JP3576957B2 - 指紋認証システム及びその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の指紋を読み込む指紋読込端末と、特定の個人に係る指紋を記憶する指紋記憶装置と、読み込んだ指紋と記憶された指紋とを照合する指紋照合装置と、を用いて指紋を認証する指紋認証システム及びその方法に関し、特に、複数の指紋を一括して照合する方式を採用した指紋認証システム及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、犯罪現場などに残っている指紋(以降、遺留指紋とも呼ぶ)を複数指セットでまとめて採取したときに、犯罪者などから採取したの指紋(以降、押捺指紋)と照合する際、それらの押捺指紋への照合は1指紋ずつ行い、その複数の照合結果を人が総合的に判断して、同一人物と思われる押捺指紋があるか否かを判断していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の判断方法では次のような問題点があった。
【0004】
第1の問題点は、総合的な判断をするのに人の労力を要し、また間違いが発生する場合もあるということである。その理由は、1つの指紋の照合結果に数百件の候補が挙がる場合など、複数の候補者リストを総合的(横断的)に見て、最も有力(同一)だと思われる候補を特定するのは、手間のかかる面倒な作業である。また、このような作業を人が行うのでミスが発生することもある。
【0005】
第2の問題点は、照合ジョブの扱いが煩雑であるということである。その理由は、1つの指紋毎に照合ジョブが生成されるため、複数の照合ジョブの結果の確認(候補者リストの参照)には、ジョブを間違えないように選択して参照する必要がある。通常は他の無関係なジョブも多々生成されているので、その中から所定のジョブを取捨選択する別の煩わしい作業が必要である。また、これらの照合ジョブの結果が不要になり、ジョブの記録を削除する際にも同様なことが言える。
【0006】
本発明の第1の目的は、複数の指紋の照合作業の負担を軽減する指紋認証システム及びその方法を提供することである。
【0007】
本発明の第2の目的は、取り扱いの容易な指紋認証システム及びその方法を提供することである。
【0008】
【0009】
本発明の第1視点においては、所定の指紋を読み込む指紋読込端末と、特定の個人に係る指紋を記憶する指紋記憶装置と、読み込んだ指紋と記憶された指紋とを照合する指紋照合装置と、を用いて指紋を認証する指紋認証システムにおいて、(A)前記指紋読込端末は、採取した複数の指紋を読み込む指紋読込手段と、読み込んだ複数の指紋を一括して前記指紋照合装置に送信して一括照合を要求する一括照合要求手段と、前記指紋照合装置において登録されている、各読込指紋ごとに照合判断された候補者とその照合情報を並べた候補者リスト、及び、全読込指紋について総合的に照合判断された候補者とその照合情報を並べた総合リストの表示を可能とする表示手段と、を有し、(B)前記指紋照合装置は、制御部と、照合部と、総合リスト作成部と、総合リスト作成方式定義ファイルと、を備え、(B1)前記制御部は、前記指紋読込端末から送信された一括照合要求及び複数の指紋を受信し、受信した複数の指紋を1つずつ前記照合部に送信して照合を要求し、照合完了時に前記照合部から送信された複数の指紋及び候補者リストを受信し、受信した複数の指紋及び候補者リストを前記総合リスト作成部に送信して総合リストの作成を要求し、前記総合リスト作成部から送信された総合リストを受信する送受信手段と、前記一括照合要求に対応する1つのジョブを生成するジョブ生成手段と、受信した候補者リスト及び総合リストを対応する前記ジョブに登録する登録手段と、を有し、(B2)前記照合部は、前記制御部から送信された指紋及び照合要求を受信し、作成した候補者リストを照合結果として前記制御部に送信する送受信手段と、前記指紋記憶装置に記憶されている指紋と、受信した指紋と、を照合する照合手段と、照合結果に基づいて各指紋ごとに照合度を示す照合スコア及びこれに対応する候補者名を含む候補者リストを作成する候補者リスト作成手段と、を有し、(B3)前記総合リスト作成部は、前記制御部から送信された複数の指紋及び候補者リストを受信し、作成した総合リストを前記制御部に送信する送受信手段と、前記総合リスト作成方式定義ファイルから送信された総合リストの作成方式を認識する認識手段と、認識した作成方式に従って受信した複数の候補者リストにおける各候補者の照合スコアを積算した総合スコアを計算する計算手段と、認識された作成方式に従って候補者名及びこれに対応する総合スコアを列挙した総合リストを作成する総合リスト作成手段と、を有し、(B4)前記総合リスト作成方式定義ファイルは、前記総合リストの作成方式を記憶し、(C)前記指紋記憶装置は、特定の個人に係る複数の指紋を記憶する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の視点においては、所定の指紋を読み込む指紋読込端末と、特定の個人に係る指紋を記憶する指紋記憶装置と、読み込んだ指紋と記憶された指紋とを照合する指紋照合装置と、を用いて指紋を認証する指紋認証システムにおいて、(A)前記指紋読込端末は、採取した複数の指紋を読み込む指紋読込手段と、読み込んだ複数の指紋を一括して前記指紋照合装置に送信して一括照合を要求する一括照合要求手段と、前記指紋照合装置において登録されている、各読込指紋ごとに照合判断された候補者とその照合情報を並べた候補者リスト、及び、全読込指紋について総合的に照合判断された候補者とその照合情報を並べた総合リストの表示を可能とする表示手段と、を有し、(B)前記指紋照合装置は、制御部と、照合部と、総合リスト作成部と、総合リスト作成方式定義ファイルと、を備え、(B1)前記制御部は、前記指紋読込端末から送信された一括照合要求及び複数の指紋を受信し、受信した一括照合要求及び複数の指紋を前記照合部に送信して照合を要求し、照合完了時に前記照合部から送信された候補者リスト及び総合リストを受信する送受信手段と、前記一括照合要求に対応する1つのジョブを生成するジョブ生成手段と、受信した候補者リスト及び総合リストを対応する前記ジョブに登録する登録手段と、を有し、(B2)前記照合部は、前記制御部から送信された複数の指紋及び一括照合要求を受信し、作成した候補者リスト及び受信した複数の指紋を前記総合リスト作成部に送信して総合リストの作成を要求し、前記総合リスト作成部から送信された総合リストを受