JP3579219B2 - 接触帯電装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される接触帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、画像顕像化する際、熱転写方式やバブルジェット、インクジェット方式等各種の方式が採用されている。このうち、最も多く使用されている方式はトナーと呼ばれる電荷担持体を帯電して紙等の被転写体へ転写定着する方式である。即ち、カールソンプロセスを代表として、感光体等の記録媒体に電荷を帯電してその帯電した記録媒体の電荷を光等で消去して原稿パターンを潜像形成し、そこにトナーと呼ばれる電荷担持体を載せて顕像化し、さらに紙等に転写定着することが行われている。
【0003】
この方式では、帯電、現像、転写、除電の各プロセスで電荷移動の現象があり、これを引き起こすためには、感光体や電荷担持体あるいは被転写体へ電荷発生移動を起こさせる必要がある。即ち、電荷担持体の授受をするために、帯電という電気的処理が行われる。
【0004】
そのためには、コロナ帯電、接触摩擦帯電、接触電荷注入、放射線による電離等の方法がある。
【0005】
従来から最もポピュラーに使用されているコロナ帯電法は、細線や針の電極に高圧の電界を印加して対向電極との間でコロナ放電を起こし、コロナイオンを被帯電部材に移動させて電荷を載せる方法である。
【0006】
この方法では、原理および装置共に非常に簡単であるが、空気中成分の酸素が体積百分比で約20%を占めている。このため、空気中におけるコロナ放電では、空気中の酸素がイオン化すると、オゾンO3 が発生する。このオゾンO3 は、大気上空では必要な分子でもオフィス環境では有害な物質であり、発生することは好ましくない。
【0007】
そこで、帯電部材と被帯電部材とを接触させて電荷注入する方法やパッシェンの法則を利用して至近距離で放電し、オゾンの発生を少なくする方法が利用され始めた。接触摩擦帯電及び接触電荷注入方式は現像ローラや帯電ローラとして使用されている。
【0008】
しかし、ローラ停止時に帯電部材が被帯電部材に接触することにより、ローラの低分子成分が析出転写されるので、被帯電部材が汚染され、その結果画像に異常が生じる等の問題があった。なお、放射線による電離は放射線の種類にも依るが、被爆防止が必要になり、現在のところ実用化されていない。
【0009】
そこで、最近では、接触帯電方式でも、帯電部材の表面を高抵抗にして被帯電部材である感光体との接触前後の微小空間中で放電させて感光体に電荷を供給する方式が採用されている。
【0010】
しかし、この接触帯電方式においても、基本原理はコロナ放電と同様にコロナイオンを発生させており、空気中放電ではオゾンO3 やノックスNOX は必然的に発生する。
【0011】
このNOX 成分は、吸湿性があり、この成分が感光体に付着すると像流れという異常画像が発生し、かつ感光体や帯電ローラに付着して両者の接触時に帯電ローラからの低分子成分が感光体へ移動付着するという問題があった。この移動付着により停止再開後の白抜けを引き起こす虞があることが判明している。
【0012】
そこで、本発明者は炭酸ガスに置換した雰囲気中での帯電方法を提案した。さらに、その置換した炭酸ガスが放電領域に長く留まることが可能な各種の方法を提案した。
【0013】
しかし、炭酸ガスの滞留時間を長くしても、炭酸ガスが逃げる流路が有るので、長期の間に外部空気との対流で空気と再び置換されてしまうという問題があった。
【0014】
この問題を解決すべく、本発明者は、放電領域に閉空間を形成し、この閉空間中を減圧して放電し易くするとともに、帯電効率も高めることができる減圧帯電方式を新たに提案した。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に帯電部材、被帯電部材ともに回転しており、これらが接するところで同方向の回転つまり帯電部材と被帯電部材とは逆方向に回転しているので、帯電部材と被帯電部材とに同時に1つの回転体で接触して閉空間を形成した場合には、帯電部材と被帯電部材との何れか一方に接するところで逆方向の回転つまり帯電部材と被帯電部材とは同方向に回転することになり、この同方向に回転する部材のトルクが増加するという問題があった。
【0016】
そこで、本発明は、トルクを増大することなく閉空間を形成することができるとともに、この閉空間中を減圧して放電し易くするとともに、帯電効率も高めることができる接触帯電装置を提供することをその目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明の接触帯電装置では、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される被帯電部材と、該被帯電部材を帯電する帯電部材と、前記被帯電部材および帯電部材とともに閉空間を形成する閉空間形成部材とを備え、該閉空間内の放電雰囲気ガスを減圧して被帯電部材を帯電させる接触帯電装置において、
前記閉空間形成部材は、前記被帯電部材と前記帯電部材との間の空間を閉空間にする偶数個の閉空間形成ローラで構成され、該偶数個の閉空間形成ローラは互いに線接触して一方は前記被帯電部材に線接触するとともに、他方は前記帯電部材に線接触しているように構成し、
前記被帯電部材、前記帯電部材、前記偶数個の閉空間形成ローラで囲まれる空間の両端に該空間を遮蔽する側板がそれぞれ設けられていることを特徴としている。この構成では、閉空間形成部材は、前記被帯電部材と前記帯電部材との間の空間を閉空間にする偶数個の閉空間形成ローラで構成されているので、被帯電部材と帯電部材とに接触しながら被帯電部材の回転方向、帯電部材の回転方向にそれぞれ順応した回転をさせることができ、被帯電部材および帯電部材の回転時のトルクを低減することができる。
【0018】
また、この構成では、偶数個の閉空間形成ローラは前記帯電部材および前記被帯電部材の一方側を区画するように配置されているので、帯電部材および前記被帯電部材の一方側に閉空間を形成した場合に、被帯電部材と帯電部材とに接触しながら被帯電部材の回転方向、帯電部材の回転方向にそれぞれ順応した回転をさせることができ、被帯電部材および帯電部材の回転時のトルクを低減することができる。
