JP3579250B2 - クライオポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造工程等での高真空圧の生成に供されるクライオポンプに係り、特に、再生用のヒータを装備したクライオポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造ラインの各種処理装置等には、処理空間を高真空圧状態に維持するべく、機械式真空ポンプ(以下、粗引ポンプと記す)と伴にクライオポンプが付設されている。クライオポンプは、粗引ポンプにより粗引きされた処理空間内を排気して真空圧を更に高めるもので、極低温をつくりだす冷凍機、冷凍機のコールドシリンダに保持されたコールドパネル、コールドパネルの表面に粘着された活性炭、コールドシリンダやコールドパネルを収納する真空チャンバ等から構成されている。クライオポンプによる排気は、極低温に冷却したコールドパネルの表面に気体分子を凝縮・固化させたり、活性炭の吸着面に気体分子を吸着させることにより行われる。
【0003】
さて、クライオポンプでは、長時間に亘る排気運転を行った場合、コールドパネルの表面や活性炭の吸着面への気体分子の凝縮や吸着が徐々に進行し、排気効率が低下して終には排気が殆ど行えなくなる。そのため、凝縮或いは吸着した気体分子を放出させる再生作業を適宜行う必要があり、その際には、真空チャンバ内に再生ガス(一般には、窒素ガス)を導入すると共に、コールドパネルやコールドシリンダの温度を常温近くまで上昇させることになる。
【0004】
ところで、クライオポンプでは、排気運転中にコールドシリンダ等の温度が極低温(20K程度)となり、常温(25℃(=298K)程度)との温度差は非常に大きく(280K程度)なる。したがって、常温の再生ガスを導入するだけで昇温させた場合、再生作業を開始してから気体分子が放出されるまでに長時間を要するため、半導体製造ラインも長時間に亘って休止せざるを得ず、生産効率の低下を余儀なくされていた。
【0005】
そこで、特表平4−501751号公報等には、コールドシリンダにヒータを装着し、このヒータと真空チャンバの外部に設けた電源とを電線により接続した装置が開示されている。この装置では、再生作業時にヒータに通電を行うことで、コールドシリンダが常温まで速やかに加熱され、再生作業時間が大幅に短縮される。
【0006】
また、上記公報記載の発明では、冷凍機の第1コールドヘッド(50)に設置されたラジエーションシールド(64)と、冷凍機の第2コールドヘッド(54)に設置された取付台(73)とに、ヒータの第1加熱部と第2加熱部とが、それぞれの端面を接触させた状態で取り付けられると共に、上記ヒータは、第1加熱部と第2加熱部との間において、2回それぞれほぼ直角に折り曲げ加工されて構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、ヒータが第1加熱部と第2加熱部との間において、2回それぞれほぼ直角に曲げ加工されていることから、ヒータの製造が容易ではなく、しかも、取付・取り外しも煩雑となってしまう。
【0008】
また、上記ヒータが第1及び第2加熱部の端面において冷凍機に取り付けられていることから、伝熱面積が小さく、再生運転時にヒータから冷凍機への伝熱が不充分となって信頼性に欠ける。ヒータから冷凍機への充分な伝熱を確保するためには、ヒータを耐熱温度付近まで高温としなければならない場合があり、ヒータの寿命が短くなるおそれがある。
【0009】
上述の事情を考慮して、請求項1、3に記載の発明の課題は、ヒータの製造および取り付け・取り外しを容易化できるクライオポンプを提供することにあり、請求項2、乃至5に記載の発明の課題は、ヒータからの充分な伝熱を確保してヒータの高信頼性及び長寿命化を達成できるクライオポンプを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、真空チャンバ内にコールドシリンダが配設され、長手方向に所定距離離れた第1加熱部と第2加熱部とが上記コールドシリンダに取り付けられるヒータを備えたクライオポンプにおいて、上記ヒータは、長尺筒形状のヒータパイプと、上記第1及び第2加熱部の対応位置において上記ヒータパイプの内側に配置された加熱コイルと、上記第1及び第2加熱部の対応位置において上記