JP3579819B2 - 生体信号送信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体信号をアンテナを介して送信機から受信機に送信する医用テレメータの生体信号送信装置に係り、特にアンテナとしてマイクロストリップアンテナ(以下MSAと称する)を用いた生体信号送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検者に装着された電極で検出された生体信号を、診断のためにアンテナを介して近傍のコンピュータ診断装置などに無線送信するシステムは公知となっている。このようなシステムに用いられる送信装置としては従来から種々の提案がなされている。
【0003】
実開昭60−97103号公報に記載された提案は図21に示すように、胸ベルト101に取り付けられた2個の電極102、103と、手首に装着された送信機本体104とは、それぞれ電極導線105、106によって接続されている。また送信機本体104からはアンテナ線107が電極導線105、106と並行して密着配列され、端部は胸ベルト101内に埋め込まれている。ここで電極導線105、106およびアンテナ線107は互いに絶縁されており、アンテナ線107の端部も体表面に接しないように電気的に絶縁されている。
【0004】
本提案によれば、アンテナ線107が電極導線105、106に密着して配置されているので、何ら運動をさまたげることなく、アンテナ線107を1m以上とすることができ、送信機104の効率を向上し小型化を図り携帯性を向上させることができる。
【0005】
実開昭62−202804号公報に記載された提案は図22に示すように、一対の電極201、202をそれぞれユニットケース203、204内に配備し、ユニットケース203、204の底面を開口してそれぞれ電極201、202を露出させ、電極201、202にアンテナ線205の両端を接続している。ユニットケース203、204は接続ケーブル206により連結されており、アンテナ線205は接続ケーブル206内に挿通されている。
【0006】
本提案によれば、一対のユニットケース203、204内にそれぞれ配備された電極201、202を生体の心拍数検出部位に装着し、アンテナ線205から信号を送信するようにしたので、着脱しやすく、しかも胸への圧迫感や違和感もなく装着することができる。
【0007】
実開昭63−32501号公報に記載された提案は図23に示すように、一対の電極301、302と、電極301、302で検出された心電位信号を処理するための電気回路とを有する送信器本体303と、処理して得られる信号を電波として受信機へ向けて送出するためのアンテナ304とを備えており、アンテナ304を撥水性を有する繊維で被覆して身体表面に添わせるようにしている。
【0008】
本提案によれば、アンテナ304が撥水性を有する繊維で被覆され、身体表面に添わせられるようにして送信機本体303に接続されているので、装着時に衣服が局所的に盛り上ることがなく、しかも電極301、302が被着個所から脱落するおそれもない。この結果使い心地がよい上に、十分に強い電波を受信機へ送ることができる。
【0009】
特開昭9−108194号公報に記載された提案は図24に示すように、被検者の前胸壁に装着される基部シート401をL字形に形成し、縦長部分401aを胸骨ラインに沿わせ、剣状突起近辺に位置したコーナ部401bから横長部分401cを心臓側に向わせる。この基部シート401の裏面には前胸壁に粘着させる粘着層が形成されており、コーナ部401b近傍に第1の電極402、縦長部分401aの上端部近傍に第2の電極403、横長部分401cの側端部近傍に第3の電極404がそれぞれ取り付けられている。さらに第2の電極403の斜め下方および第3の電極404の上方位置に、それぞれ第4の電極405および第5の電極406が取り付けられている。
【0010】
上記のように配列された5個の電極のうち電極402、403間でα誘導が検出され、電極403、404間でβ誘導が検出される。また電極405および406により、α、β誘導だけでは感度の弱い高位方向の側壁と前後壁の虚血に対するγ誘導が検出される。これらの各電極に誘導された心電図信号は基部シート401に取り付けられた回路ユニット407により増幅および変調され、縦長部分401aに沿って取り付けられたアンテナ408から受信機側に送信される。
【0011】
