JP3582071B2 - 自動車の走行制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車の走行制御装置に係わり、特に、先行車に追従して走行したり先行車との衝突を防止するようにした自動車の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の自動車の走行制御装置に用いられる自動車用障害物検出装置として、例えば特公昭51−7892号公報に開示されるように、自車の前方に向けて超音波や電波等のレーダ波を発信して前方に存在する先行車等の障害物を検出するレーダ装置と、該レーダ装置を水平方向に回動させる回動手段と、自車のステアリング舵角を検出する舵角検出手段とを備え、上記舵角検出手段で検出される舵角に応じて、上記回動手段によって上記レーダ装置を所定角度回動して、自車両が走行する方向にレーダ波を向けるようにしたものは知られている。また、近年、レーダ装置としてスキャン式のものを用いて水平方向に比較的広角度でもって走査を行う一方、その走査で得られる情報の中から、マイクロコンピュータを利用して、自車のステアリング舵角やヨーレート等の走行状態に基づいて予測される自車両の進行路に沿って領域内のもののみをピックアップすることにより、レーダ装置による障害物の検出をソフト的に上記領域内に限定して行うようにしたものが開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の障害物検出装置では、レーダ装置による先行車の検出を自車の進行路に沿った領域内に限定することをハード的又はソフト的のいずれで行う場合でも、自車の走行状態に基づいて自車の進行路を予測しているため、直線道路から曲線道路へ進入するときに次のような問題がある。すなわち、先行車が直線道路から曲線道路へ進入し、自車が未だ曲線道路に進入していないときには、先行車は自車の進行路から外れるため、曲線道路上で先行車と自車との間に割り込んで来る車を早期に検出することができないという問題である。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、自車の進行方向の推定が不安定な状態のときに進行路上の先行車の検出を適切に行うことができる自動車の走行制御装置を提供することを目的としている。
また、本発明は、自車の走行状態等に基づいて予測する第1の進行路と、先行車の位置に基づいて予測する第2の進行路とを併用することにより、曲線道路上で先行車と自車との間に割り込んで来る車をも早期に検出できるようにし、先行車の検出を適切に行うことができる自動車の走行制御装置を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記の目的を達成するために請求項1記載の第1の発明の自動車の走行制御装置は、自車の前方に存在する物体を検出する物体検出手段と、自車が走行すべき第1進行路を推定する第1進行路推定手段と、物体検出手段により検出された第1進行路上に存在する先行車の中から自車の追従対象車を識別する先行車識別手段と、少なくとも追従対象車が第1進行路から外れたときこの追従対象車の位置の情報に基づいて自車の第2進行路を推定する第2進行路推定手段と、を有し、先行車識別手段は、追従対象車が第1進行路から外れたとき、この第1進行路上又は第2進行路上に存在する先行車の中から、すくなくとも自車との車間距離に応じて自車の新たな追従対象車を識別するように設けられていることを特徴としている。
このように構成された第1の発明においては、追従対象車が直線道路から曲線道路へ進入して、第1の進行路から外れたときには、この追従対象車の位置の情報に基づいて、第2の進行路が第2進行路予測手段により予測され、先行車識別手段において、第1の進行路上又は第2の進行路上に存在する先行車の中から、自車の新たな追従対象車(例えば自車に最も近い先行車)が識別される。このため、曲線道路上で先行車と自車との間に割り込んで来る車も早期に検出できることになる。
【0005】
請求項2記載の第2の発明において、第1進行路推定手段が、自車の走行状態に基づいて第1進行路を推定するように設けられている。
このように構成された第2の発明においては、自車の走行状態(例えば、車速、ハンドル舵角、ヨーレート等)に基づいて第1進行路推定手段により第1進行路が推定される。
請求項3記載の第3の発明において、第2進行路推定手段により推定される第2進行路が、自車と追従対象車を所定幅を有するように結んだものである。
このように構成された第3の発明においては、第2進行路が自車と追従対象車を所定幅を有するように結ばれる。
【0006】
請求項4記載の第4の発明において、先行車識別手段は、少なくとも自車との車間距離及び相対速度に応じて自車の新たな追従対象車を識別するように設けられている。
このように構成された第4の発明においては、先行車識別手段により、少なくとも自車との車間距離及び相対速度に応じて自車の新たな追従対象車が識別される。
【0007】
請求項5記載の第5の発明の自動車の走行制御装置は、自車の前方に存在する物体を検出する物体検出手段と、自車が走行すべき第1進行路を推定する第1進行路推定手段と、物体検出手段により検出された第1進行路上に存在する先行車の中から自車の追従対象車を識別する先行車識別手段と、少なくとも追従対象車が第1進行路から外れたときこの追従対象車に基づいて自車の第2進行路を推定する第2進行路推定手段と、を有し、先行車識別手段は、追従対象車が第1進行路から外れた時点からその外れた地点に自車が到達するまでの間は、第2進行路上に存在する先行車の中から自車の新たな追従対象車を識別し、自車がその外れた時点に到着するまでに追従対象車が第1進行路に戻らないときは、その後第1進行路上に存在する先行車の中から自車の新たな追従対象車を識別するように設けられ、第2進行路推定手段は、この識別された新たな追従対象車を基にして新たな第2進行路を推定するように設けられていることを特徴としている。