ヒータパイプの外周面に固着された熱伝導性の良好な伝熱部材と有してなり、この伝熱部材の外側面を上記コールドシリンダに接触させた状態で、上記ヒータが上記コールドシリンダに取り付けられたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2記載の発明は、真空チャンバ内にコールドシリンダが配設され、長手方向に所定距離離れた第1加熱部と第2加熱部とが上記コールドシリンダに取り付けられるヒータを備えたクライオポンプにおいて、上記ヒータは、長尺筒形状のヒータパイプと、上記第1及び第2加熱部の対応位置において上記ヒータパイプの内側に配置された加熱コイルと、上記第1及び第2加熱部の対応位置において上記ヒータパイプの外周面に固着された熱伝導性の良好な伝熱部材と有してなり、上記ヒータパイプにおける上記第1加熱部から上記第2加熱部へ至る形状が直線形状に形成されるとともに、上記伝熱部材の外側面を上記コールドシリンダに接触させた状態で、上記ヒータが上記コールドシリンダに取り付けられたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記伝熱部材には、その長手方向に切欠部が形成されたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、上記ヒータのヒータパイプ一端部には、上記ヒータを真空チャンバに取り付けるためのヒータフランジが形成されるとともに、発熱部から延びる電線をシールする封止部が設けられ、この封止部を覆うようにして上記ヒータフランジに気密に密封部材が設置されたことを特徴とするものである。
【0015】
ヒータの第1加熱部から第2加熱部へ至る形状が直線形状に形成されたので、第1加熱部と第2加熱部との間で2回、ほぼ直角に曲げ加工される場合に比べ製造が容易になると共に、ヒータの第1及び第2加熱部をコールドシリンダに取り付け、又は取り外す作業を容易化できる。
【0017】
ヒータは、第1及び第2伝熱部において、熱伝導性の良好な伝熱部材の外側面をコールドシリンダに接触させ伝熱面積を増大させて、このコールドシリンダに取り付けられることから、ヒータとコールドシリンダとの間で熱抵抗を低減できる。この結果、ヒータからコールドシリンダへ充分な伝熱を確保でき、ヒータを耐熱温度以上に高温化させる必要がないので、ヒータの信頼性を高めることができると共に長寿命化も達成できる。
【0019】
ヒータパイプが第1加熱部から第2加熱部へ至る形状を直線形状としたので、第1及び第2加熱部に対応するヒータパイプの外周面に、加熱部材を挿入して容易に取り付けることができる。
【0021】
伝熱部材に切欠部が形成されたので、この切欠部を通して、ヒータパイプの外周面と伝熱部材の内周面との間に溶融ロウ材等の溶接材を流し込むことができる。その際、切欠部が伝熱部材の長手方向に形成されたので、伝熱部材の内周面のほぼ全域に溶接材を表面張力により回し込むことができるので、ヒータパイプと伝熱部材との間の熱伝導を良好にできる。
【0023】
ヒータのヒータパイプ一端部から取り出される電線が、上記ヒータパイプ一端部の封止部と密封部材とにより二重に密封されたことから、大気中の水分が電線の表面を通ってヒータパイプ内部へ侵入することを確実に防止でき、この結果、ヒータの絶縁不良を回避できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本発明に係るクライオポンプの一実施の形態を示す側断面図である。
【0026】
図1に示すように、本実施形態のクライオポンプ1は、ギフォード・マクマホーンサイクルを用いた極低温用の冷凍機3や円筒状の真空チャンバ5等からなっており、半導体ウエーハ製造ラインの真空処理槽7の下面に付設されている。図1中、9はゲートバルブであり、摺動式の弁体11により真空処理槽7とクライオポンプ1との連通を遮断する。
【0027】
冷凍機3は、真空チャンバ5の下面に締結されたボディ15、真空チャンバ5内に配置されたコールドシリンダ17、コールドシリンダ17内を軸方向に摺動するディスプレーサ19、クランク機構(不図示)等を介してディスプレーサ19を駆動する電動機25等から構成されている。
【0028】
