示したものであって、ステップ208を省略して、ステップ207において、合焦した後に合焦が得られた焦点検出位置に、一定時間以上視線が保持された場合は、ステップ209でフォーカスロックするようにしたものである。
【0056】
また、合焦前には視線位置に応じて焦点検出位置を変更するようにしておき、ステップ208のかわりに、焦点検出位置と領域の大きさを固定するようにしてステップ201に戻るようにすれば、合焦した後に合焦が得られた焦点検出位置に、一定時間以上、視線が保持された場合に焦点検出領域をロックするようにしてもよい。
【0057】
(第4の実施例)
図26は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第4の実施例の動作を示す流れ図である。
この実施例では、図25(A)に示した実施例の流れ図のステップ204以降を変更して、ステップ203よりステップ210に進む。
【0058】
ステップ210では、焦点検出の結果、合焦でない場合はステップ201へ戻り、合焦の場合はステップ211に進む。
従って、非合焦中は常時焦点検出し、その結果に応じてレンズ駆動が行われることになる。
ステップ211では、このステップに突入してからの経過時間が測定され、経過時間が所定時間以内の場合はステップ201に戻り、所定時間以上の場合は212に進む。従って、合焦後所定時間は常時焦点検出し、その結果に応じてレンズ駆動が行われることになる。
ステップ212では、シャッター手段17による露光動作を起動し、ステップ213に進む。
ステップ213では、露光動作の終了を待機し、ステップ201へ戻る。
【0059】
以上の動作により合焦した後に一定時間以上合焦が保持された場合は、自動的に露光動作を行うことができるので、従来のように合焦後、直ちに露光動作をした場合に、構図を決める余裕がなかったり、露光動作と焦点調節動作を独立に動作した場合に、操作部材が増え操作が複雑になるといった欠点を解決できる。
【0060】
(第5の実施例)
図27は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第5の実施例の動作を示す流れ図である。
ステップ300では、レリーズボタン11の半押し動作によって、CPU1は動作を開始する。
ステップ301では、予め固定して設定された位置および大きさを有する焦点検出領域に対応した光電変換手段35からの出力信号を用いて周知の焦点検出演算を行い、焦点検出結果(デフォーカス量)を得て、ステップ302に進む。
ステップ302では、焦点検出結果を表示手段23により画面上に表示し、ステップ303に進む。
ステップ303では、焦点検出結果(デフォーカス量)に応じて、モータ60を制御し、撮影レンズ11を合焦点へと駆動して、ステップ304に進む。
ステップ304では、焦点検出の結果、合焦でない場合はステップ301へ戻り、合焦の場合はステップ305に進む。
従って、非合焦中は常時焦点検出し、その結果に応じてレンズ駆動が行われることになる。
ステップ305では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置を、視線検出手段40からの信号に基づき検出する。
この実施例では、一回の焦点検出シーケンスに一度視線位置を検出しているが、焦点検出シーケンスとは独立なタイミング(例えば、所定時間毎のタイマー割り込み)で視線位置検出を行うようにしてもよい。
【0061】
ステップ306では、合焦直後に検出された視線位置を視線の初期位置R(X0,Y0 )として、ステップ307に進む。なお、視線位置のかわりに注視位置としてもよい。
ステップ307では、合焦状態に遷移したことにより、カメラの回転量を初期化し、ステップ308に進む。従って、これ以降の回転量検出手段63からのパルス信号を回転方向に応じて積算することにより、カメラボディの回転角度を検出することができる。
【0062】
ステップ308では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置R(X,Y )を、視線検出手段40からの信号に基づき検出して(図28参照)、ステップ309に進む。
ステップ309では、初期の視線位置からの視線変位量(X−X0)とレンズCPU12から得られた撮影レンズの焦点距離fに応じて、被写界側での視線回転量Waを検出する。すなわち、
Wa=TAN−1((X−X0)/f) …(7)
または、倍率Bと被写体距離dを使って表現してもよい。すなわち、
Wa=TAN−1((X−X0)/(d・B)) …(8)
【0063】
ステップ310では、合焦以降の回転量検出手段63からのパルス信号を回転方向に応じて積算することにより、合焦した被写体90に対するカメラボディ20の回転量Wcを検出して(図29参照)、ステップ311に進む。
ステップ311では、視線回転量Waがカメラ回転量Wcと一致していない場合はステップ301に戻り、一致している場合にはステップ312に進む。
ただし、一致判定には多少マージンをもたせることが好ましい。また、視線位置のY方向の変位(Y−YO)が所定値以上となった場合には、回転量にかかわらずステップ301に戻る。
ステップ312では、測光手段29からの測光値を合焦直後の値に保持し、ステップ308に戻る。
【0064】
以上の動作により、合焦した後のカメラの回転量と視線の回転量が一致している間、すなわち構図は変更しているが同一被写体を見ている場合は、自動的に測光値および焦点調節状態が合焦時と同じ状態にロックされるので、従来のように合焦後フォーカスロック、AEロック操作を行ったり、合焦後フォーカスロック、AEロックするモードとそうでないモードを切り替えて使用する必要がなくなる。
また、この実施例では画面横方向のみの回転量を検出していたが、画面縦方向の回転量検出を行ってもよい。
さらに、カメラボディ回転量検出手段の構成は、上記実施例に限定されず、ジャイロ等を利用したものでもよい。
【0065】
(第6の実施例)
図30は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第6の実施例の動作を示す流れ図である。
ステップ400では、レリーズボタン11の半押し動作でCPU1は動作を開始する。
ステップ401では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置を、視線検出手段40からの信号に基づき検出する。
この実施例では、一回の焦点検出シーケンスに一度視線位置を検出しているが、焦点検出シーケンスとは独立なタイミング(例えば、所定時間毎のタイマー割り込み)で視線位置検出を行うようにしてもよい。また、視線位置のかわりに注視位置としてもよい。
ステップ402では、検出された視線位置がファインダー画面上に表示手段23によって表示されるスケール232の位置(図32参照)と一致していない場合は、ステップ401に戻り、一致している場合にはステップ403に進む。
ただし、位置の一致判定には多少マージンをもたせることが好ましい。また、視線位置のかわりに注視位置と比較するようにしてもよい。
ステップ403では、視線位置の距離表示値(図32では3m)に応じてモータ60を制御し、撮影レンズ11を視線により設定された距離に対応する位置へと駆動し、ステップ401に戻る。
なお、ファインダー画面上には、スケール232以外にPF(パワーフォーカス)とPZ(パワーズーム)を切り替えるためのモード選択表示231があり、前述した動作と同様にして視線により選択することができる。図30に示した動作は、PFが選択された場合の動作である。
【0066】
以上の動作により、ファインダー画面上のスケール上の所望距離を視線により選択することにより、マニュアル操作なしで距離調節することができるので、望遠レンズを手持ちで撮影する場合のように両手が塞がってしまった場合等には便利である。
【0067】
(第7の実施例)
図31は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第7の実施例の動作を示す流れ図である。
