JP3577634B2 - 版胴装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、輪転印刷機の版胴装置に関し、特に、版胴の外周部が軸方向に2領域に分けられ、その両方に刷版が取り付けられる版胴であって、この両領域の刷版取り付け位置の相対位相を補正可能にした版胴装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
外周を軸方向に2領域に分け、その両方に刷版を巻き付けて装着する輪転印刷機における版胴装置については、実用新案登録第2547584号公報に示されたものが公知である。
【0003】
この実用新案登録第2547584号公報には、外周を軸方向に2つの領域に分け、それぞれの領域の外周部に、それぞれの軸方向側端から中央部に向かって、軸線と平行にそれぞれ別個の溝が、予め定められた角度だけ円周方向に位相をずらせて形成された版胴と、版胴の外周に巻き付けられる刷版を装着するために、前記それぞれ別個の溝内に設けた刷版装着手段とを備えた版胴装置が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来技術には、幾つかの解決すべき課題があった。すなわち、従来技術においては、版胴の外周部の軸方向の2つの領域で、かつそれぞれが円周方向に位相をずらせて設けられる溝の位置関係、つまり、一方の領域の溝の位置に対する他方の領域の溝の位置をほとんど誤差なく加工することが極めて難しかった。
【0005】
これに加え、前記溝のそれぞれに版胴装着手段を組み付けるときの組み付け誤差をなくすことが極めて難しく、前記2つの領域の刷版装着位置関係が一致する版胴を複数製作することはほとんど不可能であった。
【0006】
このため、このような版胴装置を備えた印刷手段を複数用いて多色印刷のような重ね刷りを行った場合、それぞれの印刷手段の版胴の一方側領域の刷版装着位置を合わせて重ね刷りのずれをなくしても、他方側領域の刷版装着位置にばらつきが生じ、この他方側の重ね刷りにずれが生じ、印刷不良紙面となってしまっていた。
【0007】
他方、このような不都合をなくすための技術として、例えば特公昭59−31467号公報に開示された分割版胴装置がある。
【0008】
この従来の装置は、版胴の外周を軸方向に2分割した一方の版胴本体に、外周が合うように他方の円筒部材を回転可能に、かつ軸方向に移動可能にはめこみ、版胴本体及び円筒部材を個別に設けた変位調整手段にて円周方向及び軸方向に変位調整することにより各分割部による重ね刷りのずれを取り除くことができるようにしているが、この従来の装置にあっては、各分割部ごとに、これの円周方向及び軸方向へ個別に変位調整する構成になっており、更に分割部ごとに回転駆動する必要があるため、その機構が複雑で部品点数が多くなって、イニシャルコストが高くなり、また、メンテナンスの作業性も低くなるという問題があった。
【0009】
この発明は、前記従来の技術がかかえていた課題を一挙に解決しようとするもので、版胴の軸方向両側の2つの領域の刷版装着位置関係を精度よく合わせて一体に固定できるようにした版胴装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明に係る版胴装置は、外周を軸方向に2領域に分け、その両方に刷版を巻き付けて装着する輪転印刷機における版胴装置において、同一軸線を有して隣接する大径部と小径部を備え、大径部の予め定めた位置に軸線と平行に刷版装着手段を設け、かつ大径部と小径部のそれぞれの端部に端軸を設けるとともに、大径部側の端軸をフレームに回転可能に支持した版胴本体と、版胴本体の小径部に版胴本体の軸線まわりに角変位可能に装着され、版胴本体の大径部と同じ外径を備えるとともに、予め定めた位置に前記軸線と平行に刷版装着手段を設け、かつ一方の端部に端軸を設け、この端