本提案によれば、電極402乃至406、回路ユニット407およびアンテナ408が基部シート401上に一体化して取り付けられているので、被検者への装着が容易となり、活動が制約されない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した各従来例では波長の1/4の電気長を利用したモノポールアンテナをアンテナとしている。例えば送信周波数を300MHz とすると、波長は1mでアンテナの長さは25cmとなる。このモノポールアンテナをなるべく人体の影響を受けないように配置するためには、人体の表面に対して垂直の方向にし、人体から離れた方向にすればよい。しかしアンテナの長さは例えば25cmと長いため、送信機を人体に装着したときに動作の邪魔になるという問題があった。逆に動作が容易になるように人体の表面に沿って配置すると、前述した通りアンテナから放射される電波が人体の影響を受けるため利得が劣化しやすい。
【0013】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、生体の表面に装着された電極が検出する生体信号を、安定して良好な感度で受信器側に放出することができ、生体へ容易に装着することのできる小型の生体信号送信装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、生体信号を検出する電極と、前記電極を支持し生体面に装着される支持体と、前記電極が検出した電気信号を処理する電気回路を有する送信機と、前記電気回路で処理された電気信号を受信機に向けて放出するアンテナとを備える生体信号送信装置において、前記アンテナを、平行に対向配置された放射板と地板とを有するMSAで構成し、前記支持体の生体装着面側に前記地板を、反対側の面に前記放射板をそれぞれ配置するとともに、前記支持体を誘導体材料で構成したことを特徴とする。
【0015】
上記のように構成された本発明においては、MSAが支持体を介して生体面に平行に装着されるので、アンテナを薄くでき生体面からの大きな突起部がなくなる。また放射板と生体面との間に地板が配置されているため、アンテナ性能が生体の影響を受けることが少ない。さらに支持体を誘電体材料で構成することにより、誘電体の効果により放射板を小型化することができる。また、送信機にアンテナを内蔵させないので、アンテナの大きさに制約されることなく送信機を小型化することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の生体信号送信装置の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の構成例を示すブロック図、図2は図1の生体装着部の構成を示す縦断面図、図3は図2の分解斜視図、図4は図1の生体装着部および送信機の外観斜視図である。
【0017】
図1において、生体装着部1は誘電体材料で円板状に形成された支持体2上に、平行に対向配置された地板3と放射板4とからなるMSA5、および電極6が一体的に取り付けられてなっている。また送信機7には増幅部8、変調部9、電源部10および送信部11から構成される電気回路12が設けられており、電極6と増幅部8、MSA5と送信部11とは、それぞれコネクタ13、14、15を介して電気的に接続されている。ここでコネクタ14、15はそれぞれMSA5の放射板4および地板3に接続されている。符号16は生体の他の部分に装着される電極であり、コネクタ17を介して増幅部8に接続されている。
【0018】
増幅部8、変調部9および送信部11にはそれぞれ電源部10から電力が供給される。支持体2を被検者の生体表面に装着したとき、電極6および電極16が検出した生体信号は増幅部8で増幅され変調部9で変調され、送信部11からMSA5に送られる。そしてこの生体信号はMSA5から図示しない受信機に無線送信される。
【0019】
図2および図3において、支持体2は誘電体材料で円板状に形成されている。支持体2の図中下面には円板状の地板3が同心上に装着されており、地板3の中心には電極6が挿通される円形の開口部3aが形成されている。支持体2の図中上面には半円板状の放射板4が装着されており、放射板4の中心には電極6が挿通される半円形の切欠部4aが形成されている。
【0020】
電極6は支持体2の中心を貫通し、下面から上方に突出して固着されており、電極6の下端面には導電性の含水性ゲル18が塗布されている。また電極6が支持体2を貫通して上方に突出する一端には、コネクタを構成する凸状の心電導出用のフォック19が固定されている。また地板3の上面にはカシメ具20が固定されており、カシメ具20は支持体2を貫通して上方に突出し、その突出端には地板用のフォック21がカシメにより固定されている。さらに放射板4の上面には放射板給電用のフォック22が電気的に接続されている。
【0021】
