JP3583293B2 - 釣銭作成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所望の金種および数量の釣銭を準備する際に用いられて好適な釣銭作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、貨幣を取り扱う店舗においては、その日の売上金を銀行に預け、銀行はこの売上金の精算処理を行うようになっていたが、近年では、大規模店舗が銀行に預ける貨幣量が膨大となり、また夜間金庫に売上金を預けるような場合のセキュリティの問題等から、これら店舗の売上金を銀行のビジネスサービス会社あるいは警備保障会社等が回収して、集中処理センターで集中的に精算処理を行うようにしている。
近年、このような精算処理を行う集中処理センターにおいては、各取引先が次の日に釣銭に使用するための現金(以下単に釣銭と称す)を用意することが要望され、このような釣銭を作成する釣銭作成装置が既に開示されている(特開平9−147184号公報)。
この釣銭作成装置は、水平方向に延在するメインコンベアに載置される多数の釣銭箱に棒金を順次投入していくもので、小束紙幣繰出装置から繰り出された小束紙幣は、作業者により手作業で釣銭箱に投入されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、小束紙幣繰出装置から繰り出された小束紙幣を人手により釣銭箱に投入するのでは、人員コストが高くなってしまうという問題があった。
したがって、本発明の目的は、釣銭を作成する際の人員コストを低減することができる釣銭作成装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載の釣銭作成装置は、入力されたデータに基づいて釣銭を作成するものであって、水平方向に延在し該延在方向に移動するコンベアと、該コンベアに設けられた多数のコンテナと、多数の小束紙幣を整列状態で収納可能な各金種別の収納部と、該各金種別の収納部にそれぞれ設けられ、入力されたデータに基づいて一束ずつ小束紙幣を繰り出す繰出手段と、該繰出手段で繰り出された小束紙幣を、入力されたデータに基づいて把持し対応するコンテナに装填させる把持搬送手段とを有し、前記繰出手段は小束紙幣を各金種別に異なる位置に繰り出すものとされ、前記把持搬送手段は一つが各金種別に異なる位置に繰り出されるすべての小束紙幣を把持可能であり、前記把持搬送手段は、対応するコンテナ内での小束紙幣の装填位置および装填姿勢を、入力されたデータに基づいて同コンテナに装填される他の現金の内容に応じた最適な位置および姿勢に設定することを特徴としている。
これにより、各金種別の収納部から繰出手段が、入力されたデータに基づいて一束ずつ小束紙幣を繰り出すと、把持搬送手段が、該小束紙幣を把持し対応するコンテナに装填させる。よって、小束紙幣のコンテナへの投入に人手が不要となる。
把持搬送手段が各金種別の小束紙幣のすべてに対し一つ設けられているため、コストを低減することができる。
把持搬送手段が、対応するコンテナ内での小束紙幣の装填位置を、入力されたデータに基づいて変更するため、コンテナ内の装填スペースに偏った状態で小束紙幣が装填されることを防止できる。
把持搬送手段が、対応するコンテナ内での小束紙幣の装填姿勢を、入力されたデータに基づいて変更するため、他の棒金硬貨等と干渉してしまうような場合に、小束紙幣の装填姿勢を変更して、他の棒金硬貨等との干渉を回避してコンテナ内に装填できる。
【0005】
本発明の請求項2記載の釣銭作成装置は、請求項1記載のものに関して、前記把持搬送手段は、搬送駆動装置と、該搬送駆動装置に取り付けられた昇降駆動装置と、該昇降駆動装置に取り付けられた把持部とを有しており、前記把持部は、把持駆動装置で互いに近接および離間させられる一対の爪部と、把持駆動装置の下側にこれに対し昇降自在に設けられるとともに下降方向にバネで付勢された押付部材とを有し、前記爪部は、鏡面対称をなす他の爪部の方向に延出する下板部をそれぞれ有しており、該下板部より上側に前記押付部材が配置されていることを特徴としている。
【0006】
本発明の請求項3記載の釣銭作成装置は、請求項1または2に記載のものに関して、前記繰出手段で繰り出された小束紙幣の位置を揃える整列手段を具備することを特徴としている。
このように、整列手段が、繰出手段で繰り出された小束紙幣の位置を揃えることになるため、把持搬送手段で小束紙幣を確実に把持することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態を図1〜図54を参照して以下に説明する。
この釣銭作成装置は、入力された釣銭データに基づいて釣銭をパック詰めするもので、具体的には、入力された釣銭データをさらに量的にパック可能となるよう適宜分割したパックデータ(後述)に基づいて釣銭をパック詰めする。
【0010】
この釣銭作成装置は、図1,図2に示すように、水平一方向に延在する無端状のメインコンベア(コンベア)11と、該メインコンベア11に等ピッチで取り付けられた多数の同一形状のコンテナ12とを有しており、現金をパック詰めした釣銭パックを各コンテナ12毎に作成する。なお、以下の説明において用いる上流側および下流側は、メインコンベア11による上側のコンテナ12の移動方向におけるものであり、図1および図2においては右側が上流側で左側が下流側である。また、X方向は上側のコンテナ12の移動方向に平行な方向(図1における左右方向)を、Y方向は上側のコンテナ12の移動方向に直交する水平方向(図1における上下方向)に平行な方向を示すものとする。
【0011】
釣銭作成装置をメインコンベア11の停止状態をもって説明すると、この釣銭作成装置は、図1,図2に示すように、最上流側に配置されたベースシート供給装置14およびベースシート配置装置15と、これらベースシート供給装置14およびベースシート配置装置15より下流側の所定位置に停止しているコンテナ12(12b)に対し設けられた棒金硬貨繰出装置16と、該コンテナ12(12b)より下流側の所定位置に停止しているコンテナ12(12c)に対し設けられた棒金硬貨繰出装置17とを有している。
【0012】
加えて、釣銭作成装置は、コンテナ12(12c)より下流側の所定位置に停止しているコンテナ12(12d)に対し設けられた棒金硬貨繰出装置18と、該コンテナ12(12d)より下流側の所定位置に停止しているコンテナ12(12e)に対し設けられた棒金硬貨繰出装置19と、該コンテナ12(12e)より下流側の所定位置に停止しているコンテナ12(12f)に対し設けられた棒金硬貨繰出装置20と、該コンテナ12(12f)より下流側の所定位置に停止しているコンテナ12(12g)に対し設けられた棒金硬貨繰出装置21とを有している。
【0013】
さらに、釣銭作成装置は、該コンテナ12(12g)より下流側の所定位置に停止しているコンテナ12(12h)に対し設けられた小束紙幣繰出装置22と、該コンテナ12(12h)より下流側の所定位置に停止しているコンテナ12(12i)に対し設けられた棒金硬貨繰出装置23と、該コンテナ12(12i)より下流側の所定位置に停止しているコンテナ12(12k)に対し設けられた装填整え装置24と、該コンテナ12(12k)より下流側の所定位置に停止しているコンテナ12(12m,12n)に対し設けられたトップシート供給装置25、ラベル印字貼付装置26および接着装置27とを有している。
【0014】
加えて、釣銭作成装置は、コンテナ12(12n)より下流側の所定位置に停止しているコンテナ12(12o)に対し設けられた持上装置28と、該持上装置28の上側に設けられた移載装置29と、メインコンベア11の最下流側に対しこれと平行に並設されたチェック装置30と、チェック装置30の下流側に設けられたバッグ詰チェック装置31と、コンテナ12(12i)とコンテナ12(12k)との間の所定位置に停止しているコンテナ12(12j)の近傍に設けられたバラ紙幣繰出装置32と、該バラ紙幣繰出装置32に隣接して設けられた制御装置33とを有している。制御装置33には、図3に示すように、釣銭作成装置の全体的な制御を行うパック作成総合制御部35と、釣銭パックのデータ等が入力されるデータ入力装置36とが設けられている。
【0015】
コンテナ12は、図4,図5に示すように、メインコンベア11に連結されたコンテナ本体38と、該コンテナ本体38に取り付けられた押さえ部39とを有している。なお、以下は、コンテナ12がメインコンベア11の上側に位置する状態をもって説明する。
コンテナ本体38は、メインコンベア11の延在方向であるX方向に沿うとともに鉛直立設された互いに平行な一対の壁部40,40と、両壁部40のX方向において同側となる各端部同士を連結させるようY方向に沿って鉛直立設された、壁部40よりも長い一対の壁部41,41と、両壁部40および両壁部41で囲まれた空間部の下部を閉塞させるよう水平延在する平板状の底面部42とを有しており、これにより、コンテナ本体38は、中央に上方開口で平面視長方形状の凹部44が形成された箱型形状をなしている。
【0016】
そして、コンテナ本体38の四隅にはそれぞれ鉛直方向に貫通孔43が形成されている。
また、コンテナ本体38の底面部42には、その略全範囲に、鉛直方向に貫通する貫通孔45が、X方向に沿う多数の等ピッチの仮想線とY方向に沿う多数の等ピッチの仮想線とで形成される格子の各交点位置に配置されるよう多数形成されている。
【0017】
加えて、両壁部40の水平延在する上面の凹部44側にはそれぞれ耐熱性のシール受け部材46が固定されており、両壁部41の水平延在する上面の凹部44側には耐熱性のシール受け部材47が固定されている。両シール受け部材46および両シール受け部材47はこれら全体として長方形枠状をなしている。
押さえ部39は、コンテナ本体38の四隅の貫通孔43に上下摺動自在にそれぞれ挿通される軸部49と、水平延在状態ですべての軸部49の上端部に固定された長方形枠状をなす押さえ部材50と、水平延在状態ですべての軸部49の下端部に固定された長方形枠状をなす作動部材51とを有している。
【0018】
ここで、押さえ部材50は、コンテナ本体38の両壁部40および両壁部41の両シール受け部材46および両シール受け部材47より外側の上面である挾持面52上に、シール受け部材46,47の外側を囲むように設けられており、軸部49が貫通孔43よりも長くされていることでコンテナ本体38の挾持面52に対し接離可能とされている。なお、後述するように、ベースシートBSを押さえ部材50と挾持面52との間に挟んだ状態での、押さえ部材50の上面の高さはシール受け部材46,47の上面の高さより低くされている。
以上のような構造のコンテナ12が、水平方向に移動するメインコンベア11に等ピッチで配置されている。
なお、メインコンベア11には、コンテナ12をコンテナ12の配置ピッチと等しいピッチで一ピッチずつ断続的(移動と停止とを繰り返す)に移動させるエアシリンダ等の駆動装置53(図2参照)が設けられており、該駆動装置53にはその駆動を制御するコンベア駆動制御部54(図3参照)が電気的に接続されている。
【0019】
次に、ベースシート供給装置14について説明する。
ベースシート供給装置は、図6〜図8に示すように、所定のベースシート供給位置に停止しているコンテナ12(12a)の上流側かつ上側に配置された支持部56にロール状に巻かれた状態で支持された長尺状の透明または半透明の合成樹脂からなるベースシートBSを引き出して、これをコンテナ12(12a)に対してその上側に配置するよう供給するもので、ベースシートBSをコンテナ12の移動方向に沿って引き出すベースシート引出装置57と、引き出されたベースシートBSを係止するベースシート係止装置58と、引出されたベースシートBSを切断するベースシート切断装置59とを有しており、これらには、これらの駆動を制御するベースシート供給配置制御部60(図3参照)が電気的に接続されている。
【0020】
ベースシート引出装置57は、ベースシート供給位置に位置するコンテナ12(12a)の下側にY方向に配置された支持軸62と、該支持軸62の両端にそれぞれ下端側が支持された一対の引出アーム63と、支持軸62より上側にX方向に沿って配置されるとともに対応する引出アーム63の中間部分に連結された一対のエアシリンダ等の駆動装置64とを有しており、両引出アーム63の上端部間には、ベースシートBSを挾持する挾持部65がコンテナ12(12a)を跨ぐように設けられている。ここで、駆動装置64は、引出アーム63を揺動させることにより挾持部65をコンテナ12(12a)の上流側の基本位置と下流側の引出位置との間で移動させる。
【0021】
引出アーム63の上端部に設けられた挾持部65は、Y方向に延在配置された挾持ベース66と、該挾持ベース66の両側に配置された一対のエアシリンダ等の駆動装置67と、これら駆動装置67に連結されるとともに挾持ベース66の上側にこれと平行に配置された挾持体68とを有しており、駆動装置67の作動により挾持体68を挾持ベース66に近接させることでこれら挾持体68および挾持ベース66でベースシートBSを挾持する一方、駆動装置67の作動により挾持体68を挾持ベース66から離間させることでベースシートBSの挾持を解除する。
なお、挾持体68および挾持ベース66には、これらが下流側の引出位置に位置するときに鉛直方向に沿う複数具体的には四つの溝部69が下流側部分に形成されている。
【0022】
ベースシート係止装置58は、下流側の引出位置に位置する挾持部65の上側に配置されるもので、上下に移動軸体70を配置した複数具体的には二つのエアシリンダ等の駆動装置71と、各駆動装置71の移動軸体70の下側にそれぞれ二つずつ固定されたピン72とを有している。そして、駆動装置71で下降させられたピン72は、引出位置に位置する挾持部65の溝部69に挿通されるとともに、ピン52の下端面は、前記コンテナ12(12a)の下流側の押さえ部材50の上面にほぼ接する位置まで下降される。
【0023】
ベースシート切断装置59は、ベースシート供給位置に位置するコンテナ12(12a)の上流かつ上側にY方向に延在するとともに、その上面に同方向に延在する図示せぬ溝部が形成されたカッタレール74と、該カッタレール74の上側に該カッタレール74と平行に延在するガイドレール75および該ガイドレール75に沿って移動する移動体76を有するエア駆動式等の駆動装置77と、カッタレール74の溝部に下端部を入り込ませるように移動体76の下端に回転自在に設けられた円板状のカッタ78とを有している。そして、駆動装置77で移動体76が移動させられると、カッタ78がカッタレール74上をY方向に移動し、その結果、カッタレール74上に敷かれたベースシートBSを切断する。
【0024】
次に、ベースシート配置装置15について説明する。
ベースシート配置装置15は、ベースシート供給位置に位置するコンテナ12(12a)の上側に配置されており、ベースシート押込部80と、ベースシート入込部81と、これらを昇降させる互いに平行な一対のエアシリンダ等の駆動装置82と、ベースシート供給位置に位置するコンテナ12(12a)の押さえ部39を昇降させるエアシリンダ等の複数の駆動装置83(図7参照)とを有している。
駆動装置82は、鉛直方向に延在する昇降軸体84を昇降させるもので、両昇降軸体84の下端部にベースシート押込部80が、該ベースシート押込部80より上側位置にベースシート入込部81が取り付けられている。
【0025】
ベースシート押込部80は、ベースシート供給位置に位置するコンテナ12(12a)の凹部44の若干内側範囲に広がる平面視形状をなす略平板状のもので、その周縁部の下部が円弧状に面取りされており、駆動装置82の駆動で前記コンテナ12(12a)の凹部44に対し進退可能とされている。
【0026】
ベースシート入込部81は、両昇降軸体84に固定されたベースプレート86と、図9に示すように、X方向(図9における左右方向)にそれぞれの移動軸体87A,87Bを配置しかつそれぞれの移動軸体87A,87Bを反対方向に向けた状態でベースプレート86に取り付けられた一対のエアシリンダ等の駆動装置88A,88Bと、Y方向(図9における上下方向)にそれぞれの移動軸体89A,89Bを配置しかつそれぞれの移動軸体89A,89Bを反対方向に向けた状態でベースプレート86に取り付けられた一対のエアシリンダ等の駆動装置90A,90Bと、各駆動装置88A,88Bの移動軸体87A,87Bにそれぞれ固定された水平延在する一対の羽根部91A,91Bと、各駆動装置90A,90Bの移動軸体89A,89Bに固定された水平延在する一対の羽根部92A,92Bとを有している。
【0027】
なお、駆動装置82,83,88A,88B,90A,90Bは、上記したベースシート供給配置制御部60に電気的に接続されている。
駆動装置88Aがその移動軸体87Aを上流側に、駆動装置88Bがその移動軸体87Bを下流側に、駆動装置90Aがその移動軸体89Aをコンテナ12の移動方向に向って右方に、駆動装置90Bがその移動軸体89Bをコンテナ12の移動方向に向って左方に、それぞれ突出させると、図9(a)に示すように、すべての羽根部91A,91B,92A,92Bが互いに離間する方向に水平移動した拡開状態となる。
【0028】
他方、駆動装置88Aがその移動軸体87Aを下流側に、駆動装置88Bがその移動軸体87Bを上流側に、駆動装置90Aがその移動軸体89Aをコンテナ12の移動方向に向って左方に、駆動装置90Bがその移動軸体89Bをコンテナ12の移動方向に向って右方に、それぞれ引き込むと、図9(b)に示すように、羽根部91A,91B,92A,92Bが互いに近接する方向に水平移動した縮閉状態となる。
【0029】
ここで、縮閉状態にあるとき、すべての羽根部91A,91B,92A,92Bの外側端縁部の平面視の位置は、ベースシート供給位置に位置するコンテナ12(12a)の押さえ部材50の若干内側範囲に配置される。
他方、拡開状態にあるとき、すべての羽根部91A,91B,92A,92Bの外側端縁部の平面視の位置は、ベースシート供給位置に位置するコンテナ12(12a)の押さえ部材50よりも外側に配置される。
【0030】
以上の構成のベースシート供給装置14およびベースシート配置装置15のベースシート供給配置制御部60により制御される作動内容を説明する。
