JP3578008B2 - 自動信号判別装置及びその方法並びにその制御プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

自動信号判別装置及びその方法並びにその制御プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動信号判別装置及びその方法並びにその制御プログラムを記録した記録媒体に関し、特にドット表示を行う映像表示装置(例えば、LCDやプラズマディスプレイ装置)において入力映像信号の種別を判別する自動信号判別方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ドット表示を行うLCDやプラズマディスプレイ等の映像表示装置においては、入力された映像信号の有効画素を画面一杯に映像情報が欠けることなく表示する必要がある。また、同じ種類の信号でも、水平及び垂直同期信号と映像信号との位相関係が映像出力機器よって違うため、有効画素を画面一杯に表示するためには、映像機器毎に画面表示装置を調整する必要がある。その他、この表示装置に、ビデオ信号の様な動画像を表示する時と、パーソナルコンピュータ(PC)の画像の様な静止画像を表示する時では、表示装置の動作モードや映像信号の拡大や縮小といった映像処理を行う時の処理方法、オーバースキャンを行うか否かの拡大率違い等、映像信号に適した処理を行う必要がある。
【0003】
そのため入力される映像信号毎に映像処理手段を持つ必要があり、その入力される映像信号の種類を判別する必要がある。従来の判別の手段としては、多くは入力される同期信号の水平及び垂直周波数や極性、同期信号のライン数によって判別を行っている。しかしながら、近年、同期信号に差異はないが、有効画素が違う映像信号や、同じ有効画素の動画像と静止画像とが、映像出力機器から出力されるようになってきている。
【0004】
この様な、映像信号の種別を判別するための従来例として、例えば、特開平8−317313号公報を参照すると、画面上下に黒の無画部を設けたアスペクト比16対9の画面を、現行のアスペクト比4対3の画面と両立性を持たせた方式である「レターボックス」方式の映像信号を自動判別する技術が開示されている。
【0005】
また、特開平7−255040号公報を参照すると、このレターボックス方式の映像信号の他に、「サイドパネル」方式の映像信号をも自動判別する技術が開示されている。ここで、サイドパネル方式とは、アスペクト比16対9の画面の信号をセンタ部分だけカットし現行方式の信号規格に合わせたメイン信号とし、左右のサイド部分の信号はメイン信号に多重することにより伝送する方式の映像信号である。
【0006】
更に、特開平10−161600号公報を参照すると、PC等からの入力映像信号を液晶パネルに表示する表示装置において、入力される映像信号の各種サイズ(解像度)が液晶パネルの表示サイズに合致する様に、スケーリング処理を行う技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様に、ドット表示を行う映像表示装置においては、その映像信号に適した映像処理手段が必要であり、適していない映像処理を行ってしまうと、映像が映らなくなったり、ドット表示を行う表示装置特有の現象(動画偽輪郭等)が発生するという問題がある。よって、これらの従来の方法では判別できない映像信号に関しては、表示装置を使用する操作者が手動によって処理手段の選択や調整を行わなければならなかった。この手動で行う作業は表示装置における特有の知識を必要とし、この手段の選択や調整を自動的に行えることが要求されている。
【0008】
しかしながら、上述の引用公開公報のいずれの技術においても、自動判別の対象となる入力映像信号の種別が、1種類や2種類であり、動画像か静止画像か、動画像であれば、その動画像の種別を判別したり、また静止画像であれば、その静止画像の種別を判別するといった、多種の自動判別をなすことは不可能である。
【0009】
本発明の目的は、多種の入力映像信号の種類を自動的に判別可能として、ドット表示による表示装置を簡単に操作できるようにした自動信号判別装置及びその方法並びにその制御プログラムを記録した記録媒体を提供することである。
【0011】
課題を解決するための手段
本発明による自動信号判別装置は、入力映像信号が動画像信号か静止画像信号かを判定する動画像/静止画像信号判定手段を有する入力映像信号の自動信号判別装置であって、前記動画像/静止画像信号判定手段は、前記入力映像信号のフレーム間の画素の差分を検出してこの差分画素の総数に応じて静止画像か動画像かの粗判定をなす粗判定手段と、この粗判定手段により動画像であると粗判定されたとき、フレーム毎の前記差分画素の総数が所定期間規定値以上変動する場合にのみ動画像であると精密判定する精密判定手段とを有することを特徴とする。
