JP3579808B2 - 不透水性土層間の遮水減圧方法 - Google Patents
不透水性土層間の遮水減圧方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、地下構造物の浮力の減圧を不透水性土層間の帯水層の締め切りにより行う遮水減圧方法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
比較的深い地下水の上昇に対して、既設の地下構造物の中には浮力の設計水位が不足するものがある。この対策としては構造物の重量を増したり、アンカーを打設すること等が考えられるが、重さを確保する空間が構造物内に無かったり、高水圧下のアンカー打設が困難な場合がある。
【0003】
地下構造物ごとに底盤下を減圧する方法もあるが、類似構造物が複数ある場合は個別に減圧対策が必要で、構造物内に減圧設備を設置する必要があった。また大規模な既設構造物のように、底盤下の減圧対策が取りにくい場合もあるが、対象構造物の底盤の上下位に粘土層などの不透水性土層があれば、不透水性土層間の帯水層の減圧は不透水性土層間を上下方向に止水壁で締め切ることにより効果的に行うことができる。しかし、この方法でも課題を有する。
【0004】
図6は、従来の止水壁による不透水性土層間の遮水の一例を示すもので、1は不透水性土層2,3の間の帯水層、4は地上から下層の不透水土層3まで設置された止水壁である。この止水壁4により不透水性土層間の帯水層1は締め切られて減圧されるが、その減圧は遮水によるため効率の点で問題を有し、また地中に障害がある場合には完全な遮水の施工が行い難いなどの課題を有する。
【0005】
図7は、地中に上下水道、ガス管などの障害物5が埋設されている場合の遮水方法で、地上から障害物5を避けて帯水層1に注入パイプ6を挿入し、その薬液による凝固部材7をもって帯水層1を締め切って止水による減圧を行うというものである。このような注入方法では、地上からの施工精度の低さと相俟って遮水性が十分に確保されず、また浮力対策の規模によっては大量の薬液が必要となることから、地域としての浮力対策には採用され難い。
【0006】
この発明は上記従来の課題を解決するものであって、その目的は、不透水土層間の遮水を締め切りに行うものでありながら、地中に障害物があっても完全な遮水ができ、また締め切られた帯水層の水量を低減して地下構造物の浮力の減圧を確実に、しかも地域単位で実施し得る新たな不透水性土層間の遮水減圧方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的によるこの発明は、地下構造物周辺の地中の帯水層より上層の不透水性土層の上方にシールドトンネルを環状に設け、そのシールドトンネルから帯水層の下層の不透水性土層まで止水壁を設置して、不透水性土層間の帯水層の遮水を行ったのち、止水壁内の帯水層にシールドトンネル内部から減圧パイプを挿入し、その減圧パイプにより遮水された帯水層の水量を低減して地下構造物の浮力の減圧を行う、というものである。
【0008】
このような遮水減圧方法では、地中に障害物があっても完全な遮水ができるので、類似構造物が複数存在していても、地下構造物ごとの対策が不要となり、地域としての浮力対策が可能となる。また不透水性土層間の帯水層でしかも水平方向は止水壁で締め切られた空間での減圧であるから、これまでよりも効果的な減圧が行え、さらに止水壁の設置は不透水性土層間ばかりでなく低透水性土層間にも適用できるので、その応用範囲は広く、地下構造物の浮力による損失の対策としてきわめて有効である。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜図5は、不透水性土層12,13の間の帯水層11を止水壁14により締め切って、減水減圧を行う場合の一実施形態を示すものである。
【0010】
施工は先ず、減圧対策が必要な複数の地下構造物15の周辺の地中16に立坑17を掘削する。その立坑17から帯水層11より上層の不透水性土層12の上方に、遮水及び減圧作業用の所要内径のシールドトンネル18を、図3に示すように環状に設けてゆく。
【0011】
このシールドトンネル18の掘進に平行して、トンネル内から帯水層11の下層の不透水性土層13まで上記止水壁14を設置してゆく。したがってシールドトンネル18の内径は、トンネル内で必要な深さまで止水壁14を設置するための作業が可能な空間から定められる。
【0012】
図4は、上記はシールドトンネル18の掘進と止水壁14の設置の同時施工状態を示すもので、トンネル掘削機19により掘削しつつセグメントを施工して完成されたトンネル内から、掘進方向にソイルセメント柱列壁による止水壁14を設置してゆく。設置作業場となるトンネル内は、掘削上室18aとトンネル下部の中央部に設けられた掘進方向のガイド溝20を有する下室18bとに作業床21をもって仕切られている。
