JP3579364B2 - デジタルテレビジョン放送受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタルテレビジョン放送受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル放送では、さまざまな形態の多チャンネル放送が行なわれている。従来のアナログ放送では、番組と関連した情報(たとえば番組のタイトル)などは放送において送信されていなかったが、デジタル放送ではこのような情報が送信される。
【0003】
アナログ放送では、ユーザが深夜にテレビジョンを見たまま寝てしまったときのように、ユーザが視聴をしていないのにテレビジョンの電源が入っている場合において、選局されているチャンネルで放送が休止となったときには映像の同期信号がなくなる。そこで、アナログ放送を受信する受信機として、受信映像の同期信号がなくなった後、一定時間の間、ユーザによって操作が行なわれなかったときには、CRTの電源を切断するとともに、テレビジョンの電源を待機状態とすることによって、省電力を図るものが開発されている。
【0004】
デジタル放送において、チューナが放送波キャリアを捕捉しているかいないかだけではその見ているチャンネルが放送休止中になったと判定することはできない。それは、1トランスポンダに数チャンネルの放送が行われており、そのトランスポンダで送信されているチャンネルのすべてが同時に放送休止にならない限り、送信側で放送波キャリアの送出を止めることはないからである。
【0005】
通常、放送波キャリアがなくなった場合には、特に衛星放送では、降雨によって減衰したなどと判断される。また、番組タイトルが「放送休止」、「放送休止中」となる放送休止状態もありうる。このままであれば、ユーザが電源を切らずにいた場合、実際にそのチャンネルで放送休止となったときに、アナログ放送と同じような省電力機能を実現できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、現在選局されているチャンネルの放送が休止中となった後、一定時間の間、ユーザ操作がなかったときに、省電力動作を行なうことができるデジタルテレビジョン放送受信機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明による第1のデジタルテレビジョン放送受信機は、アンテナで受信された放送波の受信レベルが所定レベル以上であるかどうかを判定する受信レベル判定手段と、現在選局中のチャンネルにおいて放送が休止中となっているか否かを判定する第1手段、現在選局中のチャンネルにおいて放送が休止中となっていると判定したときには、この後所定時間の間、操作部から入力があるか否かを監視する第2手段、および所定時間の間、操作部から入力がなかったときには、省電力化処理を行う第3手段を備えており、第1手段は、受信レベル判定手段において放送波の受信レベルが所定レベル以上であると判定されているにも係らず、映像・音声の提示に必要な情報が取得できないときに、現在選局中のチャンネルにおいて放送が休止中となっていると判定するものであることを特徴とする
【0008】
この発明による第2のデジタルテレビジョン放送受信機は、現在選局中のチャンネルにおいて放送が休止中となっているか否かを判定する第1手段、現在選局中のチャンネルにおいて放送が休止中となっていると判定したときには、この後所定時間の間、操作部から入力があるか否かを監視する第2手段、および所定時間の間、操作部から入力がなかったときには、省電力化処理を行う第3手段を備えており、第1手段は、映像・音声の提示に必要な情報が取得できているにも係らず、現在選局中の番組に対する番組情報中の番組タイトルが放送休止中であることを表現しているときに、現在選局中のチャンネルにおいて放送が休止中となっていると判断するものであることを特徴とする。
【0009】
省電力化処理では、たとえば、表示装置の電源が切断される。あるいは、省電力化処理では、たとえば、受信機自体が省電力モードとされる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、デジタルテレビジョン放送受信機の構成を示している。
【0012】
放送波は、アンテナを介してチューナ1に送られ、高周波処理および復調が行われる。チューナ1からの出力はトランスポートストリーム分離部(以下、TS分離部という)2に送られ、パケットの復号が行われる。
