JP3581683B2 - クリープ試験機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属や高分子材料などのクリープ特性を測定するための、クリープ試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属や高分子材料は、工業製品の材料として幅広い分野で使用されており、これらの材料を使用して装置を設計する場合は、あらかじめ許容応力など各種の物性を把握する必要がある。これらの物性の一つに「クリープ」が挙げられ、一般的に「材料に荷重が作用している際に、時間とともにひずみが増加する現象」と規定されている。高分子材料を使用する場合や、金属を高温の中で使用する場合には、このクリープ特性を十分に考慮して装置の設計を行う必要がある。
【0003】
クリープについては、日本工業規格(以下JISと記述する)の、JIS K7115:1999やJIS Z2271:1999などに試験方法が規定されており、言葉の定義や試験装置の概要や手順のほか、被測定物である試験片の形状などが記載されている。しかし多様な材料が存在する上、温度などの環境要因なども複雑に関連するため、詳細な試験方法を個別にJISで規定するのは不可能で、記述内容は基礎的な要件に過ぎない。そのため現実には、試験片に一定の荷重を作用させて、時間の経過に連れて増加する伸びだけでクリープ特性を判断する場合も多い。また高分子材料メーカーを始めとする当業者の間では、JISを基本とした上で、応力や時間や温度などに独自条件を加えてクリープ試験を実施している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
金属は、古くから多くの装置に使用され、軟鋼やアルミニウムなどの基本的な材料は物性が広く知られているが、新開発の合金や高分子材料は、あらかじめクリープなどの物性を調査する必要がある。特にポリエチレンなどの高分子材料は炭素原子と水素原子の重合体であり、処分の際に有害物質を生成せず、軽量で耐久性があり経年劣化も少ないなど、工業材料として多くの利点を持っている。しかし高分子材料は、粘性や塑性や弾性などの作用により、クリープ特性が非常に複雑で、現在でも挙動が十分には解明されておらず、研究機関などで鋭意調査が進められている。
【0005】
JISに規定されているクリープ試験は、前述のように基礎的な要件のみが規定されているに過ぎないので、高分子材料などのクリープ特性は独自条件を加えて試験が行われている。この独自条件は、当然ながらメーカーや研究機関の間で異なるため、試験結果の互換性が乏しく比較検討が不可能である。そのため複数の材料を比較する場合は、条件を統一して都度試験を行う必要がある。
【0006】
試験片の形状はJISに規定されているが、材料が自然のものだと規定の形状に加工するのが困難な場合もあり、また入手できる材料が極めて少ない場合も同様の問題が発生する。このような制約の多い材料でも定量的なクリープ特性を把握できれば、一層の研究促進が期待できる。
【0007】
またクリープ試験は、時間の経過に伴い試験片のひずみが増大して、試験片の形状が変化するが、クリープ試験機はこの形状変化による影響を排除して、常に理想的な試験を行えるよう対策を講じる必要がある。
【0008】
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、客観的で十分な互換性を持ち普遍性に優れた試験結果を得ることのできる、クリープ試験機の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
クリープ試験は通常、棒形状や板形状に加工した試験片の両端を、つかみ具で固定して、双方のつかみ具の間に一定の引張力を作用させる方式が広く採用されている。この場合、試験開始後のひずみ増加に伴い、引張力の作用する方向に対して垂直方向の試験片の断面積は、次第に減少して行くため、実際に試験片に作用している真応力は増大する。また高分子材料のクリープ特性は、過去に受けた応力変化の履歴に応じて、ひずみの成長傾向が変化する性質があるため、クリープ試験は応力を一定に維持したり、あるいは応力の変化を克明に把握する必要がある。さらに試験片が規定の形状に加工できない場合には、試験片の断面積に応じて引張力を調整して応力を一定に維持し、形状に依存しない測定を行う必要がある。
【0010】
請求項1記載の発明は、試験片の断面形状を測定する形状センサと、試験片に加わる引張力を発生する引張装置と、形状センサを追従させるための位置調整機構と、前記引張力を測定する荷重センサと、形状センサと荷重センサの情報を基に引張装置を作動させる制御手段と、を備え、