ステップ500では、レリーズボタン11の半押し動作でCPU1は動作を開始する。
ステップ501では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置を、視線検出手段40からの信号に基づき検出する。
この実施例では、一回の焦点検出シーケンスに一度視線位置を検出しているが、焦点検出シーケンスとは独立なタイミング(例えば、所定時間毎のタイマー割り込み)で視線位置検出を行うようにしてもよい。また、視線位置のかわりに注視位置としてもよい。
【0068】
ステップ502では、検出された視線位置がファインダー画面上に表示手段23によって表示されるスケール232の位置(図33参照)と一致していない場合はステップ501に戻り、一致している場合にはステップ503に進む。
ただし、位置の一致判定には多少マージンをもたせることが好ましい。また、視線位置のかわりに注視位置と比較するようにしてもよい。
【0069】
ステップ503では、視線位置の焦点距離表示値(図33では50mm)に応じてパワーズーム用のモータ(不図示)を制御し、ズームレンズ(不図示)を視線により設定された焦点距離に対応する位置へと駆動し、ステップ501に戻る。
図31の動作は、モード選択表示231が視線によりPZが選択された場合の動作である。
【0070】
以上の動作により、ファインダー画面上のスケール上の所望焦点距離を視線により選択することにより、マニュアル操作なしで焦点距離調節することができるので、望遠レンズを手持ちで撮影する場合のように、両手が塞がってしまった場合等には便利である。
【0071】
(第8の実施例)
図34は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第8の実施例の動作を示す流れ図である。
ステップ600では、レリーズボタン11の半押し動作でCPU1は動作を開始する。
ステップ601では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置を、視線検出手段40からの信号に基づき検出する。
この実施例では、一回の焦点検出シーケンスに一度視線位置を検出しているが、焦点検出シーケンスとは独立なタイミング(例えば、所定時間毎のタイマー割り込み)で視線位置検出を行うようにしてもよい。また、視線位置のかわりに注視位置としてもよい。
【0072】
ステップ602では、検出された視線位置に応じて焦点検出領域を分割する。すなわち、焦点検出可能範囲Mを予め定められた複数の焦点検出領域に分割する際の境界線v1,h1(図36参照)近傍に視線位置が存在する場合には、主要被写体が複数の焦点検出領域に分割されて焦点検出が行われ、他の被写体の影響を受けやすいので、視線位置が分割された焦点検出領域のほぼ中央に位置するように、複数の焦点検出領域に分割する際の境界線を変更する(図35参照)。
ステップ603では、分割された複数の焦点検出領域において、それぞれ焦点検出を行い、複数の焦点検出結果の中から所定のアルゴリズム(例えば、視線位置が存在する焦点検出領域の結果の重みを増した加重平均)によって、最終的に一つの結果を出し、ステップ601に戻る。
【0073】
以上の動作により、焦点検出可能範囲を複数の領域に分割して焦点検出する場合に、常時視線位置を中心とした焦点検出領域を設定することができるので、撮影者が観察している主要被写体に対して、正確な焦点検出結果を得ることができる。
【0074】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、視線検出が不可能であるときには、撮影画面の中央に対応する領域または過去の焦点検出で用いられた焦点検出領域で焦点検出を行うので、被写体の存在する確率が高い領域で焦点検出ができる。
また、視線検出が不可能であるときには、焦点検出領域の大きさを拡大するので、焦点検出領域内に被写体を補足する可能性を高めることができる。
さらに、撮影者がメガネ等の光学系を装着したときにように、視線検出手段と撮影者眼との間に光学系があることを検出した場合には、視線検出結果を無効とし、撮影画面の中央に対応する領域で焦点検出を行うので、検出した視線位置に誤差が生じた場合でも被写体の存在する確率が高い領域で焦点検出ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による視線検出装置を有するカメラの第1の実施例を示したブロック図である。
【図2】第1の実施例に係るカメラに内蔵される焦点検出手段の構成を示した斜視図である。
【図3】第1の実施例に係るカメラの焦点検出領域の表示例を示した図である。
【図4】第1の実施例に係るカメラの焦点検出領域の表示例を示した図である。
【図5】第1の実施例に係るカメラに使用する回転量検出手段を示した正面図である。
【図6】第1の実施例に係るカメラに使用する回転量検出手段のエンコーダを示した平面図である。
【図7】第1の実施例に係るカメラに使用する回転量検出手段の検出部を示した図である。
【図8】第1の実施例に係るカメラに使用する視線検出手段を示した図である。
【図9】第1の実施例に係るカメラの視線位置における反射効率を説明するための図である。
【図10】第1の実施例に係るカメラのメガネ検出手段の構成例を示す平面図である。
【図11】第1の実施例に係るカメラのメガネ検出手段の構成例を示す正面図である。
【図12】第1の実施例に係るカメラのメガネ検出手段の変形例を示す平面図である。
【図13】第1の実施例に係るカメラのメガネ検出手段の変形例を示す平面図である。
【図14】第1の実施例に係るカメラのCPUの動作を示す流れ図である。
【図15】視線位置の変動の態様を示した図である。
【図16】視線位置の変動量の検出方法を説明するための図である。
【図17】視線位置の変動量の検出方法を説明するための図である。
【図18】視線位置の変動量の検出方法を説明するための図である。
【図19】視線位置の変動量の検出方法を説明するための図である。
【図20】焦点検出領域の設定方法を説明するための図である。
【図21】焦点検出領域の設定方法を説明するための図である。
【図22】焦点検出領域の設定方法を説明するための図である。
【図23】焦点検出領域の設定方法を説明するための図である。
【図24】本発明による視線検出装置を有するカメラの第2の実施例の動作を示す流れ図である。
【図25】本発明による視線検出装置を有するカメラの第3の実施例の動作を示す流れ図である。
【図26】本発明による視線検出装置を有するカメラの第4の実施例の動作を示す流れ図である。
【図27】本発明による視線検出装置を有するカメラの第5の実施例の動作を示す流れ図である。
【図28】第5の実施例に係るカメラの視線位置の検出方法を説明する図である。
【図29】第5の実施例に係るカメラの回転量検出手段を説明する図である。
【図30】本発明による視線検出装置を有するカメラの第6の実施例の動作を示す流れ図である。
【図31】本発明による視線検出装置を有するカメラの第7の実施例の動作を示す流れ図である。
【図32】第7の実施例に係るカメラの表示手段によって表示されるスケールを説明する図である。
【図33】第7の実施例に係るカメラの表示手段によって表示されるスケールを説明する図である。
【図34】本発明による視線検出装置を有するカメラの第8の実施例の動作を示す流れ図である。
【図35】第8の実施例に係るカメラの焦点検出領域の分割方法を説明する図である。
【図36】従来の視線検出装置を有するカメラの問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1 CPU
11 撮影レンズ
20 ボディ
30 焦点検出手段
40 視線検出手段
50 メガネ検出手段
63 回転量検出手段
【産業上の利用分野】
