JP3578263B2 - シリコンウェーハの研磨方法及びこの方法により研磨されたシリコンウェーハ - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法という。)により作られたシリコンウェーハの面質を調整するためのウェーハの研磨方法及びこの方法により研磨されたシリコンウェーハに関する。更に詳しくは、LSI等の半導体装置を製造するために用いられるシリコンウェーハの研磨方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコン単結晶インゴットから切出されてスライスされたシリコンウェーハは、機械研磨(ラッピング)、化学エッチング等の工程を経た後、機械的化学的研磨(メカノケミカルポリッシング)が行われる。この最終研磨の機械的化学的研磨工程において、保持具に取付けたシリコンウェーハを回転定盤上に貼付けたポリエステルのフェルト、ラミネート等の柔らかい研磨用パッドに押付け、研磨液を滴下しながら研磨用パッドを回転することにより、ウェーハ表面を鏡面状に研磨する。このウェーハの鏡面研磨には、ウェーハの平坦度の調整を目的とした粗研磨と、この粗研磨に続いて行われるウェーハの表面粗さ等の面質の調整を目的としたファイナル研磨に分類される。ファイナル研磨ではウェーハ表面の取り代はごく僅かである。本発明は後者のファイナル研磨に関するものである。
このファイナル研磨用の研磨液には、例えば約40〜50nmの粒径を有するSiO2の微粉からなる砥粒をアンモニア水溶液や水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液等のアルカリ性水溶液に溶かしたアルカリ性コロイダルシリカ研磨液が用いられる。ここで砥粒をアンモニア水溶液や水酸化ナトリウム水溶液に溶かして研磨液を調製する理由は、研磨液のpHを高め、OH−イオンによりSiO2粒子同士を反発させ、粒子の凝集を防ぐためである。
この研磨液において、SiO2の微粉からなる砥粒からなるメカニカル要素に比べてアルカリ性水溶液のpH値を大きくするなどしてケミカル要素を強めることにより、研磨に起因してウェーハ表面に生じるマイクロスクラッチを低減することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、CZ法で作られるときに空孔型点欠陥の凝集体、格子間シリコン型点欠陥の凝集体などの結晶に起因した微小欠陥が被研磨物であるシリコンウェーハに生じている場合に、上記のようにケミカル要素を強めると、バルク中の微小欠陥がウェーハ表面に出現し、面荒れを大きくする問題があった。
一方、ケミカル要素を強めなければ、マイクロスクラッチを低減できないため、マイクロスクラッチを除去するためには研磨工程に続くシリコンウェーハの洗浄工程の負担が増大する不具合もあった。
【0004】
本発明の目的は、ウェーハ表面のマイクロスクラッチを低減するとともに、ウェーハの面荒れを抑制するシリコンウェーハの研磨方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、ウェーハへの金属汚染を低減するシリコンウェーハの研磨方法を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、上記研磨方法により研磨されたマイクロスクラッチが少なく、ウェーハの面荒れが僅かなシリコンウェーハを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、シリコン単結晶インゴットから切出されてスライスされたシリコンウェーハの面質を調整するために前記シリコンウェーハを研磨液で研磨する方法において、シリコンウェーハが空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリコン型点欠陥の凝集体が存在しないチョクラルスキー法により作られたウェーハであって、研磨液は増粘剤を含有し、砥粒を含まないpHが8.0以上14.0以下のアルカリ性水溶液であることを特徴とするシリコンウェーハの研磨方法である。
増粘剤を含有することによりウェーハ表面と研磨用パッドの間の水膜の厚さが一定値以上に保たれ、ウェーハ表面にマイクロスクラッチを残さず、面荒れを大きくしない。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、アルカリ性水溶液が酸化剤を更に含有し、酸化還元電位が10mV以上である研磨方法である。