前記位置調整機構は、上下左右の支点ピンにより変形可能なパンタグラフからなり、該パンタグラフは上側の支点ピンの箇所で吊設され、下側の支点ピンには前記引張装置が連結され且つ左右の支点ピンには前記形状センサがそれぞれ連結されることによって、常に照準を試験片の中央部に一致可能に構成し、
前記制御手段は、形状センサからの断面形状情報と荷重センサからの情報を基に、試験片に作用している真応力を計算した上で、この真応力と事前に設定されている応力を比較して、真応力が設定より小さい場合は試験片に作用する引張力を増加するように補正し、また真応力が設定より大きい場合は試験片に作用する引張力を減少するように補正することによって、試験片に作用している真応力を常時一定に制御することを特徴とするクリープ試験機である。
【0011】
一般のクリープ試験機は、試験片の両端を支持するつかみ具があり、つかみ具は引張装置に接続され、この引張装置には引張力を発生させるための動力源が組み込まれており、これには電動機とネジ軸を組み合わせたもの、油圧シリンダなどのほか、単純に重りを吊り下げる場合もある。本発明では試験片に作用する応力を一定にするため、引張力を自在に調整する必要があり、電動機を使用する場合はトルクを調整でき、回転も細かく制御できるパルスステッピングモータや、サーボモータを使用する。なおこれらの電動機は、回転を止めている際も一定のトルクを発生することができる。電動機の発生するトルクは、付随するコントローラで設定可能だが、ネジの効率などの影響を排除するため、引張装置にひずみゲージなどを利用した荷重センサを取り付け、実際の引張力を測定する必要がある。なお引張装置に油圧シリンダを使用する場合は、油圧を調整して同様の機能を実現できるほか、大型のクリープ試験機では、ACまたはDCモータに減速用の歯車を組み込んだ、可変速ギヤードモータを使用する場合もある。
【0012】
試験片に作用する引張力は、前述の方法で調整が可能であるが、真応力を一定に維持するため、試験片の断面形状を測定する形状センサを装備して、常時断面積を算出する必要がある。形状センサの方式は多様であるが、試験片に接触させての測定は各種の悪影響を与える恐れがあり、非接触で測定ができるレーザ光線を利用したものが最も優れている。レーザ光線による形状センサを、試験片の近辺に配置すると断面形状を把握でき、例えば試験片の断面形状が真円の場合、形状センサを一組だけ配置して直径を測定して断面積の算出が可能で、また断面形状が矩形の場合、90度の位相差で二組の形状センサを配置して断面積の算出が可能である。
【0013】
前述の試験片に作用する引張力を調整する機構や、断面形状を測定する形状センサは、制御手段(コンピュータ)に接続されている。試験片に作用させる応力など各種の条件を制御手段に記憶させた後に試験を開始すると、まず試験片の近辺に配置された形状センサで断面形状を測定して、この測定値は制御手段に送られて断面積が計算され、事前に設定された応力値をもとに引張力を決定する。この後、荷重センサからの情報に基づいて、引張装置が作動して所定の引張力を発生する。試験中は、試験片の断面形状を連続的に測定して、この結果をもとに引張力を調整することで、常に真応力を一定にした測定が可能である。
【0014】
このクリープ試験機は、試験片の断面形状を連続的に測定でき、引張力も自在に制御できる特徴を活かして、真応力一定下の条件以外にも、従来の荷重を一定にするクリープ試験に加え、一定真応力速度下での伸びの測定も可能など、多様な試験が実施できる。また試験片の伸びを測定する伸びセンサも併せて設置した上で、この情報も制御手段に取り込み、ひずみの増加も一括して測定することで応力−ひずみ特性を真応力下で評価することも容易である。
【0015】
試験片は試験の進行に伴い、ひずみが増加して断面積が収縮するが、断面積が最も収縮するのは、双方のつかみ具から最も距離の離れている試験片の中央部である。形状センサは、常に試験片の中央部に照準を合わせるため、ひずみの増加による形状変化に追従させる必要がある。そこで形状センサが、その照準を常に試験片の中央部に一致できるよう、本発明では形状センサを移動させたり、試験片の中央部を変位させない等の機能を持つ位置調整機構を備えている。
【0016】
この位置調整機構は、計四個の支点ピンにより一体化された変形可能なパンタグラフからなり、上側の支点ピンはクリープ試験機のフレームなど不動なものに固定され、下側の支点ピンは前記引張装置に固定され、且つ左右の支点ピンには前記形状センサがそれぞれ連結されることで、形状センサの照準を常に試験片の中央部に一致可能に構成されている。
【0017】
請求項2記載の発明は、試験片の断面形状を測定する形状センサと、試験片に加わる引張力を発生する引張装置と、前記引張力を測定する荷重センサと、形状センサと荷重センサの情報を基に引張装置を作動させる制御手段と、を備え、