このように構成された第5の発明においては、曲線道路上での割込み車の早期検出を可能にしつつ、最も危険な先行車を検出するための対象領域が常に一つの進行路のみで足りることになり、その分自車の追従対象車の検出が精度良くかつ迅速に行われる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について添付図面を参照して説明する。
先ず、図1乃至図13により本発明の第1実施例を説明する。図1は、本発明の第1実施例に係わる自動車の走行制御装置の全体構成を示す。
図1において、1はエンジン吸気系のスロットル弁(図示せず)の開度を自動調整するスロットル制御装置、2は電子制御式自動変速機(EAT)の制御装置、3は各車輪に付与する制動力を自動調整するブレーキ制御装置であり、これら三種類の制御装置1〜3は、いずれも図示していないがアクチュエータを有し、該各アクチュエータは、コントロールユニット4により制御される。すなわち、コントロールユニット4は、スロットル制御装置1のアクチュエータに対し目標スロットル開度信号を出力して制御を行うとともに、ブレーキ制御装置3のアクチュエータに対し目標ブレーキ量信号を出力して制御を行う。またコントロールユニット4は、EAT制御装置2のシフト位置を検出するセンサ(図示せず)からのシフト位置信号を受けつつ、該EAT制御装置2のアクチュエータに対しシフト制御信号を出力して制御を行う。
【0009】
また、6は車室内のインストルメントパネル等に設けられる情報表示装置であって、該情報表示装置6は、図示していないが、上記コントロールユニット4からの警報信号を受けて点灯する警報ランプと、コントロールユニット4からの自己診断信号を受けて画面表示する表示部とを備えている。7は先行車等自車の前方に存在する物体を検出するレーダ装置であって、該レーダ装置7は、レーダ波としての遠赤外線を自車の前方に向けて発信するとともに、先行車に当たって反射してくる反射波を受信し、その受信時点と発信時点との時間差によって自車と物体との間の距離を判定するように構成されており、その検出信号である車間距離信号はコントロールユニット4に入力される。また、上記レーダ装置7は、遠赤外線を水平方向に比較的広角度で走査するスキャン式のものである。
さらに、11はスロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサ、12は車速を検出する車速センサ、13はハンドル舵角(以下、単に舵角という)を検出する舵角センサ、14は自車に発生するヨーレートを検出するヨーレートセンサ、15は自車に発生する横加速度を検出する横Gセンサ、16はブレーキペダルの踏込み時にON作動するブレーキスイッチ、17はクラッチの作動状態に応じてON作動するクラッチスイッチ、18はロックオンスイッチであり、これらセンサ・スイッチ類11〜18の検出信号は、いずれもコントロールユニット4に入力される。尚、図示していないエンジン回転数センサ等その他のセンサ・スイッチ類の検出信号もコントロールユニット4に入力される。
【0010】
図2に示すように、上記コントロールユニット4は、レーダ装置7からの検出信号を始め、各種のセンサ・スイッチ類11〜18からの検出信号を受けて所定の情報処理を行う入力情報処理部21と、該入力情報処理部21から自車の走行状態に関する情報(例えば車速、ハンドル舵角及びヨーレート等)を受け、これに基づいて自車の第1の進行路を推定する第1進行路推定手段22と、上記入力情報処理部21の情報のうち、特にレーダ装置7で検出された物体に関する情報を受けるとともに、上記第1進行路推定手段22で推定された第1進行路の情報を入手する先行車識別手段23とを備えている。該先行車識別手段23は、レーダ装置7で検出された物体の中から、上記第1進行路上に存在する自車に最も近い先行車を識別するように設けられている。
また、上記コントロールユニット4は、上記第1進行路推定手段22とは別に自車の第2進行路を推定する第2進行路推定手段24を備えており、該第2進行路推定手段24は、上記先行車識別手段23で識別された先行車の位置等の情報を受け、これに基づいて第2進行路を推定するように設けられている。第2進行路推定手段24で推定された第2進行路の情報は、上記先行車識別手段23に入力され、該先行車識別手段23は、第1進行路上の先行車が該第1進行路から外れたときつまり第1進行路と第2進行路とが一致しなくなったとき、それらの進行路上にそれぞれ存在する先行車の中から、自車に最も近い先行車を識別するように設けられている。
【0011】
上記先行車識別手段23で識別された自車に最も近い先行車の情報は、識別手段23から車速制御部25に出力される。該車速制御部25は、自車に最も近い先行車と自車との車間距離及び相対速度に基づいて、両者が接触する可能性があるか否かを判断し、その判断結果に応じて、出力情報処理部26を介して出力信号を出力するように設けられている。
図3は上記コントロールユニット4による制御のうち、特にロックオンスイッチ18がONに切換えられ自車が先行車に追従して走行する追従走行時の制御のメインルーチンを示すフローチャート図である。
上記ルーチンは、第1進行路の推定(ステップS1)と、ロックオン対象車(追従対象車)の登録(ステップS3)と、ロックオンの実行(ステップS5)と、ロックオンの変更及び解除(ステップS7)とからなる。第1進行路の推定のサブルーチンは図4に示し、ロックオン対象車の登録のサブルーチンは図5に示し、ロックオンの実行のサブルーチンは図6に示し、更に、ロックオンの変更及び解除のサブルーチンは図7及び図8に示す。以下、これらについて、順次説明する。