本発明は、撮影者の視線位置を検出可能なカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮影者の視線が撮影画面においてどの位置にあるのかを検出する視線検出装置を備えたカメラが知られている(特開平1ー241511号)。また、検出された視線位置において焦点検出を行うカメラが知られている(特開平1ー190177号)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した従来の技術では、視線検出が不可能であるときには、撮影画面の中央に対応する領域または過去の焦点検出で用いられた焦点検出領域で焦点検出を行っていなかった。
また、視線検出が不可能であるときには、焦点検出領域の大きさを拡大することは行っていなかった。
さらに、視線位置の検出を行う場合に、撮影者がメガネ等を装着していると、メガネレンズ面の反射が原因となり、検出された視線位置に誤差を生じてしまうという問題があった。この問題はメガネ以外の光学系、例えばコンタクトレンズや視度調整用アダプタ等がある場合でも同様なことが起こり得る。
【0004】
本発明の第1の目的は、視線検出が不可能であるときには、撮影画面の中央に対応する領域または過去の焦点検出で用いられた焦点検出領域で焦点検出を行う視線検出装置を有すカメラを提供することである。
本発明の第2の目的は、視線検出が不可能であるときには、焦点検出領域の大きさを拡大する視線検出装置を有するカメラを提供することである。
本発明の第3の目的は、撮影者がメガネ等を装着している場合には、撮影画面の中央に対応する領域で焦点検出を行う視線検出装置を有するカメラを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、撮影レンズと、前記撮影レンズにより形成される撮影画面における撮影者の視線位置を検出する視線検出手段と、前記撮影画面上に設けられた複数の焦点検出領域のうち前記視線検出手段によって検出された視線位置に対応する焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出手段と、被写体を観察するためのファインダーを介し、前記被写体に重畳して焦点検出領域を表示する表示手段と、を含む視線検出装置を有するカメラにおいて、前記視線検出手段による視線検出が不可能であるときには、前記複数の焦点検出領域のうち前記撮影画面の中央に対応する焦点検出領域において、該焦点検出領域の大きさを拡大して焦点検出を行うとともに、前記表示手段により前記焦点検出領域を表示することを特徴とする視線検出装置を有するカメラである。
請求項2の発明は、撮影レンズと、前記撮影レンズにより形成される撮影画面における撮影者の視線位置を検出する視線検出手段と、前記撮影画面上に設けられた複数の焦点検出領域のうち前記視線検出手段によって検出された視線位置に対応する焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出手段と、被写体を観察するためのファインダーを介し、前記被写体に重畳して焦点検出領域を表示する表示手段と、を含む視線検出装置を有するカメラにおいて、前記視線検出手段による視線検出が不可能であるときには、過去の焦点検出で用いられた焦点検出領域で焦点検出を行うとともに、前記表示手段により前記焦点検出領域を表示することを特徴とする視線検出装置を有するカメラである。
【0006】
請求項3の発明は、撮影レンズと、前記撮影レンズにより形成される撮影画面における撮影者の視線位置を検出する視線検出手段と、前記視線検出手段と撮影者眼との間に光学系が介在するか否かを検出する光学系検出手段と、前記撮影画面上に設けられた複数の焦点検出領域のうち前記視線検出手段によって検出された視線位置に対応する焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出手段と、被写体を観察するためのファインダーを介し、前記被写体に重畳して焦点検出領域を表示する表示手段と、を含む視線検出装置と有するカメラにおいて、前記光学系検出手段が前記光学系を検出したときには、前記複数の焦点検出領域のうち前記撮影画面の中央に対応する焦点検出領域において、該焦点検出領域の大きさを拡大して焦点検出を行うとともに、前記表示手段により前記焦点検出領域を表示することを特徴とする視線検出装置を有するカメラである。
【0007】
【作用】
本発明によれば、視線検出が不可能であるときには、撮影画面の中央に対応する領域または過去の焦点検出で用いられた焦点検出領域で焦点検出を行うことができる。
また、視線検出が不可能であるときには、焦点検出領域の大きさを拡大することができる。
さらに、撮影者がメガネ等の光学系を装着したときのように、視線検出手段と撮影者眼との間に光学系があることを検出した場合には、撮影画面の中央に対応する領域で焦点検出を行うことができる。
【0008】
【実施例】
(第1の実施例)
以下、図面等を参照して、実施例につき、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第1の実施例を示したブロック図である。
レンズ鏡筒10は、カメラボデイ20に対して交換可能であって、着脱自在にマウントすることができる。レンズ鏡筒10には、撮影レンズ11が内蔵されている。この撮影レンズ11は、光軸方向の移動により焦点調節可能なレンズである。
【0009】
レンズ鏡筒10をカメラボディ20に装着した場合には、被写体から到来する撮影光束は、撮影レンズ11を通って、カメラボデイ20に設けられたメインミラー21に導かれる。
撮影光束の一部は、メインミラー21によってファインダー側に反射され、表示手段23、スクリーン24、ペンタプリズム25、接眼レンズ26を通ることにより、撮影者によりスクリーン像が観察される。
撮影光束の他の一部は、メインミラー21を透過して、サブミラー22によって反射され、焦点検出用の光束として、焦点検出手段30に導かれる。
【0010】
また、カメラボディ20の内部には、接眼レンズ26付近に、後述する視線検出手段40、メガネ検出手段50及びシャッター手段27のほか、不図示の巻き上げ手段等公知のカメラ内部機構が配置されている。
測光手段29は、ハーフミラー28により分岐したファインダー光束により、撮影画面内において中央部のスポット測光又は中央重点測光を行っている。
【0011】
図2は、第1の実施例に係るカメラに内蔵される焦点検出手段の構成を示した斜視図である。
焦点検出手段30は、2次元的な開口部31Aを有する視野マスク31と、フィールドレンズ32と、一対の開口部33A、33Bを有する絞りマスク33と、一対の再結像レンズ34A、34Bと、2次元的に受光素子を配置した受光部35A、35Bを有する光電変換手段35とから構成されている。
【0012】
撮影レンズ11の射出瞳12には、光軸13に対して対称な1対の領域12A、12Bが含まれており、これらの領域12A、12Bを通る光束は、視野マスク31付近で一次像を形成する。この視野マスク31は、図3に示すように、焦点検出可能範囲Mに対応した開口を有している。
視野マスク31の開口部31Aに形成された一次像は、フィールドレンズ32、絞りマスク33の1対の開口33A、33B及び1対の再結像レンズ34A、34Bによって、光電変換手段35の1対の受光部35A、35Bに、1対の二次像として形成される。
光電変換手段35は、1対の二次像が受光部35A、35Bの並び方向の相対的位置関係を、その光電変換手段35が発生する被写体像信号を用いて検出することにより、撮影レンズ11のデフォーカス量を検出することができる。
【0013】
光電変換手段35の受光部35A、35Bは、図3に示すように、画面N上において領域Mの部分をカバーしており、この領域Mが焦点検出の可能な範囲となる。
前述した位置関係は、撮影画面上の指定された位置Pと指定された大きさの領域Qにおいて検出することができ、焦点検出の可能な領域Mの内部では、任意の位置と大きさの焦点検出領域によって焦点検出を行うことができる。例えば、後述する視線位置検出の結果に基づいて、焦点検出領域を任意に変更することが可能になる。
【0014】
図1に示したCPU1は、後述するメガネ検出処理、視線検出処理、焦点検出処理、測光処理、回転量検出処理、操作検出処理及びレンズ駆動制御、シャッター制御、表示制御等を行う演算処理手段である。
