JP3580196B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、スロットマシーン等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊技機の一種であるパチンコ機の中には、裏面枠の前方に前面枠がヒンジによって開閉可能に蝶着されているとともに、その前面枠の上部に電飾ランプが設置されており、大当たり時等に、その電飾ランプが、裏面枠後方に設置された制御装置の制御によって、点灯、点滅するものがある。また、かかるパチンコ機は、図9に示すように、裏面枠52表面、および前面枠53裏面のヒンジ56,56による蝶着部位と隣接した部位に、それぞれリード線接続孔54,54・・が穿設されており、裏面枠52後方の制御装置に接続されたリード線55,55が、裏面枠52表面のリード線接続孔54、前面枠53裏面のリード線接続孔54を通って、前面枠53内まで配線され、前面枠53内で、コネクタによって、電飾ランプのリード線と接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のパチンコ機は、裏面枠52後方の制御装置と電飾ランプとを接続しているリード線55,55が外部に露出している構造である上、前面枠53が広角に開放された場合には、リード線55,55が大きく外部に引き出されるため、露出しているリード線55,55が、前面枠53を開いた状態での修理、メンテナンス作業中に引っ張られたり、前面枠53を閉じる際に前面枠53と裏面枠52との間に挟まれたりして、損傷してしまうことがあった。
【0004】
本発明の目的は、上記従来の遊技機が有する課題を解消し、裏面枠後方の制御装置と前面枠に設置されている電飾ランプ等の電機部品とを接続しているリード線が損傷したりせず、メンテナンスが容易な遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の内、請求項1に記載された発明の構成は、裏面枠の片端縁に、前面枠がヒンジ部材によって開閉自在に蝶着されており、その前面枠に電機部品が設置されているとともに、その電機部品の配線が、裏面枠後方まで延設されている遊技機であって、前記ヒンジ部材を、中空状の円柱状部と中空状で片面に配線挿通孔が穿設された板状部とからなる上側部材及び下側部材を、夫々逆向きで且つ互いに回動可能に枢着して構成するとともに、前記ヒンジ部材の内部に配線を通して、両配線挿通孔から配線を突出させ、且つ突出した各配線の端縁にコネクタを取り付ける一方、前記前面枠の裏面及び前記裏面枠の表面に、前記前面枠を閉じた場合に前記ヒンジ部材を収納可能な切欠部を夫々設けるとともに、各切欠部と隣接した部位に配線用孔を穿設し、前記前面枠に設置された電機部品の配線を前記前面枠側の配線用孔から突出させて、前記コネクタによって、前記ヒンジ部材の前面枠側の配線挿通孔から突出した配線と接続する一方、前記裏面枠後方からの配線を前記裏面枠側の配線挿通孔から突出させて、前記コネクタによって、前記ヒンジ部材の裏面枠側の配線挿通孔から突出した配線と接続し、且つ、前記上側部材及び下側部材の各配線接続側の面を前記前面枠及び前記裏面枠に当接させた状態で前記ヒンジ部材を取り付けたことにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の遊技機の一実施形態であるパチンコ機を図面に基いて詳細に説明する。
【0008】
[実施例1]
図1は、パチンコ機の斜視図であり、図2は、前面枠を開放した状態のパチンコ機の斜視図である。パチンコ機1aの裏面枠2aの左側の端縁には、幅広な長方形状の前面枠3aが、2つのヒンジ4a,4aによって開閉自在に蝶着されている。前面枠3aは、透明なガラス板が嵌め込まれた形状を有しており、表面の上部には、複数のランプが合成樹脂製のカバー部材によって覆われた形状の電飾ランプ5が設置されている。なお、パチンコ機1aは、図3に示すように、裏面枠2aが機枠31aの端縁に蝶着されており、前面枠3aと裏面枠2aとを一緒に開放できるようになっている。
【0009】