【0012】
また、前記入力映像信号が24フレーム/秒からなる信号を映像信号に変換処理して生成された信号であることを判定する24フレーム/秒信号判定手段を有することを特徴とし、前記24フレーム/秒信号判定手段は、nフレームとn−2フレームとの各対応画素同士の差分を検出し、この差分のあった画素の総数が所定フレームおきに少なくなるという規則性を検出して前記24フレーム/秒信号の判定をなすようにしたことを特徴とする。
【0013】
更に、前記入力映像信号がレターボックス信号であることを判定するレターボックス信号判定手段を有することを特徴とし、前記レターボックス信号判定手段は、前記入力信号の有効画素領域の始まり位置と総ライン数とに応じて前記レターボックス信号の判定を行うことを特徴とする。
【0014】
更にはまた、前記入力映像信号がキャラクタ文字によるテキスト画像信号であることを判定するテキスト画像信号判定手段を有することを特徴とし、前記テキスト画像信号判定手段は、前記入力映像信号の水平/垂直方向の相関性に応じて前記テキスト画像信号の判定を行うことを特徴とする。そして、前記静止画像種別判定手段は、前記静止画であると判定した後、その状態が一定期間以上続いた場合に長寿命静止画であると判定する長寿命静止画判定手段を有することを特徴とする。
【0015】
また、前記入力映像信号の各画素のレベルに応じて有効画素を検出し、これ等有効画素からなる領域の大きさにより前記有効画素領域のサイズを検出する手段を有し、また前記有効画素領域水平/垂直同期信号からのずれ量を検出して位相差データを生成する手段を有することを特徴とする。更に、前記入力映像信号の輝度状態が所定値以下の場合に映画による動画像であると判断して動画像種別判定手段へ処理を委ねるようにしたことを特徴とする。
【0017】
本発明による信号自動判別方法は、入力映像信号が動画像信号か静止画像信号かを判定する動画像/静止画像信号判定ステップを有する入力映像信号の自動信号判別方法であって、前記動画像/静止画像信号判定ステップは、前記入力映像信号のフレーム間の画素の差分を検出してこの差分画素の総数に応じて静止画像か動画像かの粗判定をなす粗判定ステップと、この粗判定ステップにより動画像であると粗判定されたとき、フレーム毎の前記差分画素の総数が所定期間規定値以上変動する場合にのみ動画像であると精密判定する精密判定ステップとを有することを特徴とする。
【0018】
また、前記入力映像信号が24フレーム/秒からなる信号を映像信号に変換処理して生成された信号であることを判定する24フレーム/秒信号判定ステップを有することを特徴とし、前記24フレーム/秒信号判定ステップは、nフレームとn−2フレームとの各対応画素同士の差分を検出し、この差分のあった画素の総数が所定フレームおきに少なくなるという規則性を検出して前記24フレーム/秒信号の判定をなすようにしたことを特徴とする。
【0019】
更に、前記入力映像信号がレターボックス信号であることを判定するレターボックス信号判定ステップを有することを特徴とし、前記レターボックス信号判定ステップは、前記入力信号の有効画素領域の始まり位置と総ライン数とに応じて前記レターボックス信号の判定を行うことを特徴とする。
【0020】
更にはまた、前記入力映像信号がキャラクタ文字によるテキスト画像信号であることを判定するテキスト画像信号判定ステップを有することを特徴とし、前記テキスト画像信号判定ステップは、前記入力映像信号の水平/垂直方向の相関性に応じて前記テキスト画像信号の判定を行うことを特徴とする。
【0021】
また、前記静止画であると判定した後、その状態が一定期間以上続いた場合に長寿命静止画であると判定する長寿命静止画判定ステップを有することを特徴とする。
【0022】
更に、前記入力映像信号の各画素のレベルに応じて有効画素を検出し、これ等有効画素からなる領域の大きさにより前記有効画素領域のサイズを検出するステップを有することを特徴とし、また、前記有効画素領域の水平/垂直同期信号からのずれ量を検出して位相差データを生成するステップを有することを特徴とする。
【0023】
また、前記入力映像信号の輝度状態が所定値以下の場合に映画による動画像であると判断して動画像種別判定ステップへ処理を委ねるようにしたことを特徴とする。
【0024】