焦点検出手段30の受光部35A、35Bの出力は、CPU1に接続されており、このCPU1では、前述した2像の位置関係からデフォーカス量を求めるための焦点検出演算が行われる。CPU1は、得られたデフォーカス量に応じてモータ60を制御して、撮影レンズ11を合焦位置まで駆動する。
また、レンズ側のCPU12は、レンズ鏡筒10に内蔵されており、ボディ側のCPU1に対して、各種レンズデータ(焦点距離等)を送信する。
【0015】
また、焦点検出領域及び焦点検出結果は、表示手段23によってファインダー画面上に表示される。表示手段23の表示は、例えば非合焦中には、図3に示すように、焦点検出領域Qが網掛け表示され、合焦後には、図4に示すように、焦点検出領域Q’ の内部が透明で枠取りのみとなるようにすることができる。
【0016】
レリーズボタン61は、解放状態からの半押し操作によって、CPU1の動作がリセットされ、撮影待機の状態になる。また、レリーズボタン61は、全押し操作によって、通常モードでは、CPU1に対しシャッター手段27による露光動作の起動をかける。ただし、AF優先モードでは、全押しされた場合であっても、合焦するまではシャッター手段27による露光動作は起動されない。
【0017】
操作手段62は、後述する視線ワンショット焦点検出モードと、視線コンティニュアス焦点検出モードを選択する手段であって、CPU1は、この操作手段62の選択に応じて、動作モードを切り替える。
ここで、視線ワンショット焦点検出モードとは、レリーズボタン61の半押し操作後に初めて検出された注視位置に焦点検出領域を固定するモードであって、視線コンティニュアス焦点検出モードとは、常時注視位置に焦点検出領域を設定するモードである。
【0018】
回転量検出手段63は、ボディ20の回転量を検出する手段であって、回転量の情報は、CPU1に送出される。
図5〜図7は、実施例に係るカメラに使用する回転量検出手段を示した図であって、図5は正面図、図6はエンコーダを示した平面図、図7は検出部を示した図である。
回転量検出手段63は、ボディ20の底面に配置されている。このとき、ボディ20は、三脚70の三脚座71に三脚メネジ64B、三脚オネジ64Aによって取り付けられている。
この三脚座71の上面には、図6に示すように、三脚オネジ64Aを中心として、円周方向に高反射部73と低反射部72とからなるエンコーダが形成されている。
【0019】
回転量検出手段63は、図7に示すように、投光部63Aと受光部63Bからなる反射検出型のものが使用されており、ボディ20が三脚ネジ64の回りを回転すると、その回転量が三脚座71のエンコーダとの相対的な移動として、反射光パルス数の形で検出される。
なお、回転方向は、例えば2つの受光部の位置をずらして設置し、2つのパルス信号の位相関係を判別することによって検出することができる。回転量検出手段63は、これに限られることなく、ボディ20の回転量及び回転方向を検出できるものであればよい。
【0020】
図8は、実施例に係るカメラに使用する視線検出手段を示した図である。
視線検出手段40は、赤外光面発光素子41、ハーフミラー42、レンズ43、ダイクロイックミラー44などから構成されている。
赤外光面発光素子41から発光される赤外光は、ハーフミラー42で反射されて、レンズ43、接眼レンズ26中に設置された赤外光を反射するダイクロイックミラー44を通過して、ファインダ観察者の目45に投影される。
この光学系においては、赤外光面発光素子41の発光面がファインダ画面と形状・位置が重なるように前記光学部材の形状及び位置が設定されている。
【0021】
観察者の目45に投影された赤外光は、網膜46で反射され再び接眼レンズ26に戻り、出射するときとは逆の経路をたどり、赤外光反射ダイクロイックミラー44で反射され、レンズ43、ハーフミラー42を通過して、面受光素子47で受光される。
面受光素子47は、2次元のポジションセンサーでもよいし、2次元イメージセンサーでもよい。赤外光面発光素子41の動作は、CPU1により制御され、面受光素子47の出力は、CPU1に送られて処理される。
【0022】
上記構成においては、図9に示すように、視線位置における反射効率は、他の方向よりも高いので、観察者がファインダーのスクリーン24上で視ている位置に対応する面受光素子47上の位置における受光量は、他の領域よりも大きくなる。
ファインダーから入射する外部からの赤外光の影響を除去するために、面発光素子41の発光時と非発光時における面受光素子47の受光量分布の差(図9に示す)を取り、その分布の最大受光量を示す位置Rにより、画面N上での視線位置を検出することができる。また、最大受光量の絶対値が小さい場合は、ファインダーが観察されていないとして視線検出不能と判定することができる。
なお、上記構成において、面発光素子41の代わりに、2次元でビーム走査を行ってもよい。さらに、上記構成以外の視線検出を行ってもよい。
【0023】
図10及び図11は、実施例に係るカメラのメガネ検出手段の構成例を示す図であって、図10は平面図、図11は正面図である。
メガネ検出手段50は、赤外光発光素子51、レンズ52,54、面受光素子55等から構成されている。
赤外光発光素子51から発光した赤外光は、レンズ52を介し、ファインダー観察者に投光される。投光部分S(図11に示す)は、眼球による反射を避けるために、目45より下の部分でメガネ53が存在する部分に設定してある。従って、メガネ検出手段50は、ボディ20において接眼レンズ26の下部に配置するのがよい。
【0024】
通常のファインダー観察位置で観察者がメガネ53をかけていた場合には、図11に示すように、メガネ53の表面で反射され、レンズ54、面受光素子55で受光される。赤外光面発光素子51の動作は、CPU1により制御され、面受光素子55の出力は、CPU1に送られて処理される。
なお、メガネ53に対する投光角度は、反射率が高くなるようにメガネ53の表面に対して浅い角度で入射するように設定されている。また、面受光素子55は、2次元ポジションセンサーや2次元イメージセンサーでもよい。
【0025】
上記構成において、メガネ53が存在していた場合には、特定方向の反射が他の方向よりも高くなるので、面受光素子55上の小領域での受光量が他の部分よりも突出して大きくなる。
外部から入射する赤外光の影響を除去するために、面発光素子51の発光時と非発光時の面受光素子55の受光量分布の差を取り、その分布の最大受光量が所定値以上であって、1つの小領域に集中していた場合に、メガネ53があると判定することができる。また、通常メガネ53をかけていない場合においても、観察者の肌により若干の反射があるので、最大受光量が極端に小さい場合には、ファインダーが観察されていないと判定することができる。
【0026】
また、上記構成においては、赤外光面発光素子51を1つ配置していたが、ファインダーとメガネ53の間の距離やメガネ53の前面の角度の違いにより、反射方向がばらついて誤検出する恐れがあるので、2次元的に投光ビームの方向を走査してもよい。
【0027】
メガネ検出手段50は、図12に示すように、赤外発光素子51A、51B、51Cと、レンズ52A、52B、52Cにより複数の方向に投光するようにしてもよい。
また、図13に示すように、1つの赤外発光素子51と、一体的に形成されたレンズ52A、52B、52Cにより、複数の方向に投光するようにしてもよい。
【0028】
図14は、実施例に係るカメラのCPUの動作を示す流れ図である。
ステップ100では、レリーズボタン11の半押し動作によって、CPU1は動作を開始する。
ステップ101では、ファインダーを観察している撮影者がメガネ53をつけていることを、メガネ検出手段50からの信号に基づいて検出する。
ステップ102では、メガネ53が検出された場合には、ステップ103以降の視線検出が誤検出する恐れがあるので、視線検出を行わずステップ112に進む。また、メガネが検出されない場合には、ステップ103に進む。
【0029】