冷凍機3のボディ15は、冷媒導入管27と冷媒排出管29とを介して、図示しないコンプレッサユニットに接続されており、冷媒であるヘリウムガスが冷凍機3とコンプレッサユニットとの間で循環する。また、真空チャンバ5は、粗引配管31を介して図示しない粗引ポンプに接続しており、この粗引ポンプにより真空チャンバ5の粗引きが行われる。
【0029】
コールドシリンダ17には、上下方向の略中間位置に比較的マスの大きい第1コールドヘッド33が形成され、上端に比較的マスの小さい第2コールドヘッド35が形成されている。第1コールドヘッド33の上端には、上方に開口したラジエーションシールド37が取り付けられている。ラジエーションシールド37は、真空チャンバ5より若干小径の円筒状に形成されており、真空チャンバ5の上端近傍まで延設された開口部の内側に複数枚のバッフルリング39を保持している。
【0030】
また、第2コールドヘッド35の上端には、下方に開口したコールドパネルホルダ41が取り付けられている。コールドパネルホルダ41は、コの字形断面に形成されており、その上端面及び側面に複数枚のコールドパネル43を保持している。コールドパネル43には、最も上方に位置するものを除き、その上面に活性炭45が粘着されている。
【0031】
一方、真空チャンバ5は、コールドシリンダ17やラジエーションシールド37等を収納する胴部51と、ゲートバルブ9に締結されるチャンバフランジ53と、冷凍機3のボディ15に締結される底板68とからなっている。胴部51には、図示しない再生ガス供給源に接続した再生ガス導入管57が接続・開口すると共に、図示しない排気処理装置に接続した再生ガス排出管59が貫通している。再生ガス導入管57は、ラジエーションシールド37内に開口している。
【0032】
上記真空チャンバ5内には、コールドシリンダ17に着脱自在に取り付けられたヒータとしてのシースヒータ60が設置される。このシースヒータ60は、図6(A)に示すように、ヒータパイプ61、発熱コイル62、ヒータフランジ63、及び伝熱部材としてのヒータカバー64を有して構成される。
【0033】
ヒータパイプ61は、長尺円筒形状のステンレス鋼管から構成される。発熱コイル62は、ヒータパイプ61において、その長手方向に所定距離離れた第1加熱部65と第2加熱部66との内側に設置される。そして、ヒータパイプ61は、ヒータ電線67(図5)を介して図示しない電源装置に接続され、通電により発熱する。
【0034】
ヒータフランジ63は、ヒータパイプ61において、発熱コイル62に接続された上記ヒータ電線67が取り出される側の一端部(図6(A)の下端部)に溶接またはロウ付け等により一体に固着される。このヒータフランジ63はステンレス鋼製であり、後述の如くヒータパイプ61を真空チャンバ5の底板68に着脱自在に固定するものである。
【0035】
ここで、ヒータパイプ61の第2加熱部66側端部(図6(A)の上端部)に、図6(B)に示す蓋板69が溶着され、ヒータフランジ63側端部に、ヒータ電線67を封止するガラスまたはセラミックの封止部70(図5)が設けられて、シースヒータ60は密封構造に構成される。また、図6(A)に示すように、ヒータパイプ61は、第2加熱部66から第1加熱部65へ至る形状が直線形状に形成され、この第1加熱部65からヒータフランジ63取付部へ向かって、直角以上の角度で緩やかに2回、互いに反対方向に湾曲加工されて構成される。
【0036】
上記ヒータカバー64は、例えば、銅等の熱伝導性の良好な材質から直管形状に形成される。このヒータカバー64は、ヒータパイプ61の第2加熱部側端部から挿入され、第1加熱部65及び第2加熱部66に対応する位置においてヒータパイプ61の外周面に固着される。このヒータカバー64には、図6(A)及び(C)に示すように、長手方向全長に亘って切欠部としてのスリット71が形成され、このスリット71に溶融ロウが流し込まれる。この溶融ロウが、ヒータパイプ61の外周面とヒータカバー64の内周面との間に隙間無く回り込むことにより、上記ヒータカバー64がヒータパイプ61に確実に固着される。図4中の符号50が、固化したロウ材を示す。
【0037】
上述のようにして構成されたシースヒータ60は、図1に示すように、真空チャンバ5の底板68に形成された挿入孔77(図5)から真空チャンバ5内へ挿入され、第1加熱部65がコールドシリンダ17の第1コールドヘッド33に、第2加熱部66がコールドシリンダ17の第2コールドヘッド35に、ヒータフランジ63が真空チャンバ5の底板68にそれぞれ着脱自在に取り付けられる。
