JP3581736B2 - セルロース系破砕物の解砕・乾燥方法及び装置 - Google Patents

セルロース系破砕物の解砕・乾燥方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、破砕チップ、パルプ、籾殻、木粉等のセルロース系破砕物の解砕・乾燥方法に関し、より詳しくは、プラスチック成形品、プラスチックシート、プラスチックフィルム等のプラスチック製品および塗料などのそれぞれに、充填材、着色材等として用いられるセルロース系破砕物の解砕・乾燥方法に関する。なお、セルロース系破砕物は、プラスチック成形品に対する充填材として、例えばセルロース系破砕物と熱可塑性成形材とを混練し成形ダイより所定の肉厚に押出して成形した木質合成板に用いられ、塗料に対する充填材として、例えば電磁波シールド材、電波吸収材、静電防止材などの各種導電性材料に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
セルロース系破砕物には、木材を粉砕して得た木粉、籾穀、バカス、破砕チップ材、パルプ材などがある。セルロース系破砕物の内、木粉については、建築廃材、又製材工程、木工工程の鋸屑などの廃材、その他の原料木材をインペラーミルやボールミルなどの粉砕機によって衝撃、剪断、摩擦などの作用により粉砕して得られる木粉は、毛羽立っており、しかも繊維状に細長い木粉が多数含まれていたり、樹脂素材、溶剤、溶液に対する分散性が極端に悪く、また木粉の保管の過程でも凝集を生じやすく、特に樹脂素材に混入する場合、凝集する欠点を有するものであった。
【0003】
熱可塑性樹脂成形材と木粉を主たる成形素材としたプラスチック成形品には、熱可塑性樹脂成形材とセルロース系破砕物を押出機等で溶融、混練して成形ダイから押出して板材に成形した木質合成板がある。木粉が通例の含有水分量の範囲内にある場合においては、この木粉を熱可塑性樹脂成形材と共に成形機に充填、加熱した場合、混入木粉より多量の水蒸気と木酸ガスとが発生し、これによって成形機内の壁面の酸化腐食、成形ダイの損耗がもたらされ、又成形品自体の表面の荒れ、気泡、巣の発生等を生じさせる原因となり、押出成形に種々の問題を生じさせるものであった。
【0004】
かかる問題を回避するためには、木粉の分散性を向上すると共に極力含有水分を揮散し除去することが必要であった。この含有水分の除去は、木粉中に含まれる木酸の揮散にも重大な影響をもたらすものであった。
【0005】
木材ないし木片の乾燥には、後述するように種々の手段が用いられていたが、木粉の乾燥については、不適当であり、従来、上記の木粉の欠点を改善するべく、前記木粉に対して粉砕用ボール間での摩擦作用による再粉砕をするために、乾式ボールミル等の機械的手段による摩砕処理を施していた。乾式ボールミル100は図4に示すように、ミル本体101の周壁内に冷却ジャケット102を形成させ、給水管108から排水管109へ常時、冷却水を供給し、当該乾式ボールミル100内の温度が、少なくとも80℃以下、好ましくは70℃以下に保持されるようにしている。
【0006】
また、ミル本体101の内部には、モータ105で回転駆動される撹拌手段としての撹拌バー104および当該撹拌バー104により撹拌且つ転動されて摩砕作用を生ぜしめるべく、多数の粉砕ボール103を配し、開放上部から被処理材料である被処理木粉を投入して稼働させる。そして、処理終了後は、取出しバルブ106から取出し口107を経て外部に取り出し得るようにしたもので、いわゆるバッチ形式に構成されている。
【0007】
上記の乾式ボールミル100では、 例えば、直径3mmのジルコニア系のセラミック製粉砕ボールを2.4リットル装填した5.4リットル容量の乾式ボールミルを用い、粒径0.3〜1.2mm程度の鋸屑を被処理木粉としてミル本体101内に投入し2時間にわたり処理したところ、前記被処理木粉は撹拌且つ転動される各粉砕ボール103の相互間で摩砕処理されて、長繊維状の被処理木粉は破断、摩擦による粉砕によって球形あるいは球形類似の粒状に変形するなどして、より粒状に近づけられ、被処理木粉の角張っている部分、突き出している部分、繊毛状のヒゲ部分などが取り除かれ、あるいは変形させられて、全体がより粒に近い形状に整えられる。また、各粉砕ボール103の相互間ないしは各粉砕ボール103と被処理木粉間で発生する摩擦熱のために急速に必要温度まで加熱され、木粉内に含まれている水分が除かれていき、木粉の含有水分量は当該摩砕の長時間の継続によって5wt%程度にまで除去され乾燥される。
【0008】
なお、乾式ボールミルには、上述した開放型の乾式ボールミルの他に、前記乾式ボールミルの開口を密閉用蓋で被蓋し且つ該密閉用蓋にミル本体101の内部に連通する排気管および吸気管を配設して構成される密閉型の乾式ボールミルがある。この密閉型の乾式ボールミルでは、ミル内の酸素濃度を15%以内とし、ミル内温度を80℃以下に設定し、前記給気管から不活性ガス、例えば、窒素ガスを供給し、前記排気管からミル本体内の気体を排出することにより、ミル本体内の大気を前記窒素ガスに置換させるか、あるいは窒素ガスを連続的に流しながら、木粉の摩砕処理を不活性雰囲気下で稼働させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の乾式ボールミル等の摩砕を主体とする手段で、チップ、鋸屑を直接粉砕処理する場合、以下の問題点があった。