本発明による記録媒体は、入力映像信号が動画像信号か静止画像信号かを判定する動画像/静止画像信号判定ステップを有し、コンピュータによって入力映像信号の種別を判別するための制御プログラムを記録した記録媒体であって、前記動画像/静止画像信号判定ステップは、前記入力映像信号のフレーム間の画素の差分を検出してこの差分画素の総数に応じて静止画像か動画像かの粗判定をなす粗判定ステップと、この粗判定ステップにより動画像であると粗判定されたとき、フレーム毎の前記差分画素の総数が所定期間規定値以上変動する場合にのみ動画像であると精密判定する精密判定ステップとを有することを特徴とする。
【0025】
本発明の作用を述べる。ドット表示を行う映像表示装置においては、前述したように、入力映像信号の有効画素を画面一杯に表示する必要があるので、先ず入力映像信号の有効画素領域を検出する。また、ビデオ信号の様な動画像を表示する場合と、PC画像の様な静止画像を表示する場合とでは、表示装置の動作モードや映像信号の拡大縮小等の処理を行う際の処理方法が相違するので、動画像/静止画像の判定が必要となる。そこで、次に入力映像信号が動画像信号か静止画像信号かを判定し、動画像であると判定されたとき、更にこの動画像の種別を判定する。また静止画像であると判定されたときには、更にこの静止画像の種別を判定する様構成するのである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しつつ本発明の実施の形態につき説明する。図1を参照すると、本発明の実施の形態の概略ブロック図が示されている。本自動信号判別装置は、画素判別回路3を有する。この画素判別回路3からの信号判別データはCPU7に供給され、入力された映像信号に適した処理方法を判断し、画素変換回路5で処理され、映像信号が出力される。
【0027】
更に詳述すると、入力映像信号はA/D変換回路1に供給され、外部から供給されるサンプリングクロックによりディジタル信号に変換され、このディジタル映像信号は画素判別回路3に入力される。この場合のサンプリングクロックは入力映像信号の同期信号(V,H)に位相同期したクロックが使用されるものであり、PLL(フェイズロックドループ)回路等により生成されたものが用いられる。画素判別回路3は、フレームメモリ(FM)4を用いてフレーム間またはライン間、ライン内の相関をとって入力された映像信号の種類や有効画面のサイズ等を判別する。
【0028】
また、入力同期信号はタイミング発生回路2及びCPU7に夫々入力される。CPU7は、入力された水平および垂直同期信号の周波数や極性の情報と画素判別回路3で判別した映像信号の情報を基に、その入力された映像信号の種類とそれに適した各種回路の制御方法を総合的に判断する。この判断結果により、タイミング発生回路2と画素変換回路5とに制御信号を出力する。タイミング発生回路2はCPU7からの制御信号に基づいて、画素変換回路5に対して、画素変換動作に必要な水平および垂直同期信号を発生する。画素変換回路5は、CPU7からの制御信号に基づいて、フレームメモリ(FM)6を用いて画素変換を行い映像信号を出力する。
【0029】
以下、本発明の特徴部分を構成する画素判別回路3の詳細について、図2のブロック図を参照して説明する。図2は画素判別回路3の一例を示すブロック図であり、差分器11と、差分加算器12と、差分データレジスタ部13と、画素数/位置検出部14と、画素加算部15と、画素相関/ライン相関検出部16と、CPUインタフェース部17と、各部動作制御用の動作制御部(CPU)18と、動作制御用プログラムを記録した記録媒体19とを有する。
【0030】
差分器11は、入力信号の現フレーム(または現フィールド)とフレームメモリ4からの前フレーム(前フィールド)または前々フレーム(前々フィールド)との互いに対応する画素同士の各差分を算出する機能を有するものである。差分加算器12は、この差分器11により差分が算出された画素の数を加算するものであり、よって、フレーム(フィールド)当りの差分画素総数を算出する機能を有するものである。差分データレジスタ13は、この差分加算器12により算出された差分画素総数を1フレーム(フィールド)毎に格納する機能を有するものである。
【0031】
画素数/位置検出部14は、フレームメモリ4からの信号の各画素レベルと規定レベルとを夫々比較して規定レベル以上の画素を有効画素と判断し、この有効画素の座標データを保存する機能を有すると共に、この有効画素で構成される有効画素領域が水平/垂直同期信号から何画素(ドット)/何ラインはずれているかを示す位相差データを検出する機能を有する。画素加算部15は、フレームメモリ4からの信号の有効画素(画素レベルが規定レベル以上の画素)を検出してその総数を算出する機能を有する。画素相関/ライン相関検出部16は、フレームメモリ4からの信号の水平/垂直方向の各相関を検出する機能を有するものである。
