JP3582038B2 - 現像方法及び露光装置 - Google Patents

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は現像方法及び露光装置に関するものであり、特に、レジストの現像処理工程における半導体ウェハ面内の現像速度分布のばらつきを補正することを目的とした現像方法、及び、その工程に用いる露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の集積度の向上に伴い、パターンルールの微細化が要求されており、そのため寸法制御にも高い精度が要求され、半導体ウェハ面内のパターン寸法を均一にする必要に迫られている
【0003】
従来のフォトリソグラフィー工程においては、まず、半導体ウェハ上に塗布されたレジスト層を、要求する設計パターンに従って部分的に露光し、ポジ型レジストの場合には、感光された部分を現像液により溶解してパターンを形成している。
【0004】
この様な現像工程においては、レジスト層を塗布した半導体ウェハ上に、半導体ウェハを回転しながら、ノズルより現像液を滴下し、半導体ウェハ上に液盛りして回転によって現像液を半導体ウェハ面全体に拡げて現像することが一般に行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この様な回転滴下による現像法においては、現像後のレジストパターン寸法が、図に示す様に半導体ウェハ面内で異なってしまうという問題がある。
【0006】
参照
は、レジストパターンの線幅の半導体ウェハ面内分布を0.01μm単位で示したもので、半導体ウェハ51の中心部における線幅が0.32〜0.33μmである場合、周辺部に行くにしたがって線幅が太くなる傾向が見られ、半導体ウェハ51の周辺部における線幅は0.37〜0.38μmで、中心部に比べて、0.06μm、即ち、約18%程度太くなっている。
【0007】
この場合の現像液滴下用のノズルは、ウェハセンターに設置したものや、中心からずらして配置したもの、或いは、複数本設けたもの等、各種あるが、例えば、ポジ型レジストの場合には、ノズルから現像液が滴下されて最初に当たる点、即ち、半導体ウェハの中心部の線幅が細くなる傾向がある。
【0008】
この原因は、色々考えられるが、まず、現像液の浸食のタイム・ラグにより現像液量に半導体ウェハ面内分布が生ずるため、即ち、最初に現像液と接触する半導体ウェハ51の中心部がより現像されるため、線幅が細くなると考えられる。
【0009】
また、ノズルから現像液が出て当たる箇所、即ち、半導体ウェハ51の中心部において、現像液によるレジスト層に対する物理的ダメージが生じ、現像後の線幅にばらつきが発生するものと考えられる。
【0010】
さらに、回転により現像液を拡る際に、現像液の拡がりに微小な分布があるため、これが現像液量の半導体ウェハ面内分布となって、線幅にばらつきが生ずるものと考えられる。
【0011】
したがって、本発明は、現像工程におけるレジストパターン寸法のウェハ面内分布を低減させることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理的構成の説明図であり、この図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1(a)及び(b)参照
(1)本発明は、現像方法において、ポジ型のレジスト層1に所定パターンを露光したのち、レジスト層1を現像する前に、レジスト層1の表層を部分的に紫外線照射して溶解速度を部分的に速めることによって所定パターンを形成していない未露光領域のレジスト層1の表層の溶解速度に面内分布を形成することを特徴とする。
【0013】
この様に、回転滴下に伴う現像後のレジストパターン寸法の面内ばらつきを補正する様に、レジスト層1の表層の溶解速度に面内分布を形成することにより、フォトリソグラフィー工程の精度を高めることができる。
【0014】
この場合、ポジ型のレジスト層1の表層に紫外線を照射することによって、照射された部分の溶解速度を部分的に速めること、即ち、ウェハの周辺部を高溶解速度部2とすることによって、回転滴下に伴う現像後のレジストパターン寸法の面内ばらつきを効果的に補正することができる。
【0015】
(2)本発明は、現像方法において、ポジ型のレジスト層1に所定パターンを露光したのち、レジスト層1を現像する前に、レジスト層1の表層を段階的に紫外線照射して溶解速度を段階的に速めることによって所定パターンを形成していない未露光領域のレジスト層1の表層の溶解速度に面内分布を形成することを特徴とする。
【0016】
或いは、紫外線の照射を段階的に、即ち、例えば、4段階にする場合には、ウェハの周辺部より高溶解速度部2−中高溶解速度部4−中低溶解速度部5−低溶解速度部3の様に、同心円状の分布を有する様にすることによって、回転滴下に伴う現像後のレジストパターン寸法の面内ばらつきをより効果的に補正することができる。
