JP3577420B2 - 荷重センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷重センサに関し、特に、低荷重から高荷重にわたって高精度で検出することのできる荷重センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より用いられている荷重センサの1つに歪みゲージがある。歪みゲージは、電気抵抗値が100〜500オーム程度を有する所定形状の金属箔を起歪体に接着して構成され、前記起歪体に外力が加わった際の形状変化、すなわち力学量を電気抵抗に変換するものである。歪みゲージは、前記箔型のほかに、ニッケル・銅合金による抵抗線型、半導体を構成要素とする半導体型などがある。歪みゲージは、産業機械に広く用いられており、例えば、射出成形機のキャビティの圧力を検出するために用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の荷重センサによると、耐ノイズ性、温度特性等が良くないため、用途上の制限が生じ、例えば、車両用として使用することができない。
したがって、本発明の目的は、例えば、車両用としても使用できるように、耐ノイズ性、温度特性等に優れ、かつ広い範囲の荷重を高精度で検出することができる荷重センサを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、荷重を受けて前記荷重に応じた検出信号を出力する荷重センサにおいて、第1の弾性係数を有する第1の弾性部材と、前記第1の弾性部材の一端に配設され、前記荷重を受けて前記第1の弾性部材を変形させながら所定の方向に変位する第1の変位部材と、前記第1の弾性部材の変形が所定の値に達したとき、前記第1の変位部材の変位を受けて前記第1の弾性部材のそれ以上の変形を禁止する弾性変形禁止部材と、前記第1の弾性係数より大なる第2の弾性係数を有し、前記第1の弾性部材に直列に配置される第2の弾性部材と、前記第1の弾性部材の他端および前記第2の弾性部材の一端に係止されるように配設され、前記第2の弾性部材の初期変位によって前記所定の方向と反対の方向に所定の反力を受けるとともに、前記第1の弾性部材の変形が前記所定の値以下の場合に、前記荷重が前記所定の反力の以下のとき、前記所定の方向に変位せずに前記第1の変位部材の変位を前記第1の弾性部材を介して受け、前記荷重が前記所定の反力を超えたとき、前記第1の変位部材の変位を前記第1の弾性部材を介して受けることにより前記第2の弾性部材を変形させながら前記所定の方向に変位し、前記第1の弾性部材の変形が前記所定の値に達した場合に、前記第1の変位部材の変位を前記弾性変形禁止部材を介して受けることにより前記第2の弾性部材を変形させながら前記所定の方向に変位する第2の変位部材と、前記第1および第2の変位部材の変位を検出して前記検出信号を出力する検出手段とを備えたことを特徴とする荷重センサを提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面をもとに説明する。
図1は本発明による荷重センサを示す。2室構造に作られているハウジング1は、1端に開口1aが設けられており、この開口1aに可動プレート2(第1の変位部材)が配設されている。ハウジング1の内部の第1室1bと第2室1cの間にも開口1dが設けられており、この開口1dには可動プレート3(第2の変位部材)が配設されている。可動プレート3は、第1室1b内に突出する円筒部3a(弾性変形禁止部材)を有している。この円筒部3aは、後述するコイルばね9のストッパとして機能する。
【0006】
可動プレート2の内面にはマグネット4(第1の磁気発生源)が装着され、このマグネット4の両脇には、磁性材料による一対の磁極片5a,5bが立設され、マグネット4の磁気回路の一部を形成している。磁極片5a,5bの先端部に形成された間隙内には、変位検出素子6が配設され、支持片7および台座部8を介して可動プレート3に取り付けられている。可動プレート3の円筒部3a内には、先端面が可動プレート2の内面に接する第1の弾性部材としてのコイルばね9(ばね定数KA を有する)が配設され、可動プレート2を可動プレート3から離間する方向に附勢している。