ベースシート引出装置57の挾持部65が基本位置にあってベースシートBSの先端部を挾持体68および挾持ベース66で挾持し、またベースシート係止装置58がすべてのピン72を上昇させ、さらにベースシート配置装置15がベースシート押込部80およびベースシート入込部81を上昇させ、加えてベースシート入込部81が羽根部91A,91B,92A,92Bを縮閉状態とした状態から(図10参照)、まず、ベースシート供給配置制御部60は、ベースシート引出装置57の駆動装置64の作動で引出アーム63を下流側に揺動させ、挾持部65をベースシート供給位置に位置するコンテナ12(12a)の上流側(一端側)である基本位置から下流側(他端側)の引出位置まで移動させる(図11参照)。これにより、コンテナ12(12a)の上側にベースシートBSを引き出させる。ここで、引き出されたベースシートBSの先端位置は、コンテナ12(12a)の押さえ部材50よりも下流側に位置することになる。また、引き出されたベースシートBSは、後述するように、コンテナ12(12a)の凹部44の形状に合った状態で敷設された状態で、なお、コンテナ12(12a)の押さえ部材50よりもY方向における両外側まで延在するようにそのY方向の巾を有している。
【0031】
このようにベースシートBSを引き出した状態で、ベースシート供給配置制御部60は、ベースシート係止装置58の駆動装置71によりピン72を下降させ、これらを挾持部65の溝部69に挿入させる(図12参照)。その結果、ピン72が挾持体68および挾持ベース66で挾持されたベースシートBSの、前記コンテナ12(12a)における下流側部分を突き刺し係止する。
次に、ベースシート供給配置制御部60は、ベースシート引出装置57の駆動装置67の作動により挾持体68および挾持ベース66を離間させこれらによるベースシートBSの挾持を解除させて、その後、駆動装置64の作動で引出アーム63を上流側に揺動させることにより、挾持部65を上流側の基本位置に戻す(図13参照)。
【0032】
続いて、ベースシート供給配置制御部60は、ベースシート配置装置15の駆動装置82によりベースシート押込部80およびベースシート入込部81を下降させる(図14参照)。すると、ベースシート係止装置58がベースシートBSの下流側を係止し、かつベースシート引出装置57の挾持部65がベースシートBSの挾持を解除しているため、ベースシート供給位置に位置するコンテナ12(12a)の凹部44上に延在するベースシートBSがロール状に巻かれた側からさらに引き出されながらベースシート押込部80で前記凹部44に押し込まれる。これにより、ベースシートBSは凹部44の形状に合わせられる。
次に、ベースシート供給配置制御部60は、ベースシート引出装置57の基本位置に戻してあった挾持部65の挾持体68および挾持ベース66を近接させてこれらでベースシートBSを挾持させる。
【0033】
そして、ベースシート供給配置制御部60は、ベースシート切断装置59のガイドレール75に沿って移動体76を移動させることで、カッタ78を転動させながらカッタレール74の図示せぬ溝部に沿って移動させ、その結果、カッタ78が、ベースシート引出装置57で引き出されてその一部がカッタレール74上に配置されたベースシートBSを切断する(図15参照)。それとともに、ベースシート係止装置58のピン72を駆動装置71により上昇させてベースシートBSへの係止を解除させる。ここで、カッタ78によるベースシートBSの切断位置は、ベースシート供給位置に位置するコンテナ12(12a)における上流側であって、ベースシートBSのベースシート押込部80で押し込まれている部分と挾持部65で挾持されている部分の間位置となる。
【0034】
なお、ベースシート引出装置57の挾持部65の上流側の戻り位置である基本位置は、カッタレール74の上流側の近傍である。このため、上記のように、ベースシート切断装置59によるベースシートBSの切断前に、ベースシート引出装置57の挾持部65を、ベースシートBSへの挾持を解除させて上流側の基本位置に戻しさらに該基本位置でベースシートBSを挾持させることにより、シート引出装置57がベースシートBSの形状を保持し捲れ上がり等を防止してベースシート切断装置59による切断を良好にする。
次に、ベースシート供給配置制御部60は、ベースシート供給位置に位置するコンテナ12(12a)の押さえ部39の作動部材51を駆動装置83により下側から押圧させて、その押さえ部材50を上昇させてコンテナ本体38の挾持面52から離間させる(図16参照)。
【0035】
そして、ベースシート供給配置制御部60は、ベースシート入込部81の駆動装置88A,88B,90A,90Bにより羽根部91A,91B,92A,92Bを拡開状態とする(図17参照)。すると、これら羽根部91A,91B,92A,92Bは、押さえ部材50とコンテナ本体38との間を内側から外側に広がる。その結果、ベースシート押込部80で凹部44に押し込まれたベースシートBSの凹部44から突出する側の端縁部が、拡開前の羽根部91A,91B,92A,92Bの外側にあったことから該羽根部91A,91B,92A,92Bの拡開で押さえ部材50とコンテナ本体38との間に入れ込まれる。このとき、ベースシートBSは四方すべての端縁部が押さえ部材50とコンテナ本体38との間に入れ込まれる。
【0036】
この後、ベースシート供給配置制御部60は、ベースシート配置装置15の駆動装置88A,88B,90A,90Bにより羽根部91A,91B,92A,92Bを縮閉させた後、駆動装置83で押さえ部39を下降させることで、押さえ部材50をコンテナ本体38の挾持面52に近接させ、ベースシートBSの端縁部を押さえ部材50とコンテナ本体38とで挾持させる。その結果、ベースシートBSが凹部44の形状に合った状態でコンテナ本体38に敷設され、かつ外周側が押さえ部材50により保持された状態となる(図18参照)。
そして、ベースシート供給配置制御部60は、駆動装置82でベースシート押込部80およびベースシート入込部81を上昇させて、コンテナ本体38の凹部44から抜け出させる。
【0037】
ここで、ベースシートBSは、ベースシート供給位置に位置するコンテナ12(12a)にセットされた状態で、コンテナ12(12a)の押さえ部材50よりも、X方向における両外側およびY方向における両外側まで延在するようになっている。なお、、ベースシートBSが少なくとも全体として押さえ部材50の下側まで延在していれば押さえ部材50による保持が可能である。
以上により、ベースシート供給位置に位置する一台のコンテナ12(12a)へのベースシートBSのセットが完了することになり、この完了に伴ってベースシート供給配置制御部60は、パック作成総合制御部35に対し移動許容信号を出力する。
【0038】
次に、棒金硬貨繰出装置16〜19,21,23について説明する。
6台の棒金硬貨繰出装置16〜19,21,23は、ほぼ同様の構成のもので、それぞれ、図19,図20に示すように、バラ硬貨から円柱状の棒金硬貨Cを作成する硬貨包装機94と、該硬貨包装機94で作成された棒金硬貨Cをコンテナ12に向け移動させる棒金硬貨コンベア95と、該棒金硬貨コンベア95に設けられたガイド部材96と、棒金硬貨コンベア95で送られた棒金硬貨Cをパックデータに基づいて計数しつつ対応するコンテナ12に繰り出す計数繰出装置97とを有している。そして、棒金硬貨繰出装置16〜19,21,23は、それぞれ、棒金硬貨繰出制御部98〜101,103,104の対応するものに電気的に接続されている。
【0039】
硬貨包装機94は、バラ硬貨が投入されるホッパ105と、該ホッパ105に投入されたバラ硬貨を所定枚数集積させて包装紙を巻き付けることにより円柱状の棒金硬貨を作成する包装機本体106と、該包装機本体106で作成された棒金硬貨Cを放出させる放出部107とを有するもので、放出部107は、棒金硬貨CをX方向に平行させた状態で放出させるようになっている。
【0040】
棒金硬貨コンベア95は、移動する無端ベルト108を有するもので、略水平でY方向に延在している。そして、硬貨包装機94の放出部107から無端ベルト108の上面上に放出された棒金硬貨CをX方向に平行させた状態のまま、該棒金硬貨Cの軸線方向に直交する方向に移動させる。
【0041】
ガイド部材96は、無端ベルト108の側部からコンテナ12側へ向うほど内側に位置するよう傾斜する傾斜部109と、該傾斜部109のコンテナ12側の端部から無端ベルト108の移動方向に平行に延在する直進部110とを有する折曲形状の棒部材からなるもので、無端ベルト108の上面の若干上側に該上面に平行に配置されており、無端ベルト108で搬送される棒金硬貨Cの軸線方向における一端部に接触してこれを案内し、該軸線方向の位置を所定の位置に位置決めする。
【0042】
計数繰出装置97は、棒金硬貨コンベア95の先端部に設けられるもので、棒金硬貨コンベア95側に配置されたガイド部111と、該ガイド部111の棒金硬貨コンベア95に対し反対側に回転可能に配置された繰出部材112と、該繰出部材112をその回転量を制御しつつ回転させる駆動部113とで構成されている。
ここで、ガイド部材96の直進部110はガイド部111内まで延びており、これにより、ガイド部111は、棒金硬貨コンベア95で搬送されガイド部材96で軸線方向の位置決めがなされた棒金硬貨Cを軸線方向の位置決めをした状態で案内する。
繰出部材112は、X方向に延在する軸114を中心に回転可能とされており、X方向に延在する溝部115が外周部に等ピッチで複数具体的には四カ所形成されている。
【0043】
そして、繰出部材112は、駆動部113による回転中に、溝部115がガイド部111側に位置することで、該ガイド部111から棒金硬貨Cを一つ、軸線方向の位置をずらすことなく該溝部115に受け入れさせるとともに、該溝部115が下方に向くことで、棒金硬貨Cをその軸線方向の位置が決められた状態のまま下方に繰り出させる。そして、駆動部113が繰出部材112の回転量を制御することで、計数しながらの繰り出しが可能となる。
ここで、繰出部材112の棒金硬貨Cの繰出位置は常に一定で、対応するコンベア12の凹部44の上側所定位置とされており、棒金硬貨Cをその軸線方向をX方向に平行させた状態で凹部11のベースシートBS上に繰り出す。
【0044】
そして、棒金硬貨繰出制御部98は、図1に示すように、所定の棒金装填第一位置に停止しているコンテナ12(12b)に対し棒金硬貨繰出装置16で100円硬貨50枚の棒金硬貨をパックデータに基づいて必要数だけ繰り出させることになり、同様に、棒金硬貨繰出制御部99は、所定の棒金装填第二位置に停止しているコンテナ12(12c)に対し棒金硬貨繰出装置17で50円硬貨50枚の棒金硬貨を、棒金硬貨繰出制御部100は所定の棒金装填第三位置に停止しているコンテナ12(12d)に対し棒金硬貨繰出装置18で10円硬貨50枚の棒金硬貨を、棒金硬貨繰出制御部101は所定の棒金装填第四位置に停止しているコンテナ12(12e)に対し棒金硬貨繰出装置19で500円硬貨50枚の棒金硬貨を、棒金硬貨繰出制御部103は所定の棒金装填第六位置に停止しているコンテナ12(12g)に対し棒金硬貨繰出装置21で5円硬貨50枚の棒金硬貨を、棒金硬貨繰出制御部104は所定の棒金装填第七位置に停止しているコンテナ12(12i)に対し棒金硬貨繰出装置23で1円硬貨50枚の棒金硬貨を、それぞれ必要数だけ繰り出させることになる。
【0045】
以上により、硬貨包装機94、棒金硬貨コンベア95、ガイド部材96および計数繰出装置97を有する棒金硬貨繰出装置が一金種に対し一台設けられ、このような棒金硬貨繰出装置16〜19,21,23が複数具体的にはすべての金種分設けられていることになる。
【0046】
残りの棒金硬貨繰出装置20は、棒金硬貨繰出制御部102で制御されることにより、パックデータに基づいて所定の棒金装填第五位置に停止しているコンテナ12(12f)に対して500円硬貨20枚の棒金硬貨を繰り出すもので、上記と同様のホッパ105、包装機本体106および放出部107を有する硬貨包装機94と、該硬貨包装機94で作成された棒金硬貨を計数しつつ対応するコンテナ12(12f)に繰り出す計数繰出装置97とを有している。なお、この棒金硬貨繰出装置20の硬貨包装機94の放出部107は、棒金硬貨をY方向に向けた状態で放出させるようになっており、計数繰出装置97はこの姿勢のまま硬貨を計数しつつ一定の繰出位置から対応するコンテナ12(12f)に落下させる。
【0047】
なお、棒金硬貨繰出装置20が他の棒金硬貨繰出装置16〜19,21,23と異なって棒金硬貨をY方向に向けた状態で放出させるのは、500円硬貨の20枚巻きという軸線方向における長さが短い棒金硬貨を放出させるため、その方向を他のものと異ならせてもよいからである。しかしながら、棒金硬貨繰出装置20を他の棒金硬貨繰出装置16〜19,21,23と同様の構成にしてもよい。
また、これら棒金硬貨繰出装置16〜23は、停止状態のコンテナ12のそれぞれ異なるものに対して棒金硬貨を繰り出すようになっている。
さらに、棒金硬貨繰出制御部98〜104は、それぞれ、対応するコンテナ12に必要な棒金をすべて繰り出した後、パック作成総合制御部35に対し移動許容信号を出力する。
【0048】
次に、小束紙幣繰出装置22について説明する。
小束紙幣繰出装置22は、図21,図22に示すように、100枚の紙幣を一つに束ねた多数の小束紙幣S1を整列状態で収納可能な各金種別の収納部133〜136を有する収納箱体118と、各金種別の収納部133〜136にそれぞれ設けられ、所定の小束紙幣装填位置に停止しているコンテナ12(12h)に対し装填させるべき小束紙幣S1を一束ずつパックデータに基づいて繰り出す繰出装置(繰出手段)119と、各繰出装置119から繰り出された小束紙幣S1をそれぞれ略所定の位置に載置させる載置台120と、該載置台120上の小束紙幣S1の位置を揃える整列装置(整列装置)121と、載置台120上で整列された小束紙幣S1を、パックデータに基づいて一束ずつ把持し所定の小束紙幣装填位置に停止しているコンテナ12(12h)に装填させる把持搬送装置(把持搬送手段)122とを有しており、繰出装置119、整列装置121および把持搬送装置122は、これらの作動を制御する小束紙幣繰出制御部(繰出手段,整列手段,把持搬送手段)123(図3参照)に電気的に接続されている。
【0049】
収納箱体118は、コンテナ12側が下側に位置するように傾斜配置された底板部125と、底板部125のコンテナ12側の端縁部から底板部125に垂直に立設された板部126と、底板部125のコンテナ12に対し反対側の端縁部から底板部125に垂直に立設された板部127と、底面部125のX方向における両端縁部から底板部125に垂直に立設された一対の板部128,129と、これら板部128,129の間にこれらに平行に配置された仕切板部130〜132とを有している。これにより、収納箱体118には、板部128と仕切板部130との間、仕切板部130と仕切板部131との間、仕切板部131と仕切板部132との間および仕切板部132と板部129との間に、上方開口する四つの収納部133〜136が画成されている。ここで、収納部133〜136は、各金種別とされており、具体的には、収納部133および収納部134は千券用、収納部135は五千券用、収納部136は将来的に使用される万券用とされている。ここで、将来的に使用されるケースとしては、例えば、金融自由化に伴い、一般店舗でも外貨両替が可能となるので、そのような場合には、一般店舗でも、万券を支払う準備が必要となるケースである。勿論、収納部133〜136をいずれの金種用とすることも任意に可能である。
【0050】
各収納部133〜136には、自重により板部126の方向に移動可能な押圧体137がそれぞれ設けられている。すなわち、各収納部133〜136には、小束紙幣S1が板部126に平行をなしかつ長手方向をX方向に沿わせた状態で底板部125の傾斜に沿って下から上へ積み上げられることになり、その最も上側の小束紙幣S1のさらに上側に押圧体137が配置されることで、該押圧体137が小束紙幣S1を板部126の方向に押圧する。
【0051】
各収納部133〜136の底板部125の板部126側には、図示せぬ貫通孔が各収納部133〜136毎に形成されており、繰出装置119は、対応する貫通孔に挿通可能な繰出ピン139と、該繰出ピン139を底板部125に対し上側に突出および下側に引込ませるように駆動するエアシリンダ等の駆動装置140とを有している。
この繰出装置119は、駆動装置140で繰出ピン139を底板部125から突出させることで、板部126に当接していた最下の小束紙幣S1を板部126に沿って放出させ、その後、繰出ピン139を底板部125から引込むことで次の小束紙幣S1を板部126に当接させる。
【0052】
載置台120は、収納箱体118の板部126の上端とほぼ同じ高さでそのコンテナ12側に水平配置されており、X方向に収納箱体118と略同じ範囲に延在していて、繰出装置119で収納箱体118から放出された小束紙幣S1を載置させる。
載置台120には、図23に示すように、コンテナ12側およびコンテナ12に対し反対側の両端縁部に多数の溝部141が形成されている。
なお、小束紙幣繰出制御部123がパックデータに基づいて繰出装置119により収納箱体118から放出させた小束紙幣S1は、X方向においては収納部133〜136のうち収納されていたものと位置を合わせて載置台120上に載置される。言い換えれば、各金種別に異なる位置に載置される。
【0053】
整列装置121は、図23,図24に示すように、載置台120の上方の収納箱体118側(図23における上側)にX方向に沿って設けられた角棒状の整列部材143と、該整列部材143の両端部にそれぞれ連結され、該整列部材143をX方向に沿わせた状態のままY方向に移動させるエアシリンダ等の駆動装置144とを有している。
この整列装置121は、整列部材143を最もコンテナ12から離間させた状態とすることで、収納箱体118から放出された小束紙幣S1をその上方を通過させることになり、その結果、収納箱体118から放出された小束紙幣S1が載置台120上に載置される。そして、この状態で小束紙幣繰出制御部123が駆動装置144により整列部材143をコンテナ12の方向に移動させると、該整列部材143が載置台120上の小束紙幣S1の収納箱体118側に当接し、これを押圧してその姿勢を整列部材143に沿わせかつそのY方向の位置を所定の位置に位置させる。ここで、この位置は具体的には載置台120の両側の溝部141の中央位置である。
【0054】
把持搬送装置122は、小束紙幣繰出制御部123で制御されるもので、載置台120の各金種別に異なる位置に放出され整列させられるすべての小束紙幣S1に対し一台で共用される。把持搬送装置122は、図21,図22に示すように、収納箱体118の上側にX方向に延在するガイドレール146、該ガイドレール146に沿って移動する移動体147、該移動体147にY方向に延在するよう固定されたガイドレール148および該ガイドレール148に沿って移動する移動体149を有するエア駆動式等の搬送駆動装置150と、該搬送駆動装置150の移動体149に取り付けられた、鉛直延在するガイド軸151および該ガイド軸151に沿って昇降する移動体152を有するエア駆動式等の昇降駆動装置153と、移動体152に取り付けられた把持部154とを有している。