【0017】
)また、本発明は、露光装置において、所定のパターンを露光したポジ型のレジスト層1の溶解速度に面内分布を形成するための互いに異なった光透過分布特性を有する複数のフィルタを備えたフィルタ可動レボルバーを有することを特徴とする。
【0018】
現像装置のノズルの形状や、ウェハの回転数等の違いに起因して、レジストパターン寸法の面内ばらつきが異なるウェハを現像する際に、予め、各ウェハの面内ばらつきに対応する異なった光透過分布特性を有する複数のフィルタを備えたフィルタ可動レボルバーを設けることによって、異なった種類のウェハの現像に容易に対処することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明の第1の実施の形態を図2を参照して説明する。
図2(a)参照
図2(a)は、第1の実施の形態に用いる露光装置の概略的構成を示す図であり、半導体ウェハ11を載置するステージ12、i線(365nm)を中心としたブロードバンドの紫外線を発生するHgランプ13、Hgランプ13からの光を反射して半導体ウェハ11に照射する楕円ミラー14、照射する紫外線強度に分布を形成するフィルタ15から構成される。
【0020】
図2(b)参照
このフィルタ15は、周辺部を構成する100%透過ガラス16と、中心部を構成する50%減衰色付きガラス17とによって構成され、例えば、500mW/cm-3の紫外線を照射した場合に、中央部においては250mW/cm-3の光が照射されることになる。
【0021】
図2(c)参照
まず、i線ポジレジストを回転塗布した半導体ウェハ11に、ステッパーを用いて所定回路パターンを露光したのち、90℃で90秒間ベークを行い、次いで、図2(a)に示した露光装置を用いて、500mW/cm-3の紫外線をフィルタ15を介して部分的に10秒間照射することによって、半導体ウェハ11に塗布したレジスト層表面の周辺部は高溶解速度部18となり、中央部は低溶解速度部19となる。
【0022】
なお、この紫外線照射によって、所定回路パターンが露光された領域は既に露光されているので影響を受けないが、所定回路パターンが露光されていない未露光領域の表面の溶解速度が紫外線の照射量に応じて変化することになる。
【0023】
次いで、2.38%のTMAH(TetraMethyle Ammonium HydroOxycide)水溶液からなる現像液を、半導体ウェハ11を回転させながら6秒間滴下させたのち、70秒間停止させ、次いで、半導体ウェハ11を回転させながら15秒間純水を滴下することによって現像液を除く。
【0024】
この場合、露光量30%の変化に対して線幅が10%変化するレジスト、即ち、Exposure Latitudeが30%のレジストを用いた場合には、露光量が50%変化した場合には、線幅が約20%変化するので、図の様な線幅分布に対して、0.06μmの線幅差を故意に操作することができ、線幅の面内分布を緩和することができる。
【0025】
次に、図3を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。
図3(a)参照
図3(a)は、第2の実施の形態に用いるフィルタ20を表すものであり、周辺部から中央部にかけて、100%透過ガラス21−10%減衰色付きガラス22−30%減衰色付きガラス23−50%減衰色付きガラス24の様に段階的分布を持つ様に構成されている。
【0026】
図3(b)参照
まず、i線ポジレジストを回転塗布した半導体ウェハ11に、ステッパーを用いて所定回路パターンを露光したのち、90℃で90秒間ベークを行い、次いで、図2(a)に示した露光装置を用いて、500mW/cm-3の紫外線をフィルタ20を介して部分的に10秒間照射することによって、半導体ウェハ11に塗布したレジスト層表面は、周辺部から中央部にかけて、高溶解速度部25−中高溶解速度部26−中低溶解速度部27−低溶解速度部28の様に、段階的な溶解速度分布が形成される。
【0027】
次いで、第1の実施の形態と同様に、2.38%のTMAH水溶液からなる現像液を、半導体ウェハ11を回転させながら6秒間滴下させたのち、70秒間停止させ、次いで、半導体ウェハ11を回転させながら15秒間純水を滴下することによって現像液を除く。
【0028】
この場合も、Exposure Latitudeが30%のレジストを用いた場合には、露光量が50%変化した場合には、線幅が約20%変化するので、図の様な線幅分布に対して、最大0.06μmの線幅差を故意に操作することができ、線幅の面内分布をより高精度に緩和することができる。
【0029】
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態に用いるスキャン方式露光装置の概略的構成を説明する。