ステップ103では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置を、視線検出手段40からの信号に基づいて検出する。このフローチャートでは、一回の焦点検出シーケンスに、一度視線位置を検出しているが、焦点検出シーケンスとは独立なタイミング(例えば、所定時間毎のタイマー割り込み)によって視線位置検出を行うようにしてもよい。
ステップ104では、視線位置の検出が不能か否かを判断して、検出不能の場合にはステップ109に進む。また、検出可能な場合には、ステップ105に進む。
【0030】
ステップ105では、視線位置の変動量を検出する。
ここで、視線位置の変動量検出の方法について説明する。
図15は、視線位置の変動の態様を示した図である。画面Nの左側が視線位置の変動が大きい場合、右側が変動が小さい場合を示している。
R(X0,Y0 )=R0 :最新の視線位置
R(X1,Y1 )=R1 :1回前の視線位置検出時の視線位置
・
・
R(Xn,Yn )=Rn :n回前の視線位置検出時の視線位置
【0031】
(変動量検出方法1)
図16に示した変動量の検出方法では、所定時間内で視線位置が動いた距離の積分値を変動量のパラメータPとする。すなわち、
(1)式において、視線位置Ri は現在から所定時間以内のもの(R0 〜Rk )についてとられる。
【0032】
(変動量検出方法2)
図17に示した変動量の検出方法では、所定時間内の視線位置を全て含む外側に凸な外接多角形の面積Fを変動量のパラメータPとする。すなわち、
P=F …(2)
(2)式において、視線位置Ri は現在から所定時間以内のもの(R0 〜Rk )についてとられる。
【0033】
(変動量検出方法3)
図18に示した変動量の検出方法では、所定時間内の視線位置を全て含む外接円の面積または半径Gを変動量のパラメータPとする。すなわち、
P=G …(3)
(3)式において、視線位置Ri は現在から所定時間以内のもの(R0 〜Rk )についてとられる。
【0034】
(変動量検出方法4)
図19に示した変動量の検出方法では、所定時間内の視線位置のx,y方向の最大値と最小値の差Xs、Ysの和または大きい値Hを変動量のパラメータPとする。すなわち、
P=H=Xs+YsまたはMAX(Xs、Ys)
Xs=MAX(X0,X1,・・・ ,Xk)−MIN(X0,X1,・・・ ,Xk)
Ys=MAX(Y0,Y1,・・・ ,Yk)−MIN(Y0,Y1,・・・ ,Yk) …(4)
(4)式において、視線位置Ri は現在から所定時間以内のもの(R0 〜Rk )についてとられる。
【0035】
(変動量検出方法5)
この変動量の検出方法では、所定時間内の視線位置のX,Y方向の標準偏差σx 、σy の和または最大値σを変動量のパラメータPとする。すなわち、
P=σ=σx +σy またはMAX(σx 、σy )
(5)式において、視線位置Ri は現在から所定時間以内のもの(R0 〜Rk )についてとられる。
【0036】
図14に戻って、ステップ106では、視線変動量Pと所定値K1を比較し、視線変動量Pが大きい場合にはステップ109に進み、小さい場合にはステップ107に進む。
ステップ107では、視線変動量Pが小さい場合に撮影者が注視状態である判定をし、視線位置S(X,Y )に基づき注視位置を検出する(図15参照)。
【0037】
注視位置の検出方法は、以下のものがあげられる。
(注視位置検出方法1)
所定時間内の視線位置を全て含む外側に、凸な外接多角形の面積Fの重心位置を注視位置S(X,Y )とする。
(注視位置検出方法2)
所定時間内の視線位置を全て含む外接円の中心位置を、注視位置S(X,Y )とする。
(注視位置検出方法3)
所定時間内の視線位置のX,Y方向の最大値と最小値の平均を、注視位置S(X,Y )とする。すなわち、
(6)式において、視線位置Ri は現在から所定時間以内のもの(R0 〜Rk )についてとられる。
(注視位置検出方法4)
所定時間内の視線位置のX,Y方向の平均値μx,μy((5)式)を注視位置S(X,Y )とする。
【0038】
再び、図14に戻って、ステップ108では、注視位置S(X,Y )が焦点検出可能範囲M外か否かを判断し、焦点検出可能範囲M外である場合には、ステップ109に進む(図20参照)。注視位置S(X,Y )が焦点検出可能範囲M内である場合には、ステップ110に進む。
ステップ109では、このステップに突入してからの経過時間が測定され、経過時間が所定時間以内の場合には、ステップ111に進み、所定時間以上の場合は112に進む。
【0039】
ステップ110では、焦点検出位置Pを注視位置S(X,Y )として、ステップ113に進む。従って、撮影者の視線位置の変動が少ない場合には、注視位置で焦点検出が行われる。
ステップ111では、焦点検出位置Pを前回の焦点検出位置として、ステップ115に進む。従って、視線位置が検出不能、または視線の変動量が大きい、または注視位置が焦点検出可能範囲外であり、かつ前記状態になってから所定時間以内の場合には、前記状態になる直前の焦点検出位置で焦点検出が行われる(図20参照)。
ステップ112では、焦点検出位置Pを中央位置として、ステップ115に進む。従って、視線位置が検出不能、または視線の変動量が大きい、または注視位置が焦点検出可能範囲外であり、かつ前記状態になってから所定時間以上経過した場合、あるいはメガネありと判定された場合は、強制的に画面中央位置で焦点検出が行われる(図20参照)。
【0040】
次に、ステップ113では、視線変動量Pと所定値K2(<K1)を比較し、視線変動量Pが大きい場合にはステップ115に進み、小さい場合には114に進む。
ステップ114では、焦点検出領域Qを焦点検出位置Pの回りの小領域に設定する(図21参照)ととにも、自動焦点調節モードを合焦後にフォーカスロックを行うAFワンショットモードとして、ステップ116に進む。
従って、視線位置の変動が極めて少ない場合には、注視位置でスポット的な焦点検出が行われるとともに、被写体が静止しているか、または構図の変更がなされていないと判定されて、合焦後にフォーカスロックされるモードとなる。
【0041】
ステップ115では、焦点検出領域Qを焦点検出位置Pの回りの大領域に設定する(図22参照)とともに、自動焦点調節モードを合焦後にフォーカスロックせずに、サーボを継続するAFコンティニュアスモードとして、ステップ116に進む。
従って、視線位置の変動が極めて少ないか、または視線位置が検出不能もしくは視線位置の変動量が大きい、または注視位置が焦点検出可能範囲外またはメガネありの場合には、注視位置を中心とした広領域で焦点検出が行われる。また、被写体が移動しているか、または構図の変更がなされていると判定されて、合焦後もレンズ駆動を継続するモードとなる。
【0042】
ステップ116では、設定された焦点検出領域を表示手段23により画面上に表示し、ステップ117に進む。
ステップ117では、設定されているAFモードがAFコンティニュアスモードか否かを判定し、AFコンティニュアスモードの場合には、ステップ118に進み、AFワンショットモードの場合には、ステップ119に進む。
ステップ118では、合焦フォーカスロックフラグをリセットして、ステップ120に進む。
ステップ119では、合焦フォーカスロックフラグがセットされていた場合には、焦点検出およびレンズ駆動を行わず、ステップ126に進み、セットされていない場合には、ステップ120に進む。
ステップ120では、設定された焦点検出領域に対応して光電変換手段35からの出力信号を用いて、周知の焦点検出演算を行い、焦点検出結果(デフーカス量)を得て、ステップ121に進む。
ステップ121では、焦点検出結果を表示手段23により画面上に表示し、ステップ122に進む。
【0043】
ステップ122では、焦点検出結果(デフォーカス量)が合焦であるか否かを判定し、合焦である場合にはステップ124に進み、非合焦である場合にはステップ123に進む。
ステップ123では、焦点検出結果(デフォーカス量)に応じて、モータ60を制御し、撮影レンズ11を合焦点へと駆動して、ステップ126に進む。