【0019】
また、請求項2の発明の接触帯電装置では、請求項1に記載の接触帯電装置において、前記帯電部材と前記被帯電部材とは互いに逆回転することを特徴としている。この構成では、帯電部材と前記被帯電部材とは互いに逆回転するようにしているので、被帯電部材と閉空間形成ローラとの間、閉空間形成ローラ同士の間、閉空間形成ローラと帯電部材との間の何れの間も順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを大幅に低減することができる。
【0020】
また、請求項3の発明の接触帯電装置では、請求項1に記載の接触帯電装置において、前記偶数個の閉空間形成ローラの内、帯電部材に接触する閉空間形成ローラは帯電部材と逆回転し、被帯電部材に接触する閉空間形成ローラは被帯電体と逆回転するするようにしていることを特徴としている。この構成では、帯電部材と前記被帯電部材とは互いに逆回転するので、被帯電部材と閉空間形成ローラとの間、閉空間形成ローラ同士の間、閉空間形成ローラと帯電部材との間、帯電部材と被帯電部材との間の何れの間も順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを大幅に低減することができる。
【0021】
また、請求項4の発明の接触帯電装置では、請求項1に記載の接触帯電装置において、前記偶数個の閉空間形成ローラは、隣り合う閉空間形成ローラが互いに逆回転するようにしていることを特徴としている。この構成では、閉空間形成ローラ同士に順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを低減することができる。
【0022】
また、請求項5の発明の接触帯電装置では、請求項1に記載の接触帯電装置において、前記偶数個の閉空間形成ローラの少なくとも1つが従動して連れ回りするようにしていることを特徴としている。この構成では、偶数個の閉空間形成ローラの少なくとも1つが従動して連れ回りするので、駆動の入力を低減できるとともに、駆動系の簡略化を図ることができる。
【0023】
また、請求項6の発明の接触帯電装置では、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される被帯電部材と、該被帯電部材を帯電する帯電部材と、前記被帯電部材および帯電部材とともに閉空間を形成する閉空間形成部材とを備え、該閉空間内の放電雰囲気ガスを減圧して被帯電部材を帯電させる接触帯電装置において、
前記閉空間形成部材は、前記被帯電部材と前記帯電部材との間の空間を閉空間にする偶数個の閉空間形成ローラで構成され、該偶数個の閉空間形成ローラは前記被帯電部材及び前記帯電部材の両側に振り分けてそれぞれが前記被帯電部材及び前記帯電部材に線接触しているように構成され、
前記被帯電部材、前記帯電部材、前記偶数個の閉空間形成ローラで囲まれる空間の両端に該空間を遮蔽する側板がそれぞれ設けられていることを特徴としている。この構成では、偶数個の閉空間形成ローラは前記帯電部材および前記被帯電部材の両方側をそれぞれ区画するように配置されているので、帯電部材および前記被帯電部材の両方側に閉空間を形成した場合に、被帯電部材と帯電部材とに接触しながら被帯電部材の回転方向、帯電部材の回転方向にそれぞれ順応した回転をさせることができ、被帯電部材および帯電部材の回転時のトルクを低減することができる。さらに、閉空間形成ローラの連れ回りが容易になるとともに、閉空間の密閉性を向上させることができる。
【0024】
また、請求項7の発明の接触帯電装置では、請求項6に記載の接触帯電装置において、前記帯電部材と前記被帯電部材とは同回転するとともに、前記帯電部材および前記被帯電部材の一方側を区画する閉空間形成ローラと他方側を区画する閉空間形成ローラとは、前記帯電部材および前記被帯電部材の回転方向とは逆方向に同回転するようにしていることを特徴としている。この構成では、被帯電部材と閉空間形成ローラとの間、閉空間形成ローラと帯電部材との間の何れの間も順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを大幅に低減することができる。
【0025】
また、請求項8の発明の接触帯電装置では、請求項7に記載の接触帯電装置において、前記閉空間形成ローラに、被帯電部材と帯電部材との間に印加される電圧の半分の電圧を印加していることを特徴としている。この構成では、閉空間形成ローラに、被帯電部材と帯電部材との間に印加される電圧の半分の電圧を印加しているので、閉空間形成ローラと、帯電部材または被帯電部材との間の放電が起こりにくくなり、帯電部材と被帯電部材との間の放電が安定して起こるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる接触帯電装置のローラの位置関係を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態に係わる接触帯電装置の正面図である。
【0027】
図1、3に示すように、この接触帯電装置は、被帯電部材であるドラム感光体2と、このドラム感光体2に接触してドラム感光体2を帯電する帯電部材である帯電ローラ1と、ドラム感光体2と帯電ローラ1との間の空間を側板5とともに遮蔽する閉空間形成部材である閉空間形成ローラ3、4とを備えている。なお、この側板5には放電雰囲気ガスを供給する穴が形成されている。
【0028】
前記ドラム感光体2の回転軸2aと、帯電ローラ1の回転軸1aと、第1閉空間形成ローラ3の回転軸3aと、第2閉空間形成ローラ4の回転軸4aとは互いに平行に配置されて線接触しているので、閉空間Sが形成されている。
【0029】
前記ドラム感光体2は、導電性支持体としてアルミニウム製ドラムを使用し、その表面を鏡面状に仕上げ、誘電物質である有機感光体(OPC)からなる感光層を導電性支持体の端部まで蒸着又は塗工して被覆することにより構成されている。この感光層は、本実施形態では、導電性支持体上に形成される電荷発生層(CGL)と、この電荷発生層上に積層される電荷移動層(CTL)からなる、いわゆるCTL上層系(積層型)である。