【0055】
把持部154は、移動体152に固定されたベース156と、両側に移動軸体157を有し、これら移動軸体157をY方向に沿わせた状態でベース156に取り付けられたエアシリンダ等の把持駆動装置158と、把持駆動装置158の両側の移動軸体157に互いに鏡面対称をなすように取り付けられるとともに把持駆動装置158で互いに近接および離間させられる一対の爪部159と、把持駆動装置158の下側にこれに対し昇降自在に設けられるとともに下降方向にバネ等で付勢された押付部材160とを有している。
爪部159は、鏡面対称をなす他の爪部159の方向に延出するとともに載置台120の溝部141を上下に通過可能な下板部161をそれぞれ有しており、該下板部161より上側に押付部材160は配置されている。
【0056】
以上の構成の小束紙幣繰出装置22の小束紙幣繰出制御部123により制御される作動内容を説明する。
小束紙幣繰出制御部123は、繰出装置119の繰出ピン139を収納箱体118から引込み、把持搬送装置122の把持部154を載置台120の上方から退避させ、整列装置121の整列部材143を収納箱体118側に位置させた状態(図25参照)から、パックデータに基づいて収納箱体118の所定の収納部133〜136の繰出装置119の繰出ピン139を収納箱体118内に突出させることにより、対応する小束紙幣S1を整列部材143を越えさせて載置台120上に載置させる(図26参照)。ここで、小束紙幣S1はX方向においては各金種別の放出位置に放出される。なお、繰出ピン139は、その後、即座に収納箱体118から退避させられる。
【0057】
次に、小束紙幣繰出制御部123は、整列部材143をコンテナ12の方向に移動させ(図27参照)、小束紙幣S1のY方向の整列および位置決めを行った後、整列部材143を収納箱体118側に戻すとともに、この小束紙幣S1の真上である所定の把持位置に同じパックデータに基づいて搬送駆動装置150で把持部154を移動させる(図28参照)。このとき、小束紙幣繰出制御部123は、昇降駆動装置153により把持部154を上昇状態としかつ把持駆動装置158で爪部159同士を離間状態としている。
【0058】
次いで、把持位置にある該把持部154を昇降駆動装置153で下降させる。そして、爪部159の下板部161が載置台120より下側に位置する所定高さまで把持部154を下降させた後、把持駆動装置158で対向する爪部159同士を近接させて小束紙幣S1の真下まで移動させる(図29参照)。ここで、この把持部154の下降で、押付部材160が小束紙幣S1に当接し付勢力に抗して上昇する。
【0059】
次に、小束紙幣繰出制御部123は、昇降駆動装置153で把持部154を上昇させる。すると、把持部154は、爪部159を載置台120の溝部141を通過させつつ載置台120より上側に位置させ、その際に、押付部材160の付勢力で小束紙幣S1を対向する両側の爪部159の下板部161に押し付けさせる。
そして、小束紙幣繰出制御部123は、このように両側の爪部159と押圧部材160とに小束紙幣S1を挾持させた状態で、搬送駆動装置150を駆動し所定の小束紙幣装填位置に停止しているコンテナ12(12h)の上方位置に把持部154を移動させる(図30参照)。そして、把持部154を昇降駆動装置153で下降させた後、把持部154の両側の爪部159を把持駆動装置158で離間させて、把持していた小束紙幣S1を落下させ、小束紙幣装填位置に位置するコンテナ12(12h)の凹部44のベースシートBS上に装填させる。
【0060】
ここで、小束紙幣繰出制御部123は、所定の小束紙幣装填位置に停止しているコンテナ12(12h)に対する把持部154すなわち小束紙幣S1のY方向の位置を、パックデータに基づいて同コンテナ12(12h)に装填される他の現金の内容等に応じた最適な位置に位置させることになる。すなわち、他の現金との関係等から、図31に実線で示すように、凹部44の最も収納箱体118側に装填させたり、図31に二点鎖線で示すように、凹部44の最も収納箱体118に対し反対側に装填させたり、図31に一点鎖線で示すように、凹部44のこれらの間位置に装填させたりするようになっている。
【0061】
以上のようにして、小束紙幣装填位置に位置するコンテナ12(12h)に対し必要な小束紙幣S1をすべて装填させると、小束紙幣繰出制御部123は、パック作成総合制御部35に対し移動許容信号を出力する。
なお、把持部154を移動体152に対し鉛直軸回りに90度回転可能とすることで、所定の小束紙幣装填位置に停止しているコンテナ12(12h)に対する把持部154すなわち小束紙幣S1の向きを、パックデータに基づいて同コンテナ12(12h)に装填される他の現金の内容等に応じた最適な姿勢に設定することができる。すなわち、図32(a)に示すように、棒金硬貨C等の他の現金との関係等から、上述と同様にX方向に小束紙幣S1の長手方向を平行させたり、図32(b)に示すように、Y方向に小束紙幣S1の長手方向を平行させたりすることができる。勿論、この場合、把持部154の位置と姿勢とを組み合わせて制御することになる。
【0062】
次に、バラ紙幣繰出装置32について説明する。
図1に示すバラ紙幣繰出装置32は、バラ紙幣繰出制御部163(図3参照)により制御されるもので、パックデータに基づいて、所定のバラ紙幣装填位置に停止しているコンテナ12(12j)に対するバラ紙幣を集積状態で繰り出す。すなわち、後述するように、店舗単位またはレジ単位で入力される釣銭データからパックデータが作成されるわけであるが、準備すべき金種別の紙幣の枚数(金額)が100枚単位であれば、前記した小束紙幣S1を準備すればよいが、場合により、金種別に30枚、50枚などのように、100枚に満たない紙幣を準備する必要があるとき、このバラ紙幣繰出装置32によってバラ紙幣を繰り出すものである。
【0063】
ここで、バラ紙幣繰出装置32では、一度の繰り出しで繰り出しが可能な限度枚数(紙幣量)が予め決められており、バラ紙幣繰出制御部163では、所定のバラ紙幣装填位置に位置したコンテナ12(12j)に対し繰り出すバラ紙幣の総繰出枚数(総紙幣量)がこの限度枚数を越える場合には、一度の繰り出しの繰出枚数が限度枚数以内に納まるように複数回に分割して繰り出しを行うようになっている。他方、総繰出枚数が限度枚数を越えない場合には、すべての金種を一度に繰り出すことになるが、勿論、各金種毎に分類した状態で集積させて繰り出させることになる。
そして、上記分割が必要な場合、バラ紙幣繰出制御部163は、金種別に分割を行うようになっている。勿論、同じ金種についても分割が必要な場合は、最も繰り出しの回数が少なくなるように分割して繰り出しを行う。
【0064】
ここで、コンテナ12の近傍には、コンテナ12が所定のバラ紙幣装填位置に停止すると、これを視覚的および聴覚的の少なくともいずれか一方で報知する装填報知装置164と、作業者による押圧操作(外部操作)が入力される確認ボタン165と、分割で繰り出しが行われる場合に、これを視覚的および聴覚的の少なくともいずれか一方で報知する分割報知装置166とが設けられており、これらはバラ紙幣繰出制御部163に接続されている。
【0065】
そして、一のコンテナ12が所定のバラ紙幣装填位置に停止すると、バラ紙幣繰出制御部163は、装填報知装置164によりこれを報知させるとともに、当該コンテナ12(12j)に対するパックデータに基づいてバラ紙幣繰出装置32でバラ紙幣を繰り出させることになる。
ここで、バラ紙幣を一度で繰り出す場合、バラ紙幣繰出制御部163は、当該バラ紙幣をバラ紙幣繰出装置163で繰り出させるとともに、その後、確認ボタン165が一度操作されると、パック作成総合制御部35に対し移動許容信号を出力する。
【0066】
他方、バラ紙幣を複数回に分割して繰り出す場合、バラ紙幣繰出制御部163は、分割報知装置166により報知を行わせるとともに、バラ紙幣の一度目の繰り出しをバラ紙幣繰出装置32に行わせて、その後、作業者により確認ボタン165が操作されるまでバラ紙幣繰出装置32の次の繰り出しを規制する。他方、作業者により確認ボタン165が操作されると、次の繰り出しをバラ紙幣繰出装置32に行わせる。このようにして、前回の繰り出しに対する確認ボタン165の操作入力を前提として順次繰り出しを行わせ、分割された最後の繰り出しが行われた後、確認ボタン165が操作されると、パック作成総合制御部35に対し移動許容信号を出力する。
【0067】
なお、パック作成総合制御部35では、この移動許容信号がバラ紙幣繰出制御部163から出力されるまでコンテナ12(12j)の次の一ピッチ分の移動を規制する。他方、この移動許容信号が出力されると、これを条件の一つとしてコンテナ12(12j)を一ピッチ分移動させる。
【0068】
次に、装填整え装置24について説明する。
この装填整え装置24は、コンテナ12内に繰り出された棒金硬貨等の装填状態を整えるもので、図33に示すように、バラ紙幣装填位置の下流側の所定の整え位置に位置するコンテナ12(12k)の上側に配置されており、装填整え制御部168(図3参照)でその作動が制御される。
【0069】
装填整え装置24は、整え位置に位置するコンテナ12(12k)の上方に、上下方向に配置されるガイドレール167および該ガイドレール167に沿って移動する移動体169を有するエア駆動式等の駆動装置170と、該駆動装置170の移動体169の下端部に固定された整え部材171と、整え位置に位置するコンテナ12(12k)の若干上方に配置されて該コンテナ12(12k)における棒金硬貨Cの装填状態を監視するセンサ172とを有している。
【0070】
整え部材171は、Y方向における中央部173が最も下側に位置し、その両側が外側に位置するほど上側に位置するよう傾斜する傾斜面174とされている。なお、中央部173の配置位置は、棒金硬貨繰出装置16〜21,23の棒金硬貨Cの繰出落下位置と一致されている。
センサ172は、棒金硬貨Cの積み上げ高さがコンテナ12(12k)より上側所定位置に達するとこれを検出するもので、具体的には、該棒金硬貨Cで光路が遮断されることによりこれを検出する光学式のものが用いられている。
【0071】
装填整え制御部168は、センサ172で棒金硬貨Cが検出されると、棒金硬貨Cの装填状態が不良であると判定して、駆動装置170により整え部材171を下降させる(図34参照)。すると、該整え部材171が積み上げられた棒金硬貨Cに上側から当接してこれを側方に移動させるように押圧し積み上げ状態を崩して装填状態を整える。
なお、センサ172を設けずに、整え位置に位置したコンテナ12(12k)に対して必ず整え部材171を少なくとも一度下降させて棒金硬貨Cの装填状態を整えるようにしてもよい。
また、この装填整え装置24を、バラ紙幣装填位置の下流側の所定の整え位置に加えて、さらに、上流側に位置する、一つまたは複数のコンテナ12の上側に配置しても良い。
【0072】
次に、トップシート供給装置25について説明する。
トップシート供給装置25は、図35〜図37に示すように、整え位置より下流側の所定のトップシート供給位置に停止しているコンテナ12(12m)の上側に透明または半透明の合成樹脂からなるトップシートTSを配置させるもので、トップシート供給位置に停止しているコンテナ12(12m)より上流側かつ上側に配置された支持部176を有しており、該支持部176にロール状に巻かれた状態で支持された長尺状のトップシートTSを引き出して、これをコンテナ12(12m)に対して凹部44内に充填された現金を覆うように配置させる。
【0073】
トップシート供給装置25は、トップシートTSをコンテナ12の搬送方向にほぼ沿って引き出すトップシート引出装置177と、引き出されたトップシートTSを係止するトップシート係止装置178と、引き出されたトップシートTSを切断するトップシート切断装置179とを有しており、これらには、これらの駆動を制御するトップシート供給接着制御部180(図3参照)が電気的に接続されている。
【0074】
トップシート引出装置177は、トップシート供給位置に位置するコンテナ12(12m)の下側にY方向に配置された支持軸182と、該支持軸182の両端にそれぞれ下端側が支持された一対の引出アーム183と、支持軸182より上側にX方向に沿って配置されるとともに対応する引出アーム183の中間部分に連結された一対のエアシリンダ等の駆動装置184とを有しており、両引出アーム183の上端部間には、トップシートTSを挾持する挾持部185が、コンテナ12(12m)をY方向に跨ぐように設けられている。駆動装置184は、引出アーム183を揺動させることにより挾持部185を上流側の基本位置と下流側の引出位置との間で移動させる。
【0075】
引出アーム183の上端部に設けられた挾持部185は、Y方向に配置された挾持ベース186と、該挾持ベース186の両側に配置された一対のエアシリンダ等の駆動装置187と、これら駆動装置187に連結されるとともに挾持ベース186の上側にこれと平行に配置された挾持体188とを有しており、駆動装置187の作動で挾持体188を挾持ベース186に近接させることでこれら挾持体188および挾持ベース186でトップシートTSを挾持する一方、駆動装置187の作動で挾持体188を挾持ベース186から離間させることでトップシートTSの挾持を解除する。
なお、挾持体188および挾持ベース186には、これらが下流側の引出位置に位置する状態で鉛直方向に沿う複数具体的には四つの溝部189が下流側部分形成されている。
【0076】
トップシート係止装置178は、下流側の引出位置に位置する挾持部185の上側に配置されるもので、複数具体的には二つのエアシリンダ等の駆動装置190と、各駆動装置190の下側にそれぞれ二つずつ設けられて各駆動装置190で上下に移動させられるピン191とを有している。ここで、駆動装置190で下降させられたピン191は、引出位置に位置する挾持体188および挾持ベース186の溝部189に挿通される。
【0077】
トップシート切断装置179は、トップシート供給位置に位置するコンテナ12(12m)の上流かつ上側にY方向に延在するよう配置されるとともにその上面に同方向に延在する図示せぬ溝部が形成されたカッタレール192と、該カッタレール192の上側に該カッタレール192と平行に延在するガイドレール193および該ガイドレール193に沿って移動する移動体194を有するエア駆動式等の駆動装置195と、カッタレール192の溝部に下端部が入り込むように移動体195の下端に回転自在に設けられた円板状のカッタ196とを有している。そして、駆動装置195の移動体194が移動させられると、カッタ196がカッタレール192上を移動し、その結果、カッタレール192上に敷かれたトップシートTSを切断する。
【0078】
次に、ラベル印字貼付装置26について説明する。
ラベル印字貼付装置26は、トップシートTSをロール状に支持する支持部176とトップシート引出装置177との間に配置されるもので、一面が接着面とされたラベルLを接着面側で保持するラベルシートLSをロール状に支持する支持部198と、ラベルシートLSを搬送するとともにパックデータに基づいてラベルシートLSの各ラベルに所定の内容を印字する印字部199と、該印字部199で印字が行われたラベルシートLSを下側に180゜折り曲げることにより、ラベルシートLSからラベルLを一部剥がして突出させるローラ等の折曲部200と、該折曲部200で一部剥がされたラベルLを上側から負圧で吸着して保持する昇降自在の保持部201と、ラベルLが剥がされたラベルシートLSを巻き取る巻取部202と、保持部201の下降でこれに保持されたラベルLをトップシートTSに上側から貼付させる際にトップシートTSを下側で支持する貼付台203とを有しており、印字部199、保持部201および巻取部202には、これらの作動を制御するラベル印字貼付制御部204が電気的に接続されている。ラベルLは各コンテナ12毎すなわち各釣銭パックP毎に印字されて作成されることになり、貼付される釣銭パックP内に充填される現金の種類毎の数およびバーコードデータ等が印字される。
【0079】
次に、接着装置27について説明する。
接着装置27は、トップシート供給位置に停止しているコンテナ12(12m)の上側に昇降自在に設けられた横方向接着部206と、トップシート供給位置より一ピッチ下流側の縦接着位置に停止しているコンテナ12(12n)の上側に昇降自在に設けられた縦方向接着部207とを有している。
【0080】
横方向接着部206は、一対の移動軸体210(図42参照)を上下方向に配したエアシリンダ等の駆動装置211と、各移動軸体210に固定されるとともに高さおよびY方向の位置を互いに合わせた状態でY方向に延在する一対のシール部208とを有しており、これらシール部208は、加熱状態に維持されるとともに、駆動装置211により下降させられると、トップシート供給位置に停止しているコンテナ12(12m)のY方向に延在する一対のシール受け部材47にそれぞれ全面的に接触する。
【0081】
縦方向接着部207は、一対の移動軸体212(図42参照)を上下方向に配したエアシリンダ等の駆動装置213と、移動軸体212に固定されるとともに高さおよびX方向の位置を互いに合わせた状態でX方向に沿って延在する一対のシール部209とを有しており、これらシール部209は、加熱状態に維持されるとともに、駆動装置213で下降させられると、トップシート供給位置より一ピッチ下流側に位置を異ならせて停止しているコンテナ12(12n)のX方向に延在する一対のシール受け部材46に全面的に接触する。
【0082】
なお、縦方向接着部207をコンテナ12の一ピッチ分上流側に移動させた仮想状態を平面視すると仮定すると、縦方向接着部207の両シール部209と横方向接着部206の両シール部208は、それぞれの端部が隣り合うものの端部と重なり合う全体として長方形枠状になる。
ここで、横方向接着部206と縦方向接着部207とは、駆動装置211,213が同時に駆動されることで、一体的に昇降させられるようになっており、その昇降は上述したトップシート供給接着制御部180で制御される。
【0083】
以上の構成のトップシート供給装置25、ラベル印字貼付装置26および接着装置27の作動内容を説明する。