軸に版胴本体の小径部側の端軸を貫通状態でかつ回転可能に嵌め合せるとともに、この端軸をフレームに回転可能に支持した円筒部材と、前記円筒部材に設けた端軸の端部に第1フランジを、また、円筒部材側の端軸を貫通する版胴本体側の端軸の端部に第2フランジを、フレームの外側において軸方向に対向接触させるとともに、一方のフランジに対して他方のフランジを版胴本体の軸線まわりに角変位可能にして設け、一方のフランジに対して他方のフランジを角変位することにより、版胴本体と円筒部材との相対的な円周方向位相を補正可能な円筒位相補正手段と、前記第1フランジと第2フランジとを軸方向への締め付けにより一体に固定して版胴本体と円筒部材とを一体に固定可能な固定手段と、を有し、軸方向に分けた2つの領域の刷版装着手段の相対的な位置を補正した後に固定手段にて版胴本体と円筒部材とを一体に固定可能とした構成になっている。
【0011】
【作 用】
版胴本体の大径部と版胴本体の小径部に装着された円筒部材との円周方向の相対的な位相が円筒位相補正手段にて補正され、これにより、版胴本体の大径部と円筒部材のそれぞれに設けられた刷版装着手段相互の円周方向の相対位置が補正される。補正後の両者は固定手段にて一体に固定されて1本の版胴装置となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、図1は、この発明の実施の形態の版胴装置を示す一部破断面図、図2は、図1のA矢視一部破断面図、図3は、調整手段の一例を示す断面図、図4は、多色刷り印刷機の複数の印刷手段を概略的に示す斜視図である。
【0013】
図4において、1は連続紙Wの走行方向に複数組設けられた両面印刷(B−B)型の印刷部であり、この各印刷部1は、互いに平行に設けられているとともに、互いに対向する外周面が同一方向へ同期して回転されながら接する版胴装置2とブランケット胴3とを有する2つの印刷手段4、4を、それぞれのブランケット胴3、3を隣接して配置した構成になっており、印刷手段4に設けられるブランケット胴3は、版胴装置2に接し、接触部の双方の外周面が同一方向へ同期して回転され、版胴装置2に装着されている刷版Pより転移されたインキが対向する一対の印刷手段4、4のブランケット胴3、3間を通る連続紙Wに印刷されるようになっている。
【0014】
印刷手段4に設けられるこの発明の実施の形態に係る版胴装置2は、図1及び図2に示されるように、版胴本体6と、円筒部材7と、円筒位相補正手段8と、固定手段9と、刷版装着手段10とで構成され、フレーム15、15′にて支持されるとともに、調整手段11及び第1はすば歯車26が取り付けられている。以下に前記の各部材及び手段の構成を説明する。
【0015】
1.版胴本体6
版胴本体6は、外周を軸方向に2分割した版胴装置2の一方側となる大径部28と、この大径部28より他方側へ延長され、この大径部28より小径にした小径部29が設けられている。大径部28の外周面の円周方向の予め定められた位置に溝12が軸線と平行に設けられている。そしてこの溝12内に設けられた後に説明する刷版装着手段10により、この大径部28の外周に巻き付けられる刷版Pが装着されるようになっている。
【0016】
大径部28の端部には小径の端軸6aを有し、この端軸6aは軸受け13により一方のフレーム15に回転可能でかつ軸方向に移動可能に支持されている。そしてこの端軸6aに図示しない駆動源より回転駆動が伝達される第1はすば歯車26が取り付けてある。更に、端軸6aの先端側には、後で説明する版胴本体6を軸方向及び円周方向に位相調整するための調整装置11が設けられている。
【0017】
また、版胴本体6の小径部29の端部は小径の端軸6bを有し、この端軸6bは、後に説明する円筒部材7の端軸7bを介して他方のフレーム15′に支持されている。
【0018】
2.円筒部材7