【0013】
TS分離部2において、パケットは、MPEGデータと、番組案内情報等の付属情報とに分別される。TS分離部2によって分離されたMPEG映像データは、映像処理部(映像デコード部)4に送られる。TS分離部2によって分離されたMPEG音声データは、音声処理部(音声デコード部)6に送られる。TS分離部2によって分離された付属情報は、メモリ11に格納される。
【0014】
CPU10には、リモコン送信機14からのリモコン信号が図示しないリモコン受光器を介して入力される。CPU10は、メモリ11、不揮発性メモリ13およびICカード15を備えている。CPU10は、モデム16を介して電話回線9に接続されている。
【0015】
CPU10は、チューナ1およびTS分離部2に選局のための情報等を送る。また、CPU10は、番組案内画面、各種設定画面などをオンスクリーン表示させるためのOSD制御信号を、オンスクリーン生成部3に送る。オンスクリーン生成部3は、番組案内画面、各種設定画面等の表示データを生成して、マルチプレクサ5に送る。
【0016】
映像処理部4は、TS分離部2から送られきたMPEG映像データを復調して、マルチプレクサ5に送る。マルチプレクサ5は、映像処理部4から出力された映像データにオンスクリーン生成部3から送られてきた表示データをスーパーインポーズ処理して、CRT(映像出力部)7に送る。
【0017】
音声処理部6は、TS分離部2から送られきたMPEG音声データを復調して、スピーカ(音声出力部)8に送る。
【0018】
この実施の形態では、CPU10は、現在選局されているチャンネルの放送が休止中であるか否かを判定し、休止中であると判定した後一定時間の間、ユーザ操作がなかったときに、省電力化処理を行なう。この実施の形態では、現在選局されているチャンネルの放送が休止中であるか否かを2種類の異なる判定方法を用いて判定している。
【0019】
まず、第1の放送休止中判定方法を用いた省電力化処理について説明する。
【0020】
図2は、番組スケジュール取得処理手順を示している。
【0021】
CPU10は、TS分離部2に番組スケジュール取得命令を出力する(ステップ1)。TS分離部2はこの命令を受信すると、番組スケジュールを取得するための処理を実行する。
【0022】
番組スケジュールがTS分離部2によって取得されると(ステップ2)、取得された番組スケジュールをメモリ11に保存する(ステップ3)。
【0023】
このような処理が繰り返し実行されることにより、番組スケジュールが更新された場合には、その都度更新された内容がメモリ11に格納される。
【0024】
図3は、映像音声再生処理手順を示している。
【0025】
放送を受信中、映像と音声を提示するためにCPU10がトランスポートストリーム分離部2に、プログラム関連テーブル(PAT)およびプログラム・マップ・テーブル(PMT)の取得命令を出力するとともに所定時間T1の計時を開始する(ステップ11)。この取得指令に基づいて、トランスポートストリーム分離部2は、トランスポートストリーム中のPATおよびPMTを取得するための処理を実行する。
【0026】
所定時間T1が経過する前に、PATおよびPMTが取得されると(ステップ12でYES)、CPU10は、トランスポートストリーム分離部2によって取得されたPATおよびPMTを利用して、選択されているチャンネルに属する映像および音声のストリームを判別するPIDを認識して、トランスポート分離部2に映像用ストリームおよび音声用ストリームのPIDを設定する(ステップ14)。
【0027】
これにより、映像用ストリームおよび音声用ストリームがトランスポート分離部2によって取得され、映像および音声が再生される(ステップ15)。つまり、トランスポート分離部2によって取得された映像用ストリームは、映像処理部4および映像出力部7によって再生される。また、トランスポート分離部2によって得られた音声用ストリームは、音声処理部6および音声出力部8によって再生される。
【0028】
上記ステップ11の後、PATおよびPMTが取得されることなく、所定時間T1が経過した場合には(ステップ13でYES)、第1の放送休止中判定処理に移行する。
【0029】
所定時間T1は、次のような値に設定される。ストリーム中のPATおよびPMTは数百ミリ秒から数秒間隔で再送される。T1は、この再送の周期以上の値に設定される。