また、前面枠3aを蝶着している上下2つのヒンジ4a,4aの内側には、被覆部材6,6が設けられている。図4a、図4bは、それぞれ、前面枠3aを開放した状態、前面枠3aを閉じた状態における被覆部材6の設置部位の断面を示したものである。各被覆部材6は、円弧状に折れ曲がった中空筒状の内カバー7と、略同一形状で一回り大きく形成された外カバー8とによって形成されており、内カバー7、および外カバー8ともに、弾性を有する合成樹脂によって形成されている。また、内カバー7先端の外周には、外向き鍔部9が設けられており、外カバー8先端の内周には、内向き鍔部10が設けられている。さらに、内カバー7および外カバー8の基端の外周には、それぞれ、外向きの係止フランジ11,11が設けられている。
【0010】
かかる被覆部材6は、内カバー7の先端および外カバー8の先端が、それぞれ、前面枠3aの裏面に穿設された外カバー挿通孔13、裏面枠2aの表面に穿設された内カバー挿通孔12に挿通された状態で、内カバー7が外カバー8内に向かい合わせに収納された状態になっている。被覆部材6はかかる構造を有しているため、前面枠3aが所定の角度まで開かれた場合には、内カバー7、および外カバー8基端の係止フランジ11,11が、それぞれ、裏面枠2aの内カバー挿通孔12際、前面枠3aの外カバー挿通孔13際に係止されるとともに、内カバー7先端の外向き鍔部9が、外カバー8先端の内向き鍔部10に係止され、前面枠3aを、その所定の角度以上に開かせないようになっている(図4a参照)。
【0011】
また、パチンコ機1aには、裏面枠2a後方にパチンコ機1aの作動を制御する制御装置が設置されている。制御装置に接続されたリード線14,14は、内カバー挿通孔12を通り、各被覆部材6,6の内カバー7および外カバー8の内部を通り、前面枠3a内まで配線されている。一方、前面枠3aの表面上部の電飾ランプ5に接続されたリード線15,15は、前面枠3a内を通って、前面枠3aの蝶着部位と隣接した各被覆部材6,6付近まで配線されている。そして、前面枠3a内まで配線された制御装置のリード線14,14の先端、および各被覆部材6,6付近まで配線された電飾ランプ5のリード線15,15の先端には、それぞれ、コネクタ16,16・・が取り付けられ、それらのコネクタ16,16・・同士が接続された状態になっており、前面枠3a上部の電飾ランプ5が、前面枠3aの開閉状態の如何に拘らず、制御装置の制御によって点灯、点滅するようになっている。
【0012】
パチンコ機1aは、上記の如く構成されているため、前面枠3aを開閉しても、電飾ランプ5と制御装置とを接続した配線(リード線14およびリード線15)が決して露出したりしないので、前面枠3aを開放した状態での修理、メンテナンス作業中に配線が引っ張られたり、前面枠3aを閉じる際に前面枠3aと裏面枠2aとの間に配線が挟まれたりしない。また、前面枠3aの開閉の際に配線が捩じれたりしないので、配線が疲労により断裂することもない。なお、各被覆部材6,6は、内カバー7の先端、および外カバー8の先端を、それぞれ、前面枠3aの裏面に穿設された内カバー挿通孔12、裏面枠2aの表面に穿設された外カバー挿通孔13に挿通し、その状態で、内カバー7を外カバー8と向かい合わせになるように外カバー8内に挿入するだけで、簡単に設置することができる。
【0013】
[実施例2]
図5は、前面枠を開放した状態における実施例2のパチンコ機を示したものであり、実施例2のパチンコ機1bも、実施例1のパチンコ機1aと同様に、ガラス板が嵌め込まれた幅広な長方形状の前面枠3bが、2つのヒンジ4b,4bによって、裏面枠2bの左側の端縁に開閉自在に蝶着され、その前面枠3bの表面の上部に、実施例1のパチンコ機1aの電飾ランプ5aと同一形状の電飾ランプ(図示せず)が設置された構造になっている。また、実施例1のパチンコ機1aと同様に、裏面枠2b後方にパチンコ機1bの作動を制御する制御装置が設置されている。しかしながら、実施例2のパチンコ機1bは、実施例1のパチンコ機1aと異なり、2つのヒンジ4b,4bが被覆部材としても機能するようになっている。
【0014】
図6は、パチンコ機1bに設置されたヒンジ4bの裏面を拡大して示したものである。また、図7は、ヒンジ4bを一部切り欠いて示したものであり、図8は、ヒンジ4bを取り外した状態のヒンジ設置部位を示したものである。パチンコ機1bに設置された各ヒンジ4bは、略同一形状の上側部材17と下側部材18とが、逆向きに、かつ互いに回動可能に枢着された構造を有している。
【0015】
