JP3578782B2 - 撹拌装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は液体とスラリーとが混在した液体、特に比重の大きなスラリーが混在する液体を撹拌するのに好適な撹拌装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来は図８に示すように、容器ａの下方部に斜傾した撹拌翼ｂを有する撹拌軸ｃを設けると共に、該容器ａの側壁にバッフルｄを設けたものが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記従来のものは、始動時に多大の回転エネルギーを要すると共に、混在するスラリーの比重が大きい場合、又は該スラリーの量が多い場合に翼板がスラリーに埋れて始動が不可能な場合や撹拌翼部のみのスラリーが撹拌翼板と共廻りして全体が均一に撹拌されない問題点を有していた。
【０００４】
本発明は上記の問題点を解消し、消費エネルギーが少なく、比重の大きいスラリーが混在する場合にも均一に、且つ容易に撹拌できる撹拌装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は容器内に液体とスラリーとが混在する撹拌槽において、該撹拌槽の液体の上層部に液体を外方に押し出すと共に斜下方にも押し出す翼板を有する撹拌手段を設けたことを特徴とする。
【０００６】
【作用】
翼板の回転により液体の上層部は外方に押し出されると共に斜下方にも押し出されて撹拌槽内を流下して沈殿したスラリー層に当り交転して上昇する。
【０００７】
このいわゆる龍巻流によって上部のスラリーが撹拌されると共に順次撹拌流が下方に移行して底部のスラリーを上昇させ全体が均一に撹拌される。更に底部のバッフルに当接した液流は渦巻き状に旋回して上昇流となるため撹拌が一層効率よく行われる。
【０００８】
【実施例】
以下本発明の第１実施例を図１乃至図３により説明する。
【０００９】
１は撹拌槽を示し、該撹拌槽１は有底円筒の容器１ａからなり、該容器１ａ内には液体２とスラリー３とが混在しており、比重の大きいスラリー３は下方に沈殿している。
【００１０】
４は撹拌手段を示し、該撹拌手段４は回転軸４ａの下端に半径方向に放射状に固定した翼板４ｂからなり、図示していないモータにより回転する。
【００１１】
５はバッフルを示し、該バッフルは直線状の帯状板からなり前記容器１ａの底部に放射状に固定されると共にこれらバッフルの交差部に相当する該底部の中心部は互に間隙５ａを有する。
【００１２】
次に上記実施例の作動を説明する。
【００１３】
回転軸４ａが矢印Ａ方向に回転すると、容器１ａ内の上方の液体２は翼板４ｂにより外方へ押し出されると共に斜め下方にも押し出されて沈殿したスラリー３の表層に当り龍巻き状になって上昇する。
【００１４】
従って沈殿しているスラリー３が順次上方に浮上して撹拌される。
【００１５】
一方スラリー３の比重が大きい場合には底部に設けたバッフル５が翼板４ｂの回転方向と同方向に偏位し且つ間隙５ａを有しているため、バッフル５に当接したスラリー３と液体２との混合物が矢印の如く各セクションで渦巻き流となり上昇する。
【００１６】
かくて比較的比重の大きいスラリー３と液体２との撹拌に対して大動力を要することなく均一な撹拌が行われる。
【００１７】
又本実施例Ｂと従来例Ｃとの撹拌槽１内の比較濃度グラフ（図３）によれば、本実施例は撹拌槽１の深さ３００ｍｍ、４００ｍｍ、５００ｍｍの各位置において均一な濃度に撹拌されていることが判明した。
【００１８】
図４は第２実施例を示し、該第２実施例においては前記バッフル５は湾曲状の帯状板に形成されて前記容器１ａの底部に放射状に固定したものであり、前記第１実施例のバッフル５に比して更に渦の発生が多くなり撹拌が一層効率よく行われるという効果がある。
【００１９】
又図５は第３実施例を示し、該第３実施例においては前記撹拌手段４が回転軸４ａの下端に固定の円板４ｃと該円板４ｃの下面に放射状に固定の翼板４ｂとからなり、図６の如く静止状態で水平であった液面Ａが回転軸４ａの回転により遠心力が発生し下方に凸の放物線状の液面Ｂとなることにより翼板４ｂの上部の根部付近が大気中に出ることにより該付近の液面下へ空気が吸い込まれて液体中に気泡が混入して撹拌効果が低下するおそれがあり、前記円板４ｃによりこの気泡の混入を防止して撹拌効率を更に向上する効果がある。
【００２０】
更に図７は第４実施例を示し、該第４実施例においては前記円板４ｃの周縁部に円筒４ｄを上方へ立設しており、更に液体中への気泡の混入を防止する効果が大となり、撹拌効率が飛躍的に上昇する。
【００２１】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、容器内に液体とスラリーとが混在する撹拌槽において、該撹拌槽の液体の上層部に液体を外方に押し出すと共に斜下方にも押し出す翼板を有する撹拌手段を設けたので、消費エネルギーが少なく、比重の大きいスラリーが混在する場合にも均一に、且つ容易に撹拌することができる効果を有する。
【００２２】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例の縦断面図である。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ 線截平面図である。
【図３】本発明の実施例と従来例との濃度を示すグラフである。
【図４】本発明の第２実施例のバッフルの個所の平面図である。
【図５】本発明の第３実施例の撹拌手段の個所の平面図である。
【図６】容器内の液体の液面の撹拌により変化する状態を示す説明図である。
【図７】本発明の第４実施例の撹拌手段の個所の断面正面図である。
【図８】従来例の縦断面図である
【符号の説明】
１ 攪拌槽