【0030】
送信側において、あるチャンネルの放送を休止するときに、ストリーム中のそのチャンネルのPATあるいはPMTのどちらか、あるいは両方の送出を止めてしまう場合がある。このようにPATあるいはPMTのいずれかまたは両方の送出が止められたことを検知したときに、放送休止中かどうかを判定するための第1の放送休止中判定処理に移行するようにしている。
【0031】
図4は、第1の放送休止中判定処理手順を示している。
【0032】
第1の放送休止中判定処理では、まず、放送波キャリアがある一定レベル以上で存在しているか否かを判定する(ステップ21)。この判定は、チューナー1で放送キャリアが捕捉されかつアンテナレベルが十分であるか否かを判定することによって行なわれる。放送波キャリアがある一定レベル以上で存在していない場合には、今回の第1の放送休止中判定処理は終了する。つまり、通常通りの動作を行なうことになる。この理由は、上記ステップ12において、PATあるいはPMTを取得できなかったのは、放送波キャリアがある一定レベル以上で存在していないことに起因している可能性が高いからである。
【0033】
放送波キャリアがある一定レベル以上で存在している場合には、メモリ11内に保持されている番組スケジュール情報に基づいて、現在選局しているチャンネルにおいて、現在時刻において放送されるべき番組が存在している否かを判定する(ステップ22)。現在選局しているチャンネルにおいて、現在時刻において放送されるべき番組が存在していると判定した場合には、今回の第1の放送休止中判定処理は終了する。
【0034】
現在選局しているチャンネルにおいて、現在時刻において放送されるべき番組が存在してないと判定された場合には、現在選局しているチャンネルにおいて、放送が休止中であると判断して、所定時間T2の計時を開始する(ステップ23)。
【0035】
そして、所定時間T2の計時を開始してから所定時間T2が経過するまでに、リモコン送信機14からの入力があれば(ステップ24でYES)、今回の第1の放送休止中判定処理は終了する。
【0036】
所定時間T2の計時を開始してから、リモコン送信機14からの入力がないまま、所定時間T2が経過したときには(ステップ25でYES)、省電力化処理に移行する。
【0037】
図5は、省電力化処理手順を示している。
【0038】
省電力化処理では、まず、CRT7の電源を切る(ステップ31)。続いて、受信機自体を省電力モード(待機モード)にさせる(ステップ32)。なお、省電力化処理において、上記ステップ31およびステップ32の処理のうち、いずれか一方の処理のみを行なうようにしてもよい。
【0039】
次に、第2の放送休止中判定方法を用いた省電力化処理について説明する。
ところで、所定の番組について、PAT、PMTが存在するにも係わらず、その番組の放送が休止中である場合がある。このような番組の中には、放送休止中のときに、番組タイトル名を「放送休止」または「放送休止中」とするものがある。
【0040】
第2の放送休止中判定方法を用いた省電力化処理では、現在選局されている番組のタイトルが「放送休止」または「放送休止中」で有るか否かによって、そのチャンネルの放送が休止中であるか否かを判定し、休止中であると判定した後一定時間の間、ユーザ操作がなかったときに、省電力化処理を行なう。
【0041】
図6は、第2の放送休止中判定処理手順を示している。
【0042】
第2の放送休止中判定処理は、所定時間毎に実行される。
【0043】
まず、メモリ3に格納されているスケジュール情報から、現在選局中の番組のタイトルを抽出する(ステップ41)。そして、現在選局中の番組のタイトルが「放送休止」または「放送休止中」であるであるか否かを判定する(ステップ42、43)。現在選局中の番組のタイトルが「放送休止」および「放送休止中」のいずれでもない場合には、今回の第2の放送休止中判定処理は終了する。つまり、通常通りの動作を行なうことになる。
【0044】
現在選局中の番組のタイトルが「放送休止」または「放送休止中」である場合には(ステップ42または43でYES)、現在選局しているチャンネルにおいて、放送が休止中であると判断して、所定時間T2の計時を開始する(ステップ44)。
【0045】
そして、所定時間T2の計時を開始してから所定時間T2が経過するまでに、リモコン送信機14からの入力があれば(ステップ45でYES)、今回の第2の放送休止中判定処理は終了する。