【0032】
CPUインタフェース17は各部の判定出力を図1のCPU7へ出力するための機能を有している。動作制御部18は上述した各部の動作制御を行うものであり、一種のコンピュータ(CPU)により実現されるものであって、記憶媒体19に予め格納されている動作制御プログラムを読み取ってこれ等各部の動作制御を行うものである。尚、記録媒体19としては、不揮発性や揮発性を問わず、読出し専用のいわゆるROMやCD−ROMや、更にはフラッシュメモリ、磁気ディスク、光磁気ディスク等が使用されるが、RAM(ランダムアクセスメモリ)等を使用しても良いことは明白である。
【0033】
図3は図1及び図2に示した本発明の実施例の全体の動作を示す概略処理フロー図であり、基本的に、図2に示した画素判別回路3が有する第一〜第八の機能に基いて以下に動作を説明する。これ等第一〜第八の各機能により入力された映像信号の種類が判別されることになる。この図3に示すフローが図2の記録媒体19に予め格納された制御プログラムの動作処理手順であり、動作制御部(CPU)18がこの制御プログラムに従って動作することになる。
【0034】
先ず、ステップS1及びS2に示す第一の機能は有効画素領域検出機能である。この第一の機能では、フレームメモリ4を用いて、図4に示す様に、入力映像信号の無画部(斜線部)と映像がある有効画素とを区別し、有効画素と判断できる領域の大きさによって、有効画素領域のサイズを判断する(ステップS1)。また、同期信号からその有効画素領域までの位相差T1 ,T2 を夫々検出し、有効画素を画面一杯に表示するための位置情報を判別する(ステップS2)。
【0035】
すなわち、図5の詳細フローに示す様に、フレームメモリ4からの映像信号を、画素数/位置検出部14へ入力し、ある規定レベル以上の画素を有効画素と判断し(ステップS101)、その画素の座標データを保存していく(ステップSS102)。1V(垂直同期信号)期間における上下4隅の画素座標データから得られる範囲を有効画素領域とする(ステップS103)。また、この有効画素領域が入力された水平/垂直同期信号から何ドット/何ラインずれているかという位相差データT1,T2 を検出する(ステップS201)。これ等有効画素領域データと位相差データとは、最終的にCPUインタフェース部17を介してCPU7へ出力される。
【0036】
次に図3のステップS3に示す第二の機能は入力映像信号の全体の輝度状態を検出して映画による動画像かそうでないのかを検出する機能であり、全体的にくらい画像の場合には、映画による動画像であると判断できるので、後に続く(後述の)第三及び第四の機能(動画/静止画判定機能)を省略することができる。この第二の機能につき説明する。この機能では、入力映像信号の輝度レベルを検出し、全体的に輝度の暗い映像であって画素変化が判別しずらい映像信号の場合、映画の様な動画像と判定する。
【0037】
すなわち、図6の詳細フローに示す様に、フレームメモリ4からの映像信号を画素加算部15に入力し、1V期間の有効画素の総和を算出し(ステップS301)この総和がある規定値以下の場合には(ステップS302)、映画による動画像であると判定して、図3のステップS6に示す第五の機能(ステップS6)へ飛び、第三及び第四の機能である動画/静止画判定機能を省略することが可能となる。
【0038】
次に、第三の及び第四の機能である動画/静止画判定機能(ステップS4,S5)について説明する。ステップS4に示す第三の機能は動画/静止画判定のための粗判定機能であり、この粗判定の後、ステップS5に示す第四の機能である動画/静止画判定の精密判定機能が実行される様になっている。
【0039】
この第三の機能を説明すると、この機能では、フレームメモリ4を用いて、前フレームと相違する画素が有効画素の領域のうちどのくらいの割合(例えば、50%)で相違するかによって、動画像か静止画像かの粗判定を行う。
【0040】
すなわち、図7の詳細フローに示す様に、入力されたnフレーム目の映像信号と、フレームメモリ4からのn−1フレーム目の映像信号とを、差分器11にて差分をとり(ステップS401)、1V期間の有効画素のうち差分があった画素を加算部12にて加算していく(ステップS402)。この加算された画素総数が有効画素のどのくらいの割合になるかを検出し、この割合が規定値以上であれば、一応動画像であると判定することができるので、その場合には、動画像であるとの粗判定を行うのである(ステップS403)。
【0041】