研磨液が酸化剤を含有することにより、ウェーハ表面での反応がおだやかになり、ウェーハ表面の面荒れを低減できる。また酸化剤の存在で、重金属がイオン化されて液中で安定に存在するためウェーハ表面の金属汚染を低減できる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明であって、アルカリ性水溶液がキレート剤を更に含有する研磨方法である。
研磨液がキレート剤を含有することにより、ウェーハ表面を汚染していた金属イオンはキレート剤に捕獲され、ウェーハ表面の金属汚染を防止する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のシリコンウェーハは、CZ法によりホットゾーン炉内のシリコン融液からインゴットをボロンコフ(Voronkov)の理論に基づいた所定の引上げ速度プロファイルで引上げた後、このインゴットをスライスして作製される。
一般的に、CZ法によりホットゾーン炉内のシリコン融液からシリコン単結晶のインゴットを引上げたときには、シリコン単結晶における欠陥として、点欠陥(point defect)と点欠陥の凝集体(agglomerates:三次元欠陥)が発生する。点欠陥は空孔型点欠陥と格子間シリコン型点欠陥という二つの一般的な形態がある。空孔型点欠陥は一つのシリコン原子がシリコン結晶格子で正常的な位置の一つから離脱したものである。このような空孔が空孔型点欠陥になる。一方、原子がシリコン結晶の格子点以外の位置(インタースチシャルサイト)で発見されるとこれが格子間シリコン点欠陥になる。
【0010】
点欠陥は一般的にシリコン融液(溶融シリコン)とインゴット(固状シリコン)の間の接触面で形成される。しかし、インゴットを継続的に引上げることによって接触面であった部分は引上げとともに冷却し始める。冷却の間、空孔型点欠陥又は格子間シリコン型点欠陥は拡散により互いに合併して、空孔型点欠陥の凝集体(vacancy agglomerates)又は格子間シリコン型点欠陥の凝集体(interstitial agglomerates)が形成される。言い換えれば、凝集体は点欠陥の合併に起因して発生する三次元構造である。
空孔型点欠陥の凝集体はCOP(Crystal Originated Particle)、LSTD(Laser Scattering Tomograph Defects)又はFPD(Flow Pattern Defects)と呼ばれる欠陥を含み、格子間シリコン型点欠陥の凝集体はLD(Interstitial−type Large Dislocation)と呼ばれる欠陥を含む。ここでCOPは鏡面研磨後のシリコンウェーハをアンモニアと過酸化水素の混合液で洗浄すると、ウェーハ表面にピットが形成され、このウェーハをパーティクルカウンタで測定すると、ピットも本来のパーティクルとともにパーティクルとして検出される結晶に起因した欠陥である。FPDとは、インゴットをスライスして作製されたシリコンウェーハを30分間セコ(Secco)エッチング液で化学エッチングしたときに現れる特異なフローパターンを呈する痕跡の源であり、LSTDとは、シリコン単結晶内に赤外線を照射したときにシリコンとは異なる屈折率を有し散乱光を発生する源である。LDは、転位クラスタとも呼ばれたり、或いはこの欠陥を生じたシリコンウェーハをフッ酸を主成分とする選択エッチング液に浸漬するとピットを生じることから転位ピットとも呼ばれる。
【0011】
ボロンコフの理論は、欠陥の数が少ない高純度インゴットを成長させるために、インゴットの引上げ速度をV(mm/分)、ホットゾーン構造でインゴット−シリコン融液の接触面の温度勾配をG(℃/mm)とするときに、V/G(mm2/分・℃)を制御することである。この理論では、図1に示すように、V/Gは関数として空孔濃度及び格子間シリコン濃度を図式的に表現し、ウェーハで空孔/格子間シリコン領域の境界がV/Gによって決定されることを説明している。より詳しくは、V/G比が臨界点以上では空孔型点欠陥が支配的に存在するインゴットが形成される反面、V/G比が臨界点以下では格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在するインゴットが形成される。
【0012】