まず、ラベル印字貼付制御部204では、パックデータに基づいて、ラベル印字貼付装置26により各コンテナ12毎のデータをコンテナ12の順番にしたがってラベルLに印字している。また、このようなラベルLのうち、トップシート供給位置に位置するコンテナ12(12m)に対するものを保持部201でラベルシートLSから受け取り、トップシートTSに、該コンテナ12(12m)上へのトップシートTSの引き出し前に予め貼付させている。
【0084】
このようにラベルLの貼付が完了した状態において、挾持部65が基本位置にあってトップシートTSの先端部を近接する挾持体188および挾持ベース186で挾持し、トップシート係止装置178がピン191を上昇させ、さらに横方向接着部206と縦方向接着部207とを上昇させた状態(図38参照)から、まず、トップシート供給接着制御部180は、トップシート引出装置177の駆動装置184の作動で引出アーム183を下流側に揺動させ、挾持部185をトップシート供給位置に位置するコンテナ12(12m)の上流側(一端側)である基本位置から下流側(他端側)の引出位置まで移動させる。これにより、コンテナ12(12m)の上側にトップシートTSを引き出させる(図39参照)。ここで、引き出されたトップシートTSの先端位置は、コンテナ12(12m)の押さえ部材50よりも下流側に位置することになる。また、引き出されたトップシートTSは、コンテナ12(12m)の押さえ部材50よりもY方向における両外側まで延在するような巾を有している。なお、トップシートTSは少なくとも全体としてシール受け部材46,47より外側まで延在していればよい。
【0085】
引き出されたトップシートTSには、トップシート供給位置に停止しているコンテナ12(12m)に対するラベルLがその凹部44の略中央位置となる位置に貼付されている。
この状態で、トップシート供給接着制御部180は、トップシート係止装置178の駆動装置190によりピン191を下降させ、挾持体188および挾持ベース186の溝部189に挿入させる。その結果、ピン191が挾持体188および挾持ベース186で挾持されたトップシートTSの、トップシート供給位置に位置するコンテナ12(12m)における下流側部分を突き刺し係止する(図40参照)。
【0086】
次に、トップシート供給接着制御部180は、トップシート引出装置177の駆動装置187の作動により挾持体188および挾持ベース186によるトップシートTSの挾持を解除させ、その後、駆動装置184の作動で引出アーム183を上流側に揺動させることにより、挾持部185を上流側の基本位置に戻す(図41参照)。
続いて、トップシート供給接着制御部180は、駆動装置211,213により横方向接着部206と縦方向接着部207とを同時に下降させ、トップシートTSとベースシートBSとの重なり部分を、横方向接着部206の前後のシール部208とトップシート供給位置に位置するコンテナ12(12m)の前後のシール受け部材47との間で挾む。これと同時に、トップシートTSとベースシートBSとの重なり部分を、縦方向接着部207の左右のシール部209とトップシート供給位置より一ピッチ下流側の縦接着位置に位置するコンテナ12(12n)の左右のシール受け部材46との間で挾むことになる(図42参照)。
【0087】
すると、トップシート供給位置に位置するコンテナ12(12m)においては、トップシートTSおよびベースシートBSが凹部44に対し前後となる二カ所で直線状に熱接着され、縦接着位置に位置するコンテナ12(12n)においては、トップシートTSおよびベースシートBSが凹部44に対し左右となる二カ所で直線状に熱接着される。ここで、シール部208,209およびシール受け部材46,47は、その配置により、トップシートTSおよびベースシートBSを、コンテナ12の凹部44の外側かつ押さえ部材50の内側で接着させることになる。
シール部208,209がシール受け部材46,47に接触する以降のタイミングで、トップシート供給接着制御部180は、シート引出装置177の上記基本位置に戻してあった挾持部185でトップシートTSを挾持させる。
【0088】
そして、トップシート供給接着制御部180は、トップシート切断装置179の移動体194をガイドレール193に沿って移動させることで、カッタ196を転動させながらカッタレール192の図示せぬ溝部に沿って移動させ、その結果、該カッタ196が、トップシート引出装置177で引き出されてその一部がカッタレール192上に敷かれたトップシートTSを切断する(図43参照)。なお、カッタ196による切断位置は、トップシートTSのコンテナ12(12m)における上流側であって横方向接着部206で接着されている部分と挾持部185で挾持されている部分との間位置となる。
【0089】
ここで、トップシート引出装置177の挾持部185の上流側の戻り位置である基本位置は、カッタレール192の上流側の近傍である。このため、トップシート切断装置179によるトップシートTSの切断前に、上記したように、トップシート引出装置177の挾持部185を、トップシートTSへの挾持を解除させて上流側の基本位置に戻し該基本位置でトップシートTSを挾持させることにより、トップシート引出装置177がトップシートTSの形状を保持し捲れ上がり等を防止してトップシート切断装置179による切断を良好にする。
【0090】
なお、縦接着位置に位置するコンテナ12(12n)においては、一ピッチ前のトップシート供給位置に位置した状態で横方向接着部206によりトップシートTSおよびベースシートBSの前後の熱接着が行われトップシートTSの切断も行われている状態にあるため、該縦接着位置で縦方向接着部207によりトップシートTSおよびベースシートBSの左右の熱接着が行われることより、トップシートTSおよびベースシートBSはこれらの間に現金を介在させた状態で現金より外側の四方が接着された状態の釣銭パックPとなる。そして、ラベルLは釣銭パックPの上面のほぼ中央に貼付された状態となる。
そして、トップシート供給接着制御部180は、横方向接着部206および縦方向接着部207を接着に必要な所定時間下降させた後、これらを上昇させると(図44参照)、パック作成総合制御部35に移動許容信号を出力する。なお、このタイミングは、コンテナ12(12m)におけるトップシートTSの切断よりも後のタイミングとされている。
【0091】
次に、持上装置28について説明する。
持上装置28は、移載制御部215(図3参照)で制御されるもので、図45〜図47に示すように、縦接着位置より下流側の所定の移載位置に停止しているコンテナ12(12o)の下側に配置されて当該コンテナ12(12o)から釣銭パックPを持ち上げる。
持上装置28は、コンテナ12(12o)の下側に配置されたベース216と、コンテナ12(12o)の多数の貫通孔45と水平方向における位置を合わせてベース216上に多数鉛直立設されたピン部材217と、ベース216を昇降させることによりピン部材217を昇降させるエア駆動式等の一対の駆動装置218とを有している。
【0092】
そして、駆動装置218を作動させることで、ピン部材217は、移載位置に停止しているコンテナ12(12o)から完全に下方に退避する退避位置と、貫通孔45に挿通されることにより凹部44の底面部42から上方に突出し上端部をコンテナ12(12o)よりも上側まで突出させる突出位置との間で昇降する。その結果、ピン部材217は、退避位置に位置する状態ではいずれのコンテナ12の移動にも干渉することなく退避し、突出位置に位置する状態では移載位置に停止しているコンテナ12(12o)の凹部44内に収納されていた釣銭パックPを下側から支持しつつコンテナ12(12o)より上側まで持ち上げる(図48参照)。なお、この持ち上げ時に釣銭パックPは、コンテナ12(12o)の押さえ部材50より内側が持ち上げられることにより、押さえ部材50とコンテナ本体38との間に入り込んでいたベースシートBSを押さえ部材50とコンテナ本体38との間から抜け出させる。
【0093】
次に、移載装置29について説明する。
移載装置29は、移載位置に停止しているコンベア12(12o)の略上側に配置されており、持上装置28で持ち上げられた釣銭パックPを保持して移載先に搬送させるもので、移載制御部215で制御される。
この移載装置29は、移載位置に位置するコンテナ12(12o)の上側にY方向に延在するよう設けられたガイドレール220および該ガイドレール220に沿って移動する移動体221を有するエア駆動式等の搬送駆動装置222と、該搬送駆動装置222の移動体221に上下方向に移動軸体223を配置した状態で取り付けられるエアシリンダ等の昇降駆動装置224と、移動軸体223の下端に取り付けられた支持部225とを有している。
【0094】
支持部225は、移動軸体223の下端に固定されるベース227と、該ベース227にX方向に移動軸体228を配置しかつ互いに移動軸体228を反対に向けた状態で取り付けられる一対のエアシリンダ等の支持駆動装置229と、各支持駆動装置229の移動軸体228に互いに鏡面対称をなすよう前後に取り付けられるとともに両支持駆動装置229で互いに近接および離間させられる支持体230とを有している。
支持体230は、他の支持体230の方向に延出する下板部231をそれぞれ有しており、各下板部231の延出先端側には溝部232が多数形成されて櫛歯状とされている。
ここで、溝部232のY方向の位置は、図47に示すように、持上装置28のピン部材217の位置に合わせられており、これにより、両下板部231はピン部材217の間位置に進入可能とされている。
【0095】
移載制御部215は、移載位置に停止しているコンテナ12(12o)の真上の所定のすくい上げ位置に搬送駆動装置222で支持部225を移動させ、かつ昇降駆動装置224で支持部225を上昇させ、かつ支持駆動装置229で支持体230同士を離間させた状態で待機している。
そして、持上装置28のピン部材217で当該コンテナ12(12o)の釣銭パックPが持ち上げられると(図48参照)、昇降駆動装置224で支持部225を下降させる(図49参照)。そして、支持体230の下板部231が釣銭パックPより下側に位置する所定高さまで支持部225を下降させると、支持駆動装置229で支持体230同士を近接させて、それぞれの溝部232にピン部材217を通過させることにより、両下板部231をピン部材217の間位置に入り込ませる(図50参照)。
【0096】
次に、移載制御部215は、昇降駆動装置224で支持部225を上昇させる。すると、支持部225は、釣銭パックPを両下板部231で下側からすくい上げてピン部材217から離間させる。同時に、駆動装置218を駆動し、持上装置28のピン部材217を、コンテナ12(12o)の下方の退避位置に退避させる(図51参照)。昇降駆動装置224で支持部225を上昇させると、移載制御部215はパック作成総合制御部35に対し移動許容信号を出力する。
そして、移載制御部215は、このように釣銭パックPをすくい上げた状態の支持部225を搬送駆動装置222により、コンテナ12(12o)の側方に並設されたチェック装置30の上方位置に移動させ、その後、支持部225を昇降駆動装置224で下降させた後、支持部225の両支持体230を支持駆動装置229で離間させて、すくい上げていた釣銭パックPをチェック装置30上に受け渡す(図52参照)。
【0097】
チェック装置30は、メインコンベア11の側方で、該メインコンベア11と同じ方向に移動するとともに釣銭パックPがその上に移載されるベルトコンベア234と、該ベルトコンベア234の上に移載された状態の釣銭パックPの重量を計量する重量計量部235とを有しており、該重量計量部235で計量された重量をチェックするとともにベルトコンベア234の駆動を制御する釣銭パックチェック制御部236に電気的に接続されている。
【0098】
釣銭パックチェック制御部236には、各釣銭パックP毎のパックデータの各種別の数量から、各釣銭パックP毎の重量の基準データが割り出されて記憶されており、各釣銭パックP毎に基準データと重量計量部235で検出された計量データとを比較する。そして、これらの誤差が予め定められた許容範囲内であれば、その釣銭パックPについては、ベルトコンベア234を駆動して下流側のバッグ詰チェック台238(図1参照)に搬出する。そして、搬出に十分な時間が経過すると、パック作成総合制御部35に移動許容信号を出力する。
【0099】
他方、許容範囲になければ、釣銭パックチェック制御部236は、必要に応じて予め定められた所定回数上記した計量および比較を再試行する。そして、所定回数の計量および比較でも許容範囲になければ、作成ミスが生じたと判定して視覚的および聴覚的の少なくともいずれか一方で報知を行う。そして、釣銭パックチェック制御部236は、この釣銭パックPについてベルトコンベア234上から排除されたことが重量計量部235で検出されるまで、パック作成総合制御部35に移動許容信号を出力させずに待機し、ベルトコンベア234上から排除されたことが重量計量部235で検出されるとパック作成総合制御部35に移動許容信号を出力させる。なお、釣銭パックチェック制御部236は、実際の計量データを表示させる図示せぬ表示装置に接続されている。
【0100】
次に、バッグ詰チェック装置31(図1参照)について説明する。
図示せぬバッグは、釣銭パックPを単位グループで収容させるために用いられるもので、各バッグには、それぞれバーコードデータ等が記載された図示せぬ持出票が予め発行されて添付されることになる。
バッグ詰チェック装置31は、バッグの持出票のバーコードデータを読み取るとともに釣銭パックPに貼付されたラベルLのバーコードデータを読み取るスキャナ239と、作業者に対し表示を行う表示装置240とを有しており、バーコードデータの照合等を行うバッグ詰チェック制御部241(図3参照)に接続されている。なお、バッグ詰チェック制御部241には、上記した持出票を発行させる図示せぬ持出票発行装置が電気的に接続されている。
【0101】
次に、データ入力装置36およびパック作成総合制御部35について説明する。
データ入力装置36は、作業者により操作入力がなされるもので、契約先、店舗およびレジの登録を行う初期登録モードと、釣銭データを登録する釣銭データ登録モードと、配送日を基準とした作成日の対応関係を登録する対応関係登録モードと、作成日を入力させることにより該作成日の金種別貨幣の数量を計算させる準備金計数モードと、釣銭パックを作成させる釣銭パック作成モードとを有しており、これらモードから適宜選択される。
【0102】
初期登録モードが選択されると、パック作成総合制御部35は、その制御本体部243が、データ入力装置36に初期登録モード用のガイドメニューを表示させて、作業者によりデータ入力装置36に契約先、店舗、配送ルートおよびレジの入力を行わせ、この入力にしたがって、契約先登録部244に契約先を登録させ、店舗登録部245に契約先の店舗および配送ルートを登録させ、レジ登録部246に店舗のレジを登録させる。
【0103】
すなわち、データ入力装置36で一の契約先(他の契約先と識別可能な例えば名称)が入力されると制御本体部243は契約先登録部244にこれを記憶させ、次に、データ入力装置36で該一の契約先についての各店舗(同じ契約先の他の店舗と識別可能な例えば名称)が入力されると店舗登録部245にこれらを前記一の契約先と関連付けして記憶させ、これら各店舗の配送ルート(他のすべての配送ルートと識別可能な例えば名称)が入力されると店舗登録部245にこれらを前記一の契約先と関連付けして記憶させ、データ入力装置36で前記各店舗のそれぞれについての各レジ(同じ店舗の他のレジと識別可能な例えばレジ番号)が入力されるとレジ登録部246に各レジを店舗と関連付けして記憶させる。このような登録が必要なすべての契約先について行われることになる。
【0104】
ここで、契約先、店舗、配送ルートおよびレジの登録のイメージとしては、図53に示すように、関連付けされた契約先と店舗とレジとが階層状をなすようになっており、各店舗に並列で配送ルートが設定されるようになっている(図53における「A社」参照)。なお、レジは登録しなくてもよく、登録しない場合には、契約先と店舗とが階層状をなすようになっている(図53における「B社」参照)。そして、レジが階層の最下層となる場合には、レジの一つが単位グループとされ、また、店舗が階層の最下層となる場合には、店舗の一つが単位グループとされる(図53においては単位グループを四角枠で囲んで表示している)。
勿論、初期登録モードではすでに記憶されていたデータを読み出して修正し記憶し直したりすることが可能である。
なお、同一契約先の複数の店舗であっても、配送手配の効率化を図るため、配送ルートが別個に設定され、異なる契約先の複数の店舗であっても、同じ配送ルートを設定することができるようになっている(図53における「αルート」「βルート」参照)。
【0105】
次に、釣銭データ登録モードが選択されると、パック作成総合制御部35は、その制御本体部243が、データ入力装置36に釣銭データ登録モード用のガイドメニューを表示させて、作業者によりデータ入力装置36に初期登録モードで登録された単位グループ毎の釣銭データを入力させる。ここで、制御本体部243は、入力された釣銭データを、図53にイメージを示すように、それぞれ単位グループと関連付けして釣銭データ記憶部247に記憶させる。なお、釣銭データとしては、図53に示すように、釣銭を配送する「配送日」と現金の「各種類毎の数量」とが入力されるようになっており、配送日が異なる釣銭データ同士は、現金の各種類毎の数量が共通であっても、互いに別の釣銭データとして記憶される。このように釣銭データは所定の単位グループ毎に入力され設定されるようになっており、かつ1日単位で入力され設定されるようになっている。
【0106】
勿論、この釣銭データ登録モードでもすでに記憶されていたデータを読み出して修正し記憶し直したりすることが可能である。
なお、契約先の一つを単位グループとすることも可能であり、このように構成すれば、契約先単位、契約先の店舗単位および店舗のレジ単位のいずれでも入力可能となる。
ここで、上記した現金の種類とは、100円硬貨50枚の棒金硬貨、50円硬貨50枚の棒金硬貨、10円硬貨50枚の棒金硬貨、500円硬貨50枚の棒金硬貨、5円硬貨50枚の棒金硬貨、1円硬貨50枚の棒金硬貨、500円硬貨20枚の棒金硬貨、万券100枚の小束紙幣、五千券100枚の小束紙幣、千券100枚の小束紙幣、万券のバラ紙幣、五千券のバラ紙幣および千券のバラ紙幣のことである。
なお、本発明の釣銭作成装置で自動作成する対象ではないが、上記した釣銭データには、手払いで準備する、万券1000枚(小束紙幣10束)の大束、五千券1000枚(小束紙幣10束)の大束、千券1000枚(小束紙幣10束)の大束、500円硬貨2000枚の大袋、100円硬貨4000枚の大袋、50円硬貨4000枚の大袋、10円硬貨4000枚の大袋、5円硬貨4000枚の大袋、1円硬貨5000枚の大袋などの入力も可能となっている。