上側部材17、および下側部材18は、ともに中空状に形成され、それぞれの円柱状部19,19および板状部20,20の内部が連通した状態になっており、リード線21が配線されている。また、上側部材17、下側部材18の各板状部20,20の裏面には、リード線挿通孔22,22が穿設されており、上側部材17、および下側部材18の内部に配線されたリード線21が、各リード線挿通孔22,22から突出した状態になっている。そして、それらの突出したリード線21の両端には、それぞれ、コネクタ23,23が取り付けられている。さらに、上側部材17、下側部材18の各板状部20,20には、それぞれ2つのネジ挿通孔24,24が穿設されている。
【0016】
また、パチンコ機1bの前面枠3bの裏面、および裏面枠2bの表面の各ヒンジ設置部位には、前面枠3bを閉じた場合にヒンジ4bが収納されるように、切欠部25,25が設けられており、各切欠部25,25と隣接した部位には、それぞれ、ネジ孔26,26およびリード線用孔27,27が穿設されている。そして、前面枠3b裏面の切欠部25と隣接したリード線用孔27からは、電飾ランプに接続されたリード線28が突出し、その突出したリード線28の先端にコネクタ30が接続された状態になっており、裏面枠2b表面の切欠部25と隣接したリード線用孔27からは制御装置に接続されたリード線29が突出し、その突出したリード線29の先端にもコネクタ30が接続された状態になっている。
【0017】
各ヒンジ4b,4bは、前面枠3b裏面および裏面枠2b表面の切欠部25,25に嵌め込まれた状態で、それぞれの板状部20,20が裏面枠2bおよび前面枠3bに螺着されている。これにより、前面枠3bが、裏面枠2bの左側の端縁に開閉可能に蝶着された状態になっている。また、各ヒンジ設置部位において、前面枠3b裏面のリード線用孔27から突出したリード線28の先端のコネクタ30と、下側部材18のリード線挿通孔22から突出したリード線21の先端のコネクタ23とが接続され、裏面枠2b表面のリード線用孔27から突出したリード線29の先端のコネクタ30と、上側部材17のリード線挿通孔22から突出したリード線21の先端のコネクタ23とが接続された状態になっており、前面枠3b上部の電飾ランプが、前面枠3bの開閉状態の如何に拘らず、制御装置の制御によって点灯、点滅するようになっている。なお、各ヒンジ4b,4bの設置時に、前面枠3b裏面から突出したリード線28は、下側部材18から突出したリード線21と接続された後に、前面枠3b内に収納され、一方、裏面枠2b表面から突出したリード線29は、上側部材17から突出したリード線21と接続された後に、裏面枠2b後方に収納されるため、各ヒンジ4b,4bの各板状部20,20は、裏面が前面枠3b裏面および裏面枠2b表面と当接した状態になっている。
【0018】
実施例2のパチンコ機1bは、上記の如く構成されているため、前面枠3bを広角に開放した場合でも、電飾ランプと制御装置とを接続した配線(リード線21等)が各ヒンジ4b,4bの内部に収納保持され、大きく引き出されたりしないので、前面枠3bを開放した状態での修理、メンテナンス作業中に配線が引っ張られたり、前面枠3bを閉じる際に前面枠3bと裏面枠2bとの間に配線が挟まれたりしない。また、パチンコ機1bは、ヒンジ4b,4bが被覆部材としても作用するため、被覆部材を別途設ける必要がなく、従来品と部品点数が変わらないし、前面枠3bの蝶着部位のデザインもシンプルである。なお、各ヒンジ4b,4bは、上側部材17、下側部材18の板状部20,20を裏面枠2bおよび前面枠3bに螺着するとともに、前面枠3b裏面から突出したリード線28先端のコネクタ30と下側部材18から突出したリード線21先端のコネクタ23とを接続し、裏面枠2b表面から突出したリード線29先端のコネクタ30と上側部材17から突出したリード線21先端のコネクタ23とを接続するだけで、簡単に設置することができる。また、ヒンジ4bは、従来のパチンコ機のヒンジの代替え品として使用することも可能である。
【0019】
なお、本発明の遊技機の構成は、上記実施例の態様に何ら限定されるものではなく、裏面枠、前面枠、機枠、ヒンジ、電飾ランプ、被覆部材、電気配線等の構成を必要に応じて適宜変更することができる。
【0020】