【0010】
(1)乾式ボールミルを用いて粉砕して得られた木粉の含有水分量は、前述したように、5wt%程度にまで除去されるとはいえ、この木粉を熱可塑性樹脂成形材と共に押出機等の成形機に充填、加熱した場合、混入木粉より水蒸気と木酸ガスとが発生する。
【0011】
したがって、この水蒸気と木酸ガスは、前述したように成形機内の壁面の酸化腐食、成形ダイの損耗、成形品自体の表面の荒れ、気泡、巣の発生等を生じさせる原因となり、中和剤のきわめて厳格な添加が必要となり、成形前の木粉内の含有水分量を極力低下させることは以前として残された課題であった。
【0012】
(2)乾式ボールミルの容量を大きくしても乾式ボールミルの内部に粉砕ボール103を装填するので、一度の処理操作で得られる粉砕木粉の量が例えば前述した従来例のように3リットルと極めて少なく、しかも乾式ボールミルの稼働時間は、例えば前述したように2時間という長時間にわたるものであった。
【0013】
(3)また、熱可塑性樹脂成形材と木粉とを加熱撹拌混合すると、各木粉の周囲が熱可塑性樹脂成形材で覆われるために、木粉内の水分は熱可塑性樹脂成形材で閉じ込められる状態になるので、その後に、別途乾燥機などにより乾燥したとしても上記木粉の含水率を低下させることはできなくなる。したがって、この水蒸気あるいは木酸ガス等が成形工程において発生することになり成形品の郷土、外観不良及び変形をもたらす。
【0014】
本発明は叙上の問題点を解決するために開発されたもので、セルロース系破砕物を粉砕する過程において短時間でセルロース系破砕物内の含有水分量をほとんど除去するセルロース系破砕物の解砕・乾燥方法および装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のセルロース系破砕物の解砕・乾燥方法においては、粒度10メッシュ以下、好ましくは10〜45メッシュの小片に形成したセルロース系破砕物を加熱手段を用いることなく撹拌衝撃翼85,86,87により摩砕且つ撹拌して、前記撹拌衝撃力に基づく剪断力により剪断発熱を生じさせ、この剪断発熱により前記セルロース系破砕物の含有水分量を低下せしめて解砕・乾燥することを特徴とする。
【0016】
また、本発明のセルロース系破砕物の解砕・乾燥方法においては、上述したセルロース系破砕物に撹拌衝撃翼85,86,87により撹拌して、粒度30メッシュ、好ましくは60メッシュ以下に摩砕し、且つ前記撹拌衝撃翼の剪断速度が900〜980rpmであるときの撹拌衝撃力に基づく剪断力により剪断発熱を生じさせ、加熱手段を用いることなく、前記剪断発熱により前記セルロース系破砕物から水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスを揮散せしめてセルロース系破砕物の含有水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt%以内、より好ましくは0.2wt%以内に乾燥することを特徴とする。
【0017】
なお、撹拌衝撃翼の回転速度は木粉に対する撹拌衝撃力に基づく剪断力と比例関係にあり、本発明では、撹拌衝撃翼の回転速度を「剪断速度」と称する。前記撹拌衝撃翼の剪断速度は、速すぎると撹拌衝撃翼の遠心力で木粉が舞い上がるためミキシング効果が低下し、遅すぎると撹拌衝撃力に基づく剪断力による発熱量が少ないため乾燥時間が多くかかり乾燥効率が低下するという理由で、好ましくは900〜980rpm、最適は900〜950rpmである。
【0018】
また、前記セルロース系破砕物は前記撹拌衝撃力に基づく剪断力により剪断発熱を生じさせ、この剪断発熱により含有水分量30wt%以内、好ましくは15wt%以内、より好ましくは10wt%以内に予備乾燥することが、本発明でのセルロース系破砕物の解砕・乾燥効率をより一層向上させるという点で望ましい。
【0019】
また、前記セルロース系破砕物に撹拌衝撃翼による撹拌衝撃力に基づく剪断力により剪断発熱を生じさせる雰囲気内つまりミキサー80内へ乾燥空気を供給し、該乾燥空気内にセルロース系破砕物から揮散した水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスを含ませてミキサー80より外部へ排出することは、水蒸気がミキサー80の内壁面に結露せずより一層効率よくセルロース系破砕物を乾燥するという点で、特に望ましい。
【0020】
また、解砕・乾燥する木粉等のセルロース系破砕物の中に炭酸カルシウム、あるいは酸化チタン等の顔料を添加剤として添加することは、製品の着色と、前記添加剤により木粉が重くなって撹拌衝撃翼の遠心力による木粉の舞い上がりが少なくなるため乾燥効率を向上できるという点で、好ましい。
【0021】
また、摩砕・乾燥する木粉の大きさは、長さや幅、直径が5mm以上のとき極端に、又3mm程度の大きさより大きくなると乾燥効率がやや低下するので、前述したように好ましくは粒度10メッシュ〔100%通過しなければならない標準ふるい(1段)が3.3mm〕以下である。