【0007】
同様に、可動プレート3の内面にはマグネット10(第2の磁気発生源)が装着されており、このマグネット10の両脇には、磁性材料による一対の磁極片11a,11bが立設されている。磁極片11a,11bの先端部に形成された間隙内には、変位検出素子12が配設されている。変位検出素子12は、支持片13を介して電子回路14のケース面に取り付けられている。電子回路14は、変位検出素子6,12に所定の電圧を印加すると共に、その出力信号を処理する。さらに、ハウジング1の第2室1c内には、可動プレート3を第1室1b方向へ附勢するコイルばね15(第2の弾性部材)が配設されている。このコイルばね15は、ばね定数KB を有する。
【0008】
変位検出素子6,12には、磁気センサに属するMR素子(磁性薄膜磁気抵抗素子)を用いている。このMR素子は、Ni−Fe等の磁性金属蒸着薄膜を用いて抵抗素子を形成したものであり、この抵抗素子に平行な磁界を加えると、電流の向きと磁界の方向が平行のときに内部抵抗が最大になり、直交すると最小になる特性を有している。また、両者の方向が同じでも、MR素子を通過する磁界の強さ(磁束密度)に応じて抵抗値が変化する。本発明では、この磁束密度の変化を利用してセンサを構成している。さらに、MR素子は、耐熱性が良く、温度係数が小さく、弱磁界で動作し、かつ高感度であるという特徴を有している。したがって、MR素子は車両用として使用するセンサには最適である。
【0009】
図1の荷重センサにおいては、可動プレート2に荷重Fが加わると、可動プレート2は荷重Fの大きさに応じて、可動プレート3側へ移動する。このとき、可動プレート2と共に磁極片5a,5bが移動し、変位検出素子6に及ぼすマグネット4の磁束密度が変化する。このとき、磁気回路が、マグネット4→磁極片5a→変位検出素子6→磁極片5b→マグネット4の経路で形成され、変位検出素子6の磁界中に介在する面積が可動プレート2の移動で変化し、付与される磁束密度に応じて変位検出素子6の出力電圧(検出電圧)が変化する。
【0010】
可動プレート3は、可動プレート2に加わる荷重Fがコイルばね15の附勢力を上回ると移動を開始する。したがって、可動プレート2が移動しない限り可動プレート3が移動することはない。可動プレート3の移動と共に磁極片11a,11bが移動し、変位検出素子12に及ぼすマグネット10の磁束密度が変化し、変位検出素子6の場合と同様にして磁気回路が形成され、変位検出素子12に与えられる磁束密度の変化に応じて出力電圧(検出電圧)が変化する。可動プレート2が円筒部3aの先端面に当接するほどの強い荷重Fが加わると、以後は、可動プレート2と可動プレート3が一体的に移動するが、変位量の検出は変位検出素子12のみになり、変位検出素子6の検出値は一定値になる。
【0011】
以上のように、本発明の荷重センサは、印加された荷重Fをコイルばね9,15による弾性部材でストロークの変化に置換し、そのストロークの変化を変位検出素子6,12で検出している。そして、比較的小さな荷重Fから大きな荷重Fに至るまで検出できるように、ばね定数Kの異なる弾性部材を2段構成に配置した2個のセンサ部分により荷重センサを構成している。この構成により、車両のFRベースの4WD車のイニシャル荷重を検出するセンサに用いた場合、高精度に検出できるようになる。
【0012】
図2は図1の荷重Fに応じた荷重センサの各部の変化を示す。図2においては、変位状態をわかり易くするため、説明に必要のない部品の図示を省略している。(a)は荷重F(外力)が小さい時、(b)は荷重Fが中位の時、(c)は荷重Fが大きい時である。荷重Fが小さい時、可動プレート2に加わる力が小さいため、コイルばね9による反力FA0によって可動プレート2は移動しない。したがって、変位検出素子6,12のいずれにも出力信号は発生しない。このとき、円筒部3a(ストッパ)の先端面と可動プレート2の内面との間の距離は、L0 である。