前記引張装置は、右ネジ部と左ネジ部が形成されたネジ軸と、前記右左ネジ部にそれぞれ螺合する上下プレートと、該上下プレートに対向して配設する上下つかみ具と、からなり、試験片の両端を保持する上下つかみ具が、前記ネジ軸の回転により同期して相反する方向に移動することによって、試験片の中央部を不動状態として、形状センサの照準を常に試験片の中央部に一致可能に構成し、
前記制御手段は、形状センサからの断面形状情報と荷重センサからの情報を基に、試験片に作用している真応力を計算した上で、この真応力と事前に設定されている応力を比較して、真応力が設定より小さい場合は試験片に作用する引張力を増加するように補正し、また真応力が設定より大きい場合は試験片に作用する引張力を減少するように補正することによって、試験片に作用している真応力を常時一定に制御することを特徴とするクリープ試験機である。
【0018】
この場合、両側のつかみ具はネジ軸の回転によって移動できる構造で、両方のつかみ具を対向する方向に等距離だけ移動させることで、試験片の中央部を不動にできる。したがって形状センサを移動させる必要はなく定位置に据え置かれる。両側のつかみ具を対向する方向に等距離だけ移動させるため、引張力を発生する電動機に直結するネジ軸に、同一ピッチの右ネジと左ネジを対向するように形成して、一方のつかみ具を右ネジにかみ合わせ、他方のつかみ具を左ネジにかみ合わせている。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のクリープ試験機の装置構成を示す図である。クリープ試験機1は精度の良い測定を行うため、剛性の高い強固なフレーム3を持ち、試験片2は中央部の断面が絞られた所定の形状に加工されている。なお試験片2の中央部の断面は円形である。試験片2は両端をつかみ具4,5に支持され、下側のつかみ具5はフレーム3に固定され、また上側のつかみ具4はプレート15に連結している。なお引張装置6は、ネジ軸14とプレート15とナット16とスライダ17と上下つかみ具4,5とから構成されるものとする。ネジ軸14を回転させるためのモータ13には、トルクや回転数の調整が可能なパルスステッピングモータが使用され、コントローラ12を介して作動するほか、モータ13の回転軸にはネジ軸14が直結され、プレート15は、スライダ17とガイドレール18で垂直方向に移動可能で、プレート15に埋め込まれているナット16には、ネジ軸14が通っている。
【0020】
上側のつかみ具4とプレート15の間には、引張力を測定するため、ひずみゲージを使用した荷重センサ7が取り付けられている。また試験片2の中央部には一組の形状センサ8が配置されており、一方に組み込まれた発光素子から放射されたレーザ光線を、もう一方に組み込まれた受光素子(CCD)で受光して、レーザ光線の透過状況から試験片2の断面形状を測定することができる。さらに試験片2のひずみを算出するため、上側のつかみ具4の移動量を測定する伸びセンサ9も装備されている。
【0021】
クリープ試験は、温度を一定に維持しながら行われる場合が多く、また温度設定は、セ氏−100度以下から+500度以上と、極めて範囲が広い。そこで試験片2は、脱着可能で耐熱性の極めて高い恒温槽26の内部に収容され、多様な温度条件で試験を行うことができる。なお温度計や電気で発熱するセラミック製ヒーターなどの熱源も、試験片2に隣接して恒温槽26の内部に組み込まれている。さらに形状センサ8によるレーザ光線を透過させるため、恒温槽26の側面には、石英ガラス製の窓も装備されている。このほか試験片2からクリープ試験機1への熱伝導を防止するため、つかみ具4,5には、冷却機能が装備されている。
【0022】
試験片2に作用する引張力はモータ13により発生するが、モータ13はパルスステッピングモータであり、内部に組み込まれた多数の磁極により、微細なステップ単位での回転移動が可能である。しかも静止時は、外部から作用する力に対して静止しようとする反力が発生する性質がある。したがってモータ13が静止している場合、引張力は一定であるが、モータ13を回転させると引張装置6が移動して引張力が変化する。なおモータ13を作動させる場合は、外部からコントローラ12に指令を送るだけでよい。
【0023】
クリープ試験機1に設けられた荷重センサ7と、形状センサ8と、伸びセンサ9で測定された情報は、それぞれ変換器10に送られディジタル形式に変換された後、制御手段11(コンピュータ)に送られる。制御手段11は、各種の情報の記録などのほか、試験片2に作用している真応力を一定に維持するための機能も持っており、これを図2のブロック線図に示す。試験を開始すると、まず形状センサ8で測定された試験片2断面の直径から断面積を計算し、次に荷重センサ7で測定された引張力を断面積で割り、真応力が計算される。一方、試験片2に作用させるべき真応力の大きさは、試験前にあらかじめ設定値として制御手段11に記憶されている。制御手段11は真応力と設定値を比較して、誤差が生じていれば次のように補正が行われる。