円筒部材7は、版胴本体6の大径部28の外径と略同じ外径を有する円筒状になっていて、版胴本体6の小径部29に版胴本体6の軸線まわりに角変位可能に装着されている。この円筒部材7の外周面上に軸線と平行に溝12′が形成されており、この溝12′内に設けた後に説明する刷版装着手段10により、この円筒部材7の外周に巻き付けられる刷版Pが装着されるようになっている。
【0019】
円筒部材7の一方の端部は、前記版胴本体6の小径部29と嵌め合わせるために開口しており、他方の端部は小径の端軸7bとなっている。この端軸7bは軸受け14により他方のフレーム15′に回転可能でかつ軸方向に移動可能に支持されている。そしてこの端軸7bに前記版胴本体6の小径の端軸6bが貫通状態でかつ回転可能に嵌め合わされている。
【0020】
3.円筒位相補正手段8
円筒位相補正手段8は、円筒部材7の端軸7bの端部にボルト27にて固定された第1のフランジ16と、円筒部材7の端軸7bと第1のフランジ16とを貫通している版胴本体6の小径部29側の端軸6bの端部に、ボルト25で固定されている第2のフランジ17とを有している。この両フランジ16、17は回転可能に軸方向に対向接触されている。
【0021】
そして第1のフランジ16の端面で、円筒部材7の軸心から半径方向に適宜離れた位置に、軸心と平行に第2のフランジ17側へ突出するピン18が設けてあり、第2のフランジ17のこのピン18に対向する部分には、このピン18が余裕をもって挿入される補正用穴19が第2のフランジ17の厚さ方向に設けてある。
【0022】
第2のフランジ17の補正用穴19の軸方向に対して直角方向両側に雌ねじ23、23が設けてあり、この各雌ねじ23、23に、第2のフランジ17の軸直角方向両側よりそれぞれ補正ボルト20、20′がねじ結合されている。この各補正ボルト20、20′の先端はピン18の側面に対向しており、いずれか一方の補正ボルト20または20′をねじ込むことにより、この補正ボルト20または20′の先端がピン18の側面に当接してこれを補正用穴19内の一方へ押し、これにより、第2のフランジ17に対して第1のフランジ16が版胴本体6の軸線まわりに角変位されるようになっている。
【0023】
この実施の形態における円筒位相補正手段8は、版胴装置2の停止状態で作業員による手操作にて行う構成であることにより、簡単な構成にすることができる。
【0024】
なお、この円筒位相補正手段8としては、図示してないが、前記第2のフランジ17に対して、第1のフランジ16を角変位可能に補正できる機構、例えば、第1のフランジ16の外周をウォームホイールとし、これに噛み合うウォームを第2のフランジ17に支持するようにし、ウォームを回転することによりウォームホイールが回転し、これにより円筒部材7が版胴本体6の軸線まわりに角変位するようにした機構であってもよい。
【0025】
4.固定手段9
固定手段9は、第1のフランジ16の端面に複数設けられている雌ねじ24と、この各雌ねじ24と位相を合わせて第2のフランジ17の厚さ方向に設けられた貫通穴21と、この各貫通穴21を通して前記雌ねじ24にねじ結合されて第1・第2の両フランジ16、17を締め付け、両者を一体に固定するようにした固定ボルト22とで構成されている。そして前記貫通穴21は固定ボルト22の径より大きくなっていて、貫通穴21内で固定ボルト22が円筒部材7の回転方向に少し移動できるようになっている。
【0026】
5.刷版装着手段10
刷版装着手段10は公知の機構が用いられるものであって、版胴本体6及び円筒部材7のそれぞれに設けられた各溝12、12′の内部に設けられている(詳細は図示せず)。
【0027】
版胴本体6及び円筒部材7の各溝12、12′の回転方向の後行側端面に刷版Pの一方端を掛け、外周面に巻き付けた刷版Pの他方端を、この各溝12、12′内に設けた刷版装着手段10にて繋止して版胴本体6及び円筒部材7の外周面に刷版Pを装着するようになっている。