【0013】
次に、中程度の荷重Fが印加されると、図2の(b)に示すように、可動プレート2は可動プレート3側へ距離Lだけ移動する。このとき、荷重Fはコイルばね15の附勢力を越えるため、コイルばね9が圧縮され、さらにコイルばね15を圧縮するので、可動プレート3も反力FBを受けながら距離LBだけ移動する。そして、可動プレート2と円筒部3aの距離は、図2の(a)のL0からLAに縮まる。可動プレート2の移動距離Lは、以下の式で表される。そして、図2の(b)の状態においては、電子回路14に変位検出素子6,12の2つの検出信号が入力される。
L=(L0−LA)+LB
【0014】
次に、図2の(c)に示すように、大きな荷重Fが可動プレート2に印加されると、可動プレート2および可動プレート3の各移動距離は図2の(b)の状態から、更に大きくなる。このとき、可動プレート2の内面は、円筒部3aの先端面に当接した状態になり、コイルばね9の反力は最大(FA MAX )になる。これ以上の荷重Fに対しては、可動プレート2と可動プレート3が一体となって移動し、変位検出素子12からの検出量のみが変化する。
【0015】
図3は印加される荷重Fと各可動プレートの変位Lの関係を示している。図中の太い実線は荷重特性であり、コイルばね9(ばねA)と15(ばねB)の機能範囲をばね定数(KA 、KB )で示している。図2の(a)に示す荷重Fが反力FA0以下であれば、可動プレート2の変位はL=0である。反力FA0を上回る荷重Fが可動プレート2に加わると、可動プレート2は距離Lを移動する。このとき、コイルばね9(ばねA)はばね定数KA により反力を形成しており、図3のL1 の点まで持続する。L1 は以下の式で示される。
L1 =(FB0−FA0)/KA
【0016】
次に、図2の(b)のように、可動プレート2と可動プレート3が移動可能な荷重F(>FB0)が可動プレート2に印加されると、可動プレート2,3が共に移動する。このとき、ばね定数は、コイルばね9(ばねA)と15(ばねB)を合成したものとなり、次式で与えられる。この動作状態におけるばね定数の変化は、可動プレート2が円筒部3aに当接するまでとなる。
ばね定数=KA ・KB /(KA +KB )
【0017】
次に、図2の(c)のように、可動プレート2が円筒部3aに当接すると、コイルばね9の圧縮は固定され、以後は、コイルばね15のみが荷重Fに応じて変化する。したがって、コイルばね15のばね定数KB のみが機能する状態になる。図2の(c)に示すように、コイルばね15(ばね定数KB )のみが機能する状態における距離L2 は、以下の式で示される。
L2 =L0 +LB0
【0018】
図4は電子回路14の構成を示す。電子回路14は、変位検出素子6,12の出力電圧が入力される判別回路16と、この判別回路16の出力信号に対して所定の補正を実施する補正回路17を備えて構成される。判別回路16は、変位検出素子6,12の抵抗変化を電圧値に変換する機能のほか、コイルばね15のへたり量を検出して補正量を演算する機能、および特性の切り替わりポイントを判別する機能を備えている。補正回路17は、判別回路16からのデータ(コイルばね15のへたりの補正、および特性の切り替わりポイント)を基に出力特性(荷重−出力電圧)を補正する。
【0019】
図5は判別回路16の特性切り替わりポイントの判別を示す。コイルばね9(ばねA)のみが機能している領域、コイルばね9(ばねA)と15(ばねB)が機能している領域、コイルばね15(ばねB)のみが機能している領域のそれぞれは、ばね定数特性が異なる。そこで、その切り替え点(特性変化点)を判別する。
【0020】
判別回路16では、コイルばね15のへたり量も検出する。コイルばね15は高荷重のときに機能するように構成されている。このため、長年にわたって使用される車両では、コイルばね15がへたりを生じても検出精度が低下しないようにする必要がある。そこで、へたりのない、あるいは少ない1段目のコイルばね9を用いて2段目のコイルばね15のへたり量を検出する。