次に、図3のステップS5に示す様に、第四の機能である動画/静止画の精密判定を行う。この精密判定では、数フレームまたは数秒の間画素の変動状態を検出し、その変動が監視している期間続けて変動している場合は動画像と判断する。すなわち、図8の詳細フローに示す様に、差分加算器12で得られた差分総数データを差分レジスタ部13に毎V期間保存し(ステップS501)、その際の差分総数データの変動状態を監視して、ある期間規定された以上の変動が続いた場合には、動画像であるものと最終的に判定する(ステップS502)。
【0042】
しかる後に、動画像の種別の判定が必要となるが、これの種別判定機能が第五の機能であり、図3のステップS6の処理である。この機能では、数フレームまたは数秒間監視して、入力映像信号が、いわゆるテレシネ装置によって映画等の24P信号(1秒間に24枚のフレームで構成された信号)をビデオ信号に変換した映像信号であると判別された場合、その映像信号に適した画素変換処理を行うために、CPU7にその旨報告するための情報を出力する。
【0043】
この場合、24P信号と映像信号との関係は図9に示す様になっている。すなわち、24P信号は1秒当り24コマ(フレーム)の信号からなっており、第1〜第5のコマを“A”〜“E”と表記すると、映像信号に変換する際には、インタレース走査(飛び越し走査)の場合は、奇数フィールド(ODD)は“A”,“B”,“B”,“C”,“D”,“E”の順に出力され、また偶数フィールド(EVEN)は“A”,“B”,“C”,“D”,“D”,“E”の順に出力される。これを映像信号とした場合には、“A”,“A”,“B”,“B”,“B”,“C”,“C”,“D”,“D”,“D”,“E”,“E”の順に出力されることになる。
【0044】
かかる規則性を考慮して、第五の機能である24P信号判定機能(ステップS6)は、図10の詳細のフローに示す様に、入力されたnフィールド目の映像信号と、フレームメモリ4からのn−2フィールド目の映像信号とを、差分器11にて差分をとり、1V期間の有効画素のうち差分があった画素を差分加算部12で加算していく(ステップS601)。差分加算部12で得られた差分総数データを差分レジスタ部13に毎V期間保存し(ステップS602)、5V期間に1回差分総数が少ない法則性があった場合には(図9の最下行のフィールド内容参照)、24P信号であると判定するのである(ステップS603)。
【0045】
次に、図3のステップS7またはS10の第六の機能につき説明する。この機能は、上述の第五の機能(ステップS6)において24P信号ではないと判定されたとき、または24P信号であると判定されたとき、動画像の種別がレターボックス信号であるかどうかを判定する機能である。ここで、レターボックス信号とは、画面上下に無画部を設け、アスペクト比4対3の画面と16対9の映像との両立性を持たせた方式の画像のことである。
【0046】
このレターボックス信号の判定は、無画部の領域を判別して、レターボックス信号と判定した時、CPU7へその情報を出力するものであり、すなわち、図11の詳細フローに示す様に、フレームメモリ4からの映像信号を、画素数/位置検出部14へ入力し、ある規定レベル以上の画素を有効画素と判断し(ステップS701)、その画素の座標データを保存していく(ステップS702)。1V(垂直同期信号)期間における上下4隅の画素座標データから得られる範囲を有効画素領域とする(ステップS703)。尚、ステップS701〜S703は、図5のステップS101〜S103と同じであるので、先の第一の機能の処理結果を用いることができる。
【0047】
そして、有効画素領域の始まりが垂直同期からある規定ライン以上あり(ステップS704)、有効画素領域の総ライン数の条件が合致した場合(ステップS705)、レターボックス信号であると判定される。この場合、図3のステップS7で“YES”の判定であれば、通常動画像のレターボックス信号であり、その旨がCPUインタフェース部17を介してCPU7へ出力され、それに必要な処理がなされる(ステップS9)。“NO”であれば、通常動画像であり、同じくその旨がCPUインタフェース部17を介してCPU7へ出力され、それに必要な処理がなされる(ステップS8)。
【0048】
図3のステップS10で“YES”の判定であれば、24P画像のレターボックス信号であり、その旨がCPUインタフェース部17を介してCPU7へ出力され、それに必要な処理がなされる(ステップS12)。“NO”であれば、24P信号であり、同じくその旨がCPUインタフェース部17を介してCPU7へ出力され、それに必要な処理がなされる(ステップS11)。
【0049】