【0028】
6.調整手段11
調整手段11は印刷手段4の回転駆動装置に連結して設けられている。この回転駆動装置は、版胴本体6の大径部28側の端軸6aに取り付けられた第1はすば歯車26と、ブランケット胴3の軸に取り付けられ、前記第1はすば歯車26に噛み合う第2はすば歯車31と、この両はすば歯車26、31のいずれか一方に噛み合う図示しない伝動歯車とからなっている。前記第1はすば歯車26は端軸6aに対して軸方向に移動可能に、かつ回転方向に繋止されており、この第1はすば歯車26と版胴本体6の大径部28側の端軸6aに調整手段11が連結されている。
【0029】
調整手段11は図3に示すようになっており、端軸6aの先端にはねじ軸32の一端が軸受け33を介して回転可能に、かつ軸方向に連繋して連結されており、このねじ軸32はサブフレーム34に固定された固定雌ねじ部材35にねじ結合されている。そしてこのねじ軸32の他端部に従動歯車36が固定されており、この従動歯車36にサブフレーム34に支持された第1のモーター37にて駆動される駆動歯車38が噛み合っている。
【0030】
一方版胴本体6側の第1はすば歯車26はねじ軸32にねじ結合された回転雌ねじ部材39に、軸受け40を介して回転可能に、かつ軸方向に連繋して連結されている。そしてこの回転雌ねじ部材39に従動歯車41が固定されており、この従動歯車41にサブフレーム34に支持された第2のモーター42にて駆動される駆動歯車43が噛み合っている。
【0031】
そしてこの調整装置11では、第1のモーター37を正転あるいは逆転することにより、ねじ軸32が正転あるいは逆転されて版胴本体6が軸方向に往動あるいは復動されて軸方向の位相がずらされる。
【0032】
また第2のモーター42を正転あるいは逆転することにより回転雌ねじ部材39がねじ軸32に対して回転して軸方向に移動し、これにより第1はすば歯車26が軸方向に往動あるいは復動されて第2はすば歯車31との噛み合い位相がずれ、版胴本体6とブランケット胴3の回転位相がずらされる。
【0033】
上記記載の実施の形態における装置の作用について説明する。版胴装置2は、印刷部1の組み立て時に各版胴装置2…の版胴本体6と円筒部材7を予め定められた円周方向位相になるように補正し、その位相関係のまま版胴本体6と円筒部材7を一体に固定するもので、以後、最初に設定した版胴本体6に対する円筒部材7の円周方向位相は、何らかの事故によって位相がくるった場合を除き補正は行わない。
【0034】
版胴本体6に対する円筒部材7の円周方向位相を補正するにあたって、最初に、印刷部1に取り付けられている印刷手段4の版胴装置2において、版胴本体6の溝12の位置に対する円筒部材7の溝12′の位置を計測する。次に、この計測値と予め定めた基準値とが一致するように補正を行う。つまり、例えば予め定めた基準となる位相差が90度とすると、印刷稼動時における版胴装置2の回転で回転方向の後行側となる前記溝12の端面から、同様に後行側となる溝12′の端面までの外周面上の距離を計測した値と、位相差が90度のときの、前記溝12の後行側の端面から溝12′の後行側の端面までの外周面上の距離の基準値とを比較し、前記計測値と基準値が一致するように補正を行う。
【0035】
この補正には、図1及び図2に示されるように、版胴本体6の端軸6bの端部にボルト25で固定されている第2のフランジ17と、円筒部材7の端軸7bにボルト27で固定されている第1のフランジ16とを一体に固定している固定ボルト22…をゆるめ、第1のフランジ16及び第2のフランジ17が接して軸方向に移動しない状態を保ちながら、第1のフランジ16を第2のフランジ17に対して角変位可能な状態にする。ただし、このとき円筒部材7の角変位調整のための補正ボルト20、20′は、円筒部材7と連結する第1のフランジ16に固定されているピン18を両側から挟んでいる状態であり、円筒部材7は、角変位ができない状態にある。