【0107】
対応関係登録モードが選択されると、パック作成総合制御部35は、その制御本体部243が、データ入力装置36に対応関係登録モード用のガイドメニューを表示させて、作業者によりデータ入力装置36に初期登録モードで登録された各店舗毎に、配送日を基準とした作成日の対応関係を設定入力させる。この入力された対応関係を、制御本体部243は、対応関係記憶部248に店舗と関連付けして記憶させる。ここで、配送日を基準とした作成日の対応関係は、言い換えれば配送日に対し何日前を作成日とするかであり、この対応関係を予め設定しておくことにより釣銭データとして配送日が入力されると自動的に作成日を設定することになり、この設定した作成日を、各釣銭データの一部として釣銭データ記憶部247にそれぞれ配送日と関連付けして記憶する。
すなわち、釣銭データの一部である配送日を入力すれば自動的に作成日を釣銭データの一部として設定登録するのである。
勿論、この対応関係登録モードでもすでに記憶されていたデータを読み出して修正し記憶し直したりすることが可能である。
【0108】
準備金計数モードが選択されると、パック作成総合制御部35は、その制御本体部243がデータ入力装置36に準備金計数モード用のガイドメニューを表示させて、作業者によりデータ入力装置36に作成日を入力させる。
そして、制御本体部243は、この入力された作成日を準備金計算部249に出力する。すると、該準備金計算部249は、入力された作成日を持つ釣銭データを釣銭データ記憶部247からすべて読み出して集計し、該作成日に必要とされる準備すべき金種別の貨幣の数量を計算する。そして、該金種別の貨幣の数量を作成日とともに図示せぬ印字装置に印字させる。
【0109】
釣銭パック作成モードには、契約先別作成モードと、配送ルート別作成モードとがあり、釣銭パック作成モードの契約先別作成モードが選択されると、パック作成総合制御部35は、その制御本体部243がデータ入力装置36に契約先別作成モード用のガイドメニューを表示させて、作業者によりデータ入力装置36に作成日および契約先を入力させる。
そして、作成日および契約先が入力されると、制御本体部243は、この入力された作成日および契約先を契約先別作成指示部250に出力する。すると、契約先別作成指示部250が、釣銭データ記憶部247から、入力された作成日かつ契約先の釣銭データのみを読み出して、これら釣銭データを制御本体部243に出力する。
【0110】
釣銭パック作成モードの配送ルート別作成モードが選択されると、パック作成総合制御部35は、その制御本体部243がデータ入力装置36に配送ルート別作成モード用のガイドメニューを表示させて、作業者によりデータ入力装置36に作成日および配送ルートを入力させる。
そして、作成日および配送ルートが入力されると、制御本体部243は、この入力された作成日および配送ルートを配送ルート別作成指示部251に出力する。すると、配送ルート別作成指示部251は、釣銭データ記憶部247から、入力された作成日かつ配送ルートの釣銭データのみを読み出して、これら釣銭データを制御本体部243に出力する。
【0111】
ここで、パック作成総合制御部35は、さらに釣銭データ分割部252とパックデータ記憶部253とを有している。
釣銭データ分割部252は、釣銭パック作成モードで読み出された各単位グループ毎の釣銭データが制御本体部243から出力されるもので、各単位グループ毎の釣銭データについて、釣銭データに対応する現金量(数量または重量)を事前に計算するとともに、該現金量を予め定められた所定の基準値と比較し、該現金量が基準値を越えた場合に、現金量が基準値以内に納まるように釣銭データを複数のパックデータに分割してパックデータ記憶部253に記憶させる。
【0112】
すなわち、釣銭データ分割部252は、一の単位グループの釣銭データに対応する全現金量を所定の基準値と比較し、全現金量が基準値を越えない場合は、該釣銭データを一のパックデータとして前記単位グループと関連付けして記憶させる。一方、全現金量が基準値を越えた場合には、現金量が基準値以内に納まるように、かつ同一金種の現金量が基準値を越える場合を除き同一金種は同一のパックデータに含まれるように、釣銭データを最も少ない数の複数のパックデータに分割して単位グループと関連付けしかつ複数のパックデータに分割されたことと合わせて記憶させる。
【0113】
具体的に、全現金量が基準値を越える場合を、図54を参照しつつ説明する。なお、図54においては説明の便宜上、棒金硬貨のみの釣銭パックを作成する場合とし各棒金硬貨それぞれについて30本を基準値としている。
まず、全現金量が基準値を越える場合は、各種類毎に現金量を基準値と比較する。そして、同一種類の現金量が基準値を越える場合は、この同一種類の現金量が基準値以内に納まるように該種類の釣銭データを分割して複数の分割データを作成する(図54においては、釣銭データにおいて10円の棒金硬貨のみが50本であり基準値30本を越えているため、この10円の棒金硬貨を30本と20本に分割している)。他方、同一種類の現金が基準値を越えない種類のものに関しては、釣銭データを各種類別に分割して複数の分割データを作成する(図54においては10円以外の棒金硬貨がこれに相当している)。そして、このようにして作成された分割データは、他の種類のものを含まないものとなる。
【0114】
そして、データ数が最小となるように分割データ同士を前記基準値を越えない範囲で組み合わせる(図54のパックデータ参照)。
以上のようにして作成された分割データと分割データ同士の組み合わせとがすべてパックデータとして単位グループと関連付けされてパックデータ記憶部253に記憶される。このとき、同一単位グループのパックデータにはそれぞれ分割全数と分割された他との識別用の番号とが付けられる。
そして、このようなパックデータを、すべての単位グループについて作成する。
【0115】
次に、以上のような構成の釣銭作成装置のパック作成総合制御部35の制御内容について説明する。
まず始めに、データ入力装置36で、準備金計数モードが選択されて予め作成日が入力され、該作成日に必要とされる準備すべき金種別の貨幣の数量が計算されて印字され、この印字された準備金データに基づいて、棒金硬貨繰出装置16〜21,23、小束紙幣繰出装置22、バラ紙幣繰出装置32に棒金硬貨Cとなるバラ硬貨、小束紙幣S1が所定位置に予め装填されているものとする。
この状態で、データ入力装置36で、釣銭パック作成モードが選択され、契約先別作成モードあるいは配送ルート別作成モードが選択されて作成日が入力されると、パック作成総合制御部35は、モードに合わせて各単位グループ毎の釣銭データを釣銭データ記憶部247から読み出して、釣銭データ分割部252によりパックデータの作成を行わせる。
【0116】
その一方で、バッグ詰チェック制御部241に指令を出力し、持出票発行装置でバッグに対しての持出票を印刷させる。ここで、単位グループが店舗である場合、持出票には、契約先と店舗とが印刷され、単位グループを示すデータを含むバーコードデータも印刷される。また、単位グループがレジである場合、持出票には、契約先と店舗とレジとが印刷され、単位グループを示すデータを含むバーコードデータも印刷される。
【0117】
そして、すべての釣銭データがパックデータとされると、パック作成総合制御部35は、まず、ベースシート供給位置に停止しているコンテナ12(12a)に対して初めのパックデータを対応させる。このようにして、順次ベースシート供給位置に停止するコンテナ12に対し一つずつパックデータを対応させることになる。なお、当然のことながら、一のパックデータは、一のコンテナ12で釣銭パックPが作成されるまでは当該コンテナ12の位置にかかわらず当該コンテナ12に対し常に対応させられることになる。また、パックデータは、同じ単位グループのものは、まとめられて、付与された番号順にコンテナ12に対応させられる。
【0118】
また、パック作成総合制御部35は、ベースシート供給配置制御部60に指令を出力し、ベースシート供給位置に停止しているコンテナ12(12a)に対してベースシート供給装置14およびベースシート配置装置15でベースシートBSを供給し配置して保持させる。これにより、対応するパックデータを有するコンテナ12にはすべてベースシートBSが供給配置されることになる。
【0119】
加えて、パック作成総合制御部35は、棒金硬貨繰出制御部98に指令を出力し、棒金硬貨装填第一位置に停止しているコンテナ12(12b)に対して棒金硬貨繰出装置16で100円硬貨50枚巻きの棒金硬貨を該コンテナ12(12b)に対応するパックデータに含まれる数だけ装填させる。
同様に、棒金硬貨繰出制御部99に指令を出力し、棒金硬貨装填第二位置に停止しているコンテナ12(12c)に対して棒金硬貨繰出装置17で50円硬貨50枚巻きの棒金硬貨を該コンテナ12(12c)に対応するパックデータに含まれる数だけ装填させる。
【0120】
同様に、棒金硬貨繰出制御部100に指令を出力し、棒金硬貨装填第三位置に停止しているコンテナ12(12d)に対して棒金硬貨繰出装置18で10円硬貨50枚巻きの棒金硬貨を該コンテナ12(12d)に対応するパックデータに含まれる数だけ装填させる。
同様に、棒金硬貨繰出制御部101に指令を出力し、棒金硬貨装填第四位置に停止しているコンテナ12(12e)に対して棒金硬貨繰出装置19で500円硬貨50枚巻きの棒金硬貨を該コンテナ12(12e)に対応するパックデータに含まれる数だけ装填させる。
同様に、棒金硬貨繰出制御部102に指令を出力し、棒金硬貨装填第五位置に停止しているコンテナ12(12f)に対して棒金硬貨繰出装置20で500円硬貨20枚巻きの棒金硬貨を該コンテナ12(12f)に対応するパックデータに含まれる数だけ装填させる。
同様に、棒金硬貨繰出制御部103に指令を出力し、棒金硬貨装填第六位置に停止しているコンテナ12(12g)に対して棒金硬貨繰出装置21で5円硬貨50枚巻きの棒金硬貨を該コンテナ12(12g)に対応するパックデータに含まれる数だけ装填させる。
【0121】
また、パック作成総合制御部35は、小束紙幣繰出制御部123に指令を出力し、小束紙幣装填位置に停止しているコンテナ12(12h)に対して該コンテナ12(12h)に、小束紙幣繰出装置22で小束紙幣を該コンテナ12(12h)に対応するパックデータに含まれる数だけ装填させる。
さらに、棒金硬貨繰出制御部104に指令を出力し、棒金硬貨装填第七位置に停止しているコンテナ12(12i)に対して棒金硬貨繰出装置23で1円硬貨50枚巻きの棒金硬貨を該コンテナ12(12i)に対応するパックデータに含まれる数だけ装填させる。
【0122】
さらに、パック作成総合制御部35は、バラ紙幣繰出制御部163に指令を出力し、バラ紙幣装填位置に停止しているコンテナ12(12j)に対して、バラ紙幣繰出装置32でバラ紙幣を該コンテナ12(12j)に対応するパックデータに含まれる数だけ一回あるいは複数回に分けて繰り出させる。すると、作業者が繰り出されたバラ紙幣をバラ紙幣装填位置に停止しているコンテナ12(12j)に装填させる。
加えて、パック作成総合制御部35は、装填整え制御部168に指令を出力し、整え位置に停止しているコンテナ12(12k)に対して、センサ172で棒金硬貨の装填状態を検出させ、該センサ172で棒金硬貨が検出されると、棒金硬貨の装填状態が不良であると判定して、駆動装置170により整え部材171を下降させる。すると、該整え部材171が積み上げられた棒金硬貨に上側から当接してこれを側方に移動させるように押圧し崩して装填状態を整える。
【0123】
ここで、パック作成総合制御部35は、ラベル印字貼付制御部204に指令を出力し、コンテナ12に対応がとられたパックデータの順にラベル印字貼付装置26にパックデータの内容の印字を行わせている。ここで、印字の内容データとしては、単位グループが店舗である場合、該当するパックデータに含まれる、契約先と、店舗と、現金の各種類毎の数量と、各種類毎の数量に基づいて割り出される釣銭パックの計算上の基準重量と、単位グループを示すデータを含むバーコードデータとが印刷される。
他方、単位グループがレジである場合、該当するパックデータに含まれる、契約先と、店舗と、レジと、現金の各種類毎の数量と、各種類毎の数量に基づいて割り出される釣銭パックの計算上の基準重量と、単位グループを示すデータを含むバーコードデータとが印刷される。
【0124】
ここで、単位グループがいずれであっても、単位グループの釣銭データが複数に分割されたうちの一つのパックデータである場合には、分割されていることの識別表示として、分割全数が分母とされ、分割された他との識別用の番号が分子とされた分数が印字されることになる一方、単位グループの釣銭データが一つのパックデータとなった場合には、このような分数の表示がなされないことになる。
そして、ラベル印字貼付制御部204に指令を出力し、このようなラベルLを、トップシートTSの該ラベルLに対応し、トップシート供給位置に位置するコンテナ12(12m)に対し引き出される部分にラベル印字貼付装置26で貼付させる。
【0125】
また、パック作成総合制御部35は、トップシート供給接着制御部180に対し指令を出力し、トップシート供給位置に位置するコンテナ12(12m)のベースシートBSの上側に装填された現金を覆うように上記ラベルLの貼付されたトップシートTSをトップシート供給装置25により供給させる。そして、接着装置27によりトップシート供給位置に位置するコンテナ12(12m)のベースシートBSとトップシートTSとを前後で接着させ、縦接着位置に位置するコンテナ12(12n)のベースシートBSとトップシートTSとを左右で接着させる。
さらに、パック作成総合制御部35は、移載制御部215に対し指令を出力し、移載位置に位置するコンテナ12(12o)から釣銭パックPを持上装置28で持ち上げて移載装置29でチェック装置30のベルトコンベア234に移載させる。
【0126】
釣銭パックチェック制御部236は、移載された釣銭パックPのパックデータの各種別の数量から、該釣銭パックの重量の基準データを割り出しており、この基準データと重量計量部235で検出された実際の計量データとを比較する。そして、これらの誤差が予め定められた許容範囲内であれば、この釣銭パックPについては、ベルトコンベア234を駆動して下流側のバッグ詰チェック台238に搬出する。
なお、釣銭パックチェック制御部236は、実際の計量データを表示させる図示せぬ表示装置に電気的に接続されており、該表示装置に実際の計量データを表示させる。その結果、作業者はこの計量データと釣銭パックに貼付されたラベルLに記載された計算上の重量データとを見て誤差がどの程度であるかを判断することができる。
【0127】
そして、ベースシート供給配置制御部60、各棒金硬貨繰出制御部98〜104、小束紙幣繰出制御部123、バラ紙幣繰出制御部163、装填整え制御部168、トップシート供給接着制御部180、移載制御部215および釣銭パックチェック制御部236から出力される移動許容信号のそれぞれ対して、移動許容信号を受けるとONされる移動制御フラグをパック作成総合制御部35は有しており、以上のコンテナ12に関わる各装置の作動が完了し、すべての移動制御フラグがONされると、パック作成総合制御部35は、コンベア駆動制御部54に指令を出力し、コンテナ12を一ピッチ分だけ移動させる。他方、一ピッチコンテナ12を移動させ終わると、パック作成総合制御部35は、移動制御フラグをすべてOFFさせる。
【0128】
以上により、コンテナ12にベースシート供給装置14およびベースシート配置装置15でベースシートBSが配置されると、該コンテナ12に対応するパックデータに基づいて、移動の順に、棒金硬貨繰出装置16から100円硬貨50枚巻きの棒金硬貨が凹部44のベースシートBS上に必要に応じて装填され、棒金硬貨繰出装置17から50円硬貨50枚巻きの棒金硬貨が凹部44のベースシートBS上に必要に応じて装填され、棒金硬貨繰出装置18から10円硬貨50枚巻きの棒金硬貨が凹部44のベースシートBS上に必要に応じて装填される。
【0129】
さらに、移動の順に、棒金硬貨繰出装置19から500円硬貨50枚巻きの棒金硬貨が凹部44のベースシートBS上に必要に応じて装填され、棒金硬貨繰出装置20から500円硬貨20枚巻きの棒金硬貨が凹部44のベースシートBS上に必要に応じて装填され、棒金硬貨繰出装置21から5円硬貨50枚巻きの棒金硬貨が凹部44のベースシートBS上に必要に応じて装填され、小束紙幣繰出装置22から小束紙幣が凹部44のベースシートBS上に必要に応じて装填され、バラ紙幣繰出装置32からバラ紙幣が作業者により凹部44のベースシートBS上に必要に応じて装填され、棒金硬貨繰出装置23から1円硬貨50枚巻きの棒金硬貨が凹部44のベースシートBS上に必要に応じて装填される。
【0130】
さらに、移動の順に、装填整え装置24で必要に応じて装填状態が整えられ、該コンテナ12に対応するパックデータに基づく印字がなされたラベルLがラベル印字貼付装置26で貼付されたトップシートTSがトップシート供給装置25でベースシートBSの上に現金を覆うように供給されかつ接着装置27で前後が接着され、次いで接着装置27で左右が接着され、移載装置29でチェック装置30に移載されて重量チェックが行われてバック詰チェック装置31に搬出される。
【0131】
このようにして作成された釣銭パックPのバッグ詰めについて説明する。
パック作成総合制御部35では、直前の単位グループの釣銭パックPのバッグ詰めが完了したことを示す確認信号が出力されると、バッグ詰チェック装置31にチェック装置28から次に搬出される釣銭パックPの単位グループを割り出し、バッグ詰チェック制御部241に出力する。すると、バック詰チェック制御部241は、バッグを準備すべき該単位グループを表示装置240に表示させる。すなわち単位グループが店舗であった場合は契約先と店舗を表示させる一方、単位グループがレジであった場合は契約先と店舗とレジとを表示させる。
【0132】
すると、作業者はこの表示と同じ単位グループが記載された持出票が添付されたバックを準備して、該持出票のバーコードデータをスキャナ239で読み取って入力させる。すると、バッグ詰チェック制御部241は、該バーコードデータに含まれる単位グループを認識するとともに、該単位グループと表示装置240に表示させた単位グループとが一致するか否かを確認し、一致する場合には、一致する旨の表示を表示装置240に行わせかつ一致時特有の音を発生させるとともに、後述する釣銭パックPのバーコードデータの入力を許容する状態となる。