【0021】
図6は補正回路17の補正処理を示す。この補正処理は、図5のように判別した特性切り替わりポイントとへたり量を基に、荷重−センサ出力(電圧)の特性が直線になるように補正し、荷重の大きさによらずリニアな特性が得られるようにしている。
【0022】
図7はコイルばねのへたり補正が無い場合の荷重−変位特性を示す。この特性はコイルばね15と変位検出素子12を含むセンサ部分についてであり、実線は初期時の荷重特性であり、へたりが無いためにリニアな特性を示している。破線は経年変化によりへたりが生じた荷重特性を示し、検出精度にばらつきを与えることになる。へたりによる荷重・変位特性は、両端を除けば平行移動した特性になる。
【0023】
図8はコイルばねのへたりに補正が施された荷重−変位特性を示す。図中、ばねAは低荷重用のコイルばね9であり、この応力は小さいため、へたりは精度に影響を与えないレベルに収まる。したがって、コイルばね9(ばねA)のへたりは無視することができる。ばねBは高荷重用のコイルばね15であり、検出精度を低下させるへたりが生じる可能性が大きい。
【0024】
任意の荷重FC をばねBに与えたときのばねBの初期時(へたりの無い状態)の変位をLB とし、これを予め検出して判定回路16にストアしておく。一方、任意の荷重FC をばねAに与えたときのばねAの変位をLA とする。次に、任意の荷重FC をへたりを有するばねBに与え、そのときのばねBの変位LB ′を検出する。この検出結果に基づき、へたりに基づく変位の変化量ΔLは、
ΔL=LB ′−LB
で求めることができる。
【0025】
以上述べた変化量ΔL、図5の切り替わりポイント、および変位検出素子6,12の出力が判定回路16から補正回路17へ与えられる。補正回路17は、これらの入力に基づいて所定の演算を実行し、図6の荷重・センサ出力のリニアな特性を出力する。
【0026】
図9は本発明による荷重センサを車両(4WD車)のトランスファーに適用した例を示す。トランスファーは、エンジンからの動力を後輪に伝えると共に前輪に選択的に伝達し、4WD駆動と2WD駆動の切り替えを行うために用いられる。トランスファーは、トランスファーケース20、エンジン出力が伝達されると共に後輪の駆動軸となるシャフト21、このシャフト21とスプロケット22dの間に設けられた多板クラッチ22、多板クラッチ22を押圧するプレッシャープレート23、このプレッシャープレート23にスラスト力を伝えるためにトランスファーケース20のピボット軸受け25に支持されたレバー24、このレバー24の他端に一端が係合するリンク26、このリンク26の他端に係合して矢印X方向に移動可能な押圧部材27、この押圧部材27に隣接配置された荷重センサ28、この荷重センサ28を収容するシリンダ部29、ロッド30を介して荷重センサ28の可動プレート2(不図示)にスラスト力を伝えるスラスト力発生装置31、前輪駆動用シャフト32、多板クラッチ22の回転力を前輪駆動用シャフト32に伝達するためのチェーン33を備えて構成されている。
【0027】
多板クラッチ22は、シャフト21の軸方向に一定間隔に取り付けられたインナークラッチ板22a、このインナークラッチ板22aを覆うようにしてシャフト21に遊嵌されたクラッチケーシング22b、インナークラッチ板22aに交互に位置するようにしてクラッチケーシング22bの内周面に固定されたアウタークラッチ板22cを備えている。多板クラッチ22の一端は、チェーン33に噛合するスプロケット22dに結合している。前輪駆動用シャフト32は、チェーン33に噛合するスプロケット32aに結合している。
【0028】
スラスト力発生装置31を駆動するためにモータ34が設けられ、その回転は減速ギヤ35,36,37を介してスラスト力発生装置31に伝達される。モータ34を制御するために制御部38が設けられている。制御部38は、運転者が2WDと4WDを切り換えるボタン操作(またはレバー操作)を行ったとき、その操作に応じて発せられた指示に従ってモータ34の回転数制御およびオン/オフ制御を実行する。
【0029】