【0024】
試験片2に作用している真応力が設定値より小さい場合は、引張力を上げる方向にモータ13を1ステップだけ回転移動するよう、制御手段11からコントローラ12に指令が送られる。この指令を送った後、実際に引張力が上がり安定するまでには数秒を要するため、この間、制御手段11は次の段階に進まず待機状態となる。一方、試験片2に作用している真応力が設定値より大きい場合は、逆に引張力を下げる方向にモータ13を1ステップだけ回転移動させる。また真応力と設定値が等しい、あるいは差が小さい場合は、現状の引張力を維持すれば良いので、コントローラ12に新たな指令は送られない。試験中は、これらの断面積の監視と引張力の調整を連続的に行い、常に真応力一定の条件を維持することが可能である。
【0025】
真応力を一定にする手段は図2に限定されるものではなく、例えば真応力と設定値の差に応じて、モータ13を複数ステップ回転させることも可能で、また単位時間当たりの真応力の変化量などの情報も利用すると、より短時間に真応力と設定値を一致させることができる。
【0026】
図1の試験片2は、断面形状が円形であり、一組の形状センサ8で断面形状を測定できるが、断面形状が矩形の場合には、図3に示すように長辺と短辺の長さを個別に測定して、断面積を算出する必要がある。図の中心にブロック状の模様で示されているのが試験片2の断面で、この周囲には二組の形状センサ8が90度の位相差で配置されている。AおよびBと書かれた形状センサの発光素子から放射されたレーザ光線は、空間中を直進し、やがて一部は試験片2に到達して反射や吸収が発生するが、残りのレーザ光線はA’およびB’と書かれたCCD製の受光素子で受光され、レーザ光線の分布状況から試験片2の断面形状を把握することができる。図中に斜線で示しているのはレーザ光線の軌跡で、試験片2の背後には陰が形成されている。なおAの組とBの組で相互に干渉などの影響を及ぼさないよう注意が必要である。
【0027】
試験片2はひずみの増加に伴い断面積は減少するが、断面積の減少が最も大きいのは試験片2の中央部である。したがって形状センサ8の照準は、常時この位置に合わせる必要があり、これを実現する手段の一例を図4と図5に示す。図4は、試験片2上側のつかみ具4を可動としている点は図1と同じだが、フレーム3の上部とプレート15の間に、四個のリンクと四個の支点ピン21,22,22,23から構成され、位置調整機構として機能するパンタグラフ19が設置されている。パンタグラフ19は、自在に変形可能であり、上側の支点ピン21はフレーム3に取り付けされ、下側の支点ピン23はプレート15に取り付けされている。また残り二個の支点ピン22には、アーム20が取り付けられており、支点ピン22を中心に自由に回転することができる。プレート15が移動すると、支点ピン21と支点ピン23の距離も変化するため、パンタグラフ19の形状も変化して、支点ピン22は、プレート15の半分の距離だけ移動する。したがって支点ピン22に支持されているアーム20および形状センサ8は、常時試験片2の中央部に照準を合わせることができる。なお形状センサ8は支点ピン22で支持されるだけでは安定性が悪いので、実際には揺動を防止する対策が必要である。
【0028】
図5は、ひずみの増加で試験片2が変形した際、形状センサ8の照準を移動させる必要のない方法を示している。この場合、モータ13に駆動されるネジ軸14は、試験片2を引張するために使用され、ネジ軸14の回転により試験片2の両端を同期して対向する方向に同一距離だけ変位させ、試験片2の中央部の位置を不動とするものある。つかみ具4,5は双方ともスライダ17とガイドレール18で垂直方向に移動可能で、ネジ軸14の上側には右ネジの加工を行った右ネジ部24、下側には同様に左ネジ部25が加工され、各ネジ部24,25のピッチは同一である。ネジ軸14を回転させると、二個のプレート15は、ナット16により逆方向に同一の距離だけ移動するため、試験片2の中央部は不動であり、形状センサ8を移動する必要がない。
【0029】
【発明の効果】
本願発明は、形状センサで試験片の断面積を常時監視を行いながら、試験片に作用する引張力を調整することで、真応力を一定に維持しながらクリープ試験が実施できるため、あらゆる形状の試験片に対して、互換性のある定量的な測定結果を集めることできる。しかも試験片の形状変化に対しても、位置調整機構により形状センサの照準を常に試験片の中央部に一致できるため、試験片の断面積の変化を正確に把握できる。また本発明では、試験片の断面積や引張力などを連続的に記録することが可能であり、引張力を緩和させた後の寸法の変化や、ポアソン比の連続的な変化に加え、クリープコンプライアンスと呼ばれる特性値や、ひずみ速度など、クリープ特性に関する多くの情報を測定することが可能で、複雑な特性を持つ高分子材料の研究にも威力を発揮しており、従来のクリープ試験とは明らかに異なる結果が見いだされるなど、多くの新しい成果が得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリープ試験機の装置構造を示す図である。