ステップ124では、設定されているAFモードがAFコンティニュアスモードであるか否かを判定し、AFコンティニュアスモードの場合には、ステップ126に進み、AFワンショットモードの場合には、ステップ125に進む。ステップ125では、合焦ロックフラグをセットしステップ126に進む。
【0044】
ステップ126では、操作手段62の設定状態が視線ワンショット焦点検出モードであるか否かを判定し、視線ワンショット焦点検出モードである場合は、ステップ127に進み、視線コンティニュアス焦点検出モードである場合にはステップ101に戻る。
従って、視線コンティニュアス焦点検出モードでは常時注視位置を検出し、注視位置が検出された場合は、その位置で焦点検出が行われることになる(図23参照)。
【0045】
ステップ127では、今回設定された焦点検出領域が小領域である場合はステップ128に進み、小領域でない場合はステップ101に戻る。
従って、視線ワンショット焦点検出モードの場合でも、視線位置の変動が極めて少なくならない限り、常時注視位置を検出し、注視位置が検出された場合は、その位置で焦点検出が行うことになる。
【0046】
ステップ128では、焦点検出位置Pを前回の焦点検出位置とし、ステップ129に進む。
ステップ129では、焦点検出領域を前回の焦点検出領域、すなわち焦点検出位置Pの回りの小領域とし、ステップ116に戻る。
従って、視線ワンショット焦点検出モードでは、一旦視線位置の変動が極めて少なくなると、焦点検出位置と焦点検出領域の大きさを固定することになる(図3参照。)
【0047】
(第2の実施例)
図24は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第2の実施例の動作を示す流れ図である。
なお、この実施例では、図14に示す実施例の流れ図のステップ126〜129を変更して、ステップ119,123,124,125よりステップ130に進む。
【0048】
すなわち、ステップ130では、焦点検出の結果に基づいて、合焦でない場合はステップ101へ戻り、合焦の場合はステップ131に進む。
従って、非合焦中は常時注視位置を検出し、注視位置が検出された場合は、その位置で焦点検出が行われることになる(図23参照)。
【0049】
ステップ131では、焦点検出位置Pを前回の焦点検出位置とし、ステップ132に進む。
ステップ132では、焦点検出領域を前回の焦点検出領域、すなわち焦点検出位置Pの回りの小領域とし、ステップ133に進む。
ステップ133では、設定された焦点検出領域を表示手段23により画面上に表示し、ステップ134に進む。
ステップ134では、設定された焦点検出領域に対応した光電変換手段35からの出力信号を用いて周知の焦点検出演算を行い、焦点検出結果(デフォーカス量)を得て、ステップ135に進む。
ステップ135では、焦点検出結果を表示手段23により画面上に表示し、ステップ136に進む。
ステップ136では、焦点検出結果(デフォーカス量)に応じて、モータ60を制御し、撮影レンズ11を合焦点へと駆動して、ステップ131に戻る。
【0050】
以上の動作により一旦合焦すると、合焦が得られた時点での焦点検出位置と焦点検出領域の大きさがそれ以後も固定されて使用されることになる。
また、ステップ136を省略すれば、一旦合焦するとレンズ駆動を禁止することができる。
【0051】
(第3の実施例)
図25は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第3の実施例の動作を示す流れ図である。
図25(A)において、ステップ200では、レリーズボタン11の半押し動作でCPU1は動作を開始する。
ステップ201では、予め固定して設定された位置および大きさを有する焦点検出領域に対応した光電変換手段35からの出力信号を用いて周知の焦点検出演算を行い、焦点検出結果(デフォーカス量)を得て、ステップ202に進む。
ステップ202では、焦点検出結果を表示手段23により画面上に表示し、ステップ203に進む。
ステップ203では、焦点検出結果(デフォーカス量)に応じて、モータ60を制御し、撮影レンズ11を合焦点へと駆動して、ステップ204に進む。
ステップ204では、焦点検出の結果に基づいて、合焦でない場合はステップ201へ戻り、合焦の場合はステップ205に進む。従って、非合焦中は常時焦点検出をし、その結果に応じてレンズ駆動が行われることになる。
【0052】
ステップ205では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置を、視線検出手段40からの信号に基づき検出する。
この実施例では、一回の焦点検出シーケンスで一度視線位置を検出しているが、焦点検出シーケンスとは独立なタイミング(例えば、所定時間毎のタイマー割り込み)で視線位置検出を行うようにしてもよい。
ステップ206では、検出された視線位置が、焦点検出位置と一致していない場合はステップ205に戻り、一致している場合にはステップ207に進む。
ただし、位置の一致判定には多少マージンをもたせる。また、視線位置のかわりに注視位置と比較するようにしてもよい。
【0053】
ステップ207では、このステップに突入してからの経過時間が測定され、経過時間が所定時間以内の場合には、ステップ205に戻り、所定時間以上の場合はステップ208に進む。
ステップ208では、シャッター手段17による露光動作を起動する。
【0054】
以上の動作により合焦した後に、合焦が得られた焦点検出位置に一定時間以上視線が保持された場合は、自動的に露光動作を行うことができる。
また、以上の説明では、焦点検出位置が固定されていたが、視線ワンショット焦点検出モードで焦点検出位置を決定してもよい。
【0055】
図25(B)は、図25(A)の変形例を示したものであって、ステップ208を省略して、ステップ207において、合焦した後に合焦が得られた焦点検出位置に、一定時間以上視線が保持された場合は、ステップ209でフォーカスロックするようにしたものである。
【0056】
また、合焦前には視線位置に応じて焦点検出位置を変更するようにしておき、ステップ208のかわりに、焦点検出位置と領域の大きさを固定するようにしてステップ201に戻るようにすれば、合焦した後に合焦が得られた焦点検出位置に、一定時間以上、視線が保持された場合に焦点検出領域をロックするようにしてもよい。
【0057】
(第4の実施例)
図26は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第4の実施例の動作を示す流れ図である。
この実施例では、図25(A)に示した実施例の流れ図のステップ204以降を変更して、ステップ203よりステップ210に進む。
【0058】
ステップ210では、焦点検出の結果、合焦でない場合はステップ201へ戻り、合焦の場合はステップ211に進む。
従って、非合焦中は常時焦点検出し、その結果に応じてレンズ駆動が行われることになる。
ステップ211では、このステップに突入してからの経過時間が測定され、経過時間が所定時間以内の場合はステップ201に戻り、所定時間以上の場合は212に進む。従って、合焦後所定時間は常時焦点検出し、その結果に応じてレンズ駆動が行われることになる。
ステップ212では、シャッター手段17による露光動作を起動し、ステップ213に進む。
ステップ213では、露光動作の終了を待機し、ステップ201へ戻る。
【0059】
以上の動作により合焦した後に一定時間以上合焦が保持された場合は、自動的に露光動作を行うことができるので、従来のように合焦後、直ちに露光動作をした場合に、構図を決める余裕がなかったり、露光動作と焦点調節動作を独立に動作した場合に、操作部材が増え操作が複雑になるといった欠点を解決できる。
【0060】
(第5の実施例)
図27は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第5の実施例の動作を示す流れ図である。
ステップ300では、レリーズボタン11の半押し動作によって、CPU1は動作を開始する。