【0133】
他方、バッグの単位グループと表示装置240に表示させた単位グループとが不一致の場合には、不一致である旨の表示を表示装置240に行わせかつ不一致時特有の音を発生させるとともに、後述する釣銭パックPのバーコードデータの入力を拒否する状態となる。そして、作業者が正しいバッグのバーコードデータを読み取らせることにより、上記した一致時の状態となる。
【0134】
そして、準備したバッグの単位グループと表示装置240に表示させた単位グループとが一致すると、バッグ詰チェック制御部241は、チェック装置30から搬出されてきた釣銭パックPのバーコードデータの入力を許容する。そして、この釣銭パックPのバーコードデータが作業者によりスキャナ239で読み取られ入力されると、該バーコードデータに含まれる単位グループを認識するとともに、該単位グループと準備したバッグの単位グループとが一致するか否かを確認する。そして、これらが一致する場合には、一致する旨の表示を表示装置240に行わせかつ一致時特有の音を発生させるとともに、この単位グループが複数のパックデータを有している場合には、他のバッグのバーコードデータの入力を拒否しかつ同じ単位グループの次の釣銭パックPのバーコードデータの入力を許容する状態となる。一方、この単位グループが一つのパックデータを有している場合には、他の釣銭パックPのバーコードデータの入力を拒否しかつ次のバッグのバーコードデータの入力を許容する状態となるとともに、表示装置240にこの単位グループの釣銭パックPのバッグ詰めが完了した旨の表示を行わせ、さらに、パック作成総合制御部35に、この単位グループの釣銭パックPのバッグ詰めが完了した旨の確認信号を出力する。
【0135】
他方、釣銭パックPの単位グループと準備したバッグの単位グループとが不一致の場合には、不一致である旨の表示を表示装置240に行わせかつ不一致時特有の音を発生させるとともに、次の釣銭パックPあるいはバッグのバーコードデータの入力を拒否する状態となる。そして、作業者が正しい釣銭パックのバーコードデータを読み取らせることにより、上記した一致時の状態となる。
【0136】
なお、単位グループが複数のパックデータを有している場合には、該単位グループの釣銭パックPのバーコードデータが入力されると、同じ単位グループの釣銭パックPのバーコードデータがすべて読み取られ入力されるまで、他のバッグのバーコードデータの入力を拒否しかつ同じ単位グループの次の釣銭パックPのバーコードデータの入力を許容する状態となり、同じ単位グループの釣銭パックのバーコードデータがすべて入力されると、他の釣銭パックPのバーコードデータの入力を拒否しかつ次のバッグのバーコードデータの入力を許容する状態となるとともに、表示装置240にこの単位グループのすべての釣銭パックPのバッグ詰めが完了した旨の表示を行わせ、さらに、パック作成総合制御部35に、この単位グループの釣銭パックPのバッグ詰めが完了した旨の確認信号を出力する。
【0137】
以上に述べた第1の実施の形態によれば、ベースシート供給装置14で供給されたベースシートBSとトップシート供給装置25で供給されたトップシートTSとをこれらの間に棒金硬貨繰出装置16〜21,23および小束紙幣繰出装置22から繰り出された現金を介在させた状態で接着装置27により接着させて釣銭パックPを作成することになるため、作成された釣銭を袋に移し換える作業が不要となる。したがって、釣銭を作成する際の人員コストを低減することができる。
しかも、袋に代えて、ベースシートBSとトップシートTSとで釣銭パックPのパック部材を作成するため、パック部材自体のコストを低減することができる上、棒金硬貨繰出装置16〜21,23からベースシートBS上に棒金硬貨を繰り出す際にその落下高さを比較的低く抑えることができ、よって棒金硬貨の折れや崩れ等が生じるのを防止することができる。
【0138】
また、チェック装置30が、作成された釣銭パックPの重量を計量し、該計量データと、データ入力装置36に入力されたパックデータに基づいて割り出される重量の基準データとを比較することになるため、作成ミスがあった釣銭パックPがそのまま流れてしまうことを防止できる。
さらに、コンテナ12がベースシートBSを敷設状態で保持するとともに凹部44を有しているため、ベースシートBSを用いても、ベースシートBSが敷設された凹部44により現金が脱落等することを防止する。したがって、安価なシートを用いても確実に釣銭パックPを作成することができる。
加えて、棒金硬貨繰出装置16〜21,23および小束紙幣繰出装置22が、コンテナ12のピッチに対応させて配置されているため、各コンテナ12に保持されたベースシートBSに、棒金硬貨繰出装置16〜21,23および小束紙幣繰出装置22から順次現金を繰り出させることができる。したがって、一つのベースシートBSに対するすべての現金の繰り出しに要する時間を短縮することができる。
【0139】
さらに、釣銭パックPには自動的に該釣銭パックPに対応する、単位グループ、現金の各種類毎の数量等の内容データが記載されたラベルLが貼付されることになるため、このような内容データを記載した明細表を同封する等の作業が不要となる。したがって、釣銭を作成する際の人員コストをさらに低減することができる。
加えて、釣銭パックPの重量の基準データをラベルLに印字する内容データに含むため、作成された釣銭パックPのラベルLから該釣銭パックPの重量の基準データを視認することができる。したがって、チェック装置30をなくして、釣銭パックPの実際の重量との比較を人手により行う場合にも、比較を容易に行うことができる。
【0140】
また、小束紙幣S1を繰り出す小束紙幣繰出装置22および棒金硬貨Cを繰り出す棒金硬貨繰出装置16〜21,23を有しているため、バラ紙幣を必要としない場合には、小束紙幣S1および棒金硬貨Cを含んだ釣銭パックPを自動的に作成することができる。
さらに、棒金硬貨繰出装置16〜21,23は、バラ硬貨から棒金硬貨Cを作成する硬貨包装機94を有しているため、回収したバラ硬貨をそのまま使用することができる。
【0141】
加えて、データ入力装置36で入力された釣銭データに基づいて、釣銭データ分割部252が、該釣銭データに対応する現金量を事前に計算するとともに、該現金量が基準値を越えた場合、現金量が基準値以内に納まるように釣銭データを複数のパックデータに分割する。そして、釣銭データ分割部252で釣銭データが分割された場合には、分割された各パックデータ毎の釣銭パックPを作成することになる。このように、現金量が多いことが計算上求められた場合に、該現金を複数の釣銭バックPに分割することになるため、数量が多くてパック部材に収容しきれずに溢れたり、重量が重くなってパック部材が移載装置29から脱落してしまうことがなくなる。したがって、確実に釣銭パックPを作成することができる。
【0142】
また、釣銭データ分割部252が、釣銭データを複数のパックデータに分割する際に、同一金種の現金量が基準値を越える場合を除き、同一金種は同一のパックデータに含まれるように分割することになるため、釣銭データ分割部252で分割された各パックデータ毎の釣銭パックPを作成しても、異なる釣銭パックPにまたがって同一金種の現金が収容されることが、同一金種の現金量が基準値を越える場合を除いてなくなる。したがって、複数の釣銭パックPに分割された際に、異なる釣銭パックPにまたがって同一金種の現金が収容されることにより生じる例えば数量の誤認識等を防止することができる。
さらに、ラベル印字貼付装置26が、釣銭データが複数のパックデータに分割されない場合には該釣銭データの内容が印字されたラベルLを対応する釣銭パックPに貼付状態とする一方、釣銭データが複数のパックデータに分割される場合には各パックデータの内容が印字された各ラベルLをそれぞれに対応する釣銭パックPに貼付状態とするため、各釣銭パックPに、収容された現金の内容をラベルLで表示することができる。したがって、各釣銭パックPの内容をそれぞれに貼付されたラベルLで確認することができる。
【0143】
加えて、ラベル印字貼付装置26が、釣銭データを複数のパックデータに分割しない場合には該釣銭データに基づいて割り出される基準重量を対応するラベルLに印字する一方、釣銭データを複数のパックデータに分割する場合には各パックデータのそれぞれに基づいて割り出される各基準重量を対応するラベルLに印字するため、各釣銭パックPに、収容された現金の基準重量をラベルLで表示させることができる。したがって、各釣銭パックPの基準重量をそれぞれに貼付されたラベルLで確認することができる。
【0144】
また、ラベル印字貼付装置26が、釣銭データを複数のパックデータに分割したか否かの識別(上記の場合分数)をラベルLに印刷するとともに、釣銭データを複数のパックデータに分割した場合には、これらパックデータの各別のラベルLに共通の釣銭データに基づくものであることの表示(分数の分母)を印刷するため、釣銭パックPのラベルLから、該釣銭パックPは複数に分割されたものの一つであるか否かが認識できるとともに、複数に分割されたものである場合には分割された他のものがいずれであるかをも認識することができる。したがって、後の仕分け作業等の作業性を向上させることができる。
加えて、店舗単位で釣銭データを入力すれば、店舗単位で釣銭パックPが必要に応じて複数に分割されて作成され、レジ単位で釣銭データを入力すれば、レジ単位で釣銭パックPが必要に応じて複数に分割されて作成されることになる。したがって、所望の作成単位で作成することができる。
【0145】
また、コンテナ12(12a)の上側にベースシート供給装置14から供給されたベースシートBSが配置されると、ベースシート押込部80が凹部44に対し進入してコンテナ12(12a)上に配置されたベースシートBSをコンテナ本体38の凹部44に押し込む。そして、ベースシート入込部81が、凹部44に押し込まれたベースシートBSの凹部44から突出する側の端縁部をコンテナ本体38と押さえ部材50との間位置に入れ込む。その結果、ベースシートBSが凹部44に沿って箱型にされるとともに凹部44から突出する端縁部が係止される。したがって、このように箱型とされたベースシートBSに、棒金硬貨繰出装置16〜21,23により棒金硬貨Cを繰り出させることにより、棒金硬貨Cの落下高さをさらに抑えることができるため、棒金硬貨Cに生じる折れ等を確実に防止することができる。
【0146】
また、ベースシート入込部81がベースシートBSの端縁部をコンテナ12(12a)のコンテナ本体38と押さえ部材50との間に入れ込む前に、駆動装置83が押さえ部材50をコンテナ本体38の挾持面52に対し離間させるため、ベースシート入込部81によるベースシートBSの端縁部の入れ込みが容易かつ確実に行われる。また、駆動装置83が、ベースシート入込部81がベースシートBSの端縁部をコンテナ本体38と押さえ部材50との間位置に入れ込んだ後に押さえ部材50をコンテナ本体38の挾持面52に対し近接させるため、これらの間位置に入れ込まれたベースシートBSの端縁部の抜けを防止することができる。したがって、ベースシートBSの端縁部をコンテナ本体38と押さえ部材50との間位置に確実に入れ込んだ状態とすることができ、かつ入れ込んだ状態を良好に維持できる。
【0147】
さらに、ベースシート引出装置57が、長尺状のベースシートBSを挾持してコンテナ12(12a)の上流側から下流側に移動することにより該ベースシートBSをコンテナ12(12a)の上側に引き出した後、ベースシート切断装置59がベースシートBSのコンテナ12(12a)における上流側を切断して、コンテナ12(12a)に対しベースシートBSを供給する。したがって、予めコンテナ12(12a)に合わせて切断した状態のベースシートBSを用いる必要がなくなるため、該ベースシートBSのコストを低減することができる。
【0148】
加えて、ベースシート係止装置58が、ベースシート引出装置57で引き出されたベースシートBSのコンテナ12(12a)における下流側を係止すると、ベースシート引出装置57が、ベースシートBSへの挾持を解除してコンテナ12(12a)の上流側に戻ってベースシートBSのコンテナ12(12a)における上流側を挾持する。そして、ベースシート切断装置59によりベースシートBSを切断することになる。したがって、ベースシート引出装置57がベースシートBSの形状を保持し捲れ上がり等を防止するため、ベースシートBSを確実にベースシート切断装置59で切断させることができるとともに、ベースシート引出装置57が戻っていることで、次のベースシートBSの引き出しに即座に対応することができる。
【0149】
また、棒金硬貨繰出装置16〜19,21,23の硬貨包装機94が、バラ硬貨から円柱状の棒金硬貨Cを作成するとともに該棒金硬貨Cをその軸線方向をメインコンベア11の延在方向に平行させた状態で放出すると、該棒金硬貨Cは、その軸線方向に直交する方向に棒金硬貨コンベア95で搬送される。そして、ガイド部材96で軸線方向の位置決めがなされた後、メインコンベア11に取り付けられたコンテナ12に計数繰出装置97によって繰り出される。このように、棒金硬貨Cはガイド部材96で軸線方向の位置決めがなされた状態でコンテナ12に放出されることになるため、棒金硬貨Cの放出位置が安定することになる。したがって、棒金硬貨Cを確実に凹部44のベースシートBS上に収容させることができる。
【0150】
さらに、硬貨包装機94、棒金硬貨コンベア95、ガイド部材96および計数繰出装置97からなる棒金硬貨繰出装置16〜19,21,23は、それぞれ一金種に対し一組設けられており、このような棒金硬貨繰出装置16〜19,21,23が全金種分設けられているため、全金種の棒金硬貨を釣銭として準備する際に、すべての棒金硬貨を常に不足のないように供給することが容易にできるとともに、全金種の棒金硬貨を位置を決めた状態でコンテナ12に放出させることができる。したがって、棒金硬貨Cの供給の作業に要する労力を減らすことができ、複雑な制御をも不要とすることができるとともに、全金種の棒金硬貨Cを確実に凹部44のベースシートBS上に収容させることができる。
【0151】
加えて、小束紙幣繰出装置22は、各金種別の収納部133〜136から繰出装置119が、入力されたデータに基づいて一束ずつ小束紙幣S1を繰り出すと、把持搬送装置122が、該小束紙幣S1を把持し対応するコンテナ12(12h)に装填させる。よって、小束紙幣S1の搬送に人手が不要となる。したがって、釣銭を作成する際の人員コストを低減することができる。
また、把持搬送装置122が各金種別の小束紙幣S1のすべてに対し一つ設けられているため、コストを低減することができる。
【0152】
さらに、整列装置121が、繰出装置119で繰り出された小束紙幣S1の位置を揃えることになるため、把持搬送装置122で小束紙幣S1を確実に把持することができる。したがって、小束紙幣S1を確実にコンテナ12(12h)に装填することができる。
加えて、把持搬送装置122が、対応するコンテナ12(12h)内での小束紙幣S1の装填位置を、入力されたデータに基づいて変更するため、コンテナ12(12h)内の装填スペースに偏った状態で小束紙幣S1が装填されることを防止できる。したがって、コンテナ12内の装填スペースを有効に使用して小束紙幣S1を装填することができる。
【0153】
ここで、把持搬送装置122が、対応するコンテナ12(12h)内での小束紙幣S1の装填姿勢を、入力されたデータに基づいて変更するようにすれば、他の棒金硬貨C等と干渉してしまうような場合に、小束紙幣S1の装填姿勢を変更して、他の棒金硬貨C等との干渉を回避しつつコンテナ12(12h)内に装填できる。したがって、コンテナ12(12h)内の装填スペースをさらに有効に使用して小束紙幣S1を装填することができる。
【0154】
また、バラ紙幣繰出装置32が、コンテナ12が所定のバラ紙幣装填位置に達した場合に、当該コンテナ12(12j)に対応するパックデータに基づいたバラ紙幣を計数しつつ繰り出すことになる。しかも、コンベア駆動制御部54が、確認ボタン165の外部操作に基づいてコンベア12の移動を制御するため、バラ紙幣の投入が完了して作業者により確認ボタン165に外部操作が入力されるまで所定のバラ紙幣装填位置でコンベア12を停止させておくことになり、よって、バラ紙幣繰出装置32で繰り出されたバラ紙幣が投入されることなくコンテナ12が移動してしまうことを防止できる。したがって、バラ紙幣を人手によりコンテナ12(12j)に投入させる際に、正確に投入させることができる。
【0155】
加えて、バラ紙幣繰出装置32は、繰り出すべきバラ紙幣の総紙幣量が所定量を越える場合には、一度の繰り出しで繰り出される紙幣量が所定量以内に納まるように複数回に分割して繰り出しを行うため、バラ紙幣を基本的には制限なく釣銭用に準備できる。したがって、釣銭用としてバラ紙幣が大量に要求される場合にも対応できる。
しかも、バラ紙幣を複数回に分割して繰り出す際に金種別に分割して繰り出すことになるため、バラ紙幣を金種別にコンテナ12(12j)に投入することができる。したがって、バラ紙幣を金種別に例えば輪ゴム等で仕分けしてコンテナ12(12j)に投入すること等が容易となる。
【0156】
さらに、分割報知装置166は、バラ紙幣を複数回に分割して繰り出す際に報知を行うことになるため、分割して繰り出しが行われていることを作業者が認識することができる。したがって、作業者が分割繰り出しであることを認識できずにいることにより生じる不具合を防止できる。
また、バラ紙幣繰出装置32は、バラ紙幣を複数回に分割して繰り出す際に、一の繰り出しの後確認ボタン165に外部操作が入力されるまで次の繰り出しを規制するため、先に繰り出されたバラ紙幣が取り出されない状態で次のバラ紙幣が繰り出されてこれらが混ざり合ってしまうことがない。しかも、コンベア駆動制御部54が、最後の繰り出しの後確認ボタン165に外部操作が入力されるまでコンテナ12の移動を規制するため、分割繰り出しの途中でコンベア12が移動してしまうことがない。したがって、バラ紙幣を複数回に分割して繰り出す際にも、例えばバラ紙幣を仕分けしてコンテナ12に投入すること等が容易かつ確実にできる上、すべてのバラ紙幣を確実にコンテナ12(12j)に投入することができる。
【0157】
また、接着装置27により、現金が収容された凹部44の外側でベースシートBSとトップシートTSとを接着させることになるため、現金を接着部分に挟んでしまうことがない。したがって、安価なシートを用いても確実に釣銭パックを作成することができる。