支持体2の上面には放射板4を被覆して円形の絶縁シート23が接着されており、フォック19、21、22は絶縁シート23を貫通して上方に突出している。また地板3の下面にも円形の絶縁シート24が接着されており、絶縁シート24の下面には粘着剤25が塗布されている。そして支持体2を生体表面に装着するとき、粘着剤25により接着される。このとき電極6の下端は絶縁シート24の中心に形成された円形の開口部24aを通して下側に露出しており、支持体2を生体表面に装着したとき、電極6は含水性ゲル18を介して生体表面に電気的に接続される。
【0022】
ここで、図2に示すように放射板4上に接続されたフォック22と、心電図導出用のフォック19および地板用のフォック21との上端の間に段差dがあると、生体装着部1に送信機7を装着するときの支障となる。この段差dを解消するためには、放射板4の厚さを薄くするか、フォック22の高さを低くすればよい。このときフォック22の径も小さくし、送信機7側の対応するメスフォックの径も小さくすることにより、送信機7の装着時の誤嵌合を防ぐことができる。またはフォック22、21、19の大きさを同じとしても、フォック19、21の下にダミーワッシャやシートを挿入して段差dをなくすこともできる。
【0023】
次に図1乃至図4に示す第1の実施の形態の各部分の具体的な構造および材料を詳細に説明する。支持体2は、例えば数10μm乃至数mmの厚さである程度の剛性と誘電率を有する誘電体で構成され、生体装着部1を保持するものである。上記構成例では形状が円板状の場合について説明したが、例えば図5に示すようなほぼ矩形板状や図6に示すような鼓状などの他の形状であってもよい。その材質は、使用周波数と地板3および放射板4の形状に適合する誘電率を持った誘電体であればよく、例えば、紙や高分子誘電体(塩化ビニール、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ふっ素樹脂、ケイ素樹脂、アセチルセルローズ、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、ビニロン、エポキシ樹脂等)の材料で形成される。さらに、放射板4を小さくする場合は、高誘電率の材料、例えば、セラミック粉末などを前記高分子誘電体に混合してもよい。
【0024】
地板3は、基本的には許容される範囲内で大きな面積を有し、放射板4の発する信号が人体等の影響を受けにくくする構造を有している。材料としては、例えば、金属、カーボン、高分子導電体、樹脂に導電性メッキしたものなどが用いられる。地板3の形状もアンテナ特性に対応して変化する。
【0025】
放射板4は、例えば厚さ数μm乃至数mm、周波数により決定される面積を有する導電体膜で形成される。上記構成例では形状が半円板状の場合について説明したが、例えば図7に示すような矩形板状や、図8に示すような形状など他の形状であってもよい。材料としては地板3と同様に、例えば、金属、カーボン、高分子導電体、樹脂に導電性メッキをしたものなどが用いられる。
【0026】
電極6およびカシメ具20はそれぞれフォック19、21を介して支持体2に固定され、それ自体が導電体であり、それぞれ生体電気現象導出用電極および地板への信号伝達用電極として作用する。構造は、例えば図9に示すように、コネクタとしてのフォック19に安定して固定できるものであればよい。また、材料は導電体であればよく特に限定されない。材料としては、例えば高分子導電体(導電ゴム、含水性樹脂等)、金属(銅、ステンレス、アルミ等)、カーボン(カーボンファイバー、グラファイト、カーボン繊維等)、樹脂に導電性メッキしたもの(例えば高分子絶縁体または高分子導電体の表面に金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、パラジウム、白金等の導電性金属膜をスパッタリング蒸着、溶解メッキ、無電解メッキ等の手段により形成させたもの)などが用いられる。
【0027】
コネクタ13、14、15を構成する部品としては、前記構成例ではフォック19、21、22を用いているが、これに限定されず、例えばスナップ、一般用電気的コネクタ、接触型コネクタ等の構造であってもよい。材料としては前述した電極6と同様なものが用いられる。
【0028】
含水性ゲル18は、電極6と生体面との間を電気的に導電するものであり、生体への接着性を有するものが望ましい。このようなゲル層を形成する基材としては、例えばゼラチン、ポリアクリル酸またはその塩、カラヤガム、その他各種水溶性または水分散性アクリル系ポリマー、ポリアクリル系、ポリマー、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カルボキシンメチルセルローズ、ポリウレタンなど水溶性または水分散性ポリマーなどがあげられる。