【0022】
また、本発明のセルロース系破砕物の解砕・乾燥装置においては、粒度10メッシュ以下、好ましくは10〜45メッシュの小片に形成したセルロース系破砕物を解砕・乾燥する装置であって、密閉容器内に水平方向に回転する複数枚の撹拌衝撃翼を備え、前記密閉容器内に乾燥空気を供給する給気管96と、前記乾燥空気及びセルロース系破砕物から揮散した水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスを共に排出する排気管95とを連通したことを特徴とする。
【0023】
なお、複数枚の前記撹拌衝撃翼は、回転軸を中心として等分角を成す対称位置に配置することができる。
【0024】
さらに、前記撹拌衝撃翼は回転軸を中心に対称の2枚羽根で一対を成し、この撹拌衝撃翼を複数枚重ね且つ各羽根を回転軸を中心として等分角を成す対称位置に配置し、最上に位置する2枚羽根の先端部分を回転軸の先端より高い位置に配置することが、効率よく粉砕且つ乾燥させるという点で、望ましい。
【0025】
さらに、撹拌衝撃翼の数は、少ないと撹拌衝撃力に基づく剪断力による剪断発熱の発熱量が少なくなり木粉は乾燥しないという理由で、前記撹拌衝撃翼は4枚羽根以上、好ましくは6枚羽根以上で成る。
【0026】
また、前記密閉容器の底辺に沿って回転するスクレイパーを前記撹拌衝撃翼の回転軸に設けることが、密閉容器の底面のセルロース系破砕物を上方へ効果的に循環させるので密閉容器内のセルロース系破砕物を効率よく粉砕且つ乾燥するという点で、好ましい。
【0027】
【作用】
撹拌衝撃翼85,86,87およびスクレイパー84を高速回転し、ミキサー80内に、大きさが粒度12メッシュ以下で、含有水分量の大きい例えば含水率8.35wt%の未処理木粉を投入する。ミキサー80内の木粉は剪断速度が900〜980rpmの高速回転の撹拌衝撃翼85,86,87による剪断力により衝撃破断されて摩砕され、このとき撹拌衝撃力に基づく剪断力により撹拌衝撃翼と木粉あるいは木粉同士の摩擦による摩擦熱(本発明では、この摩擦熱を「剪断発熱」という)の発生量が向上し、加熱手段を用いることなく、ミキサー80内の温度が上昇し、この温度上昇に伴って木粉から多量の水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスが揮散し、木粉の含有水分量が効率よく低下する。すなわち、木粉は撹拌衝撃力に基づく剪断力により細かく摩砕されるので乾燥効率が向上し、且つ木粉が乾燥するのでより一層摩砕し易くなるという相乗効果によって、多量の木粉が極めて短時間に解砕・乾燥される。
【0028】
しかも、乾燥空気を給気管96を介してミキサー80内へ供給すると、乾燥空気内に前記揮散ガスを含んで排気管95を介してミキサー80外へ排出される。木粉から揮散した水蒸気がミキサー80の内壁面に結露して水滴がミキサー80の木粉内へ落下するという現象を避けることができ、ミキサー80内の木粉はより一層効率よく乾燥される。
【0029】
このようにして得た処理木粉は、含有水分量が0.2wt%以下である。この木粉を熱可塑性樹脂成形材と共に成形機に充填、加熱した場合、混入木粉からの水蒸気と木酸ガスの発生がなくなるので、本発明で得た木粉は、従来のような成形機内の壁面の酸化腐食、成形ダイの損耗、成形品自体の表面の荒れ、気泡、巣の発生等の問題を生じないものである。
【0030】
【実施例】
本発明の木粉の解砕・乾燥方法の実施例について図面を参照して以下に説明する。
【0031】
本発明の木粉の摩砕・乾燥は、以下の手段を用いて木粉を摩砕する過程において成されるものである。
【0032】
図1において、80はミキサーで、ミキサー本体81は、上面に開口を有する円筒形を成し容量が300リットルのケーシングであり、前記開口はミキサー本体81内に木粉などの原材料を投入する投入口94で、この投入口94を開閉自在な上蓋82で被蓋する。上蓋82には、乾燥した空気を供給する給気管96を連通し、また、ミキサー本体81内で木粉から発生した多量の水蒸気ないしは木酸ガスを排出する排気管95を連通している。さらに、ミキサー本体81の底面付近の外周面に1ヶ所の排出口88を設け、この排出口88を被蓋する蓋89をシリンダ91のロッド先端に設け、シリンダ91の作動により前記排出口88を開閉自在に設けている。93は排出ダクトで、前記排出口88に連通している。
【0033】
さらに、ミキサー本体81の底面の中心には37kw(DC)の馬力を有する図示せざるモータの回転駆動手段により高速回転する軸83をミキサー本体81内の上方に向けて軸承し、この軸83に下から上方へ順にスクレイパー84、撹拌衝撃翼85,86,87を装着し、軸83の先端から締付ナット92で締め付けている。なお、前記各撹拌衝撃翼85,86,87の形状は特に限定されないが、本実施例では軸83を中心に対称を成す2枚羽根である。図1のように3対の撹拌衝撃翼を重ねた場合は全部で6枚の羽根で成り、これら6枚の羽根は平面で360度を6等分した等分角(60度)を成すように互いに交叉した状態で重ねている。なお、複数個の撹拌衝撃翼を設けた場合、撹拌衝撃翼の合計の羽根数で360度を等分した角度で互いに交叉して重ねることは原材料を効率良く摩砕・撹拌する点で好ましい。