加えて、ベースシートBSは凹部44の外側部分がコンテナ本体38の挾持面52とベースシート押さえ部材50とで押さえられるため、該外側部分が内側に折れ曲ったりすることを防止できる。したがって、ベースシートBSとトップシートTSとを確実に接着させることができる。
【0158】
しかも、接着装置27が、コンテナ本体38の凹部44より外側かつ押さえ部材50より内側でベースシートBSとトップシートTSとを接着させるため、ベースシート押さえ部材50を設けても、釣銭パックPをベースシート押さえ部材50とコンテナ本体38との隙間から引き抜くことができる。
さらに、横方向接着部206および縦方向接着部207を別々の場所で作動させることにより、横方向接着部206によるベースシートBSとトップシートTSとの接着と、縦方向接着部207によるベースシートBSとトップシートTSとの接着とを別々に行うことができる。したがって、前後の接着と左右の接着の交差部分をも良好に接着することができ、接着強度を高めることができる。しかも、横方向接着部206および縦方向接着部207を同時に作動させることができるため、全体の接着に要する時間を短縮することができる。
【0159】
加えて、トップシート引出装置177が、長尺状のトップシートTSを挾持してコンテナ12(12m)の上流側から下流側に移動することにより該トップシートTSをコンテナ12(12m)の上側に引き出した後、トップシート切断装置179がトップシートTSのコンテナ12(12m)における上流側を切断して、コンテナ12(12m)に対しトップシートTSを供給する。したがって、予めコンテナ12(12m)に合わせて切断した状態のトップシートTSを用いる必要がなくなるため、該トップシートTSのコストを低減することができる。また、トップシート係止装置178がトップシート引出装置177で引き出されたトップシートTSのコンテナ12(12m)における下流側を係止すると、トップシート引出装置177が、トップシートTSへの挾持を解除してコンテナ12の上流側に戻ってトップシートTSのコンテナ12(12m)における上流側を挾持する。そして、トップシート切断装置179によりトップシートTSを切断することになる。したがって、トップシート引出装置177がトップシートTSの形状を保持し捲れ上がり等を防止するため、トップシート切断装置179によりトップシートTSを確実に切断させることができるとともに、トップシート引出装置177が戻っていることで、次のトップシートTSの引き出しに即座に対応することができる。
【0160】
加えて、持上装置28は、作成された釣銭パックPをコンテナ12(12o)の凹部44の底面部42からピン部材217を突出させることで凹部44から持ち上げることになり、この状態で移載装置29が釣銭パックPを保持し移載させる。このように、凹部44内に形成された釣銭パックPをピン部材217で凹部44から外に持ち上げることで、移載装置29による保持が容易となる。したがって、安価なベースシートBSとトップシートTSとで釣銭パックPを作成するようにしても、移載を容易に行うことができる。
また、移載装置29は、ピン部材217で持ち上げられた釣銭パックPを櫛歯状の支持部225がピン部材217の間に入り込んだ後に上昇することですくい上げて移載させる。したがって、形状が不安定な釣銭パックを下側から確実に保持することができる。
【0161】
加えて、移載装置29で釣銭パックPを自動的にチェック装置30に移載させてそのチェックを自動的に行うことができるため、さらに人員コストを低減することができる。
また、チェック装置30では、正しいと判定された釣銭パックPをさらに後工程に自動的に搬出することになるため、さらに人員コストを低減することができる。
【0162】
加えて、バッグ詰チェック装置32は、準備すべき単位グループ用のバッグのデータを表示装置240で表示させ、作業者がこれを見て対応するバッグを準備すると、このバッグについてバッグ詰チェック制御部241が単位グループを認識するとともに該バッグの単位グループと表示装置240に表示された単位グループとの一致を確認する。よって、バッグの単位グループが表示装置240に表示された単位グループと一致していなければ、アラームを発生させることで作業者にその旨を認識させることができる。一方、バッグ詰チェック制御部241でバッグの単位グループと表示装置240に表示された単位グループとの一致が確認されると、作業者はこのバッグと一致する単位グループの釣銭パックPを準備する。そして、この釣銭パックPについてバッグ詰チェック制御部241が単位グループを認識するとともに該釣銭パックPの単位グループとバッグ詰チェック制御部241で認識されたバッグの単位グループとの一致を確認する。よって、釣銭パックPの単位グループがバッグ詰チェック制御部241で認識されたバッグの単位グループと一致していなければ、アラーム等を発生させて作業者にその旨を認識させることができる。したがって、作成された釣銭パックPを対応するバッグに確実に詰めさせることができる。
【0163】
加えて、バッグに持出票を予め添付しておくことで、作業者が、準備したバッグの持出票のバーコードをスキャナ239で読み取ると、バッグ詰チェック制御部241が、該バーコードデータから単位グループを認識するとともに該単位グループと表示装置240に表示された単位グループとの一致を確認することになる。したがって、バッグの単位グループ認識を簡単かつ確実に行うことができる。
【0164】
また、釣銭パックPにラベルLを予め添付しておくため、作業者が、準備した釣銭パックPのラベルLのバーコードをスキャナ239で読み取ると、バッグ詰チェック制御部241が、該バーコードデータから単位グループを認識するとともに該単位グループとバッグの単位グループとの一致を確認することになる。したがって、釣銭パックPのグループ認識を簡単かつ確実に行うことができる。
さらに、バッグ用と釣銭パック用とが一つのスキャナ239で共用されているため、コストを低減できる上、対応しないスキャナで読み取りを行おうとするミスの発生を防止することができる。また、バッグ用と釣銭パック用とが一つのバッグ詰チェック制御部241で共用されているため、コストを低減することができる。
【0165】
加えて、バッグの単位グループと一致する単位グループのすべての釣銭パックPをバッグ詰チェック制御部241が認識すると、表示装置240が表示を行うことになるため、バッグに入れるべき釣銭パックPが複数存在する場合にも、入れ忘れを防止できる。したがって、バッグに入れるべき釣銭パックPが複数存在する場合にも、すべての釣銭パックPを確実にバッグに詰めさせることができる。
【0166】
また、装填整え装置24が、棒金硬貨繰出装置16〜21,23によりコンテナ12(12k)の凹部44のベースシートBS上に繰り出された現金の装填状態を整えることになるため、現金の装填不良でトップシートTSとベースシートBSと良好に接着できない状態が生じるのを防止できる。したがって、トップシートTSとベースシートBSとを常に良好に接着させることができる。
しかも、装填整え装置24は、コンテナ12(12k)の凹部44のベースシートBS上に繰り出された現金の装填状態が不良であることがセンサ172により検出された場合に、駆動装置170により整え部材171で該現金の装填状態を整えることになるため、現金の装填状態が良好な状態では整え部材171を作動させることがない。したがって、駆動装置170を無駄に作動させることがないため、その寿命を向上させることができる。
【0167】
データ入力装置36が、店舗単位およびレジ単位で釣銭データを設定可能であり、かつ1日単位で釣銭データを設定可能であるため、日によって異なる釣銭を準備する場合にも対応できる。
加えて、釣銭パックPの配送日と作成日との対応関係が予め設定されているため、データ入力装置36で配送日を入力すれば、最適な作成日が自動的に設定されることになる。したがって、配送日が決まれば自動的に最適な作成日に釣銭パックPを作成することができる。
さらに、作成日を入力すると、準備金計算部249がこの作成日に作成すべき釣銭の全ての釣銭データを集計し準備すべき金種別の貨幣の数量を計算することになり、図示せぬ印字装置が、準備金計算部249で計算された金種別の貨幣の数量を印字することになるため、作成日の前に必要な準備金を容易に把握することができる。
【0168】
加えて、契約先別に釣銭パックを作成したい場合に、契約先別作成指示部251に契約先を入力させると、該契約先別作成指示部25が、入力された契約先の釣銭データをすべて読み出し、この釣銭データに応じて制御本体部243が当該契約先の釣銭パックを作成させることになる。したがって、契約先別に釣銭パックを作成することができる。
また、店舗登録部245が店舗とともに配送ルートを登録可能であるため、釣銭パックPの配送ルートを把握することができる。
さらに、配送ルート別に釣銭パックPを作成したい場合に、配送ルート別作成指示部251に配送ルートを入力させると、該配送ルート別作成指示手部251が、入力された配送ルートの釣銭データをすべて読み出し、この釣銭データに応じて制御本体部243が当該配送ルートの釣銭パックPを作成させることになる。したがって、配送ルート別に釣銭パックPを作成することができる。
【0169】
次に、本発明の釣銭作成装置の第2の実施の形態を図55〜図65を参照して以下に第1の実施の形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1の実施の形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
【0170】
まず、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態に対しレイアウトが若干変更となっている。すなわち、図55に示すように、上流側から順に、100円硬貨50枚の棒金硬貨繰出用の棒金硬貨繰出装置16、50円硬貨50枚の棒金硬貨繰出用の棒金硬貨繰出装置17、10円硬貨50枚の棒金硬貨繰出用の棒金硬貨繰出装置18、500円硬貨50枚の棒金硬貨繰出用の棒金硬貨繰出装置19、5円硬貨50枚の棒金硬貨繰出用の棒金硬貨繰出装置21、500円硬貨20枚の棒金硬貨繰出用の棒金硬貨繰出装置20、1円硬貨50枚の棒金硬貨繰出用の棒金硬貨繰出装置23、小束紙幣繰出装置22が配置されている。
【0171】
また、第2の実施の形態においては、装填報知装置と確認ボタンとが設けられておらず、バラ紙幣繰出制御部163で制御されるバラ紙幣繰出装置32から集積状態で繰り出されたバラ紙幣S2を、トップシートTSをパックシートとして用いてパックしてバラ紙幣パック部P1を自動的に作成するバラ紙幣パック作成装置255が設けられている。
【0172】
このバラ紙幣パック作成装置255は、図56に示すように、トップシート供給装置25の支持部176と引出アーム183との間であって、ラベル印字貼付装置26より上流側に設けられている。そして、バラ紙幣パック作成装置255は、側方に設けられたバラ紙幣繰出装置32から集積状態で繰り出されたバラ紙幣を把持可能なハンド256を有しており、該ハンド256は、その開放側を下側にしかつバラ紙幣S2を長手方向をY方向に沿わせかつ下方に突出させた状態で把持するとともに、この姿勢(昇降姿勢と以下称す)で昇降可能とされている。
【0173】
また、バラ紙幣パック作成装置255は、トップシートTSを下側から支持するとともにハンド256の昇降範囲に対し前後に配置され、互いに近接および離間可能に設けられた一対の支持台257と、これら支持台257の下側に、ハンド256の昇降範囲に対し前後に配置され、互いに近接および離間可能に設けられた一対のシール部258と、これらシール部258の下側に、ハンド256の昇降範囲に対し前後に配置され、互いに近接および離間可能に設けられた一対の挾持部259とを有している。なお、支持台257は相互間に所定の間隔をあける位置まで近接可能とされている。
【0174】
そして、トップシートTSの支持台257の位置にある部分がいずれのコンテナ12に対し敷設される部分であるかは既定であるため、トップシートTSの支持台257の位置にある部分に対応するパックデータにしたがって、バラ紙幣繰出装置32がバラ紙幣S2を集積状態で繰り出させる。すると、バラ紙幣パック作成装置255が、ハンド256によりこのバラ紙幣S2を把持するとともに、該ハンド256を昇降姿勢とする(図57参照)。そして、支持台257を近接させ、シール部258を離間させ、挾持部259を離間させた状態で、ハンド256を昇降姿勢のまま下降させる。すると、該ハンド256は支持台257間の隙間を通過するように下降することになるが、このとき支持台257上に敷かれたトップシートTSをバラ紙幣S2で下側に押圧する。その結果、トップシートTSは、下流側が引出アーム183で挾持されているため、支持部176側から引き出されながら、バラ紙幣S2およびハンド256の支持台257間の通過を許容する。そして、バラ紙幣S2がシール部258より下側となる所定位置までハンド256が下降する。このとき、トップシートTSは、支持台257で案内されることで、バラ紙幣S2の下端部を中心に折り曲げられた状態となる(図58参照)。
【0175】
次に、挾持部259が互いに近接してバラ紙幣S2をトップシートTSとともにX方向の両側から挾持するとともに、ハンド256がバラ紙幣S2への挾持を解除して上昇し、支持台257の間位置から上側に退避する(図59参照)。
このとき、ハンド256と挾持部259は、Y方向において交互にバラ紙幣S2を挾持するように櫛歯状に形成されるので、挾持部259がバラ紙幣S2をトップシートTSとともに挾持した後、ハンド256がバラ紙幣S2の挾持を解除できるので、バラ紙幣S2の集積状態が乱れることがない。
次に、シール部258が互いに近接することで、折り曲げられることにより重なり合うトップシートTSをバラ紙幣S2より上側すなわち折り曲げ中心に対し反対側で挟み、この重なり合う部分でトップシートTS同士を熱接着させる(図60参照)。これにより、バラ紙幣S2をトップシートTSでパック状にしたバラ紙幣パック部P1がトップシートTSに形成される。なお、バラ紙幣パック部P1のY方向の両側の開口からバラ紙幣S2が脱落しないように、バラ紙幣S2よりも左右両側のトップシートTSの重なり部分をさらに接着させるようにしてもよい。
【0176】
次に、シール部258が互いに離間し、挾持部259も互いに離間し、支持台257も互いに離間する(図61参照)。
このようにしてトップシートTSの所定の位置に形成されたバラ紙幣パック部P1がトップシートTSとともに、トップシート供給接着制御部180で制御されるトップシート供給装置25のトップシート引出装置177の引き出しで搬送され(図62参照)、最終的にトップシート供給位置で停止している対応するコンベア12(12m)の上まで搬送される。ここで、トップシートTSは、その下流側が前の釣銭パックPの作成で切断されることになり、この後、トップシート供給位置で停止している対応するコンベア12(12m)の上にその凹部44の内側にバラ紙幣パック部P1を装填させるようトップシート引出装置177で引き出された後(図56参照)、接着装置27により対応するコンベア12(12m)のベースシートBSと接着させられるとともに、トップシート切断装置179で上流側が切断されて、釣銭パックPの一部となる。
【0177】
このようにして作成された釣銭パックPは、トップシートTSがベースシートBS側に折り曲げられて形成されたバラ紙幣パック部P1にバラ紙幣S2が保持され、トップシートTSとベースシートBSとの間に他の現金が充填された状態のものとなる(図63参照)。
【0178】
さらに、第2の実施の形態においては、装填整え装置が設けられておらず、代りに、小束紙幣繰出装置22とバラ紙幣パック作成装置255との間の所定の整え位置に位置するコンテナ12(12k)の若干上方に設けられて該コンテナ12(12k)における棒金硬貨Cの装填状態を監視するセンサ261と、該整え位置に位置するコンテナ12(12k)の近傍に設けられて、視覚的および聴覚的の少なくともいずれか一方で報知を行う装填不良報知装置262と、作業者による押圧操作(外部操作)が入力される確認ボタン263とを有している。そして、これらは、図示せぬ整え作業制御部に電気的に接続されている。
【0179】
ここで、センサ261は、棒金硬貨Cの積み上げ高さがコンテナ12(12k)より上側所定位置に達すると、これを検出するもので、具体的には、該棒金硬貨Cで光路が遮断されることによりこれを検出する光学式のものが用いられている。
そして、一のコンテナ12が所定の整え位置に停止すると、整え作業制御部は、センサ261により棒金硬貨Cが検出されているか否かを判定する。センサ261で棒金硬貨Cが検出されていると、棒金硬貨Cの装填状態が不良であると判定して、装填不良報知装置262に報知を行わせる。他方、センサ261で棒金硬貨Cが検出されていない場合、棒金硬貨Cの装填状態が良好であると判定して、パック作成総合制御部35に移動許容信号を出力して対応する移動許容フラグをONさせる。
【0180】
そして、装填不良報知装置262が報知を行うと、作業者が装填状態が不良であることを認識して、整え位置にあるコンテナ12(12k)の現金の装填状態を手作業で整える。このようにして現金の装填状態を整えた後、作業者により確認ボタン263が操作されると、整え作業制御部は、パック作成総合制御部35に対し移動許容信号を出力して対応する移動許容フラグをONさせる。
【0181】
ここで、整え作業制御部は、センサ261で棒金硬貨Cが検出されていた場合には、確認ボタン263が操作されるまでパック作成総合制御部35に対し移動許容信号を出力させない。これにより、パック作成総合制御部35は移動許容フラグが一つはOFF状態とされるため、コンテナ12の移動を許容せず、その結果、その時点で整え位置にあるコンテナ12のベースシートBSにその後にトップシートTSが供給されて熱接着されてしまうことを規制することになる。他方、確認ボタン263が操作されると、装填整え制御部は、パック作成総合制御部35に対し移動許容信号を出力させて対応する移動許容フラグをONさせるため、その時点で整え位置にあるコンテナ12(12k)のベースシートBSにその後にトップシートTSが供給されて熱接着されることになる。
【0182】
また、第2の実施の形態においては、持上装置28および移載装置29の構成が異なっている。
すなわち、第2の実施の形態の持上装置28は、図64に示すように、ピン部材217の高さが相違しており、具体的には、平面視格子の交点位置に配置されたピン部材217のX方向及びY方向における両外端側のもの、言い換えるならば、平面視で、最も外側に位置するピン部材217のすべてが、内側のものに対して高くされている。