信し、作成した候補者リスト及び受信した総合リストを照合結果としてそれぞれ前記制御部に送信する送受信手段と、前記指紋記憶装置に記憶されている指紋と、受信した複数の指紋と、を照合する照合手段と、照合結果に基づいて各指紋ごとに照合度を示す照合スコア及びこれに対応する候補者名を含む候補者リストを作成する候補者リスト作成手段と、を有し、(B3)前記総合リスト作成部は、前記照合部から送信された複数の指紋及びこれに対応する候補者リストを受信し、作成した総合リストを前記照合部に送信する送受信手段と、前記総合リスト作成方式定義ファイルから送信された総合リストの作成方式を認識する認識手段と、認識した作成方式に従って受信した複数の候補者リストにおける各候補者の照合スコアを積算した総合スコアを計算する計算手段と、認識された作成方式に従って候補者名及びこれに対応する総合スコアを列挙した総合リストを作成する総合リスト作成手段と、を有し、(B4)前記総合リスト作成方式定義ファイルは、前記総合リストの作成方式を記憶し、(C)前記指紋記憶装置は、特定の個人に係る複数の指紋を記憶する、ことを特徴とする。
【0011】
また、前記指紋認証システムにおいて、前記候補者リスト及び前記総合リストは、並べられた候補者についての記憶指紋及び読取指紋を含むことが好ましい。
【0012】
また、前記指紋認証システムにおいて、前記候補者リスト及び前記総合リストは、読取指紋の品質のレベルを含むことが好ましい。
【0013】
また、前記指紋認証システムにおいて、前記総合リストは、各読取指紋について候補者として挙がった回数を含むことが好ましい。
【0014】
また、前記指紋認証システムにおいて、前記指紋記憶装置は、前記特定の個人に係る容姿、特徴、経歴を含む個人情報を記憶し、前記候補者リスト及び前記総合リストは、並べられた候補者についての前記個人情報又は記憶指紋にアクセスするためのアクセスキーを含むことが好ましい。
【0015】
また、指紋認証システムにおいて、前記指紋照合装置と前記指紋記憶装置とは情報ネットワークを介して接続されていることが好ましい。
【0016】
また、前記指紋認証システムにおいて、前記総合リスト作成方式定義ファイルは、採取した指紋の品質が悪い場合、前記候補者リストにおける照合スコアに品質係数をかけた値を加算することを定義することが好ましい。
【0017】
また、前記指紋認証システムにおいて、前記総合リスト作成方式定義ファイルは、どの指紋にも出現している候補者について、出現回数に頻度係数をかけた値をその総合スコアに加算することを定義することが好ましい。
【0018】
また、前記指紋認証システムにおいて、前記総合リスト作成方式定義ファイルは、計算された総合スコアの大きい候補者から順に所定の人数分を総合リストの候補者として載せるように定義することが好ましい。
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】
所定の指紋を読み込む指紋読込端末と、特定の個人に係る指紋を記憶する指紋記憶装置と、読み込んだ指紋と記憶された指紋とを照合する指紋照合装置と、を用いて指紋を認証する指紋認証システムにおいて、(A)前記指紋読込端末は、採取した複数の指紋を読み込む指紋読込手段と、読み込んだ複数の指紋を一括して前記指紋照合装置に送信して一括照合を要求する一括照合要求手段と、前記指紋照合装置において登録されている、各読込指紋ごとに照合判断された候補者とその照合情報を並べた候補者リスト、及び、全読込指紋について総合的に照合判断された候補者とその照合情報を並べた総合リストの表示を可能とする表示手段と、を有し、(B)前記指紋照合装置は、制御部と、照合部と、総合リスト作成部と、総合リスト作成方式定義ファイルと、を備え、(B1)前記制御部は、前記指紋読込端末から送信された一括照合要求及び複数の指紋を受信し、受信した複数の指紋を1つずつ前記照合部に送信して照合を要求し、照合完了時に前記照合部から送信された複数の指紋及び候補者リストを受信し、受信した複数の指紋及び候補者リストを前記総合リスト作成部に送信して総合リストの作成を要求し、前記総合リスト作成部から送信された総合リストを受信する送受信手段と、前記一括照合要求に対応する1つのジョブを生成するジョブ生成手段と、受信した候補者リスト及び総合リストを対応する前記ジョブに登録する登録手段と、を有し、(B2)前記照合部は、前記制御部から送信された指紋及び照合要求を受信し、作成した候補者リストを照合結果として前記制御部に送信する送受信手段と、前記指紋記憶装置に記憶されている指紋と、受信した指紋と、を照合する照合手段と、照合結果に基づいて各指紋ごとに照合度を示す照合スコア及びこれに対応する候補者名を含む候補者リストを作成する候補者リスト作成手段と、を有し、(B3)前記総合リスト作成部は、前記制御部から送信された複数の指紋及び候補者リストを受信し、作成した総合リストを前記制御部に送信する送受信手段と、前記総合リスト作成方式定義ファイルから送信された総合リストの作成方式を認識する認識手段と、認識した作成方式に従って受信した複数の候補者リストにおける各候補者の照合スコアを積算した総合スコアを計算する計算手段と、認識された作成方式に従って候補者名及びこれに対応する総合スコアを列挙した総合リストを作成する総合リスト作成手段と、を有し、(B4)前記総合リスト作成方式定義ファイルは、前記総合リストの作成方式を記憶し、(C)前記指紋記憶装置は、特定の個人に係る複数の指紋を記憶することにより、複数の指紋の照合結果を自動的に得ることができ、面倒な照合作業や複雑な操作を介さずに、総合的に判断した結果が容易にわかる。
【0022】
また、前記指紋認証システムにおいて、前記候補者リスト及び前記総合リストは、並べられた候補者についての記憶指紋及び読取指紋を含むことにより、各候補者について直接、記憶指紋と読取指紋とを比較することができる。
【0023】
また、前記指紋認証システムにおいて、前記候補者リスト及び前記総合リストは、読取指紋の品質のレベルを含むことにより、照合に対する信頼性を判断することができる。
【0024】
また、前記指紋認証システムにおいて、前記総合リストは、各読取指紋について候補者として挙がった回数を含むことにより、複数の候補者の中からさらに絞り込みをかけることが容易になる。また、前記指紋認証システムにおいて、前記指紋記憶装置は、前記特定の個人に係る容姿、特徴、経歴を含む個人情報を記憶し、前記候補者リスト及び前記総合リストは、並べられた候補者についての前記個人情報又は記憶指紋にアクセスするためのアクセスキーを含むことにより、リストに表示しきれない候補者に係る個人情報とリンクし、個人情報へのアクセス、その表示が容易に行なえ、複数の候補者の中からさらに絞り込みをかけることが容易になる。