【0034】
さらに、最上に位置する撹拌衝撃翼87の形状は2枚羽根の先端部分が軸83に取り付ける部分より高くなるように折り曲げた形状をしており、前記先端部分は軸83の先端より高い位置に配置している。これによりミキサー80内に投入した木粉の上層部に撹拌衝撃翼87による剪断力を加えることができ、木粉を効率よく摩砕且つ乾燥させるという点で、望ましい形状である。
【0035】
なお、前記スクレイパー84はミキサー本体81の底面を僅かに摺接して回転し、ミキサー本体81内の原材料を底面に滞留しないように掻き回し且つ上方へ循環させ、さらに、処理された原材料をミキサー本体81の底面に残留しないよう掻き出すものである。
【0036】
〔木粉の前処理〕
本実施例でミキサー80内に投入する木粉は、建築廃材、又製材工程、木工工程の鋸屑などの廃材を原料木材として既知の粉砕機、例えばカッタミル等の粉砕機で小片に粗砕したものである。カッタミルは、例えば前記原料木材の被粗砕物を投入する投入口を備えた円筒形を成すカッタミル本体内に、回転駆動手段で水平方向に回転するカッタ支持体を備え、このカッタ支持体の外周長手方向に3枚の回転刃をカッタ支持体の回転方向で120度の等角度を成すように設け、この3枚の回転刃の刃先は同一の回転軌跡上に位置している。前記3枚の回転刃の刃先の回転軌跡に対して僅かな隙間を介して二の固定刃をカッタミル本体に固定し、二の固定刃とカッタ支持体と回転刃とでカッタミル本体内を投入室と粗砕室に二分する。なお、二の固定刃と回転刃とのクリアランスは被粗砕物を所望の大きさに切断、もしくは広義には破砕できるよう調整している。粗砕室は前記二の固定刃間を回転刃の回転軌跡の周囲を囲むようにメッシュのスクリーンで仕切っており、本実施例では前記スクリーンは一辺が3mm程度の大きさの小片が通過できるメッシュで形成している。前記投入口は投入室に連通し、粗砕室のカッタミル本体の下端には前記スクリーンを通過した小片の木粉を排出する排出口を設けている。
【0037】
なお、上記のカッタミルに限定されず、例えば、(株)ホーライ社製のハードクラッシャのように、回転刃の回転軸は水平方向に設けられ、二の固定刃間のスクリーンは下方に設けられているものもある。
【0038】
また、粉砕機は、上記のカッタミルに限定されず、例えば、(株)ホーライ社製のガイナックスクラッシャ、又は(株)奈良機械製作所製のロールクラッシャ等、種々のモノカッタ、シュレッダー、クラッシャ等の「クラッシャ」を用いることができる。「クラッシャ」は、例えば、上部に被粗砕物の投入口を有するクラッシャ本体内に互いに内向きに回転する2軸を平行に設け、各軸に複数枚の回転刃を所定間隔に設けると共に、各軸の各回転刃外周で互いに噛み合って且つ各回転刃の外周面に等角度を成すよう突設した3個の爪刃で被粗砕物を適宜大の断片からなる破砕片に切断するように設けられている。上部の投入口から投入された被粗砕物は、互いに内向きに回転する2軸の回転刃の爪刃により内部に引き込まれ、噛み合った状態で回転する回転刃の外周エッジ間に、連続的に作用する剪断力でスリットしながら引き込みのときに作用する圧縮力によって破砕され切断され、破砕片が形成される。この破砕片は前記2軸の回転刃の下方に設けたスクリーンを通過して排出口から排出される。
【0039】
上記のカッタミルで小片に粗砕した木粉の形状は不定形であり、例えば、一辺が3mm以下の長方形あるいは正方形ないしは不定形の大きさ、あるいは直径が1〜3mm程度で1〜3mm程度の長さの円筒形状に丸められた形状、その他不定形の形状である。
【0040】
なお、木粉を後述する熱風乾燥炉(ドライヤなど)等の乾燥設備等で予備乾燥するとき、木粉の大きさが小さすぎ、例えば木粉の最大粒子の平均径が10メッシュ以下の細粒状であると、木粉が熱風で燃えてしまったり或いは熱風で吹き飛ばされてしまうので、本実施例では、粒度12メッシュ程度である。
【0041】
また、ミキサー80で摩砕・乾燥する未処理木粉の大きさは、長さや幅あるいは直径が5mm以上のとき極端に、又3mm程度の大きさより大きくなると摩砕と乾燥効率がやや低下するので、粒度10メッシュ以下、好ましくは12メッシュ以下、より好ましくは10〜45メッシュの範囲の小片に形成したものがよい。
【0042】
本実施例では、ミキサー80内に上記木粉を投入する前に、上記のようにカッタミルで粗砕した小片の木粉を上記の乾燥設備を用いて含水率8.35wt%まで予備乾燥をおこなった。なお、廃材を利用した場合、廃材自体が既にある程度予備乾燥されているのであれば、必ずしも上記の乾燥設備を用いて予備乾燥しなくてもよいが、解砕・乾燥工程に要する時間を考慮すれば、ミキサー80内に投入する前の木粉は含有水分量30wt%以内、好ましくは15wt%以内、より好ましくは10wt%以内であることが望ましい。ちなみに、一般的にベニヤ材などの木材の通常の乾燥状態は12〜15wt%である。しかし、木粉の含水率が大きい場合でも、以下に示す本発明の解砕・乾燥方法においては問題はなく、木粉の含水率に応じて比例的に処理時間がかかるだけであり、木粉の前処理として上記の含水率に処理することに限定されるものではない。
【0043】