次に、以上の構成によるトランスファーの動作を説明する。2WDとして使用しているとき、エンジンの駆動力はシャフト21を介して後輪に伝達されるが、多板クラッチ22が機能していないために、アウタークラッチ板22cは回転せず、前輪駆動用シャフト32には駆動力が伝達されない。運転者が4WDに切り替える操作をすると、その指示が制御部38に入力され、制御部38はモータ34を回転させる。減速ギヤ35,36,37により減速されたモータ34の回転力は、スラスト力発生装置31に伝達される。スラスト力発生装置31は回転力をスラスト力に変換し、このスラスト力をロッド30を介して荷重センサ28に伝達する。荷重センサ28は印加されたスラスト力を検出し、その検出値を検出データとして制御部38へ送出する。
【0030】
スラスト力発生装置31によるスラスト力は、荷重センサ28を介して押圧部材27およびリンク26に順次伝達され、レバー24の他端が図の左方向に押される。この結果、プレッシャープレート23がインナークラッチ板22aおよびアウタークラッチ板22cを当接させ、クラッチケーシング22bがシャフト21と一体に回転する。クラッチケーシング22bの回転は、スプロケット22dを介してチェーン33に伝達され、前輪駆動用シャフト32が回転する。この時点で、シャフト21と共に前輪駆動用シャフト32が回転し、4WD状態になる。なお、スラスト力発生装置31が発するスラスト力に応じて、多板クラッチ22のインナークラッチ板22aとアウタークラッチ板22cの結合度は変化し、前輪への回転力の伝達状態を変えることができる。多板クラッチ22における結合状態を制御値に保つため、制御部38は、荷重センサ28の検出値と、制御部38に設定されている設定値とを比較し、その偏差が0になるようにモータ34の回転数を制御する。
【0031】
ダイレクト駆動式の4WD車においては、後輪のシャフト21のスラスト軸圧を荷重センサ28で検出し、これを4WDの駆動力配分の制御に用いている。荷重センサ28を用いて最適配分制御を行うためには、比較的小さな荷重の検出が行え、温度やノイズの影響を受けず、かつ小型で低コストであることが要求される。この要求は、図1に示した本発明の荷重センサを用いることによって満たされる。すなわち、2つの弾性部材と2つの可動プレートによる2段構造のセンサ部を備え、耐ノイズ性と温度特性の条件を満たしたMR素子を用いた構成にしたことにより、高精度の制御が可能になる。
【0032】
上記実施の形態においては、変位検出素子としてMR素子を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、同程度の特性とコンパクトさを備えた変位検出素子であれば、種類は問わない。
【0033】
また、可動プレート2とコイルばね9、および可動プレート3とコイルばね15のそれぞれは、固定されていてもよいし、単に接触している状態であってもよい。
【0034】
さらに、マグネット4,10は、電磁石であってもよい。また、マグネットおよび磁極片と、変位検出素子との位置関係は、入れ代わった構成であってもよい。
【0035】
上記実施の形態においては、電子回路14をハウジング1内に設けたが、ハウジング1から離れた場所に設置し、リード線(またはケーブル)で変位検出素子と接続する構成にすることもできる。
【0036】
【発明の効果】
以上より明らかな如く、本発明の荷重センサによれば、可動部材と弾性部材によるセンサ機構を直列に配置した2段構成とし、印加された荷重に応じて2つのセンサ機構を連続的に作動させ、それぞれの可動部材の変位量(移動量)を検出するようにしたので、耐ノイズ性と温度特性の要求を満たすことができ、車両に適用されて広い範囲の荷重を高精度で検出することがきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による荷重センサを示す断面図である。
【図2】本発明の荷重センサの荷重Fに応じた各部の変化を示す説明図である。
【図3】印加される荷重Fと各可動プレートの変位Lの関係を示す特性図である。