【0025】
また、指紋認証システムにおいて、前記指紋照合装置と前記指紋記憶装置とが情報ネットワークを介して接続されることにより、本システム専用の前記指紋記憶装置を持たずに、外部の指紋記憶装置を利用することが可能となる。
【0026】
また、前記総合リスト作成方式定義ファイルにおいて、採取した指紋の品質が悪い場合には照合スコアを小さくしたり、どの指紋にも出現している候補者についてスコアを加算したりすることを定義することで、照合スコアの数値を適正化することができる。
【0027】
また、前記総合リスト作成方式定義ファイルにおいて、計算された総合スコアの大きい候補者から順に総合リストに載せるように定義することで、候補者の優先順位がわかる。
【0028】
【実施例】
本発明の実施例1を図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係る指紋認証システムの構成を模式的に示したブロック図である。この指紋認証システムは、照合端末1と、ジョブ制御照合機2と、押捺指紋記憶装置3と、を有する。
【0029】
照合端末1は、指紋読込手段11と、照合要求手段12と、表示手段13と、を有する。指紋読込手段11は、採取した複数の指紋を読み込む。照合要求手段12は、読み込んだ複数の指紋を一括してジョブ制御照合機2に送信して一括照合を要求する。表示手段13は、照合完了後にジョブ制御照合機2において登録された候補者リストを表示するとともに、一括照合が完了した後にジョブ制御照合機2において登録された総合リストを表示する。ここで、候補者リストは、照合結果に基づいて各指紋ごとの照合度(照合した際に記憶されている指紋と読み込んだ指紋とそれぞれのドットが一致する割合など)を示す照合スコア、これに対応する候補者名、品質を含む情報をリストにしたものである(例えば、表1参照)。また、総合リストは、照合スコアに基づいて計算された総合スコアによりスコアの大きい者から順に候補者名及びこれに対応する総合スコアを列挙したリストである(例えば、表3参照)。
【0030】
ジョブ制御照合機2は、ジョブの制御を行なうジョブ制御部21と、対比される指紋の照合を行なう照合部22と、総合リストの作成を行なう総合リスト作成部23と、総合リスト作成方式定義ファイル24と、を備える。
【0031】
ジョブ制御部21は、送受信手段211と、ジョブ生成手段212と、登録手段213と、を有する。送受信手段211は、照合端末1から送信された一括照合要求と共に複数の指紋を受信し、受信した複数の指紋を1つずつ照合部22に送信し照合を要求し、照合完了時に照合部22からそれぞれの指紋に対応する(1又は複数の)候補者リストを受信し、これら複数の指紋及び候補者リストを総合リスト作成部23に送信し総合リストの作成を要求し、総合リスト作成部23から送信された総合リストを受信する。ジョブ生成手段212は、一括照合要求に対応する1つのジョブを生成する。登録手段213は、受信した候補者リストを対応するジョブに登録し、受信した総合リストも対応するジョブの結果として登録する。
【0032】
照合部22は、送受信手段221と、照合手段222と、候補者リスト作成手段223と、を有する。送受信手段221は、ジョブ制御部21から送信された複数の指紋及び照合の要求を受信し、作成した候補者リストをジョブ制御部21に照合結果として送信する。照合手段222は、押捺指紋記憶装置3に記憶されている押捺指紋と、受信した遺留指紋と、を照合する。候補者リスト作成手段223は、照合結果に基づいて各指紋ごとの照合度を示す照合スコア及びこれに対応する候補者名を含む候補者リスト候補者リストを作成する。
【0033】
総合リスト作成部23は、送受信手段231と、認識手段232と、総合リスト作成手段233と、計算手段234と、を有する。送受信手段231は、ジョブ制御部21から送信された複数の指紋とそれらの照合結果である候補者リストを受信し、作成した総合リストをジョブ制御部21に送信する。認識手段232は、総合リスト作成方式定義ファイル24から送信された総合リストの作成方式を認識する。総合リスト作成手段233は、計算された総合スコアに基づいて認識された作成方式に従ってスコアの大きい者から順に候補者名及びこれに対応する総合スコアを列挙した総合リストを作成する。計算手段234は、総合リストの作成においては、受信した複数の候補者リストの各候補の照合スコア(これが高いほど同一である可能性が高い)に基づいて、認識した作成方式に含まれる所定の計算式に従って、総合リストを作成するための総合スコアを全候補について計算する。
【0034】
総合リスト作成方式定義ファイル24は、総合リストの作成方式を設定するものである。実施例1では以下(1)から(3)の定義がされているものとする。
【0035】
(1)照合スコアを候補者毎に積算して総合スコアとする。但し、品質の悪い指紋の候補者リストにおける照合スコアに品質係数a(0<a≦1、例えばa=0.5)をかけた値を加算する。
【0036】
(2)どの指紋にも出現している候補者については、出現回数(例えば3回以上の回数)に頻度係数b(0<b、例えばb=10)をかけた値をその総合スコアに加算する。
【0037】
(3)総合スコアの大きい候補者から所定の人数分(例えば4人分)を総合リストの候補者として載せる。実際の総合リスト作成方式定義ファイル24での定義は、これらの内容を総合リスト作成部23が認識できる形式で記述する。
【0038】
押捺指紋記憶装置3は、犯罪者などから採取した押捺指紋を記憶しておく装置である。
【0039】
次に、実施例1の動作を図面を用いて説明する。図2は、本発明の実施例1に係る指紋認証システムの動作を模式的に示したフローチャートである。なお、この指紋認証システムの構成については図1を参照されたい。
【0040】
まず、採取した複数の遺留指紋を照合端末1で読み込み、ジョブ制御照合機2に読み込んだ複数の遺留指紋を送信し一括照合を要求する。ジョブ制御照合機2は、この一括照合要求をジョブ制御部21が受信することにより、この一括照合要求に対応する1つのジョブを生成する(ステップA1)。ジョブ制御部21は、一括照合要求であることを認識して、遺留指紋を1つずつ照合部22に送信し照合を要求する(ステップA2)。ジョブ制御部21は、受け取った全ての遺留指紋についての照合の要求が終わるまで、照合部22に対して照合の要求を繰り返す(ステップA2及びA3)。