たとえば、上記実施例においては、前面枠上部の電飾ランプと裏面枠後方の制御装置とが前面枠の蝶着部位近傍で接続された遊技機について説明したが、本発明の遊技機は、かかる構成に限定されるものではなく、前面枠に設置される電機部品を、呼び出しランプ等の電飾ランプ以外の電機部品に変更することも可能であるし、前面枠の電機部品の配線を、裏面枠後方の端子等の制御装置以外の部位まで延設するように構成することも可能である。
【0021】
また、前面枠の蝶着部位に設置される被覆部材やヒンジの数は、2つに限定されるものではなく、3つ以上であっても良いし、場合によっては、1つであっても良い。
【0022】
さらに、電飾ランプのリード線と制御装置のリード線とを必ずしもコネクタを介して接続する必要はなく、ダイレクトに接続することも可能である。
【0023】
一方、実施例1の遊技機においては、被覆部材の内カバーを前面枠側に取り付け、外カバーを裏面枠側に取り付けるように構成することも可能である。
【0024】
なお、本発明の遊技機は、パチンコ機のみに限定されるものではなく、スロットマシーンやテレビゲーム等の他の遊技機に応用することも可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明の遊技機によれば、被覆部材によって、前面枠開放状態での修理、メンテナンス作業中に引っ張られたり、前面枠を閉じる際に前面枠と裏面枠との間に挟まれたりして電機部品の配線が損傷する事態を防止することができる。したがって、パチンコ機のメンテナンスが容易なものとなる。また、被覆部材が前面枠を裏面枠に蝶着するヒンジとしても作用するため、被覆部材をヒンジと別々に設けることなく、安価かつ容易に電機部品の配線を保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機を示す説明図である。
【図2】前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す説明図である。
【図3】裏面枠を前面枠とともに開放した状態のパチンコ機を示す説明図である。
【図4】被覆部材設置部位の断面を示す説明図である。
【図5】前面枠を開放した状態のパチンコ機を示す説明図である。
【図6】ヒンジの裏面を示す説明図である。
【図7】ヒンジを一部切り欠いて示す説明図である。
【図8】前面枠および機枠のヒンジ設置部位を示す説明図である。
【図9】従来のパチンコ機を示す説明図である。
【符号の説明】
1a,1b,51・・パチンコ機、2a,2b,52・・裏面枠、3a,3b,53・・前面枠、4a,4b,56・・ヒンジ、5・・電飾ランプ、6・・被覆部材、7・・内カバー、8・・外カバー、9・・外向き鍔部、10・・内向き鍔部、11・・係止フランジ、12・・内カバー挿通孔、13・・外カバー挿通孔、14,15,21,28,29,55・・リード線、16,23,30・・コネクタ、17・・上側部材、18・・下側部材、19・・円柱状部、20・・板状部、22・・リード線挿通孔、24・・ネジ挿通孔、25・・切欠部、26・・ネジ孔、27・・リード線用孔、54・・リード線接続孔、31a,31b,57・・機枠。
Claims (1)
- 裏面枠の片端縁に、前面枠がヒンジ部材によって開閉自在に蝶着されており、その前面枠に電機部品が設置されているとともに、その電機部品の配線が、裏面枠後方まで延設されている遊技機であって、
前記ヒンジ部材を、中空状の円柱状部と中空状で片面に配線挿通孔が穿設された板状部とからなる上側部材及び下側部材を、夫々逆向きで且つ互いに回動可能に枢着して構成するとともに、前記ヒンジ部材の内部に配線を通して、両配線挿通孔から配線を突出させ、且つ突出した各配線の端縁にコネクタを取り付ける一方、
前記前面枠の裏面及び前記裏面枠の表面に、前記前面枠を閉じた場合に前記ヒンジ部材を収納可能な切欠部を夫々設けるとともに、各切欠部と隣接した部位に配線用孔を穿設し、前記前面枠に設置された電機部品の配線を前記前面枠側の配線用孔から突出させて、前記コネクタによって、前記ヒンジ部材の前面枠側の配線挿通孔から突出した配線と接続する一方、前記裏面枠後方からの配線を前記裏面枠側の配線挿通孔から突出させて、前記コネクタによって、前記ヒンジ部材の裏面枠側の配線挿通孔から突出した配線と接続し、
且つ、前記上側部材及び下側部材の各配線接続側の面を前記前面枠及び前記裏面枠に当接させた状態で前記ヒンジ部材を取り付けたことを特徴とする遊技機。
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