【0029】
絶縁シート23、24は、それぞれ人体とアンテナを構成する放射板4および地板3とが直接接触しないようにするためのもので、その材質は絶縁性があればよく特に限定されない。
【0030】
粘着材25は、生体装着部1を生体に強固に固定するためのもので、生体に刺激を与えないものが望ましい、例えば、両面粘着テープ、アクリル系、ゴム系、シリコン系、ビニールエーテル系などの生体装着部1との密着性にすぐれた公知の粘着材料が使用できる。
【0031】
上記のように構成された生体装着部1には、図4に示すように送信機7が装着固定される。このときフォック19、21、22はそれぞれ送信機5内の増幅部8および送信部11の対応する図示しないコネクタに接続される。そして生体装着部1を被検者の生体の表面に粘着剤25を介して接着したとき、電極6と電極16が検出した生体信号はそれぞれフォック19とコネクタ17を介して送信機7に送られ、送信機7内の電気回路12で処理された生体信号はフォック21、22を介してMSA5におくられる。そしてMSA5はこの生体信号を図示しない受信機に無線送信する。
【0032】
本実施の形態によれば、MSA5が支持体2を介して生体面に平行に装着されるので、アンテナを薄くでき生体面からの大きな突出部がなくなる。また放射板4と生体面との間に地板3が配置されているため、アンテナ性能が生体の影響を受けることが少ない。さらに支持体2が誘電体材料で構成されているので、誘電体の効果により放射板4を小型化することができる。
【0033】
また、MSA5と支持体2とを一体化して送信機7の外に形成しているので、送信機7を小型化することができる。さらに、このように構成された生体信号送信装置を生体に装着することにより、アンテナの配置が最適の状態で生体に固定することができ、生体信号を正確に検出することができる。
【0034】
図10乃至図12、図13乃至図15、図16乃至図19及び図20にそれぞれ本発明の第2、第3、第4、第5の実施の形態の構成例を示す。これらの図において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態の部分と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0035】
図10乃至図12に示す第2の実施の形態は電極6の数が2個の場合であり、各電極6a、6bが検出した生体信号は図10に示すようにそれぞれコネクタ13a、13bを介して増幅部8に送られる。他の部分の構成および作用は図1乃至図4に示す第1の実施の形態とほぼ同様である。
【0036】
図11は図10の生体装着部1の構成例を示す分解斜視図であり、図12は図10の生体装着部1および送信機7の外観斜視図である。図11において、支持板2、地板3および放射板4はそれぞれ矩形板状に形成されており、導電材料で帯状に形成された電極6a、6bは地板3の一辺の外側に沿って配置されている。
【0037】
電極6a、6bの内側の一端にはそれぞれカシメ具20a、20bが挿通されており、カシメ具20a、20bは支持体2を貫通して上方に突出している。そしてカシメ具20a、20bの突出端にはそれぞれ心電導出用のフォック19a、19bがカシメにより固定されており、支持板2に固定されている。また電極6a、6bの外側の一端にはそれぞれ導電性の含水性ゲル18a、18bが取り付けられている。
【0038】
地板3は支持体2の下面に装着されており、電極6a、6b間に形成された突出部3aにはカシメ具20cが挿通され、支持体2を貫通して上方に突出している。そしてカシメ具20cの突出端には地板用フォック21がカシメにより固定されている。放射板4は支持体2の上面の地板3に対向する位置に装着されており、放射板4の上面には放射板給電用のフォック22が電気的に接続されている。支持体2の下面の含水性ゲル18a、18bの間には、地板3および電極6a、6bを被覆する絶縁シート24が接着されており、支持体2の上面には放射板4を被覆する絶縁シート23が接着されている。そしてフォック19a、19b、21、22は絶縁シート23を貫通して上方に突出している。
【0039】
本実施の形態においても、図12に示すように、フォック19a、19b、21、22を介して送信機7が生体装着部1に装着固定され、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同様の作用、効果を得ることができる。
【0040】