(第1進行路の推定)
図4において、先ず、ステップS11で自車データ(舵角θ、車速v、ヨーレートφ)を読み込んだ後、ステップS12で舵角θに基づいて自車の旋回半径R11を下記の式により、演算する。
【0012】
R11=(1+A・v)・N・L/θ
但し、Aはスタビリティファクタ、Nはステアリングギヤ比、Lはホイールベースである。
続いて、ステップS13でヨーレートφに基づいて自車の旋回半径R12を下記の式により、演算する。
R12=v/φ
そして、ステップS14で上記両旋回半径R11、R12のうち、いずれが小さいかを判断し、ステップS15、16でその小さい方を第1進行路の曲率半径R1とするとともに、ステップ17で上記曲率半径R1に所定幅を設けて第1進行路を生成し、リターンする。ここで、旋回半径R11、R12の小さい方を第1進行路の曲率半径R1としたのは、センサ類の応答遅れ等を考慮したことによるものである。以上のような第1進行路の予測は、コントロールユニット4内の第1進行路推定手段22により行われる。
(ロックオン対象車の登録)
図5において、先ず、ステップS31で自車の前方の物体(障害物)データ(距離及び方向)を読み込んだ後、ステップS32で物体データが連続して検出されているか否かを判定し、ステップS33で物体データが所定のエリア内で所定の確定度以上のものであるか否かを判定する。確定度とは時間当たりの検出回数をいい、該確定度が所定値以上でないもの及びデータが所定のエリア外にまで広く散在するものは共に物体とは見做されない。上記両判定が共にYESのときには、ステップS34で物体と見做されたものについて物体識別番号を付与する。
【0013】
続いて、ステップS35で上記物体識別番号を付与した物体が移動物体であるか否かを判定する。この判定は、実際には、自車と物体との間の距離及び自車速に基づいて物体の速度を求め、該物体速度が所定のしきい値以上であるか否かを検討することにより行われる。次に、ステップS36で物体が第1進行路上に存在するものであるか否かを判定する。上記両判定が共にYESのときには、ステップS37で物体が第1進行路上の先行車であるとしてロックオン(L/O)対象車候補とする。
しかる後、ステップS38でロックオン対象候補になった先行車のうち自車との車間距離が最も短いものであるか、つまり最も近い先行車であるか否かを判定し、この判定がYESのときには、ステップS39で該先行車をロックオン対象車として登録し、リターンする。以上のようなロックオン対象車の登録は、コントロールユニット4内の先行車識別手段23により行われる。
(ロックオンの実行)
図6において、先ず、ステップS51でロックオン対象車が登録されていることを確認した後、ステップS52で第2進行路の曲率半径R2を下記の式により、演算する。
【0014】
R2=L/2√(1−cosθ)
図9に示すように、上記第2進行路は、自車Mに対する先行車Aの位置に基づいて推定される自車の進行路である。Lは自車Mの先行車Aとの車間距離、θは自車Mと先行車Aとを結ぶ直線が自車Mの進行方向(前後中心線)となす角度である。
続いて、ステップS53で上記曲率半径R2に所定幅を設けて第2進行路を生成した後、ステップS54でロックオンを実行し、リターンする。ロックオンは、ロックオン対象車(追従対象車)に対し、所定の車間距離を保ちかつ同じ車速で追従して走行するように車速を制御するものであり、コントロールユニット4内の車速制御部25により行われる。また、ステップS52、S53での第2進行路の予測は、コントロールユニット4内の第2進行路推定手段24により行われる。
(ロックオンの変更及び解除)
次に、ロックオンの変更及び解除のサブルーチンを図10を参照しつつ図7及び図8により説明する。
【0015】
図7及び図8において、先ず、ステップS71でロックオン対象車A並びに第1及び第2進行路の曲率半径R1、R2を認識した後、ステップS72で第1進行路の曲率半径R1と第2進行路の曲率半径R2とが略同一であるか、つまりロックオン対象車Aが第1進行路K1上にいるか否かを判定する。この判定がYESのときには、第2進行路K2(第1進行路K1と同じ)上にロックオン対象車Aより近い先行車Bが存在するか否かを判定し、その判定がYESのときには、ステップS74で先行車Bをロックオン対象車とし、該先行車Bをもとに第2進行路を生成する一方、判定がNOのときには、ステップS75で先行車Aをそのままロックオン対象車とし、該先行車Aをもとに第2進行路を生成する。
一方、上記ステップS72の判定がNOのとき、つまりロックオン対象車Aが第1進行路K1から外れているときには、ステップS76で第2進行路K2上にロックオン対象車Aより近い先行車Bが存在するか否かを判定し、この判定がYESのときには、ステップS77で先行車Bをロックオン対象候補とした後、ステップS78で第1進行路K1上に上記先行車Bより近い先行車Cが存在するか否かを判定する。この判定がYESのときには、ステップS79で先行車Cをロックオン対象車とし、該先行車Cをもとに第2進行路を生成する一方、判定がNOのときには、ステップS80で先行車Bをロックオン対象車とし、該先行車Bをもとに第2進行路を生成する。上記ステップS76の判定がNOのときには、ステップS81で第1進行路K1上にロックオン対象車Aより近い先行車Cが存在するか否かを判定し、その判定がYESのときには、ステップS79へ移行して、先行車Cをロックオン対象車とし、該先行車Cをもとに第2進行路を生成する。一方、判定がNOのときには、ステップS82で先行車Aをそのままロックオン対象車とし、該先行車Aをもとに第2進行路を生成する。以上のことから、ロックオン対象車Aが第1進行路K1から外れているときには、第1進行路K1上に存在する先行車Cと第2進行路K2上に存在する先行車A、Bの中から、自車に最も近い先行車を識別するようになっており、この識別は、コントロールユニット4内の先行車識別手段23により行われる。