なお、木粉の前処理としては、前述した廃材などの原料木材を上記の粗砕機を用いて以下の例に示す一連の工程で段階的に細かく粉砕し、上記の乾燥装置で乾燥処理できる。
【0044】
原料木材をクラッシャで12×12mm程度の大きさに破砕し、この破砕した破砕片を木粉貯槽タンクへ投入し、この木粉貯槽タンクから破砕片をスクリュー等の搬送装置でカッタミルへ搬送する。この搬送路中にマグネットで前記破砕片内の金属を除去する。前記破砕片をカッタミルで6×6mm程度の大きさに粗砕し、この粗砕片をブロワーで吸引して次工程の木粉貯槽タンクへ投入する。さらに前記木粉貯槽タンクから粗砕片をスクリュー等の搬送装置で搬送し、搬送路中にマグネットで粗砕片内の金属を除去し、他のカッタミルへ投入し、10メッシュ以下程度の大きさの木粉に粉砕する。この木粉を集塵機へ吸引し次工程の熱風乾燥炉内で予備乾燥する。
【0045】
〔木粉の摩砕・乾燥工程の例〕
以上の木粉(本実施例では、この予備乾燥した木粉を便宜上「未処理木粉」と称する)をミキサー80で摩砕・乾燥する工程を以下に詳しく説明する。
【0046】
(1) 回転速度920rpmでモータを回して撹拌衝撃翼85,86,87およびスクレイパー84を高速回転し、ミキサー80の上蓋82を開放して投入口94からミキサー本体81内に、大きさが粒度12メッシュ以下で、含有水分量が8.35wt%の未処理木粉を23kg(この未処理木粉の比重を0.4として計算すると体積は57.5リットルである)、およびTY−300(酸化チタン)2kgを共に投入する。
【0047】
なお、未処理木粉投入時のミキサー80内の温度は93℃、モータの負荷電流は86Aであった。
【0048】
(2) モータにより前記撹拌衝撃翼85,86,87およびスクレイパー84を回転速度920rpmで15分間、回転して木粉とTY−300(酸化チタン)とを撹拌した。付言するに、この工程で前述予備乾燥工程を兼ねることもできる。
【0049】
なお、未処理木粉投入時から15分後のミキサー80内の温度は185℃で、モータの負荷電流は60Aであった。
【0050】
撹拌衝撃翼の回転速度つまり剪断速度は920rpmで高速回転するので、撹拌衝撃翼85,86,87による剪断力は高いため、ミキサー80内の未処理木粉は前記剪断力により衝撃破断されて粒度30メッシュ、好ましくは60メッシュ以下、より好ましくは60〜120メッシュ以下に粉砕され、また撹拌衝撃翼と木粉あるいは木粉同士の摩擦による摩擦熱つまり剪断発熱の発生量が向上し、ミキサー80内の温度が上昇する。このミキサー80内の温度上昇に伴って木粉内の水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスの揮発性は向上する。
【0051】
なお、木粉はミキサー80内で細かく摩砕されるので乾燥効率が向上し、且つ木粉が乾燥するのでより一層摩砕し易くなるという相乗効果があり、多量の木粉が極めて短時間に解砕・乾燥される。
【0052】
また、ミキサー本体81内へ給気管96を介して図示せざる除湿装置を備える圧縮機ないし送風機から成る乾燥空気供給源から乾燥空気を供給する(ここでは圧力0.2kgf/cm)。木粉から発生した多量の水蒸気や木酸ガスは前記乾燥空気内に含まれて排気管95より排出され、図示せざるブロワーで集塵装置へ吸引される。このように乾燥空気をミキサー内へ供給しない場合、ミキサー本体81内の水蒸気が上蓋82の内面などのミキサー80の内壁面に結露し水滴となって下方の木粉へ落下し、ミキサー本体81内の木粉を効率よく摩砕・乾燥できなくなるので、ミキサー本体81へ乾燥した空気を供給し排出することは重要である。
【0053】
そして、木粉から水蒸気や木酸ガスが揮散するにつれて木粉が軽くなるので撹拌衝撃翼にかかる負荷が低下し、上記のように、運転開始時のモータの負荷電流は86Aであったが、運転開始から15分後には60Aに変化したのである。
【0054】
なお、前記撹拌衝撃翼の剪断速度が速すぎる場合は、撹拌衝撃翼の遠心力で木粉が舞い上がるためミキシング効果が低下し、前記剪断速度が遅すぎる場合は、撹拌衝撃力に基づく剪断力による剪断発熱の発生量が少ないため乾燥時間がかかり、乾燥効率が低下するという理由で、前記剪断速度は好ましくは900〜980rpm、より好ましくは900〜950rpmである。
【0055】
また、木粉の中に酸化チタン等の顔料の添加剤を添加すると、着色が施され、また、木粉が重くなって撹拌衝撃翼の遠心力による木粉の舞い上がりが少なくなるため摩砕・乾燥効率を向上させるので望ましいが、炭酸カルシウム、酸化チタン等の添加剤を添加しなくとも解砕・乾燥でき、限定されるものではない。
【0056】
さらに、本実施例では撹拌衝撃翼は前述したように撹拌衝撃翼85,86,87の3対の合計6枚で、スクレイパー84を含めると合計7枚であるが、撹拌衝撃翼の数が少なくなると、例えば一対の撹拌衝撃翼85とスクレイパー84の合計3枚であると、撹拌衝撃力に基づく剪断力による剪断発熱の発生量が少なくなり木粉が効率良く摩砕・乾燥しないという理由で、好ましくはスクレイパー84を含めて5枚以上、より好ましくはスクレイパー84を含めて7枚以上である。
【0057】