【0041】
続いて、照合部22は、通知された遺留指紋と、押捺指紋記憶装置3に記憶されている押捺指紋と、を照合する。そして、照合部22は、照合結果に基づいて候補者リストを作成し、作成した候補者リストを照合結果としてジョブ制御部21に送信する(ステップA4)。ジョブ制御部21は、要求した全ての照合が完了する(候補者リストが送信される)のを待つ(ステップA5)。また、ジョブ制御部21は、受信した候補者リストを生成したジョブに結果として順次登録する。全ての照合が完了すると、ジョブ制御部21は、複数の指紋及びそれぞれの候補者リストを総合リスト作成部23に送信して、総合リストの作成を要求する(ステップA6)。
【0042】
続いて、総合リスト作成部23は、ジョブ制御部21から送信された総合リストの作成の要求を受信することにより総合リスト作成方式定義ファイル24の定義内容を認識し(ステップA7)、これに従って総合リストを作成する。総合リスト作成方式定義ファイル24の定義内容のうち品質係数0.5、頻度係数10、候補者数4人である場合、総合リスト作成部23は、総合リストの作成にあたって、まず全候補者リストに対して候補者毎に照合スコアを積算する。このとき品質の悪い遺留指紋の候補者リストである場合は、照合スコアに0.5をかけた値を加算する。またどの候補者リストにも出現している候補については、出現回数(ここでは3回)に10かけた値を総合スコアに加算する。このようにして、総合リスト作成部23は、全候補者について総合スコアを算出し、総合スコアの高いものから順に4候補者を列挙した総合リストを作成する(ステップA8)。総合リスト作成部23は、作成した総合リストをジョブ制御部21に送信する(ステップA9)。
【0043】
最後に、ジョブ制御部21は、総合リスト作成部23から送信された総合リストを受信することにより、受信した総合リストを生成したジョブの結果として登録し、また、ジョブを完了状態にする(ステップA10)。ジョブが完了状態となると照合端末1からこの一括照合の結果として総合リストと遺留指紋毎の候補者リストを参照することができるようになる。
【0044】
次に、具体例を用いて本実施例の動作を説明する。
【0045】
具体例として、犯人のものと思われる遺留指紋を3つセットで採取し(それぞれを指紋1、指紋2、指紋3とする)、これらの一括照合を行った場合を想定する。指紋3は品質の悪い指紋(かすれている指紋)であるとする。
【0046】
まず、ジョブ制御部21は、照合端末1から送信された一括照合要求を受信することにより、これに対応する1つのジョブを生成する(ステップA1)。ジョブ制御部21は、照合部22に対して指紋毎に照合を要求し(トータル3回)(ステップA2及びA3)、その結果である候補者リストが照合部22から全て(3つ)通知されるのを待ち合わせる(ステップA4及びA5)。3つの指紋について挙げられた候補者リストの一例を表1に示す。ジョブ制御部21は、この候補者リスト及び3つの指紋を総合リスト作成部23に送信し、総合リストの作成を要求する(ステップA6)。
【0047】
【表1】
【0048】
続いて、総合リスト作成部23は、ジョブ制御部21からの総合リストの作成の要求を受けることにより、総合リスト作成方式定義ファイル24の内容を認識して(ステップA7)、これに従って全候補者について総合スコアを計算する。総合リスト作成方式定義ファイル24の定義内容が前記(1)から(3)で示したように品質係数0.5、頻度係数10、候補者数4人である場合、各候補の総合スコアは表2に示される値となる。総合リスト作成部23は、この総合スコアの高いものから4候補により総合リストを作成する(ステップA8)。この場合の総合リストを表3に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
最後に、総合リスト作成部23は作成した総合リストをジョブ制御部21に送信し(ステップA9)、ジョブ制御部21はこれを当該ジョブに登録して、ジョブの状態を完了状態にする(ステップA10)。ジョブが完了状態となった後、照合端末1からはこの一括照合の結果として総合リストと遺留指紋毎の候補者リストを参照することができる。
【0052】
次に、本発明の実施例2について図面を用いて説明する。図3は、本発明の実施例2に係る指紋認証システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【0053】
図3を参照すると、実施例2に係る指紋認証システムは、実施例1とほぼ同様の構成であるが、総合リスト作成部23への作成要求がジョブ制御部21からではなく照合部22から行われる点が実施例1と異なる。
【0054】
実施例2では、照合部22は、複数の指紋を一括照合として受け付けることが可能であり、これらの指紋の照合が完了すると、この照合部22は複数の候補者リスト及び複数の指紋を総合リスト作成部23に送信して総合リストの作成を要求する。総合リスト作成部23において総合リストが作成されて照合部22に通知されると、照合部22は複数の候補者リストと合わせて総合リストもジョブ制御部21に通知する。
【0055】
実施例2の動作を図面を用いて説明する。図4は、本発明の実施例2に係る指紋認証システムの動作を模式的に示したフローチャートである。なお、この指紋認証システムの構成については図3を参照されたい。
【0056】
図4のステップB1、またそれ以前の動作については図2におけるステップA1のそれ以前の動作と同様である。まず、採取した複数の遺留指紋を照合端末1で読み込み、ジョブ制御照合機2に読み込んだ複数の遺留指紋を送信し一括照合を要求する。ジョブ制御照合機2は、この一括照合要求をジョブ制御部21で受信することにより、この一括照合要求に対応する1つのジョブを生成する(ステップB1)。ジョブ制御部21は、一括照合要求であることを認識して、複数の遺留指紋を照合部22に送信し一括照合を要求する(ステップB2)。ここでは照合部22が一括照合の制御を主に行う。また、ジョブ制御部21は一指紋毎の照合要求を繰り返し行うのではなく、複数指紋を照合部22送り一括照合を一度要求するという動作になる点で実施例1とは異なる。
【0057】