【0036】
続いて、円筒部材7を版胴本体6の小径部29の外周に沿って版胴本体6の軸線まわりに、例えば図2において右回り(時計回り)に角変位させたいときは、ピン18に右側から接触している補正ボルト20′を後退させて、この補正ボルト20′の端部とピン18との間に隙間を設ける。次に、前記左側の補正ボルト20を前進させて、この補正ボルト20の先端でピン18を押し、前記計測値が前記基準値と一致するまで、基準となる溝12の後行側の端面から溝12′の後行側の端面までの外周面上の距離になるように、円筒部材7と一体の第1のフランジ16を版胴本体6と一体の第2のフランジ17に対して版胴本体6の軸線まわりに角変位させる。そして、前記計測値が基準値と一致した位置において左側の補正ボルト20の前進を中止し、右側の補正ボルト20′を締め込み、ピン18を補正ボルト20、20′で両側より挟んだ状態にし、第1のフランジ16及びこれと一体の円筒部材7を第2のフランジ17及びこれと一体の版胴本体6に対し、版胴本体6の軸線まわりに角変位できない状態にする。その後、固定手段9の固定ボルト22…を全て締め付け、版胴本体6と円筒部材7を一体に固定する。
【0037】
以上記載の組み立て時の補正を、全ての印刷部1の全ての版胴装置2について行う。
ただし、印刷部1を通る連続紙Wの両側の印刷手段4において、それぞれの版胴装置2、2の回転方向が逆向きになるので、版胴本体6に対する円筒部材7の円周方向の位相のずれる方向は勝手反対となる。
【0038】
以上のように補正することによって、例えば図4に示す多色印刷装置では、連続紙Wの同一面側の印刷手段4の版胴装置2、2…の版胴本体6に対する円筒部材7の位相は全て略同じ設定となる。
その後、版胴装置2の版胴本体6と円筒部材7の外周に刷版P…が巻き付けらられ、刷版装着手段10により装着される。
【0039】
なお、装着される刷版Pは、版面の焼き付け位置、先行側、後行側の版折り曲げ形状は、精度よく作成されている。また、刷版Pを版胴装置2の軸方向2つの領域に装着する際の軸方向の取り付け位置を他の手段によって精度よく位置決め可能となっていることは勿論であるが、前記他の手段はこの発明とは直接関係しないので説明を省略する。
【0040】
刷版Pを装着した後、印刷を開始する。例えば、図4の印刷装置で連続紙Wに多色印刷するときは、重ね刷りされる各色の印刷画像間で若干ずれることがある。しかし、この印刷画像のずれは、版胴装置2の軸方向の2つの領域において、ずれの方向及びずれの大きさが等しくなる。したがって、重ね刷りする複数の印刷画像のいずれか1つに対する他の印刷画像のずれをなくすべく、他の印刷画像の刷版Pが装着された版胴装置2を、それぞれに設けられた調整手段11でずれがなくなるよう軸方向と円周方向の双方、またはいずれか一方に移動調整する。この調整により版胴装置2、すなわち版胴本体6と円筒部材7が一体で移動し、この版胴装置2の軸方向の2つの領域の刷版P、Pによる印刷画像のずれを一斉に取り除くことができる。
【0041】
このように、連続紙Wの同じ面に印刷する印刷手段4の版胴装置2の版胴本体6に対する円筒部材7の相対的な円周方向の位相を、全ての印刷手段4とも同じに設定し、その状態で固定して版胴本体6と円筒部材7を一体とし、それぞれの版胴装置2…の調整手段11…で、軸方向、円周方向の位相をそれぞれ一体で調整することにより、版胴本体6及び円筒部材7の印刷領域とも重ね刷りされる画像をずれのないように印刷することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上記載の通りであるので、この発明の実施により以下の効果が得られる。
版胴装置の外周を軸方向に2領域に分け、その円周方向の相対的な位置を補正するとともに、補正した状態で一体に固定可能としたことにより、軸方向の2つの領域のそれぞれに設けた刷版装着手段の円周方向の相対位置を精度よく合わせることが可能となった。