１ａ 容器
２ 液体
３ スラリー
４ 撹拌手段
４ａ 回転軸
４ｂ 翼板
４ｃ 円板
４ｄ 円筒
５ バッフル
【産業上の利用分野】
本発明は液体とスラリーとが混在した液体、特に比重の大きなスラリーが混在する液体を撹拌するのに好適な撹拌装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来は図８に示すように、容器ａの下方部に斜傾した撹拌翼ｂを有する撹拌軸ｃを設けると共に、該容器ａの側壁にバッフルｄを設けたものが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記従来のものは、始動時に多大の回転エネルギーを要すると共に、混在するスラリーの比重が大きい場合、又は該スラリーの量が多い場合に翼板がスラリーに埋れて始動が不可能な場合や撹拌翼部のみのスラリーが撹拌翼板と共廻りして全体が均一に撹拌されない問題点を有していた。
【０００４】
本発明は上記の問題点を解消し、消費エネルギーが少なく、比重の大きいスラリーが混在する場合にも均一に、且つ容易に撹拌できる撹拌装置を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は容器内に液体とスラリーとが混在する撹拌槽において、該撹拌槽の液体の上層部に液体を外方に押し出すと共に斜下方にも押し出す翼板を有する撹拌手段を設けたことを特徴とする。
【０００６】
【作用】
翼板の回転により液体の上層部は外方に押し出されると共に斜下方にも押し出されて撹拌槽内を流下して沈殿したスラリー層に当り交転して上昇する。
【０００７】
このいわゆる龍巻流によって上部のスラリーが撹拌されると共に順次撹拌流が下方に移行して底部のスラリーを上昇させ全体が均一に撹拌される。更に底部のバッフルに当接した液流は渦巻き状に旋回して上昇流となるため撹拌が一層効率よく行われる。
【０００８】
【実施例】
以下本発明の第１実施例を図１乃至図３により説明する。
【０００９】
１は撹拌槽を示し、該撹拌槽１は有底円筒の容器１ａからなり、該容器１ａ内には液体２とスラリー３とが混在しており、比重の大きいスラリー３は下方に沈殿している。
【００１０】
４は撹拌手段を示し、該撹拌手段４は回転軸４ａの下端に半径方向に放射状に固定した翼板４ｂからなり、図示していないモータにより回転する。
【００１１】
５はバッフルを示し、該バッフルは直線状の帯状板からなり前記容器１ａの底部に放射状に固定されると共にこれらバッフルの交差部に相当する該底部の中心部は互に間隙５ａを有する。
【００１２】
次に上記実施例の作動を説明する。
【００１３】
回転軸４ａが矢印Ａ方向に回転すると、容器１ａ内の上方の液体２は翼板４ｂにより外方へ押し出されると共に斜め下方にも押し出されて沈殿したスラリー３の表層に当り龍巻き状になって上昇する。
【００１４】
従って沈殿しているスラリー３が順次上方に浮上して撹拌される。
【００１５】
一方スラリー３の比重が大きい場合には底部に設けたバッフル５が翼板４ｂの回転方向と同方向に偏位し且つ間隙５ａを有しているため、バッフル５に当接したスラリー３と液体２との混合物が矢印の如く各セクションで渦巻き流となり上昇する。
【００１６】
かくて比較的比重の大きいスラリー３と液体２との撹拌に対して大動力を要することなく均一な撹拌が行われる。
【００１７】
又本実施例Ｂと従来例Ｃとの撹拌槽１内の比較濃度グラフ（図３）によれば、本実施例は撹拌槽１の深さ３００ｍｍ、４００ｍｍ、５００ｍｍの各位置において均一な濃度に撹拌されていることが判明した。
【００１８】
図４は第２実施例を示し、該第２実施例においては前記バッフル５は湾曲状の帯状板に形成されて前記容器１ａの底部に放射状に固定したものであり、前記第１実施例のバッフル５に比して更に渦の発生が多くなり撹拌が一層効率よく行われるという効果がある。
【００１９】
又図５は第３実施例を示し、該第３実施例においては前記撹拌手段４が回転軸４ａの下端に固定の円板４ｃと該円板４ｃの下面に放射状に固定の翼板４ｂとからなり、図６の如く静止状態で水平であった液面Ａが回転軸４ａの回転により遠心力が発生し下方に凸の放物線状の液面Ｂとなることにより翼板４ｂの上部の根部付近が大気中に出ることにより該付近の液面下へ空気が吸い込まれて液体中に気泡が混入して撹拌効果が低下するおそれがあり、前記円板４ｃによりこの気泡の混入を防止して撹拌効率を更に向上する効果がある。
【００２０】
更に図７は第４実施例を示し、該第４実施例においては前記円板４ｃの周縁部に円筒４ｄを上方へ立設しており、更に液体中への気泡の混入を防止する効果が大となり、撹拌効率が飛躍的に上昇する。
【００２１】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、容器内に液体とスラリーとが混在する撹拌槽において、該撹拌槽の液体の上層部に液体を外方に押し出すと共に斜下方にも押し出す翼板を有する撹拌手段を設けたので、消費エネルギーが少なく、比重の大きいスラリーが混在する場合にも均一に、且つ容易に撹拌することができる効果を有する。
【００２２】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例の縦断面図である。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ 線截平面図である。
【図３】本発明の実施例と従来例との濃度を示すグラフである。
【図４】本発明の第２実施例のバッフルの個所の平面図である。
【図５】本発明の第３実施例の撹拌手段の個所の平面図である。
【図６】容器内の液体の液面の撹拌により変化する状態を示す説明図である。
【図７】本発明の第４実施例の撹拌手段の個所の断面正面図である。
【図８】従来例の縦断面図である
【符号の説明】
１ 攪拌槽