(3) 次いで、モータを低速回転させ、シリンダ91を作動し蓋89を移動して排出口88を開放し、低速回転のスクレイパー84でミキサー本体81内の木粉を排出口88から排出ダクト93へ掻き出して排出する。
【0058】
以上のようにして得た処理木粉は、平均粒度60メッシュ、含有水分量が0.16wt%であり、全体として粉体の粒状に近く、丸みを有しており表面が比較的平滑で緻密になっている。そして、このようにして得た処理木粉は、ほとんど相互に凝集を生ずることがなく、且つ溶液などに対する分散性が良好で、顔料などの担持母材として適切である。
【0059】
〔未処理木粉と処理木粉との比較〕
前述した実施例のミキサー80内で15分間解砕・乾燥処理をして得られた処理木粉と、解砕・乾燥処理前の未処理木粉とをそれぞれ、炉内温度を調整可能な密閉炉内に投入し、炉内温度を130℃に設定し、この密閉炉内で30分間加熱した。このときの炉内湿度および炉内温度の経時変化を以下の表1および表2に示す。
【0060】
なお、前記密閉炉内に各木粉を投入してから5分経過以降は炉内湿度がほとんど変化していないので省略した。
【0061】
【表1】
Figure 0003581736
【0062】
また、上記の表1を図2にグラフで示した。
【0063】
表1及び図2を見ると、未処理木粉を密閉炉に投入してから2分30秒経過後の炉内湿度は、ほぼ7.8%前後で一定の数値を示しており、未処理木粉内の水分の殆どが蒸発したことが分かる。
【0064】
以上のように、未処理木粉を密閉炉内で30分間加熱した結果、密閉炉に投入時の未処理木粉の重量は5.059gであり、投入してから30分経過後の重量は4.669gであった。
【0065】
したがって、未処理木粉の含水率は理論値〔(5.059g−4.669g/4.669g)×100=〕8.35wt%であった。ちなみに、一般に木材の含水率はつねに乾量基準、つまり水分を除いた木材のみの重量に対する含有水分の比率(wt%)で示されるので、本実施例の木粉においても同様の含水率(wt%)で示した。
【0066】
【表2】
Figure 0003581736
【0067】
また、上記の表2を図3にグラフで示した。
【0068】
表2及び図3を見ると、処理木粉を密閉炉に投入してから1分30秒経過後の炉内湿度は、ほぼ0.2%前後で一定の数値を示しており、処理木粉内の水分の殆どが蒸発したことが分かる。
【0069】
以上のように、本実施例で得られた処理木粉を密閉炉内で30分間加熱した結果、密閉炉に投入時の処理木粉の重量は3.671gであり、投入してから30分経過後の重量は3.665gであった。
【0070】
したがって、本実施例で得られた処理木粉の含水率は理論値〔(3.671g−3.665g/3.665g)×100=〕0.16wt%であった。
【0071】
〔処理木粉の使用例〕
前述した実施例では、未処理木粉をミキサー80で解砕・乾燥処理した後、処理木粉をミキサー80から排出したが、この例では前記処理木粉を排出せず、その後ミキサー80内に熱可塑性樹脂成形材を投入し、この熱可塑性樹脂成形材と前記処理木粉とをミキサー80で加熱手段を用いることなく混練することができる。
【0072】
例えば、前述した実施例のように、大きさが粒度12メッシュ以下で、含有水分量が8.35wt%の未処理木粉23kgをミキサー80で木粉の含有水分量を0.16wt%に乾燥処理した後、ミキサー80内にポリ塩化ビニル12kgと塩化ビニル製の廃棄農ビフィルム12kgを投入し、この熱可塑性樹脂成形材と前記処理木粉とをミキサー80内で8分20秒間ゲル化混練する。
【0073】
なお、前記熱可塑性樹脂成形材の他に、尿素、炭酸カルシウム、酸化チタン、顔料等その他の中和剤、安定剤、顔料などの添加物をミキサー80内に投入することができる。
【0074】
前記炭酸カルシウムは、押出機等で押出成形される木質合成板に良好な寸法安定性をもたらし、温度変化に伴う膨張収縮を著しく少なくすることに寄与するもので、押出加工における成形品の変形を防止し、且つそれ自体安価である。
【0075】
また、前記酸化チタンは、流動性、溶液中における分散性が良好であり、押出機等で押出成形される木質合成板に対して温度変化に伴う膨張収縮を著しく少なくすることにも寄与するものである。
【0076】
また、前記尿素はアンモニア、フェノール、メラミン等で成り、木酸ガスの中和剤となる。
【0077】
なお、上記のようにミキサー80内で熱可塑性樹脂成形材と前記処理木粉とを混練した場合、ミキサー80の撹拌衝撃翼の回転を高速にし、つまり前記剪断速度を増加させる工程を経ると、木粉から水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスの揮発性が向上するので、前記水蒸気や木酸ガスが効率よく揮散する。したがって、混入木粉よりの水蒸気と木酸ガスの発生をなくし、木粉を熱可塑性樹脂成形材と共に押出機等に充填、加熱し成形ダイから押出・射出成形する際に、前記処理木粉と熱可塑性樹脂成形材との混練材料に対して押し圧力が上昇し、前記混練材料の粘度が低下するという「チキソトロピー」の性質が生じる。したがって、この「チキソトロピー」の性質により押出機内の前記混練材料が流れ易くなり、これによって木酸ガスによる押出機内の壁面の酸化腐食、成形ダイの損耗をなくし、又成形品自体の表面の荒れ、気泡、巣の発生等をなくすので、成形品の密度及び強度特性を向上することができる。