続いて、照合部22は、受信した複数の遺留指紋と、押捺指紋記憶装置3に記憶されている押捺指紋と、を照合する。実施例2の照合部22における照合の動作は実施例1の照合部22とほぼ同じであるが、実施例2の照合部22では一括照合を制御するため、一括照合である場合は一つの指紋の照合が完了し候補者リストを作成しても、それをすぐにジョブ制御部21に通知するのではなく、一括照合の複数指紋の照合が全て完了するまで、それぞれに対応する候補者リストが全て揃うのを待ち合わせて蓄積する(ステップB3及びB4)。全ての照合が完了し候補者リストが揃うと、照合部22はこれら複数の候補者リストと指紋を総合リスト作成部23に送信し総合リストの作成を要求する(ステップB5)。ステップB5の動作は図2におけるステップA6と同様である。
【0058】
続いて、総合リスト作成部23は、照合部22から送信された総合リストの作成の要求を受信することにより総合リスト作成方式定義ファイル24の定義内容を認識し(ステップB6)、これに従って総合リストを作成する。総合リスト作成方式定義ファイル24の定義内容が前記(1)から(3)である場合(実施例1のところで示した内容)、総合リスト作成部23は、総合リストの作成にあたって、まず全候補者リストに対して候補者毎に照合スコアを積算する。このとき品質の悪い遺留指紋の候補者リストである場合は、照合スコアに0.5をかけた値を加算する。またどの候補者リストにも出現している候補については、遺留指紋数×10点を総合スコアに加算する。このようにして、総合リスト作成部23は、全候補者について総合スコアを算出し、総合スコアの高いものから4候補を用いて総合リストを作成する(ステップB7)。総合リスト作成部23は、作成した総合リストを照合部22に送信する。ここでステップB6の動作は実施例1(図2)におけるステップA7と同様であり、ステップB7の動作も実施例1(図2)におけるステップA8とほぼ同様であるが、ステップB7では作成した総合リストを総合リスト作成部23からジョブ制御部21に送信するのではなく、要求元である照合部22に送信する点で実施例1と異なる。
【0059】
続いて、照合部22は、総合リスト作成部23から送信された総合リストを受信することにより、この総合リストと複数の候補者リストをジョブ制御部21に送信し一括照合の結果とする(ステップB8)。最後に、ジョブ制御部21はこれら総合リストと複数の候補者リストを該当ジョブに結果として登録し、ジョブを完了状態にする(ステップB9)。実施例2において、総合リストの作成要求は照合部22が行うので、ジョブ制御部21は総合リストの作成要求を行う必要がなく、照合部22から一括照合の結果を受け取ると直ちに当該ジョブを完了状態にする。この点が実施例1と異なる。
【0060】
実施例2によれば、ジョブが完了状態となると照合端末1からこの一括照合の結果として総合リストと遺留指紋毎の候補者リストを参照することができる。
【0061】
次に、具体例について表1〜3、図3及び図4を用いて説明する。
【0062】
具体例としてジョブ制御部21が一括照合要求を受け取るまでの動作は、実施例1の具体例の説明と同様であるので省略する。また、セットで採取した3つの指紋も実施例1のときと同一とする。
【0063】
まず、ジョブ制御部21は、一括照合として照合端末1からの3つの指紋(指紋1、指紋2、指紋3)を照合部22に送り、照合を要求する(ステップB2)。照合部22は、これら3つの指紋の照合がいずれも完了するまで、それぞれの候補者リストが完成するのを待ち合わせる(ステップB3及びB4)。それぞれの候補者リストは表1に示す候補者リストであるとする。全ての候補者リストが揃うと、照合部22はこれら複数の候補者リスト及び複数の指紋を総合リスト作成部23に送信し、総合リストの作成を要求する(ステップB5)。総合リスト作成部23の動作は、実施例1の動作と同様で、総合リスト作成方式定義ファイル24の定義内容を認識し(ステップB6)、これに基づいて表2の各候補の総合スコアを算出し、その上位4候補から表3の総合リストを作成し、この総合リストを照合部22に送信する(ステップB7)。
【0064】
続いて、照合部22はこの総合リストと3つの候補者リストをジョブ制御部21に一括照合の結果として送信する(ステップB8)。最後に、ジョブ制御部21は、これらを該当ジョブに結果として登録し、ジョブの状態を完了にする(ステップB9)。ジョブが完了状態となった後、照合端末1からはこの一括照合の結果として総合リストと遺留指紋毎の候補者リストを参照することができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果を奏する。
【0066】
第1の効果は、複数の指紋の照合結果から最も有力な候補を判断することが容易になり、また、人が判断する場合のミスを無くすことができることである。その理由は、総合的に判断した総合リストが自動的に作成されるためである。
【0067】
第2の効果は、照合ジョブの扱い(照合結果の確認、ジョブの削除など)が容易になることである。その理由は、従来は1つの指紋毎に照合ジョブが生成されていたため、複数の指紋の照合結果の確認には複数のジョブの結果を参照する必要があり、また、ジョブの削除においてもこれら複数のジョブを対象にする必要があったが、本発明ではこれが1つのジョブになるためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る指紋認証システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係る指紋認証システムの動作を模式的に示したフローチャートである。
【図3】本発明の実施例2に係る指紋認証システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【図4】本発明の実施例2に係る指紋認証システムの動作を模式的に示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 照合端末(指紋読込装置)
11 指紋読込手段
12 照合要求手段
13 表示手段
2 ジョブ制御照合機(指紋照合装置)
21 ジョブ制御部
211 送受信手段
212 ジョブ生成手段
213 登録手段
22 照合部
221 送受信手段
222 照合手段
223 候補者リスト作成手段
23 総合リスト作成部
231 送受信手段
232 認識手段
233 総合リスト作成手段
234 計算手段
24 総合リスト作成方式定義ファイル
3 押捺指紋記憶装置(指紋記憶装置)
Claims (20)
- 所定の指紋を読み込む指紋読込端末と、特定の個人に係る指紋を記憶する指紋記憶装置と、読み込んだ指紋と記憶された指紋とを照合する指紋照合装置と、を用いて指紋を認証する指紋認証システムにおいて、