【0046】
所定時間T2の計時を開始してから、リモコン送信機14からの入力がないまま、所定時間T2が経過したときには(ステップ46でYES)、省電力処理に移行する。省電力処理は、図5で説明したものと同じである。
【0047】
上記実施の形態によれば、デジタルテレビジョン放送受信機として以下の機能を提供できることになる。
【0048】
(1)デジタルテレビジョン放送受信機において、映像や音声を出力するための情報である、PATあるいはPMTを取得できなくなったときに、アンテナレベルと番組スケジュールを用いて、放送休止中を判定する。そして、放送休止中と判定した後、ある一定時間の間、ユーザが操作を行わなかった場合には、テレビジョンのCRTの電源を切る、あるいは受信機を省電力モードにすることにより、ユーザがテレビジョン受信機の電源の切り忘れ等に対して、無駄な電力の消費を行わないことが可能となる。
【0049】
(2)また、デジタルテレビジョン放送の受信機において、現在番組の情報において番組のタイトルが「放送休止」または「放送休止中」のなってから、ある一定時間の間、ユーザが操作を行わなかった後、テレビジョンのCRTの電源を切る、あるいは、受信機が省電力モードになることにより、ユーザがテレビジョン受信機の電源の切り忘れ等に対して、無駄な電力の消費を行わないことが可能となる。
【0050】
【発明の効果】
この発明によれば、現在選局されているチャンネルの放送が休止中となった後、一定期間内にユーザ操作がなかったときに、省電力動作を行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタルテレビジョン放送受信機の構成を示すのブロック図である。
【図2】番組スケジュール取得処理手順を示すフローチャートである。
【図3】映像音声再生処理手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の放送休止中判定処理手順を示すフローチャートである。
【図5】省電力処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第2の放送休止中判定処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 チューナー
2 TS分離部
10 CPU
11 メモリ
Claims (4)
- アンテナで受信された放送波の受信レベルが所定レベル以上であるかどうかを判定する受信レベル判定手段と、
現在選局中のチャンネルにおいて放送が休止中となっているか否かを判定する第1手段、
現在選局中のチャンネルにおいて放送が休止中となっていると判定したときには、この後所定時間の間、操作部から入力があるか否かを監視する第2手段、および
所定時間の間、操作部から入力がなかったときには、省電力化処理を行う第3手段を備えており、
第1手段は、受信レベル判定手段において放送波の受信レベルが所定レベル以上であると判定されているにも係らず、映像・音声の提示に必要な情報が取得できないときに、現在選局中のチャンネルにおいて放送が休止中となっていると判定するものであることを特徴とするデジタルテレビジョン放送受信機。 - 現在選局中のチャンネルにおいて放送が休止中となっているか否かを判定する第1手段、
現在選局中のチャンネルにおいて放送が休止中となっていると判定したときには、この後所定時間の間、操作部から入力があるか否かを監視する第2手段、および
所定時間の間、操作部から入力がなかったときには、省電力化処理を行う第3手段を備えており、
第1手段は、映像・音声の提示に必要な情報が取得できているにも係らず、現在選局中の番組に対する番組情報中の番組タイトルが放送休止中であることを表現しているときに、現在選局中のチャンネルにおいて放送が休止中となっていると判断するものであることを特徴とするデジタルテレビジョン放送受信機。 - 上記省電力化処理は、表示装置の電源を切断するものである請求項1及び2のいずれかに記載のデジタルテレビジョン放送受信機。
- 上記省電力化処理は、受信機自体を省電力モードとさせるものである請求項1及び2のいずれかに記載のデジタルテレビジョン放送受信機。
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