【0078】
また、熱可塑性樹脂成形材と木粉とをミキサー80内で混練すると、各木粉の周囲全体が熱可塑性樹脂成形材で覆われるために、一旦混練すると木粉内の水分は熱可塑性樹脂成形材で閉じ込められる状態になるので、その後に、別途乾燥機などにより乾燥したとしても上記木粉の含水率を低下させることはできなくなる。従って、熱可塑性樹脂成形材と木粉とを押出機やミキサー80内で混練する前に、木粉の含水率を1wt%以内に、好ましくは0.5wt%以内にすることが望ましく、この故に本発明の木粉の解砕・乾燥方法及び装置では木粉内の水分を殆ど除去できるので、極めて効果的であり適用範囲も広範囲に及ぶものである。
【0079】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0080】
(1)セルロース系破砕物を摩砕する過程において撹拌衝撃力に基づく剪断力で発生する剪断発熱により、加熱手段を用いることなく、多量のセルロース系破砕物を短時間でセルロース系破砕物から水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスを発生せしめて前記セルロース系破砕物の含有水分量を殆ど除去できた。すなわち、木粉は撹拌衝撃力に基づく剪断力により細かく摩砕されるので乾燥効率が向上し、且つ木粉が乾燥するのでより一層摩砕し易くなるという相乗効果によって、多量の木粉が極めて短時間に解砕・乾燥できた。ちなみに、従来の乾式ボールミルでは約3リットル程度のセルロース系破砕物を2時間でセルロース系破砕物の含有水分量を3〜5wt%程度までしか除去できなかったが、本発明の実施例では約57.5リットルのセルロース系破砕物を15分でセルロース系破砕物の含有水分量を0.16wt%まで除去できた。
【0081】
(2)撹拌衝撃翼でセルロース系破砕物を撹拌する雰囲気内つまりミキサー内に、乾燥空気を供給する給気管と、前記乾燥空気及び揮散ガスを共に排出する排気管とを連通したので、前記ミキサー内に乾燥空気を供給し、該乾燥空気内にセルロース系破砕物から揮散した水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスを含ませて外部へ排出することにより、水蒸気が前記ミキサー内の内壁面に結露しないので、セルロース系破砕物を効率よく乾燥することができた。
【0082】
(3)撹拌衝撃翼の剪断速度は、速すぎると撹拌衝撃翼の遠心力でセルロース系破砕物が舞い上がるためミキシング効果が低下し、遅すぎると撹拌衝撃力に基づく剪断力による発熱量が少ないため乾燥時間が多くかかり乾燥効率が低下するのであるが、撹拌衝撃翼の剪断速度を900〜980rpm、より好ましくは900〜950rpmとしたので、摩砕・乾燥効率の向上を図ることができた。
【0083】
(4)摩砕・乾燥するセルロース系破砕物の中に炭酸カルシウム、酸化チタン等の添加剤を添加したので、前記添加剤により着色と共に、前記セルロース系破砕物が重くなって撹拌衝撃翼の遠心力による木粉の舞い上がりが少なくなるため解砕・乾燥効率の向上を図ることができた。
【0084】
(5)摩砕・乾燥するセルロース系破砕物の大きさは、長さや幅、直径が5mm以上のとき極端に、又3mm程度の大きさより大きくなると摩砕・乾燥効率がやや低下するので、好ましくは粒度10メッシュ〔100%通過しなければならない標準ふるい(1段)が3.3mm〕以下にすることにより、解砕・乾燥効率の向上を図ることができた。
【0085】
(6)複数枚の前記撹拌衝撃翼は、回転軸を中心として等分角を成す対称位置に配置したので、セルロース系破砕物を効率よく摩砕・乾燥できた。
【0086】
(7)前記撹拌衝撃翼は回転軸を中心に対称の2枚羽根で一対を成し、この撹拌衝撃翼を複数枚重ね且つ各羽根を回転軸を中心として等分角を成す対称位置に配置し、最上に位置する2枚羽根の先端部分を回転軸の先端より高い位置に配置したので、セルロース系破砕物を効率よく摩砕・乾燥できた。
【0087】
(8)前記密閉容器の底辺に沿って回転するスクレイパーを前記撹拌衝撃翼の回転軸に設けたので、ミキサーの底面のセルロース系破砕物を上方へ効果的に循環させるのでミキサー内のセルロース系破砕物を効率よく摩砕・乾燥できた。
【0088】
(9)撹拌衝撃翼の数は少ないと撹拌衝撃力に基づく剪断力による剪断発熱の発熱量が少なくなりセルロース系破砕物は摩砕・乾燥しないので、撹拌衝撃翼の数を4枚羽根以上、より好ましくは6枚羽根以上設けたことにより、セルロース系破砕物を効率よく解砕・乾燥することができた。
【0089】
(10)本発明のセルロース系破砕物は、熱可塑性樹脂成形材と共に押出機に充填、加熱し成形ダイから押出成形した場合、混入したセルロース系破砕物からの水蒸気と木酸ガスの発生がほとんどないので、従来生じていたような木酸ガスによる押出機内の壁面の酸化腐食、成形ダイの損耗をなくすことができ、さらに成形品自体の表面の荒れ、気泡、巣の発生等をなくすことができ、成形品の密度及び強度特性を向上することができた。