(A)前記指紋読込端末は、
採取した複数の指紋を読み込む指紋読込手段と、
読み込んだ複数の指紋を一括して前記指紋照合装置に送信して一括照合を要求する一括照合要求手段と、
前記指紋照合装置において登録されている、各読込指紋ごとに照合判断された候補者とその照合情報を並べた候補者リスト、及び、全読込指紋について総合的に照合判断された候補者とその照合情報を並べた総合リストの表示を可能とする表示手段と、
を有し、
(B)前記指紋照合装置は、制御部と、照合部と、総合リスト作成部と、総合リスト作成方式定義ファイルと、を備え、
(B1)前記制御部は、
前記指紋読込端末から送信された一括照合要求及び複数の指紋を受信し、受信した複数の指紋を1つずつ前記照合部に送信して照合を要求し、照合完了時に前記照合部から送信された複数の指紋及び候補者リストを受信し、受信した複数の指紋及び候補者リストを前記総合リスト作成部に送信して総合リストの作成を要求し、前記総合リスト作成部から送信された総合リストを受信する送受信手段と、
前記一括照合要求に対応する1つのジョブを生成するジョブ生成手段と、
受信した候補者リスト及び総合リストを対応する前記ジョブに登録する登録手段と、
を有し、
(B2)前記照合部は、
前記制御部から送信された指紋及び照合要求を受信し、作成した候補者リストを照合結果として前記制御部に送信する送受信手段と、
前記指紋記憶装置に記憶されている指紋と、受信した指紋と、を照合する照合手段と、
照合結果に基づいて各指紋ごとに照合度を示す照合スコア及びこれに対応する候補者名を含む候補者リストを作成する候補者リスト作成手段と、
を有し、
(B3)前記総合リスト作成部は、
前記制御部から送信された複数の指紋及び候補者リストを受信し、作成した総合リストを前記制御部に送信する送受信手段と、
前記総合リスト作成方式定義ファイルから送信された総合リストの作成方式を認識する認識手段と、
認識した作成方式に従って受信した複数の候補者リストにおける各候補者の照合スコアを積算した総合スコアを計算する計算手段と、
認識された作成方式に従って候補者名及びこれに対応する総合スコアを列挙した総合リストを作成する総合リスト作成手段と、
を有し、
(B4)前記総合リスト作成方式定義ファイルは、前記総合リストの作成方式を記憶し、
(C)前記指紋記憶装置は、特定の個人に係る複数の指紋を記憶する、
ことを特徴とする指紋認証システム。 - 所定の指紋を読み込む指紋読込端末と、特定の個人に係る指紋を記憶する指紋記憶装置と、読み込んだ指紋と記憶された指紋とを照合する指紋照合装置と、を用いて指紋を認証する指紋認証システムにおいて、
(A)前記指紋読込端末は、
採取した複数の指紋を読み込む指紋読込手段と、
読み込んだ複数の指紋を一括して前記指紋照合装置に送信して一括照合を要求する一括照合要求手段と、
前記指紋照合装置において登録されている、各読込指紋ごとに照合判断された候補者とその照合情報を並べた候補者リスト、及び、全読込指紋について総合的に照合判断された候補者とその照合情報を並べた総合リストの表示を可能とする表示手段と、
を有し、
(B)前記指紋照合装置は、制御部と、照合部と、総合リスト作成部と、総合リスト作成方式定義ファイルと、を備え、
(B1)前記制御部は、
前記指紋読込端末から送信された一括照合要求及び複数の指紋を受信し、受信した一括照合要求及び複数の指紋を前記照合部に送信して照合を要求し、照合完了時に前記照合部から送信された候補者リスト及び総合リストを受信する送受信手段と、
前記一括照合要求に対応する1つのジョブを生成するジョブ生成手段と、
受信した候補者リスト及び総合リストを対応する前記ジョブに登録する登録手段と、
を有し、
(B2)前記照合部は、
前記制御部から送信された複数の指紋及び一括照合要求を受信し、作成した候補者リスト及び受信した複数の指紋を前記総合リスト作成部に送信して総合リストの作成を要求し、前記総合リスト作成部から送信された総合リストを受信し、作成した候補者リスト及び受信した総合リストを照合結果としてそれぞれ前記制御部に送信する送受信手段と、
前記指紋記憶装置に記憶されている指紋と、受信した複数の指紋と、を照合する照合手段と、
照合結果に基づいて各指紋ごとに照合度を示す照合スコア及びこれに対応する候補者名を含む候補者リストを作成する候補者リスト作成手段と、
を有し、
(B3)前記総合リスト作成部は、
前記照合部から送信された複数の指紋及びこれに対応する候補者リストを受信し、作成した総合リストを前記照合部に送信する送受信手段と、
前記総合リスト作成方式定義ファイルから送信された総合リストの作成方式を認識する認識手段と、
認識した作成方式に従って受信した複数の候補者リストにおける各候補者の照合スコアを積算した総合スコアを計算する計算手段と、
認識された作成方式に従って候補者名及びこれに対応する総合スコアを列挙した総合リストを作成する総合リスト作成手段と、
を有し、
(B4)前記総合リスト作成方式定義ファイルは、前記総合リストの作成方式を記憶し、
(C)前記指紋記憶装置は、特定の個人に係る複数の指紋を記憶する、
ことを特徴とする指紋認証システム。 - 前記候補者リスト及び前記総合リストは、並べられた候補者についての記憶指紋及び読取指紋を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の指紋認証システム。
- 前記候補者リスト及び前記総合リストは、読取指紋の品質のレベルを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の指紋認証システム。
- 前記総合リストは、各読取指紋について候補者として挙がった回数を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の指紋認証システム。
- 前記指紋記憶装置は、前記特定の個人に係る容姿、特徴、経歴を含む個人情報を記憶し、
前記候補者リスト及び前記総合リストは、並べられた候補者についての前記個人情報又は記憶指紋にアクセスするためのアクセスキーを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の指紋認証システム。 - 前記指紋照合装置と前記指紋記憶装置とは情報ネットワークを介して接続されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の指紋認証システム。