【0183】
さらに、移載装置29は、図64および図65に示すように支持部225が相違しており、具体的には、支持駆動装置229の各移動軸体228に互いに鏡面対称をなすようにそれぞれ支持軸267を介して連結された下部爪部264と、各下部爪部264の上側にそれぞれ配置された上部押さえ部265とを有している。下部爪部264は、鏡面対称をなす他の下部爪部264の方向に延出する状態で支持軸266を中心に回動自在となるようベース227に支持されており、支持駆動装置229の駆動で支持軸266を中心に先端を上下に移動させるよう回動する。そして、下部爪部264がその先端を上側に移動させるよう回動した際に、該下部爪部264の先端に当接する位置に上部押さえ部265が設けられている。
なお、互いに当接しうる下部爪部264の先端上部と、上部押さえ部265の下部には、釣銭パックPを挾持した際に、その重量により、釣銭パックPが抜け落ちないよう、高摩擦部材が設けられている。
【0184】
前後両側の下部爪部264は、それぞれ、Y方向に所定の間隔をあけて多数が配置されており、これにより、全体として櫛歯状とされている。
ここで、下部爪部264のY方向の間位置は、持上装置28の高さの高い外側のピン部材217の位置に合わせられており、これにより、下部爪部264はピン部材217の間位置に進入可能とされている。
移載制御部215は、移載位置に停止しているコンテナ12(12o)の真上の所定の位置に搬送駆動装置222で支持部225を移動させ、かつ昇降駆動装置224で支持部225を上昇させ、かつ支持駆動装置229で前後両側の下部爪部264を上部押さえ部265に対し離間させた状態で待機している。
【0185】
そして、上記持上装置28で当該コンテナ12(12o)の釣銭パックPが持ち上げられた後のタイミングで、昇降駆動装置224で支持部225を下降させる。そして、前後両側の下部爪部264と上部押さえ部265との間位置が釣銭パックPのトップシートTSとベースシートBSとの接着部分の高さに合うまで支持部225を下降させると、支軸駆動装置229で前後両側の下部爪部264を回動させこれらをピン部材217の間位置に入り込ませつつ下部爪部264と上部押さえ部265とで釣銭パックPの前後両側の接着部分近傍を挾持させる(図64参照)。
このとき、持上装置28のピン部材217は外側が高くされているため、内部の現金が中央側に移動しており、よって、支持部225の挾持位置から離れることになる。
【0186】
次に、昇降駆動装置224で支持部225を上昇させる。すると、支持部225が釣銭パックPの前後両側を挾持した状態で、釣銭パックPを持ち上げてピン部材217から離間させ、チェック装置30の上方位置に移動させて、その後、支持部225を昇降駆動装置224で下降させた後、支持部225の下部爪部264を回動させて該下部爪部264と上部押さえ部265とによる釣銭パックPの挾持を解除し、釣銭パックPをチェック装置30上に受け渡す。
【0187】
以上に述べた第2の実施の形態によれば、ピン部材217で持ち上げられた釣銭パックPを、ピン部材217の間に入り込んだ下部爪部264と釣銭パックPの上側に配置された上部押さえ部265とで挾持した後に、これら上部押さえ部265および下部爪部264が上昇することで移載させるものであるため、これら上部押さえ部265および下部爪部264をコンパクトにでき、その上で、形状が不安定な釣銭パックPを確実に保持することができる。
加えて、持上装置28のピン部材217は外側のものが内側のものに対して高さを高くされているため、ピン部材217で持ち上げる際に、釣銭パックPの中央側に現金を寄せることができる。したがって、上部押さえ部265および下部爪部264で釣銭パックPを挾持する際に、現金をも挾持してしまうことを防止できる。
【0188】
また、バラ紙幣繰出装置32が、入力されたデータに基づいてバラ紙幣を計数しつつ繰り出し集積させると、バラ紙幣パック作成装置255がこのバラ紙幣をパックシートとしてのトップシートTSによりパックしてバラ紙幣パック部P1を作成し、このバラ紙幣パック部P1をトップシート供給装置25が対応するコンテナ12(12m)に装填する。よって、バラ紙幣S2が人手によらず自動的に、まとめられかつ対応するコンテナ12(12m)に装填されることになる。したがって、バラ紙幣を含んだ釣銭パックPを自動的に作成することができ、よって、釣銭を作成する際の人員コストを低減することができる。
【0189】
さらに、バラ紙幣パック作成装置255のハンド256および支持台257がトップシートTSに集積状態のバラ紙幣S2を押し付けることにより該トップシートTSを折り曲げ状態として、シール部258がトップシートTSの折り曲げ側に対し反対側同士を接着させて、バラ紙幣パック部P1を作成することになる。したがって、バラ紙幣パック部P1を容易に作成することができるため、複雑な機構等が不要となり、コストを低減することができる。
また、バラ紙幣S2のパックシートをトップシートTSで兼用するため、バラ紙幣パック作成のためのコストを低減できる上、バラ紙幣の搬送をトップシート供給装置25で兼用するため、装置全体の製造コストをも低減することができる。
【0190】
加えて、棒金硬貨繰出装置16〜21,23によりコンテナ12(12k)の凹部44のベースシートBS上に繰り出された現金の装填状態が不良であることをセンサ261が検出すると、装填不良報知装置262が報知を行うとともに整え作業制御部が、結果として接着装置27による当該釣銭パックPにおけるベースシートBSとトップシートTSとの接着を規制する。そして、装填不良報知装置262の報知で気付いた作業者が現金の装填状態を整えた後、確認ボタン263に外部操作を入力させると、整え作業制御部が、接着装置27による当該釣銭パックPにおけるベースシートBSとトップシートTSとの接着の規制を解除させる。よって、現金の装填不良でトップシートTSとベースシートBSとが良好に接着できない状態でこれらの接着が行われてしまうことを防止できる。したがって、トップシートTSとベースシートBSとを常に良好に接着させることができる。
また、第1の実施の形態または第2の実施の形態においては、コンテナ12をコンテナ12の配置ピッチと等しいピッチで一ピッチずつ断続的に駆動装置53で移動させると説明したが、それ以外の中間位置でも一時停止できるように設定し、このときにも、棒金繰出装置16〜21,23より棒金を装填できるようにして、コンテナ12内に棒金のみを多量に装填する場合に、棒金をX方向に2列に装填するようにした方が、釣銭パックPとして、好ましい大きさにまとめられることになる。この場合、棒金繰出装置16〜21,23は、コンテナ12が所定のピッチ位置にあるときは、コンテナ12の下流側の壁部41に沿って棒金を装填し、コンテナ12が一時停止した中間位置にあるときは、コンテナ12の上流側の壁部41に沿って棒金を装填できるよう、その配置を定めればよい。
【0191】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の釣銭作成装置によれば、各金種別の収納部から繰出手段が、入力されたデータに基づいて一束ずつ小束紙幣を繰り出すと、把持搬送手段が、該小束紙幣を把持し対応するコンテナに装填させる。よって、小束紙幣のコンテナへの投入に人手が不要となる。
したがって、釣銭を作成する際の人員コストを低減することができる。
把持搬送手段が各金種別の小束紙幣のすべてに対し一つ設けられているため、コストを低減することができる。
把持搬送手段が、対応するコンテナ内での小束紙幣の装填位置を、入力されたデータに基づいて変更するため、コンテナ内の装填スペースに偏った状態で小束紙幣が装填されることを防止できる。
したがって、コンテナないの装填スペースを有効に使用して小束紙幣を装填することができる。
把持搬送手段が、対応するコンテナ内での小束紙幣の装填姿勢を、入力されたデータに基づいて変更するため、他の棒金硬貨等と干渉してしまうような場合に、小束紙幣の装填姿勢を変更して、他の棒金硬貨等との干渉を回避してコンテナ内に装填できる。
したがって、コンテナないの装填スペースを有効に使用して小束紙幣を装填することができる。
【0195】
本発明の請求項3記載の釣銭作成装置によれば、整列手段が、繰出手段で繰り出された小束紙幣の位置を揃えることになるため、把持搬送手段で小束紙幣を確実に把持することができる。
したがって、小束紙幣を確実にコンテナに装填することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の全体構成を示す平面図。
【図2】同全体構成を示す側面図。
【図3】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の制御系を示すブロック図。
【図4】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態のコンテナを示す平面図。
【図5】同コンテナを示す正断面図。
【図6】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態のベースシート供給装置およびベースシート配置装置を示す側面図。
【図7】同ベースシート供給装置およびベースシート配置装置を示す正面図。
【図8】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態のベースシート切断装置を示す正面図。
【図9】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態のベースシート入込部を示す平面図であって、(a)は拡開状態、(b)は縮閉状態を示すもの。
【図10】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態のベースシート供給装置およびベースシート配置装置の作動状態を示す側面図であって、ベースシートの引き出し前の状態を示すもの。
【図11】同作動状態を示す側面図であって、ベースシートの引き出し後の状態を示すもの。
【図12】同作動状態を示す側面図であって、ベースシートの係止後を示すもの。
【図13】同作動状態を示す側面図であって、引出アームの戻り後を示すもの。
【図14】同作動状態を示す側面図であって、ベースシート押込部の押し込み後を示すもの。
【図15】同作動状態を示す側面図であって、ベースシート切断時を示すもの。
【図16】同作動状態を示す側面図であって、押さえ部上昇時を示すもの。
【図17】同作動状態を示す側面図であって、ベースシート入込部の拡開時を示すもの。
【図18】同作動状態を示す側面図であって、ベースシート入込部の縮閉時を示すもの。
【図19】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の棒金硬貨繰出装置を示す平面図。
【図20】同棒金硬貨繰出装置の繰出装置等を示す正断面図。
【図21】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の小束紙幣繰出装置を示す背面図。
【図22】同小束紙幣繰出装置を示す平面図。
【図23】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の載置台および整列装置を示す平面図。
【図24】同載置台および整列装置を示す側面図。
【図25】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の小束紙幣繰出装置の作動状態を示す正面図であって、小束紙幣の繰出前の状態を示すもの。
【図26】同作動状態を示す正面図であって、小束紙幣の繰出時の状態を示すもの。
【図27】同作動状態を示す正面図であって、小束紙幣の整列時の状態を示すもの。
【図28】同作動状態を示す正面図であって、把持搬送装置の小束紙幣上への移動時の状態を示すもの。
【図29】同作動状態を示す正面図であって、把持搬送装置の小束紙幣の把持時の状態を示すもの。
【図30】同作動状態を示す正面図であって、把持搬送装置の小束紙幣の把持後の状態を示すもの。
【図31】同作動状態を示す正面図であって、把持搬送装置の小束紙幣の装填位置の変更状態を示すもの。
【図32】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の小束紙幣繰出装置による小束紙幣の装填方向を示す平面図(a)および装填方向を変更した場合を示す平面図(b)。
【図33】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の装填整え装置を示す正面図。
【図34】同装填整え装置の作動時の状態を示す正面図。
【図35】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態のトップシート供給装置、ラベル印字貼付装置および接着装置を示す側面図。
【図36】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態のトップシート供給装置および接着装置を示す正面図。
【図37】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態のトップシート切断装置を示す正面図。
【図38】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態のトップシート供給装置、ラベル印字貼付装置および接着装置の作動状態を示す側面図であって、トップシートの引き出し前の状態を示すもの。
【図39】同作動状態を示す側面図であって、トップシートの引き出し後の状態を示すもの。
【図40】同作動状態を示す側面図であって、トップシートの係止後を示すもの。
【図41】同作動状態を示す側面図であって、引出アームの戻り後を示すもの。
【図42】同作動状態を示す側面図であって、接着装置の接着作動時を示すもの。
【図43】同作動状態を示す側面図であって、トップシートの切断時を示すもの。
【図44】同作動状態を示す側面図であって、接着装置の離間時を示すもの。
【図45】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の持上装置および移載装置を示す正面図。
【図46】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の持上装置および移載装置を示す側面図。
【図47】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の持上装置および移載装置を示す平面図。
【図48】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の持上装置および移載装置の作動状態を示す側面図であって、釣銭パックの持ち上げ時を示すもの。
【図49】同作動状態を示す側面図であって、支持部の下降後を示すもの。
【図50】同作動状態を示す側面図であって、支持部の釣銭パック支持時を示すもの。
【図51】同作動状態を示す側面図であって、釣銭パック搬送時を示すもの。
【図52】同作動状態を示す側面図であって、釣銭パック移載時を示すもの。
【図53】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の入力データの記憶イメージの一例を示す図。
【図54】本発明の釣銭作成装置の第1の実施の形態の釣銭データのパックデータへの分割時の一例を示す図。
【図55】本発明の釣銭作成装置の第2の実施の形態の全体構成を示す平面図。
【図56】本発明の釣銭作成装置の第2の実施の形態のトップシート供給装置、ラベル印字貼付装置、接着装置およびバラ紙幣パック作成装置を示す側面図。
【図57】本発明の釣銭作成装置の第2の実施の形態のバラ紙幣パック作成装置の作動状態を示す側面図であって、バラ紙幣下降前を示すもの。
【図58】同作動状態を示す側面図であって、バラ紙幣下降時を示すもの。
【図59】同作動状態を示す側面図であって、バラ紙幣挾持時を示すもの。
【図60】同作動状態を示す側面図であって、トップシート接着時を示すもの。
【図61】同作動状態を示す側面図であって、トップシート接着後を示すもの。
【図62】同作動状態を示す側面図であって、バラ紙幣パック部の搬送時を示すもの。
【図63】本発明の釣銭作成装置の第2の実施の形態で作成された釣銭パックを示す側面図。
【図64】本発明の釣銭作成装置の第2の実施の形態の持上装置および移載装置の作動状態を示す正面図。
【図65】同持上装置および移載装置の作動状態を示す側面図。
【符号の説明】
11 メインコンベア(コンベア)
12 コンテナ
133〜136 収納部
119 繰出装置(繰出手段)
121 整列装置(整列手段)
122 把持搬送装置(把持搬送手段)
123 小束紙幣繰出制御部(繰出手段,整列手段,把持搬送手段)
S1 小束紙幣
Claims (3)
- 入力されたデータに基づいて釣銭を作成する釣銭作成装置において、
水平方向に延在し該延在方向に移動するコンベアと、
該コンベアに設けられた多数のコンテナと、
多数の小束紙幣を整列状態で収納可能な各金種別の収納部と、
該各金種別の収納部にそれぞれ設けられ、入力されたデータに基づいて一束ずつ小束紙幣を繰り出す繰出手段と、
該繰出手段で繰り出された小束紙幣を、入力されたデータに基づいて把持し対応するコンテナに装填させる把持搬送手段とを有し、
前記繰出手段は小束紙幣を各金種別に異なる位置に繰り出すものとされ、前記把持搬送手段は一つが各金種別に異なる位置に繰り出されるすべての小束紙幣を把持可能であり、
前記把持搬送手段は、対応するコンテナ内での小束紙幣の装填位置および装填姿勢を、入力されたデータに基づいて同コンテナに装填される他の現金の内容に応じた最適な位置および姿勢に設定することを特徴とする釣銭作成装置。 - 前記把持搬送手段は、搬送駆動装置と、該搬送駆動装置に取り付けられた昇降駆動装置と、該昇降駆動装置に取り付けられた把持部とを有しており、
前記把持部は、把持駆動装置で互いに近接および離間させられる一対の爪部と、把持駆動装置の下側にこれに対し昇降自在に設けられるとともに下降方向にバネで付勢された押付部材とを有し、
前記爪部は、鏡面対称をなす他の爪部の方向に延出する下板部をそれぞれ有しており、該下板部より上側に前記押付部材が配置されていることを特徴とする請求項1記載の釣銭作成装置。 - 前記繰出手段で繰り出された小束紙幣の位置を揃える整列手段を具備することを特徴とする請求項1または2記載の釣銭作成装置。
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