【0090】
(11)前記セルロース系破砕物と熱可塑性樹脂成形材との混練材料に「チキソトロピー」の性質が生じ、この「チキソトロピー」の性質により押出機内の前記混練材料の流動性が増し、流れ易くなり、押出機内の壁面の酸化腐食、成形ダイの損耗をなくすことができ、さらに成形品自体の表面の荒れ、気泡、巣の発生等をなくすことができ、成形品の密度及び強度特性を向上することができた。
【0091】
(12)熱可塑性樹脂成形材と木粉とを押出機やミキサー80内で一旦混練すると、各木粉の周囲全体が熱可塑性樹脂成形材で覆われるために、木粉内の水分は熱可塑性樹脂成形材で閉じ込められる状態になるので、その後は乾燥しても木粉の含水率を低下させることはできなくなるが、本発明の木粉の解砕・乾燥方法及び装置では木粉内の水分を殆ど除去できるので、極めて効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用するミキサーの要部断面を示す全体正面図である。
【図2】表1のデータをグラフで示した図である。
【図3】表2のデータをグラフで示した図である。
【図4】従来の摩砕を主体とする手段で、乾式ボールミルの要部断面を示す全体正面図である。
【符号の説明】
80 ミキサー(流動混合混練手段)
81 ミキサー本体
82 上蓋
83 軸
84 スクレイパー
85,86,87 撹拌衝撃翼
88 排出口
89 蓋
91 シリンダ
92 締付ナット
93 排出ダクト
94 投入口
95 排気管
96 給気管
100 乾式ボールミル
101 ミル本体
102 冷却ジャケット
103 粉砕ボール
104 撹拌バー
105 モータ
106 取出しバルブ
107 取出し口
108 給水管
109 排水管

Claims (12)

  1. 粒度10メッシュ以下の小片に形成したセルロース系破砕物に撹拌衝撃力を付加して摩砕且つ撹拌して、前記撹拌衝撃力に基づく剪断力により剪断発熱を生じさせ、この剪断発熱により前記セルロース系破砕物の含有水分量を低下せしめて摩砕・乾燥することを特徴とするセルロース系破砕物の解砕・乾燥方法。
  2. 粒度10メッシュ以下、好ましくは10〜45メッシュの小片に形成したセルロース系破砕物に撹拌衝撃力を付加して撹拌して、粒度30メッシュ好ましくは60メッシュ以下に摩砕し、且つ前記撹拌衝撃翼の剪断速度が900〜980rpmであるときの撹拌衝撃力に基づく剪断力により剪断発熱を生じさせ、この剪断発熱により前記セルロース系破砕物の含有水分量を1.0wt%以内、好ましくは0.5wt%以内、より好ましくは0.2wt%以内に乾燥することを特徴とするセルロース系破砕物の解砕・乾燥方法。
  3. 前記撹拌衝撃翼の剪断速度が900〜950rpmである請求項2記載のセルロース系破砕物の解砕・乾燥方法。
  4. 前記セルロース系破砕物を前記撹拌衝撃力に基づく剪断力により剪断発熱を生じさせ、この剪断発熱により含有水分量30wt%以内、好ましくは15wt%以内、より好ましくは10wt%以内に予備乾燥した請求項1,2又は3記載のセルロース系破砕物の解砕・乾燥方法。
  5. 前記セルロース系破砕物に撹拌衝撃力を付加して撹拌する雰囲気内に乾燥空気を供給し、該乾燥空気内にセルロース系破砕物から揮散した水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスを含ませて外部へ排出した請求項1,2,3又は4記載のセルロース系破砕物の解砕・乾燥方法。
  6. セルロース系破砕物に炭酸カルシウム,酸化チタン等の顔料を添加剤として添加した請求項1,2,3,4又は5記載のセルロース系破砕物の解砕・乾燥方法。
  7. 粒度10メッシュ以下、好ましくは10〜45メッシュの小片に形成したセルロース系破砕物を解砕・乾燥する装置であって、密閉容器内に水平方向に回転する複数枚の撹拌衝撃翼を備え、前記密閉容器内に乾燥空気を供給する給気管と、前記乾燥空気及びセルロース系破砕物から揮散した水蒸気や木酸ガス等の揮散ガスを共に排出する排気管とを連通したことを特徴とするセルロース系破砕物の解砕・乾燥装置。
  8. 複数枚の前記撹拌衝撃翼は、回転軸を中心として等分角を成す対称位置に配置した請求項7記載のセルロース系破砕物の解砕・乾燥装置。
  9. 前記撹拌衝撃翼は回転軸を中心に対称の2枚羽根で一対を成し、この撹拌衝撃翼を複数枚重ね且つ各羽根を回転軸を中心として等分角を成す対称位置に配置し、最上に位置する2枚羽根の先端部分を回転軸の先端より高い位置に配置した請求項7又は8記載のセルロース系破砕物の解砕・乾燥装置。
  10. 前記撹拌衝撃翼が4枚羽根以上、好ましくは6枚羽根以上で成る請求項7,8又は9記載のセルロース系破砕物の解砕・乾燥装置。
  11. 前記密閉容器の底辺に沿って回転するスクレイパーを前記撹拌衝撃翼の回転軸に設けた請求項7,8,9又は10記載のセルロース系破砕物の解砕・乾燥装置。
  12. 前記撹拌衝撃翼の剪断速度が900〜980rpm、より好ましくは900〜950rpmである請求項7〜11いずれかに記載のセルロース系破砕物の解砕・乾燥装置。
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