【0030】
また、感光層としては、導電性支持体上に形成された電荷移動層(CTL)と、この電荷移動層上に積層される電荷発生層(CGL)からなる、いわゆるCGL上層系(積層型)であってもよい。
【0031】
前記帯電ローラ1は、芯金を回転軸1aとするローラ状に形成され、上述したように、この帯電ローラ1の回転軸1aとドラム感光体2の回転軸2aとは平行に配置されている。また、帯電ローラ1とドラム感光体2とは、図示しない駆動装置により図中矢印の如く互いに逆回転するように構成されている。
【0032】
前記第1閉空間形成ローラ3は、芯金を回転軸3aとするローラ状に形成され、この第1閉空間形成ローラ3の回転軸3aとドラム感光体2の回転軸2aおよび帯電ローラ1の回転軸1aとは互いに平行に配置され、ドラム感光体2と第1閉空間形成ローラ3との間は線接触している。
【0033】
さらに、第2閉空間形成ローラ4は、芯金を回転軸4aとするローラ状に形成され、この第2閉空間形成ローラ4の回転軸4aと、第1閉空間形成ローラ3の回転軸3a、ドラム感光体2の回転軸2aおよび帯電ローラ1の回転軸1aとは互いに平行に配置されている。さらに、第2閉空間形成ローラ4とドラム感光体2との間、第2閉空間形成ローラ4と第1閉空間形成ローラ3との間は共に線接触している。そして、第1閉空間形成ローラ3と第2閉空間形成ローラ4とは、図示しない駆動装置により図中矢印の如く互いに逆回転するように構成されている。
【0034】
これらの4つの回転する部材、即ち帯電ローラ1,ドラム感光体2,第1閉空間形成ローラ3、第2閉空間形成ローラ4で囲まれる空間の両端にはそれぞれ側板5が配置され、3つの回転する部材、即ち帯電ローラ1,ドラム感光体2,第1閉空間形成ローラ3と側板5とで閉空間Sが形成されている。この閉空間Sの機密性を保持するためには各々の回転する部材、即ち帯電ローラ1,ドラム感光体2,第1閉空間形成ローラ3の表面が滑らかで漏れのないように接触している必要があり、回転に際して回転軸1a,2a,3aの平行度に優れ、各々の回転にムラがないことが必要である。
【0035】
さらに、回転に伴って隙間が生ずることがないように密着させるためには、回転体1,3が剛体ではなく弾性体であることが望ましい。
【0036】
以上の実施形態によれば、帯電ローラ1とドラム感光体2との間に閉空間形成ローラを2本設けたので、図1に示すように、帯電ローラ1の回転が反時計回りとすると、第2閉空間形成ローラ4が時計回りとなり、第1閉空間形成ローラ3が反時計回りとなる。したがって、ドラム感光体2に線接触する帯電ローラ1と第1閉空間形成ローラ3とはともに反時計回りとなるので、ドラム感光体2を時計回りとすることにより、接触面におけるトルク増を防止することができる。
【0037】
また、帯電ローラ1又はドラム感光体2の何れか一方を回転駆動した場合には、第1閉空間形成ローラ3、第2閉空間形成ローラ4等に駆動源を連結することなく従動させて連れ回りさせることができる。
【0038】
図2は本発明の第2の実施の形態に係わる接触帯電装置のローラの位置関係を示す図である。
この第2の実施形態で第1の実施形態と大きく異なる点は、各ローラの配置にある。即ち、第2の実施形態の接触帯電装置では、第1の実施例の如くドラム感光体2と帯電ローラ1との片側に設けるのではなく、ドラム感光体2と帯電ローラ1との両側に振り分けて第1閉空間形成ローラ3および第2閉空間形成ローラ4を配置したものである。換言すれば、ドラム感光体の回転軸と帯電ローラの回転軸とを含む面の両側に振り分けて第1閉空間形成ローラ3および第2閉空間形成ローラ4を配置し、第1閉空間形成ローラ3をドラム感光体2と帯電ローラ1とに線接触させるとともに、第2閉空間形成ローラ4をドラム感光体2と帯電ローラ1とに線接触させ、帯電ローラ1、ドラム感光体2、第1閉空間形成ローラ3、第2閉空間形成ローラ4で囲まれた空間を閉空間Sとしたものである。
【0039】
閉空間形成ローラが2本の場合には、第1閉空間形成ローラ3の直径と第2閉空間形成ローラ4の直径とは同一であることが望ましい。これにより第1閉空間形成ローラ3の接触面および第2閉空間形成ローラ4の接触面に発生するトルク増を共に最小にすることができる。
【0040】
そして、この第2の実施形態の場合には、帯電ローラ1とドラム感光体2との距離は、パッシェン則の最低放電開始電圧の距離より小さいので、気中放電によりドラム感光体2を帯電させることができる。
【0041】
前記ドラム感光体2と帯電ローラ1との両側の回転体である第1および第2閉空間形成ローラ3、4に、ドラム感光体2と帯電ローラ1との間に印加される電圧の半分の印加電圧をかけることにより、第1および第2閉空間形成ローラ3、4とドラム感光体2(又は帯電ローラ1)との間の放電が起こりにくくなる。したがって、ドラム感光体2と帯電ローラとの間に安定して気中放電することができる。
以上の実施形態では、閉空間形成ローラを2本としたが、4本、6本等の偶数本であればよい。
【0042】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明によれば、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される被帯電部材と、該被帯電部材を帯電する帯電部材と、前記被帯電部材および帯電部材とともに閉空間を形成する閉空間形成部材とを備え、該閉空間内の放電雰囲気ガスを減圧して被帯電部材を帯電させる接触帯電装置において、
前記閉空間形成部材は、前記被帯電部材と前記帯電部材との間の空間を閉空間にする偶数個の閉空間形成ローラで構成され、該偶数個の閉空間形成ローラは互いに線接触して一方は前記被帯電部材に線接触するとともに、他方は前記帯電部材に線接触しているように構成し、
前記被帯電部材、前記帯電部材、前記偶数個の閉空間形成ローラで囲まれる空間の両端に該空間を遮蔽する側板がそれぞれ設けられているので、被帯電部材と帯電部材とに接触しながら被帯電部材の回転方向、帯電部材の回転方向にそれぞれ順応した回転をさせることができ、被帯電部材および帯電部材の回転時のトルクを低減することができる。