【0016】
上記ステップS74、S75、S79、S80及びS82のいずれかで先行車A〜Cをロックオン対象車とし、第2進行路を生成した後、ステップS83でロックオン対象車がロストしたか否かを判定する。この判定がNOのロストしていないときには、ステップS71に戻り、ロックオンを続行する一方、判定がYESのロストしたときには、ステップS84でロックオンを解除し、リターンする。尚、ロックオン解除から次のロックオン対象車が登録されるまでの間は、車速制御部25により自車速が所定車速になるように制御される。
次に、上記本発明の第1実施例の作用・効果を説明する。自車Mがロックオン対象車である先行車Aに追従して走行するとき、第1進行路推定手段22は、自車Mの走行状態に関する舵角θ、ヨーレートφ及び車速vに基づいて、第1の進行路K1を推定し、また第2進行路推定手段23は、上記先行車Aの自車Mに対する位置に基づいて、第2の進行路K2を推定する。
そして、自車Mが直線道路上を直進走行するとき、または曲線道路上を定常旋回走行するときなどには、上記第1進行路K1と第2進行路K2とは略一致する。この場合、先行車識別手段23は、常に第2進行路K2上に存在する先行車の中から、自車Mに最も近い先行車を識別してロックオン対象車とする(図8中のステップS74、S75)。このため、ロックオン対象車Aと自車Mとの間に他の自動車が割り込んで来たときには、該割込み車を早期に検出することができ、警報又は自動制動により接触を回避することができる。
【0017】
一方、上記先行車Aが直線道路から曲線道路へ進入し、自車Mがまだ直線道路上を走行するときなどには、先行車Aが第1進行路K1から外れ、第1進行路K1と第2進行路K2とが相違するようになる。この場合、先行車識別手段23は、第1進行路K1上に存在する先行車Cと第2進行路K2上に存在する先行車A、Bの中から、自車に最も近い先行車を識別してロックオン対象車とする(図7中のステップS76〜S82)。このため、上述の直線道路上での直線走行時と同様に割込み車Bを早期に検出することができる。また、ロックオン対象車Aが自車Mの進行路(第1進行路)K1からわき道に逸れていったときでも、自車Mの進行路K1上に存在する先行車Cを早期に検出することができる。この結果、接触を適切に回避することができ、安全性を高めることができる。
図11は、本発明の第1実施例の先行車識別手段23によるロックオンの変更及び解除の変形例を示すサブルーチンの部分図(図8相当図)である。
この変形例は、先行車であるロックオン対象車Aが第1進行路K1から外れ、第1進行路K1の曲率半径R1と第2進行路K2の曲率半径R2とが相違するとき(図7中のステップS72の判定がNOのとき)、所定時間t秒の間は第2進行路K2上に存在する先行車の中から自車に最も近い先行車を識別し、上記所定時間t秒が経過した時にロックオン対象車Aが第1進行路K1に戻らないときはその後第1進行路K1上に存在する先行車の中から自車に最も近い先行車を識別するようにしたものである。
【0018】
すなわち、第1進行路K1の曲率半径R1と第2進行路K2の曲率半径R2とが相違するときには、図11において、先ず、ステップS91でロックオン対象車Aが第1進行路K1から外れた時点から所定時間t秒以内であるか否かを判定する。ここで、上記所定時間は、ロックオン対象車Aが第1進行路K1から外れた地点に自車Mが到着するまでの時間であって、下記式により、演算される。
t=(L/v)+α
但し、Lはロックオン対象車Aが第1進行路K1から外れた時点における該ロックオン対象車Aと自車Mとの車間距離、vは自車速、αは自車のピッチング等の特性とセンサの特性とから算出される補正値である。
上記ステップS91の判定がYESの所定時間t以内のときには、ステップS92で第2進行路K2の曲率半径R2が所定値Raより小さいか否かを判定し、ステップS93でロックオン対象車Aが停止しその車速が略零であるか否かを判定する。上記所定値Ra、図12に示すように、先行車(ロックオン対象車)Aの車速が大きくなる従って一時関数的に増加するように設定される。ここで、曲線道路を旋回走行するときには、通常、穏やかに旋回し、その旋回半径は、曲線道路の曲率半径と同じで比較的大きくなる。従って、第2進行路K2の曲率半径R2が所定値Raより小さいときには、ロックオン対象車Aが曲線道路に進入したのではなく、何かの意図で急旋回したものと考えられる。
【0019】
そして、上記両ステップS92、S93の判定が共にNOのときには、ステップS94で第2進行路K2上にロックオン対象車Aより近い先行車Bが存在するか否かを判定し、この判定がYESのときには、ステップS95で先行車Bをロックオン対象車とし、該先行車Bをもとに第2進行路を生成する一方、判定がNOのときには、ステップS96で先行車Aをそのままロックオン対象車とし、該先行車Aをもとに第2進行路を生成する。
一方、上記ステップS91の判定がNOの所定時間tを経過したときには、ステップS97で第1進行路K1上に先行車Cが存在するか否かを判定し、この判定がYESのときには、ステップS98で上記先行車Cをロックオン対象車とし、該先行車Cをもとに第2進行路を生成する一方、判定がNOのときには、ステップS99でロックオン対象車をロストしたと判定する。また、上記ステップS92の判定がYESのときつまり第2進行路K2の旋回半径R2が所定値Raより小さいとき、あるいは上記ステップS93の判定がYESのときつまりロックオン対象車Aが第1進行路K1から外れた後に停車したときにも、上記ステップS97へ移行する。