【0038】
つまり、第1加熱部65及び第2加熱部66は同様な構造で取り付けられ、従って、図2から図4では第1加熱部65の取付構造を代表して示す。シースヒータ60の第1加熱部65を第1コールドヘッド33に取り付けるクランプ73と上記第1コールドヘッド33とには、図3及び図4に示すように、第1加熱部65を係合する係合凹部74、75がそれぞれ形成される。これらの係合凹部74及び75は、その深さが第1加熱部65の半径とほぼ等しくなる寸法に設定されている。そして、第1加熱部65におけるヒータカバー64の外周にガスケット72を巻き付け、このガスケット72が巻き付けられた第1加熱部65をクランプ73の係合凹部74と第1コールドヘッドの係合凹部75に係合させ、固定スクリュー76にてクランプ73を第1コールドヘッド33に固定することにより、シースヒータ60の第1加熱部65をコールドシリンダ17の第1コールドヘッド33に着脱自在に取り付ける。
【0039】
前述の如く、シースヒータ60の第2加熱部66をコールドシリンダ17の第2コールドヘッド35に取り付ける場合も、上述の第1加熱部65の取付と同様に実施される。これにより、第1加熱部65、第2加熱部66のヒータカバー64は、そのヒータカバー外側面64Aがガスケット72を介してコールドシリンダ17の第1コールドヘッド33、第2コールドヘッド35に接触状態となる。
【0040】
ここで、上記ガスケット72は、インジウム箔等の軟質薄膜材にて構成され、シースヒータ60における第1加熱部65及び第2加熱部66の取付時に、ヒータカバー64の外表面と、クランプ73の係合凹部74、第1コールドヘッド33、第2コールドヘッド35の係合凹部75の内表面とにそれぞれ存在する凹凸を埋めて、ヒータカバー64、クランプ73及び第1,第2コールドヘッド33,35の伝熱面積を増大させる。
【0041】
また、図1に示すように、ヒータフランジ63には周方向の複数位置に、固定スクリュー78が螺装されて、ヒータフランジ63が真空チャンバ5の底板68に取り付けられる。図5に示すように、このヒータフランジ63と底板68との間にOリング79などのシール材が介装されて、真空チャンバ5内が気密に保持され、真空チャンバ5内の高真空圧が確保される。
【0042】
上記ヒータフランジ63の下面には、封止部70を内包する密封部材としての密封ケース80が取り付けられる。この密封ケース80は、略円筒形状でケースフランジ81を有し、このケースフランジ81とヒータフランジ63との間にOリング82などのシール材が介装される。ケースフランジ81が周方向の複数箇所で固定スクリュー83によりヒータフランジ63に着脱自在に固定されて、密封ケース80は、ヒータフランジ63の封止部70を覆うようにしてヒータフランジ63に取り付けられる。上記Oリング82が気密部材として機能することから、シースヒータ60からのヒータ電線67の取り出し部分は、封止部70及び密封ケース80により二重に密封され、ヒータ電線67の表面を通って大気中の水分等がシースヒータ60内へ侵入することが防止される。
【0043】
以下、本実施形態の作用を述べる。
【0044】
半導体ウエーハのスパッタリング処理等にあたっては、不要な気体分子が半導体ウエーハの表面に付着することを防止するべく、真空処理槽7内が高真空圧状態にされる。先ず、真空チャンバ5を粗引ポンプにより粗引きすることで、10−2Torr程度の真空圧が得られる。尚、この時点では、ゲートバルブ9により、真空チャンバ5と真空処理槽7との連通が遮断されている。
【0045】
次に、クライオポンプ1の冷凍機3を駆動し、コンプレッサから供給された高圧ヘリウムガスをコールドシリンダ17内で繰り返し断熱膨張させる。すると、ディスプレーサ19内の蓄冷材が徐々に冷却され、コールドシリンダ17の温度が低下する。そして、第1コールドヘッド33の温度が80K程度になり、第2コールドヘッド35の温度が15K程度になったら、ゲートバルブ9を開放して真空チャンバ5と真空処理槽7とを連通させる。この際、真空処理槽7は、図示しない粗引ポンプにより、クロスオーバ圧以下に粗引きされている。
【0046】