１ａ 容器
２ 液体
３ スラリー
４ 撹拌手段
４ａ 回転軸
４ｂ 翼板
４ｃ 円板
４ｄ 円筒
５ バッフル
Claims (5)
- 容器内に液体とスラリーとが混在する撹拌槽において、該撹拌槽の液体の上層部に液体を外方に押し出すと共に斜下方にも押し出す翼板を有する撹拌手段を設けたことを特徴とする撹拌装置。
- 前記攪拌槽の底部に、中心部において互に隔離した複数のバッフルを放射状に立設したことを特徴とする請求項１に記載の撹拌装置。
- 前記バッフルは直線状或いは湾曲状の帯状板により形成されたことを特徴とする請求項２に記載の撹拌装置。
- 前記撹拌手段は、回転軸の下端に固定した円板と該円板の下面に突設した翼板とからなることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の撹拌装置。
- 前記円板の周縁部に、円筒を上方に立設したことを特徴とする請求項４に記載の撹拌装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23918293A JP3578782B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 撹拌装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23918293A JP3578782B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 撹拌装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0760093A JPH0760093A (ja) | 1995-03-07 |
| JP3578782B2 true JP3578782B2 (ja) | 2004-10-20 |
Family
ID=17040944
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23918293A Expired - Fee Related JP3578782B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 撹拌装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3578782B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007090194A (ja) * | 2005-09-28 | 2007-04-12 | Satake Chemical Equipment Mfg Ltd | スラリー用撹拌翼 |
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|---|---|---|---|---|
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| JP5932288B2 (ja) * | 2011-10-20 | 2016-06-08 | 佐竹化学機械工業株式会社 | 吸着分離装置 |
| KR101947385B1 (ko) * | 2012-07-17 | 2019-02-13 | 사타케 가가쿠 기카이 고교 가부시키가이샤 | 결정화 장치 |
| JP6650221B2 (ja) * | 2015-07-10 | 2020-02-19 | 佐竹化学機械工業株式会社 | 撹拌装置 |
| JP7061476B2 (ja) * | 2018-02-26 | 2022-04-28 | プライミクス株式会社 | 攪拌装置 |
| JP7061512B2 (ja) * | 2018-05-15 | 2022-04-28 | プライミクス株式会社 | 攪拌装置 |
| JP7242374B2 (ja) * | 2019-03-27 | 2023-03-20 | 住友重機械エンバイロメント株式会社 | 水処理システム、整流部材及び水処理システムの更新方法 |
| JP7134917B2 (ja) * | 2019-06-10 | 2022-09-12 | 佐竹マルチミクス株式会社 | 撹拌方法 |
| CN114272882B (zh) * | 2022-01-19 | 2024-05-07 | 浙江友联化学工业有限公司 | 一种2b酸生产用磺化反应装置 |
| CN117751008A (zh) * | 2022-06-30 | 2024-03-22 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 叶轮组件及具有其的电池浆料的混合搅拌设备 |
-
1993
- 1993-08-31 JP JP23918293A patent/JP3578782B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007090194A (ja) * | 2005-09-28 | 2007-04-12 | Satake Chemical Equipment Mfg Ltd | スラリー用撹拌翼 |
| JP4628232B2 (ja) * | 2005-09-28 | 2011-02-09 | 佐竹化学機械工業株式会社 | スラリー用撹拌翼 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0760093A (ja) | 1995-03-07 |
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Legal Events
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