図4参照
このスキャン方式露光装置は、Hgランプ13からの紫外線の形状を円弧スリット状光束39に変化させてフィルタ15に導く、楕円ミラー14、ミラー30,31、フライアイレンズ32、ミラー33、レンズ34、及び、ミラー35からなる光学系、互いに異なった紫外線透過性分布を有するフィルタ15を複数個(図の場合には4個)備えたフィルタ可動レボルバー29、半導体ウェハ11を載置するステージ12、及び、ステージ12上の半導体ウェハ11にフィルタ15からの紫外線を照射する台形レンズ36、凹面鏡37、及び、凸面鏡38からなる光学系によってその概略が構成される。
【0030】
この場合、円弧スリット状光束39をフィルタ15上でスキャンニングすることによって、半導体ウェハ11を光強度分布を形成した円弧スリット状光束39で矢印で示す様にスキャンニングするものである。
【0031】
また、この場合の各フィルタ15は、紫外線透過分布の段階が互いに異なったもの、例えば、2段階、3段階、4段階、及び、5段階のフィルタ、或いは、同じ段階でも各透過率領域の相対面積が異なるもの、或いは、同じ段階でも各領域における透過率の関係が異なるもの、即ち、減衰率が0−10−30−50の組み合わせ、0−20−40−60の組み合わせ等を、製造工程に組み込んでいる各種の現像装置のノズルの形状やスピナーの回転数等に応じて予め各種設定しておき、半導体ウェハを実際に現像する現像装置に応じて、フィルタ15を選択すれば良いので、各種の状況に容易に対応することができる。
【0032】
なお、上記の各実施の形態の説明においては、フィルタの減衰率分布を2段階(部分的)或いは4段階(段階的)にしているが、用いるレジストの特性、或いは、現像装置の特性に応じて任意の段階数に適宜設定しても良く、また、同じ段階数でも各領域の相対面積、或いは、各領域の相対減衰率を適宜変化させても良い。
【0033】
また、上記の第1の実施の形態の説明においては、100%透過ガラスと50%減衰色付きガラスでフィルタを構成しているが、100%透過ガラスと100%減衰遮光板で構成しても良い。
【0034】
また、本発明の露光装置或いはキュア装置は、単独で構成しても良いし、或いは、現像装置とゲートバルブ等を介してインライン接続しても良いし、さらには、現像装置と一体化しても良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、レジスト層の表面に溶解速度の分布を形成することにより、現像液の浸食のタイム・ラグや現像液による物理的ダメージ等による現像ムラを補償し、現像時の全体的な溶解速度を均一化することできるので、パターン寸法の正確な制御が可能になり、半導体集積回路装置の高集積化、製造歩留り向上に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に用いるスキャン方式露光装置の説明図である。
【図5】従来の現像工程における線幅の半導体ウェハ面内分布の説明図である。
【符号の説明】
1 レジスト層
2 高溶解速度部
3 低溶解速度部
4 中高溶解速度部
5 中低溶解速度部
11 半導体ウェハ
12 ステージ
13 Hgランプ
14 楕円ミラー
15 フィルタ
16 100%透過ガラス
17 50%減衰色付きガラス
18 高溶解速度部
19 低溶解速度部
20 フィルタ
21 100%透過ガラス
22 10%減衰色付きガラス
23 30%減衰色付きガラス
24 50%減衰色付きガラス
25 高溶解速度部
26 中高溶解速度部
27 中低溶解速度部
28 低溶解速度部
29 フィルタ可動レボルバー
30 ミラー
31 ミラー
32 フライアレンズ
33 ミラー
34 レンズ
35 ミラー
36 台形ミラー
37 凹面鏡
38 凸面鏡
39 円弧スリット状光束
51 半導体ウェハ

Claims (3)

  1. ポジ型のレジスト層に所定パターンを露光したのち、前記レジスト層を現像する前に、前記レジスト層の表層を部分的に紫外線照射して溶解速度を部分的に速めることによって所定パターンを形成していない未露光領域における前記レジスト層の表層の溶解速度に面内分布を形成することを特徴とする現像方法。
  2. ポジ型のレジスト層に所定パターンを露光したのち、前記レジスト層を現像する前に、前記レジスト層の表層を段階的に紫外線照射して溶解速度を段階的に速めることによって所定パターンを形成していない未露光領域における前記レジスト層の表層の溶解速度に面内分布を形成することを特徴とする現像方法。
  3. 所定のパターンを露光したポジ型のレジスト層の溶解速度に面内分布を形成するための互いに異なった光透過分布特性を有する複数のフィルタを備えたフィルタ可動レボルバーを有することを特徴とする露光装置。
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