【0013】
上記掘削上室18aは、施工作業に使用される他に止水壁14の施工に必要な材料の供給や遮水材の運送用あるいは排水用等のパイプ類22の配設に使用される。下室18bは気圧室として使用される。また掘削上室18aからはウオータースイベル23と接続した中空のセメント注入シャフト24が、ジャッキ25を介して天井部を反力として、上記ガイド溝20から下層の不透水性土層13に達する深さまで、回転自在に貫入してある。
【0014】
このセメント注入シャフト24は先端部にセメント吐出口を有する掘削攪拌ヘッド26を備え、その掘削攪拌ヘッド26の回転により掘削と、シャフト内を経て先端部に吐出されたセメントミルクと掘削土との攪拌混練とを行う通常構造のものからなり、上記ジャッキ25による上下動の繰返しと水平方向の移動とによってソイルセメント柱列壁による上記止水壁14を造成する。
【0015】
次に上記シールドトンネル18から不透水性土層13まで止水壁14を環状に設置して、締め切りにより不透水性土層間の帯水層11の遮水を行ったら、図2に示すように、止水壁内の締め切られた帯水層11aにシールドトンネル内部から減圧パイプ27と水圧計28とを挿入し、その減圧パイプ27により遮水された帯水層11aの水量を吸い上げにより低減して地下構造物15の浮力の減圧を行う。この場合の必要減圧量は上記水圧計28を含む減圧管理システムによって決められる。
また減圧パイプ27により吸い上げられた地下水は、送水パイプ29で集水して、上記立坑17から外部に排水する。
【0016】
【発明の効果】
この実施形態からも明らかなように、地下構造物周辺の地中の帯水層より上方に設けたシールドトンネルから、帯水層の下層の不透水性土層まで設置した止水壁により、透水性土層間の帯水層の遮水を行い、締め切られた帯水層の減圧をシールドトンネル内部からの減圧パイプにより行うこの発明では、不透水土層間の遮水を締め切りに行うものでありながら、地中に障害物があっても完全な遮水ができ、また締め切られた帯水層の水量の低減をもって、地下構造物の浮力の減圧を確実に実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る不透水性土層間の遮水減圧方法の一実施形態における遮水時の略示縦断面図。
【図2】同じく減圧状態時の略示縦断面図。
【図3】複数の地下構造物に対する遮水壁の施工状態を示す略示平面図。
【図4】シールドトンネルの掘進と止水壁の設置状態とを示す略示縦断面図。
【図5】シールドトンネルにおける止水壁の設置作業部分の略示縦断端面図。
【図6】従来の止水壁による不透水性土層間の遮水減圧を示す略示縦断面図。
【図7】従来の薬液注入による不透水性土層間の遮水減圧を示す略示縦断面図。
【符号の説明】
11 帯水層
11a 止水壁内側の帯水層
12 上層の不透水性土層
13 下層の不透水性土層
14 止水壁
15 地下構造物
17 立坑
18 シールドトンネル
27 減圧パイプ
28 水圧計
Claims (1)
- 地下構造物周辺の地中の帯水層より上層の不透水性土層の上方にシールドトンネルを環状に設け、そのシールドトンネルから帯水層の下層の不透水性土層まで止水壁を設置して、不透水性土層間の帯水層の遮水を行ったのち、止水壁内の帯水層にシールドトンネル内部から減圧パイプを挿入し、その減圧パイプにより遮水された帯水層の水量を低減して地下構造物の浮力の減圧を行うことを特徴とする不透水性土層間の遮水減圧方法。
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JP14935096A JP3579808B2 (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | 不透水性土層間の遮水減圧方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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JP5463872B2 (ja) * | 2009-11-20 | 2014-04-09 | 株式会社大林組 | 地中熱交換システム |
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1996
- 1996-06-11 JP JP14935096A patent/JP3579808B2/ja not_active Expired - Fee Related
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