- 前記総合リスト作成方式定義ファイルは、採取した指紋の品質が悪い場合、前記候補者リストにおける照合スコアに品質係数をかけた値を加算することを定義することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の指紋認証システム。
- 前記総合リスト作成方式定義ファイルは、どの指紋にも出現している候補者について、出現回数に頻度係数をかけた値をその総合スコアに加算することを定義することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の指紋認証システム。
- 前記総合リスト作成方式定義ファイルは、計算された総合スコアの大きい候補者から順に所定の人数分を総合リストの候補者として載せるように定義することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載の指紋認証システム。
- 所定の指紋を読み込む指紋読込端末と、特定の個人に係る指紋を記憶する指紋記憶装置と、読み込んだ指紋と記憶された指紋とを照合する指紋照合装置と、を用いて指紋を認証する指紋認証方法において、
(1)採取した複数の指紋を前記指紋読込端末で読み込む工程と、
(2)前記指紋読込端末において読み込んだ複数の指紋を指紋照合装置に送信し一括照合を要求する工程と、
(3)前記指紋照合装置の制御部において前記一括照合要求を受信することにより前記一括照合要求に対応する1つのジョブを生成する工程と、
(4)前記指紋照合装置の制御部において前記一括照合要求であることを認識して、受信した指紋を1つずつ前記指紋照合装置の照合部に送信し照合を要求する工程と、
(5)前記指紋照合装置の制御部において受信した全ての指紋についての照合の要求が終わるまで、前記指紋照合装置の照合部に対して照合の要求を繰り返す工程と、
(6)前記指紋照合装置の照合部において受信した指紋と、前記指紋記憶装置に記憶されている指紋と、を照合する工程と、
(7)前記指紋照合装置の照合部において要求された全ての照合が完了するまで、照合結果に基づいて各指紋ごとに照合度を示す照合スコア及びこれに対応する候補者名を含む候補者リストを作成し、作成した候補者リストを照合結果として前記指紋照合装置の制御部に送信する工程を繰り返す工程と、
(8)前記指紋照合装置の制御部において受信した候補者リストを生成したジョブに登録する工程と、
(9)全ての照合が完了することにより、前記指紋照合装置の制御部において受信した複数の指紋及び候補者リストを前記指紋照合装置の総合リスト作成部に送信して、総合リストの作成を要求する工程と、
(10)前記指紋照合装置の総合リスト作成部において前記指紋照合装置の制御部から送信された総合リストの作成要求を受信することにより前記総合リスト作成方式定義ファイルの作成方式を認識し、認識した作成方式に従って受信した複数の候補者リストにおける各候補者の照合スコアを積算した総合スコアを計算し、認識された作成方式に従って候補者名及びこれに対応する総合スコアを列挙した総合リストを作成する工程と、
(11)前記指紋照合装置の総合リスト作成部において作成した総合リストを前記指紋照合装置の制御部に送信する工程と、
(12)前記指紋照合装置の制御部において前記指紋照合装置の総合リスト作成部から送信された総合リストを受信することにより、受信した総合リストを前記ジョブに登録する工程と、
を含むことを特徴とする指紋認証方法。 - 所定の指紋を読み込む指紋読込端末と、特定の個人に係る指紋を記憶する指紋記憶装置と、読み込んだ指紋と記憶された指紋とを照合する指紋照合装置と、を用いて指紋を認証する指紋認証方法において、
(1)採取した複数の指紋を前記指紋読込端末で読み込む工程と、
(2)前記指紋読込端末において読み込んだ複数の指紋を指紋照合装置に送信し一括照合を要求する工程と、
(3)前記指紋照合装置の制御部において前記一括照合要求を受信することにより前記一括照合要求に対応する1つのジョブを生成する工程と、
(4)前記指紋照合装置の制御部において前記一括照合要求であることを認識して、受信した複数の指紋を一括して前記指紋照合装置の照合部に送信し一括照合を要求する工程と、
(5)前記指紋照合装置の照合部において受信した複数の指紋と、前記指紋記憶装置に記憶されている指紋と、を照合する工程と、
(6)前記指紋照合装置の照合部において要求された全ての照合が完了するまで、照合結果に基づいて各指紋ごとの照合度を示す照合スコア及びこれに対応する候補者名を含む候補者リストを作成する工程を繰り返す工程と、
(7)前記指紋照合装置の照合部において、全ての照合が完了し候補者リストが揃うと、複数の指紋及びこれに対応する候補者リストを前記指紋照合装置の総合リスト作成部に送信し総合リストの作成を要求する工程と、
(8)前記指紋照合装置の総合リスト作成部において前記指紋照合装置の照合部から送信された総合リストの作成の要求を受信することにより前記指紋照合装置の総合リスト作成方式定義ファイルの作成方式を認識し、認識した作成方式に従って受信した複数の候補者リストにおける各候補者の照合スコアを積算した総合スコアを計算し、認識された作成方式に従って候補者名及びこれに対応する総合スコアを列挙した総合リストを作成する工程と、
(9)前記指紋照合装置の総合リスト作成部において作成した総合リストを前記指紋照合装置の照合部に送信する工程と、
(10)前記指紋照合装置の照合部において前記指紋照合装置の総合リスト作成部から送信された総合リストを受信することにより、受信した総合リスト及び作成した候補者リストを前記指紋照合装置の制御部に送信する工程と、
(11)前記指紋照合装置の制御部において前記指紋照合装置の照合部から送信された総合リスト及び候補者リストを受信することにより、受信した総合リスト及び候補者リストを前記ジョブに登録する工程と、
を含むことを特徴とする指紋認証方法。 - 前記総合リスト作成方式定義ファイルは、採取した指紋の品質が悪い場合、前記候補者リストにおける照合スコアに品質係数をかけた値を加算することを定義することを特徴とする請求項11又は12記載の指紋認証方法。
- 前記総合リスト作成方式定義ファイルは、どの指紋にも出現している候補者について、出現回数に頻度係数をかけた値をその総合スコアに加算することを定義することを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一に記載の指紋認証方法。