【0043】
さらに、前記偶数個の閉空間形成ローラは前記帯電部材および前記被帯電部材の一方側を区画するように配置されているので、帯電部材および前記被帯電部材の一方側に閉空間を形成した場合に、被帯電部材と帯電部材とに接触しながら被帯電部材の回転方向、帯電部材の回転方向にそれぞれ順応した回転をさせることができ、被帯電部材および帯電部材の回転時のトルクを低減することができる。
【0044】
また、請求項2の発明によれば、前記帯電部材と前記被帯電部材とは互いに逆回転するようにしているので、被帯電部材と閉空間形成ローラとの間、閉空間形成ローラ同士の間、閉空間形成ローラと帯電部材との間の何れの間も順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを大幅に低減することができる。
【0045】
また、請求項3の発明によれば、前記偶数個の閉空間形成ローラの内、帯電部材に接触する閉空間形成ローラは帯電部材と逆回転し、被帯電部材に接触する閉空間形成ローラは被帯電体と逆回転するようにしているので、被帯電部材と閉空間形成ローラとの間、閉空間形成ローラ同士の間、閉空間形成ローラと帯電部材との間、帯電部材と被帯電部材との間の何れの間も順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを大幅に低減することができる。
【0046】
また、請求項4の発明によれば、前記偶数個の閉空間形成ローラは、隣り合う閉空間形成ローラが互いに逆回転するようにしているので、閉空間形成ローラ同士に順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを低減することができる。
【0047】
また、請求項5の発明によれば、前記偶数個の閉空間形成ローラの少なくとも1つが従動して連れ回りするようにしているので、偶数個の閉空間形成ローラの少なくとも1つが従動して連れ回りするので、駆動の入力を低減できるとともに、駆動系の簡略化を図ることができる。
【0048】
また、請求項6の発明によれば、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される被帯電部材と、該被帯電部材を帯電する帯電部材と、前記被帯電部材および帯電部材とともに閉空間を形成する閉空間形成部材とを備え、該閉空間内の放電雰囲気ガスを減圧して被帯電部材を帯電させる接触帯電装置において、
前記閉空間形成部材は、前記被帯電部材と前記帯電部材との間の空間を閉空間にする偶数個の閉空間形成ローラで構成され、該偶数個の閉空間形成ローラは前記被帯電部材及び前記帯電部材の両側に振り分けてそれぞれが前記被帯電部材及び前記帯電部材に線接触しているように構成され、
前記被帯電部材、前記帯電部材、前記偶数個の閉空間形成ローラで囲まれる空間の両端に該空間を遮蔽する側板がそれぞれ設けられているので、帯電部材および前記被帯電部材の両方側に閉空間を形成した場合に、被帯電部材と帯電部材とに接触しながら被帯電部材の回転方向、帯電部材の回転方向にそれぞれ順応した回転をさせることができ、被帯電部材および帯電部材の回転時のトルクを低減することができる。さらに、閉空間形成ローラの連れ回りが容易になるとともに、閉空間の密閉性を向上させることができる。
【0049】
また、請求項7の発明によれば、前記帯電部材と前記被帯電部材とは同回転するとともに、前記帯電部材および前記被帯電部材の一方側を区画する閉空間形成ローラと他方側を区画する閉空間形成ローラとは、前記帯電部材および前記被帯電部材の回転方向とは逆方向に同回転するようにしているので、被帯電部材と閉空間形成ローラとの間、閉空間形成ローラと帯電部材との間の何れの間も順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを大幅に低減することができる。
【0050】
また、請求項8の発明によれば、前記閉空間形成ローラに、被帯電部材と帯電部材との間に印加される電圧の半分の電圧を印加しているので、閉空間形成ローラと、帯電部材または被帯電部材との間の放電が起こりにくくなり、帯電部材と被帯電部材との間の放電が安定して起こるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる接触帯電装置のローラの位置関係を示す図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係わる接触帯電装置のローラの位置関係を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる接触帯電装置の正面図である。
【符号の説明】
1 帯電ローラ
2 ドラム感光体
3 第1閉空間形成ローラ
4 第2閉空間形成ローラ
5 側板
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される接触帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、画像顕像化する際、熱転写方式やバブルジェット、インクジェット方式等各種の方式が採用されている。このうち、最も多く使用されている方式はトナーと呼ばれる電荷担持体を帯電して紙等の被転写体へ転写定着する方式である。即ち、カールソンプロセスを代表として、感光体等の記録媒体に電荷を帯電してその帯電した記録媒体の電荷を光等で消去して原稿パターンを潜像形成し、そこにトナーと呼ばれる電荷担持体を載せて顕像化し、さらに紙等に転写定着することが行われている。
【0003】
この方式では、帯電、現像、転写、除電の各プロセスで電荷移動の現象があり、これを引き起こすためには、感光体や電荷担持体あるいは被転写体へ電荷発生移動を起こさせる必要がある。即ち、電荷担持体の授受をするために、帯電という電気的処理が行われる。
【0004】
そのためには、コロナ帯電、接触摩擦帯電、接触電荷注入、放射線による電離等の方法がある。
【0005】
従来から最もポピュラーに使用されているコロナ帯電法は、細線や針の電極に高圧の電界を印加して対向電極との間でコロナ放電を起こし、コロナイオンを被帯電部材に移動させて電荷を載せる方法である。