図13乃至図15に示す第3の実施の形態は、図10乃至図12に示す第2の実施の形態における地板3、放射板4および電極6a、6bの形状、配置を変更したものである。すなわち、一方の電極6aを第1の実施の形態と同様の円形端子とし、他方の電極6bを第2の実施の形態と同様の板状端子とした。また各電極6a、6bの端部に取り付けられた含水性ゲル18a、18bは、それぞれ絶縁シート24に形成された円形の貫通孔24a、24bを介して下方に突出している。さらに地板3および放射板4は支持体2の両面の一方の側に配置され、絶縁シート23は放射板4の上面のみを被覆している。
【0041】
本実施の形態においても、図15に示すようにフォック19a、19b、21、22を介して送信機7が生体装着部1に装着固定され、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同様の作用、効果を得ることができる。
【0042】
上記第2および第3の実施の形態では電極6が2個の場合について説明したが、電極6の数は3個以上であってもよい。この場合、電極6を生体装着部1の適切な位置に配置し、コネクタ13や電気回路12中の増幅部8や変調部9をそれに対応させることにより、多数の生体信号を導出増幅し、送信部11から送信できることは言うまでもない。
【0043】
図16乃至図19に示す第4の実施の形態は、図1乃至図4に示す第1の実施の形態における電極6の代りにトランスデユーサ31を用いたものである。トランスデューサ31の両極はそれぞれコネクタ32a、32bを介して支持体2に取り付けられており、コネクタ32a、32bが支持体2を貫通して上方に突出する先端には、それぞれフォック19a、19bがカシメにより固定されている。他の部分の構成は図1乃至図4に示す第1の実施の形態の構成とほぼ同様である。
【0044】
本実施の形態においても、図19に示すように、フォック19a、19b、21、22を介して送信機7が生体装着部1に装着固定され、図1乃至図4に示す第1の実施の形態と同様の作用、効果を得ることができるとともに、トランスデューサ23により生体の体温や血圧などを検出することができる。
【0045】
なお、第2、第3、第4の各実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同様に、それぞれ図11、図13、図17に示すようにフォック22とフォック19a、19b、21とのそれぞれの上端との間の段差dが発生するが、第1の実施の形態で説明したような方法により段差dをなくすことができる。
【0046】
図20は本発明の第5の実施の形態の構成例を示す縦断面図である。図20において、図1乃至図4に示す第1の実施の形態に対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。本実施の形態の特徴は地板3および放射板4をシルク印刷などの薄膜技術により、支持体2の両面に一体に形成した点にある。
【0047】
図20に示すように、支持体2の下面には円形の地板3が、上面には半円形の放射板4が、それぞれ薄膜技術により一体に形成されている。支持板2の放射板4が形成されていない部分にはスルーホールが貫通して形成され、スルーホール内には導電性材料41が充填されている。支持体2の上面のスルーホールが開口している位置には、薄膜技術により導電性材料で接触コネクタ42が一体に形成されており、接触コネクタ42と地板3とはスルーホールに充填された導電性材料41を介して電気的に導通している。
【0048】
支持体2の上下面は薄膜シール技術により、それぞれ放射板4および地板3を被覆する絶縁シート23及び24で覆われており、上面の絶縁シート23には放射板4及び接触コネクタ42を露出する開口部23a、23bが形成されている。そして送信機5を生体装着部1に装着したとき、送信機5の下面に絶縁シート開口部23a、23bにそれぞれ対向して設けられた導電性接触バネコネクタ43a、43bがそれぞれ放射板4及び接触コネクタ42に当接し、送信機5から送信される信号を地板3及び放射板4で構成されるMSA5に導出する。電極6に固定されたフォック19が送信機5側のメスフォック状のコネクタ13に連結されることは第1の実施の形態の場合と同様である。
【0049】
本実施の形態によれば、第1乃至第4の実施の形態の構成例のように地板3及び放射板4を別体で作成する場合に比較して、生産が容易となりコストの低減を図ることができる。さらに地板3と放射板4とを支持体2に形成されたスルーホール内の導電性材料41で導通させることにより、例えば50Ωに給電整合させて逆F板状アンテナを容易に形成することができる。
【0050】