本発明の所定の引上げ速度プロファイルは、インゴットがホットゾーン炉内のシリコン溶融物から引上げられる時、温度勾配に対する引上げ速度の比(V/G)が格子間シリコン型点欠陥の凝集体の発生を防止する第1臨界比((V/G)1)以上であって、空孔型点欠陥の凝集体をインゴットの中央にある空孔型点欠陥が支配的に存在する領域内に制限する第2臨界比((V/G)2)以下に維持されるように決められる。
この引上げ速度のプロファイルは、実験的に基準インゴットを軸方向にスライスすることで、実験的に基準インゴットをウェーハにスライスすることで、またはこれらの技術を組合わせることで、シミュレーションによって上記ボロンコフの理論に基づき決定される。即ち、この決定は、シミュレーションの後、インゴットの軸方向スライス及びスライスされたウェーハの確認を行い、更にシミュレーションを繰り返すことによりなされる。シミュレーションのために複数種類の引上げ速度が所定の範囲で決められ、複数個の基準インゴットが成長される。図2に示すように、シミュレーションのための引上げ速度プロファイルは1.2mm/分のような高い引上げ速度(a)から0.5mm/分の低い引上げ速度(c)及び再び高い引上げ速度(d)に調整される。上記低い引上げ速度は0.4mm/分又はそれ以下であることもあってもよく、引上げ速度(b)及び(d)での変化は線形的なものが望ましい。
【0013】
異なった速度で引上げられ複数個の基準インゴットは各別に軸方向にスライスされる。最適のV/Gが軸方向のスライス、ウェーハの確認及びシミュレーションの結果の相関関係から決定され、続いて最適な引上げ速度プロファイルが決定され、そのプロファイルでインゴットが製造される。実際の引上げ速度プロファイルは所望のインゴットの直径、使用される特定のホットゾーン炉及びシリコン融液の品質等を含めてこれに限定されない多くの変数に依存する。
【0014】
図3はシミュレーションと実験的な技術の結合を利用して決定された100cmの長さと200mmの直径を有するインゴットを成長させるための引上げ速度のプロファイルを示す。ここでは三菱マテリアルシリコン(株)生野工場で製作されたモデル名Q41のCZ法に基づいたホットゾーン炉が使用された。
【0015】
引上げ速度を徐々に低下させてV/Gを連続的に低下させ、再び引上げ速度を徐々に高めてV/Gを連続的に高めたときのインゴットの断面図を描いてみると、図4に示される事実が分かる。図4には、インゴット内での空孔型点欠陥が支配的に存在する領域が[V]、格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域が[I]、及び空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリコン型点欠陥の凝集体が存在しないパーフェクト領域が[P]としてそれぞれ示される。図4に示すように、インゴットの軸方向位置P1及びP6は、中央に空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を含む。位置P3及びP4は格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在するリング及び中央のパーフェクト領域を含む。また位置P2及びP5は中央に空孔型点欠陥がないし縁部分に格子間シリコン型点欠陥もないので全てパーフェクト領域である。
【0016】
図4から明らかなように、複数個の位置P1及びP6にそれぞれ対応したウェーハW1及びW6は、中央に空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を含む。ウェーハW3及びW4は格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在するリング及び中央のパーフェクト領域を含む。またウェーハW2及びW5は中央に空孔型点欠陥がないし縁部分に格子間シリコン型点欠陥もないので全てパーフェクト領域である。ウェーハW2及びW5は、図5に示すように全てパーフェクト領域を作るように選定して決められた引上げ速度プロファイルで成長したインゴットをスライスして作製される。図6はその平面図である。参考までに、別の引上げ速度プロファイルで成長したインゴットをスライスして作製されたウェーハW1及びW6が図7に示される。図8はその平面図である。
本発明のシリコンウェーハは、上記ウェーハW2又はW5であって、このウェーハをラッピングし、面取り加工を施した後、得られる。
【0017】
次に本発明の研磨液及び研磨装置について説明する。