【0020】
そして、上記変形例においては、先行車であるロックオン対象車Aが第1進行路K1から外れ、第1進行路K1の曲率半径R1と第2進行路K2の曲率半径R2とが相違するときには、ロックオン対象車Aが第1進行路K1から外れた時点から所定時間t、つまり先行車Aが第1の進行路から外れた地点に自車Mが到着するまでの時間の間は第2進行路K2上に存在する先行車の中から自車Mに最も近い先行車を識別し、上記所定時間tが経過した時に上記ロックオン対象車Aが第1進行路K1に戻らないときはその後第1進行路K1上に存在する先行車の中から自車Mに最も近い先行車を識別するようにしているので、曲線道路上での割込み車等を早期に検出できるとともに、最も近い先行車を検出するための対象領域が常に一つの進行路のみで足り、その分上記先行車の検出を精度良くかつ迅速に行うことができる。
また、上記第2進行路K2の曲率半径R2が所定値Raより小さく、ロックオン対象車Aが曲線道路に進入したのではなく何かの意図で急旋回したものと考えられるとき、あるいは上記ロックオン対象車Aが第1進行路K1から外れた後に停止したときには、第1進行路K1上に存在する先行車の中から自車に最も危険な先行車を識別するようにしているので、誤った進行路に基づく先行車の誤検出を防止することができる。
【0021】
尚、上記第1実施例では、レーダ装置7として、レーダ波としての遠赤外線を水平方向に比較的広角度で走査するスキャン式のものを用いたが、それ以外に、比較的狭い角度の範囲内でのみ障害物を検出するレーダ装置を用い、該レーダ装置をアクチュエータで垂直軸廻りに回動させるように構成したものにも同様に適用することができる。
また、上記第1実施例では、第1進行路K1上に存在する先行車C及び第2進行路K2上に存在する先行車A、Bの中から、ロックオン対象車を識別するに当たり、自車と各先行車との車間距離の大小に応じて、上記先行車の識別を行うようにしたが、上記車間距離の代りに、自車と各先行車との相対速度の大小、または車間距離と相対速度との両方に応じて、先行車の識別を行うようにしてもよい。車間距離と相対速度の両方に応じて、先行車の識別を行う場合、先ず、図13に示すマップを用いて、各先行車との車間距離及び相対速度に応じて減速制御量を求め、該減速制御量の大きいものを自車に最もロックオン対象車と判断すればよい。
次に、本発明の第2実施例について図14乃至図19を参照して説明する。上記第1実施例は、第1進行路推定手段22により、自車の走行状態に関する情報(例えば、車速、ハンドル舵角及びヨーレート等)を受け、これに基づいて自車の第1進行路を推定するようにしたものであるが、この第2実施例は、第1進行路推定手段30により、道路の路側に設けられた路側リフレクタ等の静止物体を用いて自車の第1進行路を推定するようにしたものである。以下、第1実施例と異なる部分のみ説明し、同一部分の説明は省略する。
【0022】
図14に示すように、第1進行路推定手段30は、先ず、レーダ装置7の出力を受け、自車両前方に存在する物体を検出する物体検出手段31と、該物体検出手段31の出力を受け、自車両前方に存在する静止物体を検出する静止物体検出手段32と、該静止物体検出手段32の出力を受け、自車両前方に静止物体があるとき、該静止物体の属性に基づき次式に基づき自車両の進行路(曲率半径R12)を推定する第1進行路第2推定手段33とを備える。ここで、静止物体の属性は、自車両と静止物体との距離L、自車両からみた静止物体の方位φ、自車両と静止物体との相対速度v及び横移動速度vtであり、レーダ装置7、車速センサ12及び舵角センサ13からの信号に基づき簡単に検出することができる。
R12=L・(v・cosφ/vt−sinφ)
更に、第1進行路推定手段30は、車速v、舵角θに基づき次式により自車両の進行路(曲率半径R11)を推定する第1進行路第1推定手段34と、レーダ装置7の出力を受け、自車両前方に静止物体が存在しないとき、第1進行路第1推定手段34により推定された進行路を選択する選択手段35とを備える。この第1進行路第1推定手段34は、次式により自車両のスリップアングルβ1を検出するスリップアングル演算手段34aを備える。
【0023】
Figure 0003582071
但し、A:スタビリティファクタ
N:ステアリングギヤ比
L:ホイールベース
Lf:車両重心と前輪との間の距離
Lr:車両重心と後輪との間の距離
m:車両質量
kf:後輪1輪当りのコーナリングパワー
そして、第1進行路第1推定手段34は、第1進行路の推定に際しスリップアングルβ1を考慮するようになっている。即ち、自車両から距離Liの静止物体が見えるべき角度の領域Φ1は次式で計算される。
Φ1=Li/2R11−β1
また、第1進路推定手段30の物体検出手段31及び選択手段35からの信号が、先行車識別手段23に出力される。
【0024】
次に、図15により、上記第1進路推定手段30による第1進行路の推定に係わる制御内容を説明する。
先ず、第1進行路第1推定手段34により、車速、舵角による第1進行路の曲率半径R11及びスリップアングルβ1が次式により演算される(ステップT1)。
Figure 0003582071
但し、A:スタビリティファクタ
N:ステアリングギヤ比
L:ホイールベース
Lf:車両重心と前輪との間の距離
Lr:車両重心と後輪との間の距離
m:車両質量
kf:後輪1輪当りのコーナリングパワー
次に、物体検出手段31によって検出された自車両前方に存在する物体が静止物体であるか否かが静止物体検出手段32によって判定され(ステップT2)、静止物体があれば、第1進行路第2推定手段33により、静止物体の属性に基づき第1進行路の曲率半径R12が次式により演算される(ステップT3)。