- 前記総合リスト作成方式定義ファイルは、計算された総合スコアの大きい候補者から順に所定の人数分を総合リストの候補者として載せるように定義することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一に記載の指紋認証方法。
- 所定の指紋を読み込む指紋読込端末と、特定の個人に係る指紋を記憶する指紋記憶装置と、読み込んだ指紋と記憶された指紋とを照合する指紋照合装置と、を用いて指紋の認証を行わせるプログラムを担持したコンピュータ読み取り可能な媒体において、
(1)採取した複数の指紋を前記指紋読込端末で読み込むステップと、
(2)前記指紋読込端末において読み込んだ複数の指紋を指紋照合装置に送信し一括照合を要求するステップと、
(3)前記指紋照合装置の制御部において前記一括照合要求を受信することにより前記一括照合要求に対応する1つのジョブを生成するステップと、
(4)前記指紋照合装置の制御部において前記一括照合要求であることを認識して、受信した指紋を1つずつ前記指紋照合装置の照合部に送信し照合を要求するステップと、
(5)前記指紋照合装置の制御部において受信した全ての指紋についての照合の要求が終わるまで、前記指紋照合装置の照合部に対して照合の要求を繰り返すステップと、
(6)前記指紋照合装置の照合部において受信した指紋と、前記指紋記憶装置に記憶されている指紋と、を照合するステップと、
(7)前記指紋照合装置の照合部において要求された全ての照合が完了するまで、照合結果に基づいて各指紋ごとに照合度を示す照合スコア及びこれに対応する候補者名を含む候補者リストを作成し、作成した候補者リストを照合結果として前記指紋照合装置の制御部に送信する工程を繰り返すステップと、
(8)前記指紋照合装置の制御部において受信した候補者リストを生成したジョブに登録するステップと、
(9)全ての照合が完了することにより、前記指紋照合装置の制御部において受信した複数の指紋及び候補者リストを前記指紋照合装置の総合リスト作成部に送信して、総合リストの作成を要求するステップと、
(10)前記指紋照合装置の総合リスト作成部において前記指紋照合装置の制御部から送信された総合リストの作成要求を受信することにより前記総合リスト作成方式定義ファイルの作成方式を認識し、認識した作成方式に従って受信した複数の候補者リストにおける各候補者の照合スコアを積算した総合スコアを計算し、認識された作成方式に従って候補者名及びこれに対応する総合スコアを列挙した総合リストを作成するステップと、
(11)前記指紋照合装置の総合リスト作成部において作成した総合リストを前記指紋照合装置の制御部に送信するステップと、
(12)前記指紋照合装置の制御部において前記指紋照合装置の総合リスト作成部から送信された総合リストを受信することにより、受信した総合リストを前記ジョブに登録するステップと、
を実行させることを特徴とする指紋の認証を行わせるプログラムを担持したコンピュータ読み取り可能な媒体。 - 所定の指紋を読み込む指紋読込端末と、特定の個人に係る指紋を登録する指紋記憶装置と、読み込んだ指紋と記憶された指紋とを照合する指紋照合装置と、を用いて指紋の認証を行わせるプログラムを担持したコンピュータ読み取り可能な媒体において、
(1)採取した複数の指紋を前記指紋読込端末で読み込むステップと、
(2)前記指紋読込端末において読み込んだ複数の指紋を指紋照合装置に送信し一括照合を要求するステップと、
(3)前記指紋照合装置の制御部において前記一括照合要求を受信することにより前記一括照合要求に対応する1つのジョブを生成するステップと、
(4)前記指紋照合装置の制御部において前記一括照合要求であることを認識して、受信した複数の指紋を一括して前記指紋照合装置の照合部に送信し一括照合を要求するステップと、
(5)前記指紋照合装置の照合部において受信した複数の指紋と、前記指紋記憶装置に記憶されている指紋と、を照合するステップと、
(6)前記指紋照合装置の照合部において要求された全ての照合が完了するまで、照合結果に基づいて各指紋ごとの照合度を示す照合スコア及びこれに対応する候補者名を含む候補者リストを作成する工程を繰り返すステップと、
(7)前記指紋照合装置の照合部において、全ての照合が完了し候補者リストが揃うと、複数の指紋及びこれに対応する候補者リストを前記指紋照合装置の総合リスト作成部に送信し総合リストの作成を要求するステップと、
(8)前記指紋照合装置の総合リスト作成部において前記指紋照合装置の照合部から送信された総合リストの作成の要求を受信することにより前記指紋照合装置の総合リスト作成方式定義ファイルの作成方式を認識し、認識した作成方式に従って受信した複数の候補者リストにおける各候補者の照合スコアを積算した総合スコアを計算し、認識された作成方式に従って候補者名及びこれに対応する総合スコアを列挙した総合リストを作成するステップと、
(9)前記指紋照合装置の総合リスト作成部において作成した総合リストを前記指紋照合装置の照合部に送信するステップと、
(10)前記指紋照合装置の照合部において前記指紋照合装置の総合リスト作成部から送信された総合リストを受信することにより、受信した総合リスト及び作成した候補者リストを前記指紋照合装置の制御部に送信するステップと、
(11)前記指紋照合装置の制御部において前記指紋照合装置の照合部から送信された総合リスト及び候補者リストを受信することにより、受信した総合リスト及び候補者リストを前記ジョブに登録するステップと、
を実行させることを特徴とする指紋の認証を行わせるプログラムを担持したコンピュータ読み取り可能な媒体。 - 前記総合リスト作成方式定義ファイルは、採取した指紋の品質が悪い場合、前記候補者リストにおける照合スコアに品質係数をかけた値を加算することを定義することを特徴とする請求項16又は17記載の指紋の認証を行わせるプログラムを担持したコンピュータ読み取り可能な媒体。
- 前記総合リスト作成方式定義ファイルは、どの指紋にも出現している候補者について、出現回数に頻度係数をかけた値をその総合スコアに加算することを定義することを特徴とする請求項16乃至18のいずれか一に記載の指紋の認証を行わせるプログラムを担持したコンピュータ読み取り可能な媒体。
- 前記総合リスト作成方式定義ファイルは、計算された総合スコアの大きい候補者から順に所定の人数分を総合リストの候補者として載せるように定義することを特徴とする請求項16乃至19のいずれか一に記載の指紋の認証を行わせるプログラムを担持したコンピュータ読み取り可能な媒体。
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