本発明の研磨液は、シリコンウェーハの表面粗さ等の面質を調整するためのファイナル研磨用の研磨液であって、pHが8.0以上14.0以下、好ましくは10.0以上13.0以下のアルカリ性水溶液であることを特徴とする。pH値が上記下限値未満ではウェーハ表面のマイクロスクラッチ、ダメージの低減効果に乏しく、上限値を超えると、研磨液の取扱いが困難になる。この研磨液は、砥粒を含まず、アルカリと増粘剤を含有する研磨液である。本発明の目的は、ウェーハの面質を調整することにあるため、ウェーハ表面の取り代が僅かであり、砥粒を含まなくてもよい。pH値を上記範囲内に調整するためのpH調整剤としては、アンモニア、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ、ヒドラジン、有機アミン類等のアルカリ性水溶液が用いられる。これらの中でアンモニア水溶液が、ウェーハの面荒れを比較的小さくするため、ファイナル研磨用スラリーとして好ましい。
【0018】
研磨液に含まれる増粘剤としてはポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子、及びリン酸、ホウ酸、ケイ酸等の増粘作用を持つ水溶性酸化物及びその塩類、タンパク質、酵素等の生体高分子等が挙げられる。増粘剤の好ましい含有量は0.01〜5重量%である。含有量が0.01重量%未満の場合には、所望の増粘効果が得られず、5重量%を超えると溶解が困難、研磨中にウェーハが剥離する等の問題があり好ましくない。
また研磨液に含まれる酸化剤としては過酸化水素水、オゾン水等が挙げられる。研磨液中の酸化剤の含有量は、研磨液の酸化還元電位が10mV以上になるように決められる。この酸化剤により研磨液の酸化還元電位が10mVに満たない場合には、酸化剤の酸化力が不十分となる。好ましい酸化還元電位は30〜150mVである。更に研磨液に含まれるキレート剤としてはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等のアミノカルボル酸塩が挙げられる。研磨液中のキレート剤の含有量は、1×10−8mol/l〜1mol/lである。含有量が1×10−8mol/l未満の場合には、所望の金属イオンを捕獲する効果が得られず、1mol/lを超えると溶解せず、またコスト高となり好ましくない。
【0019】
本発明の研磨方法には、片面研磨方法と両面研磨方法がある。図9に片面研磨装置10を示す。
この研磨装置10は回転定盤11とウェーハ保持具12を備える。回転定盤11は大きな円板であり、その底面中心に接続されたシャフト15によって回転する。回転定盤11の上面には研磨用パッド13が貼付けられる。ウェーハ保持具12は加圧ヘッド12aとこれに接続して加圧ヘッド12aを回転させるシャフト12bからなる。加圧ヘッド12aの下面には研磨プレート14が取付けられる。研磨プレート14の下面には複数枚のシリコンウェーハ16が貼付けられる。回転定盤11の上部にはスラリー状の研磨液17を供給するための配管18が設けられる。
この研磨装置10によりシリコンウェーハ16を研磨する場合には、加圧ヘッド12aを下降してシリコンウェーハ16に所定の圧力を加えてウェーハ16を押える。配管18から研磨液17を研磨用パッド13に供給しながら、加圧ヘッド12aと回転定盤11とを同一方向に回転させて、ウェーハ16の表面を鏡面状に研磨する。
【0020】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
【0022】
<実施例1>
図5に示されるインゴットからスライスされた、空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリコン型点欠陥の凝集体が存在しないシリコンウェーハ(図4に示すウェーハW 2 又はW 5 )を用意した。このシリコンウェーハをラッピングし、面取り加工を施した後、NaOH水溶液に平均粒径50nmのSiO 2 の砥粒30重量%を分散した粗研磨用スラリーを超純水により体積割合で20倍に希釈した研磨液を用いて粗研磨を行った。一方、砥粒を含まない、ポリビニルアルコール(PVA)(分子量9000〜10000)0.05重量%の水溶液にアンモニア水溶液を加えて混合してpHを11.0に調整した液を研磨液として用意した。
図9に示した研磨装置10を用いて、この研磨液17を配管18から研磨用パッド13に供給しながら、加圧ヘッド12aと回転定盤11とを同一方向に回転させて、上記シリコンウェーハ16の表面を研磨した。