【図2】本発明のクリープ試験機において、試験片に作用する真応力を常時一定に維持するための手段を示すブロック線図であり、一点鎖線で囲まれた範囲が制御手段の内部で行われている処理を示している。
【図3】本発明のクリープ試験機において、試験片の断面が矩形である場合の形状センサの配置を示す図であり、図の中心にブロック状の模様で示されているのが試験片の断面で、斜線で示されているのがレーザ光線の軌跡である。
【図4】本発明のクリープ試験機で、パンタグラフを使用して、形状センサの照準を試験片の中央部に一致させる方法の一例を示す図である。
【図5】本発明のクリープ試験機で、試験片の両端を同期させながら逆方向に引張することで、試験片の中央部を不動として、形状センサの位置を固定化する方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 クリープ試験機
2 試験片
3 フレーム
4 つかみ具(上側)
5 つかみ具(下側)
6 引張装置
7 荷重センサ
8 形状センサ
9 伸びセンサ
10 変換器
11 制御手段(コンピュータ)
12 コントローラ
13 モータ
14 ネジ軸
15 プレート
16 ナット
17 スライダ
18 ガイドレール
19 パンタグラフ(位置調整機構)
20 アーム
21 支点ピン(上側)
22 支点ピン(中間)
23 支点ピン(下側)
24 右ネジ部
25 左ネジ部
26 恒温槽

Claims (2)

  1. 試験片(2)の断面形状を測定する形状センサ(8)と、試験片(2)に加わる引張力を発生する引張装置(6)と、形状センサ(8)を追従させるための位置調整機構と、前記引張力を測定する荷重センサ(7)と、形状センサ(8)と荷重センサ(7)の情報を基に引張装置(6)を作動させる制御手段(11)と、を備え、
    前記位置調整機構は、上下左右の支点ピン(21,22,22,23)により変形可能なパンタグラフ(19)からなり、該パンタグラフ(19)は上側の支点ピン(21)の箇所で吊設され、下側の支点ピン(23)には前記引張装置(6)が連結され且つ左右の支点ピン(22)には前記形状センサ(8)がそれぞれ連結されることによって、常に照準を試験片(2)の中央部に一致可能に構成し、
    前記制御手段(11)は、形状センサ(8)からの断面形状情報と荷重センサ(7)からの情報を基に、試験片(2)に作用している真応力を計算した上で、この真応力と事前に設定されている応力を比較して、真応力が設定より小さい場合は試験片(2)に作用する引張力を増加するように補正し、また真応力が設定より大きい場合は試験片(2)に作用する引張力を減少するように補正することによって、試験片(2)に作用している真応力を常時一定に制御することを特徴とするクリープ試験機。
  2. 試験片(2)の断面形状を測定する形状センサ(8)と、試験片(2)に加わる引張力を発生する引張装置(6)と、前記引張力を測定する荷重センサ(7)と、形状センサ(8)と荷重センサ(7)の情報を基に引張装置(6)を作動させる制御手段(11)と、を備え、
    前記引張装置(6)は、右ネジ部(24)と左ネジ部(25)が形成されたネジ軸(14)と、前記右左ネジ部(24,25)にそれぞれ螺合する上下プレート(15,15)と、該上下プレート(15,15)に対向して配設する上下つかみ具(4,5)と、からなり、試験片(2)の両端を保持する上下つかみ具(4,5)が、前記ネジ軸(14)の回転により同期して相反する方向に移動することによって、試験片(2)の中央部を不動状態として、形状センサ(8)の照準を常に試験片(2)の中央部に一致可能に構成し、
    前記制御手段(11)は、形状センサ(8)からの断面形状情報と荷重センサ(7)からの情報を基に、試験片(2)に作用している真応力を計算した上で、この真応力と事前に設定されている応力を比較して、真応力が設定より小さい場合は試験片(2)に作用する引張力を増加するように補正し、また真応力が設定より大きい場合は試験片(2)に作用する引張力を減少するように補正することによって、試験片(2)に作用している真応力を常時一定に制御することを特徴とするクリープ試験機。
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