【0006】
この方法では、原理および装置共に非常に簡単であるが、空気中成分の酸素が体積百分比で約20%を占めている。このため、空気中におけるコロナ放電では、空気中の酸素がイオン化すると、オゾンO3 が発生する。このオゾンO3 は、大気上空では必要な分子でもオフィス環境では有害な物質であり、発生することは好ましくない。
【0007】
そこで、帯電部材と被帯電部材とを接触させて電荷注入する方法やパッシェンの法則を利用して至近距離で放電し、オゾンの発生を少なくする方法が利用され始めた。接触摩擦帯電及び接触電荷注入方式は現像ローラや帯電ローラとして使用されている。
【0008】
しかし、ローラ停止時に帯電部材が被帯電部材に接触することにより、ローラの低分子成分が析出転写されるので、被帯電部材が汚染され、その結果画像に異常が生じる等の問題があった。なお、放射線による電離は放射線の種類にも依るが、被爆防止が必要になり、現在のところ実用化されていない。
【0009】
そこで、最近では、接触帯電方式でも、帯電部材の表面を高抵抗にして被帯電部材である感光体との接触前後の微小空間中で放電させて感光体に電荷を供給する方式が採用されている。
【0010】
しかし、この接触帯電方式においても、基本原理はコロナ放電と同様にコロナイオンを発生させており、空気中放電ではオゾンO3 やノックスNOX は必然的に発生する。
【0011】
このNOX 成分は、吸湿性があり、この成分が感光体に付着すると像流れという異常画像が発生し、かつ感光体や帯電ローラに付着して両者の接触時に帯電ローラからの低分子成分が感光体へ移動付着するという問題があった。この移動付着により停止再開後の白抜けを引き起こす虞があることが判明している。
【0012】
そこで、本発明者は炭酸ガスに置換した雰囲気中での帯電方法を提案した。さらに、その置換した炭酸ガスが放電領域に長く留まることが可能な各種の方法を提案した。
【0013】
しかし、炭酸ガスの滞留時間を長くしても、炭酸ガスが逃げる流路が有るので、長期の間に外部空気との対流で空気と再び置換されてしまうという問題があった。
【0014】
この問題を解決すべく、本発明者は、放電領域に閉空間を形成し、この閉空間中を減圧して放電し易くするとともに、帯電効率も高めることができる減圧帯電方式を新たに提案した。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に帯電部材、被帯電部材ともに回転しており、これらが接するところで同方向の回転つまり帯電部材と被帯電部材とは逆方向に回転しているので、帯電部材と被帯電部材とに同時に1つの回転体で接触して閉空間を形成した場合には、帯電部材と被帯電部材との何れか一方に接するところで逆方向の回転つまり帯電部材と被帯電部材とは同方向に回転することになり、この同方向に回転する部材のトルクが増加するという問題があった。
【0016】
そこで、本発明は、トルクを増大することなく閉空間を形成することができるとともに、この閉空間中を減圧して放電し易くするとともに、帯電効率も高めることができる接触帯電装置を提供することをその目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明の接触帯電装置では、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される被帯電部材と、該被帯電部材を帯電する帯電部材と、前記被帯電部材および帯電部材とともに閉空間を形成する閉空間形成部材とを備え、該閉空間内の放電雰囲気ガスを減圧して被帯電部材を帯電させる接触帯電装置において、
前記閉空間形成部材は、前記被帯電部材と前記帯電部材との間の空間を閉空間にする偶数個の閉空間形成ローラで構成され、該偶数個の閉空間形成ローラは互いに線接触して一方は前記被帯電部材に線接触するとともに、他方は前記帯電部材に線接触しているように構成し、
前記被帯電部材、前記帯電部材、前記偶数個の閉空間形成ローラで囲まれる空間の両端に該空間を遮蔽する側板がそれぞれ設けられていることを特徴としている。この構成では、閉空間形成部材は、前記被帯電部材と前記帯電部材との間の空間を閉空間にする偶数個の閉空間形成ローラで構成されているので、被帯電部材と帯電部材とに接触しながら被帯電部材の回転方向、帯電部材の回転方向にそれぞれ順応した回転をさせることができ、被帯電部材および帯電部材の回転時のトルクを低減することができる。
【0018】
また、この構成では、偶数個の閉空間形成ローラは前記帯電部材および前記被帯電部材の一方側を区画するように配置されているので、帯電部材および前記被帯電部材の一方側に閉空間を形成した場合に、被帯電部材と帯電部材とに接触しながら被帯電部材の回転方向、帯電部材の回転方向にそれぞれ順応した回転をさせることができ、被帯電部材および帯電部材の回転時のトルクを低減することができる。
【0019】
また、請求項2の発明の接触帯電装置では、請求項1に記載の接触帯電装置において、前記帯電部材と前記被帯電部材とは互いに逆回転することを特徴としている。この構成では、帯電部材と前記被帯電部材とは互いに逆回転するようにしているので、被帯電部材と閉空間形成ローラとの間、閉空間形成ローラ同士の間、閉空間形成ローラと帯電部材との間の何れの間も順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを大幅に低減することができる。
【0020】
また、請求項3の発明の接触帯電装置では、請求項1に記載の接触帯電装置において、前記偶数個の閉空間形成ローラの内、帯電部材に接触する閉空間形成ローラは帯電部材と逆回転し、被帯電部材に接触する閉空間形成ローラは被帯電体と逆回転するするようにしていることを特徴としている。この構成では、帯電部材と前記被帯電部材とは互いに逆回転するので、被帯電部材と閉空間形成ローラとの間、閉空間形成ローラ同士の間、閉空間形成ローラと帯電部材との間、帯電部材と被帯電部材との間の何れの間も順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを大幅に低減することができる。
【0021】