【0025】
<比較例1>
図7に示されるインゴットからスライスされた、空孔型点欠陥の凝集体が存在するシリコンウェーハ(図4に示すウェーハW 1 又はW 6 )を用意した。このシリコンウェーハをラッピングし、面取り加工を施した後、粗研磨を行い、このシリコンウェーハの表面を実施例1と同じ研磨液を用いて実施例1と同様に研磨した。
【0026】
<比較評価>
実施例1及び比較例1の研磨後のシリコンウェーハ表面のマイクロスクラッチ及びヘイズを測定した。ウェーハ表面の線状キズであるマイクロスクラッチは原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した。またウェーハ表面の微小な凹凸であるヘイズはウェーハ表面の微小な凹凸(表面粗さ)などに起因する微小な散乱光の入射光に対する百万分率(ppm)で表され、レーザの散乱を利用した表面検査装置により測定した。これらの結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
表1から明らかなように、マイクロスクラッチについては、比較例1は実施例1と同等の数値を示した。しかしヘイズについては、比較例1は実施例1より高い数値を示し、実施例の方が比較例より優れていた。これは点欠陥の凝集体を含まないウェーハを用いることによって、pHの高いアルカリ性水溶液を研磨液としても面荒れが大きくならないことを示している。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の研磨方法によれば、被研磨物であるシリコンウェーハが空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリコン型点欠陥の凝集体が存在しないチョクラルスキー法により作られたウェーハであり、しかも研磨液はpHが8.0以上14.0以下の増粘剤を含有し、砥粒を含まないアルカリ性水溶液であるため、シリコンウェーハ表面のマイクロスクラッチを低減し、しかもヘイズを小さくして面荒れを抑制することができる。
【0030】
また酸化剤、キレート剤を研磨液に含ませることによりウェーハ表面の金属汚染を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボロンコフの理論を基づいた、V/G比が臨界点以上では空孔豊富インゴットが形成され、V/G比が臨界点以下では格子間シリコン豊富インゴットが形成されることを示す図。
【図2】所望の引上げ速度プロファイルを決定するための引上げ速度の変化を示す特性図。
【図3】本発明による空孔豊富ウェーハ及びパーフェクトウェーハをそれぞれ成長させるための引上げ速度プロファイルを図式的に示した特性図。
【図4】本発明による基準インゴットの空孔豊富領域、格子間シリコン豊富領域及びパーフェクト領域を示すX線トモグラフィの概略図。
【図5】本発明の空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリコン型点欠陥の凝集体が存在しないインゴット及びウェーハの説明図。
【図6】そのウェーハの平面図。
【図7】中央に空孔豊富領域と、この空孔豊富領域とウェーハの縁部分の間の無欠陥領域を有するインゴット及びウェーハの説明図。
【図8】そのウェーハの平面図。
【図9】本発明の研磨装置の構成図。
【符号の説明】
10 研磨装置
11 回転定盤
13 研磨用パッド
16 シリコンウェーハ
17 研磨液
Claims (4)
- シリコン単結晶インゴットから切出されてスライスされたシリコンウェーハの面質を調整するために前記シリコンウェーハを研磨液で研磨する方法において、
前記シリコンウェーハは空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリコン型点欠陥の凝集体が存在しないチョクラルスキー法により作られたウェーハであって、
前記研磨液は増粘剤を含有し、砥粒を含まないpHが8.0以上14.0以下のアルカリ性水溶液である
ことを特徴とするシリコンウェーハの研磨方法。 - アルカリ性水溶液が酸化剤を更に含有し、酸化還元電位が10mV以上である請求項1記載の研磨方法。
- アルカリ性水溶液がキレート剤を更に含有する請求項1又は2記載の研磨方法。
- 請求項1ないし3記載の研磨方法により研磨されたシリコンウェーハ。
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