次に、図3のステップS13の第七の機能につき説明する。この機能は静止画像の種別を判定する機能であり、テキスト文字の判定を行うものである。この機能では、ライン間及びライン内の画素の相関を検出し、入力映像信号がキャラクタ文字によるテキスト画面がどうかを判断する。
【0050】
すなわち、図12の詳細フローに示す様に、フレームメモリ4からの映像信号を画素相関/ライン相関検出部16に入力し、水平/垂直方向の相関を検出する(ステップS131)。その際、同じ輝度レベルの画素が数ドットまたは数ラインおきに続く等の相関パターンによって、テキスト画面かどうかを判定する(ステップS132)。
【0051】
次の図3のステップS14に示す第八の機能も静止画像の種別を判定する機能であり、この機能では、ステップS13でテキスト文字ではないと判断された後、その状態がある一定期間以上続いた場合、長寿命の静止画像であることを判定するものである。すなわち、図13の詳細フローに示す様に、静止画像と判定した後、差分データレジスタ部13にてその状態がある一定期間以上続いて静止画像の切替えも発生しないと判断した場合には(ステップS141,S142)、長寿命静止画像の判定を行う。
【0052】
図3のステップS13において、“YES”であれば、テキスト画像である旨がCPUインタフェース部17を介してCPU7へ出力され、それに必要な処理がなされる(ステップS17)。図3のステップS14で“YES”であれば、静止画像でかつ長時間の静止画であるので、その旨がCPUインタフェース部17を介してCPU7へ出力され、それに必要な処理(例えば、スクリーンセーバ等の処理)がなされる(ステップS16)。ステップS14で“NO”であれば、通常の静止画像であるので、その旨がCPUインタフェース部17を介してCPU7へ出力され、それに必要な処理がなされる(ステップS15)。
【0053】
これらの判別結果を用いて、水平及び垂直同期信号の情報も合わせて、CPU7にて入力映像信号の種別を判断し、それに適した制御を行うことで、今までこの映像表示装置を使用する場合、正常な表示位置と画面サイズを手動で操作して調整しなければならなかった内容を、自動的に行うことができることになる。また、レターボックス信号と判断した場合には、映像を適切な画面サイズに自動的に拡大するオートズーム機能を有することができる。
【0054】
その他、本映像表示装置では、画素間の輝度差や蓄積効果により焼き付き現象を起こすことがある。テキスト文字やある一定期間変化がない静止画像と判断した場合には、この焼き付き現象を軽減させるための表示処理を行うことができる。その軽減方法の例としては、タイミング発生回路2をCPU7にて制御して、表示位置を移動させることにより行うことができる。その他には、画素変換回路5をCPU7にて制御して、拡大率を変化させたり、ノンリニアに拡大処理を行うことで、同じ表示画素に映像信号が該当することによる焼き付き現象を軽減することもできる。
【0055】
【発明の効果】
以上述べた様に、本発明によれば、入力映像信号の種別を自動的に正確に判定することが可能であるので、ドット表示による表示装置を簡単に操作できるようになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の概略ブロック図である。
【図2】図1における画素判別回路3の詳細構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の動作を示す概略フロー図である。
【図4】有効画素領域検出及び映像位置検出の動作を説明するための図である。
【図5】図3における有効画素領域検出ステップS1及び映像位置検出ステップS2の詳細を示すフロー図である。
【図6】図3における輝度状態検出ステップS3の詳細を示すフロー図である。
【図7】図3における動画/静止画の粗判定のための検出ステップS4の詳細を示すフロー図である。
【図8】図3における動画/静止画の精密判定のための検出ステップS5の詳細を示すフロー図である。
【図9】24P信号と映像信号との関係を説明する図である。
【図10】図3における24P信号検出ステップS6の詳細を示すフロー図である。
【図11】図3におけるレターボックス信号検出ステップS7またはS10の詳細を示すフロー図である。
【図12】図3におけるテキスト文字検出ステップS13の詳細を示すフロー図である。
【図13】図3における長寿命静止画像検出ステップS14の詳細を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 A/D変換回路
2 タイミング発生回路
3 画素判別回路
4,6 フレームメモリ
5 画素変換回路
7 CPU
11 差分器
12 差分加算器
13 差分データレジスタ部
14 画素数/位置検出部