真空チャンバ5と真空処理槽7とが連通されると、真空処理槽7内の気体分子がラジエーションシールド37内で凝縮あるいは吸着され、高真空圧が得られる。すなわち、水等の凝縮温度の高い気体分子はバッフルリング39やラジエーションシールド37の表面で霜状に凝縮・固化し、また、アルゴンや酸素、窒素等の気体分子はコールドパネル43の表面で霜状に凝縮・固化する。また、ヘリウムや水素、ネオン等の気体分子は、コールドパネル43に粘着された活性炭45に吸着される。これにより、真空処理槽7では、10−9Torr程度の高真空圧が得られる。
【0047】
一方、クライオポンプ1による排気を連続して行うと、バッフルリング39やコールドパネル43等の表面が凝縮した気体分子によって覆われ、排気効率が低下して高真空圧が得られなくなる。そこで、第2コールドヘッド35の温度が所定値以下に低下しなくなったり、所定の真空圧が得られなくなると、クライオポンプ1の再生が行われる。
【0048】
再生にあたっては、真空チャンバ5および真空処理槽7間の連通をゲートバルブ9により遮断した後、シースヒータ60内の発熱コイル62に通電を行い、第1、第2コールドヘッド33、35を加熱する。すると、バッフルリング39やコールドパネル43等に凝縮していた気体分子が気化するため、この気体分子を再生ガス導入管57から導入した再生ガスと共に再生ガス排出管59から排出する。
【0049】
上記実施の形態によれば、次の効果▲1▼〜▲5▼を奏する。
【0050】
▲1▼シースヒータ60の第1加熱部65から第2加熱部66へ至る形状が直線形状に形成されたので、第1加熱部65と第2加熱部66との間で2回ほぼ直角に曲げ加工される場合に比べ製造が容易になると共に、シースヒータ60の第1加熱部65、第2加熱部66をコールドシリンダ17の第1コールドヘッド33、第2コールドヘッド35にそれぞれ取り付け、又は取り外す作業を容易化できる。
【0051】
▲2▼シースヒータ60は、第1加熱部65、第2加熱部66において、熱伝導性の良好なヒータカバー64の外側面64Aをコールドシリンダ17の第1コールドヘッド33、第2コールドヘッド35にそれぞれ接触させ、伝熱面積を増大させて、第1コールドヘッド33、第2コールドヘッド35にそれぞれ取り付けられることから、シースヒータ60とコールドシリンダ17の第1コールドヘッド33及び第2コールドヘッド35との間で熱抵抗を低減できる。この結果、シースヒータ60からコールドシリンダ17の第1コールドヘッド33及び第2コールドヘッド35へ充分な伝熱を確保でき、シースヒータ60を耐熱温度以上に高温化させる必要がないので、シースヒータ60の信頼性を高めることができると共に、その長寿命化も達成することができる。
【0052】
▲3▼シースヒータ60のヒータパイプ61が、第1加熱部65から第2加熱部66へ至る形状を直線形状としたので、第1加熱部65及び第2加熱部66に対応するヒータパイプ61の外周面に、ヒータカバー64を挿入して、このヒータカバー64をヒータパイプ61に容易に取り付けることができる。
【0053】
▲4▼シースヒータ60のヒータカバー64にスリット71が形成されたので、このスリット71を通して、ヒータパイプ61の外周面とヒータカバー64の内周面との間に溶融ロウ材を流し込むことができる。その際、スリット71がヒータカバー64の長手方向全長に形成されたので、ヒータカバー64の内周面のほぼ全域に溶融ロウ材を表面張力により回し込むことができるので、ヒータパイプ61とヒータカバー64との間の熱伝導を良好にできる。
【0054】
▲5▼シースヒータ60のヒータパイプ61の一端部から取り出されるヒータ電線67が、ヒータパイプ61の一端部の封止部70と密封ケース80とにより二重に密封されることから、大気中の水分がヒータ電線67の表面を通ってヒータパイプ61内部へ侵入することを確実に防止することができ、この結果、シースヒータ60の絶縁不良を回避できる。
【0055】
以上、一実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0056】
例えば、ヒータカバー64がパイプ形状のものを述べたが、ブロック形状に形成されても良い。また、このヒータカバー64は、ロウ付けの他、半田付けあるいは溶接によりヒータパイプ61に固着されても良い。さらに、ヒータカバー64は、熱伝導性の良好な物質をヒータパイプ61との間に介在させて、ヒータパイプ61に固着されてもよい。