ステップ301では、予め固定して設定された位置および大きさを有する焦点検出領域に対応した光電変換手段35からの出力信号を用いて周知の焦点検出演算を行い、焦点検出結果(デフォーカス量)を得て、ステップ302に進む。
ステップ302では、焦点検出結果を表示手段23により画面上に表示し、ステップ303に進む。
ステップ303では、焦点検出結果(デフォーカス量)に応じて、モータ60を制御し、撮影レンズ11を合焦点へと駆動して、ステップ304に進む。
ステップ304では、焦点検出の結果、合焦でない場合はステップ301へ戻り、合焦の場合はステップ305に進む。
従って、非合焦中は常時焦点検出し、その結果に応じてレンズ駆動が行われることになる。
ステップ305では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置を、視線検出手段40からの信号に基づき検出する。
この実施例では、一回の焦点検出シーケンスに一度視線位置を検出しているが、焦点検出シーケンスとは独立なタイミング(例えば、所定時間毎のタイマー割り込み)で視線位置検出を行うようにしてもよい。
【0061】
ステップ306では、合焦直後に検出された視線位置を視線の初期位置R(X0,Y0 )として、ステップ307に進む。なお、視線位置のかわりに注視位置としてもよい。
ステップ307では、合焦状態に遷移したことにより、カメラの回転量を初期化し、ステップ308に進む。従って、これ以降の回転量検出手段63からのパルス信号を回転方向に応じて積算することにより、カメラボディの回転角度を検出することができる。
【0062】
ステップ308では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置R(X,Y )を、視線検出手段40からの信号に基づき検出して(図28参照)、ステップ309に進む。
ステップ309では、初期の視線位置からの視線変位量(X−X0)とレンズCPU12から得られた撮影レンズの焦点距離fに応じて、被写界側での視線回転量Waを検出する。すなわち、
Wa=TAN−1((X−X0)/f) …(7)
または、倍率Bと被写体距離dを使って表現してもよい。すなわち、
Wa=TAN−1((X−X0)/(d・B)) …(8)
【0063】
ステップ310では、合焦以降の回転量検出手段63からのパルス信号を回転方向に応じて積算することにより、合焦した被写体90に対するカメラボディ20の回転量Wcを検出して(図29参照)、ステップ311に進む。
ステップ311では、視線回転量Waがカメラ回転量Wcと一致していない場合はステップ301に戻り、一致している場合にはステップ312に進む。
ただし、一致判定には多少マージンをもたせることが好ましい。また、視線位置のY方向の変位(Y−YO)が所定値以上となった場合には、回転量にかかわらずステップ301に戻る。
ステップ312では、測光手段29からの測光値を合焦直後の値に保持し、ステップ308に戻る。
【0064】
以上の動作により、合焦した後のカメラの回転量と視線の回転量が一致している間、すなわち構図は変更しているが同一被写体を見ている場合は、自動的に測光値および焦点調節状態が合焦時と同じ状態にロックされるので、従来のように合焦後フォーカスロック、AEロック操作を行ったり、合焦後フォーカスロック、AEロックするモードとそうでないモードを切り替えて使用する必要がなくなる。
また、この実施例では画面横方向のみの回転量を検出していたが、画面縦方向の回転量検出を行ってもよい。
さらに、カメラボディ回転量検出手段の構成は、上記実施例に限定されず、ジャイロ等を利用したものでもよい。
【0065】
(第6の実施例)
図30は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第6の実施例の動作を示す流れ図である。
ステップ400では、レリーズボタン11の半押し動作でCPU1は動作を開始する。
ステップ401では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置を、視線検出手段40からの信号に基づき検出する。
この実施例では、一回の焦点検出シーケンスに一度視線位置を検出しているが、焦点検出シーケンスとは独立なタイミング(例えば、所定時間毎のタイマー割り込み)で視線位置検出を行うようにしてもよい。また、視線位置のかわりに注視位置としてもよい。
ステップ402では、検出された視線位置がファインダー画面上に表示手段23によって表示されるスケール232の位置(図32参照)と一致していない場合は、ステップ401に戻り、一致している場合にはステップ403に進む。
ただし、位置の一致判定には多少マージンをもたせることが好ましい。また、視線位置のかわりに注視位置と比較するようにしてもよい。
ステップ403では、視線位置の距離表示値(図32では3m)に応じてモータ60を制御し、撮影レンズ11を視線により設定された距離に対応する位置へと駆動し、ステップ401に戻る。
なお、ファインダー画面上には、スケール232以外にPF(パワーフォーカス)とPZ(パワーズーム)を切り替えるためのモード選択表示231があり、前述した動作と同様にして視線により選択することができる。図30に示した動作は、PFが選択された場合の動作である。
【0066】
以上の動作により、ファインダー画面上のスケール上の所望距離を視線により選択することにより、マニュアル操作なしで距離調節することができるので、望遠レンズを手持ちで撮影する場合のように両手が塞がってしまった場合等には便利である。
【0067】
(第7の実施例)
図31は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第7の実施例の動作を示す流れ図である。
ステップ500では、レリーズボタン11の半押し動作でCPU1は動作を開始する。
ステップ501では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置を、視線検出手段40からの信号に基づき検出する。
この実施例では、一回の焦点検出シーケンスに一度視線位置を検出しているが、焦点検出シーケンスとは独立なタイミング(例えば、所定時間毎のタイマー割り込み)で視線位置検出を行うようにしてもよい。また、視線位置のかわりに注視位置としてもよい。
【0068】
ステップ502では、検出された視線位置がファインダー画面上に表示手段23によって表示されるスケール232の位置(図33参照)と一致していない場合はステップ501に戻り、一致している場合にはステップ503に進む。
ただし、位置の一致判定には多少マージンをもたせることが好ましい。また、視線位置のかわりに注視位置と比較するようにしてもよい。
【0069】
ステップ503では、視線位置の焦点距離表示値(図33では50mm)に応じてパワーズーム用のモータ(不図示)を制御し、ズームレンズ(不図示)を視線により設定された焦点距離に対応する位置へと駆動し、ステップ501に戻る。
図31の動作は、モード選択表示231が視線によりPZが選択された場合の動作である。
【0070】
以上の動作により、ファインダー画面上のスケール上の所望焦点距離を視線により選択することにより、マニュアル操作なしで焦点距離調節することができるので、望遠レンズを手持ちで撮影する場合のように、両手が塞がってしまった場合等には便利である。
【0071】
(第8の実施例)
図34は、本発明による視線検出装置を有するカメラの第8の実施例の動作を示す流れ図である。
ステップ600では、レリーズボタン11の半押し動作でCPU1は動作を開始する。
ステップ601では、ファインダーを観察している撮影者の視線位置を、視線検出手段40からの信号に基づき検出する。
この実施例では、一回の焦点検出シーケンスに一度視線位置を検出しているが、焦点検出シーケンスとは独立なタイミング(例えば、所定時間毎のタイマー割り込み)で視線位置検出を行うようにしてもよい。また、視線位置のかわりに注視位置としてもよい。
【0072】