また、請求項4の発明の接触帯電装置では、請求項1に記載の接触帯電装置において、前記偶数個の閉空間形成ローラは、隣り合う閉空間形成ローラが互いに逆回転するようにしていることを特徴としている。この構成では、閉空間形成ローラ同士に順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを低減することができる。
【0022】
また、請求項5の発明の接触帯電装置では、請求項1に記載の接触帯電装置において、前記偶数個の閉空間形成ローラの少なくとも1つが従動して連れ回りするようにしていることを特徴としている。この構成では、偶数個の閉空間形成ローラの少なくとも1つが従動して連れ回りするので、駆動の入力を低減できるとともに、駆動系の簡略化を図ることができる。
【0023】
また、請求項6の発明の接触帯電装置では、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される被帯電部材と、該被帯電部材を帯電する帯電部材と、前記被帯電部材および帯電部材とともに閉空間を形成する閉空間形成部材とを備え、該閉空間内の放電雰囲気ガスを減圧して被帯電部材を帯電させる接触帯電装置において、
前記閉空間形成部材は、前記被帯電部材と前記帯電部材との間の空間を閉空間にする偶数個の閉空間形成ローラで構成され、該偶数個の閉空間形成ローラは前記被帯電部材及び前記帯電部材の両側に振り分けてそれぞれが前記被帯電部材及び前記帯電部材に線接触しているように構成され、
前記被帯電部材、前記帯電部材、前記偶数個の閉空間形成ローラで囲まれる空間の両端に該空間を遮蔽する側板がそれぞれ設けられていることを特徴としている。この構成では、偶数個の閉空間形成ローラは前記帯電部材および前記被帯電部材の両方側をそれぞれ区画するように配置されているので、帯電部材および前記被帯電部材の両方側に閉空間を形成した場合に、被帯電部材と帯電部材とに接触しながら被帯電部材の回転方向、帯電部材の回転方向にそれぞれ順応した回転をさせることができ、被帯電部材および帯電部材の回転時のトルクを低減することができる。さらに、閉空間形成ローラの連れ回りが容易になるとともに、閉空間の密閉性を向上させることができる。
【0024】
また、請求項7の発明の接触帯電装置では、請求項6に記載の接触帯電装置において、前記帯電部材と前記被帯電部材とは同回転するとともに、前記帯電部材および前記被帯電部材の一方側を区画する閉空間形成ローラと他方側を区画する閉空間形成ローラとは、前記帯電部材および前記被帯電部材の回転方向とは逆方向に同回転するようにしていることを特徴としている。この構成では、被帯電部材と閉空間形成ローラとの間、閉空間形成ローラと帯電部材との間の何れの間も順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを大幅に低減することができる。
【0025】
また、請求項8の発明の接触帯電装置では、請求項7に記載の接触帯電装置において、前記閉空間形成ローラに、被帯電部材と帯電部材との間に印加される電圧の半分の電圧を印加していることを特徴としている。この構成では、閉空間形成ローラに、被帯電部材と帯電部材との間に印加される電圧の半分の電圧を印加しているので、閉空間形成ローラと、帯電部材または被帯電部材との間の放電が起こりにくくなり、帯電部材と被帯電部材との間の放電が安定して起こるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる接触帯電装置のローラの位置関係を示す図、図3は本発明の第1の実施の形態に係わる接触帯電装置の正面図である。
【0027】
図1、3に示すように、この接触帯電装置は、被帯電部材であるドラム感光体2と、このドラム感光体2に接触してドラム感光体2を帯電する帯電部材である帯電ローラ1と、ドラム感光体2と帯電ローラ1との間の空間を側板5とともに遮蔽する閉空間形成部材である閉空間形成ローラ3、4とを備えている。なお、この側板5には放電雰囲気ガスを供給する穴が形成されている。
【0028】
前記ドラム感光体2の回転軸2aと、帯電ローラ1の回転軸1aと、第1閉空間形成ローラ3の回転軸3aと、第2閉空間形成ローラ4の回転軸4aとは互いに平行に配置されて線接触しているので、閉空間Sが形成されている。
【0029】
前記ドラム感光体2は、導電性支持体としてアルミニウム製ドラムを使用し、その表面を鏡面状に仕上げ、誘電物質である有機感光体(OPC)からなる感光層を導電性支持体の端部まで蒸着又は塗工して被覆することにより構成されている。この感光層は、本実施形態では、導電性支持体上に形成される電荷発生層(CGL)と、この電荷発生層上に積層される電荷移動層(CTL)からなる、いわゆるCTL上層系(積層型)である。
【0030】
また、感光層としては、導電性支持体上に形成された電荷移動層(CTL)と、この電荷移動層上に積層される電荷発生層(CGL)からなる、いわゆるCGL上層系(積層型)であってもよい。
【0031】
前記帯電ローラ1は、芯金を回転軸1aとするローラ状に形成され、上述したように、この帯電ローラ1の回転軸1aとドラム感光体2の回転軸2aとは平行に配置されている。また、帯電ローラ1とドラム感光体2とは、図示しない駆動装置により図中矢印の如く互いに逆回転するように構成されている。
【0032】
前記第1閉空間形成ローラ3は、芯金を回転軸3aとするローラ状に形成され、この第1閉空間形成ローラ3の回転軸3aとドラム感光体2の回転軸2aおよび帯電ローラ1の回転軸1aとは互いに平行に配置され、ドラム感光体2と第1閉空間形成ローラ3との間は線接触している。
【0033】
さらに、第2閉空間形成ローラ4は、芯金を回転軸4aとするローラ状に形成され、この第2閉空間形成ローラ4の回転軸4aと、第1閉空間形成ローラ3の回転軸3a、ドラム感光体2の回転軸2aおよび帯電ローラ1の回転軸1aとは互いに平行に配置されている。さらに、第2閉空間形成ローラ4とドラム感光体2との間、第2閉空間形成ローラ4と第1閉空間形成ローラ3との間は共に線接触している。そして、第1閉空間形成ローラ3と第2閉空間形成ローラ4とは、図示しない駆動装置により図中矢印の如く互いに逆回転するように構成されている。
【0034】