なお、図20に示す構成例では電極6が1個の場合を示しているが、図5乃至図15に示す第2及び第3の実施の形態の構成例のように、電極6の数が2個あるいは3個以上の場合にも、また電極6が図16乃至図19に示す第4の実施の形態の構成例のようにトランスデューサ31である場合にも応用でき、同様の効果を得ることができる。
【0051】
上述した第2乃至第5の実施の形態を構成する各部分の構造及び材質は、第1の実施の形態の項で説明したものとほぼ同様である。なお、上述した第1乃至第5の各実施の形態で示した構成はそれぞれ一例を示したものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の構成であってもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の生体信号送信装置によれば、電極を支持し送信機が装着された支持体を誘電体材料で構成し、該支持体に生体信号を放出するMSAを一体に設け、MSAの地板を支持体の生体装着面に、放電板を反対側の面に配置したので、MSAが生体面に平行に装着されアンテナを薄くでき生体面からの大きな突起部がなくなる。また放射板と生体面との間に地板が配置されているため、アンテナ性能が生体の影響を受けることが少ない。さらに支持体を誘電体材料で構成することにより、誘電体の効果により放射板を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生体信号送信装置の第1の実施の形態の構成側を示すブロック図である。
【図2】図1の生体装着部の構成を示す縦断面図である。
【図3】図2の分解斜視図である。
【図4】図1の生体装着部および送信機の外観斜視図である。
【図5】図3の支持体の変形例の形状を示す平面図である。
【図6】図3の支持体の他の変形例の形状を示す平面図である。
【図7】図3の放射板の変形例の形状を示す平面図である。
【図8】図3の放射板の他の変形例の形状を示す平面図である。
【図9】図2及び図3の電極の取付構造を示す分解縦断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図11】図10の生体装着部の構成例を示す分解斜視図である。
【図12】図10の生体装着部および送信機の外観斜視図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態の生体装着部の構成例を示す縦断面図である。
【図14】図13の分解斜視図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態における生体装着部および送信機の外観斜視図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図17】図16の生体装着部の構成例を示す縦断面図である。
【図18】図17の分解斜視図である。
【図19】図16の生体装着部および送信機の外観斜視図である。
【図20】本発明の第5の実施の形態の構成例を示す縦断面図である。
【図21】従来の生体信号送信装置の第1の例の構成を示す正面図である。
【図22】従来の生体信号送信装置の第2の例の要部の構成を示す平面図である。
【図23】従来の生体信号送信装置の第3の例の構成を示す正面図である。
【図24】従来の生体信号送信装置の第4の例の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
2 支持体 3 地板
4 放射板、 5 MSA(マイクロストリップアンテナ)
6、16 電極 7 送信機
12 電気回路
Claims (1)
- 生体信号を検出する電極と、
該電極を支持し生体面に装着される支持体と、
前記電極が検出した電気信号を処理する電気回路を有する送信機と、
前記電気回路で処理された電気信号を受信機に向けて放出するアンテナと、
を備える生体信号送信装置において、
前記アンテナを、平行に対向配置された放射板と地板とを有するマイクロストリップアンテナで構成し、前記支持体の生体装着面側に前記地板を、反対側の面に前記放射板をそれぞれ配置するとともに、前記支持体を誘電体材料で構成したことを特徴とする生体信号送信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35993497A JP3579819B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 生体信号送信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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