【0025】
R12=L・(v・cosφ/vt−sinφ)
尚、上記静止物体の属性に基づき第1進行路(曲率半径R12)を推定する式は、次のようにして導かれる(図16参照)。ここで、Lは自車両Mから静止物体までの距離、φは自車両Mに対する静止物体の方位、vは相対速度、vtは横移動速度である。
Figure 0003582071
このようにして第1進行路第2推定手段33により推定された第1進行路の曲率半径R12に基づいて第1進行路が推定される(ステップT4)。
【0026】
一方、静止物体がなければ、スリップアングル演算手段34aによってスリップアングルが演算され(ステップT5)、それを考慮して、第1進行路第1推定手段34で推定された第1進行路の曲率半径R11に基づき第1進行路が推定される(ステップT4)。
上記第2実施例は、基本的には1つの静止物体を利用して行う制御の例であるが、第2実施例によれば、自車両前方に複数の静止物体が存在する場合には、それら複数の静止物体を利用して、次のように第1進行路を推定することもできる。
図17及び図18において、先ず、物体識別番号iをリセットしてi=0とし(ステップT11)、それから、物体識別番号iをインクリメントして、i+1とする(ステップT12)。
それから、物体識別番号iが、物体総個数(object−max)+1に等しいか否かを判定し(ステップT13)、等しくなければ、相対速度viが自車速vに等しいか否かを判定する(ステップT14)。相対速度viが自車速vに等しければ、それぞれの静止物体に基づいて物体の属性(例えば自車両から静止物体までの距離Li、自車両に対する静止物体の方位φi、相対速度vi、横移動速度vti)による第1進行路の推定を次式により行い(ステップT15)、ステップT12に戻る。一方、相対速度viが自車速vに等しくなければ、移動物体であるので、第1進行路の曲率半径Riを無限大として(ステップT16)、ステップT12に戻る。
【0027】
R12i=Li・(vi・cosφi/vti−sinφi)
一方、ステップT13において、物体識別番号iが、物体総個数(object−max)+1に等しければ、静止物体が3つ以上あるか否かを判定し(ステップT17)、3つ以上あれば、最も遠い距離に存在する物体から順に3つの静止物体を選択し(ステップT18)、それら曲率半径R121、R122、R123の平均値R12を第1進行路の曲率半径として(ステップT19)、第1進行路を推定する(ステップT20)。
静止物体が3つ以上なければ、第1進行路第1推定手段34により車両状態量から曲率半径R11を求めて第1進行路の推定を行い(ステップT21)、スリップアングルを計算し(ステップT22)、第1進行路を推定する(ステップT20)。
また、この第2実施例においては、図18に示したステップT17以降の内容を次のようにすることもできる。
図19に示すように、ステップT13(図17参照)において、物体識別番号iが、物体総個数(object−max)+1に等しいとき、Rフラグが1であるか否かが判定され(ステップT31)、Rフラグが1でないときには、静止物体が3つ以上存在するか否かを判定する(ステップT32)。ここで、Rフラグ=1の判定を行うのは、最初の段階では、ステップT32に移行するようにするためである。
【0028】
ステップT32の判定で、静止物体が3つ以上あれば、最も遠い距離に存在する物体から順に3つの静止物体を選択し(ステップT33)、自車Mと各物体間の距離La、Lb、Lcを演算し(ステップT34)、それら各物体から推定された各曲率半径R121,R122,R123の平均値R12を第1進行路の曲率半径として推定し(ステップT35)、Rフラグを1とし(ステップT36)、第1進行路を推定する(ステップT37)。
静止物体が3つ以上なければ、自車両Mの走行状態量(車速、舵角)による第1進行路の曲率半径R11の推定を行い(ステップT38)、スリップアングルを計算し(ステップT39)、第1進行路を推定する(ステップT37)。
一方、ステップ31でRフラグが1であると判定された場合には、ステップT40に進み、ステップT33で選ばれたものと同じ物体の物体間距離データLa’,Lb’,Lc’を演算した後、前回の物体間データと比較して等しいか否かを判定する(ステップT41)。前回の物体間データと比較して等しければ、それらは静止物体であるから、静止物体の場合には、それらの物体から推定された進行路の曲率半径の平均値を計算し(ステップT42)、進行路を推定する(ステップT37)。一方、前回の物体間データと等しくなければ、ステップT32に移行する。
【0029】
このように、本発明の第2実施例においては、自車両前方の静止物体を検出して、該静止物体の属性に基づき第1進行路第2推定手段33が自車両が今後進行すると推定される第1進行路を推定するようにしているので、物体検出手段31により検出される自車両前方の静止物体を有効に利用して、ヨーレートセンサを用いることなく、自車両が今後進行する第1進行路を推定することができる。
また、第2実施例によれば、静止物体の属性として簡単に検出することができる自車両と静止物体との距離、自車両からみた静止物体の方位、自車両と静止物体との相対速度及び横移動速度を用いて、第1進行路を推定することができる。
さらに、第2実施例においては、第1進行路第2推定手段33により第1進行路を推定するほか、車速、舵角等の車両状態量に基づき、第1進行路第1推定手段34によっても第1進行路を推定するようにしているので、自車両前方に静止物体が存在しない場合には、第1進行路第1推定手段34を利用することで、常時進行路を推定することが可能となる。