これらの4つの回転する部材、即ち帯電ローラ1,ドラム感光体2,第1閉空間形成ローラ3、第2閉空間形成ローラ4で囲まれる空間の両端にはそれぞれ側板5が配置され、3つの回転する部材、即ち帯電ローラ1,ドラム感光体2,第1閉空間形成ローラ3と側板5とで閉空間Sが形成されている。この閉空間Sの機密性を保持するためには各々の回転する部材、即ち帯電ローラ1,ドラム感光体2,第1閉空間形成ローラ3の表面が滑らかで漏れのないように接触している必要があり、回転に際して回転軸1a,2a,3aの平行度に優れ、各々の回転にムラがないことが必要である。
【0035】
さらに、回転に伴って隙間が生ずることがないように密着させるためには、回転体1,3が剛体ではなく弾性体であることが望ましい。
【0036】
以上の実施形態によれば、帯電ローラ1とドラム感光体2との間に閉空間形成ローラを2本設けたので、図1に示すように、帯電ローラ1の回転が反時計回りとすると、第2閉空間形成ローラ4が時計回りとなり、第1閉空間形成ローラ3が反時計回りとなる。したがって、ドラム感光体2に線接触する帯電ローラ1と第1閉空間形成ローラ3とはともに反時計回りとなるので、ドラム感光体2を時計回りとすることにより、接触面におけるトルク増を防止することができる。
【0037】
また、帯電ローラ1又はドラム感光体2の何れか一方を回転駆動した場合には、第1閉空間形成ローラ3、第2閉空間形成ローラ4等に駆動源を連結することなく従動させて連れ回りさせることができる。
【0038】
図2は本発明の第2の実施の形態に係わる接触帯電装置のローラの位置関係を示す図である。
この第2の実施形態で第1の実施形態と大きく異なる点は、各ローラの配置にある。即ち、第2の実施形態の接触帯電装置では、第1の実施例の如くドラム感光体2と帯電ローラ1との片側に設けるのではなく、ドラム感光体2と帯電ローラ1との両側に振り分けて第1閉空間形成ローラ3および第2閉空間形成ローラ4を配置したものである。換言すれば、ドラム感光体の回転軸と帯電ローラの回転軸とを含む面の両側に振り分けて第1閉空間形成ローラ3および第2閉空間形成ローラ4を配置し、第1閉空間形成ローラ3をドラム感光体2と帯電ローラ1とに線接触させるとともに、第2閉空間形成ローラ4をドラム感光体2と帯電ローラ1とに線接触させ、帯電ローラ1、ドラム感光体2、第1閉空間形成ローラ3、第2閉空間形成ローラ4で囲まれた空間を閉空間Sとしたものである。
【0039】
閉空間形成ローラが2本の場合には、第1閉空間形成ローラ3の直径と第2閉空間形成ローラ4の直径とは同一であることが望ましい。これにより第1閉空間形成ローラ3の接触面および第2閉空間形成ローラ4の接触面に発生するトルク増を共に最小にすることができる。
【0040】
そして、この第2の実施形態の場合には、帯電ローラ1とドラム感光体2との距離は、パッシェン則の最低放電開始電圧の距離より小さいので、気中放電によりドラム感光体2を帯電させることができる。
【0041】
前記ドラム感光体2と帯電ローラ1との両側の回転体である第1および第2閉空間形成ローラ3、4に、ドラム感光体2と帯電ローラ1との間に印加される電圧の半分の印加電圧をかけることにより、第1および第2閉空間形成ローラ3、4とドラム感光体2(又は帯電ローラ1)との間の放電が起こりにくくなる。したがって、ドラム感光体2と帯電ローラとの間に安定して気中放電することができる。
以上の実施形態では、閉空間形成ローラを2本としたが、4本、6本等の偶数本であればよい。
【0042】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明によれば、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される被帯電部材と、該被帯電部材を帯電する帯電部材と、前記被帯電部材および帯電部材とともに閉空間を形成する閉空間形成部材とを備え、該閉空間内の放電雰囲気ガスを減圧して被帯電部材を帯電させる接触帯電装置において、
前記閉空間形成部材は、前記被帯電部材と前記帯電部材との間の空間を閉空間にする偶数個の閉空間形成ローラで構成され、該偶数個の閉空間形成ローラは互いに線接触して一方は前記被帯電部材に線接触するとともに、他方は前記帯電部材に線接触しているように構成し、
前記被帯電部材、前記帯電部材、前記偶数個の閉空間形成ローラで囲まれる空間の両端に該空間を遮蔽する側板がそれぞれ設けられているので、被帯電部材と帯電部材とに接触しながら被帯電部材の回転方向、帯電部材の回転方向にそれぞれ順応した回転をさせることができ、被帯電部材および帯電部材の回転時のトルクを低減することができる。
【0043】
さらに、前記偶数個の閉空間形成ローラは前記帯電部材および前記被帯電部材の一方側を区画するように配置されているので、帯電部材および前記被帯電部材の一方側に閉空間を形成した場合に、被帯電部材と帯電部材とに接触しながら被帯電部材の回転方向、帯電部材の回転方向にそれぞれ順応した回転をさせることができ、被帯電部材および帯電部材の回転時のトルクを低減することができる。
【0044】
また、請求項2の発明によれば、前記帯電部材と前記被帯電部材とは互いに逆回転するようにしているので、被帯電部材と閉空間形成ローラとの間、閉空間形成ローラ同士の間、閉空間形成ローラと帯電部材との間の何れの間も順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを大幅に低減することができる。
【0045】
また、請求項3の発明によれば、前記偶数個の閉空間形成ローラの内、帯電部材に接触する閉空間形成ローラは帯電部材と逆回転し、被帯電部材に接触する閉空間形成ローラは被帯電体と逆回転するようにしているので、被帯電部材と閉空間形成ローラとの間、閉空間形成ローラ同士の間、閉空間形成ローラと帯電部材との間、帯電部材と被帯電部材との間の何れの間も順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを大幅に低減することができる。
【0046】