15 画素加算部
16 画素相関/ライン相関検出部
17 CPUインタフェース部
18 動作制御部
19 記録媒体

Claims (33)

  1. 入力映像信号が動画像信号か静止画像信号かを判定する動画像/静止画像信号判定手段を有する入力映像信号の自動信号判別装置であって、前記動画像/静止画像信号判定手段は、前記入力映像信号のフレーム間の画素の差分を検出してこの差分画素の総数に応じて静止画像か動画像かの粗判定をなす粗判定手段と、この粗判定手段により動画像であると粗判定されたとき、フレーム毎の前記差分画素の総数が所定期間規定値以上変動する場合にのみ動画像であると精密判定する精密判定手段とを有することを特徴とする自動信号判別装置。
  2. 前記入力映像信号が24フレーム/秒からなる信号を映像信号に変換処理して生成された信号であることを判定する24フレーム/秒信号判定手段を有することを特徴とする請求項記載の自動信号判別装置。
  3. 前記24フレーム/秒信号判定手段は、nフレームとn−2フレームとの各対応画素同士の差分を検出し、この差分のあった画素の総数が所定フレームおきに少なくなるという規則性を検出して前記24フレーム/秒信号の判定をなすようにしたことを特徴とする請求項記載の自動信号判別装置。
  4. 前記入力映像信号がレターボックス信号であることを判定するレターボックス信号判定手段を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の自動信号判別装置。
  5. 前記レターボックス信号判定手段は、前記入力信号の有効画素領域の始まり位置と総ライン数とに応じて前記レターボックス信号の判定を行うことを特徴とする請求項記載の自動信号判別装置。
  6. 前記入力映像信号がキャラクタ文字によるテキスト画像信号であることを判定するテキスト画像信号判定手段を有することを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の自動信号判別装置。
  7. 前記テキスト画像信号判定手段は、前記入力映像信号の水平/垂直方向の相関性に応じて前記テキスト画像信号の判定を行うことを特徴とする請求項記載の自動信号判別装置。
  8. 前記静止画であると判定した後、その状態が一定期間以上続いた場合に長寿命静止画であると判定する長寿命静止画判定手段を有することを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の自動信号判別装置。
  9. 前記入力映像信号の各画素のレベルに応じて有効画素を検出し、これ等有効画素からなる領域の大きさにより前記有効画素領域のサイズを検出する有効画素領域検出手段を有することを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の自動信号判別装置。
  10. 前記有効画素領域の水平/垂直同期信号からのずれ量を検出して位相差データを生成する手段を有することを特徴とする請求項記載の自動信号判別装置。
  11. 前記動画像/静止画像信号判定手段は、前記入力映像信号の輝度状態が所定値以下の場合に映画による動画像であると判断して、動画像種別判定手段へ処理を委ねるようにしたことを特徴とする請求項1〜10いずれか記載の自動信号判別装置。
  12. 入力映像信号が動画像信号か静止画像信号かを判定する動画像/静止画像信号判定ステップを有する入力映像信号の自動信号判別方法であって、前記動画像/静止画像信号判定ステップは、前記入力映像信号のフレーム間の画素の差分を検出してこの差分画素の総数に応じて静止画像か動画像かの粗判定をなす粗判定ステップと、この粗判定ステップにより動画像であると粗判定されたとき、フレーム毎の前記差分画素の総数が所定期間規定値以上変動する場合にのみ動画像であると精密判定する精密判定ステップとを有することを特徴とする自動信号判別方法。
  13. 前記入力映像信号が24フレーム/秒からなる信号を映像信号に変換処理して生成された信号であることを判定する24フレーム/秒信号判定ステップを有することを特徴とする請求項12記載の自動信号判別方法。
  14. 前記24フレーム/秒信号判定ステップは、nフレームとn−2フレームとの各対応画素同士の差分を検出し、この差分のあった画素の総数が所定フレームおきに少なくなるという規則性を検出して前記24フレーム/秒信号の判定をなすようにしたことを特徴とする請求項13記載の自動信号判別方法。
  15. 前記入力映像信号がレターボックス信号であることを判定するレターボックス信号判定ステップを有することを特徴とする請求項12〜14いずれか記載の自動信号判別方法。