【0043】
また、精度よく合わせられた軸方向の2つの領域を固定して、版胴本体及び円筒部材を一体に固定して印刷することができるので、軸方向、円周方向に調整する調整手段11を1組だけ設けることにより、前記2つの領域による重ね刷りした印刷画像のずれを一斉に取り除いて、2つの領域ともにずれのない印刷をすることができた。そして、前記調整手段11が1組だけでよいので、印刷手段の部品点数が少なく安価となり、メンテナンスが容易となった。さらに本発明によれば、円筒位相補正手段及び固定手段がフレームの外側に位置されること、及び固定手段がフレームの外側において、円筒位相補正手段を構成する2つのフランジを軸方向へ締め付けて一体に固定する構成になっていることにより、円筒位相補正手段8は、版胴装置2の停止状態で作業員による手操作にて行う簡単な構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の版胴装置を示す一部破断面図である。
【図2】図1のA矢視一部破断面図である。
【図3】調整手段の一例を示す断面図である。
【図4】多色刷り印刷機の複数の印刷手段を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1…印刷部、2…版胴装置、3…ブランケット胴、4…印刷手段、6…版胴本体、6a,6b…端軸、7…円筒部材、7b…端軸、8…円筒位相補正手段、9…固定手段、10…刷版装着手段、11…調整手段、12,12′…溝、13…軸受け、14…軸受け、15,15′…フレーム、16…第1のフランジ、17…第2のフランジ、18…ピン、19…補正用穴、20,20′…補正ボルト、21…貫通穴、22…固定ボルト、23…雌ねじ、24…雌ねじ、25…ボルト、26…第1はすば歯車、27…ボルト、28…大径部、29…小径部、31…第2はすば歯車、32…ねじ軸、33…軸受け、34…サブフレーム、35…固定雌ねじ部材、36…従動歯車、37…第1のモーター、38…駆動歯車、39…回転雌ねじ部材、40…軸受け、41…従動歯車、42…第2のモーター、43…駆動歯車、W…連続紙、P…刷版。
Claims (1)
- 外周を軸方向に2領域に分け、その両方に刷版を巻き付けて装着する輪転印刷機における版胴装置において、
同一軸線を有して隣接する大径部と小径部を備え、大径部の予め定めた位置に軸線と平行に刷版装着手段を設け、かつ大径部と小径部のそれぞれの端部に端軸を設けるとともに、大径部側の端軸をフレームに回転可能に支持した版胴本体と、
版胴本体の小径部に版胴本体の軸線まわりに角変位可能に装着され、版胴本体の大径部と同じ外径を備えるとともに、予め定めた位置に前記軸線と平行に刷版装着手段を設け、かつ一方の端部に端軸を設け、この端軸に版胴本体の小径部側の端軸を貫通状態でかつ回転可能に嵌め合せるとともに、この端軸をフレームに回転可能に支持した円筒部材と、
前記円筒部材に設けた端軸の端部に第1フランジを、また、円筒部材側の端軸を貫通する版胴本体側の端軸の端部に第2フランジを、フレームの外側において軸方向に対向接触させるとともに、一方のフランジに対して他方のフランジを版胴本体の軸線まわりに角変位可能にして設け、一方のフランジに対して他方のフランジを角変位することにより、版胴本体と円筒部材との相対的な円周方向位相を補正可能な円筒位相補正手段と、
前記第1フランジと第2フランジとを軸方向への締め付けにより一体に固定することにより版胴本体と円筒部材とを一体に固定可能な固定手段と、
を有し、
軸方向に分けた2つの領域の刷版装着手段の相対的な位置を補正した後に固定手段にて版胴本体と円筒部材とを一体に固定可能としたことを特徴とする版胴装置。
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