また、請求項4の発明によれば、前記偶数個の閉空間形成ローラは、隣り合う閉空間形成ローラが互いに逆回転するようにしているので、閉空間形成ローラ同士に順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを低減することができる。
【0047】
また、請求項5の発明によれば、前記偶数個の閉空間形成ローラの少なくとも1つが従動して連れ回りするようにしているので、偶数個の閉空間形成ローラの少なくとも1つが従動して連れ回りするので、駆動の入力を低減できるとともに、駆動系の簡略化を図ることができる。
【0048】
また、請求項6の発明によれば、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される被帯電部材と、該被帯電部材を帯電する帯電部材と、前記被帯電部材および帯電部材とともに閉空間を形成する閉空間形成部材とを備え、該閉空間内の放電雰囲気ガスを減圧して被帯電部材を帯電させる接触帯電装置において、
前記閉空間形成部材は、前記被帯電部材と前記帯電部材との間の空間を閉空間にする偶数個の閉空間形成ローラで構成され、該偶数個の閉空間形成ローラは前記被帯電部材及び前記帯電部材の両側に振り分けてそれぞれが前記被帯電部材及び前記帯電部材に線接触しているように構成され、
前記被帯電部材、前記帯電部材、前記偶数個の閉空間形成ローラで囲まれる空間の両端に該空間を遮蔽する側板がそれぞれ設けられているので、帯電部材および前記被帯電部材の両方側に閉空間を形成した場合に、被帯電部材と帯電部材とに接触しながら被帯電部材の回転方向、帯電部材の回転方向にそれぞれ順応した回転をさせることができ、被帯電部材および帯電部材の回転時のトルクを低減することができる。さらに、閉空間形成ローラの連れ回りが容易になるとともに、閉空間の密閉性を向上させることができる。
【0049】
また、請求項7の発明によれば、前記帯電部材と前記被帯電部材とは同回転するとともに、前記帯電部材および前記被帯電部材の一方側を区画する閉空間形成ローラと他方側を区画する閉空間形成ローラとは、前記帯電部材および前記被帯電部材の回転方向とは逆方向に同回転するようにしているので、被帯電部材と閉空間形成ローラとの間、閉空間形成ローラと帯電部材との間の何れの間も順応した回転をさせることができ、回転時のトルクを大幅に低減することができる。
【0050】
また、請求項8の発明によれば、前記閉空間形成ローラに、被帯電部材と帯電部材との間に印加される電圧の半分の電圧を印加しているので、閉空間形成ローラと、帯電部材または被帯電部材との間の放電が起こりにくくなり、帯電部材と被帯電部材との間の放電が安定して起こるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる接触帯電装置のローラの位置関係を示す図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係わる接触帯電装置のローラの位置関係を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる接触帯電装置の正面図である。
【符号の説明】
1 帯電ローラ
2 ドラム感光体
3 第1閉空間形成ローラ
4 第2閉空間形成ローラ
5 側板
Claims (8)
- 複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される被帯電部材と、該被帯電部材を帯電する帯電部材と、前記被帯電部材および帯電部材とともに閉空間を形成する閉空間形成部材とを備え、該閉空間内の放電雰囲気ガスを減圧して被帯電部材を帯電させる接触帯電装置において、
前記閉空間形成部材は、前記被帯電部材と前記帯電部材との間の空間を閉空間にする偶数個の閉空間形成ローラで構成され、該偶数個の閉空間形成ローラは互いに線接触して一方は前記被帯電部材に線接触するとともに、他方は前記帯電部材に線接触しているように構成し、
前記被帯電部材、前記帯電部材、前記偶数個の閉空間形成ローラで囲まれる空間の両端に該空間を遮蔽する側板がそれぞれ設けられていることを特徴とする接触帯電装置。 - 前記帯電部材と前記被帯電部材とは互いに逆回転するようにしていることを特徴とする請求項1に記載の接触帯電装置。
- 前記偶数個の閉空間形成ローラの内、帯電部材に接触する閉空間形成ローラは帯電部材と逆回転し、被帯電部材に接触する閉空間形成ローラは被帯電体と逆回転するようにしていることを特徴とする請求項1に記載の接触帯電装置。
- 前記偶数個の閉空間形成ローラは、隣り合う閉空間形成ローラが互いに逆回転するようにしていることを特徴とする請求項1に記載の接触帯電装置。
- 前記偶数個の閉空間形成ローラの少なくとも1つが従動して連れ回りするようにしていることを特徴とする請求項1に記載の接触帯電装置。
- 複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に使用される被帯電部材と、該被帯電部材を帯電する帯電部材と、前記被帯電部材および帯電部材とともに閉空間を形成する閉空間形成部材とを備え、該閉空間内の放電雰囲気ガスを減圧して被帯電部材を帯電させる接触帯電装置において、
前記閉空間形成部材は、前記被帯電部材と前記帯電部材との間の空間を閉空間にする偶数個の閉空間形成ローラで構成され、該偶数個の閉空間形成ローラは前記被帯電部材及び前記帯電部材の両側に振り分けてそれぞれが前記被帯電部材及び前記帯電部材に線接触しているように構成され、
前記被帯電部材、前記帯電部材、前記偶数個の閉空間形成ローラで囲まれる空間の両端に該空間を遮蔽する側板がそれぞれ設けられていることを特徴とする接触帯電装置。 - 前記帯電部材と前記被帯電部材とは同回転するとともに、前記帯電部材および前記被帯電部材の一方側を区画する閉空間形成ローラと他方側を区画する閉空間形成ローラとは、前記帯電部材および前記被帯電部材の回転方向とは逆方向に同回転するようにしていることを特徴とする請求項6に記載の接触帯電装置。
- 前記閉空間形成ローラに、被帯電部材と帯電部材との間に印加される電圧の半分の電圧を印加していることを特徴とする請求項7に記載の接触帯電装置。
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