ステップ602では、検出された視線位置に応じて焦点検出領域を分割する。すなわち、焦点検出可能範囲Mを予め定められた複数の焦点検出領域に分割する際の境界線v1,h1(図36参照)近傍に視線位置が存在する場合には、主要被写体が複数の焦点検出領域に分割されて焦点検出が行われ、他の被写体の影響を受けやすいので、視線位置が分割された焦点検出領域のほぼ中央に位置するように、複数の焦点検出領域に分割する際の境界線を変更する(図35参照)。
ステップ603では、分割された複数の焦点検出領域において、それぞれ焦点検出を行い、複数の焦点検出結果の中から所定のアルゴリズム(例えば、視線位置が存在する焦点検出領域の結果の重みを増した加重平均)によって、最終的に一つの結果を出し、ステップ601に戻る。
【0073】
以上の動作により、焦点検出可能範囲を複数の領域に分割して焦点検出する場合に、常時視線位置を中心とした焦点検出領域を設定することができるので、撮影者が観察している主要被写体に対して、正確な焦点検出結果を得ることができる。
【0074】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、視線検出が不可能であるときには、撮影画面の中央に対応する領域または過去の焦点検出で用いられた焦点検出領域で焦点検出を行うので、被写体の存在する確率が高い領域で焦点検出ができる。
また、視線検出が不可能であるときには、焦点検出領域の大きさを拡大するので、焦点検出領域内に被写体を補足する可能性を高めることができる。
さらに、撮影者がメガネ等の光学系を装着したときにように、視線検出手段と撮影者眼との間に光学系があることを検出した場合には、視線検出結果を無効とし、撮影画面の中央に対応する領域で焦点検出を行うので、検出した視線位置に誤差が生じた場合でも被写体の存在する確率が高い領域で焦点検出ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による視線検出装置を有するカメラの第1の実施例を示したブロック図である。
【図2】第1の実施例に係るカメラに内蔵される焦点検出手段の構成を示した斜視図である。
【図3】第1の実施例に係るカメラの焦点検出領域の表示例を示した図である。
【図4】第1の実施例に係るカメラの焦点検出領域の表示例を示した図である。
【図5】第1の実施例に係るカメラに使用する回転量検出手段を示した正面図である。
【図6】第1の実施例に係るカメラに使用する回転量検出手段のエンコーダを示した平面図である。
【図7】第1の実施例に係るカメラに使用する回転量検出手段の検出部を示した図である。
【図8】第1の実施例に係るカメラに使用する視線検出手段を示した図である。
【図9】第1の実施例に係るカメラの視線位置における反射効率を説明するための図である。
【図10】第1の実施例に係るカメラのメガネ検出手段の構成例を示す平面図である。
【図11】第1の実施例に係るカメラのメガネ検出手段の構成例を示す正面図である。
【図12】第1の実施例に係るカメラのメガネ検出手段の変形例を示す平面図である。
【図13】第1の実施例に係るカメラのメガネ検出手段の変形例を示す平面図である。
【図14】第1の実施例に係るカメラのCPUの動作を示す流れ図である。
【図15】視線位置の変動の態様を示した図である。
【図16】視線位置の変動量の検出方法を説明するための図である。
【図17】視線位置の変動量の検出方法を説明するための図である。
【図18】視線位置の変動量の検出方法を説明するための図である。
【図19】視線位置の変動量の検出方法を説明するための図である。
【図20】焦点検出領域の設定方法を説明するための図である。
【図21】焦点検出領域の設定方法を説明するための図である。
【図22】焦点検出領域の設定方法を説明するための図である。
【図23】焦点検出領域の設定方法を説明するための図である。
【図24】本発明による視線検出装置を有するカメラの第2の実施例の動作を示す流れ図である。
【図25】本発明による視線検出装置を有するカメラの第3の実施例の動作を示す流れ図である。
【図26】本発明による視線検出装置を有するカメラの第4の実施例の動作を示す流れ図である。
【図27】本発明による視線検出装置を有するカメラの第5の実施例の動作を示す流れ図である。
【図28】第5の実施例に係るカメラの視線位置の検出方法を説明する図である。
【図29】第5の実施例に係るカメラの回転量検出手段を説明する図である。
【図30】本発明による視線検出装置を有するカメラの第6の実施例の動作を示す流れ図である。
【図31】本発明による視線検出装置を有するカメラの第7の実施例の動作を示す流れ図である。
【図32】第7の実施例に係るカメラの表示手段によって表示されるスケールを説明する図である。
【図33】第7の実施例に係るカメラの表示手段によって表示されるスケールを説明する図である。
【図34】本発明による視線検出装置を有するカメラの第8の実施例の動作を示す流れ図である。
【図35】第8の実施例に係るカメラの焦点検出領域の分割方法を説明する図である。
【図36】従来の視線検出装置を有するカメラの問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1 CPU
11 撮影レンズ
20 ボディ
30 焦点検出手段
40 視線検出手段
50 メガネ検出手段
63 回転量検出手段
Claims (3)
- 撮影レンズと、
前記撮影レンズにより形成される撮影画面における撮影者の視線位置を検出する視線検出手段と、
前記撮影画面上に設けられた複数の焦点検出領域のうち前記視線検出手段によって検出された視線位置に対応する焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出手段と、
被写体を観察するためのファインダーを介し、前記被写体に重畳して焦点検出領域を表示する表示手段と、
を含む視線検出装置を有するカメラにおいて、
前記視線検出手段による視線検出が不可能であるときには、前記複数の焦点検出領域のうち前記撮影画面の中央に対応する焦点検出領域において、該焦点検出領域の大きさを拡大して焦点検出を行うとともに、前記表示手段により前記焦点検出領域を表示すること
を特徴とする視線検出装置を有するカメラ。 - 撮影レンズと、
前記撮影レンズにより形成される撮影画面における撮影者の視線位置を検出する視線検出手段と、
前記撮影画面上に設けられた複数の焦点検出領域のうち前記視線検出手段によって検出された視線位置に対応する焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出手段と、
被写体を観察するためのファインダーを介し、前記被写体に重畳して焦点検出領域を表示する表示手段と、
を含む視線検出装置を有するカメラにおいて、
前記視線検出手段による視線検出が不可能であるときには、過去の焦点検出で用いられた焦点検出領域で焦点検出を行うとともに、前記表示手段により前記焦点検出領域を表示すること
を特徴とする視線検出装置を有するカメラ。 - 撮影レンズと、
前記撮影レンズにより形成される撮影画面における撮影者の視線位置を検出する視線検出手段と、
前記視線検出手段と撮影者眼との間に光学系が介在するか否かを検出する光学系検出手段と、
前記撮影画面上に設けられた複数の焦点検出領域のうち前記視線検出手段によって検出された視線位置に対応する焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出手段と、
被写体を観察するためのファインダーを介し、前記被写体に重畳して焦点検出領域を表示する表示手段と、
を含む視線検出装置と有するカメラにおいて、
前記光学系検出手段が前記光学系を検出したときには、前記複数の焦点検出領域のうち前記撮影画面の中央に対応する焦点検出領域において、該焦点検出領域の大きさを拡大して焦点検出を行うとともに、前記表示手段により前記焦点検出領域を表示すること
を特徴とする視線検出装置を有するカメラ。
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