  16. 前記レターボックス信号判定ステップは、前記入力信号の有効画素領域の始まり位置と総ライン数とに応じて前記レターボックス信号の判定を行うことを特徴とする請求項15記載の自動信号判別方法。
  17. 前記入力映像信号がキャラクタ文字によるテキスト画像信号であることを判定するテキスト画像信号判定ステップを有することを特徴とする請求項12〜16いずれか記載の自動信号判別方法。
  18. 前記テキスト画像信号判定ステップは、前記入力映像信号の水平/垂直方向の相関性に応じて前記テキスト画像信号の判定を行うことを特徴とする請求項17記載の自動信号判別方法。
  19. 前記静止画であると判定した後、その状態が一定期間以上続いた場合に長寿命静止画であると判定する長寿命静止画判定ステップを有することを特徴とする請求項12〜18いずれか記載の自動信号判別方法。
  20. 前記入力映像信号の各画素のレベルに応じて有効画素を検出し、これ等有効画素からなる領域の大きさにより前記有効画素領域のサイズを検出する有効画素領域検出ステップを有することを特徴とする請求項12〜19いずれか記載の自動信号判別方法。
  21. 前記有効画素領域の水平/垂直同期信号からのずれ量を検出して位相差データを生成するステップを有することを特徴とする請求項20記載の自動信号判別方法。
  22. 前記動画像/静止画像信号判別ステップは、前記入力映像信号の輝度状態が所定値以下の場合に映画による動画像であると判断して、動画像種別判定ステップへ処理を委ねるようにしたことを特徴とする請求項12〜21いずれか記載の自動信号判別方法。
  23. 入力映像信号が動画像信号か静止画像信号かを判定する動画像/静止画像信号判定ステップを有し、コンピュータによって入力映像信号の種別を判別するための制御プログラムを記録した記録媒体であって、前記動画像/静止画像信号判定ステップは、前記入力映像信号のフレーム間の画素の差分を検出してこの差分画素の総数に応じて静止画像か動画像かの粗判定をなす粗判定ステップと、この粗判定ステップにより動画像であると粗判定されたとき、フレーム毎の前記差分画素の総数が所定期間規定値以上変動する場合にのみ動画像であると精密判定する精密判定ステップとを有することを特徴とする記録媒体。
  24. 前記入力映像信号が24フレーム/秒からなる信号を映像信号に変換処理して生成された信号であることを判定する24フレーム/秒信号判定ステップを有することを特徴とする請求項23記載の記録媒体。
  25. 前記24フレーム/秒信号判定ステップは、nフレームとn−2フレームとの各対応画素同士の差分を検出し、この差分のあった画素の総数が所定フレームおきに少なくなるという規則性を検出して前記24フレーム/秒信号の判定をなすようにしたことを特徴とする請求項24記載の記録媒体。
  26. 前記入力映像信号がレターボックス信号であることを判定するレターボックス信号判定ステップを有することを特徴とする請求項23〜25いずれか記載の記録媒体。
  27. 前記レターボックス信号判定ステップは、前記入力信号の有効画素領域の始まり位置と総ライン数とに応じて前記レターボックス信号の判定を行うことを特徴とする請求項26記載の記録媒体。
  28. 前記入力映像信号がキャラクタ文字によるテキスト画像信号であることを判定するテキスト画像信号判定ステップを有することを特徴とする請求項23〜27いずれか記載の記録媒体。
  29. 前記テキスト画像信号判定ステップは、前記入力映像信号の水平/垂直方向の相関性に応じて前記テキスト画像信号の判定を行うことを特徴とする請求項28記載の記録媒体。
  30. 前記静止画であると判定した後、その状態が一定期間以上続いた場合に長寿命静止画であると判定する長寿命静止画判定ステップを有することを特徴とする請求項23〜29いずれか記載の記録媒体。
  31. 前記入力映像信号の各画素のレベルに応じて有効画素を検出し、これ等有効画素からなる領域の大きさにより前記有効画素領域のサイズを検出する有効画素領域検出ステップを有することを特徴とする請求項23〜30いずれか記載の記録媒体。
  32. 前記有効画素領域の水平/垂直同期信号からのずれ量を検出して位相差データを生成するステップを有することを特徴とする請求項31記載の記録媒体。
  33. 前記動画像/静止画像信号判別ステップは、前記入力映像信号の輝度状態が所定値以下の場合に映画による動画像であると判断して、動画像種別判定ステップへ処理を委ねるようにしたことを特徴とする請求項23〜32いずれか記載の記録媒体。
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