【図4】図1の電子回路の詳細構成を示すブロック図である。
【図5】図4の判別回路の特性切り替わりポイントの判別を示す説明図である。
【図6】図4の補正回路の補正処理を示す説明図である。
【図7】コイルばねのへたり補正が無い場合の荷重−変位特性を示す特性図である。
【図8】コイルばねのへたり補正が施された荷重−変位特性を示す特性図である。
【図9】本発明による荷重センサが適用された車両(4WD車)のトランスファーを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 可動プレート
3 可動プレート
4 マグネット
5a,5b,11a,11b 磁極片
6,12 変位検出素子
7 支持片
8 台座部
9,15 コイルばね
10 マグネット
14 電子回路
16 判別回路
17 補正回路
Claims (6)
- 荷重を受けて前記荷重に応じた検出信号を出力する荷重センサにおいて、
第1の弾性係数を有する第1の弾性部材と、
前記第1の弾性部材の一端に配設され、前記荷重を受けて前記第1の弾性部材を変形させながら所定の方向に変位する第1の変位部材と、
前記第1の弾性部材の変形が所定の値に達したとき、前記第1の変位部材の変位を受けて前記第1の弾性部材のそれ以上の変形を禁止する弾性変形禁止部材と、
前記第1の弾性係数より大なる第2の弾性係数を有し、前記第1の弾性部材に直列に配置される第2の弾性部材と、
前記第1の弾性部材の他端および前記第2の弾性部材の一端に係止されるように配設され、前記第2の弾性部材の初期変位によって前記所定の方向と反対の方向に所定の反力を受けるとともに、前記第1の弾性部材の変形が前記所定の値以下の場合に、前記荷重が前記所定の反力の以下のとき、前記所定の方向に変位せずに前記第1の変位部材の変位を前記第1の弾性部材を介して受け、前記荷重が前記所定の反力を超えたとき、前記第1の変位部材の変位を前記第1の弾性部材を介して受けることにより前記第2の弾性部材を変形させながら前記所定の方向に変位し、前記第1の弾性部材の変形が前記所定の値に達した場合に、前記第1の変位部材の変位を前記弾性変形禁止部材を介して受けることにより前記第2の弾性部材を変形させながら前記所定の方向に変位する第2の変位部材と、
前記第1および第2の変位部材の変位を検出して前記検出信号を出力する検出手段とを備えたことを特徴とする荷重センサ。 - 前記第1および第2の弾性部材は、第1および第2のコイルばねであり、
前記第1の変位部材は、前記第1のコイルばねの一端に配設された第1のプレートであり、
前記第2の変位部材は、前記第1のコイルばねの他端および前記第2のコイルばねの一端に配設された第2のプレートであり、
前記弾性変形禁止部材は、前記第1のコイルばねと平行に位置し、前記第1のコイルばねが変形したときに前記第1のプレートに接触する一端を有し、前記算2のプレートに固定されたプレートまたは筒状体である請求項1記載の荷重センサ。 - 前記検出手段は、前記第1および第2の変位部材に設けられた第1および第2の磁気発生源と、前記第1および第2の変位部材に設けられて前記第1および第2の磁気発生源との組み合わせにより磁気回路を形成する第1および第2の磁極片と、前記第1および第2の磁極片の変位を検出する第1および第2の変位検出素子と、
前記第1および第2の変位検出素子の出力電圧の変化に基づいて検出信号を出力する演算回路によって構成される請求項1記載の荷重センサ。 - 前記演算回路は、前記第1の変位検出素子の出力電圧の変化に基づいて低荷重値を演算し、前記第2の変位検出素子の出力電圧の変化に基づいて高荷重値を演算する請求項3記載の荷重センサ。
- 前記演算回路は、前記第2の弾性部材のへたりを補正する補正回路を有する請求項3記載の荷重センサ。
- 前記第1の変位部材は、四輪駆動車両用トランスファーの多板クラッチの押圧プレートに与えられるスラスト力を前記荷重として受けて変位する請求項1記載の荷重センサ。
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