【0057】
また、ヒータカバー64には、スリット71の代わりに、ヒータカバー64の長手方向に複数の貫通孔を点在させても良い。
【0058】
さらに、固定スクリュー78と固定スクリュー83を共通部品化して、シースヒータ60のヒータフランジ63と密封ケース80のケースフランジ81を真空チャンバ5の底板68に共締めしてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上のことから、本発明に係るクライオポンプによれば、ヒータの第1加熱部から第2加熱部へ至る形状が直線形状に形成されたので、ヒータの製造及び取り付け・取り外しを容易化できる。また、本発明に係るクライオポンプによれば、ヒータの第1及び第2加熱部の対応位置において、ヒータパイプの外周面に熱伝導性の良好な伝熱部材が固着され、この伝熱部材の外側面をコールドシリンダに接触させた状態で、ヒータがコールドシリンダに取り付けられたことから、クライオポンプを再生運転時にヒータからコールドシリンダへ充分な伝熱を確保でき、ヒータの高信頼性及び長寿命化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクライオポンプの一実施の形態を示す側断面図である。
【図2】図1のII部を拡大して示す拡大側面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図1のV部を破断して示す拡大断面図である。
【図6】(A)が図1のシースヒータを示す側面図であり、(B)が図6(A)のVIB部の拡大断面図であり、(C)が図6(A)のヒータカバーを示す平面図である。
【符号の説明】
1 クライオポンプ
5 真空チャンバ
17 コールドシリンダ
33 第1コールドヘッド
35 第2コールドヘッド
60 シースヒータ(ヒータ)
61 ヒータパイプ
62 発熱コイル
63 ヒータフランジ
64 ヒータカバー(伝熱部材)
64A 外側面
65 第1加熱部
66 第2加熱部
67 ヒータ電線
70 封止部
71 スリット(切欠部)
80 密封ケース

Claims (4)

  1. 真空チャンバ内にコールドシリンダが配設され、長手方向に所定距離離れた第1加熱部と第2加熱部とが上記コールドシリンダに取り付けられるヒータを備えたクライオポンプにおいて、
    上記ヒータは、長尺筒形状のヒータパイプと、上記第1及び第2加熱部の対応位置において上記ヒータパイプの内側に配置された加熱コイルと、上記第1及び第2加熱部の対応位置において上記ヒータパイプの外周面に固着された熱伝導性の良好な伝熱部材と有してなり、この伝熱部材の外側面を上記コールドシリンダに接触させた状態で、上記ヒータが上記コールドシリンダに取り付けられたことを特徴とするクライオポンプ。
  2. 真空チャンバ内にコールドシリンダが配設され、長手方向に所定距離離れた第1加熱部と第2加熱部とが上記コールドシリンダに取り付けられるヒータを備えたクライオポンプにおいて、
    上記ヒータは、長尺筒形状のヒータパイプと、上記第1及び第2加熱部の対応位置において上記ヒータパイプの内側に配置された加熱コイルと、上記第1及び第2加熱部の対応位置において上記ヒータパイプの外周面に固着された熱伝導性の良好な伝熱部材と有してなり、上記ヒータパイプにおける上記第1加熱部から上記第2加熱部へ至る形状が直線形状に形成されるとともに、上記伝熱部材の外側面を上記コールドシリンダに接触させた状態で、上記ヒータが上記コールドシリンダに取り付けられたことを特徴とするクライオポンプ。
  3. 上記伝熱部材には、その長手方向に切欠部が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のクライオポンプ。
  4. 上記ヒータのヒータパイプ一端部には、上記ヒータを真空チャンバに取り付けるためのヒータフランジが形成されるとともに、発熱部から延びる電線をシールする封止部が設けられ、この封止部を覆うようにして上記ヒータフランジに気密に密封部材が設置されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のクライオポンプ。
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