また、第2実施例によれば、自車両のスリップアングルを演算しているので、自車両前方に静止物体が存在しないとき、第1進行路第1推定手段34による推定値に対しスリップアングルを考慮して、自車両の第1進行路を推定することができる。
【0030】
また、第2実施例によれば、複数個の静止物体の属性に基づき自車両の第1進行路を推定するので、精度よく第1進行路を推定することができる。
次に、本発明の第3実施例について図20乃至図23を参照して説明する。この第3実施例は、自車の走行状態に関する情報(例えば、車速、ハンドル舵角及びヨーレート等)に基づいて自車の第1進行路を推定した第1実施例及び道路の路側に設けられた路側リフレクタ等の静止物体を用いて自車の第1進行路を推定した第2実施例と異なり、自車の前方を走行する先行車の走行状態に関する情報に基づいて自車の第1進行路を推定するようにしたものである。以下、第1実施例と異なる部分のみ説明し、同一部分の説明は省略する。
図20は第3実施例による自車の第1進行路の推定の基本制御内容を示すフローチャートであり、図21は図20のステップP4のサブルーチンを示すフローチャートであり、図22は先行車Aが自車と同一車線を走行している場合を示し、図23は先行車が自車の隣接車線を走行している場合を示している。
先ず、図20により、第3実施例による自車の第1進行路の推定の基本制御内容を説明する。
【0031】
図20において、先ず、自車の前方に静止物体が存在するか否かを判定する(ステップP1)。静止物体が存在すれば、静止物体の属性に基づいて自車の第1進行路を推定する(ステップP2)。なお、この静止物体の属性に基づく自車の第1進行路の推定の仕方は、上述した第2実施例の場合と同一であるため、その説明は省略する。
一方、静止物体が存在しない場合は、ステップP3に進み、自車の前方に移動物体即ち先行車が存在するか否かを判定する。移動物体が存在する場合には、この移動物体である先行車の走行状態に基づいて自車の第1進行路を推定する(ステップP4)。
この先行車の走行状態に基づいて自車の第1進行路を推定するステップP4の詳細内容を図21により説明する。この第3実施例では、先行車が自車と同一車線を走行している場合と、先行車が自車の隣接車線を走行している場合とに分けて自車の第1進行路を推定するようにしている。
図21において、先ず、dθ/dLを計算する(ステップP11)。ここで、図22及び図23に示すように、Lは自車Mと先行車Aとの車間距離、θは自車Mと先行車Aとを結ぶ直線が自車Mの進行方向(前後中心線)となす角度である。次に、dθ/dLの値が前回及び前々回の値と同一であるか否かを判定する(ステップP12)。同一であれば、先行車Mは自車Mと同一車線を走行していると考えられるので、ステップP13に進み、R=1/(2dθ/dL)と設定し、自車の第1進行路を推定する(ステップP14)。
【0032】
ここで、図22に示すように、先行車Mが自車Mと同一車線を走行している場合には、以下の関係があり、上記R=1/(2dθ/dL)が求められる。
L=2h
h=R・sinθ
L=2Rsinθ
R=1/(2sinθ/L)≒1/(2θ/L)
但し、sinθ≒θ
次に、ステップ12においてdθ/dLの値が前回及び前々回の値と同一でないと判定された場合には、先行車Aは自車Mの隣接車線を走行していると考えられるため、ステップP15に進む。ここで、自車Mと先行車Aとの車間距離Lの変更量が正か否かを判定する。車間距離Lの変更量が正であれば、ステップP16にて、dθ/dLが小さくなったか否かを判定し、小さくなった場合には、先行車Aが自車の車線の外側の隣接車線を走行していると考えられるため、ステップP17に進み、R=1/{2(dθ/dL−d/L)}と設定し、自車の第1進行路を推定する(ステップP14)。ステップP16にて、dθ/dLが小さくなってはいないと判定された場合には、先行車Aが自車の車線の内側の隣接車線を走行していると考えられるため、ステップP18に進み、R=1/{2(dθ/dL+d/L)}と設定し、自車の第1進行路を推定する(ステップP14)。
【0033】
次に、ステップP15において、自車Mと先行車Mとの車間距離Lの変更量が正ではないと判定された場合には、ステップP19にて、dθ/dLが小さくなったか否かを判定し、小さくなった場合には、先行車Mが自車の車線の内側の隣接車線を走行していると考えられるため、ステップP18進み、R=1/{2(dθ/dL+d/L)}と設定し、自車の第1進行路を推定する(ステップP14)。ステップP19にて、dθ/dLが小さくなってはいないと判定された場合には、先行車Mが自車の車線の外側の隣接車線を走行していると考えられるため、ステップP17に進み、R=1/{2(dθ/dL−d/L)}と設定し、自車の第1進行路を推定する(ステップP14)。
ここで、図23に示すように、先行車Mが自車Mの外側の隣接車線を走行している場合には、以下の関係があり、上記R=1/{2(dθ/dL−d/L)}が求められる。ここで、dは1車線分の距離(約3.5m)を表している。
Figure 0003582071
また、先行車Mが自車Mの内側の隣接車線を走行している場合にも、同様にして、上記R=1/{2(dθ/dL+d/L)}が求められる。
【0034】
このように、本発明の第3実施例においては、自車前方に静止物体(例えば、路側リフレクタ等)が存在する場合には、その静止物体の属性に基づいて自車の第1進行路を推定し、一方、静止物体が存在しない場合には、自車の前方を走行する先行車の走行状態に関する情報に基づいて自車の第1進行路を推定するようにしているので、常時精度良く第1進行路を推定することができる。
また、第3実施例においては、先行車が自車と同一車線を走行している場合と、先行車が自車の隣接車線を走行している場合とに分けて自車の第1進行路を推定するようにしているので、その分精度良く第1進行路を推定することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の車両の走行制御装置によれば、自車の進行方向の推定が不安定な状態のときに進行路上の先行車の検出を適切に行うことができる。また、本発明によれば、自車の走行状態等に基づいて予測する第1の進行路と、先行車の位置に基づいて予測する第2の進行路とを併用することにより、曲線道路上で先行車と自車との間に割り込んで来る車をも早期に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車の走行制御装置の第1実施例の全体構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1実施例のコントロールユニットを示すブロック図
【図3】本発明の第1実施例による追従走行時の制御のメインルーチンを示すフローチャート
【図4】本発明の第1実施例による第1進行路の推定のサブルーチンを示すフローチャート
【図5】本発明の第1実施例によるロックオン対象車の登録のサブルーチンを示すフローチャート
【図6】本発明の第1実施例によるロックオンの実行のサブルーチンを示すフローチャート
【図7】本発明の第1実施例によるロックオンの変更及び解除のサブルーチンを示すフローチャートの部分図
【図8】本発明の第1実施例によるロックオンの変更及び解除のサブルーチンを示すフローチャートの部分図
【図9】本発明の第1実施例による第2進行路の推定を説明するための図
【図10】第1進行路と第2進行路とが異なる状態を示す図
【図11】本発明の第1実施例の変形例を示す図8相当図
【図12】本発明の第1実施例における所定値Ra設定用のマップを示す図
【図13】本発明の第1実施例における車間距離及び相対速度と減速制御量との関係を示す図
【図14】本発明の第2実施例によるコントロールユニットを示すブロック図
【図15】本発明の第2実施例による制御の流れを示すフローチャート
【図16】本発明の第2実施例における静止物体の属性データで基づく進行路の曲率半径推定の説明図
【図17】本発明の第2実施例の変形例によるフローチャートの一部分
【図18】本発明の第2実施例の変形例によるフローチャートの一部分
【図19】本発明の第2実施例の他の変形例によるフローチャートの一部分(図18相当図)
【図20】本発明の第3実施例による基本制御内容を示すフローチャート
【図21】本発明の第3実施例のサブルーチンを示すフローチャート
【図22】本発明の第3実施例において先行車が自車と同一車線を走行している状態を示す図
【図23】本発明の第3実施例において先行車が自車の隣接車線を走行している状態を示す図
【符号の説明】
4 コントールユニット
7 レーダ装置
12 車速センサ
13 舵角センサ
14 ヨーレートセンサ
18 ロックオンスイッチ
22 第1進行路推定手段
23 先行車識別手段
24 第2進行路推定手段
30 第1進行路推定手段
31 物体検出手段
32 静止物体検出手段
33 第1進行路第2推定手段
34 第1進行路第1推定手段
35 選択手段
M 自車
A,B,C 先行車

Claims (5)

  1. 自車の前方に存在する物体を検出する物体検出手段と、
    自車が走行すべき第1進行路を推定する第1進行路推定手段と、
    上記物体検出手段により検出された上記第1進行路上に存在する先行車の中から自車の追従対象車を識別する先行車識別手段と、
    少なくとも上記追従対象車が第1進行路から外れたときこの追従対象車の位置の情報に基づいて自車の第2進行路を推定する第2進行路推定手段と、を有し、
    上記先行車識別手段は、上記追従対象車が第1進行路から外れたとき、この第1進行路上又は上記第2進行路上に存在する先行車の中から、すくなくとも自車との車間距離に応じて自車の新たな追従対象車を識別するように設けられていることを特徴とする自動車の走行制御装置。
  2. 上記第1進行路推定手段は、自車の走行状態に基づいて第1進行路を推定するように設けられた請求項1記載の自動車の走行制御装置。
  3. 上記第2進行路推定手段により推定される第2進行路は、自車と上記追従対象車を所定幅を有するように結んだものである請求項1記載の自動車の走行制御装置。
  4. 上記先行車識別手段は、少なくとも自車との車間距離及び相対速度に応じて自車の新たな追従対象車を識別するように設けられている請求項1記載の自動車の走行制御装置。
  5. 自車の前方に存在する物体を検出する物体検出手段と、
    自車が走行すべき第1進行路を推定する第1進行路推定手段と、
    上記物体検出手段により検出された上記第1進行路上に存在する先行車の中から自車の追従対象車を識別する先行車識別手段と、
    少なくとも上記追従対象車が第1進行路から外れたときこの追従対象車に基づいて自車の第2進行路を推定する第2進行路推定手段と、を有し、
    上記先行車識別手段は、上記追従対象車が第1進行路から外れた時点からその外れた地点に自車が到達するまでの間は、上記第2進行路上に存在する先行車の中から自車の新たな追従対象車を識別し、自車がその外れた時点に到着するまでに上記追従対象車が第1進行路に戻らないときは、その後第1進行路上に存在する先行車の中から自車の新たな追従対象車を識別するように設けられ、上記第2進行路推定手段は、この識別された新たな追従対象車を基にして新たな第2進行路を推定するように設けられていることを